JP3134295B2 - 単分子膜形成方法 - Google Patents
単分子膜形成方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は単分子膜形成方法に関するものである。
例えば液晶表示素子等の各種光学素子の基板面に、配
向膜等の分子配列方向が一方向にそろった樹脂膜を形成
する方法として、LB(Langumuir−Blodgett)法と呼ば
れる方法がある。
向膜等の分子配列方向が一方向にそろった樹脂膜を形成
する方法として、LB(Langumuir−Blodgett)法と呼ば
れる方法がある。
このLB法は、静水面上に前記配向膜や光学膜等となる
液状物質を滴下してその単分子を膜状に流し拡げ、この
単分子の膜を基板面に移し取ってこの基板面に単分子膜
を形成する方法である。
液状物質を滴下してその単分子を膜状に流し拡げ、この
単分子の膜を基板面に移し取ってこの基板面に単分子膜
を形成する方法である。
第4図は上記LB法による従来の単分子膜形成方法を示
しており、図中1は内部に水2を満たした水槽、3はこ
の水槽1内の水面部を水平移動する水平なバー状態の移
動バリアである。この単分子膜形成方法による単分子膜
の形成は次のようにして行なわれている。
しており、図中1は内部に水2を満たした水槽、3はこ
の水槽1内の水面部を水平移動する水平なバー状態の移
動バリアである。この単分子膜形成方法による単分子膜
の形成は次のようにして行なわれている。
まず、単分子膜を形成する基板4を水槽1内の水中に
垂直に浸漬した状態で、移動バリア3と基板4との間の
水面上に液状物質を滴下し、その単分子を膜状に流し拡
げる。なお、この単分子は、分子の両端に親水性基aと
疎水性基bとをもつ両親媒性の単分子であり、この水面
上を膜状に流れ拡がった単分子は、その全てが、疎水性
基bをもつ側の端部が上に向いた状態にそろう。
垂直に浸漬した状態で、移動バリア3と基板4との間の
水面上に液状物質を滴下し、その単分子を膜状に流し拡
げる。なお、この単分子は、分子の両端に親水性基aと
疎水性基bとをもつ両親媒性の単分子であり、この水面
上を膜状に流れ拡がった単分子は、その全てが、疎水性
基bをもつ側の端部が上に向いた状態にそろう。
次に、移動バリア3を基板4側に移動させて水面上の
単分子を密集させ、この単分子の膜Aを、一定の表面圧
になるように調整する。
単分子を密集させ、この単分子の膜Aを、一定の表面圧
になるように調整する。
この後は、水面上の単分子膜Aを移動バリア3により
基板4側に押しながら、これに同調させて基板4を垂直
に引上げて行けばよく、このようにして基板4を引上げ
て行くと、水面上の単分子膜Aが基板4の引上げにとも
なって基板4面に移し取られ、基板4面に上記単分子膜
Aが形成される。なお、この基板4としては、親水性基
板かあるいは単分子膜形成面に親水処理を施した基板が
用いられており、したがって、この基板4面に形成され
た単分子膜Aは、全ての単分子が親水性基aをもつ側の
端部において基板4面に付着した一様な膜となる。
基板4側に押しながら、これに同調させて基板4を垂直
に引上げて行けばよく、このようにして基板4を引上げ
て行くと、水面上の単分子膜Aが基板4の引上げにとも
なって基板4面に移し取られ、基板4面に上記単分子膜
Aが形成される。なお、この基板4としては、親水性基
板かあるいは単分子膜形成面に親水処理を施した基板が
用いられており、したがって、この基板4面に形成され
た単分子膜Aは、全ての単分子が親水性基aをもつ側の
端部において基板4面に付着した一様な膜となる。
なお、この方法で基板4面に形成される単分子膜Aの
膜厚は、単分子が一層に並んだ極めて薄い膜であるが、
上記工程を繰返して基板4面に単分子膜Aを複数層に積
層すれば、任意の膜厚の被膜を得ることができる。
膜厚は、単分子が一層に並んだ極めて薄い膜であるが、
上記工程を繰返して基板4面に単分子膜Aを複数層に積
層すれば、任意の膜厚の被膜を得ることができる。
しかしながら、上記従来の単分子膜形成方法は、基板
4を水槽1内の水中に垂直に浸漬して、この基板4を引
上げながら水面上の単分子膜Aを直接基板4面に移し取
るものであるため、基板4の面積が大きいほど深さの大
きな水槽1を使用しなければならないという問題をもっ
