JP3138499U - 固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具 - Google Patents

固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具 Download PDF

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小林  実
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Abstract

【課題】固定ナットから露出しているボルトの長さに拘りなくボルトの頭部と固定ナットとに装着することができる一対の固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具を提供する。
【解決手段】固定ナット4の下端面に係止する冠着用係止爪を有する冠着部材20には、周壁部材用係止爪24,25が配設されている。冠着部材20の面部には、ボルト3が貫通可能な挿通口が形成されている。周壁部材30の上部には、切欠部33を有する円状鍔部32が形成されている。周壁部材30の内部には、冠着部材20の上端部に係合可能なリング34が遊嵌状態で配設されている。ボルト3の挿通口73を有する装着解除具70には、切欠部33に挿入可能で、且つリング34を押し下げる押下脚部72が配設されている。押下脚部72には、切込部72aが形成されており、この切込部72aの下端部
は円状鍔部32の下縁部に当接する。
【選択図】図7

Description

本考案は、ガードレールのような固定ボルト・ナットによって組み立てられている屋外
の構造物等を盗難から守る固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具に関するものである。
自動車のナンバープレートやアルミホイール等の部品を車体に固定する場合や、変圧器
や自動販売機等の機器をその設置場所に固定する場合には、通常、固定ボルトや固定ナッ
トを用いてその固定が行なわれている。
近年、駐車中の自動車等の車体からナンバープレートのみを盗むという犯罪が増加して
いる。この犯罪を行なう者は、一般に市販されているドライバ等の器具を用いて、固定ボ
ルトを外し短時間のうちにナンバープレートのみを盗んでいく。
このような固定ボルトや固定ナットを外して行なわれる盗難事件を防ぐために、固定ボ
ルトの頭部や固定ナットを外部に露呈させない固定ボルトおよび固定ナット用の着脱式の
防犯具を本願出願人は既に提案している(特開2006−162051)。
本願出願人が既に提案した固定ボルトおよび固定ナット用の着脱式の防犯具は、図14
,図15に示したように、冠着部材20と周壁部材30とから構成されており、固定ボル
トの頭部や固定ナットに装着することができるものである。この固定ボルトおよび固定ナ
ット用の着脱式の防犯具は、タイヤTやホイールHを交換する等の場合には、専用の係止
解除具を用いて外すことができる構成となっている。
特開2006−162051
最近、屋外に設置されている金属製の構造物の盗難が相次いで起こっている。このよう
な屋外の構造物の多くは、図16に示したようにボルト3と固定ナット4とを用いて組み
立てられている。図16において、ポール5とガードレール6とは、この両者を貫通する
ボルト3と固定ナット4とによって固定されている。3aはボルト3の頭部、3b,4b
はワッシャーである。
このような構造物の組立に用いられる固定ボルト・ナットにおいては、被固定物である
ポール5とガードレール6とを固定ボルト・ナットで固定した際、固定ナット4の上部に
露出しているボルト3の先端部が長い場合があり、そのような場合には、先に提案した固
定ボルトおよび固定ナット用の着脱式の防犯具では装着することができないという問題が
生じる。
以上の課題を解決するために、本考案の第1の手段は、被固定物を貫通しているボルト
に螺合して前記被固定物を固定する固定ナットに装着される固定ナット用防犯具と、前記
ボルトの頭部に装着される前記固定ナット用防犯具と同一構成のボルト用防犯具と、前記
固定ナット用防犯具および前記ボルト用防犯具の装着状態を解除する装着解除具とから構
成される固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具であって、前記固定ナット用防犯具は、前
記ボルトが貫通している前記被固定物を当該ボルトと螺合する前記固定ナットで固定した
際、前記固定ナットの下端面と前記被固定物の表面との間に空隙を形成するスペース形成
