JP3139343B2 - 多段開度弁装置 - Google Patents

多段開度弁装置

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JP3139343B2
JP3139343B2 JP07276110A JP27611095A JP3139343B2 JP 3139343 B2 JP3139343 B2 JP 3139343B2 JP 07276110 A JP07276110 A JP 07276110A JP 27611095 A JP27611095 A JP 27611095A JP 3139343 B2 JP3139343 B2 JP 3139343B2
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裕史 上瀧
芳久 山木
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Fluid-Driven Valves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁開度を多段階に
制御することができる弁装置、特に車両用ディーゼルエ
ンジンのEGR制御弁に採用されて好適な多段開度弁装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】技術上良く知られているように、車両用
エンジンの排気ガス中のNOを低減するために、同エ
ンジンの排気ガスの一部を、エンジンの運転状態に応じ
流量を制御してエンジンの吸気系に還流させる所謂EG
R制御弁には、弁開度を制御するアクチュエータとし
て、ダイヤフラム式の流体圧力応動装置が広く採用され
ている。しかしながら、上記ダイヤフラム式アクチュエ
ータを具えたEGR制御弁では、ダイヤフラムに作用す
る流体圧力(通常は圧縮空気圧力又は負圧)を制御する
ことによって弁開度が制御されるので、流体圧力を調整
する調圧装置やフィードバック制御が必要となり、構造
が複雑で僅かな外乱により弁開度が容易に変動するの
で、長期間にわたり確実な弁開度制御を行なうことが難
しいという問題があった。
【0003】上記ダイヤフラム式アクチュエータを有す
るEGR制御弁の上記問題点を解決して、作動流体圧力
の精密な調整及び複雑なフィードバック制御を必要とせ
ず、容易かつ正確な弁開度制御を行なうことができる多
段開度EGR制御弁が、既に実開平5−47401号公
開公報に開示されている。
【0004】上記既提案の弁装置の概略構造を、図11
を参照して説明すると、図中符号01は、総括的に車両
用エンジンのEGR制御弁装置を示し、同弁装置は上記
エンジンの排気ガスの一部を抽出して吸気系に還流する
EGR通路(図示せず)内に介装されるハウジング02
を具えている。ハウジング02の内部には、排気ガス通
路03と、同排気ガス通路03に介装されて排気ガス流
量を制御するポペット弁からなる弁部材04と、同弁部
材04の弁ステム04′に作動的に連結されて弁開度又
はリフトを制御するアクチュエータ05とが設けられて
いる。
【0005】上記アクチュエータ05は、ハウジング0
2内に上記弁ステム04′に対して略同軸的に形成され
たシリンダ06と、同シリンダ06内に摺動自在に嵌装
された第1ピストン07と、同第1ピストン07内に摺
動自在に嵌装され上記弁ステム04′の端部に固着され
た第2ピストン08とを具えている。上記第1ピストン
07は、シリンダ06に嵌装された中空円筒状の筒部材
07aと、同筒部材07aの弁部材04から遠い側の開
口端にスナップリング09によって固着されたピストン
部材07bとからなり、上記筒部材07aの弁部材04
側の開口端には、半径方向内方に突出した突縁又はスト
ッパ010が設けられている。また、上記第2ピストン
08は、上記筒部材07aの中空孔内に、摺動自在に収
容されている。
【0006】ハウジング02の弁部材04から遠い側の
端部には、図示しない電磁三方弁を介して作動媒体源、
例えば圧縮空気源に接続された第1給排ポート011が
設けられ、同ポート011は、シリンダ06内に第1ピ
ストン07によって限界された第1作動室012に常時
連通している。また、ハウジング02の側壁には、第2
給排ポート013が設けられ、同ポート013は、シリ
ンダ06内において第1ピストン07と第2ピストン0
8とによって画成された第2作動室014に常時連通し
ている。さらに、上記第2ピストン08と、シリンダ0
6の弁部材04側の端壁との間に、同弁部材04を常時
閉方向に付勢する弁スプリング015が縮設されてい
る。
【0007】図11は、上記第1及び第2給排ポート0
11及び013の何れにも圧縮空気が供給されず、両ポ
ートが大気に連通している状態を示している。このとき
弁部材04は全閉しており、第1ピストン07のストッ
パ010とシリンダ06の肩部016との間には、弁軸
04′方向に第1の弁リフトを限定する間隙lが形成
され、また第2ピストン08は上記弁スプリング015
により押されて第1ピストン07に一体的に設けられた
突起又はプッシュロッド017に当接しており、同第2
ピストン08とストッパ010との間には、弁軸04′
方向に第2の弁リフトを限定する間隙lが設けられて
いる。
【0008】次に、第1給排ポート011から第1作動
室012に圧縮空気が供給されると、第1ピストン07
が、第2ピストン08を介して弁スプリング015を圧
縮しストッパ10の弁部材04側の端面が、上記シリン
ダの肩部016に当接するまで変位し、弁部材04が第
1リフト又は開度lだけ開き、排気ガス通路03に
は、弁部材04の第1リフトlに相応した流量の排気
ガスが流れ、エンジンの吸気系に供給される。また、第
2給排ポート013から第2作動室014に圧縮空気が
供給されると(なお、第1給排ポート011は大気開放
