JP3138376U - 鉄筋用スポット溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄筋同士の交差部位を、所望の靭性を有し且つ薄肉化による剛性や強度の低減を抑制してスポット溶接を行うことができる鉄筋用スポット溶接装置を提供する。
【解決手段】鉄筋同士の交差部位を挟持する電極2,3間へ通電する電流制御装置7と、該電極2を上下動するエアシリンダ4に流出する流出圧力を調整制御する空気圧調整装置6とを備えると共に、所定の溶接圧力により鉄筋同士の交差部位を挟圧し、所定の溶接電流を所定溶接時間通電する本溶接制御処理内容と、該溶接時間が経過すると、溶接圧力より低い調質圧力により挟圧し、溶接時間の経過後に通電を冷却時間停止した後に、溶接電流より低い調質電流を所定調質時間通電する焼戻し制御処理内容とを設定してなる溶接制御処理手段を備えた溶接制御装置を具備するようにした装置である。
【選択図】図1
【解決手段】鉄筋同士の交差部位を挟持する電極2,3間へ通電する電流制御装置7と、該電極2を上下動するエアシリンダ4に流出する流出圧力を調整制御する空気圧調整装置6とを備えると共に、所定の溶接圧力により鉄筋同士の交差部位を挟圧し、所定の溶接電流を所定溶接時間通電する本溶接制御処理内容と、該溶接時間が経過すると、溶接圧力より低い調質圧力により挟圧し、溶接時間の経過後に通電を冷却時間停止した後に、溶接電流より低い調質電流を所定調質時間通電する焼戻し制御処理内容とを設定してなる溶接制御処理手段を備えた溶接制御装置を具備するようにした装置である。
【選択図】図1
Description
本考案は、鉄筋コンクリートに用いられる格子状に組み付けられた鉄筋を製造するためのものであり、鉄筋同士の交差部位をスポット溶接するための鉄筋用スポット溶接装置に関するものである。
住宅用の鉄筋コンクリートなどには、通常、格子状に組み付けられた鉄筋が用いられる。この格子状とした鉄筋は、複数の鉄筋を所定ピッチで交差させて配し、各交差部位をスポット溶接することにより形成されている。ここで、スポット溶接は、互いに対向する電極により被溶接部位(交差部位)を挟持し、当該電極間に電流を流すことによって行われる。
このような鉄筋同士の交差部位をスポット溶接する方法として、例えば特許文献1の方法が提案されている。特許文献1の溶接方法にあっては、鉄筋同士の交差部位に所定の溶接電流を流して本溶接した後に、この溶接電流の65%〜80%とした焼戻し電流を、溶接電流の通電時間とほぼ同一時間だけ流して焼戻し溶接を行う。溶接の際には、溶接した交差部位に焼きが入って靭性が低下してしまうことから、この溶接方法では、本溶接後に、該本溶接より低い熱量を加えることにより焼戻し処理を行うことによって、本溶接により低下した靭性を回復するようにしている。これにより、溶接前に鉄筋が有している本来の靭性に近づけ、溶接した交差部位が充分な靭性を有するようにしている。
特開2006−346745号公報
ところで、上記したスポット溶接にあっては、その主な溶接条件として、電極間に流す電流、通電時間、さらに電極間で挟持する加圧力を設定する。すなわち、上記した鉄筋の交差部位を、加圧しながら、電流を通電時間だけ流すことにより、交差して接触した部分を加熱軟化して据込むことにより溶着する。
上述した特許文献1にかかる従来の溶接方法にあっては、本溶接の通電時間、冷却時間、焼戻し溶接の通電時間をほぼ同じとするように設定している。また、上記した電極間の加圧力について、本溶接時の圧力値が開示されているのみであり、その他に何ら記載されていない。ここで、電極の作動には油圧シリンダやエアシリンダを用いることが一般的であり、これらシリンダを正確かつ安定して制御するためには、その駆動にある程度時間を要する。そのため、生産工程で溶接を実行する場合にあっては、安定して加圧力を負荷するために、該加圧力の駆動制御に要する時間を短時間化することに限界がある。通常、スポット溶接は、1/10秒単位から数秒単位という極めて短時間で実行されるが、前記したように加圧力の駆動制御に要する時間に従って、当該溶接にかかる時間を設定することが必要となっている。すなわち、従来の溶接方法にあって、本溶接の通電時間、冷却時間、焼戻し溶接の通電時間は、それぞれがシリンダを安定して駆動する時間に従って設定されている。さらには、これら各時間を可及的に短縮して設定すれば、本溶接と焼戻し溶接とを異なる加圧力として正確かつ安定して駆動制御することが難しい。このように、従来の溶接方法では、製造工程として、加圧力を安定した駆動制御するために要する時間を短縮化することに限界があるため、時間設定や加圧力を変化するような設定を実施できなかった。しかし、溶接した部位の特性や形態などを厳密に制御するためには、前記した時間設定や加圧力を変化する設定が求められている。
また、上述した特許文献1にかかる従来の溶接方法にあって、焼戻し溶接時の加圧力を本溶接と同一の加圧力として実施した場合には、当該焼戻し溶接後の溶接部位(鉄筋同士の交差部位)が、本溶接後に比して薄肉化してしまう。そのため、焼戻し溶接により靭性を回復するものの、薄肉化に伴う剛性や強度の低下が懸念されることから、薄肉化を抑制することが求められる。
本考案は、鉄筋同士の交差部位をスポット溶接するための装置に関し、詳しくは、所望の靭性を有し且つ薄肉化による剛性や強度の低減を抑制するように、交差部位をスポット溶接することができる鉄筋用スポット溶接装置を提供する。
