JP3134764U - 燃料電池 - Google Patents

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【課題】複数の燃料電池セルを接続した燃料電池において、小型化が実現可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】複数の燃料電池セルC1〜C4を筒状枠になるように配置した燃料電池であって、燃料電池セルC1〜C4の幅方向両側に配置される複数の柱部P1〜P4と、柱部P1〜P4同士を連結する柱部連結手段と、柱部P1〜P4内に形成されるガス流路25〜29と、燃料電池セルC1〜C4内のガス流路と柱部P1〜P4内のガス流路25〜29とを連結する流路連結手段17と、を備えている。
【選択図】図9

Description

本考案は、複数の燃料電池セルを筒状枠になるように配置した燃料電池に関する。
近年のITの発展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器(携帯機器)のほとんどの電源は、リチウムイオン二次電池が用いられている。しかし、これらのモバイル機器の高機能化に伴い、消費電力がますます増加する傾向にあり、その電源用あるいは充電用としてクリーンで高効率な燃料電池に注目が集まっている。
特に、ノートパソコンや携帯電話のような携帯機器に使用する場合に、携帯性あるいは小型化を維持できるような構造が望まれる。携帯性あるいは小型化した燃料電池として、本出願人による下記特許文献1により公知である。この燃料電池は、本体部の外観を形成し、少なくとも異方向に臨ませてなる壁面部から構成される本体部ケースと、壁面部に沿って配置される支持基板と、この支持基板に搭載される発電用の単位セル(燃料電池セル)と、この単位セルに供給する燃料ガスを発生する燃料ガス発生部とを備えている。
実用新案登録3114148号公報
上記の燃料電池に使用される複数の単位セルのガス流路は、直列接続、並列接続、あるいは直列接続と並列接続の適宜の組み合わせにより構成される。隣接する単位セル内のガス流路を接続するためには、外部のガス流路を構成する部材(パイプ等)が必要であり、この部材を収容するスペースを設けなければならない。上記先行技術では、これらの外部のガス流路は、セルを支持する支持基板に形成された矩形孔あるいは切欠に収容されているが、この構成では支持基板を使用しているために小型化に限界がある。したがって、小型化のために支持基板を設けない構成にした場合、外部のガス流路の配置を工夫する必要がある。
本考案は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、複数の燃料電池セルを接続した燃料電池において、小型化が実現可能な燃料電池を提供することである。
上記課題を解決するため本考案に係る燃料電池は、
複数の燃料電池セルを筒状枠になるように配置した燃料電池であって、
前記燃料電池セルの幅方向両側に配置される複数の柱部と、
前記柱部同士を連結する柱部連結手段と、
前記柱部内に形成されるガス流路と、
前記燃料電池セル内のガス流路と前記柱部内のガス流路とを連結する流路連結手段と、を備えていることを特徴とする。
この構成による燃料電池の作用・効果を説明する。燃料電池は複数の燃料電池セルを備えている。これらの燃料電池セルを筒状枠になるように並べて配置する。各燃料電池セルの幅方向両側に柱部を配置し、この柱部同士を柱部連結手段により連結することで燃料電池セルを収容するフレームの骨格を形成する。柱部内にガス流路を形成し、このガス流路を流路連結手段によって、柱部に隣接する燃料電池セル内のガス流路と連結させる。したがって、本考案に係る燃料電池は、先行技術のように各燃料電池セルを搭載するための複数の板状の支持基板を必要とせず、柱部を利用して支持することが可能であり、より小型化することができる。また、本考案では、外部のガス流路は柱部内に形成されるので、外部のガス流路のために新たなスペースを設ける必要はない。
本考案の燃料電池において、隣接する前記燃料電池セルの電極同士を結合する電極部材を備え、前記柱部にこの電極部材を位置決めするための凹部を形成したことが好ましい。
各燃料電池セルの電極は電極部材によって結合される。この電極部材を位置決めするための凹部を柱部に形成することで、電極部材は正しく位置決めされる。また、電極部材は凹部に収容されるので、電極部材が柱部から突出することはなく小型化を阻害することもない。さらに、電極部材を介して、燃料電池セルを柱部に対して支持することができる。