のまま)第2ピストン08が、単独で弁スプリング01
5を圧縮してストッパ010に当接するまで変位し、弁
部材04が第2リフト又は開度lだけ開き、排気ガス
通路03には、弁部材04の第2リフトlに相応した
流量の排気ガスが流れ、エンジンの吸気系に供給され
る。
【0009】さらに、第1及び第2給排ポート011及
び013の双方に圧縮空気が供給されると、第1ピスト
ン07及び第2ピストン08が、上記第1リフトl
び第2リフトlだけ弁軸04′方向に夫々変位するの
で、弁部材04のリフト又は開度lは(l+l
となる。
【0010】そこで、エンジンの運転状態に応じて、弁
部材04の必要な最小の弁リフト又は開度を、一例とし
て1mm、最大の弁リフトを10mmとすると(図示の
場合は、l=1mm、l=10mm)、中間のリフ
トl=9mmとなる。即ち、この既提案の弁装置で
は、最小リフトl=1mmと、最大リフトl=10
mmに近い中間リフトl=9mmの3種類のリフトが
得られ、換言すれば、1種類の小さいリフトと、2種類
の大きいリフトが得られる。従って、エンジン側の運転
条件から、最小弁リフト又は開度、例えば1mmと、そ
れより僅かに大きい第2の弁リフト又は開度2mmとが
必要な場合、この既提案の弁装置では、最大リフトl
=l+lが僅か3mmとなり、構造上、十分な最大
リフト又は開度を得ることができない。この結果、エン
ジン性能、特に排気ガス中のNOの効果的な低減を達
成しようとする場合、EGR制御弁装置の3種類の弁リ
フト又は開度の選択を巾広く行なうことができず、この
ため所要のエンジン性能が得られない不具合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記既提案
の多段開度弁装置の欠点を解消して、3段階の弁リフト
又は開度を巾広く選択することができ、特に十分な最大
弁リフトを確保しながら、2種類の小さい弁リフト又は
開度を容易に得ることができる弁装置を提供することを
主たる目的とするものである。また本発明は、車両用エ
ンジン、特にトラック等のディーゼルエンジンにおける
EGR制御弁装置に適用された場合、出力、燃費等のエ
ンジン性能を確保しながら、排気ガス中のNOを効果
的に低減することができる多段開度弁装置を提供するこ
とを、他の目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために創案されたもので、流体通路に介装され、
その開度を多段階に設定されることにより流体流量を制
御する弁部材と、ハウジング内に設けられた第1シリン
ダ内に摺動自在に嵌装された第1ピストンと、同第1ピ
ストン内に略同軸的に形成された第2シリンダと、同第
2シリンダ内に摺動自在に嵌装された第2ピストンと、
同第2ピストン内に略同軸的に形成された第3シリンダ
と、同第3シリンダ内に摺動自在に嵌装され上記弁部材
に作動的に連結された第3ピストンと、上記弁部材に連
結され同弁部材を常時閉方向に付勢する弾性装置と、上
記ハウジングに設けられ、上記第2シリンダ内に形成さ
れた第3作動室に作動媒体を供給することにより、上記
第3ピストンのみを開弁方向に変位させて上記弁部材を
第1開度Lだけ開放する第1の給排ポートと、上記ハ
ウジングに設けられ、上記第1シリンダ内に形成された
第1作動室に作動媒体を供給することにより、上記第1
ピストンを開弁方向に変位させ上記第2ピストン及び第
3ピストンを介して上記弁部材を第2開度Lだけ開放
する第2給排ポートと、上記第1給排ポート及び第2給
排ポートの双方に作動媒体を供給することにより第1な
いし第3作動室に作動媒体が供給されて上記第1ピスト
ン、第2ピストン及び第3ピストンが開弁方向に変位
し、上記第1及び第2開度L及びLに第2ピストン
の第3開度Lを加えた合計開度L+L+Lだけ
上記弁部材が開放されるように構成されたことを特徴と
する多段開度弁装置を提案するものである。
【0013】本発明において、上記ハウジング内に、上
記第1給排ポートと上記第2ピストン内の第3作動室と
を連通する第1通路、及び同第1給排ポートと上記第1
ピストン内の第2作動室とを連通する第2通路とが設け
られ、同第2通路は、上記第1給排ポートのみに作動媒
体が供給されているときは、上記第1ピストンによって
閉塞されるが、上記第2給排ポートに作動媒体が供給さ
れているときは、上記第1ピストンの変位により開通さ
れるように構成されることが好ましい。また、上記ハウ
ジング内に、上記第3ピストンの第3作動室に臨む受圧
面とは反対側の受圧面に臨む第4の作動室を設けると共
に、同第4作動室に作動媒体を給排する第3の給排ポー
トを設けることが好ましい。
【0014】さらに、請求項1又は請求項3に係る発明
において、上記流体通路が、エンジンの排気ガスの一部
を同エンジンの吸気系に給送するEGR通路であり、上
記弁部材が上記排気ガスの吸気系への供給流量を制御す
るEGR制御弁であって、エンジンが、予め設定された
中速回転数以下の回転数で、かつ予め設定された中以下
の負荷の第1運転領域で運転しているとき、上記第1及
び第2給排ポートに作動媒体が供給されて第1ないし第
3ピストンがすべて開弁方向に変位して同弁部材が第1
ないし第3開度を加算したL +L +L だけ開放さ
れ、またエンジンが上記設定中速回転数で、かつ予め設
定された中以下の負荷の第2運転領域で運転されている
とき、上記第2給排ポートのみに作動媒体が供給され
て、第1ピストンが開弁方向に変位し第2及び第3ピス
トンを介して弁部材が上記第2開度L だけ開放され、
さらに、エンジンが上記第1及び第2運転領域より高負
荷でかつ予め設定された高速回転数以下の回転数の第3
運転領域で運転しているときに、上記第1給排ポートに
作動媒体が供給されて、上記第3ピストンのみが開弁方
向に変位し弁部材が上記第1開度L だけ開放されるよ
うに構成されることが好ましい。 なお、請求項1ないし
