JP3132718B2 - 電気的特性測定装置 - Google Patents

電気的特性測定装置

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JP3132718B2
JP3132718B2 JP07316754A JP31675495A JP3132718B2 JP 3132718 B2 JP3132718 B2 JP 3132718B2 JP 07316754 A JP07316754 A JP 07316754A JP 31675495 A JP31675495 A JP 31675495A JP 3132718 B2 JP3132718 B2 JP 3132718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線状材料の電気的
な特性を測定する電気的特性測定装置に係り、特に極低
温状態等の特殊環境下で金属材料の電気抵抗等の電気的
な特性を測定する電気的特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より金属材料の電気的特性の一つで
ある電気抵抗の測定に際しては、ホイートストーンブリ
ッジ、ダブルブリッジ等の4端子法が用いられている。
しかしながら、一般的な4端子法においては、 1) 測定現場において複数の測定対象試料の電気抵抗
を効率良く測定することができない。
【0003】2) 液体窒素(N2 )中、あるいは液体
ヘリウム(He)中等の極低温雰囲気中における測定対
象試料の電気抵抗を測定する方法がない。等の課題があ
った。上記1)の課題を解決する方法としては、特開昭
60−220872号公報に開示されているように、標
準電気抵抗と測定対象の試料抵抗を直列に接続し、標準
電気抵抗及び試料抵抗に通電し、各抵抗の両端の電圧及
び温度を順次測定することにより複数の試料抵抗の電気
抵抗を自動的に測定する方法を挙げることができる。
【0004】また、上記2)の課題を解決する方法とし
ては、特開昭60−157041号公報に開示されてい
る、試料の純度を測定するに際し、ガスサイクルによる
小型極低温冷凍機を用い試料の温度を低下させつつ各温
度における試料の電気抵抗を測定し、測定した電気抵抗
値から残留電気抵抗を求める方法を応用することが考え
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超伝導分野
における技術の進歩により極低温状態で超伝導現象を示
す物質が多種にわたって存在するようになってきた。ま
た、これらの超伝導物質の形状としては、実用上の観点
から線状のものが多くなってきており、互いに独立した
複数の線状試料の電気抵抗等の電気的特性を極低温状態
で効率良く連続的に測定可能な装置が望まれている。
【0006】しかし、上記特開昭60−220872号
公報記載の抵抗測定装置においては、その原理上、一つ
の連続した試料の部分的な電気抵抗を連続的に測定する
ことはできるが、互いに独立した複数の試料の電気抵抗
を同一の測定条件(温度等)の下で連続的に測定するこ
とはできないという問題点があった。
【0007】また、上記特開昭60−157041号公
報記載の純度測定装置においては、当該装置が試料の材
質の同定に用いることを目的としており、その装置構成
上、実用的なある程度の長さを有する線状の試料の測定
には不向きであるとともに、複数の試料に対して効率良
く、電気抵抗等の電気的特性を測定することはできない
という問題点があった。
【0008】そこで、本発明の目的は、極低温状態下や
任意の雰囲気下において互いに独立な複数の線状の試料
の電気抵抗等の電気的特性を連続的に測定することが可
能な電気的特性測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、線状試料を所定距離だけ離
間した二点で固定保持する複数のクランプ手段と、前記
クランプ手段を所定測定位置まで順次搬送する搬送手段
と、前記線状試料の電気的特性を測定する測定手段と、
前記所定測定位置に搬送された前記クランプ手段に保持
されている線状試料を少なくとも測定期間中、所定距離
