JP3135464B2 - 記録データ転送方法、記録装置及び記録システム - Google Patents

記録データ転送方法、記録装置及び記録システム

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JP3135464B2
JP3135464B2 JP06293160A JP29316094A JP3135464B2 JP 3135464 B2 JP3135464 B2 JP 3135464B2 JP 06293160 A JP06293160 A JP 06293160A JP 29316094 A JP29316094 A JP 29316094A JP 3135464 B2 JP3135464 B2 JP 3135464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録データ転送方法、
記録装置及び記録システムに係り、特に複数の色を記録
する記録要素をノズルの配列方向に並べた縦並び記録ヘ
ッドを有する記録装置に対して好適な記録データ転送方
法、上記記録ヘッドを用いて記録する記録装置及び記録
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンやワープロ等のOA機器
が広く普及しており、これら機器で入力した情報をプリ
ントアウトする方法として、様々な記録方法や記録装置
が開発されてきている。上記プリントアウトする情報
は、OA機器の向上とともにカラー化が進んできてお
り、これに伴って安価なカラー記録装置や、或いは記録
ヘッドを交換することによってビジュアルなカラー記録
と、高速なBk記録を目的に応じて双方使いこなせるよ
うな記録装置が開発されてきている。
【0003】カラー記録を行う際のカラーデータの転送
方法について、記録ヘッドを走査しながら記録を行うシ
リアル記録装置を例にして説明する。記録ヘッドの主走
査方向(以後、ラスター方向と称す)に、1ラスター
毎、もしくは複数ラスターをまとめた1行単位で色毎の
画像情報が転送される。即ち、同一ラスター、もしくは
同一行のY、M、C、Bkの画像データが送受信され、
その後に次のラスター、もしくは行のY、M、C、Bk
の画像データが送受信される。
【0004】この時のデータの送受信仕様としては、最
も一般的な方式はセントロ仕様と呼ばれる方式でデータ
をパラレルに送受信する方式がある。
【0005】一方、カラー記録などの複数色記録を行う
場合の記録手段の配置としては、各記録色をラスター方
向に並列に並べる横並びで記録を行う記録装置が一般的
である。横並び方式にあっては、記録装置のラスター方
向の大きさが大きくなってしまう問題や、記録ヘッドの
往路印字時と復路印字時で記録色の重なり順序が逆転し
てしまって記録画像の色味がずれてしまう問題や、ま
た、記録方式がインクジェット記録方式である場合など
には、先に記録した記録液が定着する前に次に色の記録
液が着弾してきてしまうので、色毎の混色やにじみの発
生などの問題が発生してしまう場合がある。
【0006】この対策として、上記異なる色で記録され
る画像の境界を検出し、境界が存在する場合には休止し
ながら印字をしたり、該境界部の1ドットを抜いて印字
したり、或いは境界部がBk画像との境界であった場合
に該Bk境界部を他のカラー画像の組み合わせに変換
(PCBk変換)して記録するなどのにじみ対策がとら
れる。
【0007】また、色毎の記録手段を副走査方向に並べ
て(縦並びで)記録することで上記境界部の画像にじみ
を低減する方式もある。該方式では、同一ラスターに印
字される異なる印字色のドットが記録されるまでの時間
が延びるので境界部の画像のにじみを低減できる。この
方式では各色が副走査方向にオフセットされているの
で、更に記録ヘッドの往路印字時と復路印字時で記録液
の重なり順序が変わることはなく、両方向印字を行って
も記録画像の色味がずれる問題は発生じない利点もあ
り、縦並びヘッド構成がとられることが増えてきてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の縦並び
ヘッドにあっては画像データを展開したビットマップの
メモリーエリア(以後、プリントバッファーと称する)
が、横並びヘッドの場合と比べて格段に多くの領域を必
要としていた。縦並びヘッドの場合にプリントバッファ
ーエリアがどの程度必要であるかを、以下で図を用いて
詳細に説明する。
【0009】図1は、縦並びヘッドのプリントバッファ
ーエリアを説明する説明図である。ここでは、記録ヘッ
ド1708として、Y,M,Cの記録色を記録する記録
素子が各24素子、Bkの記録色を記録する記録素子が
64素子、各記録色間の色間に8素子(画素)相当分の
色間隙間がある場合について説明する。また、各色の記
録素子の並び順序は、主走査方向にY,M,C,Bkの
順序で並んでいる。
【0010】以上の記録ヘッド1708において、Yを
記録する記録素子が(n)ラスターから(n+23)ラ
スターの範囲の記録を行うときには、Mを記録する記録
素子は(n+32)ラスターから(n+55)ラスター
が記録範囲であり、Cを記録する記録素子は(n+6
4)ラスターから(n+87)ラスターが記録範囲であ
り、Bkを記録する記録素子は(n+96)ラスターか
ら(n+159)ラスターが記録範囲となる。
【0011】前記の通り、ホストなどの外部装置から記
録装置に転送されてくる記録画素データは、ラスター単
位もしくは行単位で各色のデータが送られてくるので、
少なくとも(n+159)ラスターまでのY,M,C,
Bkの記録データが転送され終えており、少なくともB
kの記録データが(n+159)ラスターまでプリント
バッファーに展開されるまでは記録動作に移行できな
い。この時、例えばY記録素子では、画像信号は(n)