請求項4記載の発明の実際に際して、上記各給排ポート
に供給される作動媒体は圧縮空気であり、上記各給排ポ
ートは夫々電磁三方弁を介して圧縮空気源に接続される
ことが望ましい。また、エンジンが、上記第1ないし第
3運転領域以外の運転領域で運転しているとき、及び同
エンジンの急加速時、並びにエンジンの冷却水温が設定
温度以下のときは、上記第1及び第2給排ポートの何れ
にも作動媒体が供給されず、上記弁部材が上記弾性装置
により閉止位置に保持されるように構成されることが望
ましい。さらにまた、上記弁部材が開状態から閉止され
るときに、上記第3給排ポートに作動媒体が供給され、
上記第3ピストンが弁部材閉止方向に付勢されるように
構成されることが望ましい。
【0015】上記のように本発明をEGR制御弁に適用
した場合、エンジンが、予め設定された中速回転数以下
の回転数で、かつ予め設定された中以下の負荷の第1運
転領域で運転しているとき、上記第1及び第2給排ポー
トに作動媒体が供給されて第1ないし第3ピストンがす
べて開弁方向に変位して同弁部材が第1ないし第3開度
を加算したL+L+Lだけ開放され、またエンジ
ンが上記設定中速回転数で、かつ予め設定された中以下
の負荷の第2運転領域で運転されているとき、上記第2
給排ポートのみに作動媒体が供給されて、第1ピストン
が開弁方向に変位し第2及び第3ピストンを介して弁部
材が上記第2開度Lだけ開放され、さらに、エンジン
が上記第1及び第2運転領域より高負荷でかつ予め設定
された高速回転数以下の回転数の第3運転領域で運転し
ているときに、上記第1給排ポートに作動媒体が供給さ
れて、上記第3ピストンのみが開弁方向に変位し弁部材
が上記第1開度Lだけ開放されるように構成されるこ
とが好ましく、また、エンジンが、上記第1ないし第3
運転領域以外の運転領域で運転しているとき、及び同エ
ンジンの急加速時、並びにエンジンの冷却水温が設定温
度以下のときは、上記第1及び第2給排ポートの何れに
も作動媒体が供給されず、上記弁部材が上記弾性装置に
より閉止位置に保持されるように構成され、なおまた上
記弁部材が開状態から閉止されるときに、上記第3給排
ポートに作動媒体が供給され、上記第3ピストンが弁部
材閉止方向に付勢されるように構成されることが望まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明を車両用ディーゼルエ
ンジンのEGR制御弁に適用した好ましい実施の形態を
添付図面について具体的に説明する。先ず、図1ないし
図8に示した第1の実施形態において、図中符号10は
総括的にEGR制御弁を示し、同EGR制御弁10は上
記エンジンの排気ガスの一部を抽出して吸気系に還流す
るEGR通路(図5の符号86)内に介装されるハウジ
ング12を具えている。上記ハウジング12の内部に、
排気ガス通路14と、同排気ガス通路14に介装されて
排気ガス流量を制御するポペット弁からなる弁部材16
と、同弁部材16の弁ステム18に作動的に連結されて
弁開度又はリフトを制御するアクチュエータ20とが設
けられている。
【0017】上記ハウジング12は、弁部材16の弁ス
テム18に略直交する平面に沿い分割された上方ハウジ
ング12a及び下方ハウジング12bからなり、これら
上方及び下方ハウジング12a及び12bは、複数のボ
ルト22(図1には1個のみ示されている)により一体
的に締結されている。上方ハウジング12a内に、上記
弁ステム18に対し略同軸的に、かつ弁部材16側に向
って開口した第1シリンダ24が設けられ、同第1シリ
ンダ24には大径の第1ピストン26が弁軸線方向に摺
動自在に嵌装されている。上記第1ピストン26の内部
には、弁部材16側に向って開口した第2シリンダ28
が略同軸的に形成されている。同第2シリンダ28内
に、第2ピストン30が摺動自在に嵌装されている。
【0018】上記第1シリンダ24内に第1ピストン2
6によって第1作動室32が限界され、同第1作動室3
2には第1ピストン26を常時弁部材16側に弾性的に
押圧する第1リターンスプリング34が縮設されてい
る。また、上方ハウジング12aの上端壁には、上記第
1作動室32に作動媒体、例えば圧縮空気を供給し、又
は同第1作動室32内の圧縮空気を外気に排出する第2
給排ポート36が設けられている。また上記第1ピスト
ン26の弁部材16側の開口端には、第1のストッパリ
ング38が螺合され、同ストッパリング38は、下方ハ
ウジング12bの上端面に形成された環状当接面40と
協働して、上記第1ピストン26の弁部材16側への変
位量Lが限定される。
【0019】上記第2シリンダ28内に第2ピストン3
0によって第2作動室42が限界され、同第2作動室4
2には、第2ピストン30を常時弁部材16側に弾性的
に押圧する第2リターンスプリング44が縮設されてい
る。また、第2ピストン30の内部に、弁ステム18に
対し略同軸的に、かつ弁部材16側に向い開口した第3
シリンダ46が形成され、同第3シリンダ46内には、
第3ピストン48が弁ステムの軸線方向に摺動自在に嵌
装されている。
【0020】上記第3シリンダ46内に第3ピストン4
8によって第3作動室50が限界され、同第3作動室5
0には、第3ピストン48を常時弁部材16側に弾性的
に押圧する第3リターンスプリング52が縮設され、同
スプリング52によって第3ピストン48は、その下端
面を弁ステム18の上端面に常時圧接されている。ま
た、上記第2ピストン30の弁部材16側の開口端に
は、第2のストッパリング54が螺合され、図1に示さ
れている弁部材16の全閉位置において、第3ピストン
48の下端面と、第2ストッパリング54との間に間隙
が設定されており、この間隙Lは、第3ピストン
48の第3シリンダ46に対する許容変位量又はストロ
ークである。一方、上記第2ピストン30の弁部材16
側の開口端に螺合された第2ストッパリング54の下端
