JP3138408B2 - 方向性結合器および結合度調整方法 - Google Patents

方向性結合器および結合度調整方法

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JP3138408B2 JP16080495A JP16080495A JP3138408B2 JP 3138408 B2 JP3138408 B2 JP 3138408B2 JP 16080495 A JP16080495 A JP 16080495A JP 16080495 A JP16080495 A JP 16080495A JP 3138408 B2 JP3138408 B2 JP 3138408B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波帯で使用す
るマイクロ波結合器に関し、特に、方向性結合器および
結合度調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動電話の普及は目覚ましいもの
があり、例えば、携帯電話器の基地局アンプとして使用
されているSAFF(セルフアジャストフィードフォー
ワード)増幅器があるが、この増幅器の回路構成は、添
付図面の図6に略示するようなものである。この増幅器
は、入力信号を分岐するハイブリッド分岐器1と、ハイ
ブリッド分岐器1からの一方の入力信号を増幅する主増
幅器2と、この主増幅器2によって増幅された入力信号
とハイブリッド分岐器1から遅延線8を通してくる他方
の入力信号とを結合する誤差抽出結合器3と、誤差抽出
結合器3の結合線路からの信号を増幅するための副増幅
器4と、誤差抽出結合器3の主信号伝送線路から遅延線
9を通してくる信号と副増幅器4によって増幅された信
号とを結合する誤差除去結合器5とを備えている。図6
において、参照符号6および7は、終端器を示してい
る。図6の回路構成において、主増幅器2と、遅延線8
と、誤差抽出結合器3とは、誤差検出ループを構成して
おり、副増幅器4と、遅延線9と、誤差除去結合器5と
は、誤差除去ループを構成している。誤差抽出結合器3
は、増幅した信号と増幅していない他の信号を併せて誤
差を抽出し、誤差除去結合器5は、抽出した誤差の要素
を結合させて、誤差のない信号を出力させるものであ
る。
【0003】これら誤差抽出結合器や誤差除去結合器と
して使用する方向性結合器としては、小型で簡単な構造
を有し、中心周波数がずれないようなものであり、結合
度を狭偏差で周波数特性が平坦な状態を保てるようなも
のであることが必要とされている。周波数の帯域(77
0〜870MHz)の間で信号の誤差の抽出と除去をし
なければならないため、平坦でなくなると、誤差の抽
出、除去の量が変わり、誤差の除去ができなくなってし
まうからである。
【0004】ところで、従来、結合度を容易に可変でき
るようなマイクロ波結合器としては、特開平5−908
09号公報に開示されたようなものがあった。この従来
のマイクロ波結合器は、添付図面の図7に略示するよう
な構造を有しており、通常のマイクロストリップライン
構造のものである。図7に示すように、この従来のマイ
クロ波結合器は、蓋14を有した筐体10内の底部に誘
電体基板11を配設し、誘電体基板11の上面に、主信
号伝送線路を構成する第1の線路12と、この第2の線
路12に対して所定距離離れ、ほぼ平行状態にあって結
合線路を構成する第2の線路13とを配設し、これら第
1の線路12および第2の線路13を覆うような面積を
持つ、円形の金属板16の表面の中心付近にネジ15を
固定して、このネジ15を蓋14に設けたネジ穴へと係
合させてなっている。
【0005】この従来のマイクロ波結合器は、ネジ15
を回転させて、誘電体基板11と金属板16との間隔L
を変えることにより、結合度を容易に変えられるような
ものとしている。しかし、この従来のマイクロ波結合器
の構造では、先ず第一に、マイクロストリップライン構
造であるため、第1の線路12の出力部と第2の線路1
3の出力部との間の距離(λ/4)がどうしても大きく
なり、また、第二に、結合度の調整をネジ15を回転さ
せる構造としているので、大型となってしまい、小型で
簡単な構造に対する要求に応えうるものではない。その
上、結合度を調整するためにネジ15を回転させるとき
に、中心周波数がずれないようにすることも、結合度を
