JP3138356U - ケーブル繰り出し装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルドラムの傍らに人を配置することなく、ケーブルドラムの制動をケーブルの牽引に応じて制御することができる、取り付けが容易で、部品点数が少なく、低コストで、軽量で持ち運びが容易なケーブル繰り出し装置を提供する。
【解決手段】ケーブルドラム支持部と、ケーブルドラムの外周縁近傍に位置するようにケーブルドラム支持部に設けられた支軸を支点として回動する制動手段とを具え、制動手段は、ケーブルドラムの外周縁に当接して制動をかけるブレーキ部分と、ケーブルドラムから繰り出されたケーブルの弛みを検出するためにケーブルと接触するケーブル掛合部分とを有し、ケーブルが弛んでいる場合には付勢手段によりブレーキ部分がケーブルドラムに当接し、ケーブルが繰り出されている場合にはケーブルが牽引される力により制動手段を回動させてブレーキ部分をケーブルドラムから離す、ケーブル繰り出し装置である。
【選択図】図1

Description

本考案は、構造が簡潔で、取り付けが容易な制動手段を具えた、ケーブル繰り出し装置に関するものである。
従来、ケーブル敷設現場での延線作業時にケーブルドラムの傍らに作業者を配置することなくケーブルドラムからケーブルを引き出し、あるいは延線停止時にケーブルドラムの回転を停止させるための装置として、ケーブルの弛みや過度の引き出しの発生を防止する制動手段を具えたケーブル繰り出し装置が知られている。
この従来のケーブル繰り出し装置は、具体的には、ケーブルドラムを回転自在に支持する、脚部に軸支された回転軸と、ドラムブレーキまたはバンドブレーキよりなり、回転軸を制動するために軸支部またはその近傍に設けられたブレーキ機構とを具えており、そのブレーキ機構による制動を、ケーブル案内部に通されたケーブルへの張力の有無に応じて位置が変化するように構成されて脚部に軸支されたアーム部を用いて制御するよう構成されている。この装置によれば、ケーブルをケーブル案内部に通して延線作業を行うことで、ケーブルに張力がかかった状態ではアームが上方に持ち上がり、ケーブルに張力がかかっていない状態ではアームが下方に下がるので、アームの上下動に応じてブレーキシューとブレーキドラムとが圧接して回転軸の回転を停止させ、または離れて回転軸の回転を可能にすることで、ケーブルドラムの回転停止を自動的に行い、延線作業における省力化を実現できる(例えば、特許文献1参照)。
また、ケーブルにかかる張力に応じ、回転軸ではなく、ケーブルドラムの外周縁に制動手段を当接させて自動的に制動を行うケーブル繰り出し装置も従来から知られており、この装置は、ケーブルの張力検出手段と、検出された張力に基づき動作する、空気圧式の制御回路よりなる制御手段とを用いて、制動手段をケーブルドラムに当接させ、またはケーブルドラムから制動手段を離すことでドラムの回転を制御している(例えば、特許文献2参照)。更に、従来、ケーブルドラムの外周縁に接触して回転するローラと、ケーブルの弛み具合に応じて所定の回転角の範囲で回転する弛み検出部材と、弛み検出部材の回転動作に応じてローラと一体に回転するように設けられたブレーキディスクにブレーキレバーを当接させる抵抗手段とを具え、ケーブルドラムに回転抵抗を付与したり、解除したりすることによりケーブルドラムの回転を制御する装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−146015号公報 特開平6−227744号公報 特開2001−135166号公報
しかし、ドラムブレーキやバンドブレーキといった、車両等にも用いられるようなブレーキ機構を用いたケーブル繰り出し装置では、ブレーキ機構の構造が複雑になり、部品点数が増え、コストが増大すると共に、装置重量が増大するため持ち運びに不便であった。
