JP3136367B2 - アンテナ指向装置 - Google Patents

アンテナ指向装置

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JP3136367B2
JP3136367B2 JP04095583A JP9558392A JP3136367B2 JP 3136367 B2 JP3136367 B2 JP 3136367B2 JP 04095583 A JP04095583 A JP 04095583A JP 9558392 A JP9558392 A JP 9558392A JP 3136367 B2 JP3136367 B2 JP 3136367B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海事衛星通信等に使用さ
れるアンテナを衛星方向へ指向させるためのアンテナ指
向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海事衛星通信等に使用されるアン
テナを衛星方向へ指向させるアンテナ指向装置として図
7及び図8に示す如きものが提案されている。
【0003】斯かるアンテナ指向装置は、基台100
と、その基台100に設けられたブリッジ部100−1
と、斯かるブリッジ部100−1に装着されそれより上
方に延在する円筒部101と、斯かる円筒部101の内
部に配置された一対の方位軸受102A、102Bに嵌
合された方位軸103と、斯かる円筒部101の上端部
にアーム104−1を介して取り付けられた方位ジンバ
ル104とを有する。斯かる方位ジンバル104はアー
ム104−1によって方位軸103より偏倚されており
且つ方位軸103の軸線の周りに回転することができる
ように構成されている。
【0004】方位ジンバル104の上端部にはU字状部
材104−2が固定されている。このU字状部材104
−2は方位軸103と直交し且つ水平方向に配置された
2個の仰角軸軸受105A、105Bを有する。U字状
部材104−2にはアンテナ部106及びクロスダイポ
ール回転機構107を装着するためのコ字状の取り付け
金具108が装着されており、斯かる取り付け金具10
8の両脚108A、108Bにそれぞれ装着された仰角
軸109A、109Bが対応する仰角軸軸受105A、
105Bに嵌合しており、それによって取り付け金具1
08は仰角軸109A、109Bを通る仰角軸線の周り
に回転することができる。
【0005】取り付け金具108には仰角軸線周りのア
ンテナ部106の角度を検出する仰角ジャイロ110
と、仰角軸線及びアンテナ部106の中心軸線X−Xの
双方に直交する軸線周りのアンテナ部106の角度を検
出する方位ジャイロ111と、アンテナ部106の仰角
軸線周りの傾斜角を検出する第1の加速度計112と、
アンテナ部106の中心軸線X−X周りの傾斜角を検出
する第2の加速度計113とを有する。
【0006】また、取り付け金具108は仰角軸109
Aと同軸的に配置された仰角軸歯車114を有する。U
字状部材104−2の一方の脚部には仰角サーボモータ
115が装着されており、斯かる仰角サーボモータ11
5の回転軸に装着されたピニオン116が斯かる仰角軸
歯車114に噛み合うように構成されている。
【0007】一方、方位軸103の下端部には方位歯車
120が取り付けられ、基台100のブリッジ部100
−1上には方位サーボモータ121及び方位発信器12
2が取り付けられ、斯かる方位サーボモータ121及び
方位発信器122の回転軸の各々に装着されたピニオン
(図示せず)は方位歯車120に噛み合うように構成さ
れている。
【0008】図7には更に斯かるアンテナ指向装置に設
けられた制御ループが示されており、斯かる制御ループ
では仰角ジャイロ110及び方位ジャイロ111とし
て、振動ジャイロ、レートジャイロ等の微分型ジャイロ
が用いられている。仰角ジャイロ110の出力は積分器
130、増幅器132を介して仰角サーボモータ115
にフィードバックされ、それによって船体の角運動に対
して仰角軸線周りのアンテナ部106の角速度がゼロに
保持される。
【0009】第1の加速度計112の出力信号はアーク
サイン演算器134を介して減算器138に入力されそ
こで手動設定等による衛星高度角θS に対応した信号に
よって減じられた後、減衰器136を通して積分器13
