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ロープ案内装置
本考案は、タグボート等を用いた牽引作業において用いられるロープ案内装置に関するものである。
従来より、タグボート等で他の船を牽引する曳航作業を行う場合、準備作業として、ウインチから繰り出されたロープの一端を曳航船に渡して固定しなければならなかった。ウインチに巻回されたロープを引き出す作業は、ロープの直径が60〜100mm程度と大きいので、極めて重労働であるという問題があった。
そこで、ウインチからのロープの繰り出しや収納を容易に行うため、挿通孔内に配設された対向する駆動ローラ間にロープを挟持して、ロープを繰り出すロープ案内装置が開発されている。ロープ案内装置は、ロープを繰り出すときには駆動ローラ間にロープを挟持する必要があるが、ロープを収納するときには駆動ローラは必要ないため、ロープの繰り出す場合と収納する場合に応じて、駆動ローラを移動させる必要がある。このため、駆動ローラの移動方向に特徴を有する種々のロープ案内装置が開発されている。
例えば、(特許文献1)、(特許文献2)、(特許文献3)、(特許文献4)には、駆動ローラを左右方向に移動させるロープ案内装置が開示されている。(特許文献5)には、駆動ローラを上下方向に移動させるロープ案内装置が開示されている。 実用新案登録第2553700号公報 特開平10−120299号公報 実用新案登録第3131132号公報 実用新案登録第3131134号公報 実用新案登録第2572187号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)駆動ローラは、通常、空気が充填されたタイヤで形成されており、対向するタイヤの間に60〜100mm程度の太さのロープを挟持するので、タイヤにロープが食い込みタイヤが極度に圧迫されて空気が頻繁に漏れるため、3日に一回程度の頻度で空気を補充する必要がある。空気が抜けていると、駆動ローラを使ってロープを繰り出す際にスリップし、ロープが焦げて切れ易くなるからである。従来のロープ案内装置では駆動ローラが挿通孔内に配設されている(即ち、駆動ローラが架台に内蔵されている)ので、駆動ローラに空気を補充する際には、架台を覆っている板材を取り外し、駆動ローラを露出させてから作業を行う必要があるため、板材の着脱が煩雑で作業性に著しく欠けるという課題を有していた。
(2)架台を覆っている板材を取り外さない状態でも駆動ローラのタイヤに空気を充填することができるように、板材には、駆動ローラが位置する辺りに直径30mm程度の穴が開けられている。この穴から空気入れ用のホースを入れて、駆動ローラのタイヤの空気バルブと接続し空気を充填するためである。空気入れ用のホースをタイヤの空気バルブと接続するためには、板材の穴の位置と空気バルブの位置を合わせる必要があるが、回転する駆動ローラを任意の位置(空気バルブの位置)で止めることができないので、穴と空気バルブの位置合わせのために、駆動ローラの回転制御を行う作業者と空気バルブと穴の位置合わせを行う作業者が必要で、工数を要し空気の充填作業が著しく煩雑であるという課題を有していた。
(3)駆動ローラやモータの出力軸、回動軸等にグリスを定期的に充填しているが、駆動ローラやモータの出力軸、回動軸等は板材の内側に配置されており見えないため、手探りで適当な位置に多量のグリスを充填していた。充填された余剰のグリスが、ロープに浸み込んだ海水等により流れ出して海に流れ込み、海面を汚染するという課題を有していた。
(4)駆動ローラや駆動ローラの駆動装置等が架台に内蔵されているので、ロープを繰り出したり収納したりするときに、ロープに浸み込んだ海水が架台内に滴り落ち、架台内に湿気がこもり湿度が上昇するため、駆動ローラの駆動装置や架台内に錆が発生し易く耐久性に欠けるという課題を有していた。
(5)何らかの異常が発生して、ロープと駆動ローラとの摩擦によりロープの磨耗屑が生じたり駆動ローラの駆動装置に油漏れ等が生じたりしても、駆動ローラが架台に内蔵されているので、磨耗屑や漏れた油は架台内に溜まり人目につき難いので、異常を早期発見し難いという課題を有していた。