また、空気圧式の制御手段を用いて制動手段をケーブルドラムに当接させて制動を行うケーブル繰り出し装置や、弛み検出部材の回転動作を受けてケーブルドラムに当接するローラに摩擦力を加えて制動を行うケーブル繰り出し装置では、装置構造が複雑になり、部品点数が増え、コストが増大すると共に、装置重量が増大するため持ち運びに不便であるだけでなく、装置が大型化し、大きな設置面積が必要となるといった問題があった。
本考案は、ケーブルの弛みに応じてケーブルドラムに制動をかける、構造が簡潔で、取り付けが容易な制動手段を具えた、ケーブル繰り出し装置を提供するものである。
すなわち、本考案のケーブル繰り出し装置は、ケーブルが巻かれたケーブルドラムからケーブルを繰り出すための装置であって、互いに離間して立設される一組の脚部と、前記脚部に支持されて前記ケーブルドラムを着脱自在および回転自在に支持するケーブルドラム支持軸とを有するケーブルドラム支持部と、前記ケーブルドラムの外周縁近傍に位置するように前記ケーブルドラム支持部に設けられた支軸を支点として回動する制動手段と、を具え、前記制動手段が、前記支軸から前記ケーブルドラムを挟んで前記支軸と反対の側まで延在するレバー部分と、前記レバー部分の、前記ケーブルドラム支持軸より前記支軸側の位置に設けられて、前記ケーブルドラムの外周縁に当接してそのケーブルドラムに制動をかけるブレーキ部分と、前記レバー部分の、前記ケーブルドラムを挟んで前記支軸と反対の側に設けられて、前記ケーブルが繰り出しのために牽引されている場合に前記ケーブルドラムから繰り出されたケーブルと掛合して前記ブレーキ部分を前記ケーブルドラムから離すように前記レバー部分を回動させるケーブル掛合部分と、前記ケーブルが弛んでいる場合に前記ブレーキ部分を前記ケーブルドラムの外周縁に当接させるように前記レバー部分を付勢して回動させる付勢手段と、を有することを特徴とするものである。
本考案のケーブル繰り出し装置によれば、ケーブルドラム支持部を具えているので、ケーブルドラムをケーブルドラム支持部に支持してケーブルを繰り出すことが可能である。また、ケーブルドラム支持部に、ケーブルドラムの外周縁近傍に位置するように設けられた支軸を支点として回動する、ケーブル掛合部分を有する制動手段を具えているので、ケーブルが繰り出されていない場合、すなわちケーブルを牽引する力が働いていない場合には、付勢手段により、ブレーキ部分がケーブルドラムに当接し、ケーブルを牽引する力が働いている場合には、ケーブル掛合部分により、ブレーキ部分がケーブルドラムから離れることで、ケーブルドラムの傍らに人を配置することなくケーブルドラムの制動をケーブルの牽引に応じて制御することができる。更に、制動手段は、ケーブルドラムの外周縁近傍に位置するようにケーブルドラム支持部に設けられた支軸を支点として回動することによりブレーキ部分をケーブルドラムに当接させ、またはケーブルドラムから離すという簡潔な構造を有するので、ケーブルドラム支持部への取り付けが容易であり、部品点数が少なく、低コストで、軽量で持ち運びが容易なケーブル繰り出し装置を提供することができる。その上、ケーブルドラムを移動させる際に、ケーブルドラム支持部がケーブルドラムの上側に来るように上下逆にすれば、ケーブル繰り出し装置をケーブルドラムに着けたまま、レバー部分(ケーブル掛合部分)を持ってケーブルドラムを転がして移動させることができる。
ここで、例えば電柱への架線工事用等の、ケーブルが上方に引き出される装置の場合には、前記支軸をドラムの水平中心断面より下方に設け、前記ケーブル掛合部分をドラムの水平中心断面より上方に設けて、ケーブルを前記ケーブル掛合部分の下側を通して上方に繰り出すようにすると好ましい。これにより、繰り出し時には、ケーブルを上方に引っ張る牽引力が働くことから、ケーブルがケーブル掛合部分に掛合してレバー部分を引き上げるので、制動手段が支軸を中心に上側に回動して、ブレーキ部分がドラムから離れることで、制動手段による制動が解除される。また、ケーブルが弛んだ状態では、レバー部分が自重により付勢手段となって、制動手段が支軸を中心に下方に回動してブレーキ部分がドラムに当接することで、制動手段によってドラムの回転が制動される。この際に、レバー部分、特にケーブル掛合部分の重量を調整すれば、制動力の大きさを調整することができる。また、支軸とケーブル掛合部分とがドラムを挟んで反対側に配置されているため、制動時の制動手段の回動における力点と支点(支軸)との距離が大きいので、レバー部分を軽量な素材で作製しても大きな制動力を得ることができる。