面と、上記第1ピストン26の弁部材16側の開口端に
螺合された第1ストッパリング38の上端面との間に、
図1に示されている弁部材16の全閉状態において、間
隙Lが設定されている。この間隙Lは、第2ピスト
ン30の第2シリンダ28に対する許容変位量又はスト
ロークである。
【0021】上記上方ハウジング12aの側壁に、作動
媒体としての圧縮空気を、第1通路56を介して上記第
3作動室50に給排すると共に、第2通路58を介して
上記第2作動室42に給排する第1給排ポート60が設
けられている。上記第1通路50は、第1ピストン26
の周壁に凹設された環状溝64及び同周壁を貫通する連
通孔66を介して常時第3作動室50に連通し、一方、
第2通路58は、弁部材16が、図1に示されている全
閉位置にあるときは、第1ピストン26の肩部26′に
よって閉塞され、同第1ピストン26が弁部材16側に
変位することによって第2作動室42に連通するように
形成されている。
【0022】上記弁部材16の弁ステム18の上方部分
に、通常のバルブコッタ68を介してスプリングリテー
ナ70が装着され、同スプリングリテーナ70と弁ステ
ム18を摺動自在に挿通させるバルブガイド72又は同
バルブガイド72に外嵌されたスプリングリテーナとの
間に弁スプリング74が縮設され、同弁スプリング74
によって弁部材16は、図1に示されている全閉位置に
付勢されている。
【0023】図1は、第1給排ポート60及び第2給排
ポート36の何れにも作動媒体としての圧縮空気が供給
されず、すべての構成部材が休止位置にある状態を示し
ている。このとき、大きいばね定数を有する弁スプリン
グ74によって弁部材16は全閉されており、弁ステム
18の頂面に第3ピストン48が第3リターンスプリン
グ52によって圧接され、さらに同第2ピストン30の
上端面は、第1ピストン26内の第2シリンダ28の上
端面に当接している。さらに第1ピストン26は、第2
リターンスプリング44により押されて、その肩部2
6′が上方ハウジング12aの段部12a′に当接して
いる。
【0024】上記弁部材16の全閉位置、即ちアクチュ
エータ20の休止位置において、既に説明したように、
第1ピストン26の弁部材16方向の許容変位量又は設
定ストロークはLであり、第1ピストン26に対する
第2ピストン30の弁部材16方向の許容変位量又は設
定ストロークはL、また第2ピストン30に対する第
3ピストン48の弁部材16方向の許容変位量又は設定
ストロークはLである。なお、上記第1ピストン26
の上記設定ストロークLは、上方ハウジング12aと
下方ハウジング12bとの間に介装されるシム76の厚
さを変更するか、第1ストッパリング38の弁ステム1
8軸線方向の厚さを変える等によって適宜に設定するこ
とができ、同様に、第2ピストン30及び第3ピストン
48の設定ストロークL及びLも、アクチュエータ
20の主要部材であるハウジングや各ピストン26,3
0及び48の基本的寸度を変更することなく、第1及び
第2ストッパリング38及び54の弁ステム軸線方向の
厚さ或いは寸度、螺合位置を変化させることによって、
適宜に変更することができる。
【0025】上記構成のEGR制御弁10において、一
例として、上記第1ないし第3ピストン26,30及び
48の許容変位量又は設定ストロークLを4mm、L
を5mm、Lを1mmに夫々設定した場合につい
て、アクチュエータ20の作動態様を説明する。(な
お、図2ないし図4の作動説明図においては、図面の過
度の混雑を避けるため、第1ないし第3リターンスプリ
ング34,44及び52は、図示を省略されている。)
【0026】先ず、図2は第2給排ポート36が大気開
放され、第1給排ポート60に作動媒体としての圧縮空
気が供給されている状態を示す。第1給排ポート60に
供給された圧縮空気は、第1通路56、環状溝64及び
連通孔66を経て第3作動室50に入り、第3ピストン
48を弁スプリング74に抗して第2ストッパリング5
4に当接する位置まで弁部材16側に変位させる。この
第3ピストン48の変位量L=1mmが弁部材16の
第1開度となり、弁開度は1mmとなる。この結果、弁
部材16の上流側と下流側の圧力差及び弁開度L=1
mmに相応した量の排気ガスが、排気ガス通路14か
ら、エンジンの吸気系に供給される。
【0027】次に図3は、第1給排ポートは大気開放さ
れ、第2給排ポート36に圧縮空気が供給されている場
合を示す。第1シリンダ24内の第1作動室32に圧縮
空気が流入することにより、第1ピストン26が、その
下端に螺合された第1ストッパリング38が下方ハウジ
ング12bの環状当接面40に当接するまで変位し、こ
の変位量Lは4mmである。第1ピストン26の上記
変位により、第2ピストン30及び第3ピストン48が
連動して一緒に変位し、第3ピストン48に当接する弁
ステム18を介して弁部材16が第2開度L=4mm
だけ開き、弁部材16の上流側と下流側の圧力差及び開
度L=4mmに相応した量の排気ガスが、排気通路1
4からエンジンの吸気系に供給される。なお、このとき
第1ピストン26の変位によって第2通路58が開かれ
るが、第1給排ポート60が大気に連通しているので、
第2作動室42が大気に連通するのみで、上記第1ない
し第3ピストン26,30及び48の変位に影響を与え
ない。
【0028】さらに、図4は第1給排ポート60及び第
2給排ポート36の双方に圧縮空気が供給されている場
合を示す。第2給排ポート36から第1作動室32に圧
縮空気が流入することによって、第1ピストン26が、
上記図3で説明したと全く同様に、設定変位量L=4
mmだけ弁部材16側に変位する。第1ピストン26の
下方変位により第2通路58が開くので、第1給排ポー
ト60に供給された圧縮空気は、同第2通路58から第
2作動室42に流入すると共に、第1通路56から環状