だけ離間した二点で機械的に固定するとともに前記測定
手段に電気的に接続する二つの固定接続手段とを備え、
各前記固定接続手段は、前記線状試料に当接することに
より前記線状試料を協働して挟持するとともに、少なく
とも一方は線状試料を前記測定手段に電気的に接続する
端子として機能する第1接続部材及び第2接続部材と、
前記第1接続部材と前記第2接続部材が前記線状試料を
保持している場合に、前記第1接続部材と前記第2接続
部材に対し、自重により前記線状試料を機械的に固定す
るための荷重を印加する錘部材と、カム部材を有し、前
記搬送手段における前記クランプ手段の搬送状態に基づ
いて前記第1接続部材と前記第2接続部材とを前記錘部
材の荷重に抗して離間する離間手段と、を有して構成す
る。
【0010】請求項1記載の発明によれば、各クランプ
手段は、線状試料を所定距離だけ離間した二点で固定保
持する。搬送手段は、線状試料が固定保持された各クラ
ンプ手段を所定測定位置まで順次搬送する。
【0011】クランプ手段による固定保持動作及び搬送
手段による搬送動作と並行して、固定接続手段は、所定
位置に搬送されたクランプ手段に保持されている線状試
料を少なくとも測定手段による測定期間中、所定距離だ
け離間した二点で機械的に固定するとともに測定手段に
電気的に接続し、測定手段は当該線状試料の電気特性を
測定する。しかも、各固定接続手段を構成する第1接続
部材及び第2接続部材は、予め設定した所定距離離間し
て線状試料に当接することにより線状試料を協働して挟
持して、機械的に固定し、測定手段に電気的に接続す
る。 これと並行して、錘部材は、前記第1接続部材と前
記第2接続部材が前記線状試料を保持している場合に、
前記第1接続部材と前記第2接続部材に対し、自重によ
り前記線状試料を機械的に固定するための荷重を印加す
る。 一方、離間手段はカム部材により、搬送手段におけ
るクランプ手段の搬送状態に基づいて第1接続部材と第
2接続部材とを錘部材の荷重に抗して離間する。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記固定接続手段は、前記搬送手段が前記
クランプ手段を搬送中は、前記機械的な固定及び前記測
定手段に対する電気的接続を解除するように構成する。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作
用に加えて、固定接続手段は、前記搬送手段が前記クラ
ンプ手段を搬送中は、機械的な固定及び測定手段に対す
る電気的接続を(一時的に)解除するので、搬送手段は
再び線状試料が固定保持された各クランプ手段を搬送す
ることが可能となる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の発明において、前記搬送手段は、前記クラ
ンプ手段が所定位置に固定され、環状に形成されたチェ
ーンと、前記チェーンを駆動することにより前記クラン
プ手段を搬送する駆動手段と、を備えて構成する。
【0014】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは請求項2記載の発明の作用に加えて、搬送手段の駆
動手段は、クランプ手段が所定位置に固定されたチェー
ンを駆動することによりクランプ手段を環状の軌道上で
搬送する
【0015】
【0016】
【0017】請求項記載の発明は、請求項1乃至請求
のいずれかに記載の発明において、少なくとも前記
測定手段による測定中は、当該測定対象である前記線状
試料及び前記固定接続手段を極低温下に保持し、あるい
は、任意の雰囲気中に保持するための測定槽を備えて構
成する。
【0018】請求項記載の発明によれば、請求項1乃
至請求項のいずれかに記載の発明の作用に加えて、測
定槽は、少なくとも前記測定手段による測定中は、当該
測定対象である前記線状試料及び前記固定接続手段を極
低温下に保持し、あるいは、任意の雰囲気中に保持す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明の好適
な実施形態を説明する。図1に電気的な特性としての電
