JP3135331U - ライト及びブザー付き筆記具 - Google Patents
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Abstract
【課題】他の機能を有する物品を一体化した筆記具を提供する。
【解決手段】筆記具であるボールペン10にブザー68と、光源18を一体に備える。ボールペン10は、光源18によりライトとして機能し、またブザー68により防犯ブザーとしても機能する。ブザー68のスイッチは、クリップ16の下側の、ボールペンの軸部12の側面に設けられたブザースイッチボタン26により操作される。通常時のクリップ16の位置では、ブザースイッチボタン26はクリップ16に覆われているので、誤操作が防止される。ブザーを鳴らすときには、クリップ16を回動させてブザースイッチボタン26を露出させる。
【選択図】図1
【解決手段】筆記具であるボールペン10にブザー68と、光源18を一体に備える。ボールペン10は、光源18によりライトとして機能し、またブザー68により防犯ブザーとしても機能する。ブザー68のスイッチは、クリップ16の下側の、ボールペンの軸部12の側面に設けられたブザースイッチボタン26により操作される。通常時のクリップ16の位置では、ブザースイッチボタン26はクリップ16に覆われているので、誤操作が防止される。ブザーを鳴らすときには、クリップ16を回動させてブザースイッチボタン26を露出させる。
【選択図】図1
Description
本考案は、他の機能を有する物品と組み合わせられた筆記具に関する。
筆記具に、スタンプ、消しゴム、照明等の他の機能を有する物品を組み合わせた例が知られている。また、下記特許文献1には、警報装置のケースをボールペン形状とした例が示されている。
近年、防犯ブザーを携帯することが広く行われているが、単体の防犯ブザーを携帯するのでは、携帯する物品が多くなり、不便である。
本考案の筆記具は、スイッチ操作によりオンオフ可能なライトと、スイッチ操作によりオンオフ可能なブザーと、軸部に一体に備えている。複数機能を備えることにより、携帯する物品数を削減できる。また、ブザーにより警報を発すると共に、ライトにより不審者を照らすこともできる。
また、ライトがオンとなっていない状態では、ブザーがオンとならないようにされており、誤作動を防止することができる。
筆記具の軸部には、軸部と共に対象物を挟持する挟持片を有するクリップを、回動可能に設けることができる。クリップの挟持片は、通常時には軸部に沿って位置するようにでき、このとき挟持片の下側の軸部側面にブザーのスイッチが位置するようにできる。通常時には、ブザーのスイッチが、クリップの挟持片により覆われているので、これによってもブザーの誤動作が防止することができる。ブザーをオンにする際には、クリップを回動させて、ブザーのスイッチを露出させ、これを操作する。
ブザーのスイッチは、押すとオン状態となり、離すとオフ状態となるスイッチとすることができる。クリップは、回動の軸に関して挟持片と異なる向きに延びる押し込み片を有するようにでき、クリップを回動させて押し込み片にてブザーのスイッチを押して、これをオン状態とするようにできる。これにより、ブザーのスイッチが連続的にオン状態となる。
筆記具の軸部は、芯を含む部分、つまり筆記に係る部分と、ライトの光源を含む部分とに軸方向に分離可能にすることができる。光源は軸部の側面に配置され、さらに光源を含む部分は、平板上に立てて置けるようにできる。光源を含む部分を立てて置き、手元を照らして筆記具で文字を書くことができる。
以下、本考案の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の筆記具10の全体図である。本実施形態の筆記具10はボールペンであり、以下の説明においてはボールペン10と記して説明する。しかし、フェルトペン、繰出式の鉛筆、万年筆等の他の筆記具についても本考案を適用することができる。
ボールペン10の軸部12の先端、すなわち図1において下端となるペン先には、ペン芯14が配置されている。また、軸部12のもう一方の端、図1において上端である頭部の側面にはクリップ16が、また頭部に近い側面には光源18が設けられている。光源18は、好適にはLEDを用いることができる。さらに頭部には、ブザー68(図11参照)が内蔵されている。
軸部12は、相互に回転可能に結合されている先筒20と基筒22を含み、これらを相互に回転させることにより、ペン芯14の先が軸部12より繰り出され、また軸部12に格納される。基筒22の中央付近またはクリップ16より図1において下の部分には、光源の点灯、消灯を操作するライトスイッチ筒24が、基筒22と同軸に、相互に回転可能に設けられている。ライトスイッチ筒24を回転させることで、光源が点灯、消灯する。また、軸部12の側面であって、クリップ16の下に隠れる位置にブザーのオンオフを行うブザースイッチボタン26が配置されている。
ボールペン10は、図1に一点鎖線で示す分割面28より二つに分離することができる。これら二つの部分が図2および図3に示され、これらを通常の使用態様、すなわちペン先を下に向けて筆記する際の上下の位置関係に基づき、図2に示す部分を上部分30、図3に示す部分を下部分32と記す。基筒22は、分割面28により上下に分割され、必要に応じて上部分30に属する部分を符号22Aを用いて、下部分32に属する部分を符号22Bを用いて説明する。