狭偏差で周波数特性が平坦な状態を保つようなことも、
全くできないものであった。したがって、このような従
来のマイクロストリップライン構造のマイクロ波結合器
は、前述したような用途としての結合器としては到底実
用に供しえないものであった。
【0006】一方、このような用途としての結合器とし
ては、小型で簡単な構造とすることができるという点か
らは、従来のトリプレート式方向性結合器を使用するこ
とが考えられる。この従来のトリプレート式方向性結合
器の構造例を添付図面の図8に示している。図8に略示
するように、このトリプレート式方向性結合器は、外側
導体を構成する筐体20内に、2枚の誘電体基板の間に
主信号伝送線路21および結合線路22を挟んでなる組
合せ体を配設し、筐体20の両端に主信号伝送線路21
の各端部に接続する一対の同軸接続部23、24を配設
し、筐体20の一方の側面に結合線路22の各端部に接
続する一対の同軸接続部25、26を配設してなるもの
である。
【0007】図9は、図8の従来のトリプレート式方向
性結合器の横断面を外側導体を除いて拡大して示す図で
ある。この図9に示すように、この従来のトリプレート
式方向性結合器では、同一種類の高誘電率を有する2枚
の誘電体基板27および28の間に主信号伝送線路21
を構成する銅箔および結合線路22を構成する銅箔を挟
んでいる。図9において、参照符号sは、主信号伝送線
路21と結合線路22との間の間隙寸法を示し、t1お
よびt2は、誘電体基板27および28の厚み寸法を示
し、w1およびw2は、主信号伝送線路21および結合
線路22の幅寸法を示し、εは、誘電体基板27および
28の誘電率を示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のトリ
プレート式方向性結合器の構造では、主信号伝送線路2
1と結合線路22との間の間隙寸法sや、誘電体基板2
7および28の厚み寸法t1およびt2、および主信号
伝送線路21および結合線路22の幅寸法w1およびw
2の加工精度に限界があり、また、誘電体基板27およ
び28の誘電率εにもバラツキがあるため、どうして
も、その結合器の結合度に大きなバラツキが生じてしま
っていた。
【0009】このような結合度のバラツキを調整するた
めには、従来の構造では、主信号伝送路21または結合
線路22の銅箔を削って線路間の間隙寸法sを広くする
か、反対に銅箔を付け加えることにより間隙寸法sを狭
くするかの方法があるが、手加工によることから、製品
完成時の結合度を意識的に狭い偏差内に抑えることは困
難であった。その上、結合度の調整時において、中心周
波数がずれないようにすることも困難であり、また、結
合度を狭偏差で周波数特性が平坦な状態を保って調整を
行うことも困難であった。
【0010】本発明の目的は、前述したような従来技術
の問題点を解消しうるような、方向性結合器および結合
度調整方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの特徴によ
れば、2枚の誘電体基板の間に主信号伝送線路および結
合線路を挟んでなるトリプレート式方向性結合器におい
て、前記2枚の誘電体基板の間に、前記誘電体基板の誘
電率より小さい誘電率を有する第1の誘電体層と、前記
誘電体基板の誘電率より小さいが前記第1の誘電体層の
誘電率よりも大きい誘電率を有する第2の誘電体層を重
ねて配設し、前記第2の誘電体層の厚みを変えることに
より、結合度を調整しうるようにする。
【0012】本発明のもう一つ別の特徴によれば、2枚
の誘電体基板の間に主信号伝送線路および結合線路を挟
んでなるトリプレート式方向性結合器の結合度調整方法
において、前記2枚の誘電体基板のうちの一方の誘電体
基板の上面に前記主信号伝送線路および結合線路を配設
した方向性結合器の半組立て体を用意し、前記誘電体基
板の誘電率より小さい誘電率を有する第1の誘電体層を
構成するための第1の誘電体フィルムを用意し、前記誘
電体基板の誘電率より小さいが前記第1の誘電体層の誘
電率よりも大きい誘電率を有する第2の誘電体層を構成
するための第2の誘電体フィルムを複数枚用意し、前記
2枚の誘電体基板のうちの他方の誘電体基板を構成する
誘電体板を用意し、前記半組立て体の上に前記第1の誘
電体フィルム、前記第2の誘電体フィルムの所望枚数お