ラスターから(n+23)ラスターのプリントバッファ
ーが展開完了していれば記録が行えるのに、(n+15
9)ラスターまでの記録情報を保持しておかねばなら
ず、図1に記すように160ラスター相当のメモリーを
必要とすることとなる。
【0012】ここで記録装置の記録解像度を360DP
I、記録画像をA4サイズとし、1ラスターの画素数を
2880画素とすると、160ラスターでは46080
0(=160ラスター*2880画素)ビットのメモリ
ー容量を必要とすることとなる。同様にM記録素子に於
いては368640ビット(=128ラスター*288
0画素)、C記録素子に於いては276480ビット
(=96ラスター*2880画素)、Bk記録素子に於
いては184320ビット(=64ラスター*2880
画素)、Y,M,C,Bkの総和で1290240ビッ
トのメモリーエリアを最低限必要とすることとなる。
【0013】一方、1記録走査中に参照しているプリン
トバッファーエリアとしては、Y,M,C記録素子が各
々69120ビット(=24ラスター*2880画
素)、Bk記録素子が184320ビット(=64ラス
ター*2880画素)、Y,M,C,Bkの総和で39
1680ビットであり、上記最低限必要な129024
0ビットの半分以下であることがわかる。
【0014】また、縦並びにヘッドを配することで境界
にじみを低減はできるが、完全に防止することは困難で
あり、高画質化の為には更なるにじみ防止手段が必要で
ある。
【0015】本発明は、上記縦並びヘッドを用いた場合
の消費メモリー効率を改善することで前記従来の課題を
解決し、該縦並びヘッドの効果である双方向印字を行う
際の色の重なり順序が変化しない効果や、隣接する記録
画素が記録されるまでの時間を格段に遅延できる効果
と、更に境界部のにじみ防止手段を追加制御すること
で、高速且つ高画質記録が可能な記録方法、及び該記録
方法を用いた記録装置を提供せんとするものである。
【0016】以上のように、縦並びヘッドを用いた従来
の記録装置では、大容量のプリントバッファ(メモリ)
が必要となり、コストが増大していた。さらには、縦並
びヘッドを用いることで境界にじみを低減はできるが、
さらににじみを防止して一層の高画質化が望まれる。
【0017】本発明は、上記課題を解決するため、複数
の色を記録するための複数の記録素子を所定方向にオフ
セットして配置した記録ヘッドを用いた場合の消費メモ
リー効率を改善することが可能な記録データ転送方法、
記録装置及び記録システムを提供することを目的とす
る。
【0018】また、本発明は、異色境界部のにじみを防
止して高画質記録が可能な記録データ転送方法、記録装
置及び記録システムを提供することを他の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、複数の色を記録するための複数の記録素
子を副走査方向にオフセットして配置した記録ヘッドを
用いて記録する記録装置において、前記複数の色の記録
素子に対応する記録データを格納する記憶手段と、前記
複数の色のいずれかの記録素子を基準とした前記複数の
色の他の記録素子の前記副走査方向のオフセット量に基
づいて前記副走査方向にオフセットされ、前記複数の色
に対応する記録データを受信する受信手段と、この受信
手段によって受信された記録データから異なる色による
画像の画像境界部を検出する検出手段と、この検出手段
の検出に応じて境界部のにじみを防止するにじみ防止手
段とを有することを特徴とする。
【0020】また、本発明は、複数の色を記録するため
の複数の記録素子を副走査方向にオフセットして配置し
た記録ヘッドを用いて記録する記録装置と、前記記録装
置に記録データを転送するホストコンピュータを有する
記録システムにおいて、前記ホストコンピュータは、前
記複数の色のいずれかの記録素子を基準とした前記複数
の色の他の記録素子の前記副走査方向のオフセット量に
基づいて前記副走査方向にオフセットし、前記複数の色
に対応する記録データを前記記録装置に転送する転送手
段を有し、前記記録装置は、前記転送手段によって転送
された前記複数の色に対応する記録データを受信する受
信手段と、この受信手段によって受信された記録データ
から異なる色による画像の画像境界部を検出する検出手
段と、この検出手段の検出に応じて境界部のにじみを防
止するにじみ防止手段とを有することを特徴とする。
【0021】さらに、本発明は、複数の色を記録するた
めの複数の記録素子を副走査方向にオフセットして配置
した記録ヘッドを有する記録装置に、記録データを転送
する記録データ転送方法において、前記複数の色のいず
れかの記録素子を基準とした前記複数の色の他の記録素
子の前記副走査方向のオフセット量に基づいて前記副走
査方向にオフセットし、前記複数の色に対応する記録デ
ータを前記記録装置に転送するオフセット転送工程と、
このオフセット転送工程により転送される記録データと
伴に、前記複数の他の色に対応する記録データをオフセ
ットしないで転送する転送工程とを有することを特徴と
する。
【0022】
【作用】上記構成によれば、データをオフセットして転
送しても画像境界部を検出することができるので、双方
向印字を行う際の色の重なり順序が変化しない縦並びヘ
ッドの効果や隣接する記録画素が記録されるまでの時間
を遅延する効果を供与しながら、縦並びヘッドの欠点で
ある使用メモリーの浪費の改善と、縦並びにしたことだ
けでは防止しきれない境界部のにじみ防止手段を盛り込
み、高速且つ高画質記録が可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して具体的に説明する。
【0024】(実施例1)図2は本発明を適用可能なイ
ンクジェット記録装置(IJRA)を示す斜視図であ
る。