0に入力される。このループはアンテナ部106の仰角
θを衛星高度角θS に一致させる時定数を持ったループ
で、減衰器136には仰角ジャイロ110のドリフト変
動を補償させるため、積分特性を具備させることもでき
る。
【0010】一方、方位ジャイロ111の出力信号は、
積分器140、増幅器142を介して方位サーボモータ
121にフィードバックされ、アンテナ部106をその
中心軸線X−X及び仰角軸線の双方に直交する軸線の周
りの船体の角運動に対して安定化させる。一方、方位発
信器122からアンテナ部106の方位に対応した信号
が出力され、減算器146にてマグネットコンパス又は
ジャイロコンパスからの船首方位φC 及び手動設定等に
よる衛星方位φS を示す信号が差し引かれた後、その信
号は減衰器144を通して積分器140に入力される。
このループは、アンテナ部106の方位φを衛星方位φ
S に一致させる時定数を持ったループで、減衰器144
は方位ジャイロ111のドリフト変動を補償するため、
積分特性を具備させることもできる。即ち、図7におい
て、減衰器136、144の出力は、積分型ジャイロト
ルカの出力に相当することになる。
【0011】次に、通信用電波の送信及び受信を、図8
を参照して説明する。アンテナ部106は大反射板、ク
ロスダイポール等により構成されている。アンテナ部1
06によって受信された電波は可変移相器156よりダ
イプレクサ157に供給され、そこでフィルタリングさ
れて海面反射の低減された信号が得られ、次にローノイ
ズアンプ(LNA)158により増幅され、ダウンコン
バータ(D/C)159によって搬送波から信号が分離
される。
【0012】また、送信信号はアップコンバータ(U/
C)160によって高周波変調されハイパワーアンプ
(HPA)161によって電力増幅されダイプレクサ1
57でフィルタリングされた後、アンテナ部106から
送信される。
【0013】海事衛星通信は動揺を伴う船舶等の移動体
を対象とした通信であるため、それに使用される船舶用
アンテナシステムは、小型軽量且つ低価格であるうえ
に、動揺にかかわらず常に所要の電気的性能が得られる
必要がある。しかしながら、船舶は電波をよく反射する
海面で囲まれているため、海面反射により生ずるフェー
ジングの影響を受けやすく、アンテナの中心軸線を衛星
方向に正しく指向させるだけでは良好な送信受信を達成
することはできない。
【0014】この海面反射の影響を取り除くため、通
常、アップリンク(1.64GHz帯)とダウンリンク
(1.54GHz帯)の双方へ適用が可能な、ショート
バックファイヤアンテナが用いられている。Lバンド
(1.54/1.64GHz帯)においては、海面反射
によるフェージングの影響を特に受け易い衛星仰角5°
〜15°の場合、海面からの反射波はほぼ水平方向に偏
平な左旋の楕円偏波となる。
【0015】このためフェージングによる影響を除去す
るためには、アンテナの偏波特性を海面反射の偏波特性
と直交するよう衛星の仰角に応じて変化させ受信すれば
よいことになる。
【0016】これを実現するには、図9に示すようにク
ロスダイポールアンテナに含まれる4個のダイポール素
子20a〜20dのうち2個のダイポール素子20a、
20dに可変移相器を付加し、クロスダイポール素子を
その先端A、Bを結ぶ線H−Hが海面Sに対して平行に
なるように配置する。可変移相器の位相量を変化させる
とアンテナの偏波特性が変化し、海面に対して楕円偏波
の長軸が垂直となる偏波特性を常に得ることができる。
【0017】斯かるアンテナ指向装置におけるフェージ
ング対策として、図8に示すようにフェージング低減制
御装置164内に可変移相器制御部162を設け、斯か
る可変移相器制御部162によって可変位相器156が
制御されるように構成してよく、それによってアンテナ
部106の仰角及び姿勢角が変化してもそれに応じて最
適受信が得られることができる。
【0018】一方、船体の運動によらず前述のフェージ
ング低減が効果を奏するためには、船体が動揺しても上
述のようにダイポール素子の先端A、Bを結ぶ線H−H
が常に水平に配置されることが必要である。図8の例で
は、船体姿勢角とアンテナ仰角との信号よりフェージン
グ低減制御装置164で演算されたクロスダイポール回
転角命令信号はクロスダイポール制御部163よりクロ
スダイポール回転機構107に供給され、それによって