(6)(特許文献3)に記載された水平ロッド(33)や(特許文献4)に記載された水平案内部材(32)は、ロープの繰り出しや収納をスムーズに行うためのロープ受けであり、ロープの軸心を挿通孔の軸心と一致させるような高さに配置されている。曳航船の大きさや波浪の影響によりロープ案内装置の鉛直方向に対するロープの進入角度が変動するので、ロープ受けにかかる荷重や衝撃の大きさが変わるため、決まった高さに配置されたロープ受けに過荷重が加わり、ロープ受けが破損し易いという課題を有していた。
(7)ロープは直径が60〜100mm程度の種々のものが用いられるので、太さの異なるロープを用いた場合には、ロープの軸心を挿通孔の軸心と一致させることができず、ロープと駆動ローラとの摩擦が大きくなりロープが磨耗し易くなるという課題を有していた。
本考案は上記従来の課題を解決するもので、駆動ローラを挿通孔の背面の架台の外側に配設することにより、駆動ローラに空気を補充する等のメンテナンスを行う際、架台を覆っている板材を取り外す等の付帯作業が不要でメンテナンス作業性に優れ、またロープに浸み込んだ海水が滴り落ちても、湿気がこもらないため錆が発生し難く耐久性に優れ、さらにロープの磨耗屑が生じる等の異常が発生しても、生じた磨耗屑が人目に付き易いため異常を早期に発見し易く、ロープが断裂する等の重大な事故に至るのを未然に防止できるロープ案内装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本考案のロープ案内装置は、以下の構成を有している。
本考案の請求項1に記載のロープ案内装置は、ロープを案内する挿通孔が形成された架台と、前記挿通孔に臨んで前記架台の外側の前記挿通孔の背面に配設された対向する一対の駆動ローラと、前記駆動ローラを左右方向又は上下方向に移動させる移動手段と、前記挿通孔に臨んで前記挿通孔の背面に横設されたロープ受けと、前記挿通孔の左右の前記架台の背面側に回動自在に固定され前記ロープ受けの両側を支える一対のロープ受け支持体と、端部が前記架台に連結され他端部が前記ロープ受け支持体に固定されて前記ロープ受けの後傾動若しくは上下動を弾性的に支持する支持部材と、前記挿通孔の周囲から前記架台の背面側に突設されたガイド支持部と、前記ガイド支持部に支持され前記駆動ローラの背面で前記ロープ受けの前方に配設されたロープガイドと、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)駆動ローラが挿通孔の背面の架台の外側に配設されているので、駆動ローラに空気を補充する等のメンテナンスを行う際に、架台を覆っている板材を取り外す等の付帯作業が不要なためメンテナンス作業性に優れる。
(2)ロープに浸み込んだ海水が滴り落ちても、駆動ローラが架台の外側に配設され開放されているので、湿気がこもらないため錆が発生し難く耐久性に優れる。
(3)ロープの磨耗屑が生じる異常が発生しても、駆動ローラが架台の外側に配設されているので、生じた磨耗屑が人目に付き易いため異常を早期に発見し易く、ロープが断裂する等の重大な事故に至るのを未然に防止できる。
(4)ロープ受けの後傾動若しくは上下動を弾性的に支持する支持部材を備えているので、曳航船の大きさや波浪の影響によりロープ案内装置の鉛直方向に対するロープの進入角度が変動しても、支持部材がロープ受けにかかる荷重や衝撃を吸収するため、ロープ受けが破損し難く耐久性に優れる。
(5)ロープガイドの前方に駆動ローラが配設されているので、駆動ローラが挿通孔の背面に露出していても、ロープガイドにガードされて、回転する駆動ローラに手指等が巻き込まれる事故を防止することができ安全性に優れる。
ここで、架台としては、左右両側に配置された支柱と、支柱の上部側の前後を連結する前側材及び後側材と、前側材と後側材を貫通してロープを案内する挿通孔と、を備えたものを用いることができる。
駆動ローラとしては、ゴム製や合成樹脂製等のタイヤに空気が充填されたものが好適に用いられる。駆動ローラは、挿通孔に臨んで架台の外側で挿通孔の背面に挿通孔の上下方向の中心位置(ロープの繰り出し位置)に配設される。駆動ローラは油圧モータ等の出力軸に連結され、反対方向に回転するように形成されており、対向する駆動ローラの回転力によってロープを挿通孔から繰り出すことができる。