ていた。すなわち、例えば基板4面にその全体にわたっ
て単分子膜Aを形成する場合は、水槽1として、その長
さが移動バリア3の移動ストローク〔単分子膜Aの表面
圧調整に要する移動ストロークと、基板4の引上げに同
調して単分子膜Aを基板4側に押して行くときの移動ス
トローク(基板4の長さ)との合計ストローク〕に基板
4の浸漬スペースを加えた長さ以上で、幅が基板4の幅
以上のものが必要であるが、これに加えて、従来の単分
子膜形成方法では、水槽1の深さを、基板1の長さ以上
にする必要がある。そして、このように水槽1の深さが
大きいと、水槽1にかかる水圧が高くなるため、水槽1
の耐圧強度を高くしなければならず、したがって、水槽
1の製作費が高くなるだけでなく、水槽1の重量が大き
くなって、水槽1を設置する架台も高強度のものとする
必要がある。しかも、上記従来の単分子膜形成方法で
は、水槽1から基板4を引上げながら水面上の単分子膜
Aを基板4面に移し取るものであるため、水槽1の上方
に基板4の長さに応じた基板引上げスペースを確保しな
れればならなかった。
4を水槽1内の水中に垂直に浸漬して、この基板4を引
上げながら水面上の単分子膜Aを直接基板4面に移し取
るものであるため、基板4の面積が大きいほど深さの大
きな水槽1を使用しなければならないという問題をもっ
ていた。すなわち、例えば基板4面にその全体にわたっ
て単分子膜Aを形成する場合は、水槽1として、その長
さが移動バリア3の移動ストローク〔単分子膜Aの表面
圧調整に要する移動ストロークと、基板4の引上げに同
調して単分子膜Aを基板4側に押して行くときの移動ス
トローク(基板4の長さ)との合計ストローク〕に基板
4の浸漬スペースを加えた長さ以上で、幅が基板4の幅
以上のものが必要であるが、これに加えて、従来の単分
子膜形成方法では、水槽1の深さを、基板1の長さ以上
にする必要がある。そして、このように水槽1の深さが
大きいと、水槽1にかかる水圧が高くなるため、水槽1
の耐圧強度を高くしなければならず、したがって、水槽
1の製作費が高くなるだけでなく、水槽1の重量が大き
くなって、水槽1を設置する架台も高強度のものとする
必要がある。しかも、上記従来の単分子膜形成方法で
は、水槽1から基板4を引上げながら水面上の単分子膜
Aを基板4面に移し取るものであるため、水槽1の上方
に基板4の長さに応じた基板引上げスペースを確保しな
れればならなかった。
本発明は上記のような実情にかんがみてなされたもの
であって、その目的とするところは、使用する水槽が深
さの浅いものでよく、しかも水槽の上方に確保しなけれ
ばならないスペースも小さくてすむようにした、単分子
膜形成方法を提供することにある。
であって、その目的とするところは、使用する水槽が深
さの浅いものでよく、しかも水槽の上方に確保しなけれ
ばならないスペースも小さくてすむようにした、単分子
膜形成方法を提供することにある。
本発明の単分子膜形成方法は、親水性と疎水性との一
方の親媒性を有する所定パターンの領域と他方の親媒性
を有する前記所定パターン以外の領域とが形成された外
周面を有する回転ドラムを前記水面下に浸漬させて設
け、前記水面上の単分子膜を前記回転ドラムの外周面の
一方の親媒性を有する領域に付着させて引上げるととも
に、この回転ドラムの上に前記基板を搬入してこの基板
を前記回転ドラムの回転に同調させて送りながら、前記
回転ドラムの外周面に付着した前記単分子膜を前記基板
面に転写することを特徴とするものである。
方の親媒性を有する所定パターンの領域と他方の親媒性
を有する前記所定パターン以外の領域とが形成された外
周面を有する回転ドラムを前記水面下に浸漬させて設
け、前記水面上の単分子膜を前記回転ドラムの外周面の
一方の親媒性を有する領域に付着させて引上げるととも
に、この回転ドラムの上に前記基板を搬入してこの基板
を前記回転ドラムの回転に同調させて送りながら、前記
回転ドラムの外周面に付着した前記単分子膜を前記基板
面に転写することを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、水面上の単分子膜を回転ドラム
を介して基板面に移し取るものであり、このようにすれ
ば、使用する水槽は、前記回転ドラムの下部が水面下に
浸漬するだけの深さのもので十分であるし、また、水槽
