JP3134241B2 - 熱量測定方式 - Google Patents

熱量測定方式

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JP3134241B2 JP08017465A JP1746596A JP3134241B2 JP 3134241 B2 JP3134241 B2 JP 3134241B2 JP 08017465 A JP08017465 A JP 08017465A JP 1746596 A JP1746596 A JP 1746596A JP 3134241 B2 JP3134241 B2 JP 3134241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気を混合して
熱量を調節する燃料製造における熱量測定方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料ガスは、通常では高発熱量のLPG
を空気で希釈することで所定の熱量としている。図4
は、その燃料ガス製造の構成を示す構成図である。同図
において、1は原料のLPGが液体の状態で格納されて
いるタンク、2はそのLPGを給送するポンプ、3は液
化ガス発生部、4はLPGに空気を混ぜて燃料ガスとす
るミキサー、5はミキサーに供給する空気量を調節する
調節弁である。また、6はミキサー4で空気が混合され
た燃料ガスの熱量を測定する熱量計である。
【0003】熱量計6の測定結果は、ミキサー4の動作
や調節弁5の開度制御のために用いられる。すなわち、
この測定結果が、あらかじめ決められている値となるよ
うにそれらの制御がなされる。また、熱量計5において
は、その簡便性と安全性などの利点により、熱伝導率を
測定することで熱量を算出するようにしている。そし
て、上述したガス製造においては、たとえば、ブタンを
主成分とするLPG(液)を用い、ミキサー4において
一定の割合で空気を混合し、得られる燃料ガスが、15
000kcal/Nm3 程度の熱量となるようにしてい
る。
【0004】ところで、希釈する空気中には水分が含ま
れているため、製造している燃料ガス中にも水分が含ま
れることになる。燃料ガス中に水分が含まれていること
は、これを使用する上ではなんら問題がない。しかし、
上述したように、熱伝導率を測定することで熱量を算出
するようにしている場合、測定対象に水分が含まれてい
ると測定の上で阻害となる。水分は、正確な熱量調整の
上では不要なものである。
【0005】そして、このために、水分の除去は重要な
課題となっている。一般に、水分除去としては、ペルチ
ェ効果を利用した電子クーラーによる方法が用いられて
いる。しかし、この電子クーラーは、燃料ガスの熱量測
定における水分除去に用いようとすると、防爆構造とし
なければならず、非常に高価なものとなってしまう。一
方、中空糸膜を用いたガス分離方式の水分除去では、電
気などを用いていないので、そのまま燃料ガスの水分除
去に用いることができ、近年よく利用されるようになっ
てきている。
【0006】図5は、ガス分離方式による水分除去の構
成を示す構成図である。同図において、51は中空糸膜
を用いたドライヤー、52aはドライヤー51のパージ
空気導入部、52bはドライヤー51のパージ空気排出
部であり、他は図4と同様である。ドライヤー51に導
入された燃料ガスは、中空糸膜内部を通過していくうち
に、パージ空気導入部52aより入って中空糸膜外部を
流れる乾燥した計装エアーと水分の交換を行う。このこ
とにより、中空糸膜内部を通過している燃料ガスは水分
を除去されていく。そして、この燃料ガスの水分は、中
空糸膜外部を流れる計装エアーに取込まれ、パージ空気
排出部52bより排出されていく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上示したように、ガ
ス分離膜方式では、機械的な可動部が無く、また、電気
を用いないので、燃料ガス製造においても、防爆構造と
することなく水分除去に用いることができる。しかし、
このガス分離膜方式では、パージ空気として大量の計装
エアーを用いているので、ランニングコストがかかると
いう問題があった。すなわち、従来においては、燃料ガ
ス製造においてその熱量測定を行うときの水分除去に、
電子クーラー方式を用いようとすれば、装置が非常に高