気抵抗を自動的に測定する電気抵抗測定装置の正面断面
図を示す。
【0020】電気抵抗測定装置は、大別すると、外部筐
体47及び測定試料を収納する測定槽7を有する本体3
0と、電気抵抗測定装置全体を制御する制御部13と、
測定試料を搬送するための駆動力を与える駆動手段とし
て機能する駆動部14と、測定試料の電気抵抗を測定す
る測定手段として機能する測定部16と、を備えて構成
されている。
【0021】本体30の測定槽7内には、第1クランプ
部2及び第2クランプ部2’で構成されるクランプ部が
複数固定され、駆動部14により駆動されて複数のクラ
ンプ部を搬送するとともに、電気抵抗の測定時には搬送
を中断してクランプ部を所定位置に保持すべく搬送手段
として機能する搬送ユニット40と、電気抵抗の測定時
には電気抵抗測定を行なうための測定端子6(図3参
照)を線状試料1に接触させて測定部16に電気的に接
続すると同時に、測定端子6を線状試料に対して機械的
に固定し、かつ、電気抵抗の非測定時には測定端子6に
対する機械的固定及び電気的接続を解除すべく二つの固
定接続手段として機能する測定端子ユニット45(図
参照)と、が設けられている。
【0022】この場合において、クランプ部はクランプ
手段として機能し、搬送ユニット40は搬送手段として
機能し、一対の測定端子ユニット45のそれぞれは固定
接続手段として機能している。外部筐体47は、真空吸
引を行なうための吸引口24を有し、測定槽7を極低温
状態に保持するための断熱層として機能する真空槽26
と、液体窒素を送入するための送入口25を有し、測定
槽7を極低温状態に保持するためにその内部に液体窒素
を収納する液体窒素槽27と、測定槽7に液体窒素等の
冷媒を送入するための送入口18と、線状試料1の装
着、取り外しが可能なように開閉自在に外部筐体47の
上側に設けられ、真空槽26U及び液体窒素槽27Uの
2重構造となっている蓋体19と、を備えて構成されて
いる。
【0023】次に搬送ユニット40の構成について図1
及び図2を参照して説明する。ここで、図2は搬送ユニ
ット40の側面拡大断面図(図1のA−A’矢視方向要
部拡大断面図)である。搬送ユニット40は、駆動部1
4によりチェーン20を介して駆動力が与えられること
により、後述の回転軸5Bを直接回転させるスプロケッ
トギア4と、第1軸受5A1 及び第2軸受5A2 に回転
自在に保持された回転軸5Aと、図示しない第1軸受及
び第2軸受に回転自在に保持された回転軸5Bと、回転
軸5Aに固定され、回転軸5Aの回転に伴って回転する
第1スプロケットギア21A、21A’と、回転軸5B
に固定され、回転軸5Bの回転に伴って回転する第2ス
プロケットギア21B(他方は図示せず。)と、複数の
第1クランプ部2が固定され、スプロケットギア21
A、21Bにより略楕円状の軌道を描いて駆動される第
1チェーン3と、複数の第2クランプ部2’が固定さ
れ、第1スプロケットギア21A’及び図示しない第2
スプロケットギアにより略楕円状の軌道を描いて駆動さ
れる第2チェーン3’と、を備えて構成されている。
【0024】次に図1乃至図3を参照して測定端子ユニ
ット45を説明する。ここで、図3は測定端子ユニット
近傍の拡大断面図(図1のB−B’矢視方向要部拡大断
面図)である。測定端子ユニット45は、第1軸受10
A及び第2軸受10Bに回転自在に保持された回転軸1
0と、回転軸10に固定されたカム11と、回転軸10
に固定され、駆動部14によりチェーン15を介して駆
動力が与えられることにより回転軸10及びカム11を
回転させるスプロケットギア17と、カム11にローラ
43Aを介して当接し、回動軸12を中心として回動す
る上側端子8を有する可動端子部50と、測定槽7に固
定され、測定部16にリード線等を介して接続され、上
側端子8と協働して線状試料1を挟み込むことにより線
状試料1を測定部16に電気的に接続する下側端子6
と、を備えて構成されている。
【0025】可動端子部50は、ローラ43Aを保持す
るための垂直アーム43及び水平アーム44を有し、水
平アーム44の下側に上側端子8が設けられたL字型支
持具9と、水平アームの一端に錘固定ネジ23により着
