JP3134633B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP3134633B2
JP3134633B2 JP27645493A JP27645493A JP3134633B2 JP 3134633 B2 JP3134633 B2 JP 3134633B2 JP 27645493 A JP27645493 A JP 27645493A JP 27645493 A JP27645493 A JP 27645493A JP 3134633 B2 JP3134633 B2 JP 3134633B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
のメンテナンスを行うメンテナンス手段を備えたインク
ジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタの印字品
質の低下を防止するために、ヘッドのメンテナンスを行
うメンテナンス手段を備えたものが知られている。メン
テナンス手段としては、具体的には、ヘッドのノズル表
面をワイプ部材により摺動しゴミや液だれをワイピング
するものや、ヘッドのノズル面側からインクを吸引する
吸引手段またはヘッドからインクを強制的に吐出させる
強制吐出手段により、ヘッド内のゴミや気泡を少量のイ
ンクと共に排出させるものがある。特に、近年のインク
ジェットプリンタにおいては、より高度な印字品質を達
成するために、上記のワイピングと、吸引または強制吐
出のいずれか一方とを併用しているものが多くみられ
る。
【0003】そして、このようなインクジェットプリン
タにおいて、上記のメンテナンス動作は、所定量(時
間、文字数、ドット数、または頁数)印字する毎に行わ
れるよう設計されていた。その一例として、特開平2−
141248号公報及び特開平3−5154号公報に
は、ワイピング動作のタイミングを、従来の所定時間毎
から所定ドット数印字毎に変更した例が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、常に良好な印字品質を求めるが故
に、いずれのタイミングにてメンテナンスを行ったとし
ても、ある程度の印字速度の遅れが生じていた。例え
ば、一般にプリンタの使用形態は、ホストコンピュータ
にて作成した文書等をとりあえず印字する試し印字と、
その試し印字の結果に基づいて修正を施したものを清書
する場合との2通りが考えられるが、昨今の使用者の要
望は、試し印字の場合は多少印字品質が劣化していても
良いからとにかく早く印字してほしいというものが多
い。このような要望を取り入れたものとして、印字すべ
きイメージパターンをそのまま印字する通常の印字モー
ドと、前記パターンを間引いて印字する間引きモードと
を選択可能なインクジェットプリンタが従来知られてい
る。間引きモードにおいては、印字品質は低下するもの
の、インクの消費量を低下させるとともに、印字速度を
向上させるといった利点がある。
【0005】しかしながら、このようなインクジェット
プリンタに、上記のメンテナンス機能を具備させた場
合、使用者が試し印字を行うために間引きモードを選択
したとしても、メンテナンスのタイミングは通常印字の
時と同じであるため、それほど印字速度を向上させるこ
とはできなかった。
【0006】更に、従来のインクジェットプリンタにお
いては、ノズル表面に撥水層を設け不要なインクの停留
を防止することにより、噴射されるインクの直進性を高
めるものがある。特に、近年のインクジェットプリンタ
においては、より高度な印字品質を達成するために、上
記のワイピングと撥水層とを併用しているものが多くみ
られる。しかしながら、このようなインクジェットプリ
ンタにおいて、上記の試し印字の際もワイピングを通常
と同じタイミングで行うものでは、ワイピング回数を重
ねる毎にノズル表面の撥水層が徐々に剥離してしまい、
印字ヘッドの寿命を下げるという問題も生じていた。
【0007】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、不要なメンテナンス動作を低減
させることにより印字速度を向上させることが可能なイ
ンクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明では、インクジェットヘッドのメンテナンスを
行うメンテナンス手段と、そのメンテナンス手段を所定
のタイミングで作動させる作動手段と、異なる印字モー
ドを選択するモード制御手段とを備えるインクジェット
プリンタにおいて、前記モード制御手段による印字モー
ドの選択にともない前記作動手段の作動タイミングをそ
れぞれ異なる所定値に設定するタイミング変更手段と、
前記作動タイミングの初期値を記憶する記憶手段と、前
記モード制御手段により通常と異なる印字モードが選択
された際に、その印字モードによる印字動作の終了に起
因して、印字モードを前記通常の印字モードに変更する
とともに、前記作動タイミングを前記記憶手段に記憶さ
れている前記初期値に再変更する制御手段とを更に備え
たことを特徴としている。
【0009】
【作用】上記の構成を有する本発明のインクジェットプ
リンタにおいては、前記モード制御手段による印字モー
ドの選択にともない、前記タイミング変更手段は、前記
作動手段の作動タイミングをそれぞれ異なる所定値に設
し、前記作動手段は、変更された作動タイミングに基
づいて前記メンテナンス手段を作動させる。そして、モ
ード制御手段により通常と異なる印字モードが選択され
た際に、その印字モードによる印字動作の終了に起因し
て、印字モードを通常の印字モードに変更するととも
に、作動タイミングを記憶手段に記憶されている初期値
に再変更する。
【0010】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0011】まず図2を用いて本実施例の構成を説明す
る。プリンタ1のハウジング21内には、プラテン16
が図2中矢印A方向に回転可能に設けらており、そのプ
ラテン16に沿ってガイド軸4が設けられている。その
ガイド軸4には摺動可能にキャリッジ3が取り付けてお
り、そのキャリッジ3にはベルト7が取り付けられてい
る。そして、ベルト7はアイドルプーリ8と駆動プーリ
6とに掛けられている。駆動プーリ6は駆動モータ5に
より回転され、その駆動プーリ6の回転によって、キャ
リッジ3がベルト7を介してガイド軸4に沿って図2中
矢印B方向に移動される。キャリッジ3上にはプラテン
16に対向してヘッド2が取り付けられており、そのヘ
ッド2内には印字用のインクが収納されている。
【0012】印字用紙17は、プリンタ1の後方より図
2中矢印C方向にハウジング21内に挿入され、プラテ
ン16に沿って矢印D方向に搬送されて、プリンタ1の
ハウジング21から排出される。その印字用紙17は、
プラテン16に搬送されたとき、キャリッジ3の移動と
共にヘッド2がインクを噴射することによって、所要の
データが印字される。
【0013】プラテン16の図2中左側(ヘッド2の非
印字位置近傍)にはキャップ9が設けられており、その
キャップ9にはヘッド2に密着させるためのキャップゴ
ム10が取り付けられている。また、キャップ9はヘッ
ド2に対して図2中の矢印E方向に移動可能に取り付け
られており、適宜キャップゴム10はヘッド2に密着す
る。また、キャップ9には連結チューブ12が取り付け
られており、ポンプ11に連結されている。そのポンプ
11には排出チューブ13が連結されており、排出チュ
ーブ13は、吸着材15の収納された廃インクタンク1
4に連結されている。
【0014】前記非印字位置におけるプラテン16とキ
ャップ9との間には、可撓性のワイパーブレード22が
設けられている。このワイパーブレード22は図2中の
矢印F方向に移動可能に取り付けられている。そのワイ
パーブレード22は、通常、ヘッド2に接触しない後退
位置に待機しており、ワイピング時は、図示しないモー
タによりヘッド2と摺接可能な前進位置に移動される。
【0015】尚、このヘッド2のノズル面には図示しな
い撥水層が設けられている。この撥水層は、本実施例に
おいては含フッ素重合体の均一な膜からなり、ノズル面
に対して、上記含フッ素重合体を溶媒に溶解させた重合
体溶液をディッピングにより塗布されることにより形成
される。尚、撥水層の材料及び形成方法に関しては、国
