JP3135606B2 - パワーアナライザ装置 - Google Patents

パワーアナライザ装置

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JP3135606B2
JP3135606B2 JP03145336A JP14533691A JP3135606B2 JP 3135606 B2 JP3135606 B2 JP 3135606B2 JP 03145336 A JP03145336 A JP 03145336A JP 14533691 A JP14533691 A JP 14533691A JP 3135606 B2 JP3135606 B2 JP 3135606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複数チャネルの入力被
測定信号により電力を測定するだけでなく、それら入力
被測定信号に含まれている基本波および高調波成分を解
析し、その基本波および高調波を測定、表示可能とする
パワーアナライザ装置に係り、更に詳しくは各入力被測
定信号の基本波および所定次数までの高調波を得るため
の遮断周波数可変可能なフィルタ(アンチエィリアシン
グフィルタ)を備え、それらフィルタを通ったアナログ
信号をA/D変換してディジタルデータを得る際、入力
被測定信号の周波数の変化により、そのA/D変換のサ
ンプリング周波数を可変し、その周波数に応じてそれら
フィルタの遮断周波数を適正のレンジ範囲に設定変更す
るパワーアナライザ装置に関するものである。
【0002】
【従来例】近年、半導体電力変換装置(例えばインバー
タ装置)が多くの機器に利用されるに伴い、より多くの
測定データを簡単に、かつ迅速にデータ処理し、その電
力系を計測する電力計が提案されるようになった。この
ような電力計としては、例えば図3に示す構成をしたも
のがある。
【0003】同図において、電圧/電流入力アナログ回
路1は、3ch(チャネル)分の被測定信号(被測定電
圧(V1,V2,V3)、電流(A1,A2,A3))
を入力し、それら3chの被測定電圧、電流を検出し、
かつそれら電圧、電流をアナログ演算して電力を算出
し、これら電圧、電流および電力のアナログ信号を出力
する。
【0004】電圧/電流アナログ回路1からのアナログ
信号をマルチプレクサ2で切り替え、この切り替えたア
ナログ信号をA/Dコンバータ3でディジタル変換して
RAM/ROM(メモリ)4に書き込むが、そのメモリ
4に書き込まれているプログラムにしたがってCPU5
がそのデータの取り込む処理を行なうことになる。
【0005】CPU5のバスライン6にはそのメモリ
4、I/Oポート7、表示部8およびキーボード9等が
接続されており、そのCPU5はI/Oポート7を介し
てマルチプレクサ2を切り替え、そのディジタルデータ
をメモリ4に書き込み、それらディジタルデータに基づ
いて電力、皮相電力、無効電力および力率等を演算し、
これら演算結果等を表示処理し、また取り込んだデータ
および演算したデータに基づいて測定値に時間係数を掛
け加算積算して積算量を算出し、その積算量を表示処理
する。
【0006】表示部8はそのCPU5の表示処理にした
がって被測定信号の測定結果、電圧、電流、電力、皮相
電力、無効電力および力率を表示する。
【0007】上記構成の電力計においては、電圧/電流
入力アナログ回路1にそれぞれ交流ゼロフラックス法動
作原理を採用し、かつPTおよびクランプCTを採用し
ていることから、10Hz乃至20kHzに渡る広い周
波数範囲で良好な特性を確保し、正確な電圧、電流、電
力等の測定が可能になっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記半導体
電力装置、例えばインバータ装置のように、パルス状の
電圧波形でモータを駆動する場合、その電流には高調波
成分が含まれ、この高調波成分が雑音や振動の原因とな
っている。このような、高調波による機器の障害が問題
視され、特に家電機器等の場合その高調波成分よる雑音
や振動が問題になることから、半導体電力装置の電力系
の測定だけなく、その高調波成分の測定が必要になって
いる。
【0009】しかしながら、上記電力計にあっては、基
本波および高調波を含んだ被測定信号に基づいて電圧、
電流、電力の測定が可能であるが、その高調波成分を直
接測定することができなかった。そのために、半導体電
力装置の電力系を計測する場合、電力計とその高調波成
分を測定する高価な高調波解析装置(例えばFFTアナ
ライザ)の2つの測定装置を用意する必要があるだけで