溝64及び連通孔66を経て第3作動室50にも流入す
る。第2作動室42に流入した圧縮空気の圧力により第
2ピストン30が、その下端に螺合された第2ストッパ
リング54が第1ストッパリング38に当接するまで変
位し、この変位量L=5mmである。一方、第3作動
室50に圧縮空気が流入することによって、図2に説明
したとおり、第3ピストン48が第2ストッパリング5
4に当接するまで変位し、その変位量はL=1mmで
ある。上記の結果、第3ピストン48に当接している弁
ステム18を介して弁部材16が、合計の開度L+L
+L=10mmだけ開くこととなり、同弁部材16
の上流側及び下流側の圧力差と上記合計又は第3開度
(10mm)に相当した量の排気ガスが、排気通路14
からエンジンの吸気系に供給される。
【0029】上記のように、図1に示したEGR制御弁
においては、先ず、第1給排ポート60に圧縮空気を供
給し、かつ第2給排ポート36を大気開放することによ
って、弁部材16が第1段のリフト又は開度L、即ち
この例の場合1mm開き、次に、第2給排ポート36に
圧縮空気を供給すると共に、第1給排ポート60を大気
開放することによって、弁部材16が第2段のリフト又
は開度L、即ちこの例の場合4mm開き、さらに、第
1給排ポート60及び第2給排ポート36の双方に圧縮
空気を供給することによって、弁部材16が第3の開度
+L+L、この例の場合、10mm開くことと
なる。
【0030】この結果、最小リフト又は開度L、及び
中間のリフト又は開度Lと、十分に大きい第3のリフ
ト又は開度L+L+Lとが容易に得られることと
なり、また既に説明したように、シム76、第1及び第
2ストッパリング38及び54の厚さ又は螺合位置を適
宜に選択することによって、巾広く3種類の弁リフト又
は開度を設定することができ、弁開度を広い自由度で設
定することができる。
【0031】図5は上記EGR制御弁10を含む車両用
エンジンの全体構成を示した概略構成図である。図中符
号78はトラック等車両用の6気筒ディーゼルエンジン
を概念的に示し、80は同エンジン78の吸気マニホー
ルドを含む吸気管、82は同吸気管の空気取入口に設け
たエアクリーナ、84は上記エンジンの排気マニホール
ドを含む排気管、86は上記排気管84内を流れる排気
ガスの一部を抽出して吸気管80に還流するEGR通路
であって、同通路内に上記EGR制御弁10が介装され
ている。
【0032】EGR制御弁10の第1給排ポート60
は、第1の電磁三方弁88を介して圧縮空気源90に接
続され、第2給排ポート36は第2の電磁三方弁92を
介して圧縮空気源90に接続される。上記第1及び第2
電磁三方弁88及び92は、車両のアクセルペダル踏込
み量を表わすアクセル開度信号Ac、エンジン回転数を
示す回転数信号Ne、及びエンジンの冷却水温度を示す
冷却水温信号Twを受容して駆動信号を生起するコント
ロールユニット又は制御装置94によって制御される。
【0033】上記コントロールユニット又は制御装置9
4に収蔵されている制御マップの一例が図6に示されて
いる。同マップは、縦軸にトルクTqをとり、横軸にエ
ンジン回転数Neをとって、エンジン78の冷却水温T
wが60℃以上即ち暖機完了後の種々の運転状態におけ
る弁部材16の設定リフト又は開度を示したものであ
る。図の右側に弁開度種別がわかり易く類別され、その
類別表示でマップ内に示されているように、エンジン7
8が、アイドル回転数Noよりは高いが予め設定された
中速回転数Nよりは低い中速域の回転数で、かつ中負
荷以下の第1運転領域Xで運転しているときは、コント
ロールユニット94により第1及び第2電磁三方弁88
及び92が付勢されて、圧縮空気源90から第1及び第
2給排ポート60及び36に圧縮空気が供給され、弁部
材16は上述した第3段開度(L+L+L)の最
大リフト又は開度となり、排気管84からの排気ガス
が、EGR通路86を通り、最大開度の弁部材16を経
て吸気管80に還流される。
【0034】このエンジン運転領域Xでは、排気管84
を流れる排気ガス量が比較的少なく、かつ圧力が低く、
一方吸気管80の負圧が小さいので、本質的に排気ガス
の吸気管80への還流が難かしい傾向があり、上記のよ
うに弁部材16を第3段の最大開度(L+L
)に開くことによって、必要な排気ガス還流量が確
保される利点がある。この結果、排出ガス中のNO
効果的に低減しながら、出力、燃費等所要のエンジン性
能が確保される。
【0035】次に、エンジン78が上記設定中速回転数
以上、最高回転数N以下の回転数で、かつ予め設
定された中負荷以下の第2運転領域Yで運転していると
きは、コントロールユニット94によって第2電磁三方
弁92のみが付勢されて、第2給排ポート36に圧縮空
気源90から圧縮空気が供給されると共に、第1給排ポ
ート60は大気に連通される。従って上述したように弁
部材16が中間の第2リフト又は開度Lとなる。この
エンジン運転領域Yでは、エンジン回転数Neが十分高
くて吸気管80の負圧が大きく、かつ排気管84の排気
ガス圧力が比較的高いので、上記第2段開度Lの弁部
材16を通り、適切な量の排気ガスがエンジン78の吸
気系に還流される。
【0036】また、エンジン78が上記第1及び第2運
転領域X及びYより高負荷でかつ予め設定された高速回
転数N回転数の第3運転領域Zで運転しているとき
は、コントロールユニット94により第1電磁三方弁8
8のみが付勢されて圧縮空気源90から第1給排ポート
60のみに圧縮空気が供給され、上述したように弁部材
16が最小のリフト又は開度Lとなる。この運転領域
Zにおいて、中速以上の回転数域では、排気管84内の
排気ガス圧力が比較的高く、かつ吸気管80内の負圧が
十分大きいので、弁部材16の開度が小さくても十分な
排気ガスの還流が行なわれ、またこの領域Zの低回転数
域では、吸気量が比較的少ないのに燃料供給量は相対的