際公開番号WO92/13720号公報に詳細に記載さ
れているので、その記載を参照されたい。そして、この
様に形成された撥水層は、インクメニスカスを所定の位
置に形成するとともに、ノズル面上に不要なインクが停
留するのを防止する作用がある。即ち、ノズル付近に不
要なインクが停留すると、直進しようとするインク滴が
屈曲され印字結果を乱すばかりか、目詰まりの原因にも
なりドット抜けが生じるが、撥水層を形成することによ
りこれらの問題を解決できるのである。
【0016】次に、本実施例のインクジェットプリンタ
の回路構成を、図1のブロック図を用いて説明する。但
し、本発明と直接関係しない機構の回路構成に付いては
説明を省略する。
【0017】本実施例のインクジェットプリンタの動作
を制御するCPU31には、プリンタの各モードを使用
者が選択可能な操作パネル32と、キャリッジ3を駆動
する駆動モータ5と、吸引を行うポンプ11と、プリン
タの制御プログラムを記憶すると共にワイピング及び吸
引を行うタイミングの初期値を記憶するROM33とが
それぞれ接続されている。尚、本実施例のメンテナンス
タイミングの仕様としては、ワイピングは30行印字毎
に、吸引は1頁印字毎に行われるように初期設定されて
おり、使用者は各々のタイミングを初期値の1/2倍、
2倍、若しくは3倍に設定変更可能になっている。従っ
て、ROM33には、ワイピング及び吸引タイミングの
初期値として、30行及び1頁というデータが記憶され
ていると共に、操作パネル32には、ワイピング及び吸
引タイミングを、初期値の1/2倍、2倍、若しくは3
倍に設定変更可能な入力手段がそれぞれ設けられてい
る。そしてCPU31は前記制御プログラムに従って作
動することにより、以下の各手段として動作するよう構
成されている。
【0018】タイミング値格納手段34は、通常はRO
M33に記憶されているワイピング及び吸引タイミング
の初期値を、また操作パネル32によってワイピングタ
イミングまたは吸引タイミングが設定変更された際に
は、印字終了信号が入力されるまでの間はその変更値
を、それぞれ格納するよう構成されている。
【0019】ワイピング指示手段35及び吸引指示手段
36は、印字動作が開始されるとタイミング値格納手段
34に格納されているワイピング及び吸引タイミングの
値を読み出し、印字動作が各々のタイミングに達したと
きに印字動作を中断させると共に、ワイピングまたは吸
引動作を行わせるよう構成されている。
【0020】次に、本実施例の動作に付いて説明する。
まず例えば、使用者が試し印字等の理由によりメンテナ
ンスタイミングを変更するために、操作パネル32によ
ってワイピング及び吸引タイミングを初期値の2倍に設
定変更すると、タイミング値格納手段34には初期値の
2倍の60行及び2頁という値が格納される。次に、図
示しないホストコンピュータから印字データが入力され
ると、プリンタはそのデータに基づいて印字動作を開始
すると共に、ワイピング指示手段35及び吸引指示手段
36は、ホストコンピュータから送信される改行信号と
改頁信号とを計数し、タイミング値格納手段34に格納
された値と比較する。
【0021】ここで印字行数が60行に達した場合、ワ
イピング指示手段35は印字動作を中断させると共に、
ワイピングを行わせるためにワイパーブレード22(図
2)を図示しないモータによりヘッド2と摺接可能な前
進位置に移動させ、駆動モータ5に制御信号を送出する
ことによりキャリッジ3を印字位置から非印字位置へ移
動させ、ノズル面を摺動させることによりワイピングす
る。また、印字頁数が2頁となった場合、吸引指示手段
36は駆動モータ5に制御信号を送出することによりキ
ャリッジ3を印字位置から非印字位置へ移動させ、図2
に示すキャップ9のキャップゴム10をヘッド2に密着
させた状態で、ポンプ11を作動させてヘッド2の吸引
を行う。
【0022】更に印字動作を行った後、ホストコンピュ
ータから印字終了信号が送出されると、タイミング値格
納手段34はROM33に記憶されているワイピング及
び吸引タイミングの初期値を再格納して動作を終了す
る。
【0023】上記の構成及び動作により、本実施例のイ
ンクジェットプリンタにおいては、使用者が要求するタ
