JP3132775U - セラミック複合装甲板 - Google Patents
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Abstract
【課題】防弾性能を向上させた新規な構成のセラミック複合装甲板を提供する。
【解決手段】セラミックタイル１１の片面に高強度繊維強化プラスチック部材１２を積層するセラミック複合装甲板１０において、前記セラミックタイルの表面に溝部１３を形成する。
【選択図】図１
【解決手段】セラミックタイル１１の片面に高強度繊維強化プラスチック部材１２を積層するセラミック複合装甲板１０において、前記セラミックタイルの表面に溝部１３を形成する。
【選択図】図１
Description
本考案は、セラミックタイルと高強度繊維強化部材とからなる複合装甲板に関し、特に防弾有効性が増大したセラミック複合装甲板に関する。
従来のセラミック複合装甲板においてセラミックタイルの表面に弾丸が着弾した際、セラミックの脆性破壊特性のために、破壊孔は着弾径の数倍の孔に拡大する。極端な場合は衝撃によりセラミックタイル面積の１／３とか１／２程度、場合によってはタイル全体が剥れることがある。このためセラミックが剥がれた部分にその後、新たに弾丸が着弾した場合、セラミックタイル部が無いため、弾丸の先端が破壊されず、弾丸が運動エネルギーを保有したまま防弾繊維積層板に当たるため、装甲板を貫通し、装甲板の防弾性能が発揮されない。
本考案は、防弾性能を向上させた新規な構成のセラミック複合装甲板を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本考案の一態様は、
セラミックタイルの片面に高強度繊維強化プラスチック部材を積層するセラミック複合装甲板において、前記セラミックタイルの表面に溝部を形成したことを特徴とする、セラミック複合装甲板に関する。
セラミックタイルの片面に高強度繊維強化プラスチック部材を積層するセラミック複合装甲板において、前記セラミックタイルの表面に溝部を形成したことを特徴とする、セラミック複合装甲板に関する。
上記態様によれば、セラミック複合装甲板のセラミックタイルに弾丸が衝突してかかる部分が破壊されたとしても、その破壊による割れの進行は前記溝によって分断され、前記溝を超えて進行するようなことがない。この結果、たとえ着弾した部分が破壊されたとしても、残存するセラミックタイルの有効面積が従来に比して拡大するので、防弾特性が向上する。
なお、前記溝部は、前記セラミックタイル上に形成された円形パターンの溝部として形成することができる。また、前記溝部は、前記セラミックタイル上に形成された矩形状パターンの溝部として形成することができる。このような場合、セラミックタイルは、前記溝部によって、前記パターンの各セグメントに分割されるようになるので、着弾によるセラミックタイルの破壊は前記セグメント内に収まるようにすることができる。したがって、残存するセラミックタイルの有効面積をより効果的及び簡易に向上させることができるので、防弾特性をより簡易に向上させることができる。
また、上記防弾特性をより向上させるという観点から、前記円形パターンの長径が弾丸径の３〜４倍であることが好ましく、同様に、前記矩形状パターンの長径が弾丸径の３〜４倍であることが好ましい。
以上説明したように、本考案によれば、防弾性能を向上させた新規な構成のセラミック複合装甲板を提供することができる。
以下、本考案を実施形態について説明する。
（セラミック複合装甲板の基本構成）
図１は、本考案のセラミック複合装甲板の一例を示す断面図であり、図２は、図１に示すセラミック複合装甲板の溝部を拡大して示す図である。
（セラミック複合装甲板の基本構成）
図１は、本考案のセラミック複合装甲板の一例を示す断面図であり、図２は、図１に示すセラミック複合装甲板の溝部を拡大して示す図である。
図１に示すように、セラミック複合装甲板１０は、セラミックタイル１１と、その片面上に積層された高強度繊維強化プラスチック部材１２とを含む。また、セラミックタイル１１の表面には複数のＶ溝１３が形成されている。したがって、セラミック複合装甲板１０のセラミックタイル１１に弾丸が衝突してかかる部分が破壊されたとしても、その破壊による割れの進行はＶ溝１３によって分断され、Ｖ溝１３を超えて進行するようなことがない。この結果、たとえ着弾した部分が破壊されたとしても、残存するセラミックタイルの有効面積が従来に比して拡大するので、防弾特性が向上する。
なお、Ｖ溝１３の形状及び大きさは、図２に示すように、その開口角θ及び深さｔで規定されることになるが、好ましくは開口角θを２０度〜３０度の間、深さｔを１ｍｍ〜４ｍｍの間とすることができる。
なお、セラミックタイル１１と高強度繊維強化プラスチック部材１２との接着はプレス加工による圧接や耐熱性の接着剤を用いて行うことができる。また、セラミックタイル１１及びプラスチック部材１２は、用途に応じて汎用のものから適宜選択することができ、その厚さや寸法なども用途に応じて適宜設定することができる。
（セラミック複合装甲板の応用例）
次に、本考案のセラミック複合装甲板の応用例について説明する。
図３は、セラミック複合装甲板の第１の応用例である。本例では、セラミック複合装甲板１０のセラミックタイル１１に対して六角形状のパターンを形成し、そのパターンを各セグメント１１１に区切るようにして溝１３が形成されている。したがって、セラミックタイル１１に弾丸が衝突したとしても、セラミックタイル１１の、前記被弾したセグメント１１１のみが破壊され、その破壊による割れの進行は溝１３によって分断され、溝１３を超えて進行するようなことがない。この結果、残存するセラミックタイルの有効面積が従来に比して拡大するので、防弾特性が向上する。
次に、本考案のセラミック複合装甲板の応用例について説明する。
図３は、セラミック複合装甲板の第１の応用例である。本例では、セラミック複合装甲板１０のセラミックタイル１１に対して六角形状のパターンを形成し、そのパターンを各セグメント１１１に区切るようにして溝１３が形成されている。したがって、セラミックタイル１１に弾丸が衝突したとしても、セラミックタイル１１の、前記被弾したセグメント１１１のみが破壊され、その破壊による割れの進行は溝１３によって分断され、溝１３を超えて進行するようなことがない。この結果、残存するセラミックタイルの有効面積が従来に比して拡大するので、防弾特性が向上する。
