JP3137622B1 - 排ガス放射線モニタおよび排ガス放射線モニタシステム - Google Patents

排ガス放射線モニタおよび排ガス放射線モニタシステム

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JP3137622B1
JP3137622B1 JP11326172A JP32617299A JP3137622B1 JP 3137622 B1 JP3137622 B1 JP 3137622B1 JP 11326172 A JP11326172 A JP 11326172A JP 32617299 A JP32617299 A JP 32617299A JP 3137622 B1 JP3137622 B1 JP 3137622B1
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exhaust gas
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sampling
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総一郎 森本
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

【要約】 【課題】連続的かつ早期の核種分析を可能とするととも
に、燃料の僅かな破損等による微少核種の放射能発生を
高精度で検知することができる排ガス放射線モニタおよ
び排ガス放射線モニタシステムを提供する。 【解決手段】原子力発電所における排ガス中の放射能濃
度を測定する排ガス放射線モニタであって、排ガスを低
放射能領域に導くサンプリング配管1およびサンプリン
グ装置2と、サンプリング配管に設けられ、ガンマ線の
エネルギを低減させた状態で通過させるガスサンプラ3
と、このガスサンプラを覆う放射線遮へい用の遮へい体
4と、ガスサンプラからのガンマ線スペクトルを測定す
るガンマ線測定手段と、このガンマ線測定手段からの測
定信号を記憶する記憶手段とを備え、気体廃棄物処理系
から排ガスをサンプリングし、サンプルガスからのガン
マ線のスペクトルを測定することにより燃料の破損を検
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力発電所におけ
る排ガス中の放射能濃度を測定する排ガス放射線モニタ
および排ガス放射線モニタシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力発電所においては、例えば
燃料破損の監視等を目的として、排ガス中の放射能濃度
の測定、例えば希ガス核種の放射能分析が行われてい
る。この場合、希ガスとしては、燃料破損時に顕著に表
れるXe−133が対象となる。
【0003】ところで、このような放射能濃度の測定に
ついては連続的かつ高精度で行うことが極めて困難であ
る。その理由は、窒素ガス(N−13)等の高エネルギ
のバックグラウンド放射能によって、低エネルギ核種で
あるXe−133等が明確に判別できないためである。
【0004】このため従来では一般に、低エネルギ核種
を一定濃度以上となるまで蓄積してサンプリングするこ
とが行われ、その期間は長く、また手動的操作によって
行われている。すなわち、手分析結果を基にした炉水中
の放射性よう素濃度、排ガス放射性濃度を基にした間欠
的な監視が主として行われている。
【0005】なお、排ガス放射線モニタ指示値の連続監
視等も試みられているが、連続測定では希ガス測定が極
めて困難であり、例えばグロスガンマ線レベルをイオン
チェンバ検出器で測定する程度しか行われてない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の排ガス
放射線検出技術としてのグロスガンマ線レベルの連続測
定においては、原子炉の運転に伴い発生する放射性窒素
からの放射線により通常時の指示値が高く、ピンホール
等による微少な放射性ガスの増加を検知することを困難
にしていた。また、炉水中の化学形態の変化等により排
ガス中の窒素濃度が変化し、指示値が変動する可能性が
あった。
【0007】例えば妨害核種であるN−13の発生量は
原子炉出力に比例するが、気水の分配比等によりプラン
トごとに異なり、また水素注入やサイクル等によっても
異なるため、指示の変動原因が必ずしも明確に判別しに
くい。
【0008】一方、間欠的に行われる核種分析において
は、手動操作等によるため作業が煩雑であり、またオフ
ライン測定であることより測定頻度に限界がある等、種
々の課題があった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、連続的かつ早期の核種分析を可能とするととも
に、燃料の僅かな破損等による微少核種の放射能発生を
高精度で検知することができる排ガス放射線モニタおよ
び排ガス放射線モニタシステムを提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、原子力発電所における気体廃
棄物処理系から排ガスをサンプリングし、サンプルガス
からのガンマ線のスペクトルを測定し核種分析を行う排
ガス放射線モニタであって、気体廃棄物処理系配管から
排ガスを低放射能領域に導くサンプリング配管およびサ
ンプリング装置と、前記サンプリング配管に設けられガ
ンマ線のエネルギを低減させた状態で通過させるガスサ
ンプラと、このガスサンプラを覆う放射線遮へい用の遮
へい体と、前記ガスサンプラからのガンマ線スペクトル
を測定するガンマ線測定手段と、このガンマ線測定手段
からの測定信号を記憶する記憶手段と、前記サンプリン
グ配管に設けられ短半減期の放射性ガスを減衰させる減
衰管と、前記サンプリング装置に設けられる弁の制御に
よりサンプリング流速を可変とする流速変更手段とを具
備することを特徴とする排ガス放射線モニタを提供す
る。
【0011】請求項2の発明では、原子力発電所におけ
る気体廃棄物処理系から排ガスをサンプリングし、サン
プルガスからのガンマ線のスペクトルを測定し核種分析
を行う排ガス放射線モニタであって、気体廃棄物処理系
配管から排ガスを低放射能領域に導くサンプリング配管
およびサンプリング装置と、前記サンプリング配管に設
けられガンマ線のエネルギを低減させた状態で通過させ
るガスサンプラと、このガスサンプラを覆う放射線遮へ
い用の遮へい体と、前記ガスサンプラからのガンマ線ス
ペクトルを測定するガンマ線測定手段と、このガンマ線
測定手段からの測定信号を記憶する記憶手段と、サンプ
リング流量を測定する第1の流量測定手段と、前記第1
の流量に基きガス抽出位置から前記ガスサンプラまでの
遅れ時間を算出する遅れ時間算出手段と、前記気体廃棄
物処理系配管に設置した第2の流量測定手段と、この第
2の流量測定手段によって測定した流量に基いて気体廃
棄物処理系における遅れ時間を算出する手段と、予め測
定しておいた炉心から前記気体廃棄物処理系までの遅れ
時間を前記2つの遅れ時間に加算することにより前記炉
心から前記ガスサンプラまでの減衰時間を算出する減衰
時間算出手段と、算出された減衰時間に基いて核種分析
による結果を半減期減衰補正する補正手段と、半減期減
衰補正を行った核種分析結果と前記第2の流量測定手段
による排ガス流量に基づいて炉心における希ガス放出率
を算出する希ガス放出率算出手段とを具備することを特
徴とする排ガス放射線モニタを提供する。
【0012】請求項3の発明では、原子力発電所におけ
る気体廃棄物処理系から排ガスをサンプリングし、サン
プルガスからのガンマ線のスペクトルを測定し核種分析
を行う排ガス放射線モニタであって、気体廃棄物処理系
配管から排ガスを低放射能領域に導くサンプリング配管
およびサンプリング装置と、前記サンプリング配管に設