イミングにてヘッドのメンテナンスを行うことが可能な
ため、試し印字等印字品質が要求されないときには、使
用者がメンテナンスの頻度を少なく設定することによ
り、印字速度を早めたり、撥水膜の剥離を防止したりす
ることが出来る。さらに本実施例では、印字終了信号に
基づいてメンテナンスタイミングを初期化するようにさ
れているため、例えば使用者が試し印字等の理由により
メンテナンスタイミングを変更し、その印字終了時にタ
イミングをもとに戻すことを忘れても、自動的に通常の
印字品質で印字が行える。また、本実施例においては、
メンテナンスタイミングを短くする事も可能なため、例
えば撥水膜の剥離等により印字品質が劣化した場合、頻
繁にメンテナンスを行うことにより印字品質を向上させ
ることも可能である。
【0024】尚、上記の実施例においては、メンテナン
スタイミングの変更は、操作パネルにおいて段階的に行
うようにされていたが、連続的に設定変更するようにも
でき、また操作パネル以外にボリューム等を設けて変更
させてもよい。また、ワイピングと吸引の各々のタイミ
ングを別々に変更可能にしていたが、一度に両方のタイ
ミングを変えられるようにしてもよい。
【0025】更に上記実施例では、ワイピングは印字行
単位、吸引は印字頁単位で行うようにされていたが、時
間、ドット数、文字数等他のパラメータを用いてもよ
い。また、吸引ではなく強制吐出を行わせるタイプのイ
ンクジェットプリンタにも適用可能である。さらに上記
実施例では、ワイピング、吸引の両者のタイミングが変
更可能であったが、いずれか一方のみ変更可能にしても
よい。
【0026】次に、第二の実施例を図3を参照して説明
する。尚、上記実施例と同一箇所に付いては説明を省略
する。
【0027】本実施例のインクジェットプリンタは、印
字モードとして、印字すべきイメージパターンをそのま
ま印字する通常の印字モードと、前記パターンを間引い
て印字する間引きモードとを備えており、使用者は用途
に応じていずれかを選択出来るようになっている。即
ち、使用者が試し印字等の理由により印字品質を要求し
ないときには間引きモードを選択することにより、イン
ク消費量を低減させるとともに印字速度を向上させるこ
とが出来る。尚、本実施例のインクジェットプリンタの
機械構成は、上記実施例の図2の構成と同様である。
【0028】次に、本実施例のインクジェットプリンタ
の回路構成を、図3のブロック図を用いて説明する。但
し、本発明と直接関係しない機構の回路構成に付いては
説明を省略する。
【0029】本実施例のインクジェットプリンタの動作
を制御するCPU41には、プリンタの各モードを使用
者が選択可能な操作パネル42と、キャリッジ3を駆動
する駆動モータ5と、吸引を行うポンプ11と、プリン
タの制御プログラムを記憶すると共にワイピング及び吸
引を行うタイミングの初期値を記憶するROM43と、
ヘッド2を駆動するヘッドドライバ49とがそれぞれ接
続されている。尚、本実施例のメンテナンスタイミング
の仕様としては、ワイピングはいずれかのノズルから2
万ドット印字される毎に、吸引は4万ドット印字毎に行
われるように初期設定されている。従って、ROM43
には、ワイピング及び吸引タイミングの初期値として、
2万及び4万というデータが記憶されている。また操作
パネル42には、間引きモードを指定する入力手段が設
けられている。そしてCPU41は前記制御プログラム
に従って作動することにより、以下の各手段として動作
するよう構成されている。
【0030】モード制御手段47は、通常は印字すべき
イメージパターンをそのまま印字する通常の印字モード
を、また操作パネル42によって間引きモードが指定さ
れた場合は印字終了信号が入力されるまでの間は間引き
モードを後述の間引き手段48に指示するよう構成され
ている。また、モード制御手段47は、通常の印字モー
ドの際はROM43に記憶されているワイピング及び吸
引タイミングの初期値を、また間引きモードの際には前
記初期値を2倍することによって得られる4万及び8万
という値を、タイミング値格納手段44に出力するよう
構成されている。
【0031】また、間引き手段48は、モード制御手段