手段と、中央部に前記ボルトが挿通可能な挿通口を有する天板部と該天板部の周縁部から
下方に延在する複数枚の側壁部とを有し、前記固定ナットに冠着する冠着部材であって、
前記複数枚の側壁部の下端部には、前記固定ナットに冠着した際、前記被固定物の表面と
前記固定ナットの下端面との間に形成されている空隙部分に挿入可能な冠着用係止爪が形
成されている冠着部材と、前記固定ナットに冠着した前記冠着部材の外側面部を覆う中空
円筒状の周壁部材であって、該周壁部材の内周壁面の下端部には、内側方向に突設され前
記冠着部材の側壁部を押圧する円状突起部が形成され、前記内周壁面の上端部には、内側
方向に突設された円状鍔部であって複数個の切欠部を有する円状鍔部が形成されている周
壁部材とから構成され、前記冠着部材には、前記周壁部材の前記円状突起部の上面部分に
係合する周壁部材用係止爪であって、前記天板部の周縁部から下方に延在する周壁部材用
係止爪が形成され、前記周壁部材の内側には、当該周壁部材の内径と略同じ外径を有し、
内径が前記円状突起部の内径以下であるリングが遊嵌状態で配設され、当該リングの内側
には、前記冠着部材の前記周壁部材用係止爪とこれに隣接している前記側壁部によって形
成される隙間または相隣接している2つの前記周壁部材用係止爪によって形成される隙間
に挿入可能で且つ前記隙間の上端部に当接可能な複数個の係合突起部が形成され、前記装
着解除具は、中央部に鉛直方向に延在する前記ボルト用の挿通口が形成された本体と、該
本体から鉛直方向下方に延在し且つ前記円状鍔部の複数個の前記切欠部のそれぞれに上方
から嵌入可能な複数個の押下脚部とから構成され、前記押下脚部は、前記切欠部に嵌入さ
れ前記係合環部材が前記円状突起部の上縁部に当接するまで押し下げられた状態で、前記
リングの上縁部と前記円状鍔部の上縁部との距離以上となる長さを有し、且つ、両側辺の
一方の側に前記円状鍔部の下縁部に相当する位置から上方に向かって当該円状鍔部の厚み
以上の長さを有する切込部が形成されていることを特徴とするものである。ここで、前記
ボルトの頭部に装着される前記ボルト用防犯具においては、前記冠着部材の前記天板部は
前記挿通口を有していなくてもよい。
また、本考案の第2の手段は、被固定物を貫通しているボルトに螺合して前記被固定物
を固定する固定ナットに装着される固定ナット用防犯具と、前記ボルトの頭部に装着され
る前記固定ナット用防犯具と同一構成のボルト用防犯具と、前記固定ナット用防犯具およ
び前記ボルト用防犯具の装着状態を解除する装着解除具とから構成される固定ボルト・ナ
ット用の着脱式防犯具であって、前記固定ナット用防犯具は、前記ボルトが貫通している
前記被固定物を当該ボルトと螺合する前記ナットで固定した際、前記固定ナットの下端面
と前記被固定物の表面との間に空隙を形成するスペース形成手段と、中央部に前記ボルト
が挿通可能な挿通口を有する天板部と該天板部の周縁部から下方に延在する複数枚の側壁
部とを有し、前記固定ナットに冠着する冠着部材であって、前記複数枚の側壁部の下端部
には、前記固定ナットに冠着した際、前記被固定物の表面と前記固定ナットの下端面との
間に形成されている空隙部分に挿入可能な冠着用係止爪が形成されている冠着部材と、前
記固定ナットに冠着した前記冠着部材の外側面部を覆う中空円筒状の周壁部材であって、
該周壁部材の内周壁面の下端部には、内側方向に突設され前記冠着部材の側壁部を押圧す
る円状突起部が形成され、前記内周壁面の上端部には、内側方向に突設された円状鍔部で
あって複数個の切欠部を有する円状鍔部が形成されている周壁部材とから構成され、前記
冠着部材には、前記周壁部材の前記円状突起部の上面部分に係合する周壁部材用係止爪で
あって、前記天板部の周縁部から下方に延在する周壁部材用係止爪が形成され、前記周壁
部材の内側には、当該周壁部材の内径と略同じ外径を有し、内径が前記円状突起部の内径
以下であるリングが遊嵌状態で配設され、当該リングの内側には、前記冠着部材の前記周
壁部材用係止爪とこれに隣接している前記側壁部によって形成される隙間または相隣接し
ている2つの前記周壁部材用係止爪によって形成される隙間に挿入可能で且つ前記隙間の
上端部に当接可能な複数個の係合突起部が形成され、前記周壁部材の前記円状鍔部の内側
には、当該円状鍔部と一体的に円状天蓋部が形成され、該円状天蓋部の中央部には前記ボ
ルトと螺合可能な螺合口が形成され、前記装着解除具は、中央部に鉛直方向に延在する前
記ボルト用の挿通口が形成された本体と、該本体から鉛直方向下方に延在し且つ前記円状
鍔部の複数個の前記切欠部のそれぞれに上方から嵌入可能な複数個の押下脚部とから構成