けられガンマ線のエネルギを低減させた状態で通過させ
るガスサンプラと、このガスサンプラを覆う放射線遮へ
い用の遮へい体と、前記ガスサンプラからのガンマ線ス
ペクトルを測定するガンマ線測定手段と、このガンマ線
測定手段からの測定信号を記憶する記憶手段と、サンプ
リング流量を測定する流量測定手段と、その計測値に基
いてガス抽出位置から前記ガスサンプラまでの遅れ時間
を算出する手段と、前記遅れ時間に炉心からガス抽出位
置までの遅れ時間を加算し炉心からガスサンプラまでの
遅れ時間を算出する手段と、前記原子力発電所の制御室
に設けられ前記炉心から前記ガスサンプラまでの遅れ時
間を表示する手段とを具備することを特徴とする排ガス
放射線モニタを提供する。
【0013】請求項4の発明では、原子力発電所におけ
る気体廃棄物処理系から排ガスをサンプリングし、サン
プルガスからのガンマ線のスペクトルを測定し核種分析
を行う排ガス放射線モニタであって、気体廃棄物処理系
配管から排ガスを低放射能領域に導くサンプリング配管
およびサンプリング装置と、前記サンプリング配管に設
けられガンマ線のエネルギを低減させた状態で通過させ
るガスサンプラと、このガスサンプラを覆う放射線遮へ
い用の遮へい体と、前記ガスサンプラからのガンマ線ス
ペクトルを測定するガンマ線測定手段と、このガンマ線
測定手段からの測定信号を記憶する記憶手段とを具備
し、かつ、前記ガンマ線測定手段はガスサンプラと検出
器とを一体の遮へい体で囲む構成とし、前記ガスサンプ
ラと前記検出器との間の遮へい体に設けた開口部をコリ
メータとすることを特徴とする排ガス放射線モニタを提
供する。
【0014】請求項5の発明では、コリメータは、検出
器の幾何学的配置に影響を与えることなく大きさを変更
する機能を有し、変更したコリメータの大きさに対して
予め決められた補正定数により測定結果を補正する手段
を有することを特徴とする請求項4記載の排ガス放射線
モニタを提供する。
【0015】請求項6の発明では、ガンマ線測定手段
は、検出器として、冷却装置を付加したGe半導体検出
器、常温半導体検出器もしくはフォトダイオードを備え
たことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記
載の排ガス放射線モニタを提供する。
【0016】請求項7の発明では、サンプリング装置
は、排ガスの流速を一定に制御しつつ連続的にサンプリ
ングを行う機能を有し、サンプリング配管内における短
半減期核種の減衰を一定に維持するものであることを特
徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の排ガス
放射線モニタを提供する。
【0017】請求項8の発明では、核種分析結果に基き
自動的にサンプリング流速を調整する流量制御装置を具
備することを特徴とする請求項1から7までのいずれか
に記載の排ガス放射線モニタを提供する。
【0018】請求項9の発明では、ガンマ線測定手段
は、全計数率を制限する機能を有することを特徴とする
請求項1から8までのいずれかに記載の排ガス放射線モ
ニタを提供する。
【0019】請求項10の発明では、サンプルガスの圧
力を測定する手段と、測定された前記サンプルガスの圧
力により核種分析の結果を圧力補正する補正手段とを備
えたことを特徴とする請求項1から9までのいずれかに
排ガス放射線モニタを提供する。
【0020】請求項11の発明では、放射性核種を含ま
ないガスをガスサンプラに導く手段と、前記ガスをガス
サンプラに満たした状態でバックグラウンド放射能レベ
ルのスペクトルを測定して記憶する手段と、気体廃棄物
処理系からの排ガスの測定スペクトルから前記バックグ
ラウンドのスペクトルを差し引く手段とを有することを
特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載の排
ガス放射線モニタを提供する。
【0021】請求項12の発明では、ガスサンプラにサ
ンプリングした排ガスを閉じ込める手段を設け、必要に
応じてガスを閉じ込め、短半減期核種を十分減衰させた
後、長半減期核種のみを選択的に測定する機能を有する
ことを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記
載の排ガス放射線モニタを提供する。
【0022】請求項13の発明では、原子力発電所にお
ける気体廃棄物処理系から排ガスをサンプリングし、サ
ンプルガスからのガンマ線のスペクトルを測定し核種分
析を行う排ガス放射線モニタシステムであって、気体廃
棄物処理系配管から排ガスを低放射能領域に導くサンプ
リング配管およびサンプリング装置と、前記サンプリン
グ配管に設けられガンマ線のエネルギを低減させた状態
で通過させるガスサンプラと、このガスサンプラを覆う
放射線遮へい用の遮へい体と、前記ガスサンプラからの
ガンマ線のスペクトルを測定するガンマ線測定手段と、
このガンマ線測定手段により測定されたスペクトルを時
系列的に記憶する記憶領域をもつ記憶手段と、前記記憶
手段に記憶されたスペクトルのうち最新のスペクトルか
ら任意の数だけ前までのスペクトルをチャンネル毎に加
算する加算手段とを具備してなり、スペクトルを前記記
憶領域に連続的かつ時系列的に記憶し、通常時は加算す
るスペクトル数を多くし、指示値が上昇した場合は加算
するスペクトル数を少なくすることを特徴とする排ガス
放射線モニタシステムを提供する。
【0023】請求項14の発明では、核種分析結果に基
づき、自動的に加算するスペクトルの個数を増減する手
段を有することを特徴とする請求項13記載の排ガス放
射線モニタシステムを提供する。
【0024】以上の本発明においては、まずN−13の
レベルを低下させることに着目した。N−13は、半減
期が約10分であり、Xe−133は約5.3日である
ことにより、サンプルガスを一定時間蓄積することで減
衰できる(例えば1時間で約1/64となる)。また、
エネルギ分解能の良い検出器の適用を検討した。同一の
計数に対し、ピークの鋭さにより分解の可否が決せられ
るからである。
【0025】すなわち、基本的に、原子力発電所におけ
る排ガス中の放射能濃度を測定する排ガス放射線モニタ
であって、サンプリング配管と、サンプリング装置と、
低エネルギガンマ線の吸収を低減させたガスサンプラ
と、遮へい体と、ガスサンプラからのガンマ線のスペク
トルを測定するガンマ線測定手段と、このガンマ線測定
手段からの測定信号を記憶する記憶手段とを備え、気体
廃棄物処理系から排ガスをサンプリングし、サンプルガ
スからのガンマ線のスペクトルを測定することにより燃
料の破損を検出するようにする。
【0026】これにより、原子力発電所の気体廃棄物処
理系からの排ガスを、サンプリング配管およびサンプリ
ング装置によりバックグラウンドレベルの低いモニタ室
まで導き、ガスサンプラと検出器を遮へい体で覆うこと
により、さらにバックグラウンドレベルを低減させるこ
とができる。
【0027】ガスサンプラとしては、低エネルギガンマ
線の吸収を低減させたものを用い、ガスサンプラからの
放射線は検出器および波高分析装置等を使用してエネル
ギ弁別し、エネルギ毎の計数値を蓄積する。また、信号
処理装置では波高分析装置から任意の時間間隔でエネル
ギ毎の計数値を取り込み、目的とする放射性核種の計数
率を算出する。その計数率の時系列情報を監視すること
により、燃料の破損の監視を行うことができる。
【0028】ところで、測定しようとする放射性核種
は、その測定を妨害する放射性核種と比較して放出放射
線のエネルギが低く、妨害する放射性核種からの放射線
の散乱線に重なる形で測定される。このため、より高感
度な測定を行うためには高いエネルギ分解能が必要とさ
れる。
【0029】そこで、ガンマ線のスペクトルを測定する
ガンマ線測定手段における検出器として、冷却装置を付