よび前記誘電体板を順次重ね合わせて方向性結合器の完
全組立て体を形成して、その結合度を測定し、測定され
た結合度が所望値となるまで、重ね合わせる前記第2の
誘電体フィルムの枚数を変えて、組立て直し、結合度の
測定を行うことを繰り返すようにする。
【0013】本発明の一つの実施態様によれば、前記誘
電体基板は、高誘電率基板からなり、前記第1の誘電体
層は、テフロンフィルムからなり、前記第2の誘電体層
は、ポリイミドフィルムからなり、前記第2の誘電体層
の厚さは、互いに重ね合わせるポリイミドフィルムの枚
数を変えることによって変えられる。
【0014】本発明のもう一つ別の実施態様によれば、
前記誘電体基板は、高誘電率基板からなり、前記第1の
誘電体層は、テフロンフィルムからなり、前記第2の誘
電体層は、ポリエステルフィルムからなり、前記第2の
誘電体層の厚さは、互いに重ね合わせるポリエステルフ
ィルムの枚数を変えることによって変えられる。
【0015】
【実施例】次に、添付図面の特に図1から図5に基づい
て、本発明の実施例について、本発明をより詳細に説明
する。
【0016】図1は、本発明の一実施例としてのトリプ
レート式方向性結合器の横断面構造を拡大して示す図9
と同様の図である。この実施例のトリプレート式方向性
結合器の全体構造は、図8において示した従来の構造と
同様であるので、ここでは繰り返し説明しない。また、
図1において、図8および図9に示した従来構造の部分
と対応する部分には、同じ参照符号を付して示してい
る。
【0017】図1の拡大横断面図に示されるように、こ
の実施例のトリプレート式方向性結合器においては、本
発明により、2枚の誘電体基板27および28の間に、
これら誘電体基板27および28の誘電率ε3より小さ
い誘電率ε1を有する第1の誘電体層29と、誘電体基
板27および28の誘電率ε3より小さいが第1の誘電
体層29の誘電率ε1よりも大きい誘電率ε2を有する
第2の誘電体層30を重ねて配設し、第2の誘電体層3
0の厚みを変えることにより、結合度を調整しうるよう
にされている。
【0018】この実施例では、誘電体基板27および2
8は、誘電率ε3=10.5を有する高誘電率基板から
なり、第1の誘電体層29は、誘電率ε1=2を有する
一枚のテフロンフィルムからなり、第2の誘電体層30
は、誘電率ε2=3.5を有する2枚のポリイミドフィ
ルムからなっている。この実施例では、一枚のポリイミ
ドフィルムの厚さtは、25μとされている。
【0019】このような構造を有するトリプレート式方
向性結合器において、その結合度を所望値に調整するた
めに、本発明によれば、2枚の誘電体基板27および2
8のうちの一方の誘電体基板27の上面に主信号伝送線
路21および結合線路22を配設した方向性結合器の半
組立て体を用意し、第1の誘電体層29を構成するため
の第1の誘電体フィルムとしてのテフロンフィルムを用
意し、第2の誘電体層30を構成するための第2の誘電
体フィルムとしてのポリイミドフィルムを複数枚用意
し、2枚の誘電体基板27、28のうちの他方の誘電体
基板28を構成する誘電体板を用意し、前述の半組立て
体の上にテフロンフィルム29、ポリイミドフィルム3
0の所望枚数および誘電体板28を順次重ね合わせて方
向性結合器の完全組立て体を形成して、その結合度を測
定し、測定された結合度が所望値となるまで、重ね合わ
せる前記第2の誘電体フィルムの枚数を変えて、組立て
直し、結合度の測定を行うことを繰り返す。
【0020】本発明の別の実施例によれば、前述した実
施例において使用した第2の誘電体フィルム30として
のポリイミドフィルムに代えて、誘電率ε2=3.2を有
するポリエステルフィルムが使用される。本発明による
トリプレート式方向性結合器の具体的な構造としては、
2枚の誘電体基板27および28のうちの一方の誘電体
基板27の上面に主信号伝送線路21および結合線路2
2を配設した方向性結合器の半組立て体に対して、テフ
ロンフィルム29、ポリイミドフィルムまたはポリエス
テルフィルム30の所望枚数、そして、誘電体板28を
順次重ね合わせて方向性結合器の完全組立て体を形成し
易くするために、外側導体としての筐体20(図8参
照)の上面は、蓋部として別体に形成しておいて、筐体
本体に対してビス止め等により着脱自在なものとしてお
くとよい。第1の誘電体層29と第2の誘電体層30の
配置は、上下逆でもよく、第1の誘電体層29の上に第
