JP3136051U - 多能研削機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの内、外周面の軸方向研削およびテーパ研削を行いつつ、ワーク研削作業前の準備作業を簡略化してワークの研削作業時間を短縮し、更に安価に製造可能にする。
【解決手段】多能研削機1は、研削機本体1aにそれぞれワークWに接近および離間方向に移動可能に設けられた外研削ユニット2および内研削ユニット3を備えている。また、多能研削機1は、研削機本体1aに内、外研削ユニット3,2の移動方向と直交する方向に移動可能に設けられた左右テーブル4とこの左右テーブル4に旋回可能に設けられたサブテーブル5を備えている。更に、多能研削機1は、サブテーブル5に移動可能にかつ旋回可能に設けられかつワークWの一端側を保持してこのワークWを回転させるワークヘッド6とサブテーブル5に移動可能にかつ取り外し可能に設けられかつワークWの他端側を支持するテールストックユニット7とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本考案は、例えば被研削物(ワーク)である軸物ワークの外周面を軸方向に沿って研削する軸方向外研削や同じく軸物ワークの外周面を軸方向に対して傾斜して研削するテーパ外研削、円筒状ワークの外周面の軸方向外研削やテーパ外研削、および円筒状ワークの内周面の軸方向内研削やテーパ内研削のいずれをも、簡単な準備作業で効率よく行うことができる多能研削機の技術分野に関する。
従来から、軸物のワークの軸方向外研削やテーパ外研削、円筒状ワークの軸方向外研削やテーパ外研削、あるいは円筒状ワークの軸方向内研削やテーパ内研削を行うための研削機が種々提案されている。
例えば、回転させた外研削砥石を円環ディスク状のワークの径方向に所定量移動させることでワークの外周面をその軸方向に平行に外研削するとともに、回転させた内研削砥石を円環ディスク状のワークの内孔内に進入させた状態でワークの径方向に所定量移動させかつワークの軸方向に往復動させることでワークの内周面をその軸方向に平行に内研削する研削機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、外研削砥石を数値制御でワークの径方向および軸方向に対して移動制御することにより、ワークの外周面を軸方向に対して傾斜して研削するテーパ外研削を行うテーパ研削機能を有する数値制御研削盤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2668351号公報。 特公平4−26977号公報。
しかしながら、特許文献1に開示の研削機では、ワークの内、外周面をそれぞれワークの軸方向に平行移動はできるが、特に内研の細穴、長穴などの高精度平行研削を行うことはできない。更に、ワークの内、外周面をそれぞれワークの軸方向に対し傾斜して研削するテーパ内、外研削を行うこともできないという問題がある。このため、ワークのテーパ内、外研削をそれぞれ行う研削ユニットを、必要時にアタッチメントやオプションとして研削機本体に取り付けることで、ワークのテーパ内、外研削をそれぞれ行うことが考えられる。
しかしながら、テーパ内、外研削のための研削ユニットをアタッチメントやオプションとして研削機本体に必要時に一々取り付けるようにしたのでは、この研削ユニットの取り付け、取り外しが面倒であり、ワーク研削作業前の準備作業が煩雑となるばかりでなく、ワークの研削作業に多大の時間を要してしまう。
そこで、特許文献2に開示の数値制御研削盤における数値制御によるテーパ研削機能を、特許文献1に開示の研削機に適用することにより、ワークのテーパ研削を行うことが考えられる。しかし、数値制御によりテーパ研削を行うようにしたのでは、数値制御のソフト管理が面倒で、ワーク研削作業前の準備作業が依然として煩雑でかつ作業に多大の時間を要するばかりでなく、コストがきわめて高いものとなってしまう。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ワークの内、外周面の軸方向内、外研削およびテーパ内、外研削を行うことを可能にしつつ、ワーク研削作業前の準備作業を簡略化してワークの研削作業時間を短縮することのできる安価な多能研削機を提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1に係る考案の多能研削機は、研削機本体と、回転して被研削物(ワーク)の外周面を研削する外研削砥石を有しかつ前記研削機本体に前記被研削物に接近および離間方向に移動可能に設けられた外研削ユニットと、回転して前記被研削物の内周面を研削する内研削砥石を有しかつ前記研削機本体に前記被研削物に接近および離間方向に移動可能に設けられた内研削ユニットと、前記研削機本体に前記外研削ユニットおよび前記内研削ユニットの各移動方向と直交する方向に移動可能に設けられた移動テーブルと、前記移動テーブルに旋回可能に設けられた旋回テーブルと、前記旋回テーブルに移動可能にかつ旋回可能に設けられかつ前記ワークの一端側を保持してこのワークを回転させるワークヘッド(主軸台)と、前記旋回テーブルに移動可能にかつ取り外し可能に設けられかつ前記ワークの他端側を支持するテールストックユニット(心押台)とを備えることを特徴としている。
また、請求項2に係る考案の多能研削機は、前記研削機本体に対する前記移動テーブルの移動構成および前記旋回テーブルに対する前記ワークヘッドおよび前記テールストックユニットの各移動構成は、それぞれ、それらの移動方向に延びる一対の山谷形状のガイドを有することを特徴としている。
更に、請求項3に係る考案の多能研削機は、前記旋回テーブルを前記移動テーブルに対して所定角度旋回した状態にロックする旋回テーブル旋回ロック手段と、前記ワークヘッドを前記移動テーブルに対して所定位置に移動した状態にロックするとともに前記移動テーブルに対して所定角度旋回した状態にロックするワークヘッド移動旋回ロック手段と、前記テールストックユニットを前記移動テーブルに対して所定位置に移動した状態にロックするテールストックユニット移動ロック手段とを備えることを特徴としている。
更に、請求項4に係る考案の多能研削機は、前記内研削砥石が前記研削機本体に対し旋回して前記移動テーブルの移動方向に対して傾斜する方向に移動可能となっていることを特徴としている。
