JP3132688B2 - 耐火物の製造方法 - Google Patents

耐火物の製造方法

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JP3132688B2 JP04145748A JP14574892A JP3132688B2 JP 3132688 B2 JP3132688 B2 JP 3132688B2 JP 04145748 A JP04145748 A JP 04145748A JP 14574892 A JP14574892 A JP 14574892A JP 3132688 B2 JP3132688 B2 JP 3132688B2
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迪彦 堀江
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火物の製造方法に関
し、更に詳しくは、月面上で耐火物を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】宇宙は人類に残された未知の世界の1つ
であり、人間による宇宙開発が過去にもそして現在も活
発に行われている。その結果、かっては夢の世界であっ
た月面着陸や宇宙旅行もしだいに現実のものとなり、現
在では1990年代後半に大型の宇宙ステーション、2
010年頃に月面基地の建設が具体的に計画されてい
る。かかる月面基地では月面施設を放射線や微小隕石、
温度変化等から保護するために大型の建造物が必要にな
る。従来、かかる建造物はロケットに格納できる大きさ
に分割し、ロケットで月面まで輸送し、月面で組み立て
るものと考えられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、月面施設が大
型化するにつれ、これを保護するための建造物も大型化
し、これをすべて地球から輸送することは到底不可能で
あることがわかった。また地球環境を保護するためにも
かかる建造物は月面表面に存在する材料を用いて月面で
製造することが必要になる。この建造物には、直射日光
による高温に耐える耐火度と、大型建造物に必要な圧縮
強さ、及び高温を内部に伝達しない低い熱伝導率を有す
る耐火物が要求される。
【0004】本発明は上述した問題を解決するために創
案されたものであり、月面施設を保護するための建造物
を構成するための耐火物を月面表面にある材料を用いて
月面上で製造する方法を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明によれば、月面表層のレゴリスを原料とし、
前記原料を粉砕・ふるい分けし、真空中で前記原料に成
形剤を添加し、真空中で前記原料を混合し、真空中で加
圧して前記原料を所定の形状に成形し、成形された原料
を高温高圧の真空中で焼結させ、該焼結した原料を真空
中で冷却することからなる耐火物の製造方法が提供され
る。
【0006】本発明の好ましい実施例によれば、前記成
形剤は液体ポリマー(例えば、ポリエチレングリコー
ル)である。また、前記方法は月面上で実施され、前記
成形剤は月面上で回収され、再使用されることが好まし
い。
【0007】
【作用】上記本発明の方法によれば、少なくともシリカ
を含む酸化物を原料として、真空中で容易に耐火物を製
造することができる。特にレゴリスを原料とすれば代表
的な耐火物に近い特性を有する耐火物を製造することが
できる。これらの耐火物は、1000°C以上の温度に
耐える耐火度と、100kg/cm2以上の圧縮強さ、比較的
小さい熱伝導性を有する。かかる特性は、月面施設を保
護するための建造物が具備すべき要件に一致するもので
あり、月面上の建造物を構成するための耐火物として用
いることができる。
【0008】原料は月面表層のレゴリスであるのが好ま
しい。月面上のレゴリスは全て完全な酸化物であり、従
来の耐火物のように酸化物とするために予め焼成する工
程を必要としない。また、レゴリスには結晶水が含まれ
ていないため、従来の耐火物のように加熱による脱水工
程を必要としない。また同じ理由で加熱による収縮が極
めて少なく緻密で良質の耐火物を製造することができ
る。
【0009】上記方法は全て真空中で行われるため、原
料の粒子間に気泡が含まれることがない。従って粒子間
の気泡を除く目的で従来の耐火物の製造の際に加えられ