価なものとなり、ガス分離膜方式を用いようとすれば、
ランニングコストがかかるという問題があった。
【0008】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、安価にランニングコスト
をかけることなく、燃料ガス製造における熱量測定用の
サンプルガスより水分を除去して、より高い精度で熱量
測定ができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の熱量測定方式
は、水蒸気以外のガスを透過しにくい膜から構成された
中空糸膜を内部に配置し、中空糸膜内に燃料ガスを導入
するガス導入部,中空糸膜内の燃料ガスを排出するガス
排出部,中空糸膜の外側にパージガスを導入するパージ
ガス導入部,中空糸膜外側に導入されたパージガスを排
出するパージガス排出部から構成されたドライヤーと、
ドライヤーのガス排出部から排出された燃料ガスの熱伝
導率を測定してその熱量を計測する熱量計とを備え、そ
のパージガスとして燃焼ガスを用いるようにした。この
ため、中空糸膜の外側には、非常に乾燥した燃焼ガスが
流れることになり、中空糸膜内を流れる燃料ガス中の水
分は、中空糸膜を介して外側の燃焼ガスに取り込まれて
いく。また、ガス排出部より排出した燃料ガスの一部を
パージガスとして用い、ガス導入部に導入する燃料ガス
の圧力をパージガス導入部へ導入される燃料ガスの圧力
より高くしておくようにした。このため、中空糸膜内部
はその外側より高い圧力となり、中空糸膜内部の燃料ガ
ス中の水分が中空糸膜を介して外側に出ていく。
【0010】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1におけ
る熱量測定方式の構成を示す構成図である。同図におい
て、7は中空糸膜を用いたガス分離膜方式のドライヤ
ー、8aはドライヤー7のパージガス導入部、8bはド
ライヤー7のパージガス排出部、9は液化ガス発生部3
からのLPG(燃焼ガス)をパージガス導入部8aに導
く取出しガス配管、10はパージガス排出部8bより排
出されるLPGをミキサー4に導く戻しガス配管であ
る。
【0011】また、11はドライヤー7に導く燃料ガス
の圧力を下げる減圧弁、12はドライヤー7に導く燃料
ガス中の異物を取り除くフィルター、13はドライヤー
7に導く燃料ガスの流量を調節する流量調節部である。
そして、14はパージガス導入部8aに導くLPGの圧
力を下げる減圧弁、15はパージガス導入部8aに導く
LPGの流量を調節する流量調節部である。なお、他の
符号は、図4と同様である。
【0012】ミキサー4から出力される燃料ガスの圧力
は、約20kg/m2 程度であり、この圧力が減圧弁1
1で3〜5kg/m2 とされる。そして、その流量が、
流量調節部13により100ml/min程度にされ
る。また、パージガス導入部8aに導かれる気体となっ
たLPGは、減圧弁14で3kg/m2 以下の圧力にさ
れ、流量調節部15により数l/minの流量に調節さ
れている。そして、パージガス排出部8bより排出され
たLPGは、戻しガス配管10によりミキサー4に導か
れ、燃料ガスの原料として用いられる。
【0013】ドライヤー7はポリイミド製の中空糸膜か
ら構成され、ドライヤー7に取り入れられたガスはこの
中空糸膜内部を通過していく。一方、パージガス導入部
8aより取り入れられるガスは、その中空糸膜外部を通
過してパージガス排出部8bより排出されていく。この
中空糸膜は、水蒸気を非常に透過しやすくその他のガス
は透過しにくい。このため、中空糸膜内部のガスと外部
のガスとでは、お互いが混じりあうことなく水分だけが
交換されることになる。そして、外部のガスの方が乾燥
していれば、内部のガスの水分が外部のガスへと移動し
ていくことになる。
【0014】ここで、パージガス導入部8aに導入され
るLPGは、燃料ガス製造における原料であり、液化ガ
ス発生部3により、液体の状態より気体の状態とされた
ものである。そして、この気体とされたLPGは、大気
圧露点が−60℃以下と、ほとんど水分を含んでいない
状態である。従って、ドライヤー7の中空糸膜内部を通
過する燃料ガス中の水分は、その外側を流れるLPGに
効率よく移動していく。
【0015】このように、この実施の形態1によれば、
パージガスにLPGを用いるようにしているので、新た
に計装エアーを用いる場合に比較してランニングコスト