更に、請求項5に係る考案の多能研削機は、前記内研削砥石を前記研削機本体に対して所定角度旋回した状態にロックする内研削砥石旋回ロック手段を備えることを特徴としている。
このように構成された本考案の多能研削機によれば、ワークの外周面を研削する外研削ユニット、ワークの内周面を研削する内研削ユニット、およびワークを研削機本体に水平移動可能な移動テーブルを備えるとともに、旋回テーブルでワークを移動テーブルに対して設定角度以内で旋回可能にかつワークヘッドを旋回テーブルに対して設定角度以内で旋回可能にしているので、ワークの内、外周面の軸方向内、外研削およびテーパ内、外研削を行うことができるようになる。特に、チャックワークにおける外研削と内研削とをワンチャッキングで行うことができるようになる。
これにより、特定の研削ユニットがアタッチメントやオプションとして設けられる従来の研削機に比べて、ワーク研削作業前の準備作業を大幅に簡略化することができる。したがって、ワークの研削作業を効率よく行うことができ、ワークの研削作業時間を短縮することができる。更に、内研削ユニットの内研削砥石を研削機本体に対して設定角度以内で旋回可能にして移動テーブルに対して傾斜する方向に移動可能にしているので、ワークのテーパ内、外研削を更に効率よく行うことができる。また、外研と内研とをワンチャッキングで行うことで、従来のワークのつかみ替え加工より、ワークの同芯度の精度が良好になる。
更に、移動テーブル、ワークヘッド、およびテールストックユニットを、それぞれ、一対の山谷形状のガイドで摺動案内させているので、移動テーブル、ワークヘッド、およびテールストックユニットの各直進精度が高いものとなる。
特に、ワークヘッドおよびテールストックユニットの段取り替え時にはそれぞれワークに合わせて軸方向に移動させる必要があるが、前述のようにワークヘッドおよびテールストックユニットを山谷形状の2条のガイドの摺動案内で移動させているので、ワークヘッドおよびテールストックユニットを安定して高精度に移動させることができ、かつ位置決め精度(同芯度)が高くなる。
しかも、特許文献2に記載の従来の数値制御研削盤のような高価な数値制御による高価な数値制御による研削を行わないので、安価に多能研削機を製造することができる。また、外研削ユニット、内研削ユニット、ワークヘッド、およびテールストックユニットを水平移動および水平旋回の少なくも1つで位置制御しているので、これらを安定して移動あるいは旋回制御を行うことができる。
以下、図面を用いて本考案を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本考案に係る多能研削機の実施の形態の一例を模式的にかつ概略的示す上面図である。
図1に示すように、この例の多能研削機1は、大別して、外研削ユニット2と、内研削ユニット3と、左右テーブル4と、サブテーブル5と、ワークヘッド(主軸台)6と、テールストックユニット(心押台)7とから構成されている。そして、外研削ユニット2、内研削ユニット3、および左右テーブル4が、それぞれ研削機本体1aに設けられている。
外研削ユニット2はワーク(被研削物)の外周面を研削するユニットである。この外研削ユニット2は外研削ユニット本体2aを有しており、この外研削ユニット本体2aは研削機本体1aに、前後方向(図1において上下方向)につまりワークに対して接近および間する方向に水平移動可能に設けられている。外研削ユニット本体2aには外研削スピンドルユニット2bが設けられているとともに、この外研削スピンドルユニット2b内に外研削スピンドル2cが回転可能に収容支持されている。この外研削スピンドル2cには外研削砥石2dが取り付けられており、この外研削砥石2dは外研削スピンドル2cとともに一体回転するようになっている。
また、外研削ユニット本体2aには、外研削スピンドル2cを介して外研削砥石2dを回転させる外研削砥石駆動モータ2eが設けられている。その場合、図示しないが外研削砥石駆動モータ2eの駆動力を外研削スピンドル2cに直接伝達するか、あるいはベルト伝達機構により伝達される。もちろん、他の周知の動力伝達機構を用いることもできる。そして、外研削ユニット本体2aが研削機本体1aに対して前後方向に移動することで、外研削スピンドルユニット2bおよび外研削砥石駆動モータ2eが研削機本体1aに対して前後方向に移動するようになっている。
研削機本体1aの後面には、これらの外研削スピンドルユニット2bおよび外研削砥石駆動モータ2eを一体に前後方向に移動させる外研削前後送りユニット2fが設けられている。その場合、図示しないが外研削前後送りユニット2fは、研削機本体1aに設けられた外研削前後送り駆動モータと、この外研削前後送り駆動モータの回転軸に一体回転可能にかつ同軸に取り付けられた雄ねじ軸と、外研削ユニット本体2aに固定されかつこの雄ねじ軸が螺合する雌ねじ部材とからなっている。そして、外研削前後送りユニット2fは、外研削前後送り駆動モータの駆動力で雄ねじ軸が回転することで、外研削ユニット本体2aが前後方向に移動する。外研削前後送り駆動モータが停止すると、外研削ユニット本体2aはその移動が停止するとともにその位置に保持される。このように、外研削前後送りユニット2fはねじ送り方式に構成されており、このねじ送り方式により外研削砥石2dが前後方向に送り移動される。
内研削ユニット3はワーク(被研削物)の内周面を研削するユニットである。図1および図2(a),(b)に示すように、この内研削ユニット3は内研削ユニット本体3aを有しており、この内研削ユニット本体3aは研削機本体1aに、前後方向につまりワークに対して接近および間する方向に水平移動可能に設けられている。
内研削ユニット本体3aには内研削スピンドルユニット3bが設けられているとともに、この内研削スピンドルユニット3b内に内研削スピンドル3cが回転可能に収容支持されている。内研削スピンドル3cに内研削砥石3dが取り付けられており、この内研削砥石3dは内研削スピンドル3cとともに一体回転するようになっている。
また、内研削ユニット本体3aには、内研削スピンドル3cを介して内研削砥石3dを回転させる内研削砥石駆動モータ3eが設けられている。その場合、図示しないが内研削砥石駆動モータ3eの駆動力を内研削スピンドル3cに伝達する動力伝達機構は、例えば歯車動力伝達機構あるいはベルト動力伝達機構等の従来公知の動力伝達機構で構成される。
