JP2004122637A - 画像処理装置、インクジェット記録装置および画像処理装置の制御方法 - Google Patents
画像処理装置、インクジェット記録装置および画像処理装置の制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数の記録媒体に画像の異なる部分を形成しつなぎ合わせて一枚の画像を完成する「タイリング」印刷を行う際に、記録媒体のつなぎ合わせ部分付近で生じる濃度ムラを低減する。
【解決手段】受信情報から画像データの記録を「タイリング」印刷で行う場合には、マルチパス記録による画像記録が設定されているか否か調べ、「タイリング」印刷に適したマルチパス記録による画像記録が設定されたのを確認してから画像記録することで、つなぎ合わせ部分付近で生じる濃度ムラを低減する。
【選択図】図4
【解決手段】受信情報から画像データの記録を「タイリング」印刷で行う場合には、マルチパス記録による画像記録が設定されているか否か調べ、「タイリング」印刷に適したマルチパス記録による画像記録が設定されたのを確認してから画像記録することで、つなぎ合わせ部分付近で生じる濃度ムラを低減する。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置、画像処理装置、及びそれらの制御方法に関し、特にシリアルスキャンを行って記録を行うインクジェット記録装置、画像処理装置及びそれらの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、機構が簡単でカラ−化が容易等の長所を有することから大判印刷の需要が近年急速に増え続けている。またインクジェット記録装置を用いて作成される画像は、画像記録時に湿度変動を生じてもその変動に対して極めて安定な画像を提供することができる。
【0003】
しかしながら、インクジェット記録装置を用いて作成される画像は、画像記録時に記録ヘッドのインク温度が変動した場合には画像濃度が変動しやすいという問題があった。これは、インクの粘度がインク温度に応じて変化し、その結果イインク吐出量が変化するためである。例えば、インク温度が上昇するとインクの粘度が低下して記録ヘッドからのインク吐出量が増加し、インク温度が低下するとインクの粘度が増して記録ヘッドからのインク吐出量が減少する。
【0004】
インクジェット記録装置のなかでも、電気熱変換体を発熱させてインクを沸騰させ、その圧力でインクを吐出させる、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式のものは、マルチノズル化、すなわち、小面積に多数のインク吐出口(ノズル)を有する記録ヘッドの製造が容易であるため、高密度化の画像記録を容易にできる等の長所を有している。しかしながら、インクジェット記録方式では、電気熱変換体の発熱によるインク温度の上昇に伴い上述したようなインク濃度の変動を生じ、印字を開始すると記録ヘッドの温度が徐々に上昇するため、印字開始直後よりも印字を続けるうちに画像濃度が徐々に高くなり、印字休止後は再び画像濃度が低下する傾向にある。
【0005】
バブルジェット(登録商標)方式で記録ヘッド温度の上昇に伴う濃度変動を抑える方法として、特公平5−30627号公報、特開昭61−146553号公報、特開昭61−158463号公報に、インクを吐出しない範囲のパルス幅または電圧で電気熱変換体を加熱することにより、記録ヘッド温度を上昇させておく方法が開示されている。このような加熱を印字前に予め行えば、印字直後でも画像濃度が高くなり印字を続けたときの画像濃度との差が減少する。
【0006】
ところで、インクジェット記録ヘッドをシリアルスキャンさせて画像記録を行う画像記録装置のうち、出力画像をつなぎ合わせて画像記録装置に搭載してある用紙のサイズより大きな出力画像を形成するために用紙をつなぎ合わせて印字を行う、「タイリング」と呼ばれている画像形成方法が知られている。
【0007】
この「タイリング」と呼ばれている画像形成方法を用いて、例えば図3に示すA1サイズ4枚に「A」の一部((1)〜(4))をそれぞれ印字してつなぎ合わることによって、画像記録装置に搭載してある記録媒体(用紙など)のサイズより大きな出力画像を形成することができる。図3の例ではA1サイズの4倍の記録媒体(用紙など)にブルーの背景に白抜きで「A」を描かせている。このように複数枚の用紙をつなぎ合わせて大面積の画像を得る手法を「タイリング」と呼び、近年、大判インクジェット記録装置の画像形成システムの機能として採用されている。図3において、P方向は記録ヘッドの主走査方向(往路)であり、f’方向は記録ヘッドの副走査方向を示す。
【0008】
ところで、「タイリング」による画像形成方法において、上述したインク温度の変動に伴い画像濃度が変動する。例えば、各出力画像(1)〜(4)のなかでは、P方向(主走査方向)のスキャンの開始点(図中の(1)−S、(2)−S、(3)−S、(4)−S点)で画像濃度が低く、印字とともにインク温度が上昇して画像濃度も上昇し、P方向(主走査方向)のスキャンの終点(図中の(1)−E、(2)−E、(3)−E、(4)−E点)で最も高くなる。1スキャンの印字が終了すると、記録ヘッドは印字をせずにP方向とは逆方向(主走査方向の復路)に戻る。この時記録ヘッド温度は低下し、次のスキャンの開始点(図中の(2)−S点など)では再び画像濃度は低くなる。このため(1)のスキャンの終点部(図中の(1)−E点)と(2)のスキャンの開始点部(図中の(2)−S点)に画像濃度差が生じ、原稿によっては、光学濃度0.2以上の差がでてしまう。
【0009】
さらにスキャンの開始点と終点(例えば、(1)−Eと(2)−S点など)は最終的には隣接して置かれるため、わずかな画像濃度差が視覚的に非常に目立つものとなる。実際、例えば、出力画像(1)において、(1)−Sと(1)−Eの濃度差が0.2程度あっても出力画像(1)だけ見るかぎりでは視覚的には濃度差は目立たないが、出力画像(1)と出力画像(2)を図3のように隣接して配置し両図を比較すると出力画像(1)−Eと出力画像(2)−Sのように隣接する部分では、0.1の濃度差があっても視覚的には非常に目立ったものになってしまう。
【0010】
このため、「タイリング」での画像濃度差を視覚的に目立たぬようにするためには、上述したようなインク吐出しない程度のパルスを印字開始直前に与えるだけの処理では不十分である。特に、大面積画像を得るためにP方向のスキャン長が長い場合には、1スキャン内での記録ヘッド昇温も大きいためこの問題による画質劣化が顕著である。
【0011】
一方、近年、記録ヘッドの製造精度が上がりむらの少ない記録ヘッドを製造出来るようになってきたことや印字速度の高速化が求められるようになってきたことにより、高速印字に適するシングルスキャンによる印字方法もしくはマルチパス記録でパス数の少ない印字方法での画像形成が求められるようになってきた。しかしながら、記録ヘッドが長尺化(ノズル数の増加)すると、より記録ヘッド温度が印字時に高温になりやすくなるため、上記説明したインク温度の上昇が顕著になり濃度変化を生じる現象がさらに発生しやすくなる。
上記説明した濃度変動を効率良く抑制する方法として特開平07−89070号公報などのように、1スキャンの画像形成が終了した後、走査が反転すなわちP方向とは逆方向に走査している時に吐出しない程度の短いパルスを記録ヘッドに印加することで記録ヘッドを保温することで、書き出しの濃度が下がらないような方法がある。
【0012】
【特許文献1】
特公平5−30627号公報
【特許文献2】
特開昭61−146553号公報
【特許文献3】
特開昭61−158463号公報
【特許文献4】
特開平07−89070号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この濃度変動を抑制する方法では、記録ヘッドの温度を精度よく制御するのが困難であり、また記録ヘッドを画像記録時に常に加熱しておくため記録ヘッドの寿命が短くなり、さらに上述した「タイリング」処理による画像記録を行う場合には、「タイリング」処理を指示したホストコンピュータ側では、実際の印字結果がどのようになるか判断がつかないという欠点があった。
【0014】
本発明は上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、例えば、搭載されている記録媒体のサイズより大きな画像を形成するために、複数の記録媒体にこの画像の異なる部分の画像を形成しつなぎ合わせて一枚の画像を完成する(「タイリング」と呼ばれる画像形成方法)際に、記録媒体のつなぎ合わせ部分付近で生じる濃度ムラを低減して画質低下を低減できるインクジェット記録装置、画像処理装置及びそれらの制御方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置とインクジェット記録装置とに接続され、前記情報処理装置より受信したプリントデータと該プリントデータの出力情報に基づいて前記インクジェット記録装置を制御する画像処理装置であって、前記インクジェット記録装置は、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する際に、各領域を1回の走査で記録するシングルパス記録、または複数回の走査で記録するマルチパス記録のいずれかで画像記録する画像記録手段を有し、前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信手段と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別手段と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像が複数枚の記録媒体に記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置に接続され、該情報処理装置より受信したプリントデータ及び該プリントデータの出力情報に基づいて、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する画像処理装置であって、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別手段と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成手段と、前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかで前記画像データを記録する画像記録手段と、前記画像が複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
ここで、例えば、前記複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するように設定する設定手段を有することが好ましい。
【0018】
ここで、例えば、前記設定手段によって設定された情報を前記情報処理装置に送信する送信手段を有することが好ましい。
【0019】
ここで、例えば、前記出力情報に基づいて、前記マルチパス記録における走査回数が決定されることが好ましい。
【0020】
ここで、例えば、前記マルチパス記録では、前記所定画像領域を記録するために前記走査の片方向が用いられる、または前記走査の双方向が用いられることが好ましい。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態のインクジェット記録装置は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置に接続されている画像処理装置に接続され、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録するインクジェット記録装置であって、画像データと、該画像データの出力情報とを受信する受信手段と、前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかの記録方法で前記画像データを記録する画像記録手段と、前記受信した出力情報で指定された記録方法に基づいて前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