され、前記押下脚部は、前記切欠部に嵌入され前記係合環部材が前記円状突起部の上縁部
に当接するまで押し下げられた状態で、前記リングの上縁部と前記円状鍔部の上縁部との
距離以上となる長さを有し、且つ、両側辺の一方の側に前記円状鍔部の下縁部に相当する
位置から上方に向かって当該円状鍔部の厚み以上の長さを有する切込部が形成されている
ことを特徴とするものである。ここで、前記ボルトの頭部に装着される前記ボルト用防犯
具においては、前記冠着部材の前記天板部は前記挿通口を有しておらず、前記周壁部材の
前記天蓋部には前記螺合口が形成されていなくてもよい。
さらに、前述した本考案の第1の手段または第2の手段において、前記固定ナットの少
なくとも前記被固定物と対向する前記下端面側には面取り加工が施されている場合には、
当該面取り部分を前記スペース形成手段としてもよく、また、前記ボルトの頭部の少なく
とも前記被固定物と対向する前記下端面側には面取り加工が施されている場合には、当該
面取り部分を前記スペース形成手段としてもよい。
本考案によれば、被固定物を固定ボルト・ナットで固定した際、固定ナットから露出し
ているボルトの長さに拘わりなくボルトの頭部と固定ナットとに装着することができる一
対の固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具を提供することができる。
以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。
図1は、被固定物であるポール5とガードレール6とを固定している固定ボルト・ナッ
トに本考案の実施例1に係る固定ナット用防犯具およびボルト用防犯具が装着された状態
を示した斜視図である。
図1において、20は、ボルト3に螺合している固定ナットに装着された固定ナット用
防犯具を構成する冠着部材であり、30は、固定ナット用防犯具を構成している周壁部材
である。また、ガードレール6の外側に位置しているボルト3の頭部にも、固定ナット用
防犯具と同一構成のボルト用防犯具が装着されている。
固定ナット用防犯具とボルト用防犯具の構成は同一であるので、以下、固定ナット用防
犯具の構成について詳しく説明する。
図2ないし図4は本発明の実施例1に係る固定ナット用防犯具の構成を示した図であり
、図2は斜視図、図3は周壁部材30の内部構成を示した断面斜視図、図4は図2に示し
た冠着部材20および周壁部材30の断面図である。
図2および図4において、5は、被固定物であるポールであり、ボルト3はこの被固定
物5を貫通している。図4に示したように被固定物5は、ボルト3と固定ナット4とによ
って、ガードレール6(図1参照)に固定されている。図4において、4bは固定ナット
4の下端面に当接するワッシャー、10はワッシャー4bと被固定物5の表面との間に空
隙を形成するためのスペーサである。
また、図3および図4において、20は固定ナット4に冠着する冠着部材であり、30
は冠着部材20の外側面を覆う周壁部材である。冠着部材20は金属によって構成し、周
壁部材30も金属によって構成してあるが、この冠着部材20を構成する材料や周壁部材
30を構成する材料は、以上の材料に限定されるものではない。
冠着部材20は、天板部21とこの天板部21の周縁部から下方(天板部21から視て
ナット4の方向)に延在する複数枚の側壁部22および周壁部材用係止爪24,25によ
って構成されている。天板部21の中央部には、ボルト3が挿通可能な挿通口21aが設
けられている。
側壁部22の下端部には、固定ナット4およびワッシャー4bと被固定物5の表面との
間にスペーサ10によって形成される空隙Sに挿入され、ワッシャー4bを介して固定ナ
ット4の下端面に当接する冠着用係止爪23が形成されている。このようにスペーサ10
は、冠着用係止爪23が挿入可能となるような空隙Sを形成するために配設されるスペー
ス形成手段として用いられるものである。このスペース形成手段は、スペーサ10に限ら
れるものではなく、既に本願出願人が特開2006−162051で開示したように、固
定ナットの下面側に一体的に形成されたスペーサ部やテーパー部としてもよい。さらに、
固定ナット4が所謂「面取り加工」が施されたナットである場合には、その「面取り部分
」の下側に、冠着用係止爪23が挿入可能となる空隙Sが形成されるので、この「面取り
部分」を空隙Sを形成するスペース形成手段としてもよい。
この金属製の弾性を有する冠着部材20は、固定ナット4およびワッシャー4bに容易
に被せることができるようにその側壁部22および周壁部材用係止爪24,25が若干開