一方、例えば下水管内への布設工事用等の、ケーブルが下方に繰り出される装置の場合には、前記支軸をドラムの水平中心断面より上方に設け、前記ケーブル掛合部分をドラムの水平中心断面より下方に設けると共に、制動手段を上方に付勢するように付勢手段を設けて、ケーブルを前記ケーブル掛合部分の上側を通して繰り出すように構成すると好ましい。これにより、繰り出し時には、ケーブルを下に引き下げる牽引力が働くことから、ケーブルがケーブル掛合部分と掛合してレバー部分を押し下げるので、制動手段が支軸を中心に下方に回動して、ブレーキ部分がドラムから離れることで、制動手段による制動が解除される。また、ケーブルが弛んだ状態では、付勢手段により制動手段が支軸を中心に上方に回動して、ブレーキ部分がドラムに当接することで、制動手段によってドラムが制動される。この際、ケーブルが弛んだ状態で、ブレーキ部分がドラムに当接した状態を維持できるよう、レバー部分を軽量な部材で構成すると共に、付勢手段として、制動手段とケーブルドラム支持部とを弾性的に連結するバネを設けてレバー部分を上方に付勢しても良い。また、前記ケーブル掛合部分および前記支軸の両方をドラムの水平中心断面より下方に設け、ブレーキ部分を、ドラムを挟んで支軸と反対側に設けるように構成しても、ケーブルが下方に繰り出される装置を構成することができる。
なお、前記支軸を前記ケーブルドラム支持軸近傍に配置し、前記ブレーキ部分と、前記ケーブル掛合部分とがドラムを挟んで反対側に位置するように配置すると共に、前記ブレーキ部分または前記ケーブル掛合部分の何れかの重量を他方より重くなるように構成することで、前記ブレーキ部分または前記ケーブル掛合部分の自重を付勢手段として、梃子の原理を利用して、ケーブルが弛んでいる場合にはブレーキ部分により制動され、ケーブルの繰り出しが行われている場合には制動が解除されるように構成しても良い。
また、前記ブレーキ部分に、前記ケーブルドラム外周縁との摩擦抵抗が大きいゴム等を貼り付けた板を用いれば、大きな摩擦抵抗でケーブルドラムの回転を制動でき、より確実にケーブルの余分な繰り出しを防止することができる。
更に、前記制動手段の前記支軸を、前記一組の脚部を連結するシャフトとすれば、部品点数を減らし、ケーブルドラム支持部の強度を高めつつ、制動手段の回動を可能にすることができる。
以下、本考案の一実施形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、本考案にかかるケーブル繰り出し装置の一実施例を示す側面図であり、図2は、図1にかかるケーブル繰り出し装置の正面図である。また、図3は、図1にかかるケーブル繰り出し装置を利用してケーブルドラムを移動させる様子を示す参考図である。
この実施例の繰り出し装置1は、例えば電柱への架線工事等、ケーブル5を上向きに引き出す際に使用されるものであり、二本の連結シャフト23で連結され、互いに離間して立設された一組の略三角形状の脚部26と、ケーブルドラム4を着脱自在および回転自在に支持するケーブルドラム支持軸24とを有するケーブルドラム支持部2、およびケーブルドラム4の外周縁近傍(図1では右下)に位置するようにケーブルドラム支持部2に設けられた一方の連結シャフト23を支点(支軸)として回動する、略四角形状の制動手段3を具える。
ここで、各脚部26は、例えば鉄パイプよりなり、図1に示すように、略三角形状のフレームで囲まれる内側部分に略Y字状の補強構造を有する。また、略三角形状のフレームの各頂点部付近には、両方の脚部26を連結シャフト23およびケーブルドラム支持軸24により互いに連結するための穴21、22が設けられている。また、穴21、22の近傍には、脚部26に連結シャフト23およびケーブルドラム支持軸24を固定するために、例えばネジ25が設けられている。
