JP3136392U - 飲用水浄化用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲用水の浄化に関する従来技術の状況に鑑み、木炭を採用したうえで、十分かつ有用な飲用水の浄化用器具の構成を提供すること。
【解決手段】平均粒径が2mm〜6mmの範囲内にある木炭粒子2を透水性を有するプラスチック袋3中に収容しており、平均断面積を約1〜5cmとし、長さを10〜30cmとするような棒状による形状を選択するか、又は半径を約3cm〜10cmとする球状による形状などを選択していることに基づく飲用水浄化用器具。
【選択図】図1

Description

本考案は、飲用水を浄化し、かつ有効なミネラルを分泌する飲用水浄化用器具に関するものである。
飲用水の浄化には、カーボンなどを素材としているフィルターなどを収容した浄水器が使用されている。
しかしながら、このような浄水器は、飲用水を濾過する過程において、前記フィルター部分などの交換又はリハビッシュを不可欠としており、その使用は、意外と煩雑である。
しかも、飲用水が一時的にフィルターを通過するに過ぎない以上、浄化作用が必ずしも十分な状態とはいえない。
他方、木炭が水の浄化に有効であることは既に着目されているが、どの程度の平均粒径の木炭が浄化に有効であるかについては、必ずしも十分な技術上の検討が行なわれている訳ではない。
本考案は、前記の飲用水の浄化に関する従来技術の状況に鑑み、木炭粒子を採用したうえで、十分かつ有用な飲用水浄化用器具の構成を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本考案の基本構成は、平均粒径が2mm〜6mmの範囲内にある木炭粒子を透水性を有するプラスチック袋中に収容したことに基づく飲用水浄化用器具からなる。
前記基本構成に基づき、本考案においては、飲用水中の塩素イオンを十分減少させることによる浄化作用を果たす一方、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどの有用なミネラル物質を分泌するという画期的な効果を得ることができる。
前記基本構成の技術的趣旨について説明する。
木炭粒子の平均径が小さいほど、木炭による浄化作用が大きくなるが、逆に、木炭自身が水中に溶出し易いという不都合が生じ、少なくとも1mm以下の場合には、そのような状況を免れることができない。
これに対し、木炭粒子の平均径が大きい場合には、そのような不都合は少なくなるが、個別の粒子の体積に比し、水と接触する表面積の割合が小さくなるため、浄化作用自体が小さくなる傾向を免れることができない。
本考案においては、前記のように、平均径を2mm〜6mmとすることによって良好な浄化作用と木炭の水に対する溶解をできるだけ少なくすることの双方を両立させている。
前記数値範囲による粒径を実現するためには、焼成した木炭を粉砕することによって、木炭粒子を形成した後、当該木炭粒子に対し送風によって飛散させ、飛散する距離範囲に応じて、概略数値範囲の木炭粒子を収集することが可能となる。
このような収集方法を採用した場合には、前記数値範囲の粒径とは、100%の木炭粒子が当該数値範囲にあるということではなく、大部分、即ち発明者の経験では、約80%以上が当該数値範囲内にあることを意味している。
前記基本構成に示すように、木炭粒子2は、図1に示すように、透水性を有しているプラスチック袋3に収容されているが、透水を可能とする微細孔は、前記平均粒径の数値範囲よりも、明らかに小さいことを当然の前提としている。
このような場合、残20%未満の木炭粒子2が前記数値範囲外にあるとしても、発明者の経験では、80%以上の木炭粒子2が前記数値範囲内にある場合には、粒径が0.5mm以下であって、プラスチック部分の微細孔を透過して水中に溶出する確率は、相当低くなっている。
そして、万一平均粒径が0.5mm以下であるような木炭粒子2が水中に溶出することを極力防ぐため、水透過性を実現するための微細孔の平均径を0.03mm、即ち30μm以下とするような実施形態が好適に採用されている。
木炭粒子2を収容するプラスチック袋3の形状及び大きさは、特に限定される訳ではなく、水を収容する容器の大きさ及び浄化する時間などに即して適宜設定すれば良い。