いた状態に形成されている。
周壁部材30の内周壁面の下端部には、その全周に亘って内側方向に突設された円状突
起部31が形成されている。この周壁部材30の円状突起部31に押圧されることにより
、冠着部材20の冠着用係止爪23は、固定ナット4の下端面にワッシャー4bを介して
当接した状態を維持することができる。
ここで、図4に示したように、弾性を有する金属製の冠着部材20に配設されている周
壁部材用係止爪24,25は、その下端部が、周壁部材30の円状突起部31の上面部分
に当接するように形成されている。この周壁部材用係止爪24,25は円状突起部31の
上面に略直角な状態で当接するように形成されているので、冠着部材20に装着されてい
る周壁部材30を容易に外すことはできない。
このように固定ナット4に冠着部材20および周壁部材30が装着された図4に示した
状態においては、固定ナット4を外部に露呈することは著しく困難となる。
図3に示したように、周壁部材30の内周壁面の下端部には円状突起部31が形成され
ている。本実施例1においては、周壁部材30の内周壁面の上端部に内側方向に突設され
た円状鍔部32が配設されている。この円状鍔部32には、図2に示したように複数個の
切欠部33が形成されている。
また、図3に示したように、円状突起部31と円状鍔部32との間に、リング34が遊
嵌状態で配設されている。このリング34の外径は、周壁部材30の内径と略同じとなる
ような値に選ばれており、その内径は、円状突起部31の内径以下の値となるように選ば
れている。従って、このリング34は円状突起部31と円状鍔部32との間を上下方向に
移動可能な状態となるように周壁部材30の内側に配設されている。
リング34の内側には、図5(a)に示したような複数個の係合突起部35が形成され
ている。この係合突起部35は、図5(b)に示したように、冠着部材20の側壁部22
と周壁部材用係止爪24との間に形成されている隙間、または2つの周壁部材用係止爪2
4,25の間に形成されている隙間に挿入可能となり、且つ、これらの隙間の上端部に当
接可能となるように形成されている。
図2および図3に示した装着解除具70は、本体71と、鉛直方向下方(図2,図3に
おいて本体71から冠着部材20に向かう方向)に延在するよう本体71に配設された複
数個の押下脚部72とによって構成されている。本体71の中央部には、ボルト3が挿通
可能な鉛直方向に延在する挿通口73が設けられている。
ここで複数個の押下脚部72のそれぞれは、周壁部材30の上部に形成されている複数
個の切欠部33のそれぞれに上方から嵌入可能となる形状に形成されている。
この押下脚部72の長さは、押下脚部72を切欠部33に嵌入させ、リング34を円状
突起部31の上縁部に当接させるまで押し下げた状態(図7(b)に示した状態)で、リ
ング34の上縁部と円状鍔部32の上縁部との距離以上の長さとなるように選ばれている
また、それぞれの押下脚部72の両側辺の一方の側には、切込部72aが形成されてい
る。この押下脚部72の切込部72aは、先に説明した図7(b)に示した状態で、円状
鍔部32の下縁部に相当する位置から上方に向かってこの円状鍔部32の厚み以上の長さ
を有するように形成されている。
従って、複数個の押下脚部72のそれぞれを切欠部33に嵌入させ、リング34を円状
突起部31の上縁部に当接させるまで押下げた状態においては、押下脚部72を切込部7
2aが形成されている側に回転移動させることができる。押下脚部72を切込部72aの
方向に回転移動させると、切込部72aの下端部が周壁部材30の円状鍔部32の下縁部
に当接する。
次に以上のように構成された本実施例1の動作を図6ないし図9を用いて説明する。
先ず、固定ナット4に冠着部材20および周壁部材30を装着する場合には、図6(a
)〜(c)に示したように、固定ナット4に冠着部材20を装着した状態にしてから、周
壁部材30を装着する。この周壁部材30の装着過程においては、リング34および係合
突起部35は冠着部材20に当接した状態で周壁部材30内を上方向に移動する。
このようにして固定ナット4に装着された冠着部材20および周壁部材30を外す場合
には、図7(a)に示したように、装着解除具70の本体71を手で持ち、押下脚部72
の位置を切欠部33の位置に合わせた状態にして、周壁部材30内に停止するまで挿入す
る。押下脚部72を挿入した後、図8(a)に示したように、切込部72aが形成されて
いる側の方向(A方向)に、本体71を停止するまで回転移動させて図8(b)に示した