移動手段としては、ロープの繰り出し位置で対向する駆動ローラを、ロープを収納する際の退避位置まで移動させることができるものであれば、特に限定せずに用いることができる。例えば、(特許文献1),(特許文献2),(特許文献3),(特許文献4)に記載された移動手段のように、油圧シリンダの直線的な伸縮運動を駆動ローラの傾動運動に変換して駆動ローラを移動させるものや、油圧シリンダの直線的な上下方向の伸縮運動を駆動ローラの左右方向の移動に変換して移動させるもの、油圧シリンダの直線的な左右方向の伸縮運動をそのまま利用して駆動ローラを左右方向に移動させるもの等を用いることができる。また、(特許文献5)に記載された移動手段のように、油圧シリンダの直線的な上下方向の伸縮運動をそのまま利用して、ロープの繰り出し位置から挿通孔の下側の退避位置まで駆動ローラを昇降させるもの等も用いることができる。
ロープガイドとしては、鋼製やステンレス製で、挿通孔と同一径かそれよりやや大きめのリング状に形成されたものが好適に用いられる。挿通孔に挿通されたロープの繰り出しや収納の妨げになるのを防止するためである。
ロープ受けとしては、ステンレス製等で形成された丸棒や丸パイプ等で形成することができる。特に、オイルレス仕様のベアリング等を採用し、回動可能に形成されたものが好適に用いられる。ウインチによる巻き揚げ時には150m/分ものスピードでロープがロープ受けに接触しながら通過するが、ロープ受けを回動可能に形成することにより、ロープ受けとロープとの摩擦を少なくしてロープが損傷するのを防止できるからである。また、オイルレス仕様のため、グリスによる海面汚染を防止できる。
支持部材としては、一端がロープ受けの端部に連結され、他端が架台に連結されてロープ受けを支持する棒材や板材等を用いることができる。支持部材は、ロープ受けを弾性的に支持するためにバネ,ゴム,ガスダンパ等の弾性部材を備え、伸縮自在又は傾動自在に形成されたものが用いられる。
本考案の請求項2に記載の考案は、請求項1に記載のロープ案内装置であって、前記支持部材が弾性部材を備え、前記支持部材の下端部が前記架台に回動自在に連結され、前記架台の背面側に斜め上方に向かって斜設され、他端部が前記ロープ受け支持体に回動自在に固定された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ロープ受けを支持する支持部材,ロープ受け支持体がトラス構造になっているので、支持部材には軸方向力だけが伝達されるため、支持部材がロープ受けにかかる荷重や衝撃を効率良く吸収し耐久性に優れる。
本考案の請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載のロープ案内装置であって、前記ロープ受けの高さを調節する高さ調節手段を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ロープ受けの高さを調節する高さ調節手段を備えているので、直径が60〜100mm程度の種々の太さのロープを用いた場合でも、ロープの軸心を挿通孔の軸心と一致させ、ロープと駆動ローラとの位置関係を一定にすることができるので、ロープが磨耗するのを防止できる。
ここで、高さ調節手段としては、支持部材の長さを変えてロープ受けの高さを変えるものを用いることができる。また、支持部材を固定した固定部材の高さ方向の固定位置を可変にするもの等、支持部材の架台における連結位置(連結高さ)を変えてロープ受けの高さを変えるものも用いることができる。
以上のように、本考案のロープ案内装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の考案によれば、
(1)駆動ローラが挿通孔の背面の架台の外側に配設されているので、駆動ローラに空気を補充する等のメンテナンスを行う際に、架台を覆っている板材を取り外す等の付帯作業が不要なためメンテナンス作業性に優れたロープ案内装置を提供できる。