本考案の燃料電池において、前記電極部材は、前記燃料電池セルの電極の両極を挟持するクリップ部を両端に備え、一方の燃料電池セルの正極を絶縁部を介し、かつ負極を直接クリップ部により挟持し、隣接する他方の燃料電池セルの正極を直接、かつ負極を絶縁部を介してクリップ部により挟持することが好ましい。
電極部材は両端にクリップ部を備えており、燃料電池セルの電極の両極を挟み込み燃料電池セルを保持することができるので、電極部材を介して燃料電池セルを柱部に対して支持することができる。また、一方の燃料電池セルの正極を絶縁部を介し、かつ負極を直接クリップ部により挟持し、隣接する他方の燃料電池セルの正極を直接、かつ負極を絶縁部を介してクリップ部により挟み込むので、隣接する燃料電池セルの正極と負極を容易に接続することができる。
本考案の燃料電池において、前記柱部連結手段は棒状部材であり、その両端部を嵌合する穴が前記柱部に形成されることが好ましい。
柱部同士を棒状部材によって連結し、棒状部材の両端部は柱部に形成された穴に嵌合させる。したがって、柱部同士は強固に連結することができ、フレームとしての強度を保つことができる。
本考案の燃料電池において、前記燃料電池セルに供給する水素ガスを発生する水素ガス発生ユニットの全部もしくは一部が、前記筒状枠の内部に配置されることが好ましい。
燃料電池セルに水素ガスを供給するための水素ガス発生ユニットの全部もしくは一部を、複数の燃料電池セルで構成された筒状枠の内部に配置することで、スペースを有効に活用し、燃料電池全体を小型化することができる。
本考案の燃料電池において、前記柱部と前記柱部連結手段により構成されるセル支持フレームの変形を防止する補強フレームを設け、この補強フレームを係合する係合部を前記柱部に形成したことが好ましい。
柱部と柱部連結手段により、複数の燃料電池セルを支持するセル支持フレームを構成する。このセル支持フレームの変形を防止するための補強フレームを設け、補強フレームを係合する係合部を柱部に形成することで、燃料電池の強度を上げることができる。
本考案の燃料電池において、前記柱部に、前記水素ガス発生ユニットから供給される水素ガスを前記燃料電池セルに供給するためのガス流路を形成したことが好ましい。
水素ガス発生ユニットから供給される水素ガスを流通させるためのガス流路を柱部に形成する。水素ガス供給手段によって水素ガスはこのガス流路、次いで燃料電池セル内のガス流路を通り、燃料電池セルに供給される。ガス流路を柱部に形成することで、燃料電池を小型化することができる。
本考案の燃料電池において、前記ガス流路の供給口は前記柱部の長手方向端面に形成しことが好ましい。
ガス流路の供給口を、柱部の長手方向端面に形成することで、燃料電池セルの配置に邪魔になることなく、水素ガスを燃料電池セル内へ供給するためのガス流路を形成することができる。
<燃料電池の構成>
本考案に係る燃料電池の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、燃料電池の外観形状を示す斜視図である。燃料電池は、全体としてスティック状の外観形状を有している。燃料電池は、図1のように上部から回路ユニットS、セルユニットA、水素ガス発生ユニットBにより構成される。図2は、燃料電池の構成を示す分解斜視図である。
セルユニットAは、4つの燃料電池セルC1〜C4により構成され、略直方体形状の筒状枠となっている。4つの燃料電池セルC1〜C4は、カソード側を外向きに枠状に結合されている。4つの燃料電池セルC1〜C4は、接続用の電極部材1により電気的に直列接続されており、端部に位置する燃料電池セルC1とC4は、回路ユニットSに接続される接続端子2を備える。接続端子2の一方は燃料電池セルC1のアノード及び燃料電池セルC4のカソードにスポット溶接により接続され、他方は回路基板にはんだ付けされる。
枠状に形成されたセルユニットAの上部には回路ユニットSが取り付けられる。回路ユニットSには、携帯機器等と接続される電源供給端子3が取り付けられると共に、携帯電話等の携帯機器に適切な充電電圧が供給できるように昇圧回路4などが搭載されている。また、回路ユニットSには後述する反応液を間欠的に送るためのバルブの駆動に必要な電池5も搭載されている。セルユニットAと回路ユニットSとは、接続端子2により電気的に接続されており、セルユニットAによって発生した電圧は、昇圧回路4により適切な電圧に昇圧されてから携帯機器側に供給される。