加したGe半導体検出器、常温半導体検出器もしくはフ
ォトダイオード等を適用する。これにより、高いエネル
ギ分解能を用いて、より高感度の測定を行うことができ
る。
【0030】なお、Ge半導体検出器に冷却装置を付加
するのは、Ge半導体検出器を正常に動作させるため
に、これを冷却する必要があるからである。これによ
り、窒素等の定期的な補給を行う必要なく、長期的に安
定した測定を行うことが可能となる。
【0031】また、燃料破損の検知における最も有効な
測定対象核種であるXe−133の測定を最優先とする
場合には、低いエネルギのガンマ線に対して高感度であ
り、高いエネルギのガンマ線に対し低感度なCdTe、
CZT、HgIなどの常温半導体検出器、およびX線
などの測定に用いられるフォトダイオードを用いること
が望ましい。これらの常温半導体検出器やフォトダイオ
ードは、冷却の必要がない。
【0032】また、これらはガンマ線に対する有感部の
厚さが数mm〜数百μmであり、Ge検出器よりも有感
部の体積、および有感部を有する結晶自体が小さい。こ
のため、目的とする高エネルギのガンマ線が低エネルギ
のガンマ線に変換するコンプトン散乱の割合がGe検出
器よりも低減でき、低いエネルギでのバックグラウンド
ガンマ線を低減できることがわかった。さらに、これら
のセンサは、小型であるため、コリメーションなどの装
置自体を小型化できる。
【0033】これらの検出器を用いることにより、長期
間にわたりメンテナンスを行う必要なく、より高感度な
測定を行うことができる。
【0034】また、サンプリング流速を一定制御し連続
サンプリングすることにより、サンプリング配管内にお
ける短半減期核種の減衰を一定に維持し、測定時間に対
する減衰補正を不要とし、減衰時間の変動による測定誤
差を低減する。
【0035】即ち、排ガスは短半減期の放射性ガスを含
んでいることから、サンプリング流速が変動すると、減
衰時間の変動により正確な測定を行うことができなくな
る可能性がある。そこで、サンプリング装置に流量調整
弁等のサンプリング流量の制御機能を与え、流速を一定
に保つことにより減衰時間を安定させて、より正確な測
定が行える構成とする。
【0036】また、バイアルサンプリング等による測定
においては、長時間測定を行った場合、測定時間ととも
に半減期の短い放射性ガスは減衰していくことから、測
定時間に対する減衰値を求めて測定結果の補正を行う必
要がある。これに対し、本発明ではサンプルガスを常に
一定流速で流すことにより、ガスサンプラ内の排ガスを
常に一定時間減衰したガスとし、これにより長時間の測
定を行う際にも測定時間に対する減衰補正を行う必要が
なく、それだけ容易かつ効率よい測定が可能となる。
【0037】また、サンプリング配管途中に短半減期の
放射性ガスを減衰させるのに十分な長さと太さを有する
減衰管を設け、通常時はサンプリング流速を低くし、短
半減期の妨害核種を減衰させることにより高感度な測定
を行い、指示値が上昇した場合はサンプリング流速を早
くし、応答速度を向上可能な様、流速を可変とする。
【0038】これにより、サンプリング配管途中に短半
減期の放射性ガスを減衰させるのに十分な長さと太さを
有する減衰管を設置し、サンプリング流量の制御機能を
流量可変とすることにより、通常時はサンプリング流速
を低くする。そして、サンプリング点からガスサンプラ
までの放射性ガスの移送時間を長くすることにより、燃
料破損時検知に対して測定の妨げとなる短半減期の放射
性ガスを減衰させ、より高感度な測定を行うことができ
る。
【0039】また、燃料破損が発生した場合には、測定
対象核種の濃度が上昇し、検出そのものは容易になるの
に対し、制御棒操作等に対しては、追従性の良い測定が
望まれることになる。そこで、サンプリング流速を早
め、サンプリング点からガスサンプラまでの放射性ガス
の移送時間を短くすることにより、応答性の良い測定が
行えるようになる。
【0040】このように、サンプリング流量を可変とす
ることにより、短半減期の妨害核種の減衰時間を制御
し、高感度な測定と良好な応答速度を両立させることが
可能となる。
【0041】また、核種分析結果に基き自動的に流速を
調整することが望ましい。即ち、目的とする放射性核種
の検出限界値は、その測定を妨害する短半減期核種の濃
度の影響を受ける。このため、測定結果に基づき、目的
とする放射性核種の濃度がその検出限界値を超えるよう
に、自動的に流量を調整するものである。これにより、
自動的に感度と応答速度の最適化を行うことが可能とな
る。
【0042】また、サンプリング流量を測定する第1の
流量測定手段と、前記第1の流量に基きガス抽出位置か
らガスサンプラまでの遅れ時間を算出する手段と、気体
廃棄物処理系配管に設置した第2の流量測定手段と、前
記第2の流量に基き気体廃棄物処理系における遅れ時間
を算出する手段と、予め測定しておいた原子炉から気体
廃棄物処理系までの遅れ時間を前記2つの遅れ時間に加
算することにより炉心からガスサンプラまでの減衰時間
を算出する手段と、前記減衰時間に基き核種分析による
結果を半減期減衰補正する手段と、前記半減期減衰補正
を行った核種分析結果と前記第2の流量測定手段による
排ガス流量より炉心における希ガス放出率を算出する手
段を有するものとする。
【0043】前述した構成においては、より高感度な測
定を行うことができるようサンプリング流速が可変とな
っている。このため、測定結果は、その時々のサンプリ
ング流速の分だけ減衰した値となる。これに対し、測定
時のサンプリング流速から減衰補正を行い、気体廃棄物
処理系の流量により炉心における希ガス放出率に換算す
ることにより、常に同じ条件での燃料破損検知を行うこ
とが可能となる。
【0044】また、サンプリング流量を測定する第1の
流量測定手段と、前記第1の流量に基きガス抽出位置か
らガスサンプラまでの遅れ時間を算出する手段と、前記
遅れ時間に炉心からガス抽出位置までの遅れ時間を加算
し、炉心からガスサンプラまでの遅れ時間を算出する手
段と、プラントの制御室に前記炉心からガスサンプラま
での遅れ時間を表示する機能を有するものとし、常に測
定系の遅れ時間を確認できるようにする。すなわち、測
定系の応答速度が可変となっている前記各発明に対し、
制御棒操作等に対応した測定結果が出てくるまでの時間
をサンプリング流量から自動的に算出し、制御室に表示
する。これにより、事後解析のみならず、その測定結果
を監視しながら同時に運転操作を行うことが可能とな
る。
【0045】また、放射能濃度に応じてガンマ線のスペ
クトルを測定するガンマ線測定手段における全計数率を
制限する機能を有するものとする。すなわち、通常運転
時により高感度な測定を行えるように装置設計を行った
場合、燃料破損等によって排ガス中の放射能濃度が上昇
し全計数率が上昇すると、数え落としやエネルギ分解能
の低下が発生する。これを防止するため全計数率を低減
できるよう、コリメータの幅を可変とし、またはガスサ
ンプラの容量を可変とし、さらにまたサンプルガスのガ
ス圧を可変とするか、もしくは空気で希釈することによ
り検出器への入射放射線量を制限する機能を設けるもの
である。これにより、常に高いエネルギ分解能で正確な
測定が可能となる。
【0046】また、ガスサンプラと検出器を一体の遮へ
い体で囲い、ガスサンプラと検出器との間の遮へい体に
設けた開口部をコリメータとすることにより検出器への
余分な散乱線の入射を防ぎ、測定スペクトル上の散乱線
を極力抑えることができるとともに、測定系の幾何学配
置を一定に保ち、検出器の単体校正のみでトレーサビリ
ティを保ち得るコンパクトな測定系とする。このような
構成によると、ガスサンプラと検出器とを一体の遮へい
体で囲み、ガスサンプラと検出器との間の遮へい体に設
けた開口部をコリメータとすることにより、遮へい体同