ここで、例えば、前記出力情報に基づいて、前記マルチパス記録における走査回数が決定されることが好ましい。
【0023】
ここで、例えば、前記マルチパス記録では、前記所定画像領域を記録するために前記走査の片方向が用いられる、または前記走査の双方向が用いられることが好ましい。
【0024】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置とインクジェット記録装置とに接続され、前記情報処理装置より受信したプリントデータと該プリントデータの出力情報に基づいて前記インクジェット記録装置を制御する画像処理装置の制御方法であって、前記インクジェット記録装置は、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する際に、各領域を1回の走査で記録するシングルパス記録、または複数回の走査で記録するマルチパス記録のいずれかで画像記録する画像記録手段を有し、前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信工程と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別工程と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成工程と、前記画像が複数枚の記録媒体に記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する画像処理装置の制御方法であって、前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信工程と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別工程と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成工程と、前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかで前記画像データを記録する画像記録工程と、を有し、前記画像が複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録工程が制御されることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明に係る一実施形態の情報処理装置、画像処理装置、記録装置からなる画像記録システムについて説明する。
【0027】
ただし、本実施形態では、情報処理装置としてホストコンピュータを、記録装置として、インクジェット記録方式を用いたインクジェットプリンタを例に挙げ説明するが、本発明の範囲を記載例に限定する趣旨のものではない。
【0028】
例えば、上記の構成例では、画像処理装置と記録装置は別々の装置であるが、これらの装置の代わりに上記の2つの機能を併せ持ち画像処理機能とプリンタ機能が一体化された画像処理装置を用いてもよい。この場合の画像記録システムは、情報処理装置と一体化された画像処理装置から構成される。
【0029】
また、画像処理装置で行う機能を情報処理装置に持たせ、情報処理装置の画像作成機能に画像処理装置で行う画像処理機能を一体化した情報処理装置を用いてもよい。この場合の画像記録システムは、一体化された情報処理装置と記録装置から構成される。
【0030】
本明細書において、「記録」(「印字」「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も示すものとする。
【0031】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも示すものとする。
【0032】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(印字)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を示すものとする。
【0033】
<第1の実施形態>
本実施形態では、オペレータが「タイリング」印刷(搭載されている記録媒体のサイズより大きな画像を形成するために、複数の記録媒体にこの画像の異なる部分の画像を形成しつなぎ合わせて一枚の画像を完成する画像形成方法)での画像記録行う際に、誤って濃度差(隣接する記録媒体のつなぎ目付近の画像に生じる濃度ムラ)が発生するような印字方法(例えば、シングルパス記録)を選択して記録を行おうとすると、オペレータにその旨を警告し、オペレータによって選択された濃度差が発生しにくい印字方法(例えば、マルチパスパス記録)に従って「タイリング」印刷を行う方法について説明する。
【0034】
本実施形態では、通常の画像記録を行う場合にはシングルパス記録を用い、「タイリング」印刷を行う場合にはシングルパス記録でなくマルチパス記録を用いて記録する。そのため、従来つなぎ合わせ付近で発生していたインク温度差に起因する画像濃度差による画質低下を低減することができる。また、本実施形態での印字方法は、記録ヘッドを主走査方向の往路方向に走査するときのみ印字し、主走査方向の復路方向に走査するときは印字しない、片方向印字方法を用いる。
【0035】
[画像記録システムの構成:図1]
図1は、本実施形態の画像記録システムにおける画像処理装置20及びインクジェットプリンタ30の電気的な構成を概略的に示すブロック図である。この画像処理システムは、ホストコンピュータ10と、画像処理装置20と、インクジェットプリンタ30とを有し、各々がケーブル1、ケーブル2を介して接続されている。
【0036】
ホストコンピュータ10は、プリントデータ(ここでは、プリントデータの一例としてPDLデータを用いて説明する)と、インクジェットプリンタ30で記録する記録方法(「タイリング」印刷など)を設定するプリントデータの出力情報データなどの供給源として機能する。
【0037】
画像処理装置20は、ホストコンピュータ10からケーブル1、外部インターフェース25を介して供給されたプリントデータを、HDDコントローラ23を介して内蔵HDD24に一旦保持する。内蔵HDDに保持されたプリントデータは、CPUバス4を介してPDLバッファ26−2に一時的に保持され、そのPDLデータをラインメモリ26−1に展開して画像データを生成する。ラインメモリ26−1に展開された1走査分の画像データはケーブル2を介してインクジェットプリンタ30に転送され、記録媒体にプリントされる。ここで、ケーブル1、2は、パラレルケーブル、SCSIケーブル、シリアルケーブル、ネットワークケーブル等の汎用ケーブルでも、専用のケーブルでも何れでも構わない。
【0038】
インクジェットプリンタ30は、ホストコンピュータ10で生成したプリントデータを出力するプリンタとして機能する。
【0039】
また、画像処理装置20は、ケーブル2を介してインクジェットプリンタ30のステータス情報等を取得し、ホストコンピュータ10に送信することができる他、このステータス情報に基づいてインクジェットプリンタ30を制御することができる。
【0040】
CPU21は、ROM22もしくは内蔵(HDD)24に格納された制御プログラムに基づいて動作し、画像処理装置20の機能を制御する。また内蔵ハードディスク(HDD)24は、プリント済みのPDLデータやPDLデータを展開して生成した画像データを一時的に保持する領域やフォントデータを格納する領域等を有し、HDDコントローラ23を介してCPUバス4に接続されている。RAM26は、ホストコンピュータ10より受信したPDLデータを一時的に保持するバッファ即ちPDLバッファ26−2と、PDLデータを展開し、そしてその画像データを一時的に保持するためのラインメモリ26−1とを含む。
【0041】
画像処理装置20は、ホストコンピュータ10から供給されるPDLデータに応じて、インクジェットプリンタ30で記録可能な2値もしくは多値のフルカラーまたはグレイスケール用の画像生成する。インクジェットプリンタ30に対する画像データの送信はケーブル2を介して行われる。2値の画像データの場合には、画像処理装置20からインクジェットプリンタ30の制御部330に直接送信される記録されるが、多値の画像データの場合には画像処理装置20からインクジェットプリンタ30の画像処理部310に送られ処理されてから次に制御部330に送られて記録される。制御部330は、画像処理装置(コントローラ)20からの命令に基づいてインクジェットプリンタ30の動作を制御する。
【0042】
なお、画像処理装置20は、ホストコンピュータ10から供給されるPDLデータに応じて、複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するように「タイリング」印刷を設定することのできる設定部(図示せず)を有する。
【0043】
[インクジェット記録装置:図2]
図2は本実施形態に好適なインクジェットプリンタ30の斜視図である。
ロ−ル状に巻かれた被記録材105は、搬送ロ−ラ101、102を経て給送ロ−ラ103で挟持され、給送ロ−ラ103に結合した副走査モ−タ110の駆動に伴ってf方向に送られる。この被記録材を横切ってガイドレ−ル106、107が平行に置かれており、キャリッジ108に搭載された記録ヘッドユニット109が左右に往復する。キャリッジ108にはイエロ−、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の記録ヘッド109Y〜109Bkが搭載されており、これに4色のインクタンクが配置されている。被記録材105は記録ヘッド109の印字幅分ずつ間欠送りされるが、被記録材105が停止している間に記録ヘッドがP方向に走査され、画像信号に応じたインク滴を吐出する。記録ヘッドのノズル数は例えば256、記録密度は例えば400dpiであり、f方向の印字幅は例えば16.256mmである。また、P方向の印字幅は例えば594mmである。なお、上記説明した記録ヘッドは一例であり、ノズル数の異なる記録ヘッドなどを用いても良い。
【0044】
[「タイリング」印刷の処理:図4]
次に、本実施形態の画像処理装置20のCPU21で行われる「タイリング」印刷の処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
まず、ステップS40において、ホストコンピュータ10内の操作で、オペレータにより記録する画像に対する記録方法の設定が行なわれ、その設定情報を受信すると、ステップS41に進み、ホストコンピュータ10から画像処理装置20に対して記録のための処理を行うように記録指示が送信され、その記録指示を受信する。
【0046】
次にステップS42に進み、送信されてきた設定情報から画像記録を「タイリング」印刷で行うか否かの判断を行い、「タイリング」印刷で行なわない場合にはステップS47に進み、通常の画像記録を行うための処理が行われ、外部インターフェース25を介して、画像処理装置20で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0047】
一方、ステップS42において、「タイリング」印刷を行う場合には、次にステップS43に進み、送信されてきた設定情報からマルチパス記録(マルチスキャン)による画像記録が設定されているか否かを調べ、マルチパス記録による画像記録が設定されている場合にはステップS47に進み、マルチパス記録による「タイリング」印刷が行われ、外部インターフェース25を介して、画像処理装置20で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0048】