状態にする。この図8(b)に示した状態においては、切込部72aの下端部が円状鍔部
32の下縁部に当接した状態となっている。この状態、すなわち図7(b)に示した状態
においては、リング34の内面に押圧されて周壁部材用係止爪24,25は内側に移動し
ており、この周壁部材用係止爪24,25と円状突起部31とは係合状態から係合解除状
態に移行している。
この係合解除状態、すなわち図9(a)に示した状態で装着解除具70を固定ナット4
から離す方向に移動させると、リング34は周壁部材30の移動に伴って固定ナット4か
ら離れる方向に移動する。そして、リング34が、冠着部材20の上端部付近まで移動す
ると、リング34の係合突起部35が冠着部材20と係合して、この冠着部材20が周壁
部材30と共に固定ナット4から離れる方向に移動する(図9(b)参照)。
以上のようにして、本実施例1においては、周壁部材30に手を触れることなく周壁部
材30および冠着部材20を外すことが可能となる。従って固定ナット4が埋設状態であ
ったとしても、周壁部材30および冠着部材20を容易に外すことができて固定ナット4
を外部に露出させることができる。
このように、本実施例1によれば、被固定物5を固定ナット4で固定した際、固定ナッ
ト4から露出している固定ボルト3の長さに拘わりなく本実施例1を装着することができ
る。
以上、固定ナット4に装着される固定ナット用防犯具について説明したが、ボルト3の
頭部にも、この固定ナット用防犯具と同一構成のものを装着することが可能である。図1
0は、前述した固定ナット用防犯具を、同一構成ボルト用防犯具を、ボルト3の頭部3a
に装着した状態を示す断面図である。この場合には、ボルト3の頭部3aを、先に説明し
た固定ナット4と見做せばよい。図10において3bはワッシャーである。
ここで、固定ナット用防犯具と同様に、被固定物6と対向するボルト3の頭部3aの下
端面側に所謂「面取り加工」が施されている場合には、その「面取り部分」と被固定物6
との間に、冠着用係止爪23が挿入可能となる空隙Sが形成されるので、この「面取り部
分」を空隙Sを形成するスペース形成手段としてもよい。
なお、このボルト3の頭部3aに装着するボルト用防犯具においては、冠着部材20の
天板部21に挿通口21aが設けられていなくても、その機能に支障はない。
以上のように構成された、本実施例1に係る一対の固定ナット用防犯具とボルト用防犯
具とを、構造物の組立用の固定ボルト・ナットに装着しておけば、固定ナット4やボルト
3の頭部3aを露出させることは第三者には困難になるので、構造物の盗難を防ぐことが
できる。
次に本考案の実施例2を図面を用いて説明する。
図11は本考案の実施例2の構成を示した図であり、図11(a)は斜視図、図11(
b)は周壁部材30の内部構成を示した断面斜視図である。
本実施例2が、先に説明した実施例1と異なっているところは、周壁部材30の円状鍔
部32の内側に円状天蓋部32aが円状鍔部32と一体的となるように形成されており、
さらに、この円状天蓋部32aの中央部に固定ボルト3と螺合可能な螺合口32bが形成
されているところである。その他の構成は、実施例1の構成と同様となっているので、そ
の説明は省略する。
以上のように構成された本実施例2においては、本実施例2を固定ナット4に装着する
場合には、図12(a),(b)に示したように、本実施例2のの螺合口32bを固定ボ
ルト3の先端部に螺合させて、周壁部材30を絞め込む方向に回転させることにより本実
施例を固定ナット4に装着させる。
また、本実施例2を固定ナット4から外す場合には、図13(a),(b)に示したよ
うに、本実施例2に装着解除具70をセットした状態で、周壁部材30が緩む方向に装着
解除具70を回転させれば、本実施例を固定ナット4から外すことができる。
以上説明した本実施例2に係る固定ナット用防犯具は、ボルト用防犯具としてボルト3
の頭部にも装着することができる。本実施例2をボルト3の頭部に装着してボルト用防犯
具として使用する場合には、冠着部材20の挿通口21aや周壁部材30の螺合口32b
を特に設けなくても、その機能に支障はない。
本考案の実施例1の全体の構成を示す斜視図である。 本考案の実施例1の構成を示す斜視図である。 本考案の実施例1の構成を示す断面斜視図である。 本考案の実施例1の構成を示す断面図である。 本考案の実施例1の構成の説明図である。 本考案の実施例1の動作説明図である。 本考案の実施例1の動作説明図である。 本考案の実施例1の動作説明図である。 本考案の実施例1の動作説明図である。 本考案の実施例1の構成を示す断面図である。 本考案の実施例2の構成を示す構成図である。 本考案の実施例2の動作説明図である。 本考案の実施例2の動作説明図である。 従来の固定ナット用防犯具の説明図である。 従来の固定ナット用防犯具の説明図である。 従来の固定ナット用防犯具の説明図である。