(2)ロープに浸み込んだ海水が滴り落ちても、駆動ローラが架台の外側に配設されているので、湿気がこもらないため錆が発生し難く耐久性に優れたロープ案内装置を提供できる。
(3)ロープの磨耗屑が生じる異常が発生しても、駆動ローラが架台の外側に配設されているので、生じた磨耗屑が人目に付き易いため軽微な異常を早期に発見し易く、ロープが断裂する等の重大な事故に至るのを未然に防止できるロープ案内装置を提供できる。
(4)ロープ受けの後傾動若しくは上下動を弾性的に支持する支持部材を備えているので、曳航船の大きさや波浪の影響によりロープ案内装置の鉛直方向に対するロープの進入角度が変動しても、支持部材がロープ受けにかかる荷重や衝撃を吸収するため、ロープ受けが破損し難く耐久性に優れたロープ案内装置を提供できる。
(5)駆動ローラが挿通孔の背面に露出していても、ロープガイドにガードされて、回転する駆動ローラに手指等が巻き込まれる事故を防止することができ安全性に優れたロープ案内装置を提供できる。
請求項2に記載の考案によれば、請求項1の効果に加え、
(1)ロープ受けを支持する支持部材,ロープ受け支持体がトラス構造になっているので、支持部材には軸方向力だけが伝達されるため、支持部材がロープ受けにかかる荷重や衝撃を効率良く吸収し耐久性に優れたロープ案内装置を提供できる。
請求項3に記載の考案によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)ロープ受けの高さを調節する高さ調節手段を備えているので、直径が60〜100mm程度の種々の太さのロープを用いた場合でも、ロープの軸心を挿通孔の軸心と一致させ、ロープと駆動ローラとの位置関係を一定にすることができるので、ロープが磨耗するのを防止できる安定性に優れたロープ案内装置を提供できる。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本考案の実施の形態1におけるロープ案内装置の背面図であり、図2は実施の形態1におけるロープ案内装置の側面図であり、図3は実施の形態1におけるロープ案内装置の正面図である。
図中、1は実施の形態1におけるロープ案内装置、2はタグボート等の船の船首等に立設させるロープ案内装置1の架台、3は鋼製やステンレス製等の丸パイプで形成された架台2の一対の支柱、4は支柱3の前面側の側面に配設された架台2の前板材、5は前板材4と所定の間隔をあけて両側が支柱3に固着された架台2の後板材、6は前板材4と後板材5の上部側中央を貫通して縦長の長円状に形成された挿通孔、7は鋼製やステンレス製で前方に拡径した円環状に形成され挿通孔6の内側を覆い前方に突設されたガイド部、8は後板材5に形成された挿通孔6の周囲の複数個所から背面側へ突設された棒状のガイド支持部、9は鋼製やステンレス製でリング状に形成されガイド支持部8に支持され挿通孔6の背面側に配設されたロープガイド、10は架台2の外側の挿通孔6の背面でロープガイド9の前方に配設された対向する一対の駆動ローラ、11はゴム製等で形成された駆動ローラ10のローラ部、12はローラ部11と同軸に連結された出力軸、13は後板材5の背面に配設された出力軸12を回転させるモータ、14はモータ13の下部の後板材5の背面に配設されモータ13を支持する略L字状に形成されたアーム部、15は後板材5に固定されアーム部14の中間部を回動自在に軸支しアーム部14との間にオイルレス仕様のベアリングやブッシュ等が介挿された回動軸、16はアーム部14の他端部に長孔状に形成されたピン孔、17はピン孔16に挿通されたピン、18は基部が後板材5の背面の下部側に固定され上方に向かって延設され先端がピン17に接続されて油圧等で伸縮するシリンダ、18aはシリンダの油圧配管である。本実施の形態においては、シリンダ18を伸縮させると回動軸15を中心にアーム部14が回動するので、アーム部14の上部に配設された駆動ローラ10を挿通孔6の左右に移動させることができる。シリンダ18の伸縮によりアーム部14を傾動させて駆動ローラ10を左右に移動させるアーム部14及びシリンダ18が、本実施の形態における移動手段を構成している。