内研削ユニット本体3aには内研削ユニット支持部材3fが旋回可能に設けられているとともに、この内研削ユニット支持部材3fに内研削スピンドルユニット3bおよび内研削砥石駆動モータ3eが第1図において左右方向に一体移動可能に設けられている。その場合、内研削ユニット支持部材3fは内研削スピンドルユニット旋回軸3gを中心に、水平面内で図1に示す左右方向の位置から内研削砥石3dが左右テーブル4に向く方向(図1において反時計回り)に設定角度θ1だけ旋回可能に設けられている。この内研削ユニット支持部材3fの旋回機構は、内研削スピンドルユニット旋回軸3gに一体回転可能にかつ同心状に取り付けられたウォームホイール3hと、このウォームホイール3hに噛合するウォーム3iと、このウォーム3iの回転軸に一体回転可能に取り付けられた第1ベベルギヤ3jと、内研削ユニット支持部材3fに回転可能に設けられ、第1ベベルギヤ3jに噛合する第2ベベルギヤ3kと、この第2ベベルギヤ3kを回転させる回転ハンドル3mと、内研削ユニット支持部材3fを旋回可能にまたは旋回不能に設定するロックレバー3nを有する内研削砥石旋回ロック手段3oとから構成されている。
内研削砥石旋回ロック手段3oは雄ねじ軸3pを備えており、この雄ねじ軸3pの図2(b)において左端には、4角形状のフランジ部3rが設けられている。そして、雄ねじ軸3pは内研削ユニット支持部材3fを貫通するとともに、雄ねじ軸3pのフランジ部3rが内研削ユニット本体3aに形成された長穴部3tに収容されている。そして、フランジ部3rは長穴部3tの底部の研削機本体1aに軸方向に係合可能とされているとともに、長穴部3tの側壁に係合することで研削機本体1aに対して相対回転不能にされている。つまり、雄ねじ軸3pは研削機本体1aに対して相対回転不能となっている。ロックレバー3nの一端には雌ねじ部3sが固定されており、この雌ねじ部3sが雄ねじ軸3pに螺合されている。そして、レバー3nの回転操作で雌ねじ部3sが雄ねじ軸3pに対して軸方向に相対移動することにより、内研ユニット本体3aと内研ユニット3fとの締付け固定またはゆるめが行われるようになっている。
そして、ロックレバー3nの一方向の回転操作により、内研削ユニット支持部材3fが雌ねじ部3sによって締め付けられることで、研削機本体1aと雌ねじ部3sとの間に挟圧されて研削機本体1aにロックされる。また、ロックレバー3nの逆方向の回転操作により、内研削ユニット支持部材3fが研削機本体1aと雌ねじ部3sとの間の挟圧が解除されることで、内研削ユニット支持部材3fがロック解除され、内研削ユニット支持部材3fが旋回可能となる。
したがって、通常時は、内研削ユニット支持部材3fは内研削砥石3dが左右方向に向く図1に示す位置に設定され、かつロックレバー3nを一方向に回転させるロック操作で内研削砥石旋回ロック手段3oにより締め付けられてこの位置にロックされている。また、内研削ユニット支持部材3fを設定角度θ1以内で所定角度だけ旋回させる必要があるときは、ロックレバー3nを逆方向に回転させるロック解除操作で内研削砥石旋回ロック手段3oによる内研削ユニット支持部材3fの締付けを緩める。その後、回転ハンドル3mを回転することにより、第2および第1ベベルギヤ3k,3j、ウォーム3i、およびウォームホイール3hを介して内研削ユニット支持部材3fが所定角度だけ旋回される。そして、所定角度の旋回位置に設定された内研削ユニット支持部材3fはロックレバー3nのロック方向の回転操作により締め付けられてこの位置にロックされる。
一方、所定角度の旋回位置に設定された内研削ユニット支持部材3fを、内研削砥石3dが左右方向に向く図1に示す位置に設定する場合には、ロックレバー3nによる内研削ユニット支持部材3fのロック操作およびロック解除は前述と同じように操作するが、回転ハンドル3mによる内研削ユニット支持部材3fの旋回は、回転ハンドル3mを前述と逆方向に回転操作することで行われる。こうして、内研削砥石3dが歯車方式により左右方向に向く位置と、研削機本体1aに対して設定角度θ1以内の所定角度だけ回転した左右テーブル4に向く位置との間で旋回される。
更に、内研削ユニット支持部材3fには、内研削スピンドルユニット3bおよび内研削砥石駆動モータ3eを一体に図1において左右方向に移動させる内研削左右送りモータ3uが設けられている。この内研削左右送りモータ3uの回転軸には、雄ねじ軸3vがこの回転軸と一体回転可能にかつ同軸に取り付けられている。また、内研削スピンドルユニット3bには、雄ねじ軸3vが螺合する雌ねじ部材3wが設けられている。そして、内研削左右送りモータ3uの駆動力で雄ねじ軸3vが回転することで、内研削スピンドルユニット3bおよび内研削砥石駆動モータ3eが一体に左右方向に移動する。したがって、内研削砥石3dもこのねじ送り方式により左右方向に送り移動される。
内研削ユニット本体3aの後面には、これらの内研削ユニット支持部材3f、内研削スピンドルユニット3bおよび内研削砥石駆動モータ3eを一体に前後方向に移動させる内研削前後送りユニット3xが設けられている。その場合、図示しないが内研削前後送りユニット3xは、内研削前後送り駆動モータと、この内研削前後送り駆動モータの回転軸に一体回転可能にかつ同軸に取り付けられた雄ねじ軸と、内研削ユニット支持部材3fに固定されかつこの雄ねじ軸が螺合する雌ねじ部材とからなっている。そして、内研削前後送りユニット3xは、内研削前後送り駆動モータの駆動力で雄ねじ軸が回転することで、内研削ユニット支持部材3fが前後方向に移動する。こうして、内研削前後送りユニット3xはねじ送り方式に構成されており、このねじ送り方式により内研削砥石3dが前後方向に送り移動される。
左右テーブル4は、研削機本体1aに図1および図3(a)において左右方向に水平移動可能に設けられている。つまり、左右テーブル4は外研削ユニット2および内研削ユニット3の移動方向と直交する方向に移動可能であり、本考案の移動テーブルを構成している。
図3(d)に示すように、この左右テーブル4の下面には、一対の山形状のガイド突条4a,4bが形成されている。これらのガイド突条4a,4bはまったく同じ形状かつ同じ寸法に形成され、それらの横断面形状が截頭二等辺三角形状(二等辺台形状)に形成されている。したがって、各ガイド突条4a,4bは、それぞれ、一対の傾斜ガイド面4a1,4a2;4b1,4b2を有している。