士の隙間やコリメータとの接続部からの余分な散乱線の
入射を防止して、測定スペクトル上の散乱線を極力抑制
することができ、より正確な測定が可能となる。
【0047】また、ガスサンプラ,コリメータ,検出器
の幾何学的配置を一体の遮へい体で構成することによ
り、定期的な校正に際しては、実ガス校正を実施しなく
とも検出器の単体校正のみでトレーサビリティの確保が
可能となる。
【0048】また、コリメータは、検出器の幾何学的配
置に影響を与えることなく大きさを変更する機能を有す
る構成とし、変更したコリメータの大きさに対し予め決
められた補正定数により測定結果を補正する手段を有す
るものとする。
【0049】このような構成によると、コリメータ部を
可動もしくは交換可能とすることにより、ガスサンプ
ラ,コリメータ,検出器の幾何学的配置を保ったまま、
高計数率時の対応が可能となる。即ち、予め決められた
コリメータ幅もしくは交換可能な各コリメータに対する
検出効率の情報を信号処理装置に記憶させておき、測定
結果に対して自動的に補正を行うことによりコリメータ
の可動もしくは変更に際しても常に正確な核種分析が可
能となる。これにより、校正の簡素化と全計数率の抑制
とを両立させることができる。
【0050】また、サンプルガスの圧力を測定する手段
と、前記手段により測定された圧力により核種分析の結
果を圧力補正する手段とを備えたことを特徴とする。こ
れにより、ガスサンプラもしくはサンプリング装置に圧
力計を設置し、サンプルガスの圧力を測定し、核種分析
の結果を補正することにより、気体廃棄物処理系の圧力
変動の影響を受けることなく、常に同一条件での放射能
濃度の監視が可能となる。
【0051】また、核種毎に設定値を設け、各核種の測
定結果がその核種に対応した設定値を超えた場合に警報
を出すようにする。これにより、目的とする放射性核種
の各々に対して個別の設定値を設け、各核種の測定結果
がその核種に対応した設定値を超えた場合に警報を出す
ことで、放出の挙動に依存せず常に高感度な燃料破損検
知が可能となる。
【0052】また、放射性核種を含まないガスをガスサ
ンプラに導く手段と、前記ガスでガスサンプラを満たし
た状態でバックグラウンドレベルのスペクトルを測定し
記憶する手段と、気体廃棄物処理系からの排ガスの測定
スペクトルから前記バックグラウンドのスペクトルを差
し引く手段とを有するものとする。これにより、放射性
核種を含まないガスをガスサンプラに導き、バックグラ
ウンドレベルのスペクトルを測定し、気体廃棄物処理系
からの排ガスの測定スベクトルから前記バックグラウン
ドのスペクトルを差し引くことにより、モニタ室および
遮へい体からの放射線の影響を低減し、より正確な放射
能測定が可能となる。
【0053】また、ガスサンプラにサンプリングした排
ガスを閉じ込める手段を設け、必要に応じてガスを閉じ
込め、短半減期核種を十分減衰させた後、長半減期核種
のみを選択的に測定する機能を有するものとする。これ
により、ガスサンプラにサンプリングした排ガスを閉じ
込める手段を設け、必要に応じてガスを閉じ込めること
により、燃料破損検知に対し妨害となる短半減期核種を
十分減衰させ、長半減期核種のみを選択的に測定するこ
とにより、微細な濃度変化を監視することが可能とな
る。
【0054】さらに、測定されたスペクトルを時系列的
に記憶する記憶領域をもつ記憶手段と、前記記憶手段に
記憶されたスペクトルのうち、最新のスペクトルから任
意の数だけ前までのスペクトルをチャンネル毎に加算す
る加算手段とを備え、連続的に短時間毎にスペクトルを
前記記憶領域に時系列的に記憶し、通常時は加算するス
ペクトル数を多くし、高感度な測定を行い、指示値が上
昇した場合は加算するスペクトル数を少なくすることに
より応答速度を向上可能とする。
【0055】これにより、短時間毎のエネルギ毎の計数
値を波高分析装置から取り込み、時系列に複数個記憶す
る記憶機能と、この時系列に記憶されエネルギ毎の計数
値を最新のものから任意の数だけ過去のものでもエネル
ギ毎に加算することにより、任意の時間積算されたエネ
ルギ毎の計数値を算出することができる加算機能を有す
る。そして、通常運転時は過去の多数個の記憶データの
計数値をエネルギ毎に加算し、長時間測定データを作成
し、目的とする放射性核種の計数率を算出する。これに
より、より高感度な測定を行ない、燃料破損等により目
的とする放射性核種の濃度が上昇した場合、加算処理す
る過去の記憶データの個数を減少させ、もしくは個々の
記憶データを用いることにより応答速度を向上させる。
このように、短時間毎の無欠測なスペクトルを複数個記
憶し、目的とする放射性核種の濃度に応じて過去のデー
タの加算数を変化させることにより、高感度と早い応答
速度を両立させることが可能となる。
【0056】ところで、上記システムにおいては、過去
の記憶データの加算数を増加させると、統計精度の向上
により目的とする放射性核種に対する検出限界値は低下
するが、応答性は悪化する。
【0057】そこで、核種分析結果に基づき、自動的に
加算するスペクトルの個数を増減する手段をもつものと
することが望ましい。これにより、測定結果に基づい
て、目的とする放射性核種の濃度がその検出限界値を超
えるように自動的に加算処理する過去の記憶データの個
数を増減し、自動的に感度と応答速度の最適化が可能と
なる。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る排ガス放射線
モニタおよび同システムの実施形態について、図面を参
照して説明する。
【0059】第1実施形態(図1,図2) 図1は、本発明の第1実施形態による排ガス放射線モニ
タの全体構成を示す系統図であり、図2(a),(b)
は図1に示した2種類のサンプリング装置の構成例を示
す説明図である。
【0060】図1に示すように、本実施形態の排ガス放
射線モニタは、原子力発電所の気体廃棄物処理系配管か
ら排ガスを抽出するためのサンプリング配管1と、この
サンプリング配管1に設けられたガス吸引用のサンプリ
ング装置2とを有し、サンプリング装置2の上流側にガ
スサンプラ3を設けてある。
【0061】ガスサンプラ3は、目的とする排ガスを一
定量収容し得る容積を有する通路として構成され、その
周囲が遮へい体4によって囲まれている。遮へい体4内
には検出器5が設けられ、ガスサンプラ3からの放射線
を検出するようになっている。
【0062】ガスサンプラ3の周壁は低エネルギガンマ
線の吸収を押さえるためにアルミニウム(Al)のよう
な質量数の低い材料によって構成され、検出器5側の窓
厚が極めて薄肉とされている。これにより、ガスサンプ
ラ3に導かれた排ガスからの放射線が、検出器5により
そのエネルギに比例した大きさの電気信号に変換され
る。
【0063】そして、検出器5に波高分析装置6および
信号処理装置7が順次接続され、さらに表示装置8およ
び記憶装置9が並列に接続されている。
【0064】なお、ガスサンプラ3はバックグラウンド
レベルの低い場所に設置されており、このガスサンプラ
3は検出器5とともに遮へい体4で覆われることによ
り、さらにバックグラウンドレベルが低減されている。
【0065】なお、サンプリング装置2は、例えば図2
(a)に示すように、戻り配管を空気抽出器または復水
器などの低圧となる機器に接続し、差圧によりサンプル
を流して調整弁10で流量を制御する構成とされる。ま
た、図2(b)に示すように、ポンプ11を使用してサ
ンプルガスを流すようにしてもよい。
【0066】このような構成においては、放射線測定時
にはサンプリング配管1を介して排ガスがガスサンプラ
3に導かれ、検出器5によって放射線測定が行われ、こ
の検出器5からの出力信号は、波高分析装置6によりエ
ネルギ弁別され、エネルギ毎の計数値として積算され
る。信号処理装置7は任意の時間毎に波高分析装置6か