上部分30の頭頂部には、図2に示すように開口34が設けられ、その奥にブザー68(図11参照)が配置されている。また、前述のように、基筒22Aの側面には光源18が備えられ、上部分30がライトとして機能する。図3に示す下部分32において、基筒22Bと先筒20は、相互に回転可能となっており、この相対回転によりペン芯14が進退する。下部分32は、この進退にかかる機構を内蔵しているが、周知の機構であるので、その説明は省略する。
上部分30と下部分32の分割面28による分割によって表れる、上部分30の面を分割面28A、下部分32の面を分割面28Bと記す。下部分の分割面28Bには、図3及び図4に示すように、その周縁に、縁壁36が設けられ、これの内側に係合凹部38が形成されている。上部分の分割面28Aには、図4によく示されるように、係合凸部40が設けられている。係合凸部40を縁壁36で囲まれた係合凹部38に差し込み、係合させることにより、上部分30と下部分32が結合される。
図5〜7は、クリップ16と、クリップ16を取り付けるクリップホルダ42の構成を示す図である。図5は、クリップ16を取り外した状態の上部分30の頭部付近を示す図である。図6は、上部分32を図5の上方から見た状態を示す図である。図7は、クリップ16単体を示す図である。
基筒22の頭部には、直径が小さくされた細径部44が設けられ、ここに概略円環形状のクリップホルダ42がはめ込み装着されている。図6によく示されるように、クリップホルダ42は、環状部分46と、環状部分46の一カ所に設けられた台座部分48を有している。台座部分48には、ボールペン10の長手方向に直交する軸線を有する軸穴50が設けられている。軸穴50には、クリップ16の裏面に設けられたクリップ軸52が差し込まれる。クリップ軸52の外周面には溝54が設けられ、この溝54に、この溝54の部分でクリップ軸を挟むキー(不図示)が差し込まれ、これによりクリップ16がクリップホルダ42に保持される。このときクリップ16は、クリップ軸52を軸として正逆共に回転可能となっている。クリップホルダ42の軸穴50の周囲の面には、周方向に凹凸が繰り返し配置される環状凹凸部56が形成されている。クリップ16の裏面のクリップ軸52の周辺には、突起58が形成されている。この突起58と、環状凹凸部56の凹凸とが係合して、クリップ16の回転に対してクリック感を与えている。また、クリップ16を所定の回転位置に位置決めもしている。
クリップ16は、略U字形の挟持片60を含み、U字の曲線部分のと、直線部分の境界付近に、前述のクリップ軸52が設けられている。挟持片60の2本の直線部分で、対象物を挟持することで、このボールペン10が対象物に保持される。挟持片は、1枚の板片とすることもでき、この場合は、挟持片と軸部で対象物を挟む。クリップ16は、クリップ軸52に関して、挟持片60とは反対側に延びる押し込み片62を有している。クリップ16を回転させて押し込み片62をブザースイッチボタン26の位置に合わせると、このボタン26が押し込まれた状態が維持され、ブザーを鳴り続けさせることができる。
図8〜10のそれぞれは、クリップ16が異なる回転位置にある状態を示す。図8は、通常の使用時であり、クリップ16は軸部12沿った位置にあり、挟持片60は、ペン先の方向に向いている。このときには、ブザースイッチボタン26は、クリップ16の下側、すなわちクリップ16より図において紙面を貫く方向奥側に位置し、クリップに覆われた状態となって、容易に操作できないようにされている。図9は、クリップ16を図8の状態から90°左に回した状態を示している。これにより、ブザースイッチボタン26が露出し、これの操作ができるようになる。クリップ16を180°回した状態が、図10に示されている。この状態では、押し込み片62がブザースイッチボタン26の直上に位置し、これを押し込んでいる。これにより、指によりボタン26を押し込み続けなくても、ブザーが連続的に鳴る。
図11は、上部分30の分解斜視図である。上部分の基筒22Aは、電池64を収容する電池収容筒66と、ブザー68、光源18を収容するブザー・光源収容筒70とを含む。二つの収容筒66,70のそれぞれには、雌ねじ部72、雄ねじ部74が設けられており、これらのねじにより二つの収容筒が結合されている。
電池収容筒66には、ライトスイッチ筒24が装着される、直径が細くなったスイッチ筒装着部76が設けられている。スイッチ筒装着部76の側面には、ボールペン10の軸線方向において間隔を開けて配置され、この筒を貫通する第1接点開口78、第2接点開口80が設けられている。第1接点開口78は、この実施形態では、図示されている開口78に対向する側の側面にも設けられている。第1接点開口78には、第1接点板84に設けられた第1接点82がはめ込まれる。第1接点板84の板状の部分には電池64の一方の極が接触している。第2接点開口80には、第2接点86を有する第2接点板88が配置される。第2接点板88は、裏側、すなわち電池収容筒66の内周面側にも接点90を有し、これが後述する接点リング92と接触している。第1接点板84と第2接点板88は、分離されており、これだけでは、両者間に電流は流れない。ライトスイッチ筒24の内周面には、導体筒94が配置され、これはライトスイッチ筒24と共に回転する。導体筒94は、第1接点82に対応する位置に切り欠き96が設けられている。このボールペン10においては、第1接点82は2個設けられているので、切り欠き96も同様に2個設けられている。切り欠き96の内側に第1接点82が位置するときには、第1接点板84と導体筒94は、導通されておらず、ライトスイッチ筒24を回転させて、第1接点82が切り欠き96から出ると、第1接点板84と導体筒94の導通が達成される。第2接点板88と導体筒94は、導体筒94の回転位置によらず常に導通状態にある。