の上方には、前記回転ドラムの上を移動する基板の移動
スペースがあれば十分である。
を介して基板面に移し取るものであり、このようにすれ
ば、使用する水槽は、前記回転ドラムの下部が水面下に
浸漬するだけの深さのもので十分であるし、また、水槽
の上方には、前記回転ドラムの上を移動する基板の移動
スペースがあれば十分である。
以下、本発明の一実施例を第1図および第2図を参照
して説明する。
して説明する。
まず、単分子膜の形成に使用する装置の構成を説明す
ると、この装置は、第1図に示すように、内部に水12を
満たした水槽と、この水槽11内の水面部を水平移動する
移動バリア13と、水槽11内の水面上につくられた単分子
膜Aを基板10面に転写するための回転ドラム14とからな
っている。前記移動バリア13は、水槽11内の水面上の単
分子膜Aを回転ドラム14側に押し移動するもので、この
移動バリア13は、水槽11のほぼ全幅にわたる長さの水平
なバーからなっており、そのほぼ下半分は水槽11内の水
面下に浸漬させてある。この移動バリア13は、水槽11の
両側壁に設けたレール(図示せず)に支持されており、
図示しない移動機構によって、水槽11の一端側(図にお
いて右側)から他端側に水平移動されるようになってい
る。また、回転ドラム14は、水槽11のほぼ全幅にわたる
長さのもので、この回転ドラム14は、その全体あるいは
外周面をガラス等の親水性物質で形成した親水性ドラム
とされている。そして、この回転ドラム14は、そのほぼ
下半分を水面下に浸漬させた状態で、水槽11内の他端側
に移動バリア13と平行に設けられている。この回転ドラ
ム14は、水槽11の両側壁に回転可能に支持されており、
図示しない回転機構によって、移動バリア13と対向する
側が水面下から水面上に向かう回転方向に回転されるよ
うになっている。また、図示しないが、水槽11の上方に
は、単分子膜Aを形成する基板10をその単分子膜形成面
を下に向けた状態で水平に支持して、この基板10を水槽
11の一端側から他端側に搬送する基板搬送機構が設けら
れている。この基板搬送機構は、回転ドラム14の回転に
同調して基板10を搬送するもので、基板10は、その先端
側から回転ドラム14の上に搬入されてその下面が回転ド
ラム14の外周面に接し、この状態で水槽11の他端側に向
けて水平に搬送される。なお、15は基板押えローラであ
り、基板10は、この基板押えローラ15によって、極く軽
い接触圧(基板10と回転ドラム14との間に単分子膜Aが
入れる接触圧)で回転ドラム14の外周面に接触される。
なお、この基板10としては、疎水性樹脂等からなる疎水
性基板か、あるいはガラス等の基板面にパラフィン等の
疎水性物質を塗布して疎水処理を施したものを用いる。
ると、この装置は、第1図に示すように、内部に水12を
満たした水槽と、この水槽11内の水面部を水平移動する
移動バリア13と、水槽11内の水面上につくられた単分子
膜Aを基板10面に転写するための回転ドラム14とからな
っている。前記移動バリア13は、水槽11内の水面上の単
分子膜Aを回転ドラム14側に押し移動するもので、この
移動バリア13は、水槽11のほぼ全幅にわたる長さの水平
なバーからなっており、そのほぼ下半分は水槽11内の水
面下に浸漬させてある。この移動バリア13は、水槽11の
両側壁に設けたレール(図示せず)に支持されており、
図示しない移動機構によって、水槽11の一端側(図にお
いて右側)から他端側に水平移動されるようになってい
る。また、回転ドラム14は、水槽11のほぼ全幅にわたる
長さのもので、この回転ドラム14は、その全体あるいは
外周面をガラス等の親水性物質で形成した親水性ドラム
とされている。そして、この回転ドラム14は、そのほぼ
下半分を水面下に浸漬させた状態で、水槽11内の他端側
に移動バリア13と平行に設けられている。この回転ドラ
ム14は、水槽11の両側壁に回転可能に支持されており、
図示しない回転機構によって、移動バリア13と対向する
側が水面下から水面上に向かう回転方向に回転されるよ
うになっている。また、図示しないが、水槽11の上方に
は、単分子膜Aを形成する基板10をその単分子膜形成面
を下に向けた状態で水平に支持して、この基板10を水槽
11の一端側から他端側に搬送する基板搬送機構が設けら