本考案は、互いに対向する上下の電極と、前記電極のいずれか一方又は両方を上下動するエアシリンダとを備えてなり、交差した鉄筋同士の交差部位を上下の電極により挟持して通電することによりスポット溶接する鉄筋用スポット溶接装置であって、前記電極へ通電する電流を制御する電流制御装置と、エアシリンダへ流入するエアを発生するエア供給源とエアシリンダとの間に設けられた、エアシリンダに向けて流出するエアの圧力を電気信号の入力に従って調整制御する空気圧調整装置と、電流制御装置および空気圧調整装置を駆動制御する溶接制御処理手段とを具備する溶接制御装置を備えてなり、溶接制御装置の溶接制御処理手段が、鉄筋の交差部位を上下の電極により所定の溶接圧力で挟圧するように、所定の電気信号を空気圧調整装置に送信して、該空気圧調整装置を駆動制御すると共に、上下の電極に所定の溶接電流を所定の溶接時間通電するように、電流制御装置を駆動制御する本溶接制御処理内容と、本溶接制御処理内容の溶接時間が経過すると、鉄筋の交差部位を上下の電極により前記溶接圧力に比して低い調質圧力で挟圧するように、所定の電気信号を空気圧調整装置へ送信して、該空気圧調整装置を駆動制御すると共に、上下の電極への通電を所定の冷却時間停止した後に、前記溶接電流に比して低い調質電流を上下の電極に所定の調質時間通電するように、電流制御装置を駆動制御する焼戻し制御処理内容とを順次実行するように設定されていることを特徴とする鉄筋用スポット溶接装置である。
ここで、本考案の考案者らは、上述した従来方法(特許文献1)に従って、焼戻し溶接を本溶接と同じ加圧力で実行した場合について鋭意検討した結果、当該焼戻し溶接時に交差部位の据込みが進行して薄肉化してしまうことを明らかにした。すなわち、従来方法では考慮されていない焼戻し溶接時の加圧力について、この加圧力が溶接後の厚みに比較的大きな影響を及ぼすことがわかった。
本考案では、エアシリンダへ流出するエアの流出圧力を調整制御する空気圧調整装置と、該空気圧調整装置を駆動制御する溶接制御処理手段とを備えた構成であり、エアの流出圧力を迅速に精度良くかつ安定して制御できるものである。そのため、比較的短時間で電極間に作用する加圧力を制御することができるから、本溶接制御処理内容の溶接圧力と溶接時間、焼戻し制御処理内容の調質圧力と冷却時間と調質時間を、その求める作用効果に応じて適宜設定することが可能である。そして、本考案の構成では、溶接制御処理手段による焼戻し制御処理内容として、本溶接制御処理内容の溶接圧力より低い調質圧力によって、鉄筋同士の交差部位を焼戻し処理するようにしている。これにより、焼戻し制御処理内容の実行時には、溶接圧力より低い調質圧力が交差部位に作用することから、該交差部位で、本溶接制御処理内容の実施後からさらに据込みが進行してしまうことを抑制することができる。また、焼戻し制御処理内容では、本溶接制御処理内容の溶接電流に比して低い調質電流を設定していることから、交差部位を加熱軟化する作用も、本溶接制御処理内容の実行時に比して低減する。このように溶接圧力より低い調質圧力と溶接電流より低い調質電流との両者によって、焼戻し制御処理内容の実行時に交差部位が据え込んでしまうことを抑制する作用が高まる。そして、鉄筋同士の交差部位が焼戻し制御処理内容の実行時に薄肉化してしまうことを抑制できるため、該薄肉化に伴う剛性や強度低下を抑制でき得る。
また、焼戻し制御処理内容は、本溶接制御処理内容の溶接電流に比して低い調質電流を通電することから、溶接制御処理内容の実施により低下した靭性を回復することができる。したがって、本考案の溶接装置によれば、スポット溶接した鉄筋同士の交差部位を、所望の靭性を有し且つ充分な剛性と強度とを発揮するものとして形成し得る。
尚、本構成では、焼戻し制御処理内容の実行時にほとんど据え込みを生じないことから、本溶接制御処理内容の溶接圧力、溶接電流、溶接時間に従って据込み量が決まる。そのため、この本溶接制御処理内容を適宜設定することによって、溶接後の交差部位を所望の厚みに形成することができる。
また、焼戻し制御処理内容にあっては、本溶接制御処理内容の溶接時間を経過すると、冷却時間だけ通電を停止した後に、調質電流を通電するように設定している。この冷却時間で、空気圧調整装置を駆動制御し、溶接圧力から調質圧力に減圧する作動が実行されるようにしている。そして、空気圧調整装置は、加圧力を精度良くかつ安定して調整できることから、冷却時間を、溶接時間や調質時間に影響されず、比較的短時間とするように適宜設定することができ得る。
また、焼戻し制御処理内溶の調質時間としては、本溶接制御処理内容の溶接時間に比して長い時間とすることが好適である。このように調質時間を設定することにより、靭性を回復する作用効果が向上する。
上述した鉄筋用スポット溶接装置にあって、溶接制御装置の空気圧調整装置は、エア供給源からエアを流入する流入口部とエアシリンダに向けてエアを流出する流出口部とを連通するエア連通路と、流出口部から流出するエアの流出圧力を検知する圧力センサと、供給用電磁弁から給気され且つ排気用電磁弁から排気される調圧空域と、該調圧空域の内圧を増減するに従って、エア連通路に開閉可能に設けられた流通弁を開閉作動するエア流通弁機構と、溶接制御処理手段から入力した電気信号と圧力センサから入力した検知信号と従って供給電磁弁と排気用電磁弁とを駆動制御することにより、エア流通弁機構を操作して流出圧力を調整する調圧制御手段とを備えてなる構成が提案される。