らエネルギ毎の計数値を読み取り、目的とする放射性核
種毎の計数率を算出する。目的とする放射性核種毎の計
数率は計数率のまま、もしくは検出効率により放射能濃
度に換算され、記憶装置9に記憶されるとともに、その
時系列情報が表示装置8に表示される。
【0067】そこで、表示装置8において傾向監視を行
うことにより、燃料の破損を監視することができる。
【0068】第2実施形態(図3,図4) 本実施形態においては、検出器として波高弁別機能に優
れたGe半導体検出器が適用され、さらに、少なくとも
原子力発電所における1運転サイクル以上、その性能を
維持するために冷却装置が付加されている。
【0069】図3は、検出器5としてのGe半導体検出
器12に、冷却装置としてクライオスタット13および
液体窒素の蒸発を防止するための冷凍機14を付加した
例を示してある。
【0070】なお、液体窒素補給装置により液体窒素を
補給する方式としてもよく、また電子冷却装置により検
出器を直接冷却する方式としてもよい。
【0071】図4は、本発明の対象として最も注目され
る核種であるXe−133を選択的に測定するため、検
出器5として特に低エネルギのガンマ線に対して高感度
を有するCdTe半導体検出器15を用い、熱雑音低減
のために電子冷却装置16を付加した例を示している。
【0072】これらの検出器12,15を用いることに
より、長期間にわたってメンテナンスを行う必要なく、
より高感度の測定を行うことができる。
【0073】第3実施形態(図5) 本実施形態においては、サンプリング装置2の中にサン
プリング流速を一定制御する装置を設けることにより、
サンプリング配管1内の移送による減衰時間を一定に保
つものである。
【0074】図5(a)は機械式流量調整弁17により
流量を一定に保つ例を示し、図5(b)は流量計18の
値に基づいて排ガスの流量を制御する例を示している。
【0075】この図5(b)の例では、流量制御装置1
9を備え、この流量制御装置19は流量計18の出力値
に基づいて測定に必要な流量を求め、流量計18の下流
側に設けられた流量制御弁20に制御信号を出力するよ
うになっている。この流量制御信号によって流量制御弁
20を電気的に動作させ、排ガス流量を制御するように
っている。
【0076】なお、図5(a),(b)においては、サ
ンプルとなる排ガスを空気抽出器の真空度に基づいて流
す例を示しているが、同様の制御に基き、図2(b)の
如く、ポンプ11を用いて流すようにしてもよい。
【0077】本実施形態によれば、サンプリング流量が
一定に保持され、短半減期核種の減衰時間の変動による
測定誤差を低減することができ、より正確な放射能濃度
測定を行うことができる。
【0078】第4実施形態(図6) 本実施形態の排ガス放射線モニタは、図6に示すよう
に、サンプリング配管1の途中に、短半減期の放射性核
種を減衰させるために十分な長さと太さを有する減衰管
21を設置したものである。
【0079】また、流量制御装置19は、信号処理装置
7からの信号に基づく炉内状況等に応じたサンプリング
流量の制御も行なわれるようになっている。
【0080】即ち、通常時は流量制御装置19によりサ
ンプリング流速を低い状態で安定させることにより、目
的とする核種の測定の妨害となる短半減期核種を十分に
減衰させ、これにより目的とする放射性核種をより高感
度に測定することができる。
【0081】一方、信号処理装置7により測定された目
的とする放射性核種からの計数率が燃料破損と判断され
る程度に上昇した場合、または原子炉内制御棒の操作に
より破損燃料の同定を行う場合には、流量制御装置19
により流量を上昇させ、これにより、応答速度の改善を
行うことができる。
【0082】なお、信号処理装置7においては、測定さ
れた目的とする放射性核種からの放射能濃度と、妨害核
種からの散乱線によるバックグラウンド放射能の比と、
妨害核種の半減期とに基づいて、最適な減衰時間を算出
することができるようにしてある。これにより、流量制
御装置19において最適な減衰時間に基く流量調整を行
うことにより、測定系の感度および応答性の両面から最
適化を自動的に行うことができ、それにより高感度で迅
速な測定を行うことができる。
【0083】第5実施形態(図7) 本実施形態は、測定時のサンプリング流速に基づいて放
射能計測値を補正し、炉心における燃料破損検知を行え
るようにしたものである。
【0084】即ち、前述した第4実施形態に加えて気体
廃棄物処理系配管に第2の流量計22が設置され、この
気体廃棄物処理系配管での流量信号が信号処理装置7に
入力される。
【0085】そして、信号処理装置7では、サンプリン
グ配管1および減衰管21の配管長と、流量計18によ
り測定される排ガス流量とサンプリング配管1および減
衰管21の関係で導き出される流速よりサンプリングに
よる遅れ時間を算出するとともに、気体廃棄物処理系配
管に設置した第2の流量計22からの入力により気体廃
棄物処理系における遅れ時間を算出し、予め測定した炉
心から気体廃棄物処理系までの到達時間を加算して、炉
心からガスサンプラ3までのサンプルガスの到達時間を
算出する。
【0086】このような構成の本実施形態によれば、サ
ンプルガス到達時間により、信号処理装置7で求められ
た目的とする放射性核種の放射能濃度の半減期減衰補正
を行うことができる。さらに、この放射能濃度に、第2
の流量計22で求めた流量を乗ずることにより、炉心に
おける希ガス放出率を連続監視することが可能となる。
【0087】なお、本実施形態では上記の演算を全て信
号処理装置7で処理する構成としたが、別途に設けた演
算装置によって処理するようにしてもよい。
【0088】第6実施形態(図8) 本実施形態は、サンプリング流量を測定する流量測定手
段と、その計測値に基いてガス抽出位置からガスサンプ
ラまでの遅れ時間を算出する手段と、遅れ時間に炉心か
らガス抽出位置までの遅れ時間を加算し、炉心からガス
サンプラまでの遅れ時間を算出する手段と、プラントの
制御室に炉心からガスサンプラまでの遅れ時間を表示す
る手段とを有し、測定系の遅れ時間を確認可能としたも
のである。
【0089】図8は、本実施形態を具体的に示す構成図
である。この図8に示すように、本実施形態では、演算
装置23によってサンプリング配管1および減衰管21
の配管長と、流量計18により測定される流量と、サン
プリング配管1および減衰管21の関係で導き出される
流速から、サンプリングによる遅れ時間が算出される。
【0090】そして、炉心から検出点までの遅れ時間が
加算されて、炉心からの遅れ時間が算出されるようにな
っている。
【0091】本実施形態によれば、事後解析のみなら
ず、その測定結果を監視しながら同時に運転操作を行う
ことが可能となる。
【0092】なお、遅れ時間は制御室に設置された表示
装置24に表示され、制御棒操作時の排ガスの放射能濃
度変化監視時に確認可能とする。また、炉心から検出点
までの遅れ時間は、予め測定して演算装置23に記憶さ
せておいてもよい。さらにまた、気体廃棄物処理系に設
置した流量計22(図7参照)による実測値から求めて
もよい。
【0093】第7実施形態(図9,図10,図11) 本実施形態は、ガンマ線測定手段に全計数率を制限する
機能を付与したものである。
【0094】図9(a)は、本実施形態の一例を示し、
ガスサンプラ3と検出器5の間に開口部の幅を変更可能
な可変コリメータ25を設けた例である。また、図9
(b)は、他の例を示し、ガスサンプラ3の側面を蛇腹
構造とし、排ガスのリークポテンシャルを上昇させるこ
となく、ガスサンプラの容量を可変とした容量可変ガス
サンプラ26を用いたものである。
【0095】さらに、図10は、ガスサンプラ3の上流
に圧力調整弁27を設け、排ガス中の放射能濃度に応じ