一方、ステップS43において、送信されてきた設定情報からマルチパス記録による画像記録が設定されていない場合には、ステップS44に進み、外部インターフェース25を介して、ホストコンピュータ10に、例えば、「マルチパス記録による画像記録が設定されていませんので、出力された画像の繋ぎ目で濃度差が発生します。マルチパス記録による画像記録を設定して下さい」などの警告を表示するようメッセージを送信して、オペレータへ出力された画像の繋ぎ目付近で濃度差が発生しないマルチパス記録に設定を変更するように警告する。
【0049】
次にステップS45では、画像処理装置20内での印刷の為の処理を一旦停止してからステップS46に進み、オペレータがホストコンピュータ10から「タイリング」印刷における印刷方法をシングルパス記録からマルチスパス記録に変更したことを受信すると、ステップS42に戻り上記説明した処理を継続して行う。
【0050】
なお、上記説明した画像処理装置20のCPU21による処理は一例であり、例えば、「タイリング」印刷であるかの判断(ステップS42)やマルチパス記録(マルチスキャン)の判断(ステップS43)はCPU21で行う代わりに、ホストコンピュータ10内のCPUで行い、その判断結果に基づいて直ぐにオペレータへの警告(ステップS44)を行い、ジョブ中止(ステップS45)命令を画像処理装置20に送るようにしてもよい。
【0051】
[マルチパス記録(片方向3パス記録):図5]
図5は上記説明したマルチパス記録の一例として片方向3パス記録による画像記録を説明する図である。
【0052】
記録ヘッド301のノズル302は、片方向3パス記録の場合には、第1領域X、第2領域Y、第3領域Zで示す3つの部分に分割して画像記録に使用され、各部分には、それぞれ、X−1〜X−4(第1領域X)で示すノズル、Y−1〜Y−4(第2領域Y)で示すノズル、Z−1〜Z−4(第3領域Z)で示すノズルが含まれている。
【0053】
また片方向3パス記録の場合には、記録ヘッド301を図のAで示す主走査方向(往路)に3回走査(スキャン)しながら記録媒体203の所定画像領域204を上記の3分割された記録ヘッド301で記録する。
【0054】
すなわち、片方向1パス目(最初の主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第1領域Xを用いて3分割された所定画像領域204の204−1の部分の記録が行われ、記録媒体203のX’で示す部分204−1に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだX−1〜X−4で示す)。続いて記録紙203はdだけB方向に副走査方向に移動される。
【0055】
次に、片方向2パス目(2回目の主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第2領域Yを用いて3分割された所定画像領域204の204−2の部分の記録が行われ、記録媒体203のY’で示す部分204−2に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだY−1〜Y−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置には、次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動され、記録ヘッド301のZ部分のノズルを用いて記録される。
【0056】
次に、片方向3パス目(3回目の主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第3領域Zを用いて3分割された所定画像領域204の204−3の部分の記録が行われ、記録媒体203のZ’で示す部分に記録する(この記録されたドットを図中の○で囲んだZ−1〜Z−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置に次の次の画像データを用いた記録を行い、記録ヘッド301の第2領域Yの部分はY’で示す位置に次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動される。このようにして片方向3パス記録によって所定画像領域204の全ての記録が行われる。
【0057】
以上説明したように、所定画像領域204の記録をマルチパス記録(片方向3パス記録)で行う場合には、同じ所定画像領域204の記録をシングルパス記録(1回の走査で画像を形成する)と比較して、各ノズルが単位時間に吐出するインク滴の数は減少(3パス記録の場合は1/3)する。そのため、記録ヘッド温度の上昇はシングルパス記録を用いた場合(通常のシリアルスキャン)よりも抑えられることになる。その結果、マルチパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合には、シングルパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合に比較して、記録媒体のつなぎ目付近で生じる濃度差を軽減することができる。
【0058】
なお、上記説明では、シングルパス記録をマルチパス記録の片方向3パス記録に変更する方法について説明したが、マルチパス記録は片方向3パス記録に限ることはなく、例えば、パス数を2パス、4パス、5パス…と変更することは可能である。図6は、異なる片方向マルチパス記録を行う場合の走査開始点(Cs)と走査終了点(Cf)の濃度差の違いを模式的に示したものであり、記録ヘッド301の分割を多くしマルチパス記録におけるパス数を増加すると走査開始点(Cs)と走査終了点(Cf)の濃度差が減少し、片方向マルチパス記録の効果が大きくなることがわかる。ただし、片方向マルチパス記録のパス数を増加させると印字終了までの所要時間が増えることになる(片方向3パス記録の場合は3倍になる)。従って、図4のステップS44におけるオペレータへの警告を行う場合には、片方向マルチパス記録のパス数を増加すると印字所要時間がより長くかかることを合わせて警告するようにしてもよい。
【0059】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、「タイリング」印刷を行う場合に、主走査方向の往路または復路のみを用いる片方向印字のマルチパス記録を用いることにより、従来つなぎ合わせ付近で発生していたインク温度差に起因する画像濃度差による画質低下を低減できた。しかしながら、第1の実施形態の「タイリング」印刷では、マルチ記録のパス数の増加に応じて印字所要時間が長くなる。そこで、本実施形態では、「タイリング」印刷を行う場合に、主走査方向の往路と復路の両路を用いて記録する双方向印字のマルチパス記録を用いる。このため、第1の実施形態に比べて記録速度を向上することができるばかりでなく、「タイリング」印刷のつなぎ目付近で生じるインク温度差が減少し画質低下をさらに低減できる。
【0060】
なお、以下に示す第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1の実施形態と同じ内容の説明は重複するのでその説明は省略するものとする。すなわち、第2の実施形態の画像記録システムの構成は、図1と同じであり、第2の実施形態のインクジェット記録装置の構成は、図2と同じであるのでその説明は省略する。
【0061】
[「タイリング」印刷の処理:図7]
次に、第2の実施形態の画像処理装置220のCPU221(図1のCPU21に相当)で行われる「タイリング」印刷の処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0062】
まず、ステップS640において、ホストコンピュータ10内の操作で、オペレータにより記録する画像に対する記録方法の設定が行なわれ、その設定情報を受信すると、ステップS641に進み、ホストコンピュータ10から画像処理装置220に対して記録のための処理を行うように記録指示が送信され、その記録指示を受信する。
【0063】
次にステップS642に進み、送信されてきた設定情報から画像記録を「タイリング」印刷で行うか否かの判断を行い、「タイリング」印刷で行なわない場合にはステップS647に進み、通常の画像記録を行うための処理(シングルパス記録)が行われ、外部インターフェース225((図1の外部インターフェース25に相当))を介して、画像処理装置220で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0064】
一方、ステップS642において、「タイリング」印刷を行う場合には、次にステップS643に進み、送信されてきた設定情報からマルチパス記録(マルチスキャン)による画像記録が設定されているか否かを調べ、マルチパス記録による画像記録が設定されている場合にはステップS649に進み、マルチパス記録が片方向印字か双方向印字かを調べる。
【0065】
ステップS649において、マルチパス記録として双方向印字が設定されていれば、ステップS647に進み、外部インターフェース225(図1の外部インターフェース25に相当)を介して、画像処理装置220で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0066】
一方、ステップS649において、送信されてきた設定情報からマルチパス記録として双方向印字による画像記録が設定されていない場合には、ステップS650に進み、外部インターフェース225(図1の外部インターフェース25に相当)を介して、ホストコンピュータ10に、例えば、「マルチパス記録の双方向印字による画像記録が設定されていませんので高速記録ができません。高速記録を行うためマルチパス記録の双方向印字に設定変更して下さい」などの警告を表示するようメッセージを送信し、オペレータへマルチパス記録の双方向印字への設定変更するように警告する。
【0067】
次にステップS651では、画像処理装置220内での印刷の為の処理を一旦停止してからステップS652に進み、オペレータがホストコンピュータ10から「タイリング」印刷における印刷方法をマルチパス記録の片方向印字からマルチパス記録の双方向印字に変更したことを受信すると、ステップS642に戻り上記説明した処理を継続して行う。
【0068】
一方、ステップS643において、送信されてきた設定情報からマルチパス記録による画像記録が設定されていない場合には、外部インターフェース225(図1の外部インターフェース25に相当)を介して、ホストコンピュータ10に、例えば、「マルチパス記録による画像記録が設定しておりませんので、出力された画像の繋ぎ目で濃度差が発生します。マルチパス記録による画像記録を設定して下さい」などの警告を表示するようメッセージを送信して、オペレータへ出力された画像の繋ぎ目付近で濃度差が発生することを警告する。
【0069】
次にステップS645では、画像処理装置220内での印刷の為の処理を一旦停止してからステップS646に進み、オペレータがホストコンピュータ10から「タイリング」印刷における印刷方法をシングルパス記録からマルチスパス記録に変更したことを受信すると、ステップS642に戻り上記説明した処理を継続して行う。
【0070】
なお、上記説明した画像処理装置220のCPU221による処理は一例であり、例えば、「タイリング」印刷であるかの判断(ステップS642)やマルチパス記録(マルチスキャン)の判断(ステップS643、ステップS649)はCPU221で行う代わりに、ホストコンピュータ10内のCPUで行い、その判断結果に基づいて直ぐにオペレータへの警告(ステップS644、ステップS650)を行い、ジョブ中止(ステップS645、ステップS651)命令を画像処理装置20に送るようにしてもよい。
【0071】
[マルチパス記録(双方向3パス記録):図8]
図8は上記説明したマルチパス記録の一例として双方向3パス記録による画像記録を説明する図である。
【0072】