【0025】図において、駆動モータ5013の正逆回
転に連動して駆動力伝達ギア5011,5009を介し
て回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004
に対して係合するキャリッジHCはピン(図示しない)
を有し、矢印a,b方向に往復移動される。このキャリ
ッジHCには、インクジェットカートリッジIJCが搭
載されている。5002は紙押え板であり、キャリッジ
移動方向にわたって紙をプラテン5000に対して押圧
する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッ
ジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モー
タ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポ
ジション検知手段として機能する。5016は記録ヘッ
ドの全面をキャップするキャップ部材5022を指示す
る部材、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段
でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回
復を行う。5017はクリーニングブレードで、部材5
019により前後方向に移動可能となる。5018は本
体支持板で、上記5017,5019を支持する。50
12は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キ
ャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動
し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公
知の伝達手段で移動制御される。
【0026】これらのキャッピング,クリーニング,吸
引回復は、キャッリジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望動作を行うように構成され
ていればよい。
【0027】図3は、図2に示したインクジェット記録
装置の制御構成を説明するブロック図である。
【0028】図において、1700は記録信号を入力す
るインタフェース、1701はMPU、1702は前記
MPU1701が実行する制御プログラムやホスト印刷
情報等を格納するROM、1703はDRAMで、各種
データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ
等)を保存しておく。1704は記録ヘッド1708に
対する出力データの供給制御を行うゲートアレイで、イ
ンタフェース1700,MPU1701,DRAM17
03間のデータの転送制御も行う。1710は前記記録
ヘッド1708を搬送するためのキャリアモータ、17
09は記録用紙搬送のための搬送モータ、1705は前
記記録ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1706は前
記搬送モータ1709を駆動するモータドライバ、17
07は前記キャリアモータ1710を駆動するモータド
ライバである。
【0029】このように構成された上記記録装置におい
て、インタフェース1700を介して後述するホストコ
ンピュータ300より入力情報が入力されると、ゲート
アレイ1704とMPU1701との間で入力情報がプ
リント用の出力情報に変換される。そして、モータドラ
イバ1706,1707が駆動されるとともに、ヘッド
ドライバ1705に送られた出力情報に従って記録ヘッ
ドが駆動され印字が実行される。
【0030】本実施例で用いる記録ヘッドは、Y,M,
Cの記録色を記録する記録素子各24素子、Bkの記録
色を記録する記録素子64素子を、1チップに構成した
記録ヘッドであり、各記録色間の色間に8素子(画素)
相当分の色間隙間がある。図4はこの記録ヘッド170
8を図示した説明図であり、図4(a)に示すように、
上からY,M,C,Bkの順にノズルn1〜n160が
形成されている。また図4(b)は上記構成の記録ヘッ
ドのチップを説明する図であり、図中上からY,M,
C,Bkの記録素子としての発熱体Hが配され、各色毎
の記録素子のグループ間に8画素(ノズル間隔)相当分
の隙間が構成されている。この隙間は本発明上必ずしも
必要なものではないが、上記記録ヘッドのチップ上に色
毎のインク室を構成していく上で、色間隙間はあった方
が構成が容易であるので設けている。
【0031】尚、本実施例では各色毎のインク室や各ノ
ズル、インク注入路などは型成型によるモールド部材で
構成し、モールド成型された部材を上記記録ヘッドチッ
プに不図示のバネで押しつけ、バネを含めて封止材で封
止することにより構成する。ドライフィルムで上記イン
ク室やノズルを構成する手段であっても、その他の方式
で構成する手段であっても本発明に適用可能であるの
で、詳細な説明は省略する。
【0032】上記構成のように、ノズルの並び方向に各
色のノズルを並べた、いわゆる縦並びヘッドを用いて記
録を行う場合、図1を用いて説明したように、プリント
バッファーが必要以上に浪費され、安価な記録装置が提
供できない弊害が懸念される。
【0033】即ち、図5に示すように、ホストコンピュ
ータ300から記録画像のデータが同一ラスター単位で
プリンタ150に転送されるので、図1を用いて説明し
たように、Bkが(n+96)ラスターから(n+15
9)ラスター部を印字している時に、Cは(n+64)
から(n+85)ラスターを、Mは(n+32)から
(n+55)ラスターを、Yは(n)から(n+23)
ラスターを、印字しなければならない。同時に印字に使
用しているラスターが136ラスター(64+24*