に多いので、過量の排気ガス還流を行なうとスモークが
悪化するので、これを防ぐために弁部材16の開度を最
小開度Lとするのが適切である。
【0037】さらに、上記第1ないし第3運転領域X,
Y,Z以外の運転領域、即ち図6において白抜きの領域
では、出力、燃費等のエンジン性能、及び排気ガス中の
NO低減の必要性の観点から、排気ガス還流の必要が
ないので、コントロールユニット94により第1及び第
2電磁三方弁88及び92が何れも消勢され、EGR制
御弁10の第1及び第2給排ポート60及び36は何れ
も大気開放され、従って図1に示されているように弁部
材16は全閉している。なお、図6において%を付して
示した複数の傾斜した縦方向の線又は折れ線は、夫々ア
クセル開度Acを示すものである。
【0038】上記コントロールユニット又は制御装置9
4の作動態様が図8のチャートに示されている。プログ
ラムがスタートすると、ステップSにおいて、エンジ
ン78の運転状態を示す冷却水温Tw、アクセル開度A
c及びエンジン回転数Neが夫々読み込まれる。次にス
テップSにおいて、エンジン水温Twが設定水温To
(例えば60℃)より大きいかどうかが判定される。も
しNOなら、エンジン78の暖機が終了していないの
で、排気ガス還流を行なうことは不適当(冷態始動が困
難になり、又はスモークが悪化するため)であるので、
ステップSに示すようにEGRは行なわれない。
【0039】ステップSにおいて、YES(暖機終
了)と判断されると、ステップSにおいて、アクセル
開度Acの増加率ΔAcが設定増加率ΔAcoより小さ
いかどうかが調べられる。アクセル開度増加率ΔAcが
設定増加率より小さいYESの場合、即ち急加速が行な
われていない通常の走行状態では、プログラムはS
進み、上記図6に示した2次元マップにより弁部材16
の所要リフト又は開度L,L若しくは(L+L
+L)又は全閉の何れであるかが判断され、ステップ
において、電磁三方弁88及び92の付勢又は消勢
が指令され、上述したように弁部材16の開度制御が行
なわれる。また、上記ステップSにおいて、NOの場
合、即ち急加速の場合は、スモークが増大する傾向があ
るので、排気ガスの還流をやめ、スモークの悪化を防止
する。なお、上記ステップSにおいてアクセル開度A
cの変化率を調べる代りに、リアルタイムのアクセル開
度とそれより設定微小時間前のアクセル開度との差及び
その増減を調べ、設定されたアクセル開度差(増大側)
と比較するようにしても良い。
【0040】次に、図9に示した本発明の第2実施形態
では、上方ハウジング12aと下方ハウジング12bと
によって、弁ステム18の上方部分を収容する第4の作
動室96が設けられ、同作動室96のシールのためバル
ブガイド72の頂部には通常のバルブガイドシール98
が装着される。また、下方ハウジング12bの側壁に、
上記第4作動室96に連通する第3の給排ポート100
が設けられており、同給排ポート100は、図10の概
略構成図に示されているように、第3の電磁三方弁10
2を介して作動媒体源、即ちこの実施例の場合圧縮空気
源90に接続されている。図9及び図10から明らかな
ように、上記以外の構成は、実質的に第1実施例と同一
である。
【0041】上記第1の実施形態に関し、コントロール
ユニット又は制御装置94の作動態様を説明した図8の
フローチャートにおいて、EGR制御弁10の弁部材1
6が第1ないし第3段リフト又は開度L,L又は
(L+L+L)の何れかの開度で走行していると
きに、アクセルペダルが急に踏み込まれ、ステップS
において、アクセル開度増加率ΔAcが、設定増加率Δ
Aco以上のNOの場合、即ち急加速が行なわれた場
合、同チャートに一点鎖線で示されているステップS
のように、コントロールユニット94の駆動信号に基づ
いて第3電磁三方弁102が付勢されて、圧縮空気源9
0から第4作動室96に圧縮空気が供給される。この結
果、ステップSでEGR停止即ち第1及び第2電磁三
方弁88及び92が共に消勢され、弁部材16が弁スプ
リング74により図9に示されているように全閉される
際に、第4作動室96内の圧縮空気圧力によって第3ピ
ストン48が図の上方即ち弁部材16を閉止する方向に
積極的に付勢される。この結果、図7の線図において、
上記第1の実施形態では、図中に点線αで示されてい
るように、弁部材16が上記開度L,L又は(L
+L+L)で開いている場合、急加速時に比較的大
きい時間遅れを伴なって全閉する(EGR停止状態とな
る)ため、同図中に点線で示されているように排煙濃度
βが一時的に可成悪化するのに対し、上記第2の実施
形態では、同図中に実線α及びβで夫々示されてい
るように、弁部材16の全閉に要する時間が短縮される
と共に、排煙濃度の悪化が大巾に低減される。なお、同
図中に示されているように、第3電磁三方弁102の付
勢時間は、弁部材16が全閉するまでの時間、又はそれ
より僅かに長い時間とすることが好ましい。
【0042】なお、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、弁部材16としてポペット弁が例示されている
が、トラック等の排気ブレーキ装置に広く採用されてい
るバタフライ弁を採用することができる。バタフライ弁
の場合は、弁軸に駆動リンク又はアームを突設し、同駆
動リンク又はアームを、上記第3ピストン48に固着さ
れたピストンロッド又は同ピストンに連結された伝動リ
ンクを介して廻動させ、弁開度即ち弁軸の回転部を制御
すれば良い。また、本発明は例示したEGR制御弁に限
定されるものではなく、3段階の弁リフト又は開度が要
求れる種々の弁装置に広く適用し得ることは明らかであ
る。
【0043】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係る多段開度弁
装置は、流体通路に介装され、その開度を多段階に設定
されることにより流体流量を制御する弁部材と、ハウジ