ていた水を全く必要としない。すなわち成形剤は成形に
必要な最小の量でよい。また、成形剤は液体ポリマーで
あることが好ましい。これにより、真空中での成形が容
易になる。また、液体ポリマーは水と比較して比重が小
さく、かつ成形性が高いことから地球からの輸送コスト
を大幅に低減することができる。更に、成形剤は月面上
で回収して再使用することが好ましい。これにより、地
球からの輸送量を大幅に低減することができる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。表1は月面表層のレゴリスの主要組成を分析した
ものである。この表において試料P、O、A、Iはそれ
ぞれ採取箇所の異なるレゴリスを示している。表1から
明らかなように、試料Iを除くレゴリスはシリカ(Si
2 )を主成分とし、CaO、Al23 、MgO、Fe
O、TiO2 を含んでいる。SiO2の量は37〜48
%(重量%)、CaOの量は0〜19%、Al23 の量
は0〜34%である。
【0011】
【表1】
【0012】表2は現在知られている代表的な耐火れん
がすなわち耐火物の組成を示している。この表において
シャモットれんがは耐火粘土をいったん焼成してできた
シャモットを骨材とする最も普通の耐火れんがであり、
ろう石れんが、ケイ石れんがは、それぞれろう石、ケイ
石を原料とする耐火れんがであり、高アルミナ質れんが
はアルミナ(Al23 )を50%以上含む耐火れんがで
あり、マグネシアれんがは水酸化マグネシウムを原料と
しMgOを大量に含む耐火れんがである。いずれの耐火
れんがも、一般的には、原料を予め焼成等で完全な酸化
物とし、水を加えて混練し、成形、乾燥、焼結して製造
される。
【0013】
【表2】
【0014】表2から明らかなように、代表的な耐火物
のうち、シャモット、ろう石、ケイ石は、シリカ(Si
2 )を主成分とし、CaO、Al23 、MgO、Fe2
3、TiO2 を含んでいる。この点で代表的な耐火物
は月面表層のレゴリスと共通する。更に、表1と表2を
比較すると、レゴリスの試料P、O、Aに含まれるSi
2 の量はシャモット等の耐火れんがよりもわずかに少
ないにすぎず、アルミナ(Al23 )、その他の成分は
ばらつきも考慮すると同等程度である。従って、レゴリ
スを原料とする耐火物は、表2に示す代表的な耐火物と
完全に同じではないが、これに近い特性を有することが
明らかである。なお、必要な特性を得るために、複数の
レゴリスを混合(ブレンド)して用いるのが良い。
【0015】表2に示した耐火物は、1000°C以上
の温度に耐える耐火度と、100kg/cm2以上の圧縮強
さ、比較的低い熱伝導率を有する。かかる特性は、月面
施設を保護するための建造物が具備すべき要件に一致す
る。従って表1のレゴリスを原料とする耐火物を月面上
の建造物を構成するための耐火物として用いることがで
きる。
【0016】次にかかる耐火物の製造方法を図1を参照
して説明する。本発明による方法は、少なくともシリカ
を含む酸化物を原料1とし、前記原料1を粉砕・ふるい
分け2して適当な粒度分布になるように配合し、真空中
で前記原料に成形剤3を添加し、真空中で前記原料を混
合4し、真空中で常温加圧して前記原料を所定の形状に
成形5し、成形された原料を高温高圧の真空中で焼結6
させ、該焼結した原料を真空中で冷却7して耐火物8を
製造する。複数の原料を用いる場合には、粉砕・ふるい
分け2において混合しても良く、或いは混合4の工程に
おいて混合しても良い。
【0017】上記方法を実施するための装置には、従来
周知の装置を使用することができる。例えば原料1の収
集にはパワーシャベル、粉砕・ふるい分け2にはボール
ミル、ローラミル等の粉砕機とふるい、混合4には粉末
用の在来の混合機、成形5にはれんが等の成形機、焼結
6にはホットプレス、冷却7には在来の冷却機を用いる
ことができる。
【0018】原料1は月面表層のレゴリスであるのが好
ましい。レゴリスは表1における試料P、O、Aであれ
ば、そのまま使用しても良く、或いは試料Iを含め複数
のレゴリスを混合しても良い。月面上のレゴリスは表1
に示すように全て完全な酸化物であり、従来の耐火物の
ように酸化物とするために予め焼成する工程を必要とし
ない。また、レゴリスには結晶水が含まれていないた
め、従来の耐火物のように加熱による脱水工程を必要と
しない。また同じ理由で加熱による収縮が極めて少なく
緻密で良質の耐火物を製造することができる。