なく、そのFFTアナライザの操作が複雑であり、高調
波成分の測定が面倒であり、電力だけでなく、高調波成
分も測定できる装置が要望されている。
【0010】また、上記FFTアナライザ等の高調波解
析装置においては、チャネルの入力被測定信号のアナロ
グ信号をA/D変換し、これら変換したディジタルデー
タを取り込む場合、そのA/D変換のサンプリング周波
数fs、入力周波数(入力被測定信号の周波数)fとす
ると、サンプリングの定理により、f<fs/2を満足
しないと、上記A/D変換した結果に折り返し歪が生じ
る。
【0011】そのため、図4に示すように、上記FFT
アナライザ等の高調波解析装置は、チャネルの入力被測
定信号を入力可能なアナログ信号とする入力部10と、
この入力部10からのアナログ信号を通し、その入力被
測定信号の基本波および高調波を得るための遮断周波数
可変可能で、かつ折り返し歪防止用のフィルタ(アンチ
エィリアシングフィルタ)11と、このフィルタ11を
通ったアナログ信号をディジタル変換するA/D変換
(サンプリング/ホールド内蔵)12と、この変換した
ディジタルデータを記憶するストレージメモリ13とを
備えている。
【0012】そのA/D変換のサンプリング周波数fs
が固定であり、あるいは狭い範囲しか変化しない場合、
上記フィルタ11の遮断周波数fcを所定周波数に固定
し、かつ通常サンプリング定理よりfcをfs/2より
低いポイントに設定すればよい。この場合、ハードウェ
ア回路が簡単で、フィルタ11等の制御が不要である
が、上記A/D変換のサンプリング周波数を変更したと
き、つまり上記サンプリング定理を満足しないとき、上
記フィルタ11の遮断周波数も設定変更する必要があ
る。
【0013】したがって、上記フィルタ11の遮断周波
数を固定しているときには、そのA/D変換のサンプリ
ング周波数を狭い範囲でしか変化させることができず、
例えば入力被測定信号を高調波解析するに際し、その高
調波の高次まで解析することができず、また入力被測定
信号の周波数が広い範囲に渡ってしている場合には適用
させることができない。
【0014】この発明は上記課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は各チャネルの入力被測定信号をそれぞ
れアンチエィリアシシングフィルタに通してA/D変換
し、これら変換したディジタルデータにより電力測定だ
けでなく、その入力被測定信号の基本波および所定次数
の高調波を解析、測定することができ、かつ入力被測定
信号の周波数に対し、各アンチエィリアシングフィルタ
の遮断周波数を適正なレンジ範囲に設定変更することが
できるようにしたパワーアナライザ装置を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、前記各フィルタの遮断周波数を設定す
るクロックを得るための発振部と、複数入力被測定信号
により、電力測定だけでなく、その入力被測定信号の基
本波および高調波を解析し、その測定を可能とするパワ
ーアナライザ装置等に、複数チャネルの入力被測定信号
(被測定電圧、電流)をそれぞれ入力可能なレベルのア
ナログ信号に変換する複数の入力処理部と、これら入力
処理部を介したアナログ信号に含まれている基本波およ
び所定次数の高調波をそれぞれ通すための遮断周波数可
変可能なフィルタと、上記入力被測定信号のを波形整形
して矩形波信号とする波形整形部と、この波形整形部に
て得た矩形波信号に基づいて上記入力被測定信号の周波
数を測定する周波数測定部と、上記周波数測定部にて測
定した周波数に対し、上記各フィルタの遮断周波数が所
定のレンジ範囲に設定されている否かを判断するととも
に、上記発振部を制御し、その遮断周波数を所定レンジ
範囲に設定変更するCPUを備えたことを要旨とする。
【0016】
【作用】上記構成としたので、上記入力処理部を介した
入力被測定信号のアナログ信号をそれぞれフィルタに通
してA/D変換し、これらA/D変換によるディジタル
データを取り込む際、その入力被測定信号の周波数fが
上記周波数測定部で測定され、上記CPUにて内部の表
1を参照してそれらフィルタの遮断周波数fcのレンジ
範囲が適正であるか否かが判断される。
【0017】このとき、上記入力被測定信号の周波数が
変化すると、その入力被測定信号の1サイクルを所定数
(512)に分割し、この分割ポイントのディジタルデ
ータを取り込むために、各A/D変換のサンプリング周
波数が可変される。そして、上記測定周波数に対し、遮
断周波数fcが適正のレンジ範囲にない場合には上記発
振部が制御され、各フィルタの遮断周波数が表1を参照