て、ガスサンプラ3内の排ガスの圧力を低下させること
を可能とした例を示している。
【0096】さらにまた、図11は、サンプリング配管
1から流入する排ガスの流量を調整する流量調整弁28
と、放射性物質を含まないガスを導入するための非放射
性ガス導入配管29と、非放射性ガスの流入量を調整す
る第2の流量調整弁30とを備えている。流量調整弁2
8と第2の流量調整弁30との開度を調整することによ
り、排ガスを非放射性ガスで希釈することが可能とな
る。
【0097】以上の本実施形態によれば、排ガス中の放
射能濃度が上昇した場合にも、検出器5に入る放射線の
量を低減し、これにより全計数率を低減させ、数え落と
しを抑制することができ、高いエネルギ分解能を維持し
た測定が可能となる。
【0098】第8実施形態(図12) 本実施形態は、ガンマ線測定手段が、ガスサンプラと検
出器とを一体の遮へい体で囲む構成とし、ガスサンプラ
と検出器との間の遮へい体に設けた開口部をコリメータ
とすることにより、検出器への余分な散乱線の入射を防
止して測定スペクトル上の散乱線を抑制できるととも
に、測定系の幾何学配置を一定に保持し得る構成とした
ものである。
【0099】図12は、本実施形態の構成を示す図であ
る。この図12に示すように、ガスサンプラ3と検出器
5とが、一体の遮へい体4で囲まれ、ガスサンプラ3と
検出器5との間の遮へい体4に設けた開口部がコリメー
タ31となっている。
【0100】このような構成により、遮へい体3同士の
隙間や、コリメータ31との接続部からの余分な散乱線
の入射が防止され、測定スペクトル上の散乱線が極力抑
えられ、より正確なスペクトルを取ることが可能とな
る。
【0101】また、本実施形態の装置においては、ガス
サンプラ3、コリメータ31および検出器5の関係が一
意に定まるため、定期的な校正においては、実ガス校正
を行う必要がなく、検出器単体の校正のみでトレーサビ
リティを確保することが可能となる。
【0102】第9実施形態(図13) 本実施形態は、ガスサンプラが、検出器の幾何学的配置
に影響を与えることなくコリメータの大きさを変更可能
な構成とし、変更したコリメータの大きさに対して予め
決められた補正定数により測定結果を補正する手段を有
するものである。
【0103】図13(a)は、本実施形態の一構成例を
示す図である。この図に示すように、ガスサンプラ3、
可変コリメータ32および検出器5の位置関係に影響を
与えることなく、コリメータ32の開度が変更可能とさ
れている。
【0104】図13(b)は、他の例を示している。す
なわち、ガスサンプラ3、着脱式コリメータ33、検出
器の位置関係に影響を与えることなく、開口部寸法の異
なる複数の着脱式コリメータ33を差替える構成となっ
ている。これによりコリメータ33の開度が変更可能と
なっている。なお、コリメータ33の開度変更に際して
は、図13(a)におけるコリメータ位置もしくは図1
3(b)における各着脱式コリメータに対応した検出効
率の補正パラメータを予め測定しておき、本パラメータ
を、例えば図1における信号処理装置7に記憶させ、測
定時にこれを用いて補正を行う。
【0105】本実施形態によれば、排ガス中の放射能濃
度が上昇した場合も検出器に入射する放射線量を抑制
し、数え落しを抑制しエネルギ分解能を高く維持した測
定が可能となる。
【0106】第10実施形態(図14) 本実施形態は、サンプルガスの圧力を測定する手段と、
測定されたサンプルガスの圧力により核種分析の結果を
圧力補正する補正手段とを備えたものである。
【0107】図14は、本実施形態の構成を示す図であ
る。この図14に示すように、本実施形態では、サンプ
リング配管1に設置した圧力計34により、ガスサンプ
ラ3内の排ガスの圧力を測定し、圧力信号を信号処理装
置7に入力し、本圧力に基き目的とする放射性核種の放
射能濃度測定結果を補正するようになっている。
【0108】これにより、気体廃棄物処理系の圧力変動
に伴う指示の変化を防止し、安定した放射能濃度の監視
が可能となる。
【0109】第11実施形態(図15) 図15は本実施形態の構成を示す図である。この図15
に示すように、本実施形態では、前記実施形態の構成に
対し、設定値比較機能部35および警報装置36が付加
されている。
【0110】このような構成により、信号処理装置7に
よって測定された目的とする放射性核種毎の計数率が、
設定値比較機能33により核種毎に予め設定されている
設定値と比較され、1核種でも設定値を超えていた場合
には、警報装置34により制御室に警報が発せられる。
これにより、燃料破損を自動的に早期検知することが可
能となる。
【0111】なお、本発明では警報装置として、必ずし
も警報音を発するものに限らず、制御室で使用するモニ
タ装置等に画面表示するようにしてもよい。
【0112】第12実施形態(図16) 本実施形態は、放射性核種を含まないガスをガスサンプ
ラに導く手段と、ガスをガスサンプラに満たした状態で
バックグラウンド放射能レベルのスペクトルを測定して
記憶する手段と、気体廃棄物処理系からの排ガスの測定
スペクトルからバックグラウンドのスペクトルを差し引
く手段とを有するものである。
【0113】図16は、本実施形態の構成を示す図であ
る。この図16に示すように、サンプリング配管1から
流入する排ガスを隔離するための隔離弁38と、放射性
物質を含まないガスを導入するための非放射性ガス導入
配管29とが設けられている。また、非放射性ガスを隔
離するための第2の隔離弁39が設けられている。
【0114】そして、必要に応じて隔離弁38を閉止
し、第2の隔離弁39を開操作することにより、ガスサ
ンプラ3内を放射性核種が含まれない気体で置換した
後、バックグラウンドの測定を行う。
【0115】測定されたバックグラウンドスペクトルは
信号処理装置6に記憶され、この記憶値を以後の排ガス
測定の際に得られたスペクトルから減じることにより、
バックグラウンドの影響を回避し、より正確な放射能測
定が可能となる。なお、放射性核種を含まない気体とし
ては、プラントの計装用空気を用いてもよく、また雰囲
気空気をフィルタ等でろ過して使用してもよい。
【0116】第13実施形態(図17) 本実施形態は、ガスサンプラにサンプリングした排ガス
を閉じ込める手段を設け、必要に応じてガスを閉じ込
め、短半減期核種を十分減衰させた後、長半減期核種の
みを選択的に測定する機能を有するものである。
【0117】図17は、本実施形態の構成を示す図であ
る。
【0118】この図17に示すように、本実施形態にお
いては、ガスサンプラの前後に隔離弁40が設置され、
必要に応じてこれを閉止し、閉止後一定時間放置してか
ら測定を行うようになっている。
【0119】これにより、燃料破損検知に対し、妨害と
なる短半減期核種を十分減衰させ、燃料破損に際して顕
著に増加が見られる長半減期核種のみを選択的に測定す
ることで、より高感度な燃料破損の検知が可能となる。
【0120】第14実施形態(図18,図19) 本実施形態は、排ガス放射線モニタシステムについての
ものである。すなわち、測定されたスペクトルを時系列
的に記憶する記憶領域をもつ記憶手段と、その記憶手段
に記憶されたスペクトルのうち、最新のスペクトルから
任意の数だけ前までのスペクトルをチャンネル毎に加算
する加算手段とを備える。そして、スペクトルを記憶領
域に連続的かつ時系列的に記憶し、通常時は加算するス
ペクトル数を多くし、指示値が上昇した場合は加算する
スペクトル数を少なくするものである。また、本実施形
態は、核種分析結果に基づき、自動的に加算するスペク
トルの個数を増減する手段を有する。
【0121】図18は、本実施形態のシステム構成を具
体的に示し、図19はその作用を示している。これらの
図に示すように、本実施形態では波高分析装置6と信号
処理装置7との間に、複数個の記憶領域を持つ記憶手段