連結シャフト23は、例えば鉄パイプよりなり、脚部26の各穴21に通した後にネジ穴(図示せず)を利用してネジ25を連結シャフト23に当接させることで両端部を脚部26に固定されて、一組の脚部26を連結することができる。
ケーブルドラム支持軸24は、例えば鉄パイプよりなり、ケーブルドラム4と各脚部26との間にそれぞれ配置される二つの回転軸受27に挿通される。ここで、各回転軸受27は、例えばケーブルドラム支持軸24より太い鉄パイプよりなり、長手方向の中央付近にフランジ30を有するとともに一端側にベアリング28を内蔵している。回転軸受27は、ベアリング28が繰り出し装置1の内側(ケーブルドラム4内側)となるようにケーブルドラム4にフランジ30を当接させて配置され、ケーブルドラム支持軸24は、脚部26の穴22および回転軸受27を介してケーブルドラム4に通され、脚部26にネジ25で固定される。これにより、回転軸受27のベアリング28でケーブルドラム4を回転自在に支持することができる。また、ケーブルドラム支持軸24がネジ25により固定されているので、ネジ25を外し、ケーブルドラム支持軸24を引き抜くことでケーブルドラム4の取り外しが可能である。
制動手段3は、例えばコ字状に形成した鉄パイプよりなるケーブル掛合部分32およびレバー部分36と、そのコ字状の鉄パイプの両端部に設けられたブレーキ部分31と、そのコ字状のパイプの両端部を連結する、例えば鉄製の溝形材よりなる取り付け部分33とを有する。ケーブル掛合部分32と、取り付け部分33とは、制動手段3の四角形状の対向する二辺をなし、他の二辺には、ブレーキ部分31がそれぞれ固定されている。ブレーキ部分31は、L字状にカット加工した鉄の板よりなり、支軸(支点)の側でケーブルドラム4の外周縁に当接する位置に設けられている。取り付け部分33は、断面U字状で、脚部26間を連結する連結シャフト23に被せることにより、連結シャフト23を支軸として回動可能にケーブルドラム支持部2に取り付けられる。
繰り出し装置1の組立ては、以下の手順で行われる。まず、一組の脚部26を互いに離間して立設して、脚部26間を二本の連結シャフト23で固定する。そして、連結シャフト23の一方に制動手段3を取り付ける。その後、内側にベアリング28が位置するように各回転軸受27をケーブルドラム4に取り付け、ケーブルドラム支持軸24を回転軸受27およびケーブルドラム4に通し、ケーブルドラム4をケーブルドラム支持部2に取り付ける。
これにより、ケーブルドラム4はケーブルドラム支持軸24を介してケーブルドラム支持部2に回転可能に支持されることとなり、繰り出し装置1からのケーブル5の繰り出しが可能となる。また、制動手段3は、ケーブルドラム4の外周縁近傍(図1では右下)の連結シャフト23を支軸として回動可能に取り付けられており、制動手段3には、レバー部分32の自重により付勢されて下側に回動する力が働くので、外力が働かない状態ではブレーキ部分31がケーブルドラム4の外周縁に当接することとなり、ケーブルドラム4の回転が制動されることとなる。一方、ケーブル5を制動手段3のケーブル掛合部分32の下側を通して上方に引き出せば、図1の仮想線で示すように、牽引力により制動手段3が連結シャフト23を軸として上方に回動することとなり、ブレーキ部分31が移動してケーブルドラム4の外周縁より離れるので、ブレーキ部分31による制動を受けることなく、ケーブル5の繰り出しが可能となる。よって、この実施例によれば、ケーブルドラム4の近傍に人員を配置することなく、ケーブル5の牽引力の有無によりケーブルドラム4の回転の制動およびその解除を行い得る、構造が簡潔かつ軽量で、取り付けが容易な制動手段を具えた、ケーブル繰り出し装置1を提供することができる。