記録ヘッド301のノズル302は、双方向3パス記録の場合には、第1領域X、第2領域Y、第3領域Zで示す3つの部分に分割して画像記録に使用され、各部分には、それぞれ、X−1〜X−4(第1領域X)で示すノズル、Y−1〜Y−4(第2領域Y)で示すノズル、Z−1〜Z−4(第3領域Z)で示すノズルが含まれている。
【0073】
また双方向3パス記録の場合には、記録ヘッド301を図8のA1で示す主走査方向(往路)とA2で示す主走査方向(復路)との両路を用いる3回走査(スキャン)で記録媒体203の所定画像領域204を上記の3分割された記録ヘッド301で記録する。
【0074】
すなわち、双方向1パス目(主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第1領域Xを用いて3分割された所定画像領域204の204−1の部分の記録が行われ、記録媒体203のX’で示す部分204−1に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだX−1〜X−4で示す)。続いて記録紙203はdだけB方向に副走査方向に移動される。
【0075】
次に、双方向2パス目(主走査方向の復路)の記録では、記録ヘッド301の第2領域Yを用いて3分割された所定画像領域204の204−2の部分の記録が行われ、記録媒体203のY’で示す部分204−2に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだY−1〜Y−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置には、次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動され、記録ヘッド301のZ部分のノズルを用いて記録される。
【0076】
次に、双方向3パス目(主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第3領域Zを用いて3分割された所定画像領域204の204−3の部分の記録が行われ、記録媒体203のZ’で示す部分に記録する(この記録されたドットを図中の○で囲んだZ−1〜Z−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置に次の次の画像データを用いた記録を行い、記録ヘッド301の第2領域Yの部分はY’で示す位置に次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動される。このようにして双方向3パス記録によって所定画像領域204の全ての記録が行われる。
【0077】
以上説明したように、所定画像領域204の記録を双方向マルチパス記録(双方向3パス記録)で行う場合には、同じ所定画像領域204の記録をシングルパス記録(1回の走査で画像を形成する)と比較して、各ノズルが単位時間に吐出するインク滴の数は減少(3パス記録の場合は1/3)する。そのため、記録ヘッド温度の上昇はシングルパス記録を用いた場合(通常のシリアルスキャン)よりも抑えられることになる。また、たとえ記録中に記録ヘッド温度が上昇した事により濃度上昇が発生したとしても、双方向のマルチパス記録が行なわれるためある面積(所定画像領域)において、濃度が高い領域と通常の濃度の領域が混在するため、画像全体として観た場合、濃度が上昇するようには見えず、「タイリング」印字の場合のつなぎ目濃度差が発生し難くなる。
【0078】
その結果、マルチパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合には、第1実施形態の片方向マルチパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合に比較して、記録媒体のつなぎ目付近で生じる濃度差をさらに軽減することができる。また、双方向で印字を行うことにより、第1実施形態の片方向印字より、高速に印字が出来るというメリットもある。
【0079】
なお、上記説明では、シングルパス記録や片方向マルチパス記録を双方向マルチパス記録(3パス記録)に変更する方法について説明したが、マルチパス記録は双方向3パス記録に限ることはなく、例えば、パス数を2パス、4パス、5パス…と変更することは可能である。ただし、双方向マルチパス記録のパス数を増加させると印字終了までの所要時間が増えることになる(双方向3パス記録の場合は1.5倍になる)。従って、図4のステップS44におけるオペレータへの警告を行う場合には、双方向マルチパス記録のパス数を増加すると印字所要時間がより長くかかることを合わせて警告するようにしてもよい。
【0080】
なお第1及び第2実施形態において、オペレータが警告に従って、印字方法の設定を変更する例を説明したが、この警告と同時に、画像処理装置20または画像処理装置220はつなぎ目濃度差が発生しないような印字方法に自動的に設定を変更する処理を行うようにしても良い。
【0081】
なお本実施形態のインクジェットプリンタの代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0082】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0083】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0084】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0085】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0086】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0087】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0088】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0089】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0090】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0091】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0092】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0093】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図図4、7示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0095】
以上説明したように、「タイリング」印刷のように画像濃度の均一性を強く求められる画像記録を行う場合、オペレーターが「タイリング」印刷に適さない記録モード(例、画像濃度を均一に出来ない印字方法を選択した場合)で記録を行うように設定した場合、オペレータに印字方法の設定変更するように警告することにより、「タイリング」印刷に適した画像濃度を均一に保つ印字方法で記録することが可能となり、つなぎ目付近で濃度差の無い、高画質な記録が可能となる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば、搭載されている記録媒体のサイズより大きな画像を形成するために、複数の記録媒体にこの画像の異なる部分の画像を形成しつなぎ合わせて一枚の画像を完成する(「タイリング」と呼ばれる画像形成方法)際に、記録媒体のつなぎ合わせ部分付近で生じる濃度ムラを低減して画質を向上できるインクジェット記録装置、画像処理装置及びそれらの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像記録システムにおける画像処理装置及びインクジェットプリンタの電気的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタの斜視図である。
【図3】記録媒体のサイズより大きな出力画像を複数枚の記憶媒体に分割して形成しつなぎ合わせて一枚の画像とする「タイリング」印刷について説明する図である。
【図4】第1の実施形態の「タイリング」印刷の処理を説明するフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の片方向マルチパス記録の一例(3パス記録)を説明する図である。
【図6】片方向マルチパス記録におけるパス数とインク濃度の関係を説明する図である。
【図7】第2の実施形態の「タイリング」印刷の処理を説明するフローチャートである。
【図8】第2の実施形態の双方向マルチパス記録の一例(3パス記録)を説明する図である。
【符号の説明】
20 画像処理装置
30 インクジェット記録装置
108キャリッジ
109インクジェット記録ヘッド
301記録ヘッド
302ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置、画像処理装置、及びそれらの制御方法に関し、特にシリアルスキャンを行って記録を行うインクジェット記録装置、画像処理装置及びそれらの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、機構が簡単でカラ−化が容易等の長所を有することから大判印刷の需要が近年急速に増え続けている。またインクジェット記録装置を用いて作成される画像は、画像記録時に湿度変動を生じてもその変動に対して極めて安定な画像を提供することができる。
【0003】
しかしながら、インクジェット記録装置を用いて作成される画像は、画像記録時に記録ヘッドのインク温度が変動した場合には画像濃度が変動しやすいという問題があった。これは、インクの粘度がインク温度に応じて変化し、その結果イインク吐出量が変化するためである。例えば、インク温度が上昇するとインクの粘度が低下して記録ヘッドからのインク吐出量が増加し、インク温度が低下するとインクの粘度が増して記録ヘッドからのインク吐出量が減少する。
【0004】
インクジェット記録装置のなかでも、電気熱変換体を発熱させてインクを沸騰させ、その圧力でインクを吐出させる、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式のものは、マルチノズル化、すなわち、小面積に多数のインク吐出口(ノズル)を有する記録ヘッドの製造が容易であるため、高密度化の画像記録を容易にできる等の長所を有している。しかしながら、インクジェット記録方式では、電気熱変換体の発熱によるインク温度の上昇に伴い上述したようなインク濃度の変動を生じ、印字を開始すると記録ヘッドの温度が徐々に上昇するため、印字開始直後よりも印字を続けるうちに画像濃度が徐々に高くなり、印字休止後は再び画像濃度が低下する傾向にある。
【0005】
バブルジェット(登録商標)方式で記録ヘッド温度の上昇に伴う濃度変動を抑える方法として、特公平5−30627号公報、特開昭61−146553号公報、特開昭61−158463号公報に、インクを吐出しない範囲のパルス幅または電圧で電気熱変換体を加熱することにより、記録ヘッド温度を上昇させておく方法が開示されている。このような加熱を印字前に予め行えば、印字直後でも画像濃度が高くなり印字を続けたときの画像濃度との差が減少する。
【0006】
ところで、インクジェット記録ヘッドをシリアルスキャンさせて画像記録を行う画像記録装置のうち、出力画像をつなぎ合わせて画像記録装置に搭載してある用紙のサイズより大きな出力画像を形成するために用紙をつなぎ合わせて印字を行う、「タイリング」と呼ばれている画像形成方法が知られている。
【0007】