かかる構成の空気圧調整装置により、エアシリンダに向けて流出するエアの流出圧を、精度良く且つ安定して調整制御することができると共に、この調整制御を極めて短時間で実行することができ得る。そのため、本溶接制御処理内容の溶接圧力から焼戻し制御処理内容の調質圧力への加圧力の変換を、具体的には1/100秒単位〜1/10秒単位で調整制御可能である。これにより、溶接圧力から調質圧力へ変換する際の冷却時間を、極めて短い時間に設定でき、さらには、溶接時間、冷却時間、調質時間を、それぞれの求める作用効果が適切に発揮されるように精密に設定することができる。したがって、上述した本考案の作用効果を一層適正に発揮することができ得る。
上述した鉄筋用スポット溶接装置にあって、溶接制御装置の溶接制御処理手段は、焼戻し制御処理内容に設定した調質圧力を、本溶接制御処理内容に設定した溶接圧力の30%以上且つ70%以下としている構成が提案される。
かかる構成にあっては、溶接圧力の30%〜70%とした調節圧力に設定していることにより、焼戻し制御処理内容を実行した際の、据込みを抑制する作用効果が一層高まる。これにより、鉄筋同士の交差部位が薄肉化することを抑制でき、焼戻し制御処理内容の実行による剛性や強度低下の抑制効果に一層優れる。
上述した鉄筋用スポット溶接装置にあって、溶接制御装置の溶接制御処理手段は、本溶接制御処理内容の溶接圧力に比して低い予備圧力で上下の電極により鉄筋の交差部位を挟圧するように、所定の電気信号を空気圧調整装置へ送信して、該空気圧調整装置を駆動制御すると共に、本溶接制御処理内容の溶接電流に比して低い予備電流を上下の電極に所定の予備時間通電するように、電流制御装置を駆動制御する予備溶接制御処理内容を、本溶接制御処理内容の前に実行するように設定されてなり、本溶接制御処理内容が、前記予備時間が経過すると、所定の電気信号を送信して溶接圧力で上下の電極により鉄筋の交差部位を挟圧するように空気圧調整装置を駆動制御すると共に、上下の電極への通電を所定の予備冷却時間停止した後に、所定の溶接電流を通電するように電流制御装置を駆動制御するように設定されている構成が提案される。
かかる構成にあっては、本溶接制御処理内容の実行前に予備溶接制御処理内容を実行するように設定したものである。上述した鉄筋コンクリートに用いられる鉄筋としては、通常、SD材異形丸鋼(異形鉄筋)が使用される。このSD材異形丸鋼は、その表面に凹凸を有し且つ黒皮に覆われており、表面形態が一様でない。そのため、この鉄筋同士の交差部位を、上記した本溶接制御処理内容により直接溶接すると、溶接形態にバラツキが生じ易い。本構成では、予備溶接制御処理内容を実行することにより、SD材異形丸鋼を予熱してその表面凹凸や黒皮を加熱軟化し、本溶接制御処理内容により安定して溶接することができるようにしている。
尚、予備溶接制御処理内溶の予備時間としては、上記した溶接時間に比して短い時間とし、さらには、調質時間とほぼ同等の時間または該調質時間より短い時間とすることが好適である。
また、予備冷却制御処理内容としては、空気圧調整装置やその他の作動要素を作動切換するために要する予備冷却時間として設定している。この予備冷却制御処理内容を行うことにより、本溶接制御処理内容による駆動制御をスムーズに実行することができる。
本考案は上述したように、鉄筋の交差部位を挟持する上下の電極へ通電する電流を制御する電流制御装置と、該電極を上下動するためのエアシリンダに向けて流出するエアの圧力を電気信号の入力に従って調整制御する空気圧調整装置とを備えると共に、所定の溶接圧力により鉄筋の交差部位を挟圧し、所定の溶接電流を所定溶接時間通電する本溶接制御処理内容と、該溶接時間が経過すると、溶接圧力より低い調質圧力により挟圧し、溶接時間の経過後に通電を冷却時間停止した後に、溶接電流より低い調質電流を所定調質時間通電する焼戻し制御処理内容とを設定してなる溶接制御処理手段を備えた溶接制御装置を具備するものである。かかる構成により、比較的短時間で電極間に作用する加圧力を精度良くかつ安定して制御することができるため、本溶接制御処理内容と焼戻し制御処理内容とで夫々に求められる作用効果が発揮されるように、溶接圧力、溶接時間、調質圧力、冷却時間、調質時間などを適宜設定することができる。そして、焼戻し制御処理内容を実行することにより、本溶接制御処理内容により溶接した鉄筋同士の交差部位が、さらに据え込むことなく、靭性を回復することができ得る。したがって、鉄筋同士の交差部位を、所望の靭性を有し且つ充分な剛性と強度とを発揮するものとしてスポット溶接することができ得る。
上記した溶接制御装置の空気圧調整装置が、エアの流出圧力を検知する圧力センサと溶接制御処理手段から入力した電気信号とに従って、調圧制御手段により供給用電磁弁と排気用電磁弁とを駆動制御して調圧空域の内圧を制御することによって、エアの流入口部から流出口部とに連通するエア連通路を開閉する流通弁を開閉作動して、流出圧力を調整するようにした構成にあっては、流出圧力を極めて短時間で精度良くかつ安定して調整制御することができるため、上述した本考案にかかる作用効果を一層適正に発揮でき得る。