脱自在に取り付けられ、自重により発生するモーメント
により上側端子8及び下側端子6の間で線状試料1を挟
み込んで測定部16に電気的に接続する際に、線状試料
1を上側端子8及び下側端子6間で機械的に固定するた
めの錘22と、を備えて構成されている。
【0026】この場合において、可動端子部50の上側
端子8及び下側端子6は、一方が第1接続部材として機
能し、他方が第2接続部材として機能し、カム11はカ
ム部材として機能し、錘22は、錘部材として機能し、
垂直アーム43、水平アーム44、ローラ43A及びカ
ム11は、離間手段として機能している。
【0027】なお、測定端子ユニット45は、上述した
ように二つで一組となっており、図1において、二組が
設けられているのは、一方を電圧測定端子群として用
い、他方を電流測定端子群として用いているためであ
る。駆動部14は、図示せぬモータ及び後述するギアを
備えて構成されている。
【0028】測定部16は、4端子法(例えば、ホイー
トストーンブリッジ、ダブルブリッジ)により電気抵抗
測定を行なうために必要とされる測定器、例えば、電流
供給用電源及び電圧測定装置あるいは電流供給用電源及
び電圧測定装置が一体化した抵抗測定装置並びに測定装
置の測定結果に基づいて各種演算を行なう演算用計算機
を備えて構成されている。 (1) 基本測定動作 次に図1乃至図3を参照して電気抵抗を測定する際の操
作及び電気抵抗測定装置の基本測定動作を説明する。
【0029】まず、電気抵抗測定装置の蓋体19を開
け、制御部13の図示しない駆動スイッチを入れること
により、駆動部14を動作させ、チェーン20を介して
駆動力をスプロケットギア4に与える。スプロケットギ
ア4が回転すると回転軸5Bは回転し、この回転軸5B
に取り付けられている第2スプロケットギア21B及び
第1スプロケットギア21A’と対となって第2チェー
ン3’を駆動する図示しない第2スプロケットギアが回
転する。
【0030】回転する第2スプロケットギア21Bの駆
動力は、第1チェーン3を介して第1スプロケットギア
21Aに伝達される。また、回転軸5Bに取り付けられ
ている図示しない第2スプロケットギアの駆動力は第2
チェーン3’を介して第1スプロケットギア21A’に
伝達される。
【0031】この結果、第1チェーン3及び第2チェー
ン3’は、略楕円状の軌道を描いて駆動されることとな
る。この第1チェーン3及び第2チェーン3’の駆動に
伴って、第1クランプ部2及び第2クランプ部2’で構
成されるクランプ部が略楕円状の軌道上を駆動されるの
で、オペレータは線状試料1の取付に適した位置まで駆
動し、当該位置で停止させることにより、線状試料1を
第1クランプ部2及び第2クランプ部2’の双方を用い
て弛るませることなく固定する。
【0032】なお、図においては、第1クランプ部2
は、C点にのみ図示しているが、D点〜H点の5ヵ所に
も固定されているので、同様にして6ヵ所全てのクラン
プ部に線状試料を固定したら、蓋体19を閉じる。この
場合において、蓋体19をロックすることも可能である
が、冷媒として液体窒素を用いる場合等のように、測定
槽7内の気圧が大気圧以上になるような可能性がある場
合には、別途、逃がし弁を設ける必要がある。
【0033】次に再び、制御部13の図示しない駆動ス
イッチを入れることにより、駆動部14を動作させ、チ
ェーン20を介して駆動力をスプロケットギア4に与え
ることにより、前述の動作と同様に第1チェーン3及び
第2チェーン3’は、略楕円状の軌道を描いて駆動さ
れ、線状試料1が固定された第1クランプ部2及び第2
クランプ部2’も図3(a)、図3(b)に一点鎖線で
示す軌道に沿って駆動されることとなる。
【0034】上記スプロケットギア4の駆動と並行して
チェーン15を介して駆動力をスプロケットギア17に
与えることより、回転軸10及びカム11も回転するこ
とととなる。この場合において、線状試料1の搬送は、
上側端子8と下側端子6との間が開状態(機械的固定及
び電気的接続解除)の間に行なう必要があるが、駆動部
14の図示しないギアとして、例えば、ゼネバギア(Ge
neva gear,Maltese cross)を用いることにより、チェ