【0019】上記方法は全て真空中で行われるため、原
料の粒子間に気泡が含まれることがない。従って粒子間
の気泡を除く目的で従来の耐火物の製造の際に加えられ
ていた水を全く必要としない。すなわち成形剤は成形に
必要な最小の量でよい。また、成形剤は液体ポリマー
(例えばポリエチレングリコール)であることが好まし
い。これにより、真空中での成形が容易になる。また、
液体ポリマーは水と比較して比重が小さく、かつ成形性
が高いことから地球からの輸送コストを大幅に低減する
ことができる。更に、成形剤は月面上で焼結時に蒸発す
るが、これを冷却回収して再使用することが好ましい。
これにより、地球からの輸送量を大幅に低減することが
できる。
【0020】成形された原料の真空中での焼結は、原料
の粒子が焼結(シンタリング)する程度の温度、すなわ
ち、加圧しながら約1000°Cの温度で所定の時間保
持する。なお、加圧せずに1300〜1400°Cに加
熱してもよい。加熱に必要な熱源は、太陽発電等で得ら
れる電気を用い、電気抵抗加熱或いは誘電加熱によるの
が良いが、これ以外の方法、例えば太陽熱で直接加熱し
ても良い。
【0021】上記方法により、レゴリスを原料として表
2に示す代表的な耐火物に近い特性を有する耐火物を製
造することができる。これらの耐火物は、1000°C
以上の温度に耐える耐火度と、100kg/cm2以上の圧縮
強さ、比較的低い熱伝導率を有する。かかる特性は、月
面施設を保護するための建造物が具備すべき要件に一致
するものであり、月面上の建造物を構成するための耐火
物として用いることができる。
【0022】なお、月面上での実施について本発明を説
明したが、本発明はこれに限られるものではなく、地上
においても同様に実施することができることはいうまで
もない。
【0023】
【発明の効果】上述した本発明の方法によれば、少なく
ともシリカを含む酸化物を原料として、真空中で容易に
耐火物を製造することができる。特にレゴリスを原料と
すれば代表的な耐火物に近い特性を有する耐火物を製造
することができる。これらの耐火物は、1000°C以
上の温度に耐える耐火度と、100kg/cm2以上の圧縮強
さ、比較的低い熱伝導性を有する。かかる特性は、月面
施設を保護するための建造物が具備すべき要件に一致す
るものであり、月面上の建造物を構成するための耐火物
として用いることができる。
【0024】従って、本発明によれば、月面施設を保護
するための建造物を構成するための耐火物を月面にある
材料を用いて月面で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による耐火物の製造方法を示す工程図で
ある。
【符号の説明】
1 原料 2 粉砕・ふるい分け 3 成形剤 4 混合 5 成形 6 焼結 7 冷却 8 耐火物

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 月面表層のレゴリスを原料とし、前記原
    料を粉砕・ふるい分けし、真空中で前記原料に成形剤を
    添加し、真空中で前記原料を混合し、真空中で加圧して
    前記原料を所定の形状に成形し、成形された原料を高温
    高圧の真空中で焼結させ、該焼結した原料を真空中で冷
    却することを特徴とする耐火物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成形剤は液体ポリマーであることを
    特徴とする請求項1に記載の耐火物の製造方法。
  3. 【請求項3】 月面で実施され、前記成形剤月面上で
    回収され、再使用されることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の耐火物の製造方法。
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IT1401483B1 (it) * 2010-07-29 2013-07-26 I Agenzia Spaziale Italiana As Procedimento di fabbricazione di elementi per strutture abitative e/o industriali sul suolo lunare e/o marziano

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