JP3133613B2 - インクジェット記録ヘッド用基体の耐久性測定方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用基体の耐久性測定方法

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JP3133613B2
JP3133613B2 JP06175161A JP17516194A JP3133613B2 JP 3133613 B2 JP3133613 B2 JP 3133613B2 JP 06175161 A JP06175161 A JP 06175161A JP 17516194 A JP17516194 A JP 17516194A JP 3133613 B2 JP3133613 B2 JP 3133613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気熱変換素子と記録
用機能素子を基板上に形成した記録ヘッド用基板、それ
を利用した複写機、ファクシミリ、ワードプロセッサ、
プリンタ等のインクジェット記録装置の耐久性試験、特
に、電気熱変換素子の耐久性測定の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気熱変換素子の良否を選別判定
するには、記録ヘッド用基板を1個ずつのチップに切り
分けて記録ヘッドに組み立て、評価機によって検査した
り、実際に製品に搭載して耐久性試験によって行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、その良否を
選別判定するための耐久性試験の試験条件は、製品の動
作条件と同じであり、また、その良否判定は、前記の電
気熱変換素子の断線の有無よって行われている。従っ
て、その選別判定はあくまでも製品としての大まかな良
否判定でしかなく、あるレベル以上の製品の優劣を判定
することはできず、良と判断されたものの劣化のしやす
さや寿命を予測することはできない。さらに、その選別
判定は、多大な時間と労力を要するものである。
【0004】従って本発明の目的は、迅速かつ容易で、
しかも正確であり、コスト的に有利なインクジェット記
録ヘッド用基体の耐久性測定方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱エネルギ−
を発生するための電気熱変換素子群と、該電気熱変換素
子群のそれぞれに電気的に接続された電気熱変換素子駆
動用の機能素子群と、前記電気熱変換素子群および機能
素子群のそれぞれを接続する配線電極とが設けられたイ
ンクジェット記録ヘッドの耐久性測定方法において、基
板上に複数のチップに対応する電気熱変換素子群、機能
素子群および配線電極を形成する工程と、前記基板上の
所望の電気熱変換素子に対して基板における電気熱変換
素子の耐久性を測定する工程と、前記耐久性の測定結果
に基づき前記基板における電気熱変換素子の作成条件の
良否を推測する工程と前記基板を個々のチップに切断す
る工程と、を有するインクジェット記録ヘッドの耐久性
測定方法を提供する。
【0006】すなわち、本発明の方法では、記録ヘッド
用基板を切り分けて、記録ヘッドに組み立てる前の基板
レベルで、電気熱変換素子の耐久性試験を行うことによ
って、迅速かつ簡易に試験を行い、また、その耐久性試
験の試験条件を変化させて、電気熱変換素子の劣化のし
やすさや寿命を予測する。
【0007】つまり、本発明の方法では、従来のように
素子の断線による良否の判断を行うのではなく、素子の
抵抗値を測定して素子の劣化の程度を判断することか
ら、素子の寿命を正確に推定することができ、測定に要
する時間も従来に比べてはるかに短縮される。
【0008】そのような試験の手法としては種々考えら
れ、第1に、チップに切断する前の基板における電気熱
変換素子の耐久性を、電気熱変換素子に対して電圧ある
いは電流のいずれかを一定としたパルス印加を行ない、
素子の抵抗を測定する方法がある。
【0009】さらに、電圧または電流を段階的に変化さ
せてパルス印加を行って、電気熱変換素子の抵抗を測定
する方法もある。
【0010】例えば、通常の装置の動作条件より高い電
圧でパルス印加を行うことで、従来の方法では検出でき
ない製造条件やロットの違いによる耐久性の差を検出す
ることも可能となる。
【0011】その際、他の印加パラメータであるパルス
周波数,回数,パルス幅は、実際製品に搭載した時の動
作条件に合わせることが望ましい。具体的には、10H
z〜100kHzとすることが好ましく、回数は10〜
1×108とすることが好ましい。回数が10回未満で
あると通常の測定で有意差を出すことは困難であり、ま
た通常の測定では108回以内に耐久性についての有意
なデータは得られることから、それより回数を多くする
必要はない。また、パルス印加幅は、1μsec〜10
msecとすることが好ましい。
【0012】このように、チップに切り分ける以前の段
階で測定される基板の電気熱変換素子の耐久性は、それ
をチップとしてから組み付けて製品化したものの基体の
耐久性を反映するものである。
【0013】このような本発明の方法によって、従来の
製品の選別判定では良と判断されるものについても、耐
久性や寿命を推定して、耐久性が十分でないと推定され
るロットの基板を除外することで、これまで以上に信頼
性の高い製品を提供することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例によって本
発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0015】(実施例1)図1は、本発明の測定方法を
説明する回路構成図であり、図中、1はダイオード、2
は被測定素子である熱変換素子、3はそれらを選択する
ためのスイッチ、4はパルス電源、5は電流計である。
また、図1に示したものは、基体レベルの試験での回路
構成図である。
【0016】次に、試験法について説明する。スイッチ