水素ガス発生ユニットBは、大きく分けて反応液供給部6と、水素ガス発生部7とを備えている。反応液供給部6内には圧縮気体収容部を備え、反応液を押し出すための圧縮気体が収容されている。さらに、反応液供給部6内には反応液収容部を備え、水素発生剤と反応させるための反応液が収容される。反応液は、前述のバルブを介して送り込まれる。水素発生剤収容部は、水素ガス発生部7内に備えられており、反応液と反応して水素ガスを発生する水素発生剤が収容される。発生した水素ガスは、水素ガス発生部7の排出管7aを介してセルユニットA側に供給される。
枠状に組み立てられたセルユニットAの内部には空間部が形成されており、反応液供給部6が挿入される。反応液供給部6は、断面略正方形の直方体状に形成される。水素ガス発生部7も断面略正方形の直方体状に形成されている。反応液供給部6をセルユニットA内に挿入した時、セルユニットAの下部に水素ガス発生部7が位置し、さらに回路ユニットSをセルユニットAの上部に接続することで、燃料電池全体として図1のようなスティック状の外観形状を有する。
<燃料電池セルの構成>
本発明に係る燃料電池セルC1〜C4について図面を用いて説明する。図3はアノード側から見た外観斜視図、図4はカソード側から見た外観斜視図である。図5は、図3,4に示す燃料電池セルの内部構造を示す分解斜視図であり、図6は、図3,4に示す燃料電池セルの縦断面図である。
本発明の燃料電池セルC1〜C4は、各図に示すように、板状の固体高分子電解質8と、その固体高分子電解質8の一方側に配置されたアノード側電極板9と、他方側に配置されたカソード側電極板10とを備え、これら一対の電極板9,10により固体高分子電解質8が挟持される形となっている。更に、アノード側電極板9の外側にアノード側金属板11が配置され、カソード側電極板10の外側にカソード側金属板12が配置される。アノード側金属板11とアノード側電極板9の間に形成される空間に水素ガスを通過させるための後述の流路溝13が形成されている。
各金属板11,12の周縁領域11a,12aは、固体高分子電解質8及び電極板9,10を収容した後に、カシメにより封止される。また、説明の便宜上、金属板11,12の周縁領域11a,12a以外の領域を中央領域11b,12bと称することにする。カシメ加工を行なう前は、図5に示すように、カソード側金属板12の周縁領域12aは垂直な立ち曲げ部となっており、これを内側へ倒し込むことによりアノード側金属板11の周縁領域11aと重ね合わせて封止することができる。この垂直な立ち曲げ部は、絞り加工により形成することができる。
固体高分子電解質8としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質8の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板9,10は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや、酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板9,10としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質8と接する内面9b,10bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極板9,10の電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板9,10は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板9,10や固体高分子電解質8は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気が用いられると共に、還元ガスとして水素ガスを用いるのが好ましい。
例えば、水素ガスと空気を使用する場合、空気が自然供給される側のカソード側電極板10では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。特に、低作動温度、高電流密度及び高ガス利用率の運転条件では、特に水が生成する空気極において水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)現象が起こりやすい。したがって、長期にわたって燃料電池の安定な特性を得るためには、フラッディング現象が起こらないように電極の撥水性を確保することが有効である。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板9,10の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。電極板9,10と固体高分子電解質8とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、膜/電極接合体M(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