この「タイリング」と呼ばれている画像形成方法を用いて、例えば図3に示すA1サイズ4枚に「A」の一部((1)〜(4))をそれぞれ印字してつなぎ合わることによって、画像記録装置に搭載してある記録媒体(用紙など)のサイズより大きな出力画像を形成することができる。図3の例ではA1サイズの4倍の記録媒体(用紙など)にブルーの背景に白抜きで「A」を描かせている。このように複数枚の用紙をつなぎ合わせて大面積の画像を得る手法を「タイリング」と呼び、近年、大判インクジェット記録装置の画像形成システムの機能として採用されている。図3において、P方向は記録ヘッドの主走査方向(往路)であり、f’方向は記録ヘッドの副走査方向を示す。
【0008】
ところで、「タイリング」による画像形成方法において、上述したインク温度の変動に伴い画像濃度が変動する。例えば、各出力画像(1)〜(4)のなかでは、P方向(主走査方向)のスキャンの開始点(図中の(1)−S、(2)−S、(3)−S、(4)−S点)で画像濃度が低く、印字とともにインク温度が上昇して画像濃度も上昇し、P方向(主走査方向)のスキャンの終点(図中の(1)−E、(2)−E、(3)−E、(4)−E点)で最も高くなる。1スキャンの印字が終了すると、記録ヘッドは印字をせずにP方向とは逆方向(主走査方向の復路)に戻る。この時記録ヘッド温度は低下し、次のスキャンの開始点(図中の(2)−S点など)では再び画像濃度は低くなる。このため(1)のスキャンの終点部(図中の(1)−E点)と(2)のスキャンの開始点部(図中の(2)−S点)に画像濃度差が生じ、原稿によっては、光学濃度0.2以上の差がでてしまう。
【0009】
さらにスキャンの開始点と終点(例えば、(1)−Eと(2)−S点など)は最終的には隣接して置かれるため、わずかな画像濃度差が視覚的に非常に目立つものとなる。実際、例えば、出力画像(1)において、(1)−Sと(1)−Eの濃度差が0.2程度あっても出力画像(1)だけ見るかぎりでは視覚的には濃度差は目立たないが、出力画像(1)と出力画像(2)を図3のように隣接して配置し両図を比較すると出力画像(1)−Eと出力画像(2)−Sのように隣接する部分では、0.1の濃度差があっても視覚的には非常に目立ったものになってしまう。
【0010】
このため、「タイリング」での画像濃度差を視覚的に目立たぬようにするためには、上述したようなインク吐出しない程度のパルスを印字開始直前に与えるだけの処理では不十分である。特に、大面積画像を得るためにP方向のスキャン長が長い場合には、1スキャン内での記録ヘッド昇温も大きいためこの問題による画質劣化が顕著である。
【0011】
一方、近年、記録ヘッドの製造精度が上がりむらの少ない記録ヘッドを製造出来るようになってきたことや印字速度の高速化が求められるようになってきたことにより、高速印字に適するシングルスキャンによる印字方法もしくはマルチパス記録でパス数の少ない印字方法での画像形成が求められるようになってきた。しかしながら、記録ヘッドが長尺化(ノズル数の増加)すると、より記録ヘッド温度が印字時に高温になりやすくなるため、上記説明したインク温度の上昇が顕著になり濃度変化を生じる現象がさらに発生しやすくなる。
上記説明した濃度変動を効率良く抑制する方法として特開平07−89070号公報などのように、1スキャンの画像形成が終了した後、走査が反転すなわちP方向とは逆方向に走査している時に吐出しない程度の短いパルスを記録ヘッドに印加することで記録ヘッドを保温することで、書き出しの濃度が下がらないような方法がある。
【0012】
【特許文献1】
特公平5−30627号公報
【特許文献2】
特開昭61−146553号公報
【特許文献3】
特開昭61−158463号公報
【特許文献4】
特開平07−89070号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この濃度変動を抑制する方法では、記録ヘッドの温度を精度よく制御するのが困難であり、また記録ヘッドを画像記録時に常に加熱しておくため記録ヘッドの寿命が短くなり、さらに上述した「タイリング」処理による画像記録を行う場合には、「タイリング」処理を指示したホストコンピュータ側では、実際の印字結果がどのようになるか判断がつかないという欠点があった。
【0014】
本発明は上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、例えば、搭載されている記録媒体のサイズより大きな画像を形成するために、複数の記録媒体にこの画像の異なる部分の画像を形成しつなぎ合わせて一枚の画像を完成する(「タイリング」と呼ばれる画像形成方法)際に、記録媒体のつなぎ合わせ部分付近で生じる濃度ムラを低減して画質低下を低減できるインクジェット記録装置、画像処理装置及びそれらの制御方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置とインクジェット記録装置とに接続され、前記情報処理装置より受信したプリントデータと該プリントデータの出力情報に基づいて前記インクジェット記録装置を制御する画像処理装置であって、前記インクジェット記録装置は、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する際に、各領域を1回の走査で記録するシングルパス記録、または複数回の走査で記録するマルチパス記録のいずれかで画像記録する画像記録手段を有し、前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信手段と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別手段と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像が複数枚の記録媒体に記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置に接続され、該情報処理装置より受信したプリントデータ及び該プリントデータの出力情報に基づいて、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する画像処理装置であって、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別手段と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成手段と、前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかで前記画像データを記録する画像記録手段と、前記画像が複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
ここで、例えば、前記複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するように設定する設定手段を有することが好ましい。
【0018】
ここで、例えば、前記設定手段によって設定された情報を前記情報処理装置に送信する送信手段を有することが好ましい。
【0019】
ここで、例えば、前記出力情報に基づいて、前記マルチパス記録における走査回数が決定されることが好ましい。
【0020】
ここで、例えば、前記マルチパス記録では、前記所定画像領域を記録するために前記走査の片方向が用いられる、または前記走査の双方向が用いられることが好ましい。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態のインクジェット記録装置は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置に接続されている画像処理装置に接続され、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録するインクジェット記録装置であって、画像データと、該画像データの出力情報とを受信する受信手段と、前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかの記録方法で前記画像データを記録する画像記録手段と、前記受信した出力情報で指定された記録方法に基づいて前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
ここで、例えば、前記出力情報に基づいて、前記マルチパス記録における走査回数が決定されることが好ましい。
【0023】
ここで、例えば、前記マルチパス記録では、前記所定画像領域を記録するために前記走査の片方向が用いられる、または前記走査の双方向が用いられることが好ましい。
【0024】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、情報処理装置とインクジェット記録装置とに接続され、前記情報処理装置より受信したプリントデータと該プリントデータの出力情報に基づいて前記インクジェット記録装置を制御する画像処理装置の制御方法であって、前記インクジェット記録装置は、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する際に、各領域を1回の走査で記録するシングルパス記録、または複数回の走査で記録するマルチパス記録のいずれかで画像記録する画像記録手段を有し、前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信工程と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別工程と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成工程と、前記画像が複数枚の記録媒体に記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する画像処理装置の制御方法であって、前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信工程と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別工程と、前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成工程と、前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかで前記画像データを記録する画像記録工程と、を有し、前記画像が複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録工程が制御されることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明に係る一実施形態の情報処理装置、画像処理装置、記録装置からなる画像記録システムについて説明する。
【0027】
ただし、本実施形態では、情報処理装置としてホストコンピュータを、記録装置として、インクジェット記録方式を用いたインクジェットプリンタを例に挙げ説明するが、本発明の範囲を記載例に限定する趣旨のものではない。
【0028】
例えば、上記の構成例では、画像処理装置と記録装置は別々の装置であるが、これらの装置の代わりに上記の2つの機能を併せ持ち画像処理機能とプリンタ機能が一体化された画像処理装置を用いてもよい。この場合の画像記録システムは、情報処理装置と一体化された画像処理装置から構成される。
【0029】
また、画像処理装置で行う機能を情報処理装置に持たせ、情報処理装置の画像作成機能に画像処理装置で行う画像処理機能を一体化した情報処理装置を用いてもよい。この場合の画像記録システムは、一体化された情報処理装置と記録装置から構成される。
【0030】
本明細書において、「記録」(「印字」「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も示すものとする。
【0031】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも示すものとする。
【0032】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(印字)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を示すものとする。
