JP3135842B2 - 遠赤外線放射体及びその製造方法 - Google Patents

遠赤外線放射体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温遠赤外線放射
性を有する石英片岩を含んでなる遠赤外線放射体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、遠赤外線は効率
のよい加熱方式として注目されており、例えばジルコニ
アやチタニアなどの遠赤外線セラミックを用いたヒータ
等が供されている。また、遠赤外線を、熱エネルギーと
して利用する他にも、その殺菌,防菌作用(抗酸化作
用)を各分野に利用することも考えられてきている。と
ころが、遠赤外線セラミック等の従来用いられていた遠
赤外線放射物質は、高温に加熱されることによって遠赤
外線を放射するものであって、他の熱源によって加熱す
ることが不可欠となっていた。
【0003】これに対し、本発明者は、石英片岩のなか
の一部に、一般の自然石や遠赤外線セラミックには決し
て存在しない性質であるところの、常温(20℃以下の
低温)にて遠赤外線を放射する性能を有したものが存在
することを知見したのである。この場合、そのような優
れた性能を有する遠赤外線放射物質であっても、採石し
たままの砂礫状では、遠赤外線照射効率が悪く、また商
品価値も低い。このため、上記した常温での遠赤外線放
射性を有する石英片岩を粉砕して粉体状とし、この粉体
を小袋にパック詰めにして用いることを考えた。
【0004】しかしながら、上記した常温での遠赤外線
放射性を有する石英片岩の粉体をパック詰めにしたもの
でも、工業製品として品質が安定せず、また、製品形状
の自由度は低く、取り扱いにくくて商品とするに際して
の制約が大きいものとなっていた。そこで、更に本発明
者は、上記粉体をプラスチックに混ぜて固めることによ
り所定の形状(例えばプレート状やタブレット状)の製
品とすることを試みたが、所定形状に成形することは可
能であったものの、上記パック詰めに比べて遠赤外線放
射効果に劣るものとなってしまった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みて成されたもの
で、その目的は、常温にて高効率な赤外線の放射を可能
とし、しかも、安定した品質が得られると共に取扱い等
が容易で各種用途に有効に利用することができる遠赤外
線放射体及びその製造方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、愛知県の北
東部(北設楽郡設楽町)に位置する出来山及びその近傍
にて採掘される石英片岩が、一般の自然石や遠赤外線セ
ラミック等には決して存在しない性質であるところの、
20℃以下の低温(常温)においても十分な遠赤外線放
射性能を有する事実を知見した。この石英片岩は、現在
の一般的な分析方法によれば、SiO2 が80〜90重
量%、Al2 O3 が8〜9重量%、Fe2 O3 が0.7
〜0.8重量%を含み、その他、微量のTiO2 ,Ca
O,MgO,K2 O,Na2 O等を含むものである。
【0007】さらに、本発明者は、このような石英片岩
の常温遠赤外線放射性能を効果的に取出すと共に、品質
を安定させ且つ取扱い性や形状の自由度を高めて製品と
しての価値を高めるべく試作,研究を重ね、上記石英片
岩を粉体とすると共に、これをステンレス鋼の粉体と組
合わせることにより、遠赤外線放射効果が一層増大する
ことや、成形及び焼結により任意の形状とすることがで
きることを確認するに至り、本発明を成し遂げたのであ
る。
【0008】本発明の遠赤外線放射体は、ステンレス鋼
粉体に、常温遠赤外線放射性を有する石英片岩を粉砕し
た原石粉体を混合した状態で焼結させた構成に特徴を有
するものである(請求項1の発明)。
【0009】これによれば、常温遠赤外線放射性を有す
る石英片岩を粉砕して粉体としているので、砂礫状のま
まの場合に比べて表面積を飛躍的に大きくすることがで
き、遠赤外線の放射効率を極めて大きくすることができ
る。また、この原石粉体をステンレス鋼粉体と組合わせ
ることにより、遠赤外線の放射がより一層促進されるよ
うになることが確認されたのである。これは、ステンレ
ス鋼粉体が高温で処理されることにより、いわゆる情報
転写が行われて、ステンレス鋼自体からの遠赤外線放射
が活発に行われるようになるためであると推測される。