47からの指示が通常の印字モードであればホストコン
ピュータからの印字データをそのままイメージパターン
に展開してヘッドドライバ49に出力し、間引きモード
であれば展開したイメージパターンを更に縦1列ごとに
間引いてヘッドドライバ49に出力するとともにキャリ
ッジ移動速度を倍にするために駆動モータ5に制御信号
を送出するよう構成されている。
【0032】更に、タイミング値格納手段44は、モー
ド制御手段47から出力されるワイピング及び吸引タイ
ミングの値がそれぞれ格納されるよう構成されている。
また、ワイピング指示手段45及び吸引指示手段46
は、印字動作が開始されるとタイミング値格納手段44
に格納されているワイピング及び吸引タイミングの値を
読み出し、印字動作が各々のタイミングに達したときに
印字動作を中断させると共に、ワイピングまたは吸引動
作を行わせるよう構成されている。
【0033】次に、本実施例の動作に付いて説明する。
まず例えば、使用者が試し印字等の理由により操作パネ
ル42によって間引きモードを選択すると、モード制御
手段47は、間引きモードを間引き手段48に指示する
と共に、ワイピング及び吸引タイミングの値としてRO
M43内の値を2倍してタイミング値格納手段44に出
力する。従って、タイミング値格納手段44には4万及
び8万という値が格納される。次に、図示しないホスト
コンピュータから印字データが入力されると、間引き手
段48は、その印字データをイメージパターンに展開
し、更に縦1列ごとに間引いてヘッドドライバ49に出
力するとともに、キャリッジ移動速度を倍にするために
駆動モータ5に制御信号を送出する。従って、インク消
費量が1/2、印字速度が2倍の間引き印字が行われ
る。更にCPU41は、印字動作中に各ノズル毎の累計
印字ドット数を計数し、その最大値をワイピング指示手
段45及び吸引指示手段46に出力する。ワイピング指
示手段45及び吸引指示手段46は、CPU41から出
力されるドット数と、タイミング値格納手段44に格納
された値と比較する。
【0034】ここでドット数が4万に達した場合はワイ
ピング指示手段45がワイピング動作を、8万に達した
ときには吸引指示手段46が吸引動作を、それぞれ上記
実施例と同様に行う。
【0035】更に印字動作を行った後、ホストコンピュ
ータから印字終了信号が送出されると、モード制御手段
47は、通常の印字モードを間引き手段48に指示する
とともに、ROM43に記憶されているワイピング及び
吸引タイミングの初期値をタイミング値格納手段44に
出力し、動作を終了する。
【0036】上記の構成及び動作により、本実施例のイ
ンクジェットプリンタにおいては、印字品質が要求され
ない間引き印字を使用者が選択したときには、メンテナ
ンスの頻度が自動的に少なく設定されるので、印字速度
を早めたり、撥水膜の剥離を防止したりすることが出来
る。さらに本実施例では、印字終了信号に基づいて印字
モードとメンテナンスタイミングを初期化するようにさ
れているため、例えば使用者が間引き印字を選択し、そ
の印字終了時にモードをもとに戻すことを忘れても、自
動的に通常の印字モードでかつ通常のメンテナンスタイ
ミングで印字が行える。
【0037】尚、本実施例では、メンテナンスのタイミ
ングをドット数単位で行うようにされていたが、時間、
行、頁、文字数等他のパラメータを用いてもよい。な
お、この場合、例えばページ数単位でメンテナンスを行
うような場合には、間引きモードが選択されると1ペー
ジあたりのドット数が通常の半分となるため、通常より
メンテナンスを行う頻度を半減させても印字品質に影響
はないはずである。そして、上記実施例の考え方、即ち
間引きモード故にメンテナンス頻度を半減させるという
考えを加えて実施する場合は、(1/2)×(1/2)
により頻度を1/4程度、即ちタイミングを4倍程度に
すればよい。このことは、時間、行、文字数をパラメー
タとして用いる場合も同様である。
【0038】さらに、間引きモードの際にはメンテナン
スは一切行わないという仕様でもよい。また、吸引では
なく強制吐出を行わせるタイプのインクジェットプリン
タにも適用可能である。さらに上記実施例では、ワイピ
ング、吸引の両者のタイミングを変更させていたが、い