一方、研削機本体1aの上面には、左右テーブル4の一対のガイド突条4a,4bに対応する位置に、それぞれ、左右方向に延びる一対の谷形状のガイド凹条1b,1cが形成されている。これらのガイド凹条1b,1cはまったく同じ形状かつ同じ寸法に形成され、それらの横断面形状が逆截頭二等辺三角形状(二等辺台形状)に形成されている。したがって、各ガイド凹条1b,1cは、それぞれ、一対の傾斜ガイド面1b1,1b2;1c1,1c2を有している。
そして、左右テーブル4のガイド突条4a,4bを研削機本体1aの対応するガイド凹条1b,1cに嵌合することで、左右テーブル4が研削機本体1a載置支持される。このとき、左右テーブル4のガイド突条4a,4bの各傾斜ガイド面4a1,4a2;4b1,4b2が、それぞれ研削機本体1aのガイド凹条1b,1cの対応する傾斜ガイド面1b1,1b2;1c1,1c2に面接触しかつ左右方向に相対摺動可能に当接する。こうして、ガイド突条4a,4bとガイド凹条1b,1cとで2条のガイドが形成され、これらの2条のガイドにより、左右テーブル4は研削機本体1aの左右方向に高精度に往復動可能となる。そして、左右テーブル4は、図示しない左右テーブル駆動モータの駆動で左右方向に移動されるとともに、左右テーブル駆動モータの停止時にはその位置に停止保持される。
図1および図3(a)に示すように、左右テーブル4の上面には、左右方向に延びるサブテーブル5(本考案の旋回テーブルに相当)が載置支持されている。このサブテーブル5は左右テーブル4に対して予め設定された旋回角度θ2だけ旋回可能にされている。その場合、左右テーブル4に対するサブテーブル5の旋回角度θ2は、一例として、例えば左右方向の位置から反時計回りに10°、また左右方向の位置から時計回りに3°とされている。
図3(b)ないし(d)に示すように、このサブテーブル5の上面には、左右方向に延びる一対の山形状のガイド突条5a,5bが形成されている。これらのガイド突条5a,5bはまったく同じ形状かつ同じ寸法に形成され、それらの先端部の横断面形状が截頭二等辺三角形状(二等辺台形状)に形成されている。したがって、各ガイド突条5a,5bは、それぞれ、一対の傾斜ガイド面5a1,5a2;5b1,5b2を有している。
図1および図3(d)に示すように、左右テーブル4およびサブテーブル5の左右方向中央部には、サブテーブル旋回支持軸受8が設けられている。図3(d)に示すように、このサブテーブル旋回支持軸受8はT字状の軸受部材8aを備えている。この軸受部材8aは、軸受部が左右テーブル4を軸方向に貫通して左方に突出しかつフランジ部がねじ8b等の適宜の固着具8bにより左右テーブル4に固定されている。左右テーブル4から左方に突出した軸受部材8aの軸受部に、サブテーブル5が左右テーブル4に対して旋回可能に嵌合支持されている。更に、サブテーブル5に台座8cがあてがわれるとともに、締め付けねじ8dがこの台座8cを貫通して軸受部材8aの軸受部に螺合されている。これにより、サブテーブル5の軸方向の抜け止めがされて、サブテーブル5は左右テーブル4に対して旋回可能に保持される。
そして、サブテーブル5は旋回角度の角度目盛り(不図示;角度目盛りが表示された角度目盛り表示板が研削機本体1aに設けられる)に基づいて、例えばねじ式旋回操作手段等の旋回操作手段(不図示;研削機本体1aに設けられる)を操作することで左右テーブル4に対して旋回されて、所望の旋回角度に設定される。これらの角度目盛り表示板および旋回操作手段はいずれも公知のものが用いられる。
図1および図3(a)に示すように、サブテーブル5の左端側の上面には、ワークヘッド(主軸台)6が載置支持されている。このワークヘッド6は、サブテーブル5上に載置支持される支持台座6aと、この支持台座6aに旋回可能に支持されるワークヘッド本体6bとから構成されている。
図3(c)に示すように、支持台座6aの下面には、左右方向に延びる一対の谷形状のガイド凹条6c,6dが形成されている。これらのガイド凹条6c,6dはまったく同じ形状かつ同じ寸法に形成され、それらの横断面形状が截頭二等辺三角形状(二等辺台形状)に形成されている。したがって、各ガイド凹条6c,6dは、それぞれ、一対の傾斜ガイド面6c1,6c2;6d1,6d2を有している。
そして、支持台座6aのガイド凹条6c,6dをそれぞれ対応するサブテーブル5のガイド突条5a,5bに嵌合することで、支持台座6aがサブテーブル5上に載置支持される。このとき、支持台座6aのガイド凹条6c,6dの各傾斜ガイド面6c1,6c2;6d1,6d2が、それぞれサブテーブル5のガイド突条5a,5bの対応する傾斜ガイド面5a1,5a2;5b1,5b2に面接触しかつ左右方向に相対摺動可能に当接する。こうして、ガイド突条5a,5bとガイド凹条6c,6dとで2条のガイドが形成され、これらの2条のガイドにより、支持台座6aつまりワークヘッド6はサブテーブル5上を水平移動可能になっている。
ワークヘッド本体6bは支持台座6aに、この支持台座6aに突設された回転軸6eを中心に旋回可能に設けられている。ワークヘッド本体6bは、図1に示す左右方向の位置から支持台座6aに対して反時計回りに設定角度θ3旋回可能にされている。ワークヘッド本体6bには、先端円錐形状のワークセンタ軸6fがテールストックユニット7の方へ突設されている。このとき、ワークセンタ軸6fの延設方向は、支持台座6aに突設された回転軸6eの中心を通らず、この回転軸6eから所定量オフセットした位置に設定されている。つまり、ワークセンタ軸6fの延設方向は支持台座6aの旋回中心から所定量オフセットして設定される。このワークセンタ軸6fは、ワークの研削の際にこのワークのセンタを出すようになっている。
また、ワークヘッド本体6bには、公知のケレー6gがワークセンタ軸6fと同軸にかつ着脱可能に、更には回転可能に設けられている。このケレー6gは、軸物のワークの外研削の際にこのワークの一端部を支持するとともに図示しないケレー駆動モータによって回転駆動されることでワークを回転するようになっている。
更に、ワークヘッド本体6bには、公知のワークチャック6hがワークセンタ軸6fと同軸にかつ回転可能に設けられている。このワークチャック6hは、ワークの内研削の際にこのワークの一端部を支持するとともに図示しないワークチャック駆動モータによって回転駆動されることでワークを回転するようになっている。その場合、ケレー6gとワークチャック6hは、それぞれ同じ駆動モータで駆動されるようになっている。つまり、ケレー駆動モータとワークチャック駆動モータは同じ駆動モータが用いられる。