2の誘電体層30を配置すると、外側導体としての筐体
20の上面は、蓋部として別体になっているため、第2
の誘電体層を重ね合わせる作業がし易く都合が良い。
【0021】次に、本発明によるトリプレート式方向性
結合器の構造および結合度調整方法によれば、その結合
度の調整を、中心周波数がずれず、しかも、結合度を狭
偏差で周波数特性が平坦な状態を保って行うことができ
る点について、実験してみた結果について説明する。
【0022】前述したように、本発明は、トリプレート
式方向性結合器において誘電体基板に3種類の誘電体を
用いて、誘電率ε1<ε2<ε3のうち誘電率ε3を有
する誘電体基板上に主信号伝送線路および結合線路を形
成し、トリプレート構造の外側2枚の基板を誘電率ε3
の材料、その間に誘電率ε1の第1の誘電体層および誘
電率ε2の第2の誘電体層をはさみ込み、誘電率ε2の
第2の誘電体層の厚さを規則的に変化させることによ
り、結合度を変化させるものであるが、先ず、第2の誘
電体層のみをトリプレート構造にはさみ込み、第1の誘
電体層は使用しない場合の効果について実験してみた。
【0023】図2は、図1に示す構造において、第1の
誘電体層29は使用せずに、第2の誘電体層30のみを
使用して、種々実験してみた結果を示すグラフである。
この実験においては、方向性結合器の使用周波数を、8
20MHzを中心とする周波数帯域770から870M
Hzとして、第2の誘電体層30を構成するポリエステ
ルフィルムの枚数を変えてみて、その結合度−周波数特
性を測定してみた。ポリエステルフィルムの誘電率は、
3.2であり、1枚のポリエステルフィルムの厚みは、
25μであった。
【0024】図2のグラフは、縦軸に結合度、横軸に測
定周波数をとった結合度−周波数特性曲線を示すもの
で、各曲線に付した0から7までの数字は、トリプレー
ト構造にはさみ込んだポリエステルフィルムの枚数を示
している。この図2の各曲線を比較して見ることから明
らかなように、ポリエステルフィルムの枚数を変えるこ
とにより、結合度を調整することができるが、ポリエス
テルフィルムの枚数を変えることにより、中心周波数が
周波数帯域770から870MHzからずれていってし
まい、また、その周波数帯域770から870MHzに
おける結合度−周波数特性曲線の平坦性が保たれなくな
ってしまう。
【0025】図3は、図1に示す構造において、第1の
誘電体層29は使用せずに、第2の誘電体層30のみを
使用して種々実験してみた結果を示すグラフである。こ
の実験においては、方向性結合器の使用周波数を、82
0MHzを中心とする周波数帯域770から870MH
zとして、第2の誘電体層30を構成するポリイミドフ
ィルムの枚数を変えてみて、その結合度−周波数特性を
測定してみた。ポリイミドフィルムの誘電率は、3.5
であり、1枚のポリイミドフィルムの厚みは、25μ
あった。
【0026】図3のグラフは、縦軸に結合度、横軸に測
定周波数をとった結合度−周波数特性曲線を示すもの
で、各曲線に付した0から5までの数字は、トリプレー
ト構造にはさみ込んだポリイミドフィルムの枚数を示し
ている。この図3の各曲線を比較して見ることから明ら
かなように、ポリイミドフィルムの枚数を変えることに
より、結合度を調整することができるが、ポリイミドフ
ィルムの枚数を変えることにより、中心周波数が周波数
帯域770から870MHzからずれていってしまい、
また、その周波数帯域770から870MHzにおける
結合度−周波数特性曲線の平坦性が保たれなくなってし
まう。
【0027】次に、本発明にしたがって図1に示すよう
に、第1の誘電体層29および第2の誘電体層30の両
者を、トリプレート構造にはさみ込んだ場合の効果につ
いて種々実験してみた。図4は、図1に示す構造におい
て、第1の誘電体層29として誘電率2.0のテフロン
フィルムを使用し、第2の誘電体層30を構成するポリ
イミドフィルムの枚数を変えてみて、その結合度−周波
数特性を測定してみた。この実験においては、方向性結
合器の使用周波数を、820MHzを中心とする周波数
帯域770から870MHzとして、ポリイミドフィル
ムの誘電率は、3.5であり、1枚のポリイミドフィル
ムの厚さは、25μであった。
【0028】図4のグラフは、縦軸に結合度、横軸に測
定周波数をとった結合度−周波数特性曲線を示すもの