【0010】そして、これらステンレス鋼粉体及び原石
粉体を、混合して焼結させるものであるから、所定形状
に成形して焼結させることによって、例えばプレート状
やタブレット状など任意形状とすることができる。従っ
て、安定した品質が得られると共に、製品を時や場所を
選ばずに使用することができ、身に着けたり持ち運んだ
りすることも可能となるなど、製品としての取扱い性等
も向上させることができる。尚、上記ステンレス鋼粉体
及び原石粉体の粒度は、75μ〜35μ程度が望まし
く、それより粗過ぎても細か過ぎても、遠赤外線放射効
果や成形性等に劣るものとなる。
【0011】また、本発明の遠赤外線放射体は、遠赤外
線セラミックのような別の熱源による加熱を行わずとも
済むので、安価で効率的に遠赤外線を取出すことができ
る。ちなみに、本発明の遠赤外線放射体は、遠赤外線の
波長領域のほぼ全域(波長3〜25μ)において、全放
射率が80%以上となり、大きな放射率が得られること
が判明している。また、この遠赤外線放射体は、加熱す
ることにより、遠赤外線の放射量を飛躍的に増大させる
ことができる。
【0012】この場合、本発明者の研究によれば、ステ
ンレス鋼粉体と原石粉体との混合割合を、6:4〜8:
2の範囲とすることが好ましいことが明らかとなった
(請求項2の発明)。上記範囲を越えてステンレス鋼粉
体を多くすると、十分な遠赤外線放射効果を得ることが
できず、一方、上記範囲を越えて原石粉体を多くして
も、やはり十分な遠赤外線放射効果を得ることができな
くなる。また、上記範囲内であれば、十分な遠赤外線放
射効果を得ることができるのであるが、なかでも、ステ
ンレス鋼粉体と原石粉体との混合割合を7:3程度とす
ることが最も優れた遠赤外線放射効果を得ることができ
た。
【0013】さらには、ステンレス鋼には各種が存在す
るが、本発明者の研究によれば、上記ステンレス鋼粉体
として採用する種類としては、例えばSUS316等の
Cr,Ni,Moを含んだオーステナイト系が最も適し
ていることが明らかとなった(請求項3の発明)。
【0014】そして、本発明の遠赤外線放射体の製造方
法は、常温遠赤外線放射性を有する石英片岩を粉砕して
原石粉体を得る粉砕工程と、前記原石粉体をステンレス
鋼粉体及びバインダーと共に混合して成形材料を得る混
合工程と、前記成形材料を加圧成形して成形品を得る成
形工程と、前記成形品を非酸化雰囲気下で加熱して焼結
させる焼成工程とを含むところに特徴を有する(請求項
4の発明)。
【0015】これによれば、粉砕工程において原石粉体
が得られ、混合工程においてその原石粉体がステンレス
鋼粉体及びバインダーと混合されて成形材料となり、成
形工程においてその成形材料が所定形状に成形され、焼
成工程において成形材料が焼結されることにより、遠赤
外線放射体が得られる。これにて、上記したような優れ
た特長を有する遠赤外線放射体を、比較的簡単な工程
で、安価に製造し得るものである。
【0016】また、この場合、本発明者の研究によれ
ば、上記焼成工程における焼成温度を750℃〜115
0℃とすることが望ましく、特に1150℃程度の高温
で焼結させることが最も望ましいことが確認された(請
求項5の発明)。
【0017】ところで、本発明の遠赤外線放射体は、遠
赤外線による加熱作用により、特に人体に対する温湿布
効果が得られるので、人体の各部の血行促進ひいては疲
労回復等を図ることができ製品として利用することがで
きる。また、遠赤外線の殺菌,防菌作用を利用して、水
や空気の浄化,活性化、油の浄化、除菌や防臭等のため
の製品として利用することができる等、様々な用途に利
用することができるものである。
【0018】尚、上記した石英片岩が常温において十分
な遠赤外線を放射する要因は、構造線の近傍であるなど
地理的,地層的な理由により生成時等において一般の石
英片岩と異なる性質を得たものであると推測され、単純
に上記した成分組成のみにあるものとは考え難い。なぜ
ならば、この石英片岩とほぼ同等の成分組成を有する他
の自然石にはそのような性質がなく、また、原料を上記
組成と同一に調製して焼成したセラミックも、やはりそ
のような性質がないからである。従って、この種の一部
の石英片岩が、常温において十分な遠赤外線放射性能を
有する要因の解明は、今後の新たな研究等を待つ必要が
あると考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を参照しながら説明する。図2(a),(b)は、