更に、ワークヘッド本体6bには、公知のワークチャック6hがワークセンタ軸6fと同軸にかつ回転可能に設けられている。このワークチャック6hは、ワークの内研削の際にこのワークの一端部を支持するとともに図示しないワークチャック駆動モータ
図1および図3(a),(c)に示すように、サブテーブル5およびワークヘッド6には、ワークヘッド本体6bをサブテーブル5に対して所定位置に移動した状態にロックするとともにサブテーブル5に対して設定角度θ3以内で所定角度だけ旋回した状態にロックするワークヘッド移動旋回ロック手段9が設けられている。図3(c)に示すように、このワークヘッド移動旋回ロック手段9は、実質的に前述の内研削砥石旋回ロック手段3oと同じ構成のロック手段である。したがって、このワークヘッド移動旋回ロック手段9の詳細な説明は省略するが、一応、簡単に説明する。このワークヘッド移動旋回ロック手段9のロックレバー9aの一方向の回転操作で、サブテーブル5、支持台座6a、およびワークヘッド本体6bがともに左右テーブル4に押し付けられて締め付けられることで、サブテーブル5、支持台座6a、およびワークヘッド本体6bが左右テーブル4にロックされる。
これにより、サブテーブル5、支持台座6a、およびワークヘッド本体6bが左右テーブル4に対して左右方向移動および旋回がともに不能となる。また、ロックレバー9aの逆方向の回転操作で、サブテーブル5、支持台座6a、およびワークヘッド本体6bの締め付けが解除されることで、これらのサブテーブル5、支持台座6a、およびワークヘッド本体6bがロック解除され、サブテーブル5、支持台座6a、およびワークヘッド本体6bが左右テーブル4に対して左右方向に移動可能になるとともに、ワークヘッド本体6bが支持台座6aに対して旋回可能となる。その場合、ワークヘッド移動旋回ロック手段9の雄ねじ軸9bは、図1および図3(a),(c)に示すようにサブテーブル5に設けられた軸方向溝5cに沿って左右方向に移動する。
図1および図3(a)に示すように、サブテーブル5の右端側の上面には、テールストックユニット(心押台)7が載置支持されている。このテールストックユニット7は、サブテーブル5上に載置支持される支持台座7aと、この支持台座7aに突設されたテールストックユニット本体7bとから構成されている。
図3(b)に示すように、支持台座7aの下面には、左右方向に延びる一対のガイド凹条7c,7dが形成されている。これらのガイド凹条7c,7dはまったく同じ形状かつ同じ寸法に形成され、それらの横断面形状が截頭二等辺三角形状(二等辺台形状)に形成されている。したがって、各ガイド凹条7c,7dは、それぞれ、一対の傾斜ガイド面7c1,7c2;7d1,7d2を有している。
なお、ガイド凹条1b,1c、ガイド突条4a,4b;5a,5b、およびガイド凹条6c,6d;7c,7dは、いずれも、横断面形状が截頭二等辺三角形状(二等辺台形状)以外に例えば三角形状等に形成することもできる。また、ガイド突条およびガイド凹条は、互いに逆の関係、つまりガイド突条をガイド凹条に形成しかつガイド凹条をガイド突条に形成することもできる。
そして、支持台座7aのガイド凹条7c,7dをそれぞれ対応するサブテーブル5のガイド突条5a,5bに嵌合することで、支持台座7aがサブテーブル5上に載置支持される。このとき、支持台座7aのガイド凹条7c,7dの各傾斜ガイド面7c1,7c2;7d1,7d2が、それぞれサブテーブル5のガイド突条5a,5bの対応する傾斜ガイド面5a1,5a2;5b1,5b2に左右方向に相対摺動可能に当接する。こうして、ガイド突条5a,5bとガイド凹条7c,7dとで2条のガイドが形成され、これらの2条のガイドにより、支持台座7aつまりテールストックユニット7はサブテーブル5上を水平移動可能になっている。
支持台座7aに立設されたテールストックユニット本体7bには、先端円錐形状のワークセンタ軸7eがワークヘッド6の方へ突設されている。図1および図3(a)に示すように、このワークセンタ軸7eは、ワークヘッド6のワークセンタ軸6fの軸方向が左右方向に向いて設定されている状態では、ワークセンタ軸6fと同一軸上に位置するようにされている。そして、これらの両ワークセンタ軸6f,7eは、ワークの研削の際に協働してこのワークのセンタを出すようになっている。
また、テールストックユニット本体7bには、公知のワークセンタ出し量調整手段7fが設けられている。このワークセンタ出し量調整手段7fは、センタ出し量調整ハンドル7gを備えている。このセンタ出し量調整ハンドル7gを回転操作することで、ワークセンタ軸7eがテールストックユニット本体7bに対して前後方向に微小移動されてワークセンタ軸7eのセンタを前後方向に微調整される。
更に、 図1および図3(a),(b)に示すように、サブテーブル5およびテールストックユニット7には、テールストックユニット7をサブテーブル5に対して所定位置に移動させた状態にロックするテールストックユニット移動ロック手段10が設けられている。図3(b)に示すように、このテールストックユニット移動ロック手段10は、実質的に前述の内研削砥石旋回ロック手段3oと同じ構成のロック手段である。したがって、このテールストックユニット移動ロック手段10の詳細な説明は省略するが、一応、簡単に説明する。このテールストックユニット移動ロック手段10のロックレバー10aの一方向の回転操作で、テールストックユニット7がサブテーブル5に押し付けられて締め付けられることで、このサブテーブル5にロックされる。これにより、テールストックユニット7がサブテーブル5に対して左右方向移動が不能となる。
また、ロックレバー10aの逆方向の回転操作で、サブテーブル5およびテールストックユニット7の締め付けが解除されることで、これらのサブテーブル5およびテールストックユニット7がロック解除され、テールストックユニット7がサブテーブル5に対して左右方向に移動可能になる。その場合、テールストックユニット移動ロック手段10の雄ねじ軸10bは、図1および図3(a),(b)に示すようにサブテーブル5に設けられた軸方向溝5dに沿って左右方向に移動する。