ング内に設けられ第1シリンダ内に摺動自在に嵌装され
た第1ピストンと、同第1ピストン内に略同軸的に形成
された第2シリンダと、同第2シリンダ内に摺動自在に
嵌装された第2ピストンと、同第2ピストン内に略同軸
的に形成された第3シリンダと、同第3シリンダ内に摺
動自在に嵌装され上記弁部材に作動的に連結された第3
ピストンと、上記弁部材に連結され同弁部材を常時閉方
向に付勢する弾性装置と、上記ハウジングに設けられ、
上記第2シリンダ内に形成された第3作動室に作動媒体
を供給することにより、上記第3ピストンのみを開弁方
向に変位させて上記弁部材を第1開度Lだけ開放する
第1の給排ポートと、上記ハウジングに設けられ、上記
第1シリンダ内に形成された第1作動室に作動媒体を供
給することにより、上記第1ピストンを開弁方向に変位
させ上記第2ピストン及び第3ピストンを介して上記弁
部材を第2開度Lだけ開放する第2給排ポートと、上
記第1給排ポート及び第2給排ポートの双方に作動媒体
を供給することにより第1ないし第3作動室に作動媒体
が供給されて上記第1ピストン、第2ピストン及び第3
ピストンが開弁方向に変位し、上記第1及び第2開度L
及びLに第2ピストンの第3開度Lを加えた合計
開度L+L+Lだけ上記弁部材が開放されるよう
に構成されたことを特徴とし、最大及び最小、並びに中
間の弁リフト又は開度を巾広く選択することができ、か
つ設定した弁リフト又は開度を正確かつ容易に達成する
ことができる利点があり、特に車両用のEGR制御弁に
好適な多段開度弁装置を提供することができるので、産
業上有益である。
【0044】なお、上記ハウジング内に、上記第1給排
ポートと上記第2ピストン内の第3作動室とを連通する
第1通路、及び同第1給排ポートと上記第1ピストン内
の第2作動室とを連通する第2通路とが設けられ、同第
2通路は、上記第1給排ポートのみに作動媒体が供給さ
れているときは、上記第1ピストンによって閉塞される
が、上記第2給排ポートに作動媒体が供給されていると
きは、上記第1ピストンの変位により開通されるように
構成することによって、弁部材作動用アクチュエータの
構造を小型コンパクトなものとすることができる利点が
ある。さらに、上記ハウジング内に、上記第3ピストン
の第3作動室に臨む受圧面とは反対側の受圧面に臨む第
4の作動室を設けると共に、同第4作動室に作動媒体を
給排する第3の給排ポートを設けたことによって、積極
的に閉弁速度を早くすることができ、例えばEGR制御
弁に適用した場合、急加速時のスモーク発生を低減し得
る効果がある。なおまた、上記多段開度弁装置は、上記
流体通路が、エンジンの排気ガスの一部を同エンジンの
吸気系に給送するEGR通路であり、上記弁部材が上記
排気ガスの吸気系への供給流量を制御するEGR制御弁
であって、エンジンが、予め設定された中速回転数以下
の回転数で、かつ予め設定された中以下の負荷の第1運
転領域で運転しているとき、上記第1及び第2給排ポー
トに作動媒体が供給されて第1ないし第3ピストンがす
べて開弁方向に変位して同弁部材が第1ないし第3開度
を加算したL+L+Lだけ開放され、またエンジ
ンが上記設定中速回転数で、かつ予め設定された中以下
の負荷の第2運転領域で運転されているとき、上記第2
給排ポートのみに作動媒体が供給されて、第1ピストン
が開弁方向に変位し第2及び第3ピストンを介して弁部
材が上記第2開度Lだけ開放され、さらに、エンジン
が上記第1及び第2運転領域より高負荷でかつ予め設定
された高速回転数以下の回転数の第3運転領域で運転し
ているときに、上記第1給排ポートに作動媒体が供給さ
れて、上記第3ピストンのみが開弁方向に変位し弁部材
が上記第1開度Lだけ開放されるように構成すること
により、エンジンの通常の運転領域全般にわたり、排気
ガス性能、特にNO 及びスモーク性質を効果的に改善
し得る効果がある。
【0045】 さらに、本発明の実施に際して、上記エン
ジンが、上記第1ないし第3運転領域以外の運転領域で
運転しているとき、及び同エンジンの急加速時、並びに
エンジンの冷却水温が設定温度以下のときは、上記第1
及び第2給排ポートの何れにも作動媒体が供給されず、
上記弁部材が上記弾性装置により閉止位置に保持される
ように構成することによって、エンジン性能及び排気ガ
ス中のNOx低減の必要性の観点から、排気ガスの還流
の必要がないか、又は排気ガスの還流が却って不都合
(スモークの増加等)な運転領域での効率的な運転を行
なうことができる追加の利点があり、なおまた、上記多
段開度弁装置の弁開度制御用アクチュエータ作動媒体と
して圧縮空気を利用し、その給排を電磁三方弁によって
行なうことにより、トラック等の車両に、ブレーキ作動
用媒体の供給源として広く搭載されている圧縮空気源を
そのまま利用し、追加の設備を設ける必要がないので、
製造及びランニングコストが安くなる、等の付加的な利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すEGR制御弁の断
面図である。
【図2】図1に示した弁装置において、弁開度が最小の
ときの要部断面図である。
【図3】図1に示した弁装置において、弁開度が中間開
度のときの要部断面図である。
【図4】図1に示した弁装置において、弁開度が最大の
ときの要部断面図である。
【図5】図1に示したEGR制御弁を具えたエンジン全
体の概略構成図である。
【図6】図5におけるコントロールユニット94に収蔵
される制御マップの一例を示す線図である。
【図7】図1及び図9に示されているEGR制御弁の作
動態様を示す線図である。
【図8】図5及び図10におけるコントロールユニット
94の作動を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態を示すEGR制御弁の断
面図である。
【図10】図9に示したEGR制御弁を具えたエンジン