更に、繰り出し装置1は、ケーブルドラム4を移動させる際にも利用することができ、図3に示すように、繰り出し装置1がケーブルドラム4の上側にくるように繰り出し装置1を上下逆に返した後に、ケーブル掛合部分32を握って牽引することにより、少ない力で安全にケーブルドラム4を転がして移動させることができる。なお、移動時に制動手段3をケーブルドラム支持部2の一部とチェーン等(図示せず)で固定すれば、レバー部分36が安定した状態で、より安全にケーブルドラム4を移動させることができる。
なお、本実施例において、制動手段3のケーブル掛合部分32もしくはレバー部分36自体の重量を変化させ、またはケーブル掛合部分32もしくはレバー部分36にその重量を変化させてそれを回動付勢する錘を付ければ、ブレーキ部分31をケーブルドラム4に当接させる力を調整できるので、制動力の大きさを制御することができる。
また、制動手段3が回動する際の支軸は任意の位置に設けてもよく、例えばケーブルドラム支持軸24の近傍に設けても良い。このように、支軸(支点)からケーブル掛合部分32またはブレーキ部分31までの距離を変化させることによっても、制動力を調整することができる。
図4は、本考案に係る繰り出し装置の他の実施例を示す側面図である。
この実施例にかかる繰り出し装置1は、ケーブル5を下向きに繰り出す際に使用されるものである点、脚部26に、制動手段3を回動自在に支持するために支軸37を配置する穴35が設けられている点、制動手段3がコ字状であり、支軸37の位置、および取り付け部分33が異なる点、制動手段3のブレーキ部分31の位置が異なり、制動手段3にバネ34が設けられている点において先の実施例と異なり、他の点では先の実施例と同様である。
ここで、脚部26には、先の実施例と同様の位置に設けられた、連結シャフト23およびケーブルドラム支持軸24を通すための穴21、22と、制動手段3を回動自在に支持するための穴35とが設けられている。
制動手段3は、例えばベアリング(図示せず)を介し、ケーブルドラム支持部2の穴35にコ字状の開放部の両端に固設された支軸37によって回動可能に取り付けられている。また、制動手段3は、ケーブルドラム4を挟んで支軸37の反対側にブレーキ部分31およびケーブル掛合部分32が設けられており、更に、コ字形状の上下の辺を構成する部分の中央付近で、脚部26とバネ34により連結されている。そして、バネ34で制動手段3を上側に付勢することにより、ケーブル5が繰り出されていない状態において、レバー部分36の自重により支軸37を支点として制動手段3が回動して制動が解除されるのを防止し、ブレーキ部分31をケーブルドラム4に当接させる。一方、ケーブル5の繰り出しを行う場合には、ケーブル5をケーブル掛合部分32の上側を通して下方に繰り出すことにより、制動手段を上方に付勢しているバネ34の力に逆らって制動手段3が下方に回動することとなり、制動が解除される。
これにより、地中へのケーブル設置工事等、下方へのケーブル5の繰り出しを行う際にケーブルドラム4の回動を自動で制御できる、構造が簡潔かつ軽量で、取り付けが容易な制動手段3を具えた、ケーブル繰り出し装置1を提供できる。
なお、本実施例においても、先の実施例と同様、制動手段3を利用してケーブルドラム4を転がして移動することができる。また、バネ34のバネ係数や、レバー部分32の自重を調整することにより、制動を解除するために必要なケーブル5の牽引力の大きさを調整することができる。
以上の実施例以外にも、ブレーキ部分31を構成する部材表面にゴムシートを貼り付け、ブレーキ部分31とケーブルドラム4の外周縁との摩擦を大きくしてケーブルドラム4の回転が停止するまでの時間が短くなるようにしても良い。また、制動手段3の取り付け部分33は、制動手段3を回動可能に脚部26に取り付けられるものであれば、蝶番のような機構を利用するものなど、形式は限定されない。更に、付勢手段は、構成部品の自重、バネ以外にも、ゴム等を用いることができる。
また、制動手段3の支点の位置およびブレーキ部分31の位置は、梃子の原理を利用してブレーキ部分31をケーブルドラム4の外周縁に当接させる構造であれば自由に設計することができる。