上記した溶接制御装置の溶接制御処理手段が、焼戻し制御処理内容に設定した調質圧力を、本溶接制御処理内容に設定した溶接圧力の30%以上且つ70%以下としている構成である場合にあっては、焼戻し制御処理内容の実行時に、交差部位の据込みを抑制する効果が一層向上し、交差部位の薄肉化を抑制して剛性や強度低下を抑制するという、本考案の作用効果が一層高まる。
上記した溶接制御装置の溶接制御処理手段が、本溶接制御処理内容の実行前に、その溶接圧力より低い予備圧力で挟圧し、溶接電流に比して低い予備電流を所定の予備時間通電する予備溶接制御処理内容を実行すると共に、該本溶接制御処理内溶が、予備時間が経過すると、溶接圧力で挟圧し、予備時間の経過後に通電を予備冷却時間停止した後に、溶接電流を通電するように設定した構成にあっては、鉄筋の表面形態に応じて生ずる溶接時のバラツキを抑制し、溶接後の鉄筋同士の交差部位を、所望の形態に安定して形成する効果に優れる。
本考案の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
図1は、本考案の鉄筋用スポット溶接装置1を示す説明図である。この鉄筋用スポット溶接装置1は、互いに対向するように上下に設けられた電極2,3と、上側の電極2を上下方向に移動するエアシリンダ4と、エアシリンダ4に供給するエアを生成して流動するエア供給装置9と、上下の電極2,3に作用する加圧力を制御すると共に電極2,3に通電する溶接制御装置5とを備えている。ここで、溶接制御装置5は、エアシリンダ4へ供給するエアの圧力を調整制御する空気圧調整装置6と、電極2,3間へ通電する電流を制御する電流制御装置7と、該空気圧調整装置6および電流制御装置7を駆動制御する溶接制御処理装置8とを備えている。尚、本考案にあって、溶接制御処理装置8は、鉄筋用スポット溶接装置1を統括して制御するものでもある。
図1は、本考案の鉄筋用スポット溶接装置1を示す説明図である。この鉄筋用スポット溶接装置1は、互いに対向するように上下に設けられた電極2,3と、上側の電極2を上下方向に移動するエアシリンダ4と、エアシリンダ4に供給するエアを生成して流動するエア供給装置9と、上下の電極2,3に作用する加圧力を制御すると共に電極2,3に通電する溶接制御装置5とを備えている。ここで、溶接制御装置5は、エアシリンダ4へ供給するエアの圧力を調整制御する空気圧調整装置6と、電極2,3間へ通電する電流を制御する電流制御装置7と、該空気圧調整装置6および電流制御装置7を駆動制御する溶接制御処理装置8とを備えている。尚、本考案にあって、溶接制御処理装置8は、鉄筋用スポット溶接装置1を統括して制御するものでもある。
上記した電極2,3にあって、下側の電極3は、固定して配設されている。そして、上側の電極2が、エアシリンダ4の駆動に従って降動することにより電極3に近づき、昇動することにより電極3から離れるようになっている。尚、電極2,3は、互いに対向する平面を有し、両者の間に配置した被溶接対象(鉄筋同士の交差部位)をその上下から挟圧する。
また、エアシリンダ4には、そのヘッド側領域4aとロッド側領域4bとに夫々にエア流動路11a,11bが接続されている。このエアシリンダ4を構成するピストン10は、その下端部に電極2が配設されており、ヘッド側領域4aにエアを流入することにより、ピストン10が降動して、電極2を下降する。また、ロッド側領域4bにエアを流入することにより、ピストン10が昇動して、電極2を上昇する。
また、上記したエア供給装置9は、圧縮エアを発生するコンプレッサ15と、該コンプレッサ15から流入したエアの圧力を増圧する増圧弁16と、エアを貯留するエアタンク17とを備えており、エアタンク17がエア供給路21aを介して上記した空気圧調整装置6と連通している。尚、このエア供給路21aにはフィルタ18が設けられている。コンプレッサ15が、本考案にかかるエア供給源である。
次に、溶接制御装置5について説明する。
この溶接制御装置5を構成する空気圧調整装置6にあっては、図2のように、エア供給路21aから流入したエアを所定の流出圧力に調整してエアシリンダ4に向けて流出するものであり、図2のように、作動体部31と調整制御部32とから構成されている。ここで、作動体部31には、エア供給路21aを接続する流入口部33と、所定流出圧力としたエアを流出する流出口部34と、流入口部33と流出口部34とを連通するエア連通路35とが設けられてる。また、作動体部31には、上下方向に移動可能に支持され、その上下動に従ってエア連通路35を開閉する流入弁36が配設されており、該流入弁36は、エア連通路35を閉鎖する上方に付勢されている。また、このエア連通路35の、流入弁36よりも流出口部34寄りの部位には、排気口部37と連通する排気路38が接続されている。そして、この排気路38を開閉する排出弁39が上下方向に移動可能に配設されており、該排出弁39は、排気路38を閉鎖する下方に付勢されている。
この溶接制御装置5を構成する空気圧調整装置6にあっては、図2のように、エア供給路21aから流入したエアを所定の流出圧力に調整してエアシリンダ4に向けて流出するものであり、図2のように、作動体部31と調整制御部32とから構成されている。ここで、作動体部31には、エア供給路21aを接続する流入口部33と、所定流出圧力としたエアを流出する流出口部34と、流入口部33と流出口部34とを連通するエア連通路35とが設けられてる。また、作動体部31には、上下方向に移動可能に支持され、その上下動に従ってエア連通路35を開閉する流入弁36が配設されており、該流入弁36は、エア連通路35を閉鎖する上方に付勢されている。また、このエア連通路35の、流入弁36よりも流出口部34寄りの部位には、排気口部37と連通する排気路38が接続されている。そして、この排気路38を開閉する排出弁39が上下方向に移動可能に配設されており、該排出弁39は、排気路38を閉鎖する下方に付勢されている。