の上昇を招かない。そして、この実施の形態1の場合、
水分を取込んだLPGは、ガス配管10によりミキサー
4に供給されて原料ガスとして用いられる。すなわち、
この実施の形態1の場合、パージガスは、破棄するので
はなく、燃料ガス製造に用いられるので無駄が発生せ
ず、よりランニングコストを低くすることが可能とな
る。
【0016】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2における熱量測定方式の構成を示す構成図であ
る。同図において、16はドライヤー7により水分除去
がなされた分析対象の燃料ガスの一部をパージガス導入
部8aに導入するためのパージ配管、17は熱量計6に
導かれるガスの流量を調節する流量調節部である。な
お、他の符号は図1と同様であるが、ここでは、取出し
配管9,減圧弁14,および,流量調節部15はない。
【0017】この実施の形態2においては、流量調節部
13は流量を1l/minとなるように調節し、流量調
節部17では流量を100ml/min程度となるよう
に調節する。このことにより、熱量計6には分析対象の
燃料ガスが約100ml/min導かれ、約900ml
/minの水分除去された燃料ガスがパージガス導入部
8aに供給される。熱伝導率計測による熱量の測定に
は、その流量で十分である。このパージガス導入部8a
に供給された燃料ガスは、ドライヤー7ないで中空糸膜
内を通過している燃料ガスより水分を奪う。そして、こ
の燃料ガスは、パージガス排出部8bより水分を含んだ
状態で排出され、戻し配管10によりミキサー4へ導か
れ、燃料ガス製造に利用される。
【0018】図3は、図2に示すように、ドライヤー7
で得られる乾燥ガスの一部をパージガスとして用いる場
合の、得られるガスの大気圧における露点の状態を示す
状態図である。同図において、グラフ中に示す数字はド
ライヤー7に供給するガスの圧力(kg/m2 )を示
し、たとえば、一番上の実線で示す状態は、2kg/m
2 のときを示している。なお、これらにおいてパージガ
スの圧力は1kg/m2 である。
【0019】図3から明らかなように、乾燥ガス収率が
10%程度でよい場合、すなわち、上述したように、パ
ージガスとして90%を用いるようにした場合、たとえ
ば、大気圧露点が−20℃でよいならば、ドライヤー7
を通す熱量測定対象のガスの圧力は2kg/m2 とな
る。言い換えれば、この実施の形態2の場合、水分除去
したガスのほとんどをパージガスとして用いることがで
き、ドライヤー7を通す水分除去対象のガスの圧力を高
くすることなく、十分な水分除去効果を得ることができ
る。
【0020】以上示したように、この実施の形態2によ
れば、パージガスにドライヤーで乾燥した燃料ガスを用
いるようにしているので、新たに計装エアーを用いる場
合に比較してランニングコストの上昇を招かない。そし
て、この実施の形態2の場合、水分を取込んだパージガ
スとして用いた燃料ガスは、原料ガスとして用いられ
る。すなわち、この実施の形態2においても、パージガ
スは、破棄するのではなく、燃料ガス製造に用いられる
ので無駄が発生せず、よりランニングコストを低くする
ことが可能となる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、ド
ライヤーに用いるパージガスとして燃焼ガスを用いるよ
うにした。したがって、中空糸膜の外側には、非常に乾
燥した燃焼ガスが流れることになり、中空糸膜内を流れ
る燃料ガス中の水分は、中空糸膜を介して外側の燃焼ガ
スに取り込まれていくことになる。このため、この発明
によれば、熱伝導率測定による熱量測定で問題となる水
分が除去され、燃料ガスの熱量測定をより高い精度で行
うことができる。そして、パージガスには原料である燃
焼ガスを用いているので、ランニングコストの低減が図
れる。
【0022】また、この発明では、ドライヤーのガス排
出部より排出した燃料ガスの一部をパージガスとして用
い、ガス導入部に導入する燃料ガスの圧力をパージガス
導入部へ導入される燃料ガスの圧力より高くしておくよ
うにした。したがって、中空糸膜内部はその外側より高
い圧力となり、中空糸膜内部の燃料ガス中の水分が中空
糸膜を介して外側に出ていくことになる。このため、こ
の発明によれば、熱伝導率測定による熱量測定で問題と
なる水分が除去され、燃料ガスの熱量測定をより高い精