3)であるにも関わらず、400ラスター分のデータを
蓄積していなければならない。Cで見れば(n+86)
ラスターから(n+159)ラスターまでのデータ、M
で見れば(n+56)ラスターから(n+159)ラス
ターまでのデータ、Yで見れば(n+24)ラスターか
ら(n+159)ラスターまでのデータは、この印字領
域を印字中には不要なデータであることが分かる。
【0034】ここで、本実施例の記録装置の記録解像度
は360DPIで、記録画像はA4サイズであるので、
1ラスターの画素数は2880画素であり、上記不要蓄
積ラスター264ラスター(400ー136)は総計7
60320ビットとなり、極めて大きなメモリー効率を
ロスしていることとなる。
【0035】しかし、本実施例ではY,M,C,Bkの
画像データの転送にオフセットをかけて転送するので、
上記のようなメモリー効率のロスを低減できる。
【0036】具体的には、ホストコンピュータ300
は、図6に記すようにY画像の(n)ラスターを転送す
るときに、Mの(n+32)ラスター、Cの(n+6
4)ラスター、Bkの(n+96)ラスターを転送する
ように、つまりデータをオフセットしてプリンタ150
に転送(オフセット転送)する。ここで、nは−96以
上であり、転送ラスターが0未満、または最大ラスター
を越える場合はその色のデータを転送しない。
【0037】これにより、記録ヘッドの色ノズル配置に
応じたデータを転送できるので、記録画像のメモリー
は、図7に示すように、同時に印字しないラスターを蓄
積しておく必要がなくなり、大幅にメモリー効率を向上
できる。
【0038】勿論、同時に印字しているラスターの更に
数ラスター先まで必要に応じて画像データを読み込んで
おき、ビット展開を行っておいてもよいが、その様な場
合に於いても、一部の色の画像データのみを大幅に蓄積
して於かねばならない従来の方式と比べて、メモリの使
用効率が大幅に改善される。
【0039】また、外部装置からの画像データのオフセ
ット転送は、外部装置内のソフトウエア、特にプリンタ
ードライバーにより実現される。外部装置(ホストコン
ピュータ300)は図8に示すように、インターフェイ
ス301を通して記録装置とのデータの授受や、画像入
力装置との記録画像の授受を行う。インターフェイス3
01を介して入力されたデータは、制御部302により
操作される。記録装置(プリンタ150)への出力に際
しては、操作後の画像データは記録装置固有の、つま
り、記録装置に対応して設定されたプリンタードライバ
ー303によって、記録装置の仕様に応じた転送データ
に加工された後、インターフェイス301を介して、上
述のとおり、オフセットして記録装置に転送される。
【0040】記録装置の仕様に応じた転送データの加工
とは、例えば記録装置に応じた色補正や出力γ補正、2
値化処理、解像度変換、画像データの転送エンコード処
理などである。これらの処理後、データの記録装置への
オフセット転送などもプリンタードライバー303によ
り行われる。
【0041】プリンタードライバーの向上により、記録
画像の向上や、記録画像の出力時間の短縮などが可能で
あるので、プリンタードライバーのバージョンアップは
日常的に行われいる。昨今の汎用OSの普及によりアプ
リケーションに拘束されることなくプリンタードライバ
ーを更新できる環境が整ったことで、プリンタードライ
バーへの期待が高まってきている。
【0042】本発明は、プリンタードライバーと記録装
置の仕様の中で、特に画像転送ラスター処理を記録ヘッ
ドの仕様に応じて最適化することで、記録装置のメモリ
ー効率を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0043】上述したオフセット転送を行うことによ
り、メモリーの使用効率は格段に向上する。しかし、一
方で異なる色間の画像境界部でのインクのにじみ問題は
残る。このため、インク溶剤の界面活性剤の含有率を上
げて記録媒体への浸透度を向上させて、境界部でのイン
クのにじみを防止することが考えられる。
【0044】この場合、染料も記録媒体深部に引き込ま
れてしまうので一般的にコントラストの低い画像となっ
てしまう。カラー画像は比較的コントラストの許容レベ
ルが低いので弊害は少ないが、文字などが主のBkでは
高コントラストが要求されるので、高浸透度インクの使
用は難しい。つまり、Y、M、Cのカラー画像間ではに
じみ問題は解消できても、Bk画像とカラー画像(Y,
M,C)間でのにじみを解消するのは困難である場合が
多い。
【0045】本実施例に於いても、カラー画像とBk画
像間で生じるインクのにじみを防止する必要がある。オ
フセット転送を行っていなければ、すべての印字領域に
於いて印字を行う前に画像の境界状態を検出できるの
で、先に述べたPCBk変換等の方法を用いて印字前に
対処することができる。
【0046】しかし、本実施例のように画像データがオ
フセット転送される場合、各色が記録を行うまでデータ
が揃わないので、印字前には境界部の検出はできない。
また、記録したデータは消去されるので後続のインク色
での記録を行う時点に於いても、先行する記録データは
参照できない。結果的にどの色の記録の時にも画像境界
部の検出は行えない。
【0047】そこで、本実施例では以下のようににじみ
制御を行うことで、オフセット転送でありながら境界部
でのにじみ防止制御を行なっている。
【0048】図9は、オフセット転送でにじみ防止制御
を行う一実施例を説明する説明図である。記録ヘッド1
708は図1で説明したように、上からY,M,Cノズ
ルが夫々24ノズル、更に下方にBkが64ノズル、色
間に8ノズル相当の間隔をおいて配されている。8ラス
ターを1単位として印字領域を分けるとすると、上記の
通り記録ヘッドは総計160ラスター相当領域に渡って