としての記憶機能部37を有する。また、この記憶機能
部37の記憶領域に記憶された複数個のスペクトルを加
算し、加算スペクトルを作成する加算手段としての加算
機能部50を備える。
【0122】そして、短時間毎に波高分析装置6から取
り込んだエネルギ毎の計数値は、記憶機能部37の記憶
領域の最も古いスペクトルデータを削除し、そこに最新
のスペクトルデータとして記憶することにより、時系列
のスペクトルデータとされる。
【0123】加算機能部50は、時系列的に記憶された
スペクトルデータを、最新のものから任意の数だけ過去
のものまで加算することにより、任意の時間積算された
加算スペクトルを作成する。
【0124】信号処理装置7は加算スペクトルに基づい
て、核種分析を行う。なお、加算機能部50は、加算処
理に際し、記憶機能部37のデータに影響を与えること
はない。
【0125】図19(a)に、n個のスペクトルを加算
する場合の処理例を示している。通常運転時には、演算
のnを大きくし、過去の多数個のスペクトルデータを加
算する。そして、長時間に亘る加算スペクトルを作成し
て、信号処理装置7により、目的とする放射性核種の計
数率を算出することにより、より高感度の測定を行う。
【0126】一方、燃料破損が発生した場合には、目的
とする放射性核種の濃度が上昇することにより、加算処
理する過去のスペクトルデータの個数nを減少させ、も
しくは図19(b)に示すように、最新のスペクトルデ
ータのみを用いることにより、応答速度を向上させる。
【0127】このように、複数個前までのスペクトルデ
ータを記憶し、目的とする放射性核種の濃度に応じ、過
去のスペクトルデータの加算数を変化させることによ
り、高感度と早い応答速度を両立させることが可能とな
る。
【0128】なお、本実施形態においては、信号処理装
置7により測定された目的とする放射性核種からの放射
能濃度と、妨害核種からの散乱線によるバックグラウン
ド放射能の比より最適な加算個数nを求め、加算機能部
50はこれに基づいて加算スペクトルを作成することに
より、測定の感度と応答性の最適化とを自動的に行い、
高感度で迅速な測定を行うことができる。
【0129】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、他の設備からの散乱線等によるバックグラウンドレ
ベルの上昇を排除し、高いエネルギ分解能をもつ検出器
を使用することで、連続的に高感度な燃料破損検知を行
うことができる。
【0130】また、必要に応じ高い検出限界値と応答時
間を変更することが可能となり、その時点での応答時間
を提示することにより、破損燃料の特定をより容易に行
うことができる。
【0131】さらに、測定系の幾何学的配置を一意に決
定し、検出器の単体校正のみで測定系全体のトレーサビ
リティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、排ガス放
射線モニタの概要図。
【図2】(a),(b)は同実施形態を示すもので、サ
ンプリング装置の概要図。
【図3】本発明の第2実施形態を示すもので、Ge半導
体検出器を適用した構成図。
【図4】同実施形態を示すもので、CdTe半導体検出
器を適用した構成図。
【図5】(a),(b)は本発明の第3実施形態を示す
もので、流量安定化のためのサンプリング装置を有する
構成図。
【図6】本発明の第4実施形態を示すもので、減衰管付
排ガス放射線モニタの概要図。
【図7】本発明の第5施形態を示すもので、炉心におけ
る希ガス放出率監視のための装置構成図。
【図8】本発明の第6実施形態を示すもので、制御室に
おける測定系応答時間確認のための装置構成図。
【図9】(a),(b)は本発明の第7実施形態を示す
もので、全計数率制限のための装置構成図。
【図10】同実施形態における他の装置例を示す図。
【図11】同実施形態における別の装置例を示す図。
【図12】本発明の第8実施形態を示すもので、一体型
遮へい体の装置構成図。
【図13】(a),(b)は本発明の第9実施形態を示
すもので、一体型かつ全計数率抑制遮へい体の装置構成
図。
【図14】本発明の第10実施形態を示すもので、排ガ
ス圧力補正の装置構成図。
【図15】本発明の第11実施形態を示すもので、警報
機能付排ガス放射線モニタの装置構成図。
【図16】本発明の第12実施形態を示すもので、バッ
クグラウンド測定および補正の装置構成図。
【図17】同実施形態における長半減期核種の選択測定
のための装置構成図。
【図18】本発明の第13実施形態を示すもので、高感
度化と応答速度改善のための装置構成図。
【図19】(a),(b)は同実施形態における作用説
明図で、高感度化と応答速度改善のための測定手法を示
す図。
【符号の説明】
1 サンプリング配管 2 サンプリング装置 3 ガスサンプラ 4 遮へい体 5 検出器 6 波高分析装置 7 信号処理装置 8 表示装置 9 記憶装置 10 調整弁 11 ポンプ 12 Ge半導体検出器 13 クライオスタット 14 冷凍機 15 CdTe半導体検出器 16 電子冷却装置 17 機械式流量調整弁 18 流量計 19 流量制御装置 20 流量制御弁 21 減衰管 22 流量計 23 演算装置 24 表示装置 25 可変コリメータ 26 容量可変ガスサンプラ 27 圧力調整弁 28 流量調整弁 29 非放射性ガス導入配管 30 流量調整弁 31 コリメータ 32 可変コリメータ 33 着脱式コリメータ 34 圧力計 35 設定値比較機能部 36 警報装置 37 記憶機能部 38 隔離弁 39 隔離弁 40 隔離弁 50 加算機能部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 露木 陽 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝 浜川崎工場内 (56)参考文献 特開 平11−133186(JP,A) 特開 平11−311677(JP,A) 特開 平7−84058(JP,A) 特開 平6−308244(JP,A) 特開 平9−145847(JP,A) 特開 平2−134590(JP,A) 特開 昭62−223685(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/00 G01T 1/167 G01T 1/36 G21C 17/07

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力発電所における気体廃棄物処理系
    から排ガスをサンプリングし、サンプルガスからのガン
    マ線のスペクトルを測定し核種分析を行う排ガス放射線
    モニタであって、気体廃棄物処理系配管から排ガスを低
    放射能領域に導くサンプリング配管およびサンプリング
    装置と、前記サンプリング配管に設けられガンマ線のエ
    ネルギを低減させた状態で通過させるガスサンプラと、
    このガスサンプラを覆う放射線遮へい用の遮へい体と、
    前記ガスサンプラからのガンマ線スペクトルを測定する
    ガンマ線測定手段と、このガンマ線測定手段からの測定
    信号を記憶する記憶手段と、前記サンプリング配管に設
    けられ短半減期の放射性ガスを減衰させる減衰管と、前
    記サンプリング装置に設けられる弁の制御によりサンプ
    リング流速を可変とする流速変更手段とを具備すること
    を特徴とする排ガス放射線モニタ。
  2. 【請求項2】 原子力発電所における気体廃棄物処理系
    から排ガスをサンプリングし、サンプルガスからのガン
    マ線のスペクトルを測定し核種分析を行う排ガス放射線
    モニタであって、気体廃棄物処理系配管から排ガスを低
    放射能領域に導くサンプリング配管およびサンプリング