アンテナ部106内のクロスダイポール素子20a〜2
0dが制御され、ダイポール素子の先端を結ぶ線H−H
が水平に配置される。
【0019】図8に示した可変移相器156、ダイプレ
クサ157及びローノイズアンプ(LNA)158は通
常コ字状の取り付け金具108部に装着され、ダウンコ
ンバータ(D/C)159、アップコンバータ(U/
C)160、ハイパワーアンプ(HPA)161及びフ
ェージング低減制御装置164は通常基台100上に装
着される。
【0020】図10に、斯かる海面反射によるフェージ
ングを減少させるための装置の従来例を示す。この装置
は、クロスダイポール回転機構107及びクロスダイポ
ール制御装置163を含み、図10はその斜視図であ
り、その一部が切開除去されて示されている。
【0021】図10には、コ字状の取り付け金具108
(図示なし)に装着されたアンテナ架台26が示されて
いる。斯かるアンテナ架台26上には支柱30によって
支持された大反射板31とクロスダイポール支柱21に
よって支持されたクロスダイポールとが装着されてい
る。クロスダイポールは4本のダイポール素子20a〜
20dを含み、斯かる4本のダイポール素子20a〜2
0dは互いに90°の角度にて隔置され且つクロスダイ
ポール支柱21に垂直に配置されている。クロスダイポ
ール支柱21は図示しない転がり軸受等によって軸支さ
れており、従って、4本のダイポール素子20a〜20
dはクロスダイポール支柱21を通る軸線X−X周りに
回転することができる。
【0022】クロスダイポール支柱21には傘歯車22
が取り付けられており、一方アンテナ架台26上にはモ
ータホルダ25によって支持されたサーボモータ24が
装着され斯かるサーボモータ24の軸には小歯車23が
取り付けられている。小歯車23が傘歯車22に噛み合
うことによってサーボモータ24の回転がクロスダイポ
ール支柱21の回転に変化される。
【0023】アンテナ架台26にはセンサホルダ29に
よって支持された回転角センサ28が装着されており、
斯かる回転角センサ28の軸の先端部には傘歯車22に
噛み合う小歯車27が取り付けられている。回転角セン
サ28は例えばポテンショメータ又はロータリエンコー
ダ等であってよく、それによって傘歯車22の回転を検
出することができる。
【0024】回転角センサ28の出力はクロスダイポー
ル制御部163に入力され、クロスダイポール制御部1
63の出力はサーボモータ24に入力され、斯くして4
本のダイポール素子20a〜20dは所望のクロスダイ
ポール位置に配置されるように構成されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アンテナ指向装置は、図10に示す如き複雑な機構のク
ロスダイポール回転機構107及びクロスダイポール制
御部163を有しており、それに含まれるサーボモータ
24、回転角センサ28、歯車系22、23、27及び
制御部等の製造費が高くつくという欠点があった。
【0026】また、クロスダイポール回転機構107と
クロスダイポール制御部163との間は2軸のジンバル
構造にて結合されているため、その結合部にスリップリ
ング等の寿命が短い部品を使用しなければならず信頼性
が悪いという欠点を有していた。
【0027】本発明は、斯かる点に鑑み、海面反射によ
るフェージングの影響を減少させるためのより簡単で信
頼性のあるクロスダイポール回転機構とクロスダイポー
ル制御部を有するアンテナ指向装置を提供することを目
的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、例えば
図1に示すように、2軸のジンバル構造に支持されたア
ンテナ架台50と、送受信器と、アンテナの方位角、姿
勢角及び位置を検出する検出手段と、アンテナの方位角
及び姿勢角を制御する制御手段と、アンテナ架台50に
設けられたクロスダイポールアンテナとを含むアンテナ
指向装置において、クロスダイポールアンテナをアンテ
ナ架台50に対して回転可能に軸支し、クロスダイポー
ルアンテナを含む回転部の重心を回転軸線から所定の距
離だけ偏心させ且つ略々隣接する2つのクロスダイポー
ル素子20a〜20dの先端を結ぶ直線H−Hの2等分
線V−V上に配置し、それによってクロスダイポールア
ンテナを含む回転部が回転軸線周りの物理振子となるよ
うに構成されている。
【0029】本発明によれば、例えば図1又は図3に示