で、各曲線に付した0から30までの数字は、トリプレ
ート構造にはさみ込んだポリイミドフィルムの枚数を示
している。この図4の各曲線を比較して見ることから明
らかなように、ポリイミドフィルムの枚数を変えること
により、結合度を微調整でき、しかも、ポリイミドフィ
ルムの枚数を変えても、中心周波数が周波数帯域770
から870MHzからずれていってしまうこともなく、
その周波数帯域770から870MHzにおける結合度
−周波数特性曲線の平坦性を保つこともできる。
【0029】図5は、図1に示す構造において、第1の
誘電体層29として誘電率2.0のテフロンフィルムを
使用し、第2の誘電体層30を構成するポリエステルフ
ィルムの枚数を変えてみて、その結合度−周波数特性を
測定してみた。この実験においては、方向性結合器の使
用周波数を、820MHzを中心とする周波数帯域77
0から870MHzとして、ポリエステルフィルムの誘
電率は、3.2であり、1枚のポリエステルフィルムの
厚さは、25μであった。
【0030】図5のグラフは、縦軸に結合度、横軸に測
定周波数をとった結合度−周波数特性曲線を示すもの
で、各曲線に付した0から6までの数字は、トリプレー
ト構造にはさみ込んだポリエステルフィルムの枚数を示
している。この図5の各曲線を比較して見ることから明
らかなように、ポリエステルフィルムの枚数を変えるこ
とにより、結合度を微調整でき、しかも、ポリエステル
フィルムの枚数を変えても、中心周波数が周波数帯域7
70から870MHzからずれていってしまうこともな
く、その周波数帯域770から870MHzにおける結
合度−周波数特性曲線の平坦性を保つこともできる。
【0031】
【発明の効果】本発明の方向性結合器は、トリプレート
構造であるから、小型で簡単な構成とすることができる
上、結合度の調整を非常に容易に行うことができ、しか
も、中心周波数をずらすこともなく、結合度を狭偏差で
周波数特性を平坦な状態に保つことができるので、帯域
が広い範囲でも使用できる。
【0032】トリプレート構造に挟み込む第2の誘電体
層としてのポリイミドフィルムまたはポリエステルフィ
ルムの枚数を変えるだけで、結合度を調整できるので、
主信号伝送線路および結合線路を構成する銅箔パターン
等を変更する必要がなく、したがって、入力または出力
接続部のためのポートの取り付け位置を変える必要もな
い。従来のように手加工による機械加工に頼る必要が全
くないので、結合度調整を非常に容易に精度よく行うこ
とができる。
【0033】本発明によれば、結合度を狭偏差に抑えた
方向性結合器とすることができるので、デジタル携帯電
話基地局のフィードフォワード増幅器に使用するときに
は、そのシステム全体を簡略化することができる。すな
わち、誤差抽出結合器や誤差除去結合器として使用する
場合において、誤差の抽出、除去の量が変わるとき、誤
差を除去するためにはベクトルを合わせるシステムが必
要になるのであるが、本発明の方向性結合器の構造によ
れば、このようなシステムは不要であり、システム全体
を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのトリプレート式方向
性結合器の横断面構造を拡大して示す図である。
【図2】図1に示す構造において、第1の誘電体層は使
用せずに、第2の誘電体層のみを使用して、ポリエステ
ルフィルムの枚数を変えて種々実験してみた結果を示す
結合度−周波数特性曲線を示す図である。
【図3】図1に示す構造において、第1の誘電体層は使
用せずに、第2の誘電体層のみを使用して、ポリイミド
フィルムの枚数を変えて種々実験してみた結果を示す結
合度−周波数特性曲線を示す図である。
【図4】本発明にしたがって第1の誘電体層としてテフ
ロンフィルムを使用し、第2の誘電体層を構成するポリ
イミドフィルムの枚数を変えてみて、その結合度−周波
数特性を測定してみた結果を示す図である。
【図5】本発明にしたがって第1の誘電体層としてテフ
ロンフィルムを使用し、第2の誘電体層を構成するポリ
エステルフィルムの枚数を変えてみて、その結合度−周
波数特性を測定してみた結果を示す図である。
【図6】携帯電話器の基地局アンプとして使用されてい
るSAFF(セルフアジャストフィードフォーワード)
増幅器の回路構成を略示する図である。
【図7】結合度を調整できる従来のマイクロ波結合器の
位置例を示す概略図である。