作動体部31には、下端を流入弁36に当接し、上端をダイヤフラム41に連結した可動杆42が上下方向に摺動可能に設けられている。この可動杆42には、排出弁39に係持して上方へ持ち上げるための係持部43が設けられている。
この作動体部31には、上記したダイヤフラム41により区画された調圧空域44が設けられている。この調圧空域44の内圧が増加すると、ダイヤフラム41が下降することにより、可動杆42が流入弁36を下方へ押圧し、エア連通路35を開放する。一方、調圧空域44の内圧が減少すると、ダイヤフラム41が上昇することにより、可動杆42の係持部43により排気弁39が上方へ引き上げられ、排気路38を開放する。
また、調整制御部32には、作動体部31の流入口部33と連通して調圧空域44にエアを供給するための供給用電磁弁51と、排気口部37と連通して調圧空域44のエアを排気するための排気用電磁弁52と、供給用電磁弁51と排気用電磁弁52とを駆動制御する調圧制御回路53とを備えている。さらに、流出口部34と連通して該流出口部34から流出するエアの流出圧力を検知する圧力センサ54をも備えており、圧力センサ54で検知した流出圧力を示す信号が、調圧制御回路53に入力されるようにしている。また、この調圧制御回路53には、上述した溶接制御処理装置8から所定の電気信号を入力する。
この調圧制御回路53は、図示しない中央制御装置CPUや記憶装置ROM,RAM等から構成されている。そして、溶接制御処理装置8から入力した電気信号および圧力センサ54から入力した信号に従って、供給用電磁弁51と排気用電磁弁52とを駆動することによって、流入弁36と排気弁39とを開閉作動する。ここで、供給用電磁弁51と排気用電磁弁52とを駆動制御することにより、調圧空域44の内圧の増減を制御でき、当該増減に従って、流入弁36と排気弁39との開放度を調整する。これにより、流出口部34から流出するエアの流出圧力を調整制御する。この調圧制御回路53により、本考案にかかる調圧制御手段が構成されている
このような空気圧調整装置6は、流入口部33から流入したエアを、所定の流出圧力に精度良くかつ安定して変換することができると共に、この変換を極めて短い時間で実施することができる。尚、本実施例にあっては、ダイヤフラム41、可動杆42、流入弁36、該流入弁36を付勢する付勢手段(図示省略)により、本考案にかかるエア流通弁機構が構成されている。
尚、空気圧調整装置6の流出口部34には、エア供給路21bが接続し、該エア供給路21bが、上記したエア流動路11a,11bが接続されたソレノイドバルブ20と接続している。このソレノイドバルブ20は、その駆動に従って、空気圧調整装置6とエア流動路11a,11bの一方と連通したり、該エア流動路11a,11bを開放すること等ができるようになっている。すなわち、ソレノイドバルブ20により、エア流動路11aと空気圧調整装置6とを連通し且つエア流動路11bを開放する位置に駆動して停止することにより、エアシリンダ4のヘッド側領域4aにエアを供給し、ピストン10を降動することができる。また、エア流動路11bと空気圧調整装置6とを連通し且つエア流動路11aを開放する位置に駆動して停止することにより、エアシリンダ4のロッド側領域4bにエアを供給し、ピストン10を昇動することができる。このように空気圧調整装置6から流出したエアをエアシリンダ4のヘッド側領域4aまたはロッド側領域4bに供給することによって、上側の電極2を上下動する。
また、溶接制御装置5には、上記した電流制御装置7が設けられている。この電流制御装置7は、図示しない電源と接続され、出力制御回路(図示省略)と溶接用トランス(図示省略)とを備えている。そして、電源から供給された電流を、所定の電流量に調整制御して出力するようになっている。この電流制御装置7が、電極2,3と夫々接続しており、該電極2,3間に所定の電流を流すようにしている。
また、上記した溶接制御処理装置8は、当該鉄筋用スポット溶接装置1を統括的に制御するためのものであり、その一役割として、上記した空気圧調整装置6と電流制御装置7とを駆動制御するようにしている。この溶接制御処理装置8は、図示しない出力ポートに、上記した空気圧調整装置6の調圧制御回路53、電流制御装置7の出力制御回路が接続されており、夫々に電気信号を出力するようになっている。尚、本実施例にあっては、前記の出力ポートに上記したソレノイドバルブ20も接続されており、出力ポートから出力する電流に従ってソレノイドバルブ20を駆動制御するようにもしている。
この溶接制御処理装置8には、作業者が処理条件などを入力する入力キー(図示省略)や、処理条件や処理状態などを出力するモニター(図示省略)等を備えている。さらに図示しない中央制御装置CPU、記憶装置RAM、記憶装置ROM等も備えている。ここで、記憶装置ROMには、空気圧調整装置6や電流制御装置7などへ出力する電気信号や、ソレノイドバルブ20などへ出力する電流を制御するための各プログラムなどが記憶保持されている。そして、中央制御装置CPUは、これら各プログラムなどを随時実行する。