ーン15と、チェーン20の動きを上記動作に合わせて
制御することができる。
【0035】より具体的には、カム11の長径部が、図
3(a)に示すように、上側端子8が開放状態にある符
号I〜Jの区間内にある時のみ、第1クランプ部2及び
第2クランプ部2’を駆動するように構成する。この結
果、L字型支持具9の垂直アーム43がカム11の長径
側によりローラ43Aを介して押され、回動軸12を中
心として水平アーム44が回動して、上側端子8は、図
面上側に押し上げられることとなって、線状試料1は、
上側端子8及び下側端子6の間を自由に通過できる状態
となる。
【0036】線状試料1が上側端子8及び下側端子6の
間を自由に通過できる状態において、第1クランプ部2
及び第2クランプ部2’を駆動し、図3(a)中、一点
鎖線で示す軌道に沿って、線状試料1は、図中上側から
図中左側に搬送されることとなる。
【0037】そして線状試料1が上側端子8と下側端子
6との間に位置するタイミングになると、ローラ43A
はカム11の短径部に当接するようになり、線状試料1
は、上側端子8及び下側端子6に挟まれて測定部16に
電気的に接続されるとともに、錘22の自重により発生
するモーメントで機械的に固定されることとなる(図3
(b)参照)。
【0038】このとき、測定部16は、対となる二つの
下側端子6間の電流あるいは電圧を測定し、電気抵抗を
算出することとなる。つづいてカム11が回転すること
により、再びL字型支持具9の垂直アーム43がカム1
1の長径側によりローラ43Aを介して押され、回動軸
12を中心として水平アーム44が回動して、上側端子
8は、図面上側に押し上げられることとなって、上側端
子8と下側端子6とは、開状態となる(図3(a)参
照)。
【0039】上側端子8と下側端子6とが開状態となる
と、測定が終了した線状試料1は、上側端子8及び下側
端子6の間を自由に通過して、図3(a)中、一点鎖線
で示す軌道に沿って、図中左側に搬送されることとな
る。同様にして、可動端子部50の上側端子8は、制御
部13の図示しない駆動スイッチが押されることによ
り、一定の時間間隔、すなわち、線状試料1の設置間隔
に相当する時間間隔で開閉動作を繰り返すこととなる。
【0040】この上側端子8の開閉動作と並行して、図
2に示す、C点に固定された第1クランプ部2は、順次
D点→E点→F点→G点→H点と移動してゆくこととな
り、6本の線状試料の測定を連続的に行なうことが可能
となっている。同様にして第1クランプ部2に対応する
第2クランプ部2’も同期して動作を行なうようになっ
ている。
【0041】この場合において、線状試料の径等に応じ
て線状試料を機械的に固定する際の荷重を変化させる場
合には、錘固定用ネジ23をはずして、錘22を異なる
重さのものに交換すればよい。また、一対の電極となる
二つの上側端子8(あるいは下側端子6)の間の距離、
すなわち、端子間距離L(図1参照)は、一定(例え
ば、50cm以上)の距離があるものとし、この端子間
距離Lは、測定対象である線状試料の均一性及び装置全
体の経済性(距離を長くすると、装置が大型化するた
め)を考慮して最適なものに設定する必要がある。 (2) 極低温下における測定動作 以上の基本測定動作においては、大気中で、測定を行な
う場合について述べたが、以下においては、液体窒素、
液体ヘリウム等の冷媒を用い、極低温下で電気抵抗を測
定する場合の動作について基本測定動作と異なる点を主
として説明する。
【0042】基本測定動作時と同様に、6ヵ所全てのク
ランプ部に線状試料を固定したら、蓋体19を閉じる。
次に吸引口24に接続した図示しない真空ポンプにより
真空吸引を行ない、真空槽26を真空にする。
【0043】真空槽26が真空になったならば、送入口
25より液体窒素槽27に液体窒素を送入する。その
後、送入口18より測定対象に応じた冷媒(液体窒素、
液体ヘリウム等)を測定槽7に所定量送入する。
【0044】つづいて、図示しない温度センサ等により
測定槽7内の温度が十分に安定したことを確認し、制御
部13の図示しない駆動スイッチを入れることにより、
駆動部14を動作させ、第1チェーン3及び第2チェー