すように、アンテナ指向装置において、上記回転部の回
転運動を減衰させるために磁気ダンパ53、61が設け
られている。
【0030】本発明によれば、例えば図6に示すよう
に、アンテナ指向装置において、アンテナ架台50と回
転部との間に復帰用ばね74、75を設け、この復帰用
ばね74、75のトルクばね定数をKとし、物理振子の
ペンデュロシティをmLとし、船体の動揺中心から物理
振子の回転中心までの距離をRとし、船体動揺の角周波
数をωとして、この復帰用ばねのトルクばね定数Kを、 K≒mLRω2 としている。
【0031】本発明によれば、アンテナ指向装置におい
て、物理振子のペンデュロシティmLを略々次の式にて
求められる値としている。 mL=K’/Rω2 K’:クロスダイポールアンテナに接続された電路のト
ルクばね定数 R:船体の動揺中心から上記物理振子の回転中心までの
距離 ω:船体の動揺の角周波数 m:振子の質量 L:振子の重心と回転中心との間の距離
【0032】
【作用】本発明によれば、アンテナ架台26に装着され
たクロスダイポール素子20a〜20dを含む回転部は
それ自身が物理振子として構成されているため、アンテ
ナが衛星を追尾している時にも、振り子の原理によっ
て、クロスダイポール素子の先端を結ぶ線分H−Hは常
に水平に保持される。こうして自動的に、海面反射によ
るフェージングの影響が除去される。
【0033】船体が動揺したときクロスダイポール素子
20a〜20dに接続された送受信ケーブル76a、7
6bの有するばねトルクが大きくそれを無視することが
できないときには、斯かる送受信ケーブルのばねトルク
を斯かる物理振子に作用するトルクに釣り合うように構
成し、それによって、常に、クロスダイポール素子の先
端を結ぶ線分H−Hは水平に保持される。
【0034】
【実施例】以下に図1〜図6を参照して本発明の実施例
について説明する。尚図1〜図6において図7〜図10
の対応する部分には同一の参照符号を付してその詳細な
説明は省略する。
【0035】図1は本発明のアンテナ指向装置の一例を
示しており、アンテナ部106には図示しないコ字状の
取り付け金具に支持された円筒形状の架台50が装着さ
れており、斯かる架台50上には適当な固定手段例えば
ねじ、接着等により大反射板31が取り付けられてい
る。
【0036】架台50の略中心には一対の適当な軸受5
1a、51b例えばころがり軸受等が互いに軸線方向に
隔置されて装着されており、斯かる軸受51a、51b
によってダイポール支柱21が回転可能に支持されてい
る。ダイポール支柱21の上端部には互いに90°の角
度にて隔置された4つのダイポール素子20a〜20d
が取り付けられており、したがってこのダイポール素子
20a〜20dは軸線O−O周りに回転することができ
る。
【0037】このダイポール支柱21の下端部には銅又
はアルミ等の導体よりなる円筒形状のダンパーカップ5
3がダイポール支柱21と同軸的に装着されており、斯
かるダンパーカップ53は架台50に形成された環状の
溝内に配置され、ダンパーカップ53と斯かる環状の溝
の間には同軸的な環状の間隙が形成されている。
【0038】ダイポール支柱21の下端部には更に偏心
ウェイト52が取り付けられており、斯かるダイポール
支柱21、偏心ウェイト52、ダイポール素子20a〜
20d及びダンパーカップ53よりなる回転部の重心は
軸線O−Oより下側に偏倚されている。
【0039】軸線O−Oに垂直な面内にて斯かる回転部
の重心の位置は、図8に示すように、2つのダイポール
素子20c、20dの先端を結ぶ線分H−Hの2等分線
V−V上にあるように、即ち、回転部が物理振子を構成
するように設計される。
【0040】従って、軸線O−Oが水平よりある角度だ
け傾斜した姿勢となっても、ダイポール素子20c、2
0dの先端を結ぶ線分H−Hは振子の原理によって常に
水平に配置されることとなる。
【0041】また架台50の環状の溝内には、その内側
面にマグネット55が装着され、その外側面に純鉄等で
製造されたリターンパス54が適当な方法例えば接着等
により取り付けられている。
【0042】図2は図1の線A−Aに沿って切断した断
面図である。図2に示すように、マグネット55は4つ
のカマボコ形のマグネット55a〜55dよりなり、こ
れらは架台50に装着された8角形の高透磁率材例えば
純鉄よりなる磁路56に装着されている。マグネット5