図3(a)および(e)に示すように、サブテーブル5は左右テーブル4に対してL字状の固定部材11によって固定可能となっている。すなわち、固定部材11が左右テーブル4の上面とサブテーブル5のフランジ部の上面との間にあてがわれた状態で、固定部材11を貫通するボルト12が左右テーブル4の螺合締結されることで、ボルト12の頭部が固定部材11を押圧する。これにより、固定部材11がサブテーブル5のフランジ部を左右テーブル4との間に挟圧するので、サブテーブル5は左右テーブル4に旋回不能にロックされる。このボルト12がゆるめられることで、サブテーブル5は左右テーブル4に対してロック解除され旋回可能となる。すなわち、固定部材11とボルト12とにより、サブテーブル5を左右テーブル4に対して前述の旋回角度θ2の範囲で所望角度だけ旋回した状態にロックするサブテーブル旋回ロック手段(旋回テーブル旋回ロック手段)が構成されている。
次に、このように構成された多能研削機1による研削作動について説明する。
(軸物ワークの軸方向の外研削)
多能研削機1の通常の非作動時、多能研削機1はほぼ図1に示す状態に設定されている。すなわち、サブテーブル5が左右テーブル4と同じ左右方向に向くように設定されて左右テーブル4にロックされているとともに、ワークヘッド6のワークセンタ軸6fが図1に示す左右方向に向くように設定されている。また、内研削スピンドルユニット3bが図示の上方位置にかつ左右方向に向くように設定されている。なお、図1には外研削スピンドルユニット2bが下方の研削位置に示されているが、通常の非作動時は、外研削スピンドルユニット2bは、内研削スピンドルユニット3bの上方位置とほぼ同じ上方位置(後述の図7に示す位置)に設定される。
軸物のワークWの軸方向の外研削を行う場合には、図4に示すように、まず、ワークWの左端の中心をワークセンタ軸6fに当接させかつワークWの左端部をケレー6gに相対回転不能に支持させる。また、テールストックユニット7を左方に移動させて、そのワークセンタ軸7eにワークWの右端の中心を当接させる。この状態で、テールストックユニット7をテールストックユニット移動ロック手段10で左右テーブル4とサブテーブル5とに締め付けてロックする。こうして、ワークWが両ワークセンタ軸6f,7eによってセンタリングされて、ワークヘッド6とテールストックユニット7との間に支持される。
次に、ケレー駆動モータでケレー6gを回転駆動してワークWを回転させるとともに、外研削スピンドルユニット2bの外研削砥石2dを回転させる。次いで、外研削前後送りユニット2fを駆動して外研削スピンドルユニット2bを下降することで、外研削砥石2dをワークWに接近させる。そして、外研削砥石2dがワークWに対して所定の切込みとなる位置で外研削スピンドルユニット2bを停止しかつ固定する。同時に、左右テーブル4を左右テーブル駆動モータで所定距離往復動させることで、ワークWの軸方向の外研削を行う。
(両センタによるワークのテーパ外研削)
ワークWの軸方向に対して傾斜するテーパ外研削を行う場合には、ワークWをワークヘッド6とテールストックユニット7との間に支持させるまでは、前述の軸物ワークの軸方向の外研削の場合と同じである。
ワークWをワークヘッド6とテールストックユニット7との間に支持させた後、ボルト12をゆるめて固定部材11によるサブテーブル5のロックを解除するとともに、旋回操作手段の操作でサブテーブル5をワークWのテーパ外研削のテーパ角に対応した角度だけ付設された角度目盛りに基づいて、図5に示すようにサブテーブル旋回支持軸受8の旋回させ、その後ボルト12を緊締してサブテーブル5を左右テーブル4に対して固定部材11によりロックする。次に、前述の軸物ワークの軸方向の外研削の場合と同様にして、所定の切込みが与えられた外研削砥石2dでワークWのテーパ外研削を行う。
(ワークチャックによるワークのテーパ外研削)
多能研削機1の通常の非作動状態から、ワークチャック6hによるワークWのテーパ外研削を行う場合には、まず、ワークWを図1に示す状態にあるワークヘッド6のワークチャック6hに、図6に示すようにワークWを取付固定する。このとき、ワークWのワークチャック6hへの取付の際にケレー6gが干渉して邪魔になる場合には、このケレー6gを予め取り外す。なお、図6、後述の図7および8は、図1に比し部材の一部を省略して簡略的に記載されている。
ワークWをワークチャック6hに取付固定した後、ワークヘッド移動旋回ロック手段9でワークヘッド6のロックを解除するとともに、図6に示すようにワークWのテーパ外研削のテーパ角に対応した角度だけ付設された角度表示に基づいて回転させ、その後ワークヘッド移動旋回ロック手段9でワークヘッド6をサブテーブル5に対してロックする。次いで、ワークWのテーパ外研削面が外研削砥石2dに対応する位置に来るまで、左右テーブル4を右方へ移動する。
次に、ワークチャック駆動モータでワークチャック6hを回転駆動してワークWを回転させるとともに、外研削スピンドルユニット2bの外研削砥石2dを回転させる。次いで、外研削前後送りユニット2fを駆動して外研削スピンドルユニット2bを下降することで、外研削砥石2dをワークWに接近させる。そして、外研削砥石2dがワークWに対して所定の切込みとなる位置で外研削スピンドルユニット2bを停止しかつ固定する。同時に、左右テーブル4を所定距離往復動させることで、ワークチャック6hによるワークWのテーパ外研削を行う。
(ワークの軸方向の内研削)
多能研削機1の通常の非作動状態から、ワークWの円筒状部の軸方向の内研削を行う場合には、図7に示すように、まず、ワークWをワークチャック6hに取付固定する。このとき、ワークWのワークチャック6hへの取付の際にケレー6gが干渉して邪魔になる場合には、このケレー6gを予め取り外す。また、テールストックユニット移動ロック手段10でテールストックユニット7のロックを解除し、テールストックユニット7をサブテーブル5から取り外す。次いで、内研削前後送りユニット3xを駆動して内研削スピンドルユニット3bを内研削位置より若干下方位置、つまり内研削砥石3dがワークWの円筒状部内の内周面の研磨可能な位置となるように下降させる。