この溶接制御処理装置8の記憶装置ROMには、予備溶接制御処理内容、本溶接制御処理内容、焼戻し制御処理内容が夫々に設定された各プログラムと、これら各プログラムを連続して実施するためのプログラムとが記憶保持されている。これら予備溶接制御処理内容、本溶接制御処理内容、焼戻し制御処理内容を、図3に従って説明する。
ここで、予備溶接制御処理内容としては、ソレノイドバルブ20に所定電流を通電することにより、該ソレノイドバルブ20を、空気圧調整装置6とエア流動路11aとを連通する位置に駆動して停止保持する制御処理を実行する。その後、空気圧調整装置6の調圧制御回路53に、所定の予備圧力が電極2,3間に作用するように、エアの流出圧力を調整するための電気信号を出力する。さらに、電流制御装置7の出力制御回路に、所定の予備電流を電極2,3間に通電するための電気信号を出力する。そして、電流制御装置7による予備電流の通電開始後、所定の予備時間が経過すると、電流制御装置7による通電を停止する処理を行い、予備溶接制御処理内容のプログラムを終了する。
ここで、予備溶接制御処理内容としては、ソレノイドバルブ20に所定電流を通電することにより、該ソレノイドバルブ20を、空気圧調整装置6とエア流動路11aとを連通する位置に駆動して停止保持する制御処理を実行する。その後、空気圧調整装置6の調圧制御回路53に、所定の予備圧力が電極2,3間に作用するように、エアの流出圧力を調整するための電気信号を出力する。さらに、電流制御装置7の出力制御回路に、所定の予備電流を電極2,3間に通電するための電気信号を出力する。そして、電流制御装置7による予備電流の通電開始後、所定の予備時間が経過すると、電流制御装置7による通電を停止する処理を行い、予備溶接制御処理内容のプログラムを終了する。
次に、本溶接制御処理内容が実行される。この本溶接制御処理内容としては、上記した予備時間が経過すると、空気圧調整装置6の調圧制御回路53に、所定の溶接圧力が電極2,3間に作用するように、エアの流出圧力を調整するための電気信号を出力する。尚、この溶接圧力は、前記した予備圧力より高い圧力に設定されている。これにより、空気圧調整装置6を駆動制御し、電極2,3間に作用する圧力を予備圧力から溶接圧力に増圧する。そして、予備時間の経過後に所定の予備冷却時間が経過すると、電流制御装置7の出力制御回路に、所定の溶接電流を電極2,3間に通電するための電気信号を出力する。尚、前記した予備電流は、所定の溶接電流よりも低い電流として設定されている。そして、電流制御装置7による溶接電流の通電開始後、所定の溶接時間が経過すると、電流制御装置7による通電を停止する処理を行い、本溶接制御処理内容のプログラムを終了する。
次に、焼戻し制御処理内容が実行される。この焼戻し制御処理内容としては、上記した溶接時間が経過すると、空気圧調整装置6の調圧制御回路53に、所定の調質圧力が電極2,3間に作用するように、エアの流出圧力を調整するための電気信号を出力する。尚、調質圧力は、前記した溶接圧力よりも低い圧力に設定されている。これにより、空気圧調整装置6を駆動制御し、電極2,3間に作用する圧力を溶接圧力から調質圧力に減圧する。そして、溶接時間の経過後に所定の冷却時間が経過すると、電流制御装置7の出力制御回路に、所定の調質電流を電極2,3間に通電するための電気信号を出力する。そして、電流制御装置7による調質電流の通電開始後、所定の調質時間が経過すると、電流制御装置7による通電を停止する処理を行い、焼戻し制御処理内容のプログラムを終了する。
さらに、焼戻し制御処理内容のプログラムが終了すると、ソレノイドバルブ20に所定電流を通電することにより、該ソレノイドバルブ20を、空気圧調整装置6とエア流動路11bとを連通する位置に駆動して停止保持する制御処理を実行する。その後、空気圧調整装置6の調圧制御回路53に所定の電気信号を出力することにより、該電気信号に従って空気圧調整装置6から所定の流出圧力のエアを流出し、電極2を昇動する。これにより、スポット溶接を終了する。
上記した本溶接制御処理内容にあって、溶接圧力および溶接電流は所定値に設定されている。そして、焼戻し制御処理内容にあって、調質圧力は、溶接圧力に比して30%以上且つ70%以下となるように設定されていると共に、調質電流は、溶接電流に比して30%以上且つ80%以下となるように設定されている。また、予備溶接制御処理内容にあって、予備圧力は、溶接圧力に比して20%以上且つ60%以下となるように設定されていると共に、予備電流は、溶接電流に比して20%以上且つ60%以下となるように設定されている。
また、予備時間は5〜10サイクル、予備冷却時間は3〜6サイクル、溶接時間は15〜30サイクル、冷却時間は5〜10サイクル、調質時間は30〜60サイクルに夫々設定している。ここで、予備冷却時間および冷却時間は、上述したように、所望の圧力を電極2,3間に作用させるために、エアシリンダ4に供給するエアの圧力を増減する切換に要する時間となっている。本考案にあっては、上述したように、空気圧調整装置6により、極めて短時間にエアの流出圧力を精度良くかつ安定して所望の値に増減することができることから、このような予備冷却時間および冷却時間を設定できる。さらに、電極2,3間に作用する圧力を、所望の圧力に正確に制御できるため、予備時間、溶接時間、調質時間を、それぞれの求める作用が最も効率的に発揮されるように適切に設定できる。