ン3’を略楕円状の軌道を描いて駆動し、線状試料1が
固定された第1クランプ部2及び第2クランプ部2’も
図3(a)に一点鎖線で示す軌道に沿って測定槽7内の
冷媒中を駆動、搬送されるようにする。この時、線状試
料1は上側端子8及び下側端子6の間を自由に通過でき
る状態であるので、線状試料1を上側端子8と下側端子
6との間に位置させる。
【0045】線状試料1が上側端子8と下側端子6との
間に位置するタイミングにおいて、スプロケットギア1
7の回転によりローラ43Aはカム11の短径部に当接
するようになり、図3(b)に示すように、線状試料1
は、上側端子8及び下側端子6に挟まれて測定部16に
電気的に接続されるとともに、錘22の自重により発生
するモーメントで機械的に固定されることとなる。
【0046】このとき線状試料1は、冷媒中を搬送され
たことにより冷媒と熱平衡状態となっており、測定部1
6は、対となる二つの下側端子6間の電流あるいは電圧
を測定し、線状試料1の極低温下における電気抵抗を算
出することとなる。つづいてカム11が回転することに
より、再びL字型支持具9の垂直アーム43がカム11
の長径側によりローラ43Aを介して押され、回動軸1
2を中心として水平アーム44が回動して、上側端子8
は、図面上側に押し上げられることとなって、上側端子
8と下側端子6とは、開状態となる(図3(a)参
照)。
【0047】上側端子8と下側端子6とが開状態となる
と、測定が終了した線状試料1は、上側端子8及び下側
端子6の間を自由に通過して、図中、一点鎖線で示す軌
道に沿って、図中左側に搬送されることとなる。例え
ば、G点にあった線状試料1の測定が終了すると、G点
にあった線状試料1は、H点に搬送され、同時に、H点
にあった線状試料はC点に、C点にあった線状試料はD
点に、D点にあった線状試料はE点に、E点にあった線
状試料はF点に、F点にあった線状試料はG点に搬送さ
れ、搬送が終了すると、再び測定部16は測定を行なう
こととなる。
【0048】以下、同様にして、搬送→測定→搬送→測
定→……というふうに動作を繰り返し、全て(6本)の
線状試料について測定を連続的に行なうこととなる。以
上の説明において、各部への駆動力の伝達機構として、
チェーン3、3’、15、20及びスプロケットギア1
7、21A、21A’、21Bを用いたのは、極低温環
境を含む広範囲の温度範囲で測定対象である線状試料を
測定位置(上側端子8及び下側端子6間)に正確に搬送
し、保持する必要があり、例えば、ベルト等の摩擦力を
利用した伝達機構は安定性に欠けるため用いることがで
きず、通常のギア機構のように厳しいクリアランスが要
求される伝達機構は、広範囲の温度範囲の全てに対応さ
せることはできないからである。
【0049】また、上側端子8を駆動させる機構とし
て、カム機構を用いているのは、機構が簡単であるた
め、極低温から常温までの広範囲の温度範囲で確実に動
作することができるためである。上記実施形態において
は、冷媒を用いた極低温環境下における測定についての
み説明したが、測定槽7内に油や他の非導電性の溶液を
満たしたり、ヒータ等の加熱装置を設けて加熱条件下で
測定をすることも可能である。
【0050】以上の説明のように上記実施形態によれ
ば、クランプ部(第1クランプ部2、第2クランプ部
2’)は、図2に示す略楕円軌道上を移動することとな
り、蓋体19を開状態にすることにより、容易に測定対
象の線状試料を装着することができる。
【0051】また、クランプ部の個数を増加することに
より、電気抵抗測定装置全体の容積を変更することなく
多くの試料を装着できるように構成することも可能であ
る。さらに、測定槽7内を全て冷媒、あるいは、油で満
たすことなく、測定ユニット45近傍のみが冷媒、ある
いは、油中等に浸漬するようにすることにより、測定自
体は所望の雰囲気下で行ない、線状試料の着脱は雰囲気
外で行なうように構成することも可能である。
【0052】また、上記実施形態の説明は、電気抵抗を
測定する場合のものであったが、測定部16の測定系及
び測定端子ユニット45を対応するものに変更し、さら
に保持すべき温度範囲を変更することが可能な温度制御
装置等の必要な構成を設けることにより、導電率を測定