して適正なレンジ範囲に設定変更される。
【0018】このように、入力被測定信号の周波数が変
動し、各A/D変換のサンプリング信号の周波数が変更
されたとしても、各フィルタの遮断周波数をその周波数
に応じた適正なレンジ範囲に設定することができること
から、入力被測定信号の1サイクルを所定数のポイント
で確実にA/D変換することができる。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を図1乃至図3に基
づいて説明する。図1において、このパワーアナライザ
装置は、複数の入力被測定信号(被測定電圧、電流)を
入力可能なレベルに変換する3チャネル(被測定電圧
(V1乃至V3)、電流(A1乃至A3)の入力ユニッ
ト20乃至22と、それら入力被測定信号の基本波およ
び高調波等をそれぞれ通す所定遮断周波数可変可能で、
折り返し歪防止用のフィルタ(アンチエィリアシングフ
ィルタ)23乃至28と、これらフィルタ23乃至28
を介したアナログ信号を所定周波数のサンプリング信号
でそれぞれディジタル変換するA/D変換部29乃至3
4と、これらA/D変換部29乃至34で変換したディ
ジタルデータを記憶するメモリ(記憶部)35乃至40
と、上記入力ユニット20乃至22を介したアナログ信
号を切り替える切替部41と、この切替部41で切り替
えたアナログ信号を波形整形して矩形波信号とするフィ
ルタ波形整形部42と、上記A/D変換部29乃至34
の所定周波数のサンプリング信号およびメモリ35乃至
40の書き込み信号を出力するストレージ制御部43
と、上記フィルタ波形整形部42からの矩形波信号をソ
ースとし、その矩形波信号とA/D変換のサンプリング
周波数を整数(例えば512)分の1とした信号と上記
A/D変換部29乃至34のサンプリング信号との位相
差を検出し、この位相差に応じて内部VCOの電圧を可
変し、所定周波数の信号をストレージ制御部43に出力
し、そのA/D変換部29乃至34のサンプリング信号
を上記切替部41で切り替えたアナログ信号に同期さ
せ、かつそのサンプリング信号の周波数の安定化を図る
ためのPLL(Phase Locked Loop)
部44とを備えている。
【0020】また、このパワーアナライザ装置は、上記
フィルタ波形整形部42で得た矩形波信号により、入力
被測定信号の周波数を測定する周波数測定部45と、上
記A/D変換のサンプリング同期を固定同期方式でとる
ためのクロック信号を出力し、かつ上記各フィルタ23
乃至28の遮断周波数fcを所定レンジ範囲に設定し、
かつ所定レンジ範囲に変更するクロック信号を出力する
発振部46とを備えている。なお、各フィルタ23乃至
28としてスイッチドキャパシタンフィルタ等のプログ
ラマブルフィルタを使用したときには、上記発振部46
からのクロック信号が例えば必要な遮断周波数fcに対
し、kfc(k;50,100等)となる。
【0021】また、上記各フィルタ23乃至28の遮断
周波数fcのレンジは、例えば下記表1に示すように分
割、構成されており、かつ遮断周波数fcのレンジ範囲
は入力被測定信号の周波数fに対して、略100f<f
c<200fになるようになっている。
【0022】
【表1】 すなわち、入力被測定信号の高調波解析に際し、例えば
解析次数を49次(49f)とすると、各A/D変換の
サンプリング周波数fsと遮断周波数fcとの関係とし
てはfc<fs(例えば512f)/2および49f<
<fcが必要条件であり、つまり遮断周波数fcのレン
ジ範囲は49f<<fc<256fを満足すればよいか
らである。
【0023】さらに、このパワーアナライザ装置は、上
記各フィルタ23乃至28の遮断周波数fcのレンジを
設定し、また上記メモリ35乃至40に取り込んだディ
ジタルデータに基づいて入力被測定信号による電圧、電
流、電力を算出するだけでなく、その入力被測定信号に
含まれている基本波および所定次数の高調波をFFT
(高速フーリェ変換)演算で算出する。
【0024】そのため、図2に示すように、このパワー
アナライザ装置は、上記周波数測定部45の測定周波数
fに応じて上記フィルタ23乃至28の遮断周波数fc
のレンジを設定し、かつ表1を参照して最適なレンジ範
囲に変更するため、上記発振部46を制御し、かつ当該
装置の全体を制御する中央処理装置のCPU47を備え
ている。
【0025】このCPU47のバスライン48に、上記
メモリ35乃至40、ストレージ制御部43、PLL部
44、周波数測定部45および発振部46の他に、メモ
リ35乃至40に書き込まれているディジタルデータに
基づいて電力等を高速演算し、かつFFT演算により入