符号の説明
3 ボルト
3a 頭部
4 固定ナット
3b,4b ワッシャー
5 ポール(被固定物)
6 ガードレール(被固定物)
10 スペーサ
20 冠着部材
21 天板部
21a,73 挿通口
22 側壁部
23 冠着用係止爪
24,25 周壁部材用係止爪
30 周壁部材
31 円状突起部
32 円状鍔部
32a 円状天蓋部
32b 螺合口
33 切欠部
34 リング
35 係合突起部
70 装着解除具
71 本体
72 押下脚部
72a 切込部
A 方向
H ホイール
S 空隙
T タイヤ

Claims (6)

  1. 被固定物を貫通しているボルトに螺合して前記被固定物を固定する固定ナットに装着さ
    れる固定ナット用防犯具と、前記ボルトの頭部に装着される前記固定ナット用防犯具と同
    一構成のボルト用防犯具と、前記固定ナット用防犯具および前記ボルト用防犯具の装着状
    態を解除する装着解除具とから構成される固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具であって

    前記固定ナット用防犯具は、
    前記ボルトが貫通している前記被固定物を当該ボルトと螺合する前記固定ナットで固定
    した際、前記固定ナットの下端面と前記被固定物の表面との間に空隙を形成するスペース
    形成手段と、
    中央部に前記ボルトが挿通可能な挿通口を有する天板部と該天板部の周縁部から下方に
    延在する複数枚の側壁部とを有し、前記固定ナットに冠着する冠着部材であって、前記複
    数枚の側壁部の下端部には、前記固定ナットに冠着した際、前記被固定物の表面と前記固
    定ナットの下端面との間に形成されている空隙部分に挿入可能な冠着用係止爪が形成され
    ている冠着部材と、
    前記固定ナットに冠着した前記冠着部材の外側面部を覆う中空円筒状の周壁部材であっ
    て、該周壁部材の内周壁面の下端部には、内側方向に突設され前記冠着部材の側壁部を押
    圧する円状突起部が形成され、前記内周壁面の上端部には、内側方向に突設された円状鍔
    部であって複数個の切欠部を有する円状鍔部が形成されている周壁部材とから構成され、
    前記冠着部材には、前記周壁部材の前記円状突起部の上面部分に係合する周壁部材用係
    止爪であって、前記天板部の周縁部から下方に延在する周壁部材用係止爪が形成され、
    前記周壁部材の内側には、当該周壁部材の内径と略同じ外径を有し、内径が前記円状突
    起部の内径以下であるリングが遊嵌状態で配設され、当該リングの内側には、前記冠着部
    材の前記周壁部材用係止爪とこれに隣接している前記側壁部によって形成される隙間また
    は相隣接している2つの前記周壁部材用係止爪によって形成される隙間に挿入可能で且つ
    前記隙間の上端部に当接可能な複数個の係合突起部が形成され、
    前記装着解除具は、
    中央部に鉛直方向に延在する前記ボルト用の挿通口が形成された本体と、該本体から鉛
    直方向下方に延在し且つ前記円状鍔部の複数個の前記切欠部のそれぞれに上方から嵌入可
    能な複数個の押下脚部とから構成され、
    前記押下脚部は、前記切欠部に嵌入され前記係合環部材が前記円状突起部の上縁部に当
    接するまで押し下げられた状態で、前記リングの上縁部と前記円状鍔部の上縁部との距離
    以上となる長さを有し、且つ、両側辺の一方の側に前記円状鍔部の下縁部に相当する位置
    から上方に向かって当該円状鍔部の厚み以上の長さを有する切込部が形成されていること
    を特徴とする固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具。
  2. 前記ボルトの頭部に装着される前記ボルト用防犯具においては、前記冠着部材の前記天板部は前記挿通口を有していないことを特徴とする請求項1に記載の固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具。
  3. 被固定物を貫通しているボルトに螺合して前記被固定物を固定する固定ナットに装着さ
    れる固定ナット用防犯具と、前記ボルトの頭部に装着される前記固定ナット用防犯具と同
    一構成のボルト用防犯具と、前記固定ナット用防犯具および前記ボルト用防犯具の装着状