アノード側電極板9の表面にはアノード側金属板11が配置され、カソード側電極板10の表面にはカソード側金属板12が配置される。アノード側金属板11には燃料ガスである水素ガスのガス供給穴11c及びガス排出穴11dが設けられ、更に本実施形態では、アノード側金属板11の内側に水素ガスを通過させるための流路溝13(図6参照)が一体形成されている。
カソード側金属板12には、空気中の酸素を供給するための多数の開口孔12cが設けられている。開口孔12cは、カソード側電極板10が露出可能であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。カソード側金属板12の開口孔12cは、例えば、規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開口孔12cを設けたりしてもよい。
金属板11,12としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。
アノード側金属板11に設けられる流路溝13は、アノード側電極板9との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。本実施形態では、ガス供給穴11cとガス排出穴11dとを流路溝13により接続しており、その流路溝13は、金属板11の幅方向に沿って周期的に折り返すジグザグ状に形成されている。流路溝13は、幅が広い横方向の溝(長辺方向)と幅が狭い縦方向の溝(短辺方向)とで構成されている。流路密度、燃料電池セル積層時の積層密度、屈曲性などを考慮して、種々の形態の流路溝13を採用することができ、図示の形態に限定されるものではない。
なお、このような金属板11に形成される流路溝13の一部を電極板9の外面に形成してもよい。電極板9の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板9,10の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板11の流路溝13に連通するガス供給穴11c及びガス排出穴11dは、図示ではそれぞれ1個であるが、それぞれ複数を形成することもできる。なお、金属板11,12の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。
金属板11に流路溝13を形成する方法としては、金属板に対してプレス加工(打ち出し加工)を行うことで形成することができる。すなわち、図5に示す金属板11において裏面側からプレス打ち出し加工を行うことで、各図に示すように金属板11の裏面側に流路溝13を形成することができる。また、打ち出し加工により流路溝13を形成するので、各図に示すように金属板11の表面側には、流路溝13と同じ形状が表れる。すなわち、幅広の流路溝13に対応して幅広の突出部11f、幅狭の流路溝13に対応して幅狭の突出部11e、ガス供給穴11cやガス排出穴11dの周囲にも幅広の突出部11gが表れる。流路溝13の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板12への開口孔12cの形成、金属板11へのガス供給穴11c及びガス排出穴11dの形成についても、プレス加工(プレス打ち抜き加工)を利用して行われる。さらに、金属板11,12には、同じくプレス加工(打ち出し加工)を利用して、中央領域11b,12bに凹部が形成される。この凹部は、図6に示すように、膜/電極接合体Mを構成する電極板9,10を収容するための凹部である。従って、凹部の面積は、収容される電極板9,10の大きさに応じて加工される。
本発明では、金属板11,12の周縁領域11a,12aは、電気的に絶縁した状態でカシメにより封止されている。電気的な絶縁は、絶縁シートを用いて行うが、固体高分子電解質8の周縁領域8aを介在させることで行うこともできる。