5a〜55dは図示のように互いに隣接する磁石の極性
が異なるように且つ直径方向両側の磁石の極性が同じと
なるように、配置される。斯かる構成において、ダンパ
ーカップ53が回転するとダンパーカップ53がマグネ
ット55a〜55dによる磁界を横切ることとなり、渦
電流がダンパーカップ53に発生しそれによって回転速
度に比例したトルクが発生する。
【0043】斯かるトルクはダイポール素子20a〜2
0dを含む回転部の回転運動に対する減衰力として作用
するから、ダンパーカップ53はダンパーとしての機能
を提供することとなる。アンテナ指向装置を図1に示す
ような構成とすることによって、基台100が旋回又は
動揺しても、ダイポール素子20c、20dの先端を結
ぶ線分H−Hは、図7に示す如く、常に水平に配置され
ることとなるから、海面等からのフェージングが軽減さ
れる。
【0044】尚、図1及び図2において、マグネット5
5a〜55dとリターンパス54との位置関係を交換し
ても、同様な機能と効果が得られる。更に、図2におい
てマグネット55a〜55dの数を4個としているが、
偶数個であれば4個である必要はない。
【0045】図3及び図4は図1及び図2にて示したダ
ンパーカップ53と同様の機能を提供するダンパーの他
の例を示す。図1及び図2にて示したダンパーカップ5
3は円筒状であるが、図3及び図4にて示すダンパー6
1は円板状である。本例によると、ダイポール支柱21
の端部に銅又はアルミ等の導体よりなる円板状のダンパ
ー61がダイポール支柱21に同軸的に取り付けられて
いる。
【0046】一方、架台50には純鉄よりなる環状のリ
ターンパス62が軸線O−Oに対して同軸的に装着され
ている。更に、架台50にはマグネットホルダ60が取
り付けられており、斯かるマグネットホルダ60によっ
てマグネット64a〜64d及び純鉄よりなる環状の磁
路63が架台50に取り付けられている。図示のよう
に、円板状のダンパー61、リターンパス62及びマグ
ネット64a〜64dは同軸的に且つ互いに軸線方向に
隔置されている。
【0047】斯かる構成によって、図1及び図2に示す
例と同様に円板状のダンパー61によって回転部の回転
運動に対してダンパー機能が提供されることとなる。
【0048】ダイポール支柱21には、図1及び図2の
例と同様に(図示しない)偏心ウェイトが取り付けられ
ており、それによって物理振子が構成される。尚、図1
及び図2に示す例及び図3及び図4に示す例では、物理
振子を構成するために偏心ウェイトが使用されている
が、物理振子を構成するために他の方法が採られてよ
い。例えば、ダイポール素子20a〜20dをそれぞれ
比重の異なる材料にて構成したり、ダンパーカップ53
及びダンパー61を偏心して取り付けるように構成する
ことによって、物理振子を構成してもよい。
【0049】以上に述べた物理振子及びダンパー方式を
用いた場合、船体の動揺が比較的小さい時には振り子の
原理によりクロスダイポールが回転し、ダイポール素子
20c、20dの先端を結ぶ線分H−Hが水平となる
が、船体の動揺が大きい時には動揺加速度によりクロス
ダイポールが回転し、ダイポール素子20c、20dの
先端を結ぶ線分H−Hは必ずしも水平にならないことが
ある。斯かる問題点を解決するための手段を図5及び図
6を参照して説明する。
【0050】図5は船体が動揺した時のダイポールの重
心の運動を示す図である。船体の動揺運動の回転中心を
O、ダイポールの回転中心をP、2つの回転中心間の距
離をRとする。船体が回転中心O周りに角度ψだけ回転
するとダイポールの重心Gには、船体の動揺加速度Rd
2 ψ/dt2 が作用するから、ダイポールには次のトル
クTが作用する。
【0051】
【数1】
【0052】ここに、mはダイポールの回転部の質量で
あり、Lは重心の偏倚量でありRに比べて充分に小さい
(R≫L)ものとする。船体の動揺運動は正弦波状の周
期運動であるから、ψ=ψ0 sinωtとおいて、数1
の式は、
【0053】
【数2】T=mLRψ0 ω2
【0054】となる。ここに、ψ0 は角度振幅、ωは角
周波数である。従ってこのトルクを打ち消すためには、
例えばばねを設け斯かるばねによるトルクT=Kψ
0 (Kはばね定数)を付加してやればよい。この式T=
Kψ0 を数2の式に代入して、
【0055】
【数3】K=mLRω2
【0056】を得る。即ち、数3の式によって得られる