光源18とブザー68は、他の回路素子と共に基板98に実装されている。基板98は、大部分がブザー・光源収容筒70内に収容されるが、一部が電池収容筒66内に延び、この部分に接点リング92が配置されている。接点リング92には、接点腕100が設けられており、これにより基板98の配線との導通が達成されている。前述のように、この接点リング92は、第2接点板88と導通しており、導体筒94と第1接点板84を介して電池の一方の極に接続されるようになっている。接点リング92の内側の位置に接点ばね102が配置されている。接点ばね102の一端は、電池64の他方の極に接し、他端は基板98の配線と接続している。以上により、電池64の電力が基板98上の回路に供給され、光源18、ブザー68を駆動する。
図12は、光源18,ブザー68に係る回路の概略構成を示す回路図である。この回路は、第1及び第2接点82,86で構成される第1スイッチ104と、ブザースイッチボタン26により操作される第2スイッチ106を含む。第1スイッチ104のオフ状態は、導体筒94の切り欠き96内に第1接点82が位置する時に対応し、オン状態は、導体筒94と第1接点が接触した時に対応する。第2スイッチ106のオン状態は、ブザースイッチボタン26が押されているときの状態に対応し、オフ状態は、押されていないときに対応する。第1および第2スイッチ104,106は直列に接続されており、両方のスイッチがオン状態となったときに、ブザー68に電力が供給され、これが鳴る。つまり、光源18に電力が供給され、これが点灯しているときにのみ、ブザー68が鳴る。
前述のように、本実施形態のボールペン10は、上部分30と下部分32とに分離することができる。暗いところで筆記するとき、記入対象の部分を照明するライトを内蔵した筆記具が提案されているが、これらは、軸部に内蔵される光源の光を、軸部に内蔵される導光部材によりペン先部に導き、ここより照射するものが多い。これらは、導光部材を内蔵することになり、部品点数の増加、製品の大型化を招く。本実施形態のボールペン10では、ライト部分(上部分30)を、ペン部分(下部分32)と分離し、ライト部分を立てて置いて、記入対象の部分を照明するようにしている。このために、上部分の分離面28Aの形状は、係合凸部40の頂面(図4においては、下側に向いている面)が、ボールペン10の軸線に直交する平面となっている。上部分30を立てて置くためには、分離面28Aの形状は、例えば、全体を平面とする、また、円環状の突起を設け、その頂面がボールペン10の軸線に直交する平面内に存在するようにしてもよい。また、少なくとも3カ所に突起を設け、この突起を三脚の足のようにして、上部分30を支えるようにしてもよい。
10 ボールペン(筆記具)、12 軸部、16 クリップ、18 光源、20 先筒、22 基筒、24 ライトスイッチ筒、26 ブザースイッチボタン、28 分割面、30 上部分、32 下部分、60 挟持片、62 押し込み片、68 ブザー。
Claims (5)
- スイッチ操作によりオンオフ可能なライトと、
スイッチ操作によりオンオフ可能なブザーと、
を、軸部に一体に備えた筆記具。 - 請求項1に記載の筆記具であって、
ブザーは、ライトのスイッチがオン状態のときブザーのスイッチをオン状態とすることでオンとなり、ライトのスイッチがオフ状態のときにはブザーのスイッチをオン状態としてもオフとされる、
筆記具。 - 請求項1または2に記載の筆記具であって、
対象物を挟持する挟持片を有するクリップが、軸部に回動可能に設けられ、
ブザーのスイッチは、クリップの挟持片が軸部に沿って位置し、軸部と共に対象物を挟持可能な位置にあるとき、軸部側面の、挟持片下側の位置に設けられ、クリップを回動することにより露出する、
筆記具。 - 請求項3に記載の筆記具であって、
ブザーのスイッチは、押すとオン状態となり、離すとオフ状態となるスイッチであり、
クリップは、回動の軸に関して挟持片と異なる向きに延びる押し込み片を有し、
クリップを回動させて押し込み片にてブザーのスイッチを押して、これをオン状態とすることができる、
筆記具。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の筆記具であって、
軸部は、筆記具の芯を含む部分とライトの光源を含む部分とに、軸方向において分離可能であり、
分離された光源を含む部分は、その側面に光源が配置され、分割面が、この面を下にして平面上に立てて置くことができる形状である、
筆記具。
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