    装置と、前記サンプリング配管に設けられガンマ線のエ
    ネルギを低減させた状態で通過させるガスサンプラと、
    このガスサンプラを覆う放射線遮へい用の遮へい体と、
    前記ガスサンプラからのガンマ線スペクトルを測定する
    ガンマ線測定手段と、このガンマ線測定手段からの測定
    信号を記憶する記憶手段と、サンプリング流量を測定す
    る第1の流量測定手段と、前記第1の流量に基きガス抽
    出位置から前記ガスサンプラまでの遅れ時間を算出する
    遅れ時間算出手段と、前記気体廃棄物処理系配管に設置
    した第2の流量測定手段と、この第2の流量測定手段に
    よって測定した流量に基いて気体廃棄物処理系における
    遅れ時間を算出する手段と、予め測定しておいた炉心か
    ら前記気体廃棄物処理系までの遅れ時間を前記2つの遅
    れ時間に加算することにより前記炉心から前記ガスサン
    プラまでの減衰時間を算出する減衰時間算出手段と、算
    出された減衰時間に基いて核種分析による結果を半減期
    減衰補正する補正手段と、半減期減衰補正を行った核種
    分析結果と前記第2の流量測定手段による排ガス流量に
    基づいて炉心における希ガス放出率を算出する希ガス放
    出率算出手段とを具備することを特徴とする排ガス放射
    線モニタ。
  3. 【請求項3】 原子力発電所における気体廃棄物処理系
    から排ガスをサンプリングし、サンプルガスからのガン
    マ線のスペクトルを測定し核種分析を行う排ガス放射線
    モニタであって、気体廃棄物処理系配管から排ガスを低
    放射能領域に導くサンプリング配管およびサンプリング
    装置と、前記サンプリング配管に設けられガンマ線のエ
    ネルギを低減させた状態で通過させるガスサンプラと、
    このガスサンプラを覆う放射線遮へい用の遮へい体と、
    前記ガスサンプラからのガンマ線スペクトルを測定する
    ガンマ線測定手段と、このガンマ線測定手段からの測定
    信号を記憶する記憶手段と、サンプリング流量を測定す
    る流量測定手段と、その計測値に基いてガス抽出位置か
    ら前記ガスサンプラまでの遅れ時間を算出する手段と、
    前記遅れ時間に炉心からガス抽出位置までの遅れ時間を
    加算し炉心からガスサンプラまでの遅れ時間を算出する
    手段と、前記原子力発電所の制御室に設けられ前記炉心
    から前記ガスサンプラまでの遅れ時間を表示する手段と
    を具備することを特徴とする排ガス放射線モニタ。
  4. 【請求項4】 原子力発電所における気体廃棄物処理系
    から排ガスをサンプリングし、サンプルガスからのガン
    マ線のスペクトルを測定し核種分析を行う排ガス放射線
    モニタであって、気体廃棄物処理系配管から排ガスを低
    放射能領域に導くサンプリング配管およびサンプリング
    装置と、前記サンプリング配管に設けられガンマ線のエ
    ネルギを低減させた状態で通過させるガスサンプラと、
    このガスサンプラを覆う放射線遮へい用の遮へい体と、
    前記ガスサンプラからのガンマ線スペクトルを測定する
    ガンマ線測定手段と、このガンマ線測定手段からの測定
    信号を記憶する記憶手段とを具備し、かつ、前記ガンマ
    線測定手段はガスサンプラと検出器とを一体の遮へい体
    で囲む構成とし、前記ガスサンプラと前記検出器との間
    の遮へい体に設けた開口部をコリメータとすることを特
    徴とする排ガス放射線モニタ。
  5. 【請求項5】 コリメータは、検出器の幾何学的配置に
    影響を与えることなく大きさを変更する機能を有し、変
    更したコリメータの大きさに対して予め決められた補正
    定数により測定結果を補正する手段を有することを特徴
    とする請求項4記載の排ガス放射線モニタ。
  6. 【請求項6】 ガンマ線測定手段は、検出器として、冷
    却装置を付加したGe半導体検出器、常温半導体検出器
    もしくはフォトダイオードを備えたことを特徴とする請
    求項1から5までのいずれかに記載の排ガス放射線モニ
    タ。
  7. 【請求項7】 サンプリング装置は、排ガスの流速を一
    定に制御しつつ連続的にサンプリングを行う機能を有
    し、サンプリング配管内における短半減期核種の減衰を
    一定に維持するものであることを特徴とする請求項1か
    ら6までのいずれかに記載の排ガス放射線モニタ。
  8. 【請求項8】 核種分析結果に基き自動的にサンプリン
    グ流速を調整する流量制御装置を具備することを特徴と
    する請求項1から7までのいずれかに記載の排ガス放射
    線モニタ。
  9. 【請求項9】 ガンマ線測定手段は、全計数率を制限す
    る機能を有することを特徴とする請求項1から8までの
    いずれかに記載の排ガス放射線モニタ。
  10. 【請求項10】 サンプルガスの圧力を測定する手段
    と、測定された前記サンプルガスの圧力により核種分析
    の結果を圧力補正する補正手段とを備えたことを特徴と
    する請求項1から9までのいずれかに排ガス放射線モニ
    タ。
  11. 【請求項11】 放射性核種を含まないガスをガスサン
    プラに導く手段と、前記ガスをガスサンプラに満たした
    状態でバックグラウンド放射能レベルのスペクトルを測
    定して記憶する手段と、気体廃棄物処理系からの排ガス
    の測定スペクトルから前記バックグラウンドのスペクト
    ルを差し引く手段とを有することを特徴とする請求項1
    から10までのいずれかに記載の排ガス放射線モニタ。
  12. 【請求項12】 ガスサンプラにサンプリングした排ガ
    スを閉じ込める手段を設け、必要に応じてガスを閉じ込
    め、短半減期核種を十分減衰させた後、長半減期核種の
    みを選択的に測定する機能を有することを特徴とする請
    求項1から11までのいずれかに記載の排ガス放射線モ
    ニタ。
  13. 【請求項13】 原子力発電所における気体廃棄物処理
    系から排ガスをサンプリングし、サンプルガスからのガ
    ンマ線のスペクトルを測定し核種分析を行う排ガス放射
    線モニタシステムであって、気体廃棄物処理系配管から
    排ガスを低放射能領域に導くサンプリング配管およびサ
    ンプリング装置と、前記サンプリング配管に設けられガ
    ンマ線のエネルギを低減させた状態で通過させるガスサ
    ンプラと、このガスサンプラを覆う放射線遮へい用の遮
    へい体と、前記ガスサンプラからのガンマ線のスペクト
    ルを測定するガンマ線測定手段と、このガンマ線測定手
    段により測定されたスペクトルを時系列的に記憶する記
    憶領域をもつ記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたス
    ペクトルのうち最新のスペクトルから任意の数だけ前ま
    でのスペクトルをチャンネル毎に加算する加算手段とを
    具備してなり、スペクトルを前記記憶領域に連続的かつ
    時系列的に記憶し、通常時は加算するスペクトル数を多
    くし、指示値が上昇した場合は加算するスペクトル数を
    少なくすることを特徴とする排ガス放射線モニタシステ
    ム。
  14. 【請求項14】 核種分析結果に基づき、自動的に加算
    するスペクトルの個数を増減する手段を有することを特
    徴とする請求項13記載の排ガス放射線モニタシステ
    ム。
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