カソード側金属板12には、図5に示すようにリング状(額縁状)の絶縁シート14が周縁領域12aに配置される。絶縁シート14の外側の縁は金属板12の縁とほぼ同じ大きさに設定され、内側の縁は、多数の開口孔12cが形成される領域よりも少し大きなサイズ(あるいは、電極板10の大きさより少し大きなサイズ)に設定される。金属板12の周縁領域12aに予め絶縁シート14を貼り付けておき、その状態で周縁領域12aを垂直に立ち曲げる加工が行なわれる。
アノード側金属板11にも、図3に示すようにリング状(額縁状)の絶縁シート15が周縁領域11aの表裏両面に配置される。この表裏両面の絶縁シート15のサイズは同じである。絶縁シート15の外側の縁は金属板11の縁とほぼ同じ大きさに設定され、内側の縁は、電極板9よりも少し大きなサイズに設定される。この絶縁シート15も予め金属板11に貼り付けておくことができる。
固体高分子電解質8は、電極板9,10の大きさよりも少し大きくなっており、図6に示すように、電極板9,10から露出した状態にある周縁領域8aが、絶縁シート14,15により挟持されるように組み立てられる。
すなわち、本発明では、カシメ封止を行う際、電極板9,10よりも外側の領域にある固体高分子電解質8の周縁領域8aを絶縁シート14,15を介して、周縁領域11a,12aにより挟持した状態とする。このような構造によると、電極板9,10の一方から他方へのガス等の流入を効果的に防止することができる。また、金属板11の表面側にも絶縁シート15が設けられており、カシメ封止した際に、絶縁性能を確実に確保した状態で封止することができる。
絶縁シート14,15としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましい。絶縁シート14,15は、金属板11,12を所定の形状に加工する前に、直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板11,12に一体化しておくことができる。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図6に示すものが好ましい。つまり、一方のカソード側金属板12の周縁領域12aを他方のアノード側金属板11の周縁領域11aより大きくしておき、絶縁シート14,15を介在させつつ、カソード側金属板12の周縁領域12aをアノード側金属板11の周縁領域11aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このようなカシメ封止を行うための製造方法及び製造設備については、例えば、本発明者らによる特開2006−86041号公報に開示される技術を用いることができる。
燃料電池として使用の際、金属板11のガス供給穴11c及びガス排出穴11dには、直接、燃料供給用のパイプを接合することも可能であるが、水素ガスの漏れを防止するために、ブース16が取り付けられる。このブース16の取り付けは、カシメや圧入により行うことができる。
ブース16には、パイプ17(流路連結手段に相当)が圧入される横穴と、ブース16の軸中心に位置する縦穴が形成され、これら横穴と縦穴は水素ガスを通過させるための内部連通路として機能する。
<セルユニットの構成>
セルユニットAの構成を図を用いてより詳細に示す。図7(a)は、柱部P1〜P4と柱部連結手段18からなるセル支持フレーム19のみを示す。柱部連結手段18は断面形状が長方形、円形などの棒状部材であり、その両端部は柱部P1〜P4に形成された穴に嵌合及び圧入される。また、柱部P1〜P4には、係合部20が形成されており、図2に示す柱部同士(セルユニットA)の変形を防止するための補強フレーム21を係合する。補強フレーム21は、金属製または樹脂製などであり、その表面を絶縁処理することが好ましい。
図7(b)は、燃料電池セルC1〜C4を電極部材1により接続した状態を示す図である。電極部材1は、図8に示すように、板状の部材を曲げ加工により成形しており、その両端にクリップ部22を備えている。クリップ部22により、図7(b)のように燃料電池セルC1〜C4の電極の両極を挟み込んでいる。これにより、電極部材1は燃料電池セルC1〜C4を保持することができ、また、電極部材1は柱部に設けられた凹部23の位置に固定されるので、燃料電池セルC1〜C4は電極部材1を介して柱部P1〜P4に支持される。なお、クリップ部22は、燃料電池セルC1〜C4を着脱自在に保持することが可能であるが、抵抗溶接等によりクリップ部22と燃料電池セルC1〜C4を接合して使用することも可能である。