れている。この基板搬送機構は、回転ドラム14の回転に
同調して基板10を搬送するもので、基板10は、その先端
側から回転ドラム14の上に搬入されてその下面が回転ド
ラム14の外周面に接し、この状態で水槽11の他端側に向
けて水平に搬送される。なお、15は基板押えローラであ
り、基板10は、この基板押えローラ15によって、極く軽
い接触圧(基板10と回転ドラム14との間に単分子膜Aが
入れる接触圧)で回転ドラム14の外周面に接触される。
なお、この基板10としては、疎水性樹脂等からなる疎水
性基板か、あるいはガラス等の基板面にパラフィン等の
疎水性物質を塗布して疎水処理を施したものを用いる。
次に、上記装置によって行なわれる前記基板10面への
単分子膜Aの形成方法を説明する。
単分子膜Aの形成方法を説明する。
まず、水槽11上への基板10の搬入に先立って、移動バ
リア13を水槽11の一端側の復帰位置に移動させ、この状
態で水槽11内の移動バリア13と回転ドラム14との間の水
面上に液状物質を滴下して、その単分子を水面上に膜状
に流し拡げる。この単分子は、分子(図示せず)の両端
に親水性基aと疎水性基bとをもつ両親媒性の単分子で
あり、この水面上を膜状に流れ拡がった単分子は、その
全てが、疎水性基bをもつ側の端部が上に向いた状態に
そろう。
リア13を水槽11の一端側の復帰位置に移動させ、この状
態で水槽11内の移動バリア13と回転ドラム14との間の水
面上に液状物質を滴下して、その単分子を水面上に膜状
に流し拡げる。この単分子は、分子(図示せず)の両端
に親水性基aと疎水性基bとをもつ両親媒性の単分子で
あり、この水面上を膜状に流れ拡がった単分子は、その
全てが、疎水性基bをもつ側の端部が上に向いた状態に
そろう。
次に、復帰位置にある移動バリア13を回転ドラム14側
に移動させて水面上の単分子を密集させ、この単分子の
膜Aを、一定の表面圧になるように調整する。
に移動させて水面上の単分子を密集させ、この単分子の
膜Aを、一定の表面圧になるように調整する。
この後は、水面上の単分子膜Aを移動バリア3により
回転ドラム14側に押しながら、これに同調させて回転ド
ラム14を回転させることにより、水面上の単分子膜Aを
回転ドラム14の外周面に付着させて引上げるとともに、
この回転ドラム14の上に基板10を搬入して、この基板10
を回転ドラム14の回転に同調させて送り、回転ドラム14
の外周面に付着した単分子膜Aを基板10の下面に転写し
て行く。なお、前記回転ドラム14は親水性ドラムである
ため、回転ドラム14の外周面に付着する単分子膜Aは、
全ての単分子が親水性基aをもつ側の端部において回転
ドラム14に付着した一様な膜となり、また前記基板10
は、疎水性基板かあるいは疎水処理を施した基板である
ため、この基板10面に付着した単分子膜Aは、全ての単
分子が疎水性基bをもつ側の端部において基板10に付着
した一様な膜となる。
回転ドラム14側に押しながら、これに同調させて回転ド
ラム14を回転させることにより、水面上の単分子膜Aを
回転ドラム14の外周面に付着させて引上げるとともに、
この回転ドラム14の上に基板10を搬入して、この基板10
を回転ドラム14の回転に同調させて送り、回転ドラム14
の外周面に付着した単分子膜Aを基板10の下面に転写し
て行く。なお、前記回転ドラム14は親水性ドラムである
ため、回転ドラム14の外周面に付着する単分子膜Aは、
全ての単分子が親水性基aをもつ側の端部において回転
ドラム14に付着した一様な膜となり、また前記基板10
は、疎水性基板かあるいは疎水処理を施した基板である
ため、この基板10面に付着した単分子膜Aは、全ての単
分子が疎水性基bをもつ側の端部において基板10に付着
した一様な膜となる。
なお、上記工程で基板10面に形成される単分子膜Aの
膜厚は、単分子が一層に並んだ極めて薄い膜であるが、
基板10面に単分子膜Aを複数層に積層すれば、任意の膜
厚の被膜を得ることができる。この場合は、上記のよう
にして単分子膜Aを転写した基板10を回転ドラム14から
浮かせた状態で水槽11の一端側に逆送りするとともに、
この基板10の逆送り時間を利用して移動バリア13を復帰
位置に移動させ、この後水面上に液状物質を滴下して単
分子膜Aをつくり、この単分子膜Aを回転ドラム14を介