【0033】
<第1の実施形態>
本実施形態では、オペレータが「タイリング」印刷(搭載されている記録媒体のサイズより大きな画像を形成するために、複数の記録媒体にこの画像の異なる部分の画像を形成しつなぎ合わせて一枚の画像を完成する画像形成方法)での画像記録行う際に、誤って濃度差(隣接する記録媒体のつなぎ目付近の画像に生じる濃度ムラ)が発生するような印字方法(例えば、シングルパス記録)を選択して記録を行おうとすると、オペレータにその旨を警告し、オペレータによって選択された濃度差が発生しにくい印字方法(例えば、マルチパスパス記録)に従って「タイリング」印刷を行う方法について説明する。
【0034】
本実施形態では、通常の画像記録を行う場合にはシングルパス記録を用い、「タイリング」印刷を行う場合にはシングルパス記録でなくマルチパス記録を用いて記録する。そのため、従来つなぎ合わせ付近で発生していたインク温度差に起因する画像濃度差による画質低下を低減することができる。また、本実施形態での印字方法は、記録ヘッドを主走査方向の往路方向に走査するときのみ印字し、主走査方向の復路方向に走査するときは印字しない、片方向印字方法を用いる。
【0035】
[画像記録システムの構成:図1]
図1は、本実施形態の画像記録システムにおける画像処理装置20及びインクジェットプリンタ30の電気的な構成を概略的に示すブロック図である。この画像処理システムは、ホストコンピュータ10と、画像処理装置20と、インクジェットプリンタ30とを有し、各々がケーブル1、ケーブル2を介して接続されている。
【0036】
ホストコンピュータ10は、プリントデータ(ここでは、プリントデータの一例としてPDLデータを用いて説明する)と、インクジェットプリンタ30で記録する記録方法(「タイリング」印刷など)を設定するプリントデータの出力情報データなどの供給源として機能する。
【0037】
画像処理装置20は、ホストコンピュータ10からケーブル1、外部インターフェース25を介して供給されたプリントデータを、HDDコントローラ23を介して内蔵HDD24に一旦保持する。内蔵HDDに保持されたプリントデータは、CPUバス4を介してPDLバッファ26−2に一時的に保持され、そのPDLデータをラインメモリ26−1に展開して画像データを生成する。ラインメモリ26−1に展開された1走査分の画像データはケーブル2を介してインクジェットプリンタ30に転送され、記録媒体にプリントされる。ここで、ケーブル1、2は、パラレルケーブル、SCSIケーブル、シリアルケーブル、ネットワークケーブル等の汎用ケーブルでも、専用のケーブルでも何れでも構わない。
【0038】
インクジェットプリンタ30は、ホストコンピュータ10で生成したプリントデータを出力するプリンタとして機能する。
【0039】
また、画像処理装置20は、ケーブル2を介してインクジェットプリンタ30のステータス情報等を取得し、ホストコンピュータ10に送信することができる他、このステータス情報に基づいてインクジェットプリンタ30を制御することができる。
【0040】
CPU21は、ROM22もしくは内蔵(HDD)24に格納された制御プログラムに基づいて動作し、画像処理装置20の機能を制御する。また内蔵ハードディスク(HDD)24は、プリント済みのPDLデータやPDLデータを展開して生成した画像データを一時的に保持する領域やフォントデータを格納する領域等を有し、HDDコントローラ23を介してCPUバス4に接続されている。RAM26は、ホストコンピュータ10より受信したPDLデータを一時的に保持するバッファ即ちPDLバッファ26−2と、PDLデータを展開し、そしてその画像データを一時的に保持するためのラインメモリ26−1とを含む。
【0041】
画像処理装置20は、ホストコンピュータ10から供給されるPDLデータに応じて、インクジェットプリンタ30で記録可能な2値もしくは多値のフルカラーまたはグレイスケール用の画像生成する。インクジェットプリンタ30に対する画像データの送信はケーブル2を介して行われる。2値の画像データの場合には、画像処理装置20からインクジェットプリンタ30の制御部330に直接送信される記録されるが、多値の画像データの場合には画像処理装置20からインクジェットプリンタ30の画像処理部310に送られ処理されてから次に制御部330に送られて記録される。制御部330は、画像処理装置(コントローラ)20からの命令に基づいてインクジェットプリンタ30の動作を制御する。
【0042】
なお、画像処理装置20は、ホストコンピュータ10から供給されるPDLデータに応じて、複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するように「タイリング」印刷を設定することのできる設定部(図示せず)を有する。
【0043】
[インクジェット記録装置:図2]
図2は本実施形態に好適なインクジェットプリンタ30の斜視図である。
ロ−ル状に巻かれた被記録材105は、搬送ロ−ラ101、102を経て給送ロ−ラ103で挟持され、給送ロ−ラ103に結合した副走査モ−タ110の駆動に伴ってf方向に送られる。この被記録材を横切ってガイドレ−ル106、107が平行に置かれており、キャリッジ108に搭載された記録ヘッドユニット109が左右に往復する。キャリッジ108にはイエロ−、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の記録ヘッド109Y〜109Bkが搭載されており、これに4色のインクタンクが配置されている。被記録材105は記録ヘッド109の印字幅分ずつ間欠送りされるが、被記録材105が停止している間に記録ヘッドがP方向に走査され、画像信号に応じたインク滴を吐出する。記録ヘッドのノズル数は例えば256、記録密度は例えば400dpiであり、f方向の印字幅は例えば16.256mmである。また、P方向の印字幅は例えば594mmである。なお、上記説明した記録ヘッドは一例であり、ノズル数の異なる記録ヘッドなどを用いても良い。
【0044】
[「タイリング」印刷の処理:図4]
次に、本実施形態の画像処理装置20のCPU21で行われる「タイリング」印刷の処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
まず、ステップS40において、ホストコンピュータ10内の操作で、オペレータにより記録する画像に対する記録方法の設定が行なわれ、その設定情報を受信すると、ステップS41に進み、ホストコンピュータ10から画像処理装置20に対して記録のための処理を行うように記録指示が送信され、その記録指示を受信する。
【0046】
次にステップS42に進み、送信されてきた設定情報から画像記録を「タイリング」印刷で行うか否かの判断を行い、「タイリング」印刷で行なわない場合にはステップS47に進み、通常の画像記録を行うための処理が行われ、外部インターフェース25を介して、画像処理装置20で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0047】
一方、ステップS42において、「タイリング」印刷を行う場合には、次にステップS43に進み、送信されてきた設定情報からマルチパス記録(マルチスキャン)による画像記録が設定されているか否かを調べ、マルチパス記録による画像記録が設定されている場合にはステップS47に進み、マルチパス記録による「タイリング」印刷が行われ、外部インターフェース25を介して、画像処理装置20で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0048】
一方、ステップS43において、送信されてきた設定情報からマルチパス記録による画像記録が設定されていない場合には、ステップS44に進み、外部インターフェース25を介して、ホストコンピュータ10に、例えば、「マルチパス記録による画像記録が設定されていませんので、出力された画像の繋ぎ目で濃度差が発生します。マルチパス記録による画像記録を設定して下さい」などの警告を表示するようメッセージを送信して、オペレータへ出力された画像の繋ぎ目付近で濃度差が発生しないマルチパス記録に設定を変更するように警告する。
【0049】
次にステップS45では、画像処理装置20内での印刷の為の処理を一旦停止してからステップS46に進み、オペレータがホストコンピュータ10から「タイリング」印刷における印刷方法をシングルパス記録からマルチスパス記録に変更したことを受信すると、ステップS42に戻り上記説明した処理を継続して行う。
【0050】
なお、上記説明した画像処理装置20のCPU21による処理は一例であり、例えば、「タイリング」印刷であるかの判断(ステップS42)やマルチパス記録(マルチスキャン)の判断(ステップS43)はCPU21で行う代わりに、ホストコンピュータ10内のCPUで行い、その判断結果に基づいて直ぐにオペレータへの警告(ステップS44)を行い、ジョブ中止(ステップS45)命令を画像処理装置20に送るようにしてもよい。
【0051】
[マルチパス記録(片方向3パス記録):図5]
図5は上記説明したマルチパス記録の一例として片方向3パス記録による画像記録を説明する図である。
【0052】
記録ヘッド301のノズル302は、片方向3パス記録の場合には、第1領域X、第2領域Y、第3領域Zで示す3つの部分に分割して画像記録に使用され、各部分には、それぞれ、X−1〜X−4(第1領域X)で示すノズル、Y−1〜Y−4(第2領域Y)で示すノズル、Z−1〜Z−4(第3領域Z)で示すノズルが含まれている。
【0053】
また片方向3パス記録の場合には、記録ヘッド301を図のAで示す主走査方向(往路)に3回走査(スキャン)しながら記録媒体203の所定画像領域204を上記の3分割された記録ヘッド301で記録する。
【0054】
すなわち、片方向1パス目(最初の主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第1領域Xを用いて3分割された所定画像領域204の204−1の部分の記録が行われ、記録媒体203のX’で示す部分204−1に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだX−1〜X−4で示す)。続いて記録紙203はdだけB方向に副走査方向に移動される。
【0055】
次に、片方向2パス目(2回目の主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第2領域Yを用いて3分割された所定画像領域204の204−2の部分の記録が行われ、記録媒体203のY’で示す部分204−2に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだY−1〜Y−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置には、次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動され、記録ヘッド301のZ部分のノズルを用いて記録される。
【0056】
次に、片方向3パス目(3回目の主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第3領域Zを用いて3分割された所定画像領域204の204−3の部分の記録が行われ、記録媒体203のZ’で示す部分に記録する(この記録されたドットを図中の○で囲んだZ−1〜Z−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置に次の次の画像データを用いた記録を行い、記録ヘッド301の第2領域Yの部分はY’で示す位置に次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動される。このようにして片方向3パス記録によって所定画像領域204の全ての記録が行われる。
【0057】