19は両方の支柱2の背面に溶接等で固着された縦長の板材等で形成された基台、20は基台19の所定個所に突設されたボルト、21は基台19の背面に配設された縦長の板材で形成された固定部材、22は固定部材21の複数個所に形成されボルト20が挿通された縦長の長孔、23はボルト20に螺着され固定部材21を基台19に固定するナット、24はガスダンパ等の弾性部材で形成され下端部と固定部材21の下端側との間にオイルレス仕様のベアリングやブッシュ等が介挿され回動自在に固定され背面側に斜め上方に向かって斜設された支持部材、25は一端部と固定部材21の上端側との間にオイルレス仕様のベアリングやブッシュ等が介挿され回動自在に固定されるとともに、他端部と支持部材24の端部との間にオイルレス仕様のベアリングやブッシュ等が介挿され回動自在に固定されて固定部材21に対して略垂直に配設されたロープ受け支持体、26はロープ受け支持体25の他端部に両側が軸支されロープ受け支持体25との間にオイルレス仕様のベアリングやブッシュ等が介挿されて回動自在に形成された丸パイプや丸棒等のロープ受け、27は挿通孔6に挿通されたロープである。
本実施の形態においては、ナット23を緩め固定部材21を長孔22に沿って上側又は下側に移動させた後、ナット23を基台19に締結することで、固定部材21に配設されたロープ受け26の高さを調節することができる。長孔22が形成された固定部材21,ボルト20及びナット23が、本実施の形態における高さ調節手段を構成している。高さ調節手段を用いてロープ受け26の高さを調節することにより、ロープ受け26の上に載せたロープ27の軸心を挿通孔6の軸心と一致させることができる。
以上のように構成された本考案の実施の形態1におけるロープ案内装置1について、以下その使用方法を説明する。
まず、シリンダ18を伸張させてアーム部14を左右に傾動させ、駆動ローラ10を挿通孔6から左右に移動させて退避させる。この状態で、ロープ27をロープ受け26に載せながら挿通孔6の背面側から前面側に向かって挿通させる。次に、シリンダ18を縮めてアーム部14を中央に向かって回動させると、駆動ローラ10が左右から挿通孔6の中央へ移動し、挿通孔6に挿通されたロープ27を左右両側から挟持する。モータ13を回転駆動させると、ロープ27を挿通孔6の前面側又は背面側に繰り出させることができる。
ロープ案内装置1の背面側に配設される図示しないウインチを用いてロープ27を巻き揚げる場合は、シリンダ18を伸張させてアーム部14を左右に傾動させ、駆動ローラ10を挿通孔6から左右に移動させて退避させる。これにより、ロープ27は挿通孔6内を自由に通ることができるため、ウインチで自由にロープ27を巻き揚げることができる。
直径が100mm程度の太いロープ27を用いる場合は、ナット23を緩め固定部材21を長孔22に沿って下側に移動させた後、再びナット23を締結する。直径が60mm程度の細いロープ27を用いる場合は、ナット23を緩め固定部材21を長孔22に沿って上側に移動させた後、再びナット23を締結する。これにより、挿通孔6を挿通させたロープ27の軸心の高さをロープ受け26の高さで調節できるため、ロープ27の軸心と挿通孔6の軸心とを一致させることができる。
以上のように、本考案の実施の形態1におけるロープ案内装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)駆動ローラ10が挿通孔6の背面の架台2の外側に配設されているので、駆動ローラ10に空気を補充する等のメンテナンスを行う際に、後板材5を取り外す等の付帯作業が不要なためメンテナンス作業性に優れる。
(2)ロープ27に浸み込んだ海水が滴り落ちても、駆動ローラ10やアーム部14が後板材5の背面の架台2の外側に露出して配設されているので、駆動ローラ10やアーム部14に湿気がこもらず乾燥し易いため錆が発生し難く耐久性に優れる。
(3)ロープ27の磨耗屑が生じたり、シリンダ18から油漏れが生ずる等の異常が発生しても、駆動ローラ10やシリンダ18が後板材5の背面の架台2の外側に配設されているので、生じた磨耗屑や油漏れが人目に付き易いため異常を早期に発見し易く、ロープ27が断裂する等の重大な事故に至るのを未然に防止できる。