図４は、セラミック複合装甲板の第２の応用例である。本例では、セラミック複合装甲板１０のセラミックタイル１１に対して四角形（正方形）状のパターンを形成し、そのパターンを各セグメント１１１に区切るようにして溝１３が形成されている。したがって、セラミックタイル１１に弾丸が衝突したとしても、セラミックタイル１１の、前記被弾したセグメント１１１のみが破壊され、その破壊による割れの進行は溝１３によって分断され、溝１３を超えて進行するようなことがない。この結果、残存するセラミックタイルの有効面積が従来に比して拡大するので、防弾特性が向上する。
図５は、セラミック複合装甲板の第３の応用例である。本例では、セラミック複合装甲板１０のセラミックタイル１１に対して円形状のパターンを形成し、そのパターンを各セグメント１１１に区切るようにして溝１３が形成されている。したがって、セラミックタイル１１に弾丸が衝突したとしても、セラミックタイル１１の、前記被弾したセグメント１１１のみが破壊され、その破壊による割れの進行は溝１３によって分断され、溝１３を超えて進行するようなことがない。この結果、残存するセラミックタイルの有効面積が従来に比して拡大するので、防弾特性が向上する。
なお、上述した応用例において、各パターンの溝１３で区切られたセグメント１１１の長径は、着弾する弾丸の径の３〜４倍とすることができる。具体的には、２０ｍｍ〜３５ｍｍとすることができる。φ７．６２ｍｍの弾丸径の場合は、各セグメント１１１の長径は３０ｍｍ程度であることが好ましい。
本実施例では、セラミックタイル１１上に、図４に示すような四角形（正方形）状のパターンを各セグメント１１１の辺の長さが３０ｍｍ角となるようにして形成した。なお、各セグメント１１１は開口角θが２０度〜３０度であり、深さｔが１ｍｍ〜４ｍｍであるＶ溝１３によって区切るようにした。
なお、セラミックタイル１１には、厚さ６ｍｍ〜１０ｍｍのアルミナセラミックスと、厚さ４ｍｍ〜６ｍｍの炭化珪素とを使用した。
また、防弾テストは、弾丸速度を８３８±１５ｍ／ｓとして実施した。結果を表１及び２に示す。
以上、表１及び２から、本実施例におけるセラミック複合装甲板は、良好な防弾性能を呈することが判明した。
以上、本考案を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本考案は上記具体例に限定されるものではなく、本考案の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
１０ セラミック複合装甲板
１１ セラミックタイル
１２ 高強度繊維強化プラスチック
１３ 溝
１１１ （溝で区切られた）セグメント
１１ セラミックタイル
１２ 高強度繊維強化プラスチック
１３ 溝
１１１ （溝で区切られた）セグメント
Claims (5)
- セラミックタイルの片面に高強度繊維強化プラスチック部材を積層するセラミック複合装甲板において、前記セラミックタイルの表面に溝部を形成したことを特徴とする、セラミック複合装甲板。
- 前記溝部は、前記セラミックタイル上に形成された円形パターンの溝部として形成されたことを特徴とする、請求項１に記載のセラミック複合装甲板。
- 前記溝部は、前記セラミックタイル上に形成された矩形状パターンの溝部として形成されたことを特徴とする、請求項１に記載のセラミック複合装甲板。
- 前記円形パターンの長径が弾丸径の３〜４倍であることを特徴とする、請求項２に記載のセラミック複合装甲板。
- 前記矩形状パターンの長径が弾丸径の３〜４倍であることを特徴とする、請求項３に記載のセラミック複合装甲板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007002220U JP3132775U (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | セラミック複合装甲板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007002220U JP3132775U (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | セラミック複合装甲板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP3132775U true JP3132775U (ja) | 2007-06-21 |
Family
ID=43283483
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2007002220U Expired - Lifetime JP3132775U (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | セラミック複合装甲板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3132775U (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009264692A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Kyocera Chemical Corp | 複合防弾板 |
| CN107255430A (zh) * | 2017-08-02 | 2017-10-17 | 伍芳 | 防多发子弹射击的装甲板装置 |
| CN112140654A (zh) * | 2020-09-24 | 2020-12-29 | 西北工业大学 | 一种轻量化功能梯度复合防弹装甲板及其制备方法 |
| CN113916055A (zh) * | 2021-10-14 | 2022-01-11 | 中国人民解放军国防科技大学 | 一种包含弱连接背板的陶瓷间隙复合装甲板及制备方法 |
| CN116907290A (zh) * | 2023-08-17 | 2023-10-20 | 咸宁海威复合材料制品有限公司 | 一种抗多发穿甲燃烧弹复合装甲的成型方法 |
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2007
- 2007-03-30 JP JP2007002220U patent/JP3132775U/ja not_active Expired - Lifetime
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