度で行うことができる。そして、パージガスにはドライ
ヤーで乾燥した燃料ガスを用いているので、ランニング
コストの低減が図れる。そして、これらパージガスを、
再び燃料ガス製造に用いるようにすることで、よりラン
ニングコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における熱量測定方
式の構成を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2における熱量測定方
式の構成を示す構成図である。
【図3】 図2にの構成において、ドライヤー7で得ら
れる乾燥ガスの一部をパージガスとして用いる場合の、
得られるガスの大気圧における露点の状態を示す状態図
である。
【図4】 ガス製造の構成を示す構成図である。
【図5】 ガス分離方式による水分除去の構成を示す構
成図である。
【符号の説明】
1…タンク、2…ポンプ、3…液化ガス発生部、4…ミ
キサー、5…調節弁、6…熱量計、7…ドライヤー、8
a…パージガス導入部、8b…パージガス排出部、9…
取出しガス配管、10…戻しガス配管、11,14…減
圧弁、12…フィルター、13,15,17…流量調節
部、16…パージ配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−15024(JP,A) 特開 平1−224029(JP,A) 特開 平4−78414(JP,A) 特開 平7−328370(JP,A) 武藤裕行、外2名、”熱伝導率式分析 計による都市ガス発熱量測定”、Sav emation Review、1995 年、第13巻、第1号、p.35−39 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料となる燃焼ガスに空気を混合するこ
    とで所望の熱量とした燃料ガスを製造するガス製造にお
    いて用いる熱量測定方式において、 水蒸気以外のガスを透過しにくい膜から構成された中空
    糸膜を内部に配置し、前記中空糸膜内に前記燃料ガスを
    導入するガス導入部,前記中空糸膜内の燃料ガスを排出
    するガス排出部,前記中空糸膜の外側にパージガスを導
    入するパージガス導入部,前記中空糸膜外側に導入され
    たパージガスを排出するパージガス排出部から構成され
    たドライヤーと、 前記ドライヤーのガス排出部から排出された燃料ガスの
    熱伝導率を測定してその熱量を計測する熱量計とを備
    え、 前記パージガスとして前記燃焼ガスを用いることを特徴
    とする熱量測定方式。
  2. 【請求項2】 原料となる燃焼ガスに空気を混合するこ
    とで所望の熱量とした燃料ガスを製造するガス製造にお
    いて用いる熱量測定方式において、 水蒸気以外のガスを透過しにくい膜から構成された中空
    糸膜を内部に配置し、 前記中空糸膜内に前記燃料ガスを導入するガス導入部,
    前記中空糸膜内の燃料ガスを排出するガス排出部,前記
    中空糸膜の外側にパージガスを導入するパージガス導入
    部,前記中空糸膜外側に導入されたパージガスを排出す
    るパージガス排出部から構成されたドライヤーと、 前記ドライヤーのガス排出部から排出された燃料ガスの
    熱伝導率を測定してその熱量を計測する熱量計とを備
    え、 前記ガス排出部より排出した燃料ガスの一部を前記パー
    ジガスとして用い、前記ガス導入部に導入する燃料ガス
    の圧力を前記パージガス導入部へ導入される燃料ガスの
    圧力より高くしておくことを特徴とする熱量測定方式。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の熱量測定方式に
    おいて、 前記ドライヤーのパージガス排出部から排出されたパー
    ジガスは、燃料ガスの製造に用いられることを特徴とす
    る熱量測定方式。
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武藤裕行、外2名、"熱伝導率式分析計による都市ガス発熱量測定"、Savemation Review、1995年、第13巻、第1号、p.35−39

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