して基板10面に転写する工程を繰返して、所望の膜厚に
なるまで基板10面に単分子膜Aを積層すればよい。
膜厚は、単分子が一層に並んだ極めて薄い膜であるが、
基板10面に単分子膜Aを複数層に積層すれば、任意の膜
厚の被膜を得ることができる。この場合は、上記のよう
にして単分子膜Aを転写した基板10を回転ドラム14から
浮かせた状態で水槽11の一端側に逆送りするとともに、
この基板10の逆送り時間を利用して移動バリア13を復帰
位置に移動させ、この後水面上に液状物質を滴下して単
分子膜Aをつくり、この単分子膜Aを回転ドラム14を介
して基板10面に転写する工程を繰返して、所望の膜厚に
なるまで基板10面に単分子膜Aを積層すればよい。
すなわち、この単分子膜形成方法は、水面上の単分子
膜Aを回転ドラム14を介して基板10面に移し取るもので
あり、このようにすれば、使用する水槽11は深さの浅い
ものでよい。すなわち、例えば基板10面にその全体にわ
たって単分子膜Aを形成する場合、水槽11としては、そ
の長さが移動バリア13の移動ストローク〔単分子膜Aの
表面圧調整に要する移動ストロークと、回転ドラム14の
回転に同調して単分子膜Aを回転ドラム14側に押して行
くときの移動ストローク(基板10の長さ)との合計スト
ローク〕に回転ドラム14の設置スペースを加えた長さ以
上で、幅が基板10の幅以上のものが必要であるが、この
水槽11の深さは、回転ドラム14のほぼ下半分が水面下に
浸漬するだけの深さがあれば十分である。そして、この
ように水槽11の深さが浅ければ、水槽11にかかる水圧は
小さくなるため、水槽11の耐圧強度は低くて十分であ
り、したがって、水槽11の製作費を低減できるし、また
水槽11の重量も小さくなるから、水槽11を設置する架台
を高い強度を必要としない安価なものとすることができ
る。しかも、この単分子膜形成方法によれば、水槽11の
上方には、回転ドラム14の上に接して移動する基板10の
移動スペースがあれば十分であるから、水槽11の上方に
確保するスペースも小さくてすむ。
膜Aを回転ドラム14を介して基板10面に移し取るもので
あり、このようにすれば、使用する水槽11は深さの浅い
ものでよい。すなわち、例えば基板10面にその全体にわ
たって単分子膜Aを形成する場合、水槽11としては、そ
の長さが移動バリア13の移動ストローク〔単分子膜Aの
表面圧調整に要する移動ストロークと、回転ドラム14の
回転に同調して単分子膜Aを回転ドラム14側に押して行
くときの移動ストローク(基板10の長さ)との合計スト
ローク〕に回転ドラム14の設置スペースを加えた長さ以
上で、幅が基板10の幅以上のものが必要であるが、この
水槽11の深さは、回転ドラム14のほぼ下半分が水面下に
浸漬するだけの深さがあれば十分である。そして、この
ように水槽11の深さが浅ければ、水槽11にかかる水圧は
小さくなるため、水槽11の耐圧強度は低くて十分であ
り、したがって、水槽11の製作費を低減できるし、また
水槽11の重量も小さくなるから、水槽11を設置する架台
を高い強度を必要としない安価なものとすることができ
る。しかも、この単分子膜形成方法によれば、水槽11の
上方には、回転ドラム14の上に接して移動する基板10の
移動スペースがあれば十分であるから、水槽11の上方に
確保するスペースも小さくてすむ。
第2図は本発明の他の実施例を示している。この実施
例は、第1図に示した単分子膜形成装置を複数台基板搬
送方向に並べて配置して、この各装置により順次基板10
に単分子膜を転写して行くようにしたものであり、この
実施例によれば、基板10面に連続して単分子膜Aを積層
して所望の膜厚の被膜を得ることができる。
例は、第1図に示した単分子膜形成装置を複数台基板搬
送方向に並べて配置して、この各装置により順次基板10
に単分子膜を転写して行くようにしたものであり、この
実施例によれば、基板10面に連続して単分子膜Aを積層
して所望の膜厚の被膜を得ることができる。
また、第3図は前記回転ドラム14の変形例を示してい
る。この回転ドラム14は、ドラム外周面に部分的に所定
パターンの親水性領域14aを形成し、他の領域は疎水性
領域14bとしたものであり、このような回転ドラム14を
用いれば、水面上の単分子膜がドラム外周面の親水性領