以上説明したように、所定画像領域204の記録をマルチパス記録(片方向3パス記録)で行う場合には、同じ所定画像領域204の記録をシングルパス記録(1回の走査で画像を形成する)と比較して、各ノズルが単位時間に吐出するインク滴の数は減少(3パス記録の場合は1/3)する。そのため、記録ヘッド温度の上昇はシングルパス記録を用いた場合(通常のシリアルスキャン)よりも抑えられることになる。その結果、マルチパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合には、シングルパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合に比較して、記録媒体のつなぎ目付近で生じる濃度差を軽減することができる。
【0058】
なお、上記説明では、シングルパス記録をマルチパス記録の片方向3パス記録に変更する方法について説明したが、マルチパス記録は片方向3パス記録に限ることはなく、例えば、パス数を2パス、4パス、5パス…と変更することは可能である。図6は、異なる片方向マルチパス記録を行う場合の走査開始点(Cs)と走査終了点(Cf)の濃度差の違いを模式的に示したものであり、記録ヘッド301の分割を多くしマルチパス記録におけるパス数を増加すると走査開始点(Cs)と走査終了点(Cf)の濃度差が減少し、片方向マルチパス記録の効果が大きくなることがわかる。ただし、片方向マルチパス記録のパス数を増加させると印字終了までの所要時間が増えることになる(片方向3パス記録の場合は3倍になる)。従って、図4のステップS44におけるオペレータへの警告を行う場合には、片方向マルチパス記録のパス数を増加すると印字所要時間がより長くかかることを合わせて警告するようにしてもよい。
【0059】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、「タイリング」印刷を行う場合に、主走査方向の往路または復路のみを用いる片方向印字のマルチパス記録を用いることにより、従来つなぎ合わせ付近で発生していたインク温度差に起因する画像濃度差による画質低下を低減できた。しかしながら、第1の実施形態の「タイリング」印刷では、マルチ記録のパス数の増加に応じて印字所要時間が長くなる。そこで、本実施形態では、「タイリング」印刷を行う場合に、主走査方向の往路と復路の両路を用いて記録する双方向印字のマルチパス記録を用いる。このため、第1の実施形態に比べて記録速度を向上することができるばかりでなく、「タイリング」印刷のつなぎ目付近で生じるインク温度差が減少し画質低下をさらに低減できる。
【0060】
なお、以下に示す第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1の実施形態と同じ内容の説明は重複するのでその説明は省略するものとする。すなわち、第2の実施形態の画像記録システムの構成は、図1と同じであり、第2の実施形態のインクジェット記録装置の構成は、図2と同じであるのでその説明は省略する。
【0061】
[「タイリング」印刷の処理:図7]
次に、第2の実施形態の画像処理装置220のCPU221(図1のCPU21に相当)で行われる「タイリング」印刷の処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0062】
まず、ステップS640において、ホストコンピュータ10内の操作で、オペレータにより記録する画像に対する記録方法の設定が行なわれ、その設定情報を受信すると、ステップS641に進み、ホストコンピュータ10から画像処理装置220に対して記録のための処理を行うように記録指示が送信され、その記録指示を受信する。
【0063】
次にステップS642に進み、送信されてきた設定情報から画像記録を「タイリング」印刷で行うか否かの判断を行い、「タイリング」印刷で行なわない場合にはステップS647に進み、通常の画像記録を行うための処理(シングルパス記録)が行われ、外部インターフェース225((図1の外部インターフェース25に相当))を介して、画像処理装置220で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0064】
一方、ステップS642において、「タイリング」印刷を行う場合には、次にステップS643に進み、送信されてきた設定情報からマルチパス記録(マルチスキャン)による画像記録が設定されているか否かを調べ、マルチパス記録による画像記録が設定されている場合にはステップS649に進み、マルチパス記録が片方向印字か双方向印字かを調べる。
【0065】
ステップS649において、マルチパス記録として双方向印字が設定されていれば、ステップS647に進み、外部インターフェース225(図1の外部インターフェース25に相当)を介して、画像処理装置220で生成した画像データがインクジェットプリンタ30に送信され、インクジェットプリンタ30において画像記録が行われる。
【0066】
一方、ステップS649において、送信されてきた設定情報からマルチパス記録として双方向印字による画像記録が設定されていない場合には、ステップS650に進み、外部インターフェース225(図1の外部インターフェース25に相当)を介して、ホストコンピュータ10に、例えば、「マルチパス記録の双方向印字による画像記録が設定されていませんので高速記録ができません。高速記録を行うためマルチパス記録の双方向印字に設定変更して下さい」などの警告を表示するようメッセージを送信し、オペレータへマルチパス記録の双方向印字への設定変更するように警告する。
【0067】
次にステップS651では、画像処理装置220内での印刷の為の処理を一旦停止してからステップS652に進み、オペレータがホストコンピュータ10から「タイリング」印刷における印刷方法をマルチパス記録の片方向印字からマルチパス記録の双方向印字に変更したことを受信すると、ステップS642に戻り上記説明した処理を継続して行う。
【0068】
一方、ステップS643において、送信されてきた設定情報からマルチパス記録による画像記録が設定されていない場合には、外部インターフェース225(図1の外部インターフェース25に相当)を介して、ホストコンピュータ10に、例えば、「マルチパス記録による画像記録が設定しておりませんので、出力された画像の繋ぎ目で濃度差が発生します。マルチパス記録による画像記録を設定して下さい」などの警告を表示するようメッセージを送信して、オペレータへ出力された画像の繋ぎ目付近で濃度差が発生することを警告する。
【0069】
次にステップS645では、画像処理装置220内での印刷の為の処理を一旦停止してからステップS646に進み、オペレータがホストコンピュータ10から「タイリング」印刷における印刷方法をシングルパス記録からマルチスパス記録に変更したことを受信すると、ステップS642に戻り上記説明した処理を継続して行う。
【0070】
なお、上記説明した画像処理装置220のCPU221による処理は一例であり、例えば、「タイリング」印刷であるかの判断(ステップS642)やマルチパス記録(マルチスキャン)の判断(ステップS643、ステップS649)はCPU221で行う代わりに、ホストコンピュータ10内のCPUで行い、その判断結果に基づいて直ぐにオペレータへの警告(ステップS644、ステップS650)を行い、ジョブ中止(ステップS645、ステップS651)命令を画像処理装置20に送るようにしてもよい。
【0071】
[マルチパス記録(双方向3パス記録):図8]
図8は上記説明したマルチパス記録の一例として双方向3パス記録による画像記録を説明する図である。
【0072】
記録ヘッド301のノズル302は、双方向3パス記録の場合には、第1領域X、第2領域Y、第3領域Zで示す3つの部分に分割して画像記録に使用され、各部分には、それぞれ、X−1〜X−4(第1領域X)で示すノズル、Y−1〜Y−4(第2領域Y)で示すノズル、Z−1〜Z−4(第3領域Z)で示すノズルが含まれている。
【0073】
また双方向3パス記録の場合には、記録ヘッド301を図8のA1で示す主走査方向(往路)とA2で示す主走査方向(復路)との両路を用いる3回走査(スキャン)で記録媒体203の所定画像領域204を上記の3分割された記録ヘッド301で記録する。
【0074】
すなわち、双方向1パス目(主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第1領域Xを用いて3分割された所定画像領域204の204−1の部分の記録が行われ、記録媒体203のX’で示す部分204−1に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだX−1〜X−4で示す)。続いて記録紙203はdだけB方向に副走査方向に移動される。
【0075】
次に、双方向2パス目(主走査方向の復路)の記録では、記録ヘッド301の第2領域Yを用いて3分割された所定画像領域204の204−2の部分の記録が行われ、記録媒体203のY’で示す部分204−2に時刻t1,t2,t3で記録する(記録されたドットを図中の○で囲んだY−1〜Y−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置には、次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動され、記録ヘッド301のZ部分のノズルを用いて記録される。
【0076】
次に、双方向3パス目(主走査方向の往路)の記録では、記録ヘッド301の第3領域Zを用いて3分割された所定画像領域204の204−3の部分の記録が行われ、記録媒体203のZ’で示す部分に記録する(この記録されたドットを図中の○で囲んだZ−1〜Z−4で示す)。但し、このとき記録ヘッド301の第1領域Xの部分はX’で示す位置に次の次の画像データを用いた記録を行い、記録ヘッド301の第2領域Yの部分はY’で示す位置に次の画像データを用いた記録を行う。続いて、記録紙203は再びdだけB方向に移動される。このようにして双方向3パス記録によって所定画像領域204の全ての記録が行われる。
【0077】
以上説明したように、所定画像領域204の記録を双方向マルチパス記録(双方向3パス記録)で行う場合には、同じ所定画像領域204の記録をシングルパス記録(1回の走査で画像を形成する)と比較して、各ノズルが単位時間に吐出するインク滴の数は減少(3パス記録の場合は1/3)する。そのため、記録ヘッド温度の上昇はシングルパス記録を用いた場合(通常のシリアルスキャン)よりも抑えられることになる。また、たとえ記録中に記録ヘッド温度が上昇した事により濃度上昇が発生したとしても、双方向のマルチパス記録が行なわれるためある面積(所定画像領域)において、濃度が高い領域と通常の濃度の領域が混在するため、画像全体として観た場合、濃度が上昇するようには見えず、「タイリング」印字の場合のつなぎ目濃度差が発生し難くなる。
【0078】
その結果、マルチパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合には、第1実施形態の片方向マルチパス記録を用いて「タイリング」印字を行う場合に比較して、記録媒体のつなぎ目付近で生じる濃度差をさらに軽減することができる。また、双方向で印字を行うことにより、第1実施形態の片方向印字より、高速に印字が出来るというメリットもある。
【0079】
なお、上記説明では、シングルパス記録や片方向マルチパス記録を双方向マルチパス記録(3パス記録)に変更する方法について説明したが、マルチパス記録は双方向3パス記録に限ることはなく、例えば、パス数を2パス、4パス、5パス…と変更することは可能である。ただし、双方向マルチパス記録のパス数を増加させると印字終了までの所要時間が増えることになる(双方向3パス記録の場合は1.5倍になる)。従って、図4のステップS44におけるオペレータへの警告を行う場合には、双方向マルチパス記録のパス数を増加すると印字所要時間がより長くかかることを合わせて警告するようにしてもよい。