本実施例に係る遠赤外線放射体1,2の外観を夫々示し
ている。これら遠赤外線放射体1,2は、後述するよう
に、ステンレス鋼粉体に、常温遠赤外線放射性を有する
石英片岩を粉砕した原石粉体を混合した状態で焼結して
なるものであり、(a)に示す遠赤外線放射体1は例え
ば直径数mm〜1cm程度のタブレット(ペレット)状に構
成され、(b)に示す遠赤外線放射体2は縦横各数cm程
度の矩形プレート状に構成されている。
【0020】図1は、上記遠赤外線放射体1,2の製造
工程を概略的に示すものであり、以下、この工程につい
て順に述べる。まず、原料となる石英片岩Aは、例えば
愛知県の北東部(北設楽郡設楽町)に位置する出来山及
びその近傍にて採掘されるものであり、一般の自然石や
遠赤外線セラミック等には決して存在しない性質である
ところの、20℃以下の低温(常温)においても十分な
遠赤外線を放射する性質を存している。
【0021】この石英片岩Aは、現在の一般的な分析方
法によれば、SiO2 が80〜90重量%、Al2 O3
が8〜9重量%、Fe2 O3 が0.7〜0.8重量%を
含み、その他、微量のTiO2 ,CaO,MgO,K2
O,Na2 O等を含むものである。次の表1には、この
種の石英片岩Aの2種類のサンプルに関しての成分分析
結果を示している。
【0022】
【表1】
【0023】粉砕工程P1では、前記石英片岩Aを粉粒
状に粉砕することが行われる。この粉砕工程P1では、
例えば汎用の乾式の粉砕機(ミル)を用いて、粒度が例
えば75μ〜35μ程度を目標として粉砕が行われる。
これにて、石英片岩Aを粉砕した原石粉体Bが得られ
る。
【0024】次の混合工程P2では、前記原石粉体B
と、ステンレス鋼粉体Cと、所要量のバインダーDと
を、例えば混合機を用いて混合することが行われる。こ
の場合、前記ステンレス鋼粉体Cとしては、Cr,N
i,Moを含んだオーステナイト系が適し、ここではS
US316が用いられている。また、このステンレス鋼
粉体Cも、前記原石粉体Bと同等の粒度(例えば75μ
〜35μ程度)とされている。尚、前記バインダーDと
しては、例えばアルコール処理されたPBDボンドが用
いられる。
【0025】また、このとき、ステンレス鋼粉体Cと原
石粉体Bとの混合割合は、6:4〜8:2の範囲とする
ことが望ましく、そのうちでも、7:3程度とすること
が最も望ましい。上記範囲を越えてステンレス鋼粉体B
を多くすると、十分な遠赤外線放射効果を得ることがで
きず、一方、上記範囲を越えて原石粉体Bを多くして
も、やはり十分な遠赤外線放射効果を得ることができな
くなる。ここでは、ステンレス鋼粉体Cが70%に対
し、原石粉体Bを30%としている。この混合工程によ
り、ペースト状の成形材料Eが得られる。
【0026】次の成形工程P3では、前記成形材料Eを
加圧成形して所定形状(タブレット状,矩形プレート
状)の成形品Fを得ることが行われる。この成形工程P
3では例えばプレス成形装置が用いられ、例えば2〜5
t/cm2 の成形圧力にて成形が行われる。
【0027】焼成工程P4では、前記成形品Fを非酸化
雰囲気下で加熱して成形材料Eを焼結させることが行わ
れる。この焼成工程P4では、例えば真空式の電気加熱
室(電気炉)が用いられ、例えば熱盤上に多数の成型品
Fを並べ、減圧状態で例えば1150℃に加熱すること
により行われる。この際の焼成温度は、750〜115
0℃の範囲とすることが望ましい。尚、この焼成工程P
4において、成形材料E中のバインダーDは消失する。
【0028】この後、焼成品が自然冷却され、以て所定
形状とされた遠赤外線放射体1,2が得られるのであ
る。また、この遠赤外線放射体1,2は、そのままある
いは後に触れるように必要に応じて二次加工されて製品
とされるようになっている。
【0029】このようにして製造された遠赤外線放射体
1,2は、常温遠赤外線放射性を有する石英片岩Aを粉
砕して原石粉体Bとしているので、砂礫状のままの場合
に比べて表面積を飛躍的に大きくすることができ、遠赤
外線の放射効率を極めて大きくすることができる。ま
た、この原石粉体Bをステンレス鋼粉体Cと組合わせる
ことにより、遠赤外線の放射がより一層促進されるよう
になることが確認されたのである。これは、ステンレス
鋼粉体Cが高温で処理されることにより、いわゆる情報
転写が行われて、ステンレス鋼自体からの遠赤外線放射