域14aのみに付着して基板面に転写されるから、基板面
に所定パターンに単分子膜を形成することができる。な
お、この回転ドラム14は、ドラム全体またはドラム外周
面をガラス等の親水性物質で形成した親水性ドラムの外
周面に所定領域を除いてパラフィン等の塗布による疎水
処理を施すか、あるいは、ドラム全体またはドラム外周
面を疎水性樹脂等の疎水性物質で形成した疎水性ドラム
の外周面の所定領域に界面活性剤の塗布等による親水処
理を施すことによって製造することができる。
る。この回転ドラム14は、ドラム外周面に部分的に所定
パターンの親水性領域14aを形成し、他の領域は疎水性
領域14bとしたものであり、このような回転ドラム14を
用いれば、水面上の単分子膜がドラム外周面の親水性領
域14aのみに付着して基板面に転写されるから、基板面
に所定パターンに単分子膜を形成することができる。な
お、この回転ドラム14は、ドラム全体またはドラム外周
面をガラス等の親水性物質で形成した親水性ドラムの外
周面に所定領域を除いてパラフィン等の塗布による疎水
処理を施すか、あるいは、ドラム全体またはドラム外周
面を疎水性樹脂等の疎水性物質で形成した疎水性ドラム
の外周面の所定領域に界面活性剤の塗布等による親水処
理を施すことによって製造することができる。
本発明の単分子膜形成方法は、水槽内の水面上に流し
拡げた単分子膜を、前記水面下に浸漬させて設けた回転
ドラムの外周面に付着させて引上げるとともに、この回
転ドラムの上に前記基板を搬入してこの基板を前記回転
ドラムの回転に同調させて送りながら、前記回転ドラム
の外周面に付着した前記単分子膜を前記基板面に転写す
るものであるから、前記水槽は、回転ドラムの下部が水
面下に浸漬するだけの深さがあれば十分であり、したが
って水槽として深さの浅いものを使用することができる
し、また、水槽の上方には、回転ドラムの上に接して移
動する基板の移動スペースがあれば十分であるから、水
槽の上方に確保するスペースも小さくてすむ。
拡げた単分子膜を、前記水面下に浸漬させて設けた回転
ドラムの外周面に付着させて引上げるとともに、この回
転ドラムの上に前記基板を搬入してこの基板を前記回転
ドラムの回転に同調させて送りながら、前記回転ドラム
の外周面に付着した前記単分子膜を前記基板面に転写す
るものであるから、前記水槽は、回転ドラムの下部が水
面下に浸漬するだけの深さがあれば十分であり、したが
って水槽として深さの浅いものを使用することができる
し、また、水槽の上方には、回転ドラムの上に接して移
動する基板の移動スペースがあれば十分であるから、水
槽の上方に確保するスペースも小さくてすむ。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例を示す単分子膜形成に使用す
る装置の縦断側面図、第2図は本発明の他の実施例を示
す単分子膜形成装置の配置図、第3図は本発明に用いる
回転ドラムの変形例を示す斜視図、第4図は従来の単分
子膜形成方法を示す図である。 10……基板、11……水槽、12……水、13……移動バリ
ア、14……回転ドラム、14a……親水性領域、14b……疎
水性領域、15……基板押えローラ、A……単分子膜、a
……親水性基、b……疎水性基。
る装置の縦断側面図、第2図は本発明の他の実施例を示
す単分子膜形成装置の配置図、第3図は本発明に用いる
回転ドラムの変形例を示す斜視図、第4図は従来の単分
子膜形成方法を示す図である。 10……基板、11……水槽、12……水、13……移動バリ
ア、14……回転ドラム、14a……親水性領域、14b……疎
水性領域、15……基板押えローラ、A……単分子膜、a
……親水性基、b……疎水性基。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 B01J 19/00
Claims (1)
- 【請求項1】水槽内の水面上に両親媒性を有する単分子
を膜状に流し拡げ、この単分子の膜を基板面に移し取っ
てこの基板面に単分子膜を形成する方法において、親水
性と疎水性との一方の親媒性を有する所定パターンの領
域と他方の親媒性を有する前記所定パターン以外の領域
とが形成された外周面を有する回転ドラムを前記水面下
に浸漬させて設け、前記水面上の単分子膜を前記回転ド
ラムの外周面の一方の親媒性を有する領域に付着させて