かくして、本考案のケーブル繰り出し装置によれば、ケーブルドラム支持部を具えているので、ケーブルドラムをケーブルドラム支持部に支持してケーブルを繰り出すことが可能である。また、ケーブルドラム支持部に、ケーブルドラムの外周縁近傍に位置するように設けられた支軸を支点として回動する、ケーブル掛合部分を有する制動手段を具えているので、ケーブルが繰り出されていない場合、すなわちケーブルを牽引する力が働いていない場合には、付勢手段により、ブレーキ部分がケーブルドラムに当接し、ケーブルを牽引する力が働いている場合には、ケーブル掛合部分により、ブレーキ部分がケーブルドラムから離れることで、ケーブルドラムの傍らに人を配置することなくケーブルドラムの制動をケーブルの牽引に応じて制御することができる。更に、制動手段は、ケーブルドラムの外周縁近傍に位置するようにケーブルドラム支持部に設けられた支軸を支点として回動することによりブレーキ部分をケーブルドラムに当接させ、またはケーブルドラムから離すという簡潔な構造を有するので、ケーブルドラム支持部への取り付けが容易であり、部品点数が少なく、低コストで、軽量で持ち運びが容易なケーブル繰り出し装置を提供することができる。その上、ケーブルドラムを移動させる際に、ケーブルドラム支持部がケーブルドラムの上側に来るように上下逆にすれば、ケーブル繰り出し装置をケーブルドラムに着けたまま、レバー部分(ケーブル掛合部分)を持ってケーブルドラムを転がして移動させることができる。
本考案にかかる繰り出し装置の一実施例を示す側面図である。 図1に示す繰り出し装置の正面図である。 図1に示す繰り出し装置を利用してケーブルドラムを移動する様子を示す参考図である。 本考案にかかる繰り出し装置の他の実施例を示す側面図である。
符号の説明
1 繰り出し装置
2 ケーブルドラム支持部
3 制動手段
4 ケーブルドラム
5 ケーブル
21 穴
22 穴
23 連結シャフト
24 ケーブルドラム支持軸
25 固定手段
26 脚部
27 回転軸受
28 ベアリング
30 フランジ
31 ブレーキ部分
32 ケーブル掛合部分
33 取り付け部分
34 バネ
35 穴
36 レバー部分
37 支軸
40 作業者

Claims (2)

  1. ケーブルが巻かれたケーブルドラムからケーブルを繰り出すための装置であって、
    互いに離間して立設される一組の脚部と、前記脚部に支持されて前記ケーブルドラムを着脱自在および回転自在に支持するケーブルドラム支持軸とを有するケーブルドラム支持部と、
    前記ケーブルドラムの外周縁近傍に位置するように前記ケーブルドラム支持部に設けられた支軸を支点として回動する制動手段と、
    を具え、
    前記制動手段が、
    前記支軸から前記ケーブルドラムを挟んで前記支軸と反対の側まで延在するレバー部分と、
    前記レバー部分の、前記ケーブルドラム支持軸より前記支軸側の位置に設けられて、前記ケーブルドラムの外周縁に当接してそのケーブルドラムに制動をかけるブレーキ部分と、
    前記レバー部分の、前記ケーブルドラムを挟んで前記支軸と反対の側に設けられて、前記ケーブルが繰り出しのために牽引されている場合に前記ケーブルドラムから繰り出されたケーブルと掛合して前記ブレーキ部分を前記ケーブルドラムから離すように前記レバー部分を回動させるケーブル掛合部分と、
    前記ケーブルが弛んでいる場合に前記ブレーキ部分を前記ケーブルドラムの外周縁に当接させるように前記レバー部分を付勢して回動させる付勢手段と、
    を有することを特徴とする、ケーブル繰り出し装置。
  2. 前記ブレーキ部分に、前記ケーブルドラムとの当接面の摩擦力を高めるためのゴムが設けられており、
    前記制動手段の制動力を制御するために、前記制動手段に、前記レバー部分を回動付勢する錘、または前記制動手段と前記ケーブルドラム支持部とを弾性的に連結する弾性体が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のケーブル繰り出し装置。
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