ワークWの円筒状部の内研削面が内研削砥石3dに対応する位置に来るまで、左右テーブル駆動モータで左右テーブル4を右方へ移動する。次に、ワークチャック駆動モータでワークチャック6hを回転駆動してワークWを回転させるとともに、内研削スピンドルユニット3bの内研削砥石3dを回転させる。次いで、内研削前後送りユニット3xを駆動して内研削スピンドルユニット3bを下降させ、内研削砥石3dがワークWの内周面に対して所定の切込みとなる位置で内研削スピンドルユニット3bを停止しかつ固定する。同時に、内研削スピンドルユニット3bを左右往復動させることで、ワークWの円筒状部の軸方向の内研削を行う。なお、内研スピンドルユニット3bを左右往復動させてワークWの円筒状部の軸方向の内研削を行うこともできるようになっている。
その場合、特小径のワークWを内研削する場合には、内研削砥石3dの径が小さくなることから内研削砥石3dを支持する砥石軸の径も更に小さくなるため、研削抵抗の変動等により砥石軸がたわむ。この砥石軸のたわみにより、ワークWの軸芯に対して微小の切込角度が変更されることにより、ワークWの特小径の内研削の場合にも、高精度の円筒度仕上げが可能となる。
(ワークのテーパ内研削)
多能研削機1の通常の非作動状態から、ワークWの円筒状部のテーパ内研削を行う場合には、図8に示すように、まず、ワークWをワークチャック6hに取付固定する。このとき、ワークWのワークチャック6hへの取付の際にケレー6gが干渉して邪魔になる場合には、このケレー6gを予め取り外す。また、テールストックユニット移動ロック手段10でテールストックユニット7のロックを解除し、テールストックユニット7をサブテーブル5から取り外す。
次いで、内研削ユニット支持部材3fの内研削砥石旋回ロック手段3oで内研削ユニット支持部材3fのロックを解除する。その後、回転ハンドル3mを操作して、内研削ユニット支持部材3fおよび内研削スピンドルユニット3bをワークWのテーパ内研削のテーパ角に対応した角度だけ付設された角度表示に基づいて回転させる。その後、内研削砥石旋回ロック手段3oで内研削ユニット支持部材3fを内研削ユニット本体3aに対してロックする。
次に、内研削前後送りユニット3xを駆動して内研削スピンドルユニット3bを内研削位置より若干下方位置、つまり内研削砥石3dがワークWの円筒状部内のテーパ状内周面の研磨可能な位置となるように下降させる。
次いで、ワークヘッド移動旋回ロック手段9でワークヘッド6のロックを解除して、ワークヘッド6をサブテーブル5に対して所定量右方に移動させ、その後、ワークヘッド移動旋回ロック手段9でワークヘッド6をサブテーブル5に再びロックする。このとき、ワークWの軸方向が左右方向に設定維持される。更に、ワークWの内研削面が内研削砥石3dに対応する位置に来るまで、左右テーブル駆動モータで左右テーブル4を右方へ移動する。次に、ワークチャック駆動モータでワークチャック6hを回転駆動してワークWを回転させるとともに、内研削スピンドルユニット3bの内研削砥石駆動モータで内研削砥石3dを回転させる。次いで、内研削前後送りユニット3xを駆動して内研削スピンドルユニット3bを昇降させ、内研削砥石3dがワークWの内周面に対して所定の切込みとなる位置で内研削スピンドルユニット3bを停止しかつ固定する。最後に、内研削左右送りモータ3uを駆動して、内研削スピンドルユニット3bを所定距離往復動させる、つまり内研削砥石3dを所定距離往復動させることで、ワークWのテーパ内研削を行う。
このように構成されたこの例の多能研削機1によれば、ワークWの外周面を研削する外研削ユニット2、ワークWの内周面を研削する内研削ユニット3、およびワークWを研削機本体1aに対して左右方向に移動可能な左右テーブル4を備えるとともに、左右テーブル4に支持されたサブテーブル5でワークWを左右テーブル4に対して設定角度θ2以内で旋回可能に、かつワークヘッド本体6bをサブテーブル5に対して設定角度θ3以内で旋回可能にしているので、軸物ワークや円筒状ワーク等のワークWの内、外周面の軸方向内、外研削およびワークWのテーパ内、外研削を行うことができるようになる。そのうえ、内研削ユニット3の内研削砥石3dを研削機本体1aに対して設定角度θ1以内で旋回可能にして左右テーブル4に対して傾斜する方向に移動可能にしているので、ワークWのテーパ内、外研削を更に効率よく行うことができる。特に、チャックワークにおける外研削と内研削とをワンチャッキングで行うことができるようになる。
これにより、特定の研削ユニットがアタッチメントやオプションとして設けられる従来の研削機に比べて、ワーク研削作業前の準備作業を大幅に簡略化することができる。したがって、ワークWの研削作業を効率よく行うことができ、ワークWの研削作業時間を短縮することができる。特に、内研削ユニットの内研削砥石を研削機本体に対して設定角度以内で旋回可能にして移動テーブルに対して傾斜する方向に移動可能にしているので、ワークWのテーパ内、外研削を更に効率よく行うことができる。また、外研と内研とをワンチャッキングで行うことで、従来のワークWのつかみ替え加工より、ワークWの同芯度の精度が良好になる。
更に、一対のガイド突条4a,4bの各傾斜ガイド面4a1,4a2;4b1,4b2と一対のガイド凹条1b,1cの各傾斜ガイド面1b1,1b2;1c1,1c2とにより、左右テーブル4を山谷形状の2条のガイドの面接触により研削機本体1aに対して摺動案内し、また、一対のガイド突条5a,5bの各傾斜ガイド面5a1,5a2;5b1,5b2と一対のガイド凹条6c,6dの各傾斜ガイド面6c1,6c2;6d1,6d2とにより、ワークヘッド6を山谷形状の2条のガイドの面接触により左右テーブル5に対して摺動案内し、更に、一対のガイド突条5a,5bの各傾斜ガイド面5a1,5a2;5b1,5b2と一対のガイド凹条7c,7dの各傾斜ガイド面7c1,7c2;7d1,7d2とにより、テールストックユニット7を山谷形状の2条のガイドの面接触により左右テーブル5に対して摺動案内しているので、左右テーブル4、ワークヘッド6、およびテールストックユニット7の各直進精度が高いものとなる。
特に、ワークヘッド6およびテールストックユニット7の段取り替え時にはそれぞれワークWに合わせて軸方向に移動させる必要があるが、前述のようにワークヘッド6およびテールストックユニット7を山谷形状の2条のガイドの摺動案内で移動させているので、ワークヘッド6およびテールストックユニット7を安定して高精度に移動させることができ、かつ位置決め精度(同芯度)が高くなる。
更に、ワークWの特小径の内研削の場合、砥石の径が小さいことから砥石軸の径も更に小さくなるため、研削抵抗の変動等により砥石軸がたわみ、このワークWの軸芯に対して微小の切込角度を替えることができる。これにより、ワークWの特小径の内研削の場合にも、高精度の円筒度仕上げが可能となる。