が活発に行われるようになるためであると推測される。
【0030】そして、遠赤外線放射体1,2は、遠赤外
線セラミックのような別の熱源による加熱を行わずとも
済むので、安価で効率的に遠赤外線を取出すことができ
るのである。さらには、ステンレス鋼粉体C及び原石粉
体Bを、混合して焼結させるものであるから、所定形状
に成形して焼結させることによって、形状を自由に設定
することができ、ひいては取扱いが容易となると共に、
二次的な加工も容易となる。この結果、各種用途に利用
できると共に、製品価値を高めることができ、また、工
業製品として安定した品質を維持することができるもの
である。
【0031】図3(a)及び(b)には、上記のように
して製造された遠赤外線放射体1,2の2種類の試料
1,2に関する遠赤外線の全放射率(黒体に対する放射
率)の測定試験の結果を示している。ここで、(a)に
示した試料1と、(b)に示した試料2とはステンレス
鋼の種類を異ならせている。また、併せて、同図(c)
には上記した石英片岩Aの原石に関する遠赤外線の全放
射率の測定結果を示している。尚、この放射率の試験に
ついては、一般的な試験方法を用いて、表面温度約14
2℃にて行ったものである。
【0032】この試験結果から明らかなように、本実施
例の遠赤外線放射体1,2においては、遠赤外線の波長
領域のほぼ全域(波長3〜25μ)において、全放射率
が約80%以上となっており、大きな遠赤外線放射率が
得られるのである。特に、一般の遠赤外線セラミック等
では放射率が60%以下まで低下する波長4μ前後、波
長8〜10μ、波長20μ以上の領域においても、高い
放射率を維持しているのである。
【0033】さて、以下、本実施例の遠赤外線放射体
1,2のいくつかの利用例について述べる。タブレット
状の遠赤外線放射体1あるいは矩形プレート状の遠赤外
線放射体2は、そのままでも遠赤外線による加熱作用や
殺菌,防菌作用を利用して各種の用途に利用することが
できる。また、用途に適合した二次的な加工を行うこと
により、より価値の高い加工製品を得ることもできる。
【0034】例えば遠赤外線放射体1,2を、肩や腰、
首筋、膝、手首など人体の各部に宛がうことにより、温
湿布効果(血行促進)が得られ、こりをほぐし疲労を回
復する等の用途に利用することができる。この場合、図
5に示すように、絆創膏様の粘着性テープ3にタブレッ
ト状の遠赤外線放射体1を予め取付けたものとすれば、
人体の各部に容易に貼付けることができ、便利なものと
なる。このとき、例えば人体各部のつぼに左右対称的に
貼付けたり、背骨に沿って貼付けるようにすると効果的
となる。さらには、本発明者の研究によれば、特に腎機
能、肝機能に対する血流促進効果に有効であることが確
認された。その他、神経痛の軽減等の医療面での効果に
優れるものとなる。
【0035】また、バンド状の布等に遠赤外線放射体
1,2を縫込んだものとすれば、そのバンドを膝や腰に
容易に巻くことができる。そのバンドを鉢巻きとするこ
とによって、脳内の血行等もよくすることができ、ひい
ては頭がスッキリする、老人のぼけ防止等の効果が得ら
れる。帽子に遠赤外線放射体1,2を組込んだものとし
ても良い。就寝時のアイマスクに遠赤外線放射体1,2
を組込むことによっていわゆる眼精疲労の回復に効果を
得ることができる。靴の中敷きに遠赤外線放射体1,2
を組込むことによって、足の保温はもとより、足のむれ
や悪臭の防止、水虫の防止などの効果を得ることができ
る。サンダルやスリッパ等の履物に遠赤外線放射体1,
2を組込むようにしても良い。
【0036】そして、ベッドパッドやマットレス、敷き
布団や掛け布団等の寝具や敷物に、遠赤外線放射体1,
2を組込むようにしても良い。これによれば、それを用
いて就寝することによって人体の血行が促進されて疲労
回復を図ることができ、肩凝りや腰痛等に効果があると
共に冷え性等に有効となる。病気や怪我で長期間寝たき
りとなるような場合でも、床ずれ防止の効果を得ること
もできる。しかも、だに等の発生も防止することができ
る。遠赤外線放射体1,2をソファーや絨毯、畳等に組
込むこともできる。
【0037】さらに、上記のような人体に対する用途の
他にも、各種分野に利用することができる。即ち、例え
ば水道水を汲んだ水差しに、遠赤外線放射体1を数個程
度投入することにより、水道水から塩素(カルキ)分を
分解,除去して美味しい飲料水を得ることができる。図