ノズルが配されているので、図9に記すように20単位
分に渡って印字領域があることとなる。
【0049】ここで、20ビットのメモリー703を図
3に示すDRAM1703に用意し、上記ヘッドの印字
領域の20単位領域にBk画像があったかどうかを記憶
する。該当印字単位領域に(即ち該当する8ラスター内
に)Bk画素が存在していた場合には、上記20ビット
のメモリー703の該当位置に1が立つ。今、過去20
印字単位に1単位(8ラスター)おきにBk画素が存在
していた場合、図9に記すように20ビットメモリー7
03には1と0が交互にメモリーに記憶される。
【0050】次の印字方向1単位にBk画素が存在して
いなかった場合、図10に示すように20ビットメモリ
ー703に0が入力される。図10(a)では、上方向
に従来の20ビット分の内容(Bk画素の有無を示すデ
ータ)がローテートし、下から今回のデータである0が
入力され、図10(b)の状態となる。これを繰り返す
ことによって、1回の走査で記録ヘッドで印字が行われ
る160ラスター内に、少なくとも8ラスター単位でB
k記録画像があったかどうかを判断できる。
【0051】本実施例では、このメモリー703を用い
て、カラー画像とBk画像の画像境界にじみを低減する
にじみ制御を行っている。つまり、夫々Y,M,Cノズ
ルで印字を行う記録エリアに相当する位置の20ビット
メモリー703の1、0情報を参照し、対応する記録エ
リアにBk画素を記録したかどうかを検出し、Bk画素
を記録したエリアと同じエリアにY、MもしくはC画像
を印字する場合には、2秒のウエイトをおく。
【0052】境界部のにじみを防止するためには、ウエ
イト時間は長い方が好ましい。しかし、ウエイト時間が
長すぎるとコックリング(紙しわ)が発生し、以降の記
録で画像弊害を招く恐れがある。一般的には、ウエイト
時間は5秒以内が好ましく、本実施例では2秒とした。
【0053】図11は、ウエイト印字を行うかどうかを
判断するフローチャートである。ステップS1で印字命
令が入ると、ステップS2でY,M,Cの夫々該当する
印字行に印字データがあるかどうかを判断する。印字デ
ータがある場合には、ステップS3で、該当する20ビ
ットメモリー703のビットを参照して、Y,M,Cの
印字エリアにBk印字が行われていたかどうかを、ステ
ップS4で判断する。Bk印字が行われていなければ、
ステップS5で1行の印字を行うが、Bk印字が行われ
ていれば、ステップS6で該当走査を行う前に2秒間の
ウエイトをおく。
【0054】本実施例で用いているヘッド1708は、
1ヘッドにY,M,C,Bkノズルが配されているタイ
プのヘッドであるから、Y、M、Cどれか1色でもBk
画像と同じエリアに印字が行われる場合であれば、すべ
ての色の印字にウエイトが入ることとなる。
【0055】上記実施例では、Y、M、Cの該当エリア
とは、Y、M、C印字を行う夫々24ラスターの3単位
エリアであるが、前後1エリアずつマージンを持って5
エリアで検出する方法であっても良い。また、8ラスタ
ーを1単位として処理しているが、本発明が8ラスター
に拘束されることはない。
【0056】以上のように、本実施例では縦並びヘッド
を用いているので、双方向印字での色の重なり順序が変
化せず、また、同一領域に異なる色の記録画素が記録さ
れるまでの時間が遅延し、にじみを軽減することができ
る。また、縦並びヘッドを用いるにあたり、色毎の転送
ラスターにオフセットをかけて転送しているので、使用
メモリーの浪費の改善を図ることができる。
【0057】さらに、本実施例では、オフセット転送デ
ータの中からBk画像とY,M,C画像の画像境界部を
検出するため、8ラスター単位の印字単位領域にBk画
像を記録したことを記憶しておくメモリーを設け、境界
部が存在する可能性がある場合に境界部印字までの遅延
時間を制御することにより、境界にじみを防止してい
る。これにより、高速且つ高画質記録が可能となる。
【0058】(実施例2)次に、境界部のにじみ防止の
他の例を示す実施例2について説明する。実施例1で
は、にじみを防止制御する必要のある境界部を検出する
と、記録を2秒間休止して、先打ち境界部のインクが定
着するのを待って後打ち境界部の記録を行った。本実施
例では、単に休止してウエイトするのではなく、1行を
複数の走査で形成することで単位時間に吐出されるイン
クの量を低減し、にじみを軽減するマルチパス印字を行
う。
【0059】本実施例では図1で説明したヘッドを用
い、実施例1同様に、画像領域を8ラスター単位毎に分
割しBk画像が存在していたかどうかを20ビットメモ
リーで管理する。前記実施例ではY、M、Cの画像を印
字する領域にBk画像があると判断された場合には2秒
間ウエイトしてから印字を再開したが、本実施例ではマ
ルチパス印字を印字するよう制御する。
【0060】本実施例のY,M,Cノズルは24ノズル
なので、24ノズル印字エリアをマスクを掛けながら3
回走査することで、すべての画素が印字される3パス印
字モードに印字モードを変更する。この時、紙送りを行
わずに同一エリアを3回走査する使用であってもよい
が、本実施例では8ノズルずつ紙送りを行う3パスオー
バーラップ印字を行う。マスクを掛けながら複数パスで
印字を行う記録方法は、各階毎の紙送りの精度誤差によ
る印字ムラの低減や、記録ヘッドのノズル毎の吐出量差
による印字ムラを低減する公知の印字手段である。
【0061】マルチパス印字とすることで、印字時間は
1パス印字時よりも長くなるが、にじみが懸念される境
界部が存在する場合に単にウエイトしているよりも、確
実に高画質化が実現できる。前述のように、通常のオフ
セット転送方式では如何なるラスターに於いてもY、
M、C、Bkの画像データがすべて残っているいる箇所
はないので、境界の判断が行えず境界制御を行うことが