力被測定信号に含まれている基本波および所定次数(例
えば49次まで)の高調波を高速算出するDPS(ディ
ジタルシグナルプロセッサ)49と、当該装置の制御プ
ログラムおよびその演算プログラム等を記憶しているE
PROM部50と、それら演算結果等のデータ(数値デ
ータ)を記憶するRAM部(SRAM,DRAM)51
と、このRAM部51の書き込み、読み出しを制御する
DMA(ダイレクト メモリ アクセス)コントローラ
部52と、上記演算結果による数値データ、および波形
データを書き込み、読み出し可能なVRAM(ビデオ・
ラム)部53と、このVRAM部53のデータを書き込
み、読み出し、表示制御するCRTコントローラ部54
と、プリンタ部55を接続するパラレルインターフェイ
ス56と、フロッピィディスクドライブ部57を制御す
るFDC(フロッピィディスク コントローラ)58
と、GP−IBインターフェイス59および非同期コミ
ニュケーションズインターフェイス60とを接続してい
る。
【0026】さらにまた、このパワーアナライザ装置は
上記CRTコントローラ部54にて表示処理した数値あ
るいは波形を表示する表示部(例えば液晶表示装置)5
8と、図示しないが当該装置の測定操作スイッチ等とに
よるパネルを備えており、そのパネル操作に応じた信号
がインターフェイス、バスライン48を介してCPU4
7に入力する。
【0027】ここに、3チャネルの入力ユニット20乃
至22はそれぞれ2つの入力部20a,20b、21
a,21b,22a,22bを備え、各チャネルの入力
部に被測定信号の電圧および電流が印加することから、
単相乃至3相の電力測定が可能である。そして、複数の
被測定信号がそれぞれ各入力ユニット部20乃至22に
入力され、例えばインバータ装置の電力測定操作が行わ
れると、CPU47にてその電力測定に必要な制御が行
われ、例えば周波数測定部45の測定周波数に基づいて
A/D変換のサンプリング、メモリ35乃至40の書き
込み制御が行われる。
【0028】図3に示すルーチンを参照して詳しく説明
すると、CPU47にて当該装置における電力測定、入
力被測定信号の基本波および高調波解析等に必要な初期
化が行われる(ステップST1)。しかる後、各入力被
測定信号のアナログ信号がそれぞれフィルタ23乃至2
8に通され、これらフィルタ23乃至28を介したアナ
ログ信号が各A/D変換部29乃至34でディジタルデ
ータに変換され、各メモリ35乃至40に記憶される。
【0029】このとき、切替部41を介した1つの入力
被測定信号がフィルタ波形整形部42で矩形波信号の整
形され、この矩形波信号がPLL部44および周波数測
定部45に出力される。したがって、PLL部44にて
上記各A/D変換のサンプリング同期がPLL同期方式
でとられ、一方その入力被測定信号の周波数fが測定さ
れる(ステップST2)。この場合、上記PLL同期方
式により、その入力被測定信号の1サイクル分が捉えら
れ、その入力被測定信号の1サイクルで512ポイント
のディジタルデータの取り込みが行われる。
【0030】また、上記測定周波数fに対し、上記各フ
ィルタ23乃至28の遮断周波数fcが適正のレンジ範
囲に設定されているか否かが判断される(ステップST
3)。例えば、発振部46から出力されているクロック
信号が各フィルタ23乃至28の遮断周波数fcを“レ
ンジ4”のレンジ範囲に設定するものであるとき、つま
りその遮断周波数fcを4kHzに設定するものである
とき、上記ステップST2における測定周波数fが30
Hz乃至41Hz内にある場合にはそのレンジが適正と
判断され、ステップST4に進み、上記ディジタルデー
タの取り込みが行われる。
【0031】この場合、上記1サイクルで512ポイン
トのディジタルデータを確実に取り込むことができるた
め、その取り込んだディジタルデータに基づいて電力測
定だけでなく、FFT演算により入力被測定信号の基本
波およびその高次の高調波の解析が可能になる(ステッ
プS4)。
【0032】続いて、上記測定結果の表示処理が行われ
(ステップST5)、当該装置のパネル操作に応じ、上
記測定電力が表示し、また上記解析基本波および高調波
等の数値が表示され、しかる後上記ステップST2に戻
り、上記測定や解析等が繰り返される。
【0033】しかし、上記ステップST3において、入
力被測定信号の周波数が変化し、この周波数fに対し、
各フィルタ23乃至28の遮断周波数fcが適正なレン
ジ範囲でないと判断された場合、ステップST6に進
み、表1を参照しながら、適正なレンジ範囲が検索され
る。例えば、現遮断周波数fcが“レンジ4”のレンジ
範囲に設定されているとき、測定周波数fが20Hzに