図2は、略棒状による形状を選択した場合を示しており、通常、平均断面積を約1〜5cmとし、長さを10〜30cmとする実施形態が好適に採用されている。
図3は、略球状による形状を選択した場合を示しており、通常、半径約3cm〜10cmとする実施形態が好適に採用されている。
プラスチック袋3の素材としては、多孔の透水性を実現すれば、如何なる素材であっても良いが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルを典型例として採用することができる。
以下、実施例に従って説明する。
実施例1においては、楢の木を約700℃という通常の焼成温度にて焼成した木炭を原材料として粉砕し、平均粒径を3mm〜5mmの範囲内にある木炭粒子2を選別して、0.03mm以下の直径による微細孔を有しているポリエステル袋3中に収容すると共に、形状として、図2に示すような略棒状を選択し、かつ断面積を約3cmとし、長さを約13cmとし、全重量を約5gとなるような規格を設定した。
このような規格に基づく飲用水浄化用器具1を2リットルの水に約2時間収容した。
その結果、水中に溶出された各物質の濃度(mg/L)は、以下のとおりである。
カルシウム(Ca) 16
マグネシウム(Mg) 8.9
ナトリウム(Na) 18
カリウム(K) 35
塩化物イオン(Cl含有イオン) 34
わが国において販売されているサントリー天然水のミネラル物質の濃度(mg/L)は、以下のとおりであり、
カルシウム(Ca) 9.7
マグネシウム(Mg) 1.5
ナトリウム(Na) 6.5
カリウム(K) 2.8
フランスから輸入されているボルヴィック天然水のミネラル物質の濃度(mg/L)は、以下のとおりである。
カルシウム(Ca) 11.5
マグネシウム(Mg) 8.0
ナトリウム(Na) 11.6
カリウム(K) 6.2
このような通常の商品に比し、実施例1による飲用水浄化用器具1によって極めて有用なミネラル物質が溶出されることが判明する。
しかも、塩素濃度イオンは、通常の水道水に比し一桁小さい状態となっている。
実施例1においては、間伐材を約1000℃〜1500℃という特別の高温にて焼成した木炭を原材料として採用し、実施例1と同様の平均粒径の範囲、及び規格の飲用水浄化用器具1を作成した。
前記飲用水浄化用器具1を実施例1の場合と同様に、2リットルの水に約2時間収容した。
その結果、水中に溶出された各物質の濃度(mg/L)は、以下のとおりである。
カルシウム(Ca) 18
マグネシウム(Mg) 7.9
ナトリウム(Na) 21
カリウム(K) 11
塩化物イオン(Cl含有イオン) 29
このようなデータからも明らかなように、焼成温度を高温化した場合には、塩素イオンの浄化の程度が更に助長され、しかも有用なミネラル物質の溶出が更に向上することが判明する。
本考案は、飲用水の製造販売分野において、広く利用することが可能である。
プラスチック袋中に木炭粒子が収容された状態を示す断面図である。 棒状を形成した飲用水浄化用器具の状態を示す見取図である(尚、部分的にプラスチック袋を破断し、内側に木炭粒子が収容された状態を黒色領域にて示す。)。 球状を形成した飲用水浄化用器具の状態を示す見取図である(尚、部分的にプラスチック袋を破断し、内側に木炭粒子が収容された状態を黒色領域にて示す。)。
符号の説明
1 飲用水浄化用器具
2 木炭粒子
3 プラスチック袋

Claims (5)

  1. 平均粒径が2mm〜6mmの範囲内にある木炭粒子を透水性を有するプラスチック袋中に収容したことに基づく飲用水浄化用器具。
  2. 平均断面積を約1〜5cmとし、長さを10〜30cmとするような棒状による形状を選択したことを特徴とする請求項1記載の飲用水浄化用器具。
  3. 半径を約3cm〜10cmとする球状による形状を選択したことを特徴とする請求項1記載の飲用水浄化用器具。
  4. プラスチック袋において、水を透過するための孔の平均径が0.03mm以下であることを特徴とする請求項1記載の飲用水浄化用器具。
  5. 1000℃〜1500℃の温度にて焼成された木炭を原材料とする木炭粒子を採用していることを特徴とする請求項1記載の飲用水浄化用器具。
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