図9は、燃料電池セルC1〜C4が、柱部P1〜P4に支持される様子を示す。図9(a)は、柱部P1〜P4の凹部23の位置でのセルユニットAの断面図である。ただし、説明の便宜上、補強フレーム21は省略してある。図9(b)は、上方のブース16の位置でのセルユニットAの断面図である。電極部材1は、クリップ部22により燃料電池セルC1〜C4を挟み込み、柱部P1〜P4の凹部23の位置に正確に位置決めされている。また、図9(a)に示すように、柱部P2の電極部材1は、燃料電池セルC1において、クリップ部22は、アノード側金属板11に接する面は絶縁部24を介し、カソード側金属板12に接する面は直接挟み込んでいる。一方、燃料電池セルC1に隣接する燃料電池セルC2において、クリップ部22は、カソード側金属板12に接する面は絶縁部24を介し、アノード側金属板11に接する面は直接挟み込んでいる。このように、柱部P3、P4において支持される電極部材1についても同様にして、隣接する燃料電池セルの正極と負極を直列に接続する。ただし、柱部P1の電極部材1については、燃料電池セルC1とC4は回路ユニットSに電圧を供給するための接続端子2を備えるために、アノード側金属板11とカソード側金属板12に接する両面とも絶縁部24を介して挟み込んでおり、燃料電池セルC1とC4の支持の役割のみを果たす。なお、柱部P1の電極部材1を設けない構成とすることも可能である。
また、図9(b)に示すように、柱部P1〜P4の幅方向の間に、燃料電池セルC1〜C4、電極部材1、ブース16、パイプ17はすべて収まっており、補強フレーム21とこれらが干渉することもない。また、パイプ17同士を連結させるガス流路は、柱部P1〜P4内に形成されており、外部に新たにパイプなどを設ける必要はない。
各柱部P1〜P4には、図7(a)のように、隣接する燃料電池セルC1〜C4間を水素ガスが流通するための流路としてガス流路25〜29を設けてある。ガス流路25は、柱部P1の下部に、柱部P1の長手方向の下端面に設けられた供給口30から燃料電池セルC1の方向へL字状に設けられている。ガス流路26は、柱部P2の上部に、燃料電池セルC1と燃料電池セルC2を接続する方向へL字状に設けられている。ガス流路27は、柱部P3の下部に、燃料電池セルC2と燃料電池セルC3を接続する方向へL字状に設けられている。ガス流路28は、柱部P4の上部に、燃料電池セルC3と燃料電池セルC4を接続する方向へL字状に設けられている。ガス流路29は、柱部P4の下部に、柱部P4の長手方向の下端面に設けられた排出口31から燃料電池セルC4の方向へL字状に設けられている。
図10は、燃料電池セルC2をセルユニットAの内側から見た様子を示す。燃料電池セルC2は、電極部材1により、柱部P2およびP3に支持されている。アノード側金属板11に設けられたブース16に対して、パイプ17の一端を取り付け、他端を柱部P2、P3のガス流路26,27に接続している。このパイプ17は、燃料電池セルC2を柱部P2およびP3に支持する役割も兼ねている。パイプ17は、ブース16及び柱部P1〜P4に対して圧入支持されている。燃料電池セルC2以外の燃料電池セルC1、C3及びC4についても、同様に電極部材1とパイプ17により柱部P1〜P4に支持されている。
<水素ガスの流通過程>
水素ガス発生部7で発生した水素ガスは、排出管7aを介してセルユニットA側に供給される。反応液供給部6をセルユニットA内に挿入した時、セルユニットAの下部に水素ガス発生部7が位置し、水素ガス発生部7の排出管7aと柱部P1供給口30が嵌合し連通するように構成している。供給口30から供給された水素ガスは、ガス流路25を通り燃料電池セルC1に供給される。燃料電池セルC1内を通過した水素ガスは、柱部P2のガス流路26を通り燃料電池セルC2に流通される。燃料電池セルC2内を通過した水素ガスは、柱部P3のガス流路27を通り燃料電池セルC3に流通される。燃料電池セルC3内を通過した水素ガスは、柱部P4のガス流路28を通り燃料電池セルC4に流通される。燃料電池セルC4内を通過した水素ガスは、柱部P4のガス流路29を通り排出口31から排出される。すなわち、ガス流路は直列に設けられており、水素ガス発生部7で発生した水素ガスは、供給口30→ガス流路25→燃料電池セルC1→ガス流路26→燃料電池セルC2→ガス流路27→燃料電池セルC3→ガス流路28→燃料電池セルC4→ガス流路29→排出口31の順番でセルユニットA内を流通する。
<燃料電池の電力供給>