4には、水道水からの塩素除去性能試験の結果を示して
おり、本実施例の遠赤外線放射体1からなる試料1及び
2では、ブランク(何も入れずに放置したもの)と比べ
て短時間で塩素濃度が大幅に低下しており、原石(石英
片岩Aの粗砕状の礫)を投入した場合に比べても、優れ
た塩素除去性能を得ることができた。また、図示は省略
するが、遠赤外線放射体1の水に対する溶出試験を行っ
たところ、飲料水としての水質基準には十分に適合する
ことが確認されている。
【0038】また、図6に示すように、花瓶4の水Wの
中に、遠赤外線放射体1を数個程度投入することによ
り、水Wの腐敗を長期間に渡って抑制することができ、
花のもちが良くなる。遠赤外線放射体1,2を風呂の浴
槽内に投入することにより、風呂の湯が冷めにくくなっ
て温浴効果の向上を図ることができ、また、湯の汚れも
抑えることができる。
【0039】このように水の殺菌,浄化等を図ることが
できるのであるが、本実施例の遠赤外線放射体1,2
を、排水処理場の層に入れたり、浄化フィルタに組入れ
たりすることにより、生活排水(汚水)の浄化等を図る
ことができる。水に限らず、廃油の浄化や、排ガスの浄
化にも利用することができる。さらには、ガソリンや重
油等の燃料油に遠赤外線放射体1,2を浸しておくこと
により、燃費の向上を図ることができることも確認でき
た。その他、防臭効果を利用し、各種の防臭剤に利用す
ることも可能である。尚、上記遠赤外線放射体1,2単
体でなく、例えば片面に銀紙やアルミ箔等の反射材を貼
付けることにより、より一層効率を高めることができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の遠赤外線放射体及びその製造方法によれば、常温遠赤
外線放射性を有する石英片岩を粉砕した原石粉体をステ
ンレス鋼粉体と混合した状態で焼結させるようにしたの
で、常温にて高効率な赤外線の放射を可能とし、しか
も、安定した品質が得られると共に取扱い等が容易で各
種用途に有効に利用することができるという優れた効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る遠赤外線放射体の製造工
程を概略的に示す図
【図2】実施例に係る遠赤外線放射体の外観を示す斜視
【図3】実施例の遠赤外線放射体の遠赤外線の放射率
(a),(b)と、石英片岩の遠赤外線の放射率(c)
を示す図
【図4】塩素除去性能試験における残留塩素濃度変化の
様子を示す図
【図5】粘着テープに遠赤外線放射体を組込んだ様子を
示す斜視図
【図6】遠赤外線放射体花瓶の水の中に入れて使用する
様子を一部を破断して示す斜視図
【符号の説明】
図面中、1,2は遠赤外線放射体、Aは石英片岩、Bは
原石粉体、Cはステンレス鋼粉体、Eは成形材料、Fは
成形品を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 7/00 320 A61N 5/06 C22C 33/02 103 C04B 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼粉体に、常温遠赤外線放射
    性を有する石英片岩を粉砕した原石粉体を混合した状態
    で焼結してなる遠赤外線放射体。
  2. 【請求項2】 前記ステンレス鋼粉体と原石粉体との混
    合割合は、6:4〜8:2であることを特徴とする請求
    項1記載の遠赤外線放射体。
  3. 【請求項3】 前記ステンレス鋼粉体は、オーステナイ
    ト系からなることを特徴とする請求項1または2記載の
    遠赤外線放射体。
  4. 【請求項4】 常温遠赤外線放射性を有する石英片岩を
    粉砕して原石粉体を得る粉砕工程と、前記原石粉体をス
    テンレス鋼粉体及びバインダーと共に混合して成形材料
    を得る混合工程と、前記成形材料を加圧成形して成形品
    を得る成形工程と、前記成形品を非酸化雰囲気下で加熱
    して焼結させる焼成工程とを含んでなる遠赤外線放射体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記焼成工程における焼成温度は、75
    0℃〜1150℃であることを特徴とする請求項4記載
    の遠赤外線放射体の製造方法。
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