    態を解除する装着解除具とから構成される固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具であって

    前記固定ナット用防犯具は、
    前記ボルトが貫通している前記被固定物を当該ボルトと螺合する前記固定ナットで固定
    した際、前記固定ナットの下端面と前記被固定物の表面との間に空隙を形成するスペース
    形成手段と、
    中央部に前記ボルトが挿通可能な挿通口を有する天板部と該天板部の周縁部から下方に
    延在する複数枚の側壁部とを有し、前記固定ナットに冠着する冠着部材であって、前記複
    数枚の側壁部の下端部には、前記固定ナットに冠着した際、前記被固定物の表面と前記固
    定ナットの下端面との間に形成されている空隙部分に挿入可能な冠着用係止爪が形成され
    ている冠着部材と、
    前記固定ナットに冠着した前記冠着部材の外側面部を覆う中空円筒状の周壁部材であっ
    て、該周壁部材の内周壁面の下端部には、内側方向に突設され前記冠着部材の側壁部を押
    圧する円状突起部が形成され、前記内周壁面の上端部には、内側方向に突設された円状鍔
    部であって複数個の切欠部を有する円状鍔部が形成されている周壁部材とから構成され、
    前記冠着部材には、前記周壁部材の前記円状突起部の上面部分に係合する周壁部材用係
    止爪であって、前記天板部の周縁部から下方に延在する周壁部材用係止爪が形成され、
    前記周壁部材の内側には、当該周壁部材の内径と略同じ外径を有し、内径が前記円状突
    起部の内径以下であるリングが遊嵌状態で配設され、当該リングの内側には、前記冠着部
    材の前記周壁部材用係止爪とこれに隣接している前記側壁部によって形成される隙間また
    は相隣接している2つの前記周壁部材用係止爪によって形成される隙間に挿入可能で且つ
    前記隙間の上端部に当接可能な複数個の係合突起部が形成され、
    前記周壁部材の前記円状鍔部の内側には、当該円状鍔部と一体的に円状天蓋部が形成さ
    れ、該円状天蓋部の中央部には前記ボルトと螺合可能な螺合口が形成され、
    前記装着解除具は、
    中央部に鉛直方向に延在する前記ボルト用の挿通口が形成された本体と、該本体から鉛
    直方向下方に延在し且つ前記円状鍔部の複数個の前記切欠部のそれぞれに上方から嵌入可
    能な複数個の押下脚部とから構成され、
    前記押下脚部は、前記切欠部に嵌入され前記係合環部材が前記円状突起部の上縁部に当
    接するまで押し下げられた状態で、前記リングの上縁部と前記円状鍔部の上縁部との距離
    以上となる長さを有し、且つ、両側辺の一方の側に前記円状鍔部の下縁部に相当する位置
    から上方に向かって当該円状鍔部の厚み以上の長さを有する切込部が形成されていること
    を特徴とする固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具。
  4. 前記ボルトの頭部に装着される前記ボルト用防犯具においては、前記冠着部材の前記天
    板部は前記挿通口を有しておらず、前記周壁部材の前記天蓋部には前記螺合口が形成され
    ていないことを特徴とする請求項3に記載の固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具。
  5. 前記固定ナットの少なくとも前記下端面側には面取り加工が施されており、当該面取り
    部分が前記スペース形成手段となることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    の項に記載の固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具。
  6. 前記ボルトの頭部の少なくとも前記被固定物と対向する下端面側には面取り加工が施さ
    れており、当該面取り部分が前記スペース形成手段となることを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれかの項に記載の固定ボルト・ナット用の着脱式防犯具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104989718A (zh) * 2015-07-23 2015-10-21 李一达 一种可拆卸的防盗螺母组合件及其安装拆卸工具

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