ずれか一方のみを変更してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のインクジェットプリンタにおいては、試し印字等
印字品質が要求されない印字モードが選択された際に、
不要なメンテナンス動作を低減させることにより、印字
速度を向上させることができるといった効果を有するも
のである。さらに、印字モードを通常の印字モードから
変更してその印字終了後に印字モードをもとに戻すこと
を忘れても、自動的に通常の印字モードでかつ通常のメ
ンテナンスタイミングで印字が行えるため、通常の印字
モードの際に印字品質が悪くなるということがない。な
お、本発明を、ノズル面に撥水層を有するタイプのイン
クジェットプリンタに適用すれば、撥水層の剥離を防止
することもできるため、ヘッドの寿命を向上させる効果
も得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェットプリンタの
回路構成を示すブロック図である。
【図2】上記インクジェットプリンタの要部を示す斜視
図である。
【図3】本発明の第二実施例のインクジェットプリンタ
の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 ヘッド 5 駆動モータ 9 キャップ 10 キャップゴム 11 ポンプ 22 ワイパーブレード 31、41 CPU 32、42 操作パネル 33、43 ROM 34、44 タイミング値格納手段 35、45 ワイピング指示手段 36、46 吸引指示手段 47 モード制御手段 48 間引き手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドのメンテナンスを
    行うメンテナンス手段と、そのメンテナンス手段を所定
    のタイミングで作動させる作動手段と、異なる印字モー
    ドを選択するモード制御手段とを備えるインクジェット
    プリンタにおいて、 前記モード制御手段による印字モードの選択にともない
    前記作動手段の作動タイミングをそれぞれ異なる所定値
    に設定するタイミング変更手段と、 前記作動タイミングの初期値を記憶する記憶手段と、 前記モード制御手段により通常と異なる印字モードが選
    択された際に、その印字モードによる印字動作の終了に
    起因して、印字モードを前記通常の印字モードに変更す
    るとともに、前記作動タイミングを前記記憶手段に記憶
    されている前記初期値に再変更する制御手段と を更に備
    えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記モード制御手段は、印字すべきイメ
    ージパターンをそのまま印字する通常の印字モードと、
    前記パターンを間引いて印字する間引きモードとを選択
    するものであり、前記タイミング変更手段は、前記通常
    の印字モードが選択された際には前記作動手段の作動タ
    イミングを第1の所定値に設定するとともに、前記間引
    きモードが選択された際には前記作動タイミングを第1
    の所定値よりも大きい第2の所定値に設定することを特
    徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記メンテナンス手段が、前記インクジ
    ェットヘッドのノズル面を摺動することによりそのノズ
    ル面を清掃するワイピング手段、前記インクジェットヘ
    ッドのノズル面側からインクを吸引する吸引手段、前記
    インクジェットヘッドからインクを強制的に吐出させる
    強制吐出手段のうちのいずれかであることを特徴とする
    請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記インクジェットヘッドのノズル面に
    撥水層が設けられていることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェットプリンタ。
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