する導電率測定装置や電気抵抗に基づいて材料の純度を
測定する純度測定装置等の他の電気的特性測定装置とし
て構成することが可能である。
【0053】さらに、駆動部14の駆動力を伝達する伝
達系統(チェーン15、20、スプロケットギア4、1
7等)の配置は、一例であり、それらの目的の範囲内で
他の配置とすることは、単なる設計上の変形であり、本
発明の範囲内に属するものであることはいうまでもな
い。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、各クラン
プ手段は、線状試料を所定距離だけ離間した二点で固定
保持し、搬送手段は、線状試料が固定保持された各クラ
ンプ手段を所定測定位置まで順次搬送し、各固定接続手
段は、所定位置に搬送されたクランプ手段に保持されて
いる線状試料を少なくとも測定手段による測定期間中、
所定距離だけ離間した二点で機械的に固定するとともに
測定手段に電気的に接続し、測定手段は当該線状試料の
電気特性を測定するので、互いに独立した複数の線状試
料の電気的特性を連続的に測定することができる。従っ
て、電気抵抗等の電気的特性の測定時間を大幅に減少す
ることができ、測定コストを低減することができる。ま
た、連続的に測定が可能であるので、離れた位置で測定
操作を行なうことができ、安全に測定を行なうことがで
きる。しかも、固定接続手段を構成する第1接続部材及
び第2接続部材は、予め設定した所定距離離間して線状
試料に当接することにより線状試料を協働して挟持し
て、機械的に固定するとともに測定手段に電気的に接続
し、錘部材は、前記第1接続部材と前記第2接続部材が
前記線状試料を保持している場合に、前記第1接続部材
と前記第2接続部材に対し、自重により前記線状試料を
機械的に固定するための荷重を印加し、離間手段はカム
部材により、搬送手段におけるクランプ手段の搬送状態
に基づいて第1接続部材と第2接続部材とを錘部材の荷
重に抗して離間するので、測定時には確実に線状試料を
固定することができるとともに、搬送時には容易に線状
試料を搬送することができ、測定の確実性の確保と測定
時間の短縮を容易に両立することができる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の作用に加えて、固定接続手段は、前記搬送手
段が前記クランプ手段を搬送中は、機械的な固定及び測
定手段に対する電気的接続を一次的に解除するので、測
定時以外の場合には、容易に線状試料の搬送を行なうこ
とができ、連続的な測定を容易、かつ、自動的に行なう
ことが可能となる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは請求項2記載の発明の作用に加えて、搬送手段の駆
動手段は、クランプ手段が所定位置に固定されたチェー
ンを駆動することによりクランプ手段を環状の軌道上で
搬送するので、極低温から常温に至る広範な温度範囲下
で確実にクランプ手段を搬送することができる。また、
線状試料を環状の軌道上を搬送するため、複数の線状試
料を効率よく収納することができ、電気的特性測定装置
全体をコンパクトにすることができる。
【0057】
【0058】請求項記載の発明によれば、請求項1乃
至請求項のいずれかに記載の発明の作用に加えて、測
定槽は、少なくとも測定手段による測定中は、当該測定
対象である線状試料及び固定接続手段を極低温下に保持
し、あるいは、任意の雰囲気中に保持するので、複数の
線状試料を極低温状態や任意の雰囲気中に保持しながら
連続的に測定を行なえ、同一の測定条件下で複数の線状
試料の測定結果を得て比較することができる。従って、
例えば、超伝導物質の極低温状態における電気抵抗の測
定、特に、超伝導物質の形状が実用的な線状形状を有す
る場合の電気抵抗の測定に大きく貢献することができ
る。また、測定槽に冷媒等を封入した極低温等の危険を
伴う測定においても、離れた位置で操作することがで
き、安全に測定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の電気抵抗測定装置の正面断面図であ
る。