図11は、本発明の燃料電池の概略構成図である。反応液と水素発生剤との反応により発生した水素は、上述したように燃料電池セルC1に供給され、順次燃料電池セルC2、C3、C4へと送られ、最後に排出される。直列に接続された燃料電池セルC1〜C4の端部に位置する燃料電池セルC1とC4に設けられた接続端子2は回路ユニットSに接続される。発生した電圧は、昇圧回路4により適切な電圧に昇圧されてから電源供給端子3から携帯機器側に供給される。また、回路ユニットSは、発生した電圧値の増減に応じて、水素発生量を調節するように反応液の供給量を制御できるようにしてもよい。
<別実施形態>
本実施形態では、4個の燃料電池セルC1〜C4を用いて燃料電池を構成したが、4個に限られるものではない。例えば、3個の燃料電池セルを用いて、三角形の筒状枠としたり、5個の燃料電池セルを用いて、五角形の筒状枠としたりすることもできる。
本実施形態では、水素ガス発生ユニットBの一部、すなわち反応液供給部6の部分をセルユニットAの内部に配置するように構成したが、水素ガス発生ユニットBの全体をセルユニットAの内部に配置するように構成することもできる。この際、水素ガス発生部7の排出管7aの位置や柱部P1の供給口30の位置を適宜変更する必要がある。
燃料電池の外観形状を示す斜視図 燃料電池の構成を示す分解斜視図 燃料電池セルのアノード側の外観を示す外観斜視図 燃料電池セルのカソード側の外観を示す外観斜視図 燃料電池セルの内部構造を示す分解斜視図 燃料電池セルの内部構造を示す組立断面図 セルユニットの構成を示す図 電極部材の構成を示す図 セルユニットの構成を示す断面図 燃料電池セルと柱部の組立図 燃料電池の概略構成図
符号の説明
S 回路ユニット
A セルユニット
B 水素ガス発生ユニット
1 電極部材
2 接続端子
3 電源供給端子
4 昇圧回路
5 電池
6 反応液供給部
7 水素ガス発生部
7a 排出管
11 アノード側金属板
11c ガス供給穴
11d ガス排出穴
12 カソード側金属板
16 ブース
17 パイプ(流路連結手段)
18 柱部連結手段
19 セル支持フレーム
20 係合部
21 補強フレーム
22 クリップ部
23 凹部
24 絶縁部
25〜29 ガス流路
30 供給口
31 排出口
C1〜C4 燃料電池セル
P1〜P4 柱部

Claims (8)

  1. 複数の燃料電池セルを筒状枠になるように配置した燃料電池であって、
    前記燃料電池セルの幅方向両側に配置される複数の柱部と、
    前記柱部同士を連結する柱部連結手段と、
    前記柱部内に形成されるガス流路と、
    前記燃料電池セル内のガス流路と前記柱部内のガス流路とを連結する流路連結手段と、を備えていることを特徴とする燃料電池。
  2. 隣接する前記燃料電池セルの電極同士を結合する電極部材を備え、前記柱部にこの電極部材を位置決めするための凹部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記電極部材は、前記燃料電池セルの電極の両極を挟持するクリップ部を両端に備え、一方の燃料電池セルの正極を絶縁部を介し、かつ負極を直接クリップ部により挟持し、隣接する他方の燃料電池セルの正極を直接、かつ負極を絶縁部を介してクリップ部により挟持することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記柱部連結手段は棒状部材であり、その両端部を嵌合する穴が前記柱部に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 前記燃料電池セルに供給する水素ガスを発生する水素ガス発生ユニットの全部もしくは一部が、前記筒状枠の内部に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. 前記柱部と前記柱部連結手段により構成されるセル支持フレームの変形を防止する補強フレームを設け、この補強フレームを係合する係合部を前記柱部に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。
  7. 前記柱部に、前記水素ガス発生ユニットから供給される水素ガスを前記燃料電池セルに供給するためのガス流路を形成したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の燃料電池。
  8. 前記ガス流路の供給口は前記柱部の長手方向端面に形成したことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池。
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