【0080】
なお第1及び第2実施形態において、オペレータが警告に従って、印字方法の設定を変更する例を説明したが、この警告と同時に、画像処理装置20または画像処理装置220はつなぎ目濃度差が発生しないような印字方法に自動的に設定を変更する処理を行うようにしても良い。
【0081】
なお本実施形態のインクジェットプリンタの代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0082】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0083】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0084】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0085】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0086】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0087】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0088】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0089】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0090】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0091】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0092】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0093】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図図4、7示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0095】
以上説明したように、「タイリング」印刷のように画像濃度の均一性を強く求められる画像記録を行う場合、オペレーターが「タイリング」印刷に適さない記録モード(例、画像濃度を均一に出来ない印字方法を選択した場合)で記録を行うように設定した場合、オペレータに印字方法の設定変更するように警告することにより、「タイリング」印刷に適した画像濃度を均一に保つ印字方法で記録することが可能となり、つなぎ目付近で濃度差の無い、高画質な記録が可能となる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば、搭載されている記録媒体のサイズより大きな画像を形成するために、複数の記録媒体にこの画像の異なる部分の画像を形成しつなぎ合わせて一枚の画像を完成する(「タイリング」と呼ばれる画像形成方法)際に、記録媒体のつなぎ合わせ部分付近で生じる濃度ムラを低減して画質を向上できるインクジェット記録装置、画像処理装置及びそれらの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像記録システムにおける画像処理装置及びインクジェットプリンタの電気的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタの斜視図である。
【図3】記録媒体のサイズより大きな出力画像を複数枚の記憶媒体に分割して形成しつなぎ合わせて一枚の画像とする「タイリング」印刷について説明する図である。
【図4】第1の実施形態の「タイリング」印刷の処理を説明するフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の片方向マルチパス記録の一例(3パス記録)を説明する図である。
【図6】片方向マルチパス記録におけるパス数とインク濃度の関係を説明する図である。
【図7】第2の実施形態の「タイリング」印刷の処理を説明するフローチャートである。
【図8】第2の実施形態の双方向マルチパス記録の一例(3パス記録)を説明する図である。
【符号の説明】
20 画像処理装置
30 インクジェット記録装置
108キャリッジ
109インクジェット記録ヘッド
301記録ヘッド
302ノズル
Claims (11)
- 情報処理装置とインクジェット記録装置とに接続され、前記情報処理装置より受信したプリントデータと該プリントデータの出力情報に基づいて前記インクジェット記録装置を制御する画像処理装置であって、
前記インクジェット記録装置は、
所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する際に、各領域を1回の走査で記録するシングルパス記録、または複数回の走査で記録するマルチパス記録のいずれかで画像記録する画像記録手段を有し、
前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信手段と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別手段と、
前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像が複数枚の記録媒体に記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 情報処理装置に接続され、該情報処理装置より受信したプリントデータ及び該プリントデータの出力情報に基づいて、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する画像処理装置であって、
前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別手段と、
前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかで前記画像データを記録する画像記録手段と、
前記画像が複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するように設定する設定手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記設定手段によって設定された情報を前記情報処理装置に送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記出力情報に基づいて、前記マルチパス記録における走査回数が決定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記マルチパス記録では、前記所定画像領域を記録するために前記走査の片方向が用いられる、または前記走査の双方向が用いられることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 情報処理装置に接続されている画像処理装置に接続され、所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録するインクジェット記録装置であって、
画像データと、該画像データの出力情報とを受信する受信手段と、
前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかの記録方法で前記画像データを記録する画像記録手段と、
前記受信した出力情報で指定された記録方法に基づいて前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記出力情報に基づいて、前記マルチパス記録における走査回数が決定されることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- 前記マルチパス記録では、前記所定画像領域を記録するために前記走査の片方向が用いられる、または前記走査の双方向が用いられることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
- 情報処理装置とインクジェット記録装置とに接続され、前記情報処理装置より受信したプリントデータと該プリントデータの出力情報に基づいて前記インクジェット記録装置を制御する画像処理装置の制御方法であって、
前記インクジェット記録装置は、
所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する際に、各領域を1回の走査で記録するシングルパス記録、または複数回の走査で記録するマルチパス記録のいずれかで画像記録する画像記録手段を有し、
前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信工程と、
前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別工程と、
前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成工程と、
前記画像が複数枚の記録媒体に記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録手段を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - 所定方向に配列された複数のノズルを有する記録ヘッドを前記ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体の所定画像領域上で走査させ、前記ノズルからインクを吐出して画像記録する画像処理装置の制御方法であって、
前記プリントデータ及び該プリントデータの出力情報を受信する受信工程と、前記出力情報より前記プリントデータに基づいて記録される画像は複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて最終画像を形成するか否かを判別する判別工程と、
前記プリントデータから画像データを生成する画像データ生成工程と、
前記記録ヘッドを前記所定画像領域上で、1回走査させて記録するシングルパス記録、または複数回走査させて記録するマルチパス記録、のいずれかで前記画像データを記録する画像記録工程と、
を有し、
前記画像が複数枚の記録媒体に分けて記録される画像をつなぎ合わせて形成される画像であると判別された場合に、前記マルチパス記録で前記画像データを記録するように前記画像記録工程が制御されることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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JP2002291450A JP2004122637A (ja) | 2002-10-03 | 2002-10-03 | 画像処理装置、インクジェット記録装置および画像処理装置の制御方法 |
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JP2008516803A (ja) * | 2004-10-15 | 2008-05-22 | フジフイルム ディマティックス インコーポレイテッド | プリントシステムアーキテクチャ |
JP2014100831A (ja) * | 2012-11-19 | 2014-06-05 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷方法およびプログラム |
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- 2002-10-03 JP JP2002291450A patent/JP2004122637A/ja not_active Withdrawn
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