できない。
【0062】本実施例では、20ビットメモリー703
のような、Bk画像が存在していたかどうかの検出手段
を用いたことで、境界部が存在する可能性を検出でき、
境界部のにじみ防止制御を行うことを可能とできる。
【0063】図12は、マルチパス印字を行うかどうか
を判断するフローチャートである。ステップS11で印
字命令が入ると、ステップS12でY,M,Cの夫々該
当する印字行に印字データがあるかどうかを判断する。
印字データがある場合には、ステップS13で、該当す
る20ビットメモリー703のビットを参照して、Y,
M,Cの印字エリアにBk印字が行われていたかどうか
を、ステップS14で判断する。Bk印字が行われてい
なければ、ステップS15で1パスで1行の印字(シン
グルパス印字)を行うが、Bk印字が行われていれば、
ステップS16で3パスで1行の印字(マルチパス印
字)を行う。
【0064】にじみを防止する必要可能性のある画像境
界部を検出し、該検出部の印字をマルチパス印字とする
ことで該にじみの防止と画像ムラの低減の双方を実現す
るにじみ防止手段以外の構成、及び作用効果は前記実施
例と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0065】(実施例3)次に、更に精度の良い画像境
界部の検出を行う実施例3について説明する。
【0066】上記実施例1、2では、20ビットメモリ
ー703を用いてY、M、C画像の印字時に、夫々の印
字領域にBk画像を先打ちしていた可能性があるかどう
かを判断して、にじみ防止制御を行ってきた。しかし、
上記実施例では厳密には単位エリア(上記実施例では8
ラスター毎に区分したエリア)にBk画素が存在するか
どうかを見ているだけで、必ずしもY、M、C画像との
近接を判断しているわけではない。にじみの可能性のあ
る領域を印字する場合には確実ににじみ防止制御が行わ
れるので高画質を実現できるが、にじみ防止制御が必要
ない領域まで滲み防止制御が掛かってしまう場合もあっ
た。
【0067】そこで、本実施例では確実ににじみが懸念
される境界部を検出できる例について説明する。
【0068】本実施例では、Bkメモリーは図13に記
すように(n)ラスターから(n+159)ラスターま
での160ラスター分のデータを保持する。従って、
Y、M、C、Bkの使用メモリーの総和は、本実施例が
232ラスラー相当(160+24*3)であり、図7
を用いて説明したオフセット転送をフルに生かした必要
メモリーの136ラスター相当よりも多くなってしまう
が、図1を用いて説明したオフセット転送を行わない場
合の必要メモリーの400ラスター相当よりも格段に効
率アップが果たせる。
【0069】Bk画像のデータを記録ヘッドの幅の16
0ラスター分持っておくことによって、Bk画像とC、
M、Yの各画像との位置関係を完全に把握することがで
きるので、滲み防止制御の必要性を正しく判断できる。
にじみ防止の必要性の判断は、どれほど近接していれば
必要と判断するかは記録装置個々に異なるので一概に規
定はできない。
【0070】例えば、Bk画素のa画素相当の間隔範囲
にYorMorCの画素が存在していた場合ににじみ防
止制御が必要であるとした場合、検出方法の一例として
はどちらか一方の色の画素を周囲にa画素ボールドさせ
て他方の色の画像と論理積をとり、画素が残った場合に
a画素範囲内に二つの色の画素が存在すると判断するな
どの方法がある。本実施例では、上記aを4として(a
=4)、4画素以内に近接している場合を滲みの可能性
のある領域と判断している。
【0071】図13に示した本実施例の記録画像のメモ
リー方法であっても、オフセット転送を用いていること
で半分強まで必要メモリー容量を削減できるので、十分
にメモリー使用効率をアップすることができる。図7を
用いて説明した実施例1、2の必要メモリー量と比較す
ると削減幅が少なくなっているが、普及型のメモリー
(RAM)は、1Mbit/個、4Mbit/個という
単位であり、本実施例の図13に示す方法で1単位メモ
リーサイズを落とすことができるのであれば、実施例
1、2の図7に示す方法までメモリー使用効率を上げな
くともコスト的には同等となる場合もあり、本実施例の
方式がコスト、性能両面で最適となる場合もある。
【0072】(実施例4)上記実施例3では、Bk画素
が先打ちされる場合について説明したが、Bk画素が後
打ちされる場合についても本発明は適用できる。
【0073】即ち、本実施例は、オフセット転送で先に
転送されてくるY、M、C画像データをすべて保持して
於くのではなく、Y、M、C画像データの論理和画像
(or画像)を保存して於き、論理和画像とBk画像の
位置関係から上記実施例3同様境界部を検出し、滲み防
止が必要とされる場合にはマルチパス印字に切り替え
る。
【0074】図14は、本実施例のメモリー構成を示す
図である。図中、色メモリーにはオフセット転送されて
くるY,M,C画像データの論理和画像を格納し、この
論理和画像とBk画像の位置関係から色境界部を検出す
る。
【0075】先の実施例同様、本実施例ではBk画像と
Y、M、C画像間の滲みが問題となるようなY、M、
C、Bkのインクを用いることを前提としているので、
Bk画像との境界を検出しているが、場合により他の組
み合わせで滲みが問題となるようなインクを用いている
場合には、滲みが懸念される色間で境界を検出して滲み
制御を行えばよい。
【0076】滲みが懸念される画像境界部を検出する境
界検出手段以外の構成、及び作用効果は前記実施例と同
様であるので詳細な説明は省略する。
【0077】(実施例5)次に、メモリーの使用効率を
更に向上させて、且つ滲みが懸念される画像境界部の検
出を正確に行える実施例5について説明する。