全体の概略構成図である。
【図11】従来公知の同種EGR制御弁の断面図であ
る。
【符号の説明】
10…EGR制御弁、12…ハウジング、14…排気ガ
ス通路、16…弁部材、18…弁ステム、20…アクチ
ュエータ、24…第1シリンダ、26…第1ピストン、
28…第2シリンダ、30…第2ピストン、32…第1
作動室、36…第2給排ポート、38…第1ストッパリ
ング、42…第2作動室、46…第3シリンダ、48…
第3ピストン、50…第3作動室、54…第2ストッパ
リング、56…第1通路、58…第2通路、60…第2
給排ポート、74…弁スプリング、78…ディーゼルエ
ンジン、80…吸気管、84…排気管、86…EGR通
路、88…第1電磁三方弁、90…圧縮空気源(作動媒
体源)、92…第2電磁三方弁、94…コントロールユ
ニット、96…第4作動室、100…第3給排ポート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 一俊 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−252850(JP,A) 実開 平5−47401(JP,U) 実開 昭61−151063(JP,U) 実開 昭56−157360(JP,U) 実開 平7−41008(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 31/12 - 31/165 F02M 25/07 580

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体通路に介装され、その開度を多段階
    に設定されることにより流体流量を制御する弁部材と、
    ハウジング内に設けられた第1シリンダ内に摺動自在に
    嵌装された第1ピストンと、同第1ピストン内に略同軸
    的に形成された第2シリンダと、同第2シリンダ内に摺
    動自在に嵌装された第2ピストンと、同第2ピストン内
    に略同軸的に形成された第3シリンダと、同第3シリン
    ダ内に摺動自在に嵌装され上記弁部材に作動的に連結さ
    れた第3ピストンと、上記弁部材に連結され同弁部材を
    常時閉方向に付勢する弾性装置と、上記ハウジングに設
    けられ、上記第2シリンダ内に形成された第3作動室に
    作動媒体を供給することにより、上記第3ピストンのみ
    を開弁方向に変位させて上記弁部材を第1開度Lだけ
    開放する第1の給排ポートと、上記ハウジングに設けら
    れ、上記第1シリンダ内に形成された第1作動室に作動
    媒体を供給することにより、上記第1ピストンを開弁方
    向に変位させ上記第2ピストン及び第3ピストンを介し
    て上記弁部材を第2開度Lだけ開放する第2給排ポー
    トと、上記第1給排ポート及び第2給排ポートの双方に
    作動媒体を供給することにより第1ないし第3作動室に
    作動媒体が供給されて上記第1ピストン、第2ピストン
    及び第3ピストンが開弁方向に変位し、上記第1及び第
    2開度L及びLに第2ピストンの第3開度Lを加
    えた合計開度L+L+Lだけ上記弁部材が開放さ
    れるように構成されたことを特徴とする多段開度弁装
    置。
  2. 【請求項2】 上記ハウジング内に、上記第1給排ポー
    トと上記第2ピストン内の第3作動室とを連通する第1
    通路、及び同第1給排ポートと上記第1ピストン内の第
    2作動室とを連通する第2通路とが設けられ、同第2通
    路は、上記第1給排ポートのみに作動媒体が供給されて
    いるときは、上記第1ピストンによって閉塞されるが、
    上記第2給排ポートに作動媒体が供給されているとき
    は、上記第1ピストンの変位により開通されるように構
    成されたことを特徴とする請求項1記載の多段開度弁装
    置。
  3. 【請求項3】 上記ハウジング内に、上記第3ピストン
    の第3作動室に臨む受圧面とは反対側の受圧面に臨む第
    4の作動室を設けると共に、同第4作動室に作動媒体を
    給排する第3の給排ポートを設けたことを特徴とする請
    求項1記載の多段開度弁装置。
  4. 【請求項4】 上記流体通路が、エンジンの排気ガスの
    一部を同エンジンの吸気系に給送するEGR通路であ
    り、上記弁部材が上記排気ガスの吸気系への供給流量を
    制御するEGR制御弁であって、エンジンが、予め設定
    された中速回転数以下の回転数で、かつ予め設定された
    中以下の負荷の第1運転領域で運転しているとき、上記
    第1及び第2給排ポートに作動媒体が供給されて第1な
    いし第3ピストンがすべて開弁方向に変位して同弁部材
    が第1ないし第3開度を加算したL +L +L だけ
    開放され、またエンジンが上記設定中速回転数で、かつ
    予め設定された中以下の負荷の第2運転領域で運転され
    ているとき、上記第2給排ポートのみに作動媒体が供給
    されて、第1ピストンが開弁方向に変位し第2及び第3
    ピストンを介して弁部材が上記第2開度L だけ開放さ
    れ、さらに、エンジンが上記第1及び第2運転領域より
    高負荷でかつ予め設定された高速回転数以下の回転数の
    第3運転領域で運転しているときに、上記第1給排ポー
    トに作動媒体が供給されて、上記第3ピストンのみが開
    弁方向に変位し弁部材が上記第1開度L だけ開放され
    るように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求
    項3記載の多段開度弁装置。
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