(4)ロープ受け26の後傾動若しくは上下動を弾性的に支持する支持部材24を備えているので、曳航船の大きさや波浪の影響により鉛直方向に対するロープ27の進入角度が変動しても、支持部材24が弾性変形してロープ受け26にかかる荷重や衝撃を吸収するため、ロープ受け26が破損し難く耐久性に優れる。
(5)ロープ受け26の高さを調節する高さ調節手段を備えているので、直径が60〜100mm程度の種々の太さのロープを用いた場合でも、ロープ27の軸心を挿通孔6の軸心と一致させ、ロープ27と駆動ローラ10との位置関係を一定にすることができるので、ロープ27が磨耗する等の不具合が生ずるのを防止できる。
(6)ロープ受け26を支持する固定部材21,支持部材24,ロープ受け支持体25がトラス構造になっているので、支持部材24には軸方向力だけが伝達されるため、支持部材24がロープ受け26にかかる荷重や衝撃を効率良く吸収し耐久性に優れる。
(7)ロープ受け26が回動可能に形成されているので、ウインチによる巻き揚げ時に150m/分ものスピードでロープ27がロープ受け26に接触しながら通過したとしても、ロープ受け26とロープ27との摩擦を少なくできるのでロープ27が損傷するのを防止できる。
(8)オイルレス仕様のベアリングやブッシュ等を多用しているため、グリスの飛散や流出による海面汚染を防止できる。
(9)駆動ローラ10が挿通孔6の背面に露出していても、ロープガイド9の前方に駆動ローラ10が配設されているので、ロープガイド9にガードされて、回転する駆動ローラ10に手指等が巻き込まれる事故を防止することができ安全性に優れる。
ここで、本実施の形態においては、シリンダ18の伸縮に伴い回動軸15を中心にアーム部14を回動させ、アーム部14を傾動させて駆動ローラ10を左右に移動させる移動手段について説明したが、この機構に限定するものではなく、(特許文献1),(特許文献2),(特許文献3),(特許文献4)に記載された移動手段のように、油圧シリンダの直線的な伸縮運動を駆動ローラの傾動運動に変換して駆動ローラを移動させるものや、油圧シリンダの直線的な上下方向の伸縮運動を駆動ローラの左右方向の移動に変換して移動させるもの、油圧シリンダの直線的な左右方向の伸縮運動をそのまま利用して駆動ローラを左右方向に移動させるもの等を用いる場合もある。また、(特許文献5)に記載された移動手段のように、油圧シリンダの直線的な上下方向の伸縮運動をそのまま利用して、ロープの繰り出し位置から挿通孔の下側の退避位置まで駆動ローラを昇降させるもの等を用いる場合もある。いずれの場合も、駆動ローラを架台の外側に露出させることにより、本実施の形態で説明したものと同様の作用が得られる。
また、ロープ受け26が、ガスダンパ等で形成された支持部材24で下側から支持された場合について説明したが、これに限定するものではなく、バネ等を用いて支持部材24を形成する場合もある。また、下側からロープ受け26を支持する場合だけでなく、バネ等の弾性部材で形成された支持部材の一端を後板材4や支柱3に固着して、ロープ受け26を吊設する場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
(実施の形態2)
図4は本考案の実施の形態2におけるロープ案内装置の背面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、31は実施の形態2におけるロープ案内装置、32はモータ13の側方から下方に延設され後板材5の背面に配設されてモータ13を支持するアーム部、33は後板材5に固定されアーム部32の上部側を回動自在に軸支しアーム部32との間にオイルレス仕様のベアリングやブッシュ等が介挿された回動軸、34はアーム部32の他端部に形成されたピン孔に挿通されたピン、35はアーム部32間に横設され基部が一方のアーム部32のピン孔に挿通されたピン34に固定され先端が他方のアーム部32のピン孔に挿通されたピン34に接続されて油圧等で伸縮するシリンダである。本実施の形態においては、シリンダ35を伸張させると駆動ローラ10が左右から挿通孔6の中央へ移動してロープ27を挟持し、シリンダ35を縮めると駆動ローラ10が左右に移動して退避する。シリンダ35の伸縮によりアーム部32を傾動させて駆動ローラ10を左右に移動させるアーム部32及びシリンダ35が、本実施の形態における移動手段を構成している。