なっている場合にはその遮断周波数fcのレンジが不適
(オーバレンジ)と判断され、その表1により適正な
“レンジ3”のレンジ範囲が検索される(ステップST
6)。
【0034】このとき、上記入力被測定信号の1サイク
ルで512ポントのデータを得るため、上記A/D変換
のサンプリング周波数がその入力被測定信号の周波数に
応じて変えられる。
【0035】続いて、上記検索レンジ範囲に応じ、上記
各フィルタ23乃至28の遮断周波数fcを最適なレン
ジ範囲に設定する処理が行われ、つまり発振部46が制
御され、この発振部46にて各フィルタ23乃至28の
遮断周波数fcを4kHzとするクロック信号が出力さ
れる。これにより、各フィルタ23乃至28の遮断周波
数fcが最適なレンジ範囲に設定され、しかる後ステッ
プST2に戻り、上記動作が繰り返され、上記同様に入
力被測定信号の1サイクルが512に分割され、この5
12ポイントでA/D変換したディジタルデータが取り
込まれることになる。
【0036】この場合、表1から明らかなように、各レ
ンジ範囲、周波数fにヒステリシスをもたせていること
から、入力被測定信号の周波数fがある程度変動して
も、各フィルタ23乃至28の遮断周波数fcのレンジ
設定が不安定になり、つまりギッタン、バッタンするこ
ともなく、入力被測定信号の必要なデータを正確に取り
込むことができ、特にその入力被測定信号に含まれてい
る所定次数までの高調波解析可能とするデータを取り込
むことができる。
【0037】このように、各入力被測定信号のアナログ
信号をそれぞれフィルタ(アンチエィリアシングフィル
タ)23乃至28に通してA/D変換し、これら変換し
たディジタルデータを取り込み、入力被測定信号により
電力測定、その入力被測定信号の基本波および高調波を
解析し、測定する際、その入力被測定信号の周波数を監
視するとともに、その周波数が変化したときには、その
入力被測定信号の1サイクルを所定数に分割可能とする
ために、上記各A/D変換のサンプリング周波数を変
え、かつ上記監視している周波数に応じて発振部46の
クロック信号を変え、各フィルタの遮断周波数を適正な
レンジ範囲に設定するようにしたので、入力被測定信号
の周波数が広くとも、各フィルタの遮断周波数を適正値
に設定することができ、一方上記A/D変換のサンプリ
ング周波数の可変により入力被測定信号の1サイクルを
所定数に分割し、この分割ポイントのデータを取り込む
ことができ、その入力被測定信号に含まれている所定次
数までの高調波の解析が可能になる。
【0038】また、上記周波数測定部45は当該パワー
アナライザ装置に必要であり、発振部46は各A/D変
換のサンプリング同期を固定同期方式でとる場合に用い
られ、つまり兼用することができることから、ハードウ
ェア的には何ら新たな回路を付加する必要がなく、一方
各フィルタ23乃至28の遮断周波数の設定は上記した
ようにソフトウェアで処理することができることから、
当該パワーアナライザ装置を安価に済ませられるという
利点がある。さらに、上記PLL部44によらない、固
定同期方式による場合には各フィルタ23乃至28の遮
断周波数を自由に設定することができるという利点もあ
る。
【0039】ところで、表1に示すように、各フィルタ
23乃至28の遮断周波数fcの設定値を予め決定する
ようになっており、例えば各フィルタ23乃至28の遮
断周波数を上記A/D変換のサンプリング周波数fsと
入力被測定信号に含まれている高調波の解析次数(49
f)とにより支障のないレンジ構成にすればよく、また
その解析次数に応じてそのレンジ構成を変えるだけでよ
く、つまりそのレンジ構成を使用目的に応じて変更すれ
ばよい。
【0040】また、各入力被測定信号の1サイクルを所
定数(512)に正確に分割し、この所定数のポイント
でのディジタルデータを確実に取り込み、かつオフセッ
ト補償することができ、これらディジタルデータに基づ
いて、電力の算出およびFFT演算による高調波の算出
に際し、所定次数まで(2次乃至49次)の高調波を正
確に算出することができ、ひいては測定精度の向上を図
ることができる。
【0041】なお、上記実施例では、入力被測定信号に
より電力測定、その入力被測定信号の基本波および高調
波を解析し、かつそれを測定するパワーアナライザ装置
に適用した場合について説明したが、入力被測定信号の
周波数に同期してA/D変換のサンプリング周波数が変
化する測定装置等に適用することができることは明らか
である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、複数チャネルの入力被測定信号のアナログ信号をそ