【図2】図1のA−A’矢視方向要部拡大断面図であ
る。
【図3】図1のB−B’矢視方向要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 線状試料 2 第1クランプ部 2’ 第2クランプ部 3 第1チェーン 3’ 第2チェーン 4 スプロケットギア 5A 回転軸 5B 回転軸 5A1 第1軸受 5A2 第2軸受 6 下側端子 7 測定槽 8 上側端子 9 L字型支持具 10A 第1軸受 10B 第2軸受 10 回転軸 11 カム 12 回動軸 13 制御部 14 駆動部 15 チェーン 16 測定部 17 スプロケットギア 18 送入口 19 蓋体 20 チェーン 21A 第1スプロケットギア 21A’ 第1スプロケットギア 21B 第2スプロケットギア 22 錘 23 錘固定ネジ 24 吸引口 25 送入口 26 真空槽 26U 真空槽 27 液体窒素槽 27U 液体窒素槽 30 本体 40 搬送ユニット 43 垂直アーム 43A ローラ 44 水平アーム 45 測定端子ユニット 47 外部筐体 50 可動端子部 L 端子間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−167905(JP,A) 実開 昭55−80756(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 27/00 G01R 31/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状試料を所定距離だけ離間した二点で
    固定保持する複数のクランプ手段と、 前記クランプ手段を所定測定位置まで順次搬送する搬送
    手段と、 前記線状試料の電気的特性を測定する測定手段と、 前記所定測定位置に搬送された前記クランプ手段に保持
    されている線状試料を少なくとも測定期間中、所定距離
    だけ離間した二点で機械的に固定するとともに前記測定
    手段に電気的に接続する二つの固定接続手段とを備え、 各前記固定接続手段は、前記線状試料に当接することに
    より前記線状試料を協働して挟持するとともに、少なく
    とも一方は線状試料を前記測定手段に電気的に接続する
    端子として機能する第1接続部材及び第2接続部材と、
    前記第1接続部材と前記第2接続部材が前記線状試料を
    保持している場合に、前記第1接続部材と前記第2接続
    部材に対し、自重により前記線状試料を機械的に固定す
    るための荷重を印加する錘部材と、カム部材を有し、前
    記搬送手段における前記クランプ手段の搬送状態に基づ
    いて前記第1接続部材と前記第2接続部材とを前記錘部
    材の荷重に抗して離間する離間手段と、を有する、 ことを特徴とする電気的特性測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気的特性測定装置にお
    いて、 前記固定接続手段は、前記搬送手段が前記クランプ手段
    を搬送中は、前記機械的な固定及び前記測定手段に対す
    る電気的接続を解除することを特徴とする電気的特性測
    定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の電気的特
    性測定装置において、 前記搬送手段は、前記クランプ手段が所定位置に固定さ
    れ、環状に形成されたチェーンと、 前記チェーンを駆動することにより前記クランプ手段を
    搬送する駆動手段と、 を備えたことを特徴とする電気的特性測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項のいずれかに記載
    の電気的特性測定装置において、 少なくとも前記測定手段による測定中は、当該測定対象
    である前記線状試料及び前記固定接続手段を極低温下に
    保持し、あるいは、任意の雰囲気中に保持するための測
    定槽を備えたことを特徴とする電気的特性測定装置。
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