このように、溶接制御処理装置8により、本考案にかかる溶接制御処理手段が構成されている。
次に、本実施例の鉄筋用スポット溶接装置1を用いて溶接する過程について説明する。
複数のSD異形丸鋼(鉄筋)70を格子状に配し、その交差部位72を、鉄筋用スポット溶接装置1の下側の電極3上に配置する(図4(A)参照)。そして、エア供給装置9のコンプレッサ15と電流制御装置7に接続した電源(図示省略)とをON作動する。尚、エア供給装置9の増圧弁16は、所定のエア圧に増圧して出力するようにセットしておく。
複数のSD異形丸鋼(鉄筋)70を格子状に配し、その交差部位72を、鉄筋用スポット溶接装置1の下側の電極3上に配置する(図4(A)参照)。そして、エア供給装置9のコンプレッサ15と電流制御装置7に接続した電源(図示省略)とをON作動する。尚、エア供給装置9の増圧弁16は、所定のエア圧に増圧して出力するようにセットしておく。
尚、具体的には、予備溶接制御処理内容としては、予備圧力を溶接圧力の50%とし、予備電流を溶接電流の50%とし、予備時間を8サイクルとしている。本溶接制御処理内容としては、予備冷却時間を3サイクルとし、溶接時間を20サイクルとしている。焼戻し制御処理内容としては、調質圧力を溶接圧力の50%とし、調質電流を溶接電流の80%とし、冷却時間を5サイクルとし、調質時間を40サイクルとしている。
溶接制御装置5により溶接作動を開始する(図3参照)。溶接制御処理装置8により、上記した予備溶接制御処理内容のプログラムを起動し、ソレノイドバルブ20と空気圧調整装置6とを駆動し、エアシリンダ4のヘッド側領域4aに空気圧調整装置6から所定の流出圧力で流出したエアを流入する。これにより、上側の電極2が降動して該電極2と下側の電極3との間で、鉄筋同士の交差部位72を予備圧力により挟圧する。そして、電流制御装置7を駆動して、予備電流を電極2,3間に予備時間通電する。これにより予備溶接を実施し、SD異形丸鋼(鉄筋)の交差部位72の接触している表面を加熱し溶かしていく。予備電流の通電開始から予備時間が経過すると、通電を停止する。これにより予備溶接制御処理内容のプログラムを終了する。
上記の予備時間が経過すると、本溶接制御処理内容のプログラムが起動し、空気圧調整装置6に、溶接圧力となる流出圧力でエアを流出するための所定の電気信号を送り、流出圧力を増圧する。これにより、電極2,3間で、鉄筋同士の交差部位72を溶接圧力により挟圧する。また、予備時間の経過後、予備冷却時間が経過すると、電流制御装置7の出力制御回路により、溶接電流を電極2,3間に通電する。これにより、鉄筋同士の交差部位72を溶接圧力により挟圧し且つ溶接電流を流して本溶接を実施し、SD異形丸鋼(鉄筋)の交差部位72を加熱して溶接すると共に、挟圧して据え込んでいく(図4(B)参照)。尚、この本溶接前に上記した予備溶接を実行していることから、SD異形丸鋼のように表面凹凸と黒皮とを有するものにあっても、精度良く安定して溶接することができる。また、溶接圧力が、空気圧調整装置6により精度良く制御されていることから、鉄筋同士の交差部位での据込み量が精度良く制御でき、該交差部位を所望の厚みに形成することができ得る。溶接電流の通電後、溶接時間が経過すると、通電を停止する。これにより本溶接制御処理内容のプログラムを終了する。
上記の溶接時間が経過すると、焼戻し制御処理内容のプログラムが起動し、空気圧調整装置6に、調質圧力となる流出圧力でエアを流出するための所定の電気信号を送り、流出圧力を減圧する。これにより、電極2,3間で、鉄筋同士の交差部位72を調質圧力により挟圧する。また、溶接時間の経過後、冷却時間が経過すると、電流制御装置7の出力制御回路により、調質電流を電極2,3間に通電する。これにより、鉄筋同士の交差部位72を焼戻し処理し、上記の本溶接で交差部位72に焼きが入って低下した靭性を回復し、鉄筋が本来有する伸びを発揮するように調質する。さらに、この焼戻し処理では、上記した本溶接に比して低い調質電流と調質圧力とを作用していることから、交差部位72の据込みをほとんど生じない。そのため、本溶接によって形成した交差部位72の形態(厚み)が維持され、所望の形態の交差部位72を得ることができる(図4(B)参照)。調質電流の通電後、調質時間が経過すると、通電を停止する。これにより焼戻し制御処理内容のプログラムを終了する。
このように溶接制御処置装置8により、予備溶接制御処理内容、本溶接制御処理内容、焼戻し制御処理内容の各プログラムを順次実行して、鉄筋同士の交差部位72の溶接が終了する。本鉄筋用スポット溶接装置1によれば、上述したように、所望の靭性と有するように、鉄筋同士の交差部位72を溶接することができる。さらに、鉄筋同士の交差部位72は、本溶接制御処理内容の実施時に据込んで溶着し、その後に焼戻し制御処理内容の実施時にさらに据え込むことを抑制している。これにより、溶接後の交際部位72の厚みを所望の厚みに形成することができるため、所望の剛性と強度とを有するものとして安定して成形することができ得る。
この鉄筋用スポット溶接装置1は、鉄筋同士の交差部位72を一点溶接することを説明したが、鉄筋は格子状に配されて、交差部位72が所定ピッチ間隔で並らぶため、複数の交差部位72を同時に溶接することができるように、電極2,3などを複数並設した構成とすることもできる。また、溶接制御装置5にあっては、各プログラムにおける圧力、電流の設定値を複数設定しておき、溶接する対象の鉄筋の材質や形状(外径寸法)に応じて、各設定値を変更することも可能である。これにより、様々な形態の鉄筋の溶接に対応することができる。