れぞれアンチエィリアシングフィルタに通してA/D変
換し、これらA/D変換したディジタルデータに基づい
て、電圧、電流、電力を算出するとともに、FFT演算
により入力被測定信号に含まれている基本波および所定
次数の高調波を解析し、それを測定するパワーアナライ
ザ装置等に、入力被測定信号の周波数を測定する周波数
測定部と、上記アンチエィリアシングフィルタの遮断周
波数を設定し、かつその遮断周波数のレンジ範囲を変更
するクロック信号を出力する発振部と、上記測定周波数
に応じてその遮断周波数を予め決定しているレンジ範囲
に変更する制御手段とを設けたので、上記入力被測定信
号の周波数に応じ、上記各フィルタの遮断周波数を最適
なレンジ範囲に設定することができ、その入力周波数信
号の周波数が変化したとき、上記A/D変換のサンプリ
ング周波数を変えるとともに、各フィルタの遮断周波数
を最適なレンジ範囲に設定し、その入力被測定信号の1
サイクルを所定数に分割し、この所定数のディジタルデ
ータの取り込みを可能とし、かつ入力被測定信号に含ま
れている所定次数までの高調波の解析を可能とするディ
ジタルデータの取り込みを可能とすることができ、ひい
ては電力測定、基本波および所定次数の高調波を解析、
測定の精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すパワーアナライザ装
置の概略的部分ブロック図
【図2】この発明の一実施例を示すパワーアナライザ装
置の概略的部分ブロック図
【図3】図1および図2に示すパワーアナライザ装置の
動作を説明するフローチャート図
【図4】従来の電力計の概略的ブロック図
【図5】従来の高調解析装置の入力部分を示す概略的部
分ブロック図
【符号の説明】
20乃至22 入力ユニット 23乃至28 フィルタ(アンチエィリアシングフィル
タ) 29乃至34 A/D変換部 35乃至40 メモリ(記憶部) 42 フィルタ波形整形部 43 ストレージ制御部 44 PLL部 45 周波数測定部 46 発振部 47 CPU(中央処理制御手段)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 21/00 - 22/04 G01R 11/00 - 11/66 G01R 23/165 - 23/167

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも複数チャネルの入力被測定信
    号(被測定電圧、電流)をそれぞれ入力可能なレベルの
    アナログ信号に変換する複数の入力処理部と、これら入
    力処理部を介したアナログ信号に含まれている基本波お
    よび所定次数の高調波をそれぞれ通すための遮断周波数
    可変可能なフィルタと、前記入力被測定信号のを波形整
    形して矩形波信号とする波形整形部と、この波形整形部
    にて得た矩形波信号に基づいて前記入力被測定信号の周
    波数を測定する周波数測定部と、前記各フィルタの遮断
    周波数を設定するクロックを得るための発振部と、前記
    周波数測定部にて測定した周波数に対し、前記各フィル
    タの遮断周波数が所定のレンジ範囲に設定されているか
    否かを判断するとともに、前記発振部を制御し、その遮
    断周波数を所定レンジ範囲に設定変更する制御手段とを
    備え、前記各フィルタを通したアナログ信号をそれぞれ
    A/D変換する際、前記入力被測定信号の周波数を監視
    するとともに、その周波数に応じて前記各フィルタの遮
    断周波数を所定レンジ範囲に設定し、かつ前記各A/D
    変換のサンプリング周波数を可変可能とし、前記A/D
    変換したディジタルデータに基づいて、電圧、電流、電
    力を演算し、かつFFT演算により入力被測定信号の高
    調波を解析するとともに、その入力被測定信号の基本波
    および所定高調波を算出するようにしたことを特徴とす
    るパワーアナライザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6480768B1 (en) 1998-07-10 2002-11-12 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Control apparatus for autonomous traveling vehicle and method thereof

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