しかも、特許文献2に記載の従来の数値制御研削盤のような高価な数値制御による研削を行わないので、安価に多能研削機を製造することができる。
また、外研削ユニット2、内研削ユニット3、左右テーブル4、サブテーブル5、ワークヘッド6、およびテールストックユニット7を水平移動および水平旋回の少なくも1つで位置制御しているので、これらを安定して移動あるいは旋回制御を行うことができる。
なお、前述の実施の形態の例では、内研削砥石旋回ロック手段3o、ワークヘッドワークヘッド移動旋回ロック手段9、テールストックユニット移動ロック手段10、および固定部材11とボルト12によるサブテーブル旋回ロック手段は、いずれもねじ締め付け式ロック手段としているが、本考案はこれに限定されるものではなく、各ロック手段として他の公知のロック手段を採用することもできる。
また、前述の実施の形態の例では、内研削ユニット支持部材3f、サブテーブル5、およびワークヘッド本体6bが、いずれもそれらの左右方向の位置から反時計回りに旋回可能としているが、、これらはいずれもそれらの左右方向の位置から時計回りにも旋回可能にすることもできる。
本考案の多能研削機は、例えば被研削物(ワーク)である軸物ワークの外周面を軸方向に沿って研削する軸方向外研削や同じく軸物ワークの外周面を軸方向に対して傾斜して研削するテーパ外研削、円筒状ワークの外周面の軸方向外研削やテーパ外研削、および円筒状ワークの内周面の軸方向内研削やテーパ内研削のいずれをも求められる多能研削機に好適に利用することができる。
本考案に係る多能研削機の実施の形態の一例を模式的にかつ概略的示す上面図である。 図1における内研削ユニットの旋回ロック手段を示す部分拡大図である。 図1におけるワークヘッドとテールストックユニットとを示し、(a)は上面図、(b)は(a)におけるIIIB−IIIBに沿う断面図、(c)は(a)におけるIIIC−IIICに沿う断面図、(d)は(a)におけるIIID−IIIDに沿う断面図、(e)は(a)におけるIIIE方向から見た図である。 図1に示す多能研削機による軸物ワークの軸方向の外研削の説明図である。 図1に示す多能研削機による軸物ワークのテーパ外研削の説明図である。 図1に示す多能研削機のチャック保持によるワークのテーパ外研削の説明図である。 図1に示す多能研削機のチャック保持によるワークの軸方向の内研削の説明図である。 図1に示す多能研削機のチャック保持によるワークのテーパ内研削の説明図である。
符号の説明
1…多能研削機、1a…研削機本体、1b,1c…ガイド凹条、2…外研削ユニット、2a…外研削ユニット本体、2b…外研削スピンドルユニット、2d…外研削砥石2、2e…外研削砥石駆動モータ、2f…外研削前後送りユニット、3…内研削ユニット、3a…内研削ユニット本体、3b…内研削スピンドルユニット、3d…内研削砥石、3e…削砥石駆動モータ、3o…内研削砥石旋回ロック手段、3x…内研削前後送りユニット、4…左右テーブル、4a,4b…ガイド突条、5…サブテーブル、5a,5b…ガイド突条、5c,5d…軸方向溝、6…ワークヘッド(主軸台)、6b…ワークヘッド本体、6c,6d…ガイド凹条、6f…ワークセンタ軸、6g…ケレー、7…テールストックユニット(心押台)、7b…テールストックユニット本体、7c,7d…ガイド凹条、7e…ワークセンタ軸、8…サブテーブル旋回支持軸受、9…ワークヘッド移動旋回ロック手段、10…テールストックユニット移動ロック手段、11…固定部材、12…ボルト

Claims (5)

  1. 研削機本体と、回転して被研削物(ワーク)の外周面を研削する外研削砥石を有しかつ前記研削機本体に前記被研削物に接近および離間方向に移動可能に設けられた外研削ユニットと、回転して前記被研削物の内周面を研削する内研削砥石を有しかつ前記研削機本体に前記被研削物に接近および離間方向に移動可能に設けられた内研削ユニットと、前記研削機本体に前記外研削ユニットおよび前記内研削ユニットの各移動方向と直交する方向に移動可能に設けられた移動テーブルと、前記移動テーブルに旋回可能に設けられた旋回テーブルと、前記旋回テーブルに移動可能にかつ旋回可能に設けられかつ前記ワークの一端側を保持してこのワークを回転させるワークヘッド(主軸台)と、前記旋回テーブルに移動可能にかつ取り外し可能に設けられかつ前記ワークの他端側を支持するテールストックユニット(心押台)とを備えることを特徴とする多能研削機。
  2. 前記研削機本体に対する前記移動テーブルの移動構成および前記旋回テーブルに対する前記ワークヘッドおよび前記テールストックユニットの各移動構成は、それぞれ、それらの移動方向に延びる一対の山谷形状のガイドを有することを特徴とする請求項1記載の多能研削機。
  3. 前記旋回テーブルを前記移動テーブルに対して所定角度旋回した状態にロックする旋回テーブル旋回ロック手段と、前記ワークヘッドを前記移動テーブルに対して所定位置に移動した状態にロックするとともに前記移動テーブルに対して所定角度旋回した状態にロックするワークヘッド移動旋回ロック手段と、前記テールストックユニットを前記移動テーブルに対して所定位置に移動した状態にロックするテールストックユニット移動ロック手段とを備えることを特徴とする請求項1または記載の多能研削機。
  4. 前記内研削砥石は前記研削機本体に対し旋回して前記移動テーブルの移動方向に対して傾斜する方向に移動可能となっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の多能研削機。
  5. 前記内研削砥石を前記研削機本体に対して所定角度旋回した状態にロックする内研削砥石旋回ロック手段を備えることを特徴とする請求項4記載の多能研削機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018176298A (ja) * 2017-04-04 2018-11-15 株式会社ジェイテクト 研削盤
CN112605732A (zh) * 2020-12-29 2021-04-06 广州市敏嘉制造技术有限公司 一种静压尾座结合的超精密内外圆复合磨床

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