以上のように構成された本考案の実施の形態2におけるロープ案内装置31の使用方法は、実施の形態1で説明したものと同様なので説明を省略する。
以上のように、本考案の実施の形態2におけるロープ案内装置は構成されているので、実施の形態1に記載した作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)シリンダ35がアーム部32の下側に縦方向に配設されることなくアーム部32間に横設されているので、シリンダ35を縦方向に配設するスペースが不要なためコンパクト化できる。また、部品点数を少なくすることができ信頼性を高めることができる。
(2)シリンダ35が後板材5の背面に固定されることなくアーム部32間に横設されているので、固定位置の芯出しやセンタリング等の作業が不要で生産性に優れる。
本考案は、タグボート等を用いた牽引作業において用いられるロープ案内装置に関し、駆動ローラを挿通孔の背面の架台の外側に配設することにより、駆動ローラに空気を補充する等のメンテナンスを行う際、架台を覆っている板材を取り外す等の付帯作業が不要でメンテナンス作業性に優れ、またロープに浸み込んだ海水が滴り落ちても、湿気がこもらないため錆が発生し難く耐久性に優れ、さらにロープの磨耗屑が生じる等の異常が発生しても、生じた磨耗屑が人目に付き易いため異常を早期に発見し易く、ロープが断裂する等の重大な事故に至るのを未然に防止できるロープ案内装置を提供することができる。
実施の形態1におけるロープ案内装置の背面図 実施の形態1におけるロープ案内装置の側面図 実施の形態1におけるロープ案内装置の正面図 実施の形態2におけるロープ案内装置の背面図
符号の説明
1 ロープ案内装置
2 架台
3 支柱
4 前板材
5 後板材
6 挿通孔
7 ガイド部
8 ガイド支持部
9 ロープガイド
10 駆動ローラ
11 ローラ部
12 出力軸
13 モータ
14 アーム部
15 回動軸
16 ピン孔
17 ピン
18 シリンダ
18a 油圧配管
19 基台
20 ボルト
21 固定部材
22 長孔
23 ナット
24 支持部材
25 ロープ受け支持体
26 ロープ受け
27 ロープ
31 ロープ案内装置
32 アーム部
33 回動軸
34 ピン
35 シリンダ

Claims (3)

  1. ロープを案内する挿通孔が形成された架台と、前記挿通孔に臨んで前記架台の外側の前記挿通孔の背面に配設された対向する一対の駆動ローラと、前記駆動ローラを左右方向又は上下方向に移動させる移動手段と、前記挿通孔に臨んで前記挿通孔の背面に横設されたロープ受けと、前記挿通孔の左右の前記架台の背面側に回動自在に固定され前記ロープ受けの両側を支える一対のロープ受け支持体と、端部が前記架台に連結され他端部が前記ロープ受け支持体に固定されて前記ロープ受けの後傾動若しくは上下動を弾性的に支持する支持部材と、前記挿通孔の周囲から前記架台の背面側に突設されたガイド支持部と、前記ガイド支持部に支持され前記駆動ローラの背面で前記ロープ受けの前方に配設されたロープガイドと、を備えていることを特徴とするロープ案内装置。
  2. 前記支持部材が弾性部材を備え、前記支持部材の下端部が前記架台に回動自在に連結され、前記架台の背面側に斜め上方に向かって斜設され、他端部が前記ロープ受け支持体に回動自在に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ案内装置。
  3. 前記ロープ受けの高さを調節する高さ調節手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロープ案内装置。
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