ばね定数Kを有するばねを設ければよいこととなる。
【0057】振子のペンデュロシティmLはダイポール
部の設計時に既知でありまた距離Rも船体により既知で
ある。一方、動揺による角周波数ωは、船体のロール軸
方向とピッチ軸方向とでは異なるから、両者の中間の値
を採用すればよい。
【0058】図6は斯かるばね定数を有するばねが装着
されたアンテナ指向装置の例を示す。架台50にはダイ
ポール素子20a〜20dと反対側に偏心ウェイト52
が装着されており、斯かる偏心ウェイト52を貫通して
送信受信ケーブル76a、76bが配置されている。斯
かる送信受信ケーブル76a、76bはダイポール素子
20a〜20dより中空のダイポール支柱21を通って
外方へ延在している。偏心ウェイト52には半径方向に
延在するばね取り付け用の第1の支柱71が取り付けら
れ、架台50の端面には軸線方向に延在するばね取り付
け用の第2の支柱72及び第3の支柱73が取り付けら
れている。
【0059】第1の支柱71と第2の支柱72との間に
は第1のばね74が取り付けられており、第1の支柱7
1と第3の支柱73との間には第2のばね75が取り付
けられている。これらのばね74、75のばね定数Kは
上述のように、数3の式にて求められる値に対応して設
定されている。
【0060】このようにばねを設けることによって、船
体の動揺によるダイポールのトルクは2本のばねによる
トルクの差により打ち消すことができるから、架台50
が大きく動揺しても常にダイポール素子20a〜20d
を同一の位置に保持することができる。尚、図6にて2
本のばねが設けられているが、1本又は3本以上のばね
を設けてもよい。
【0061】以上は図6にて、送信受信ケーブル76
a、76bのばね定数が小さく無視することができる場
合について説明したが、このばね定数が大きく無視する
ことができない場合について説明する。
【0062】送信受信ケーブル76a、76bのばね定
数が大きいときは、ばね74、75の代わりに斯かるケ
ーブル76a、76bを減衰用のばねとして利用するこ
とができる。送信受信ケーブル76a、76bのばね定
数が数3の式を満足するように構成する。即ち送信受信
ケーブル76a、76bのばね定数をK’として、これ
を数3の式に代入して変形すると、
【0063】
【数4】mL=K’/Rω2
【0064】即ち、数4の式より求められるペンデュロ
シティmLとなるようペンデュロシティを設計すればよ
い。こうして、送信受信ケーブル76a、76bをばね
74、75の代わりに利用して、付加的にばね74、7
5を装着する必要性が除去され、安価で簡単な構造とす
ることができる。
【0065】以上本発明の実施例について詳細に説明し
てきたが、本発明は上述の実施例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく他の種々の構成が採り得るこ
とは当業者にとって容易に理解されよう。
【0066】
【発明の効果】本発明によると、複雑な機構のクロスダ
イポール回転機構及びクロスダイポール制御部が除去さ
れるためより安価なアンテナ指向装置を提供することが
できる利点がある。
【0067】本発明によると、クロスダイポール回転機
構とクロスダイポール制御部との間の結線系が不要であ
るため、スリップリング等を使用しなくてもよく、従っ
て長寿命で信頼性が高いアンテナ指向装置を提供するこ
とができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ指向装置の例の主要部の側面
図である。
【図2】図1の線A−Aに沿って切断した本発明のアン
テナ指向装置の要部の断面図である。
【図3】本発明のアンテナ指向装置の他の例の主要部の
側面図である。
【図4】本発明のアンテナ指向装置の他の例の主要部の
分解図である。
【図5】ダイポールの重心の運動を示す説明図である。
【図6】本発明のアンテナ指向装置の更に他の例の主要
部の斜視図である。
【図7】従来のアンテナ指向装置の例を示す図である。
【図8】従来のアンテナ指向装置の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図9】ダイポール素子の配置を示す説明図である。
【図10】従来のアンテナ指向装置の主要部の構成例を
示す一部切開斜視図である。
【符号の説明】