【図8】従来のトリプレート式方向性結合器の構造例を
略示する図である。
【図9】図8の従来のトリプレート式方向性結合器の横
断面を外側導体を除いて拡大して示す図である。
【符号の説明】
20 筐体 21 主信号伝送線路 22 結合線路 23 同軸接続部 24 同軸接続部 25 同軸接続部 26 同軸接続部 27 誘電体基板 28 誘電体基板 29 第1の誘電体層 30 第2の誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−125210(JP,A) 特開 平6−61709(JP,A) 特開 平4−158602(JP,A) 特開 昭50−110088(JP,A) 特開 平3−182102(JP,A) 実開 平5−97108(JP,U) 実開 昭63−3612(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 5/18 H01P 5/02 603 H01P 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の誘電体基板の間に主信号伝送線路
    および結合線路を挟んでなるトリプレート式方向性結合
    器において、前記2枚の誘電体基板の間に、前記誘電体
    基板の誘電率より小さい誘電率を有する第1の誘電体層
    と、前記誘電体基板の誘電率より小さいが前記第1の誘
    電体層の誘電率よりも大きい誘電率を有する第2の誘電
    体層を重ねて配設し、前記第2の誘電体層の厚みを変え
    ることにより、結合度を調整しうるようにしたことを特
    徴とする方向性結合器。
  2. 【請求項2】 前記誘電体基板は、高誘電率基板からな
    り、前記第1の誘電体層は、テフロンフィルムからな
    り、前記第2の誘電体層は、ポリイミドフィルムからな
    り、前記第2の誘電体層の厚さは、互いに重ね合わせる
    ポリイミドフィルムの枚数を変えることによって変えら
    れる請求項1記載の方向性結合器。
  3. 【請求項3】 前記誘電体基板は、高誘電率基板からな
    り、前記第1の誘電体層は、テフロンフィルムからな
    り、前記第2の誘電体層は、ポリエステルフィルムから
    なり、前記第2の誘電体層の厚さは、互いに重ね合わせ
    るポリエステルフィルムの枚数を変えることによって変
    えられる請求項1記載の方向性結合器。
  4. 【請求項4】 2枚の誘電体基板の間に主信号伝送線路
    および結合線路を挟んでなるトリプレート式方向性結合
    器の結合度調整方法において、前記2枚の誘電体基板の
    うちの一方の誘電体基板の上面に前記主信号伝送線路お
    よび結合線路を配設した方向性結合器の半組立て体を用
    意し、前記誘電体基板の誘電率より小さい誘電率を有す
    る第1の誘電体層を構成するための第1の誘電体フィル
    ムを用意し、前記誘電体基板の誘電率より小さいが前記
    第1の誘電体層の誘電率よりも大きい誘電率を有する第
    2の誘電体層を構成するための第2の誘電体フィルムを
    複数枚用意し、前記2枚の誘電体基板のうちの他方の誘
    電体基板を構成する誘電体板を用意し、前記半組立て体
    の上に前記第1の誘電体フィルム、前記第2の誘電体フ
    ィルムの所望枚数および前記誘電体板を順次重ね合わせ
    て方向性結合器の完全組立て体を形成して、その結合度
    を測定し、測定された結合度が所望値となるまで、重ね
    合わせる前記第2の誘電体フィルムの枚数を変えて、組
    立て直し、結合度の測定を行うことを繰り返すことを特
    徴とする結合度調整方法。
  5. 【請求項5】 前記誘電体基板は、高誘電率材料からな
    り、前記第1の誘電体フィルムは、テフロンフィルムか
    らなり、前記第2の誘電体フィルムは、ポリイミドフィ
    ルムからなる請求項4記載の結合度調整方法。
  6. 【請求項6】 前記誘電体板は、高誘電率材料からな
    り、前記第1の誘電体フィルムは、テフロンフィルムか
    らなり、前記第2の誘電体フィルムは、ポリエステルフ
    ィルムからなる請求項4記載の結合度調整方法。
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