【0078】先の実施例では、Bk画像を先打ちする場
合にはノズル幅相当のBk画像を、Y、M、C画像を先
打ちする場合にはY、M、C画像の論理和画像を所持し
ていなければならなかった。このため、オフセット転送
を行わないことと比較すれば格段にメモリーの使用効率
は向上させることが可能であるものの、印字データとし
ては不要な上記境界検出用のデータを保持していなけれ
ばならない無駄が生じる。
【0079】本実施例では、上記境界検出用のメモリー
を大幅に削減することでメモリー使用効率を向上した例
について説明する。
【0080】本実施例では、図1で説明した実施例同様
のBk画像を先打ちする構成のヘッドを用いる。オフセ
ット転送を行う場合、Bk画像を印字する時にはまだ
Y、M、C画像データがないので境界制御は行えない。
【0081】本実施例では実印字に必要なY、M、C、
Bkのオフセット画像データの他に、実印字Bk画像と
同じ画像領域のY、M、C画像データも併せて転送す
る。これにより、Bk画像とY、M、C画像の境界を検
出し、本実施例では境界部のBk画像を一部間引くこと
によって滲みの防止制御を行う。先送りしたY、M、C
画像データは、Y、M、Cの印字位置に来た時に再度転
送されるので、保持して於く必要はなく、境界部の検出
が終了した時点で消去してしまって良い。
【0082】よって、一時記憶のためのY、M、C画像
データ領域を除いては、実印字領域以外のメモリーを必
要とはせずメモリー消費効率を大幅に向上できる。
【0083】尚、上記境界検出のためのY、M、C画像
の一時記憶領域は、Y、M、C画像データ別々に保持で
きる仕様であっても良いが、本実施例ではY、M、Cの
論理和データで目的は達成できるので、必ずしも個別に
保持しておく必要はない。
【0084】また、Bk画像印字部についてにのみY、
M、C画像データもしくはY、M、C画像データの論理
和データを転送したが、Y、M、Cの実印字領域に対応
したBk画像データを、Bk画像の実印字のための転送
とは別に境界検出のために再度転送して境界検出をする
仕様であっても良い。
【0085】本実施例では、オフセット転送データの中
からBk画像とY,M,C画像の画像境界部を検出する
ため、画像データの転送を、実印字の為の転送だけでは
なく複数回転送することによって、メモリーの消費効率
の向上を図りながら、的確なにじみ防止制御を実現でき
る。
【0086】画像データを複数回転送するデータ転送手
段以外の構成、及び作用効果は前記実施例と同様である
ので詳細な説明は省略する。
【0087】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録
装置において優れた効果をもたらすものである。
【0088】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出
来る。
【0089】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0090】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0091】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0092】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0093】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して2個以上の個数設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0094】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付加時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0095】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、縦並びヘッドを用いて
いるので、双方向印字での色の重なり順序が変化せず、
また、同一領域に異なる色の記録画素が記録されるまで
の時間が遅延し、にじみを軽減することができる。ま
た、縦並びヘッドを用いるにあたり、色毎の転送ラスタ
ーにオフセットをかけて転送しているので、使用メモリ
ーの浪費の改善を図ることができる。
【0097】さらに、本発明では、オフセット転送デー
タの中から画像境界部を検出しているので、境界にじみ
を防止することができ、高速且つ高画質記録が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の記録ヘッドの配列と記録画像のメモリー
構成を説明する説明図である。
【図2】本発明に適用可能なインクジェット記録装置を
示す斜視図である。
【図3】本発明に適用可能な記録ヘッドのロジックを説
明するブロック図である。
【図4】本発明の実施例1の記録ヘッドを示す説明図で
ある。
【図5】従来の記録データ転送を説明するブロック図で
ある。
【図6】実施例1の記録データを色毎にオフセットして
するデータ転送を説明する説明図である。
【図7】実施例1の色毎オフセットを行った場合のメモ
リー構成を説明する説明図である。
【図8】実施例1のホストコンピュータの構成を説明す
るブロック図である。
【図9】実施例1のメモリー構成を説明する説明図であ
る。
【図10】実施例1のメモリーに格納されるデータの状
態を説明する図である。
【図11】実施例1の制御方法を説明するフローチャー
トである。
【図12】実施例2の制御方法を説明するフローチャー
トである。
【図13】実施例3のメモリー構成を説明する説明図で
ある。