3を切り換えることにより、試験する電気熱変換素子を
選択し、パルス電源4により、決められた条件のパルス
を印加する。そして、電流計5により流れる電流を測定
しながら、熱変換素子の抵抗変化率を観察する。これに
より、熱変換素子の劣化のしやすさ、寿命を予測する。
【0017】次に、この耐久性試験によって得られた結
果を図2に示す。
【0018】これは印加するパルス数を横軸に、熱変換
素子の抵抗変化率を縦軸に示す。2つの曲線は、熱変換
素子の作成条件(条件1および条件2)の相違を表す。
その結果のように、2つの作成条件の相違が、耐久性試
験の結果に現れており、本発明の方法によって良好な判
定結果が得られることがわかる。
【0019】(実施例2)実施例1と同様の測定回路を
用い、印加するパルスの電圧を変化させて実施例1と同
じ作成条件(条件1および条件2)の素子2種類につい
て抵抗変化を測定した。結果を図3に示す。図3におい
て、印加するパルス電圧を横軸に、熱変換素子の抵抗変
化率を縦軸に示す。2つの熱変換素子作成条件を比較し
たとき、実際の製品動作条件の電圧ではこれらの2つの
素子に差は認められないのに対して、高いパルス電圧の
場合には作成条件による差が生じている。このことか
ら、本発明の方法によって、良好な判定結果が得られる
ことがわかる。
【0020】(実施例3)次に、実施例1および実施例
2の場合とは異なり、ダイオードのない例について図4
を用いて説明する。
【0021】図4において、2は被測定素子である熱変
換素子、3はそれらを選択するためのスイッチ、4はパ
ルス電源、5は電流計である。その回路構成によって行
われた耐久性試験でも、前述の実施例1および実施例2
と同様に、本発明の方法によって良好な判定結果が得ら
れることが確認された。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
り、熱変換素子の良否判定を迅速かつ容易にしかも正確
に行うことができ、耐久性試験のコストを大幅に低減す
ることができて、高信頼性のインクジェット記録ヘッド
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定方法の概略を示す回路図である。
【図2】実施例1の測定におけるパルス数と抵抗変化率
の関係を示すグラフである。
【図3】実施例2の測定におけるパルス電圧と抵抗変化
率の関係を示すグラフである。
【図4】実施例3の測定における回路構成を示す回路図
である。
【符号の説明】
1 ダイオード 2 熱変換素子 3 スイッチ 4 パルス電源 5 電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/335 G01R 31/00 H01C 17/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギ−を発生するための電気熱変
    換素子群と、該電気熱変換素子群のそれぞれに電気的に
    接続された電気熱変換素子駆動用の機能素子群と、前記
    電気熱変換素子群および機能素子群のそれぞれを接続す
    る配線電極とが設けられたインクジェット記録ヘッドの
    耐久性測定方法において、 基板上に複数のチップに対応する電気熱変換素子群、機
    能素子群および配線電極を形成する工程と、 前記基板上の所望の電気熱変換素子に対して基板におけ
    る電気熱変換素子の耐久性を測定する工程と、 前記耐久性の測定結果に基づき前記基板における電気熱
    変換素子の作成条件の良否を推測する工程と前記基板を
    個々のチップに切断する工程と、 を有するインクジェット記録ヘッドの耐久性測定方法。
  2. 【請求項2】 チップに切断する前の基板における電気
    熱変換素子の耐久性を、電気熱変換素子に一定の電圧値
    でパルス印加を行ない、該素子の抵抗を測定することに
    よって行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 チップに切断する前の基板における電気
    熱変換素子の耐久性を、電気熱変換素子に一定の電流値
    でパルス印加を行ない、該素子の抵抗を測定することに
    よって行う請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 チップに切断する前の基板における電気
    熱変換素子の耐久性を、段階的に電圧値を変えてパルス
    印加を行い、電気熱変換素子の抵抗を測定することによ
    って行う請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】チップに切断する前の基板における電気熱
    変換素子の耐久性を、段階的に電流値を変えてパルス印
    加を行い、電気熱変換素子の抵抗を測定することによっ
    て行う請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 印加するパルスの周波数を10Hz〜1
    00kHzとする請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 印加するパルスの回数を10〜1×10
    8回とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 パルス印加の幅を1μsec〜10ms
    ecとする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方
    法。
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JP2007276217A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Fuji Xerox Co Ltd 駆動素子の状態判定装置

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