引上げるとともに、この回転ドラムの上に前記基板を搬
入してこの基板を前記回転ドラムの回転に同調させて送
りながら、前記回転ドラムの外周面に付着した前記単分
子膜を前記基板面に転写することを特徴とする単分子膜
形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02214931A JP3134295B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 単分子膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02214931A JP3134295B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 単分子膜形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04100568A JPH04100568A (ja) | 1992-04-02 |
JP3134295B2 true JP3134295B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16663945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02214931A Expired - Fee Related JP3134295B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 単分子膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3134295B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101839829B1 (ko) * | 2016-06-10 | 2018-03-20 | 주식회사 이엠코 | 배출가스처리장치용 필터 및 배출가스처리장치 |
US20210060604A1 (en) * | 2019-08-29 | 2021-03-04 | Purdue Research Foundation | Process and device for large-scale noncovalent functionalization of nanometer-scale 2d materials using heated roller langmuir-schaefer conversion |
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---|---|---|---|---|
JP2009172766A (ja) * | 2009-04-20 | 2009-08-06 | Masamichi Fujihira | 分子パターン複製方法 |
JP2012020389A (ja) * | 2010-07-16 | 2012-02-02 | Oji Paper Co Ltd | 単粒子膜被覆ロールの製造方法、凹凸形成ロールの製造方法、凹凸形成フィルムの製造方法および単粒子膜被覆装置 |
-
1990
- 1990-08-16 JP JP02214931A patent/JP3134295B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US20210060604A1 (en) * | 2019-08-29 | 2021-03-04 | Purdue Research Foundation | Process and device for large-scale noncovalent functionalization of nanometer-scale 2d materials using heated roller langmuir-schaefer conversion |
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JPH04100568A (ja) | 1992-04-02 |
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