【図14】実施例4のメモリー構成を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
150,1500 記録装置 300,3000 ホストコンピュータ 703 メモリー 1708 記録ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼松 大五郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−146373(JP,A) 特開 平6−206370(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/21 B41J 2/525 B41J 5/30 G06F 3/12

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の色を記録するための複数の記録素
    子を副走査方向にオフセットして配置した記録ヘッドを
    用いて記録する記録装置において、 前記複数の色の記録素子に対応する記録データを格納す
    る記憶手段と、 前記複数の色のいずれかの記録素子を基準とした前記複
    数の色の他の記録素子の前記副走査方向のオフセット量
    に基づいて前記副走査方向にオフセットされ、前記複数
    の色に対応する記録データを受信する受信手段と、 この受信手段によって受信された記録データから異なる
    色による画像の画像境界部を検出する検出手段と、 この検出手段の検出に応じて境界部のにじみを防止する
    にじみ防止手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、少なくとも1色の記録
    データに対して所定の領域内に記録を行ったことを記憶
    する記憶手段を有することを特徴とした請求項1記載の
    記録装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、少なくとも1色の記録
    データを記録に用いた後も一定期間格納する格納手段を
    有することを特徴とした請求項1記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、少なくとも2色の記録
    データの論理演算データを、記録に用いた後も一定期間
    格納する格納手段を有することを特徴とした請求項1記
    載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記受信手段は、オフセットされた記録
    データとオフセットされない記録データを受信し、 前記検出手段は、前記受信手段が受信したオフセットさ
    れない記録データから異なる色による画像の画像境界部
    を検出することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 上記にじみ防止手段は、記録を遅延する
    手段、記録パス数を制御するマルチパス手段、記録画像
    を補正する画像補正手段のうち、少なくとも1つの手段
    を有することを特徴とした請求項1乃至5のいずれかに
    記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録装置の記録ヘッドは、熱エネル
    ギーを用いてインクを記録媒体に吐出することを特徴と
    した請求項1乃至6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 複数の色を記録するための複数の記録素
    子を副走査方向にオフセットして配置した記録ヘッドを
    用いて記録する記録装置と、前記記録装置に記録データ
    を転送するホストコンピュータを有する記録システムに
    おいて、 前記ホストコンピュータは、前記複数の色のいずれかの
    記録素子を基準とした前記複数の色の他の記録素子の前
    記副走査方向のオフセット量に基づいて前記副走査方向
    にオフセットし、前記複数の色に対応する記録データを
    前記記録装置に転送する転送手段を有し、 前記記録装置は、前記転送手段によって転送された前記
    複数の色に対応する記録データを受信する受信手段と、
    この受信手段によって受信された記録データから異なる
    色による画像の画像境界部を検出する検出手段と、この
    検出手段の検出に応じて境界部のにじみを防止するにじ
    み防止手段とを有することを特徴とする記録システム。
  9. 【請求項9】 前記記録装置の記録ヘッドは、熱エネル
    ギーを用いてインクを記録媒体に吐出することを特徴と
    した請求項8記載の記録システム。
  10. 【請求項10】 複数の色を記録するための複数の記録
    素子を副走査方向にオフセットして配置した記録ヘッド
    を有する記録装置に、記録データを転送する記録データ
    転送方法において、 前記複数の色のいずれかの記録素子を基準とした前記複
    数の色の他の記録素子の前記副走査方向のオフセット量
    に基づいて前記副走査方向にオフセットし、前記複数の
    色に対応する記録データを前記記録装置に転送するオフ
    セット転送工程と、 このオフセット転送工程により転送される記録データと
    伴に、前記複数の他の色に対応する記録データをオフセ
    ットしないで転送する転送工程とを有することを特徴と
    する記録データ転送方法。
  11. 【請求項11】 前記記録装置の記録ヘッドは、熱エネ
    ルギーを用いてインクを記録媒体に吐出することを特徴
    とした請求項10記載の記録データ転送方法。
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