20a〜20d クロスダイポール素子 21 クロスダイポール支柱 22 傘歯車 23 小歯車 24 サーボモータ 25 モータホルダ 26 アンテナ架台 27 小歯車 28 回転角センサ 29 センサホルダ 30 支柱 31 大反射板 50 架台 51A、51B 軸受 52 偏心ウェイト 53 ダンパーカップ 54 リターンパス 55、55a〜55d マグネット 56 磁路 60 マグネットホルダ 61 ダンパー 62 リターンパス 63 磁路 64a〜64d マグネット 71、72、73 支柱 74、75 ばね 76a、76b 送信受信ケーブル 100 基台 100−1 ブリッジ部 101 円筒部 102A、102B 方位軸軸受 103 方位軸 104 方位ジンバル 104−1 アーム 104−2 U字状部材 105A、105B 仰角軸軸受 106 アンテナ部 107 クロスダイポール機構 108 コ字状部材 108A、108B 脚部 109A、109B 仰角軸 110 仰角ジャイロ 111 方位ジャイロ 112、113 加速度計 114 仰角軸歯車 115 仰角軸サーボモータ 116 ピニオン 120 方位歯車 121 方位サーボモータ 122 方位発信器 130 積分器 132 増幅器 134 アークサイン演算器 136 減衰器 138 加算器 140 積分器 142 増幅器 144 減衰器 146 加算器 156 可変移相器 157 ダイプレクサ 158 ローノイズアンプ(LNA) 159 ダウンコンバータ(D/C) 160 アップコンバータ(U/C) 161 ハイパワーアンプ(HPA) 162 可変移相器制御部 163 クロスダイポール制御部 164 フェージング低減制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 3/00 - 3/10 H01Q 1/18,1/34 H01Q 21/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸のジンバル構造に支持されたアンテ
    ナ架台と、送受信器と、アンテナの方位角、姿勢角及び
    位置を検出する検出手段と、上記アンテナの方位角及び
    姿勢角を制御する制御手段と、上記アンテナ架台に設け
    られたクロスダイポールアンテナとを含むアンテナ指向
    装置において、 上記クロスダイポールアンテナを上記アンテナ架台に対
    して回転可能に軸支し、上記クロスダイポールアンテナ
    を含む回転部の重心を回転軸線から所定の距離だけ偏心
    させ且つ略々隣接する2つのクロスダイポール素子の先
    端を結ぶ直線の2等分線上に配置し、それによって上記
    クロスダイポールアンテナを含む回転部が上記回転軸線
    周りの物理振子となるように構成されていることを特徴
    とするアンテナ指向装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアンテナ指向装置におい
    て、上記回転部の回転運動を減衰させるために磁気ダン
    パを設けたことを特徴とするアンテナ指向装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアンテナ指向装置
    において、上記アンテナ架台と上記回転部との間に復帰
    用ばねを設け、該復帰用ばねのトルクばね定数をKと
    し、上記物理振子のペンデュロシティをmLとし、船体
    の動揺中心から上記物理振子の回転中心までの距離をR
    とし、船体動揺の角周波数をωとして、上記復帰用ばね
    のトルクばね定数Kを、 K≒mLRω2 としたことを特徴とするアンテナ指向装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のアンテナ指向装置
    において、上記物理振子のペンデュロシティmLを略々
    次の式にて求められる値としたことを特徴とするアンテ
    ナ指向装置。 mL=K’/Rω2 K’:クロスダイポールアンテナに接続された電路のト
    ルクばね定数 R:船体の動揺中心から上記物理振子の回転中心までの
    距離 ω:船体の動揺の角周波数 m:振子の質量 L:振子の重心と回転中心との間の距離
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