1 鉄筋用スポット溶接装置
2,3 電極
4 エアシリンダ
5 溶接制御装置
6 空気圧調整装置
7 電流制御装置
8 溶接制御処理装置(溶接制御処理手段)
15 コンプレッサ(エア供給源)
33 流入口部
34 流出口部
35 エア連通路
44 調圧空域
51 供給用電磁弁
52 排気用電磁弁
53 調圧制御回路(調圧制御手段)
54 圧力センサ
70 鉄筋
72 交差部位
2,3 電極
4 エアシリンダ
5 溶接制御装置
6 空気圧調整装置
7 電流制御装置
8 溶接制御処理装置(溶接制御処理手段)
15 コンプレッサ(エア供給源)
33 流入口部
34 流出口部
35 エア連通路
44 調圧空域
51 供給用電磁弁
52 排気用電磁弁
53 調圧制御回路(調圧制御手段)
54 圧力センサ
70 鉄筋
72 交差部位
Claims (4)
- 互いに対向する上下の電極と、前記電極のいずれか一方又は両方を上下動するエアシリンダとを備えてなり、交差した鉄筋同士の交差部位を上下の電極により挟持して通電することによりスポット溶接する鉄筋用スポット溶接装置であって、
前記電極へ通電する電流を制御する電流制御装置と、
エアシリンダへ流入するエアを発生するエア供給源とエアシリンダとの間に設けられた、エアシリンダに向けて流出するエアの圧力を電気信号の入力に従って調整制御する空気圧調整装置と、
電流制御装置および空気圧調整装置を駆動制御する溶接制御処理手段とを具備する溶接制御装置を備えてなり、
溶接制御装置の溶接制御処理手段が、
鉄筋の交差部位を上下の電極により所定の溶接圧力で挟圧するように、所定の電気信号を空気圧調整装置に送信して、該空気圧調整装置を駆動制御すると共に、上下の電極に所定の溶接電流を所定の溶接時間通電するように、電流制御装置を駆動制御する本溶接制御処理内容と、
本溶接制御処理内容の溶接時間が経過すると、鉄筋の交差部位を上下の電極により前記溶接圧力に比して低い調質圧力で挟圧するように、所定の電気信号を空気圧調整装置へ送信して、該空気圧調整装置を駆動制御すると共に、上下の電極への通電を所定の冷却時間停止した後に、前記溶接電流に比して低い調質電流を上下の電極に所定の調質時間通電するように、電流制御装置を駆動制御する焼戻し制御処理内容と
を順次実行するように設定されていることを特徴とする鉄筋用スポット溶接装置。 - 溶接制御装置の空気圧調整装置は、
エア供給源からエアを流入する流入口部とエアシリンダに向けてエアを流出する流出口部とを連通するエア連通路と、
流出口部から流出するエアの流出圧力を検知する圧力センサと、
供給用電磁弁から給気され且つ排気用電磁弁から排気される調圧空域と、
該調圧空域の内圧を増減するに従って、エア連通路に開閉可能に設けられた流通弁を開閉作動するエア流通弁機構と、
溶接制御処理手段から入力した電気信号と圧力センサから入力した検知信号と従って供給電磁弁と排気用電磁弁とを駆動制御することにより、エア流通弁機構を操作して流出圧力を調整する調圧制御手段と
を備えてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋用スポット溶接装置。 - 溶接制御装置の溶接制御処理手段は、焼戻し制御処理内容に設定した調質圧力を、本溶接制御処理内容に設定した溶接圧力の30%以上且つ70%以下としていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄筋用スポット溶接装置。
- 溶接制御装置の溶接制御処理手段は、
本溶接制御処理内容の溶接圧力に比して低い予備圧力で上下の電極により鉄筋の交差部位を挟圧するように、所定の電気信号を空気圧調整装置へ送信して、該空気圧調整装置を駆動制御すると共に、本溶接制御処理内容の溶接電流に比して低い予備電流を上下の電極に所定の予備時間通電するように、電流制御装置を駆動制御する予備溶接制御処理内容を、本溶接制御処理内容の前に実行するように設定されてなり、
本溶接制御処理内容が、前記予備時間が経過すると、所定の電気信号を送信して溶接圧力で上下の電極により鉄筋の交差部位を挟圧するように空気圧調整装置を駆動制御すると共に、上下の電極への通電を所定の予備冷却時間停止した後に、所定の溶接電流を通電するように電流制御装置を駆動制御するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鉄筋用スポット溶接装置。
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JP2013126692A (ja) * | 2013-03-21 | 2013-06-27 | Jfe Steel Corp | 抵抗スポット溶接方法 |
JP2016019991A (ja) * | 2014-07-14 | 2016-02-04 | 新日鐵住金株式会社 | 積層金属板のスポット溶接方法及び積層体 |
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-
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