JP3132435U - 防音振動杭打機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 振動機ホルダーの支持長孔に連結ピンを嵌合して機械本体のアームと連結した、傾斜状態でも杭の垂直打込みを可能とした振動杭打機に於いて、取付機構部で発生する振動騒音を抑制する。

【解決手段】 振動杭打機の取付機構部Jを構成する金属部材の、振動機2のホルダー3、ホルダー3をアーム先端1に吊下する連結ピン4、連結ピン4上に嵌合してホルダー3とアーム先端1間に介在するスペーサー5、連結ピン4両端に固定する係止リング6、等の、振動機2の振動作用で、相互に振動衝突して騒音を発生する部位に、防音材R4,R5,R6を配置して、取付機構部Jでの振動機2による騒音発生を抑制する。

【選択図】 図1

Description

本考案は、建設基礎機械としての振動杭打機に於いて、杭打ち作業時の振動機から発生する騒音を抑制して基礎杭の打込みを可能とするものであり、土木技術分野に属するものである。
従来より、振動杭打機によって杭打ち作業をすることは、出願人が実公昭63−28997号(特許文献1)として提案した如く、既に、土木施工分野で多用されている。
図7、図8は、特許文献1(従来例)に示す自走式杭打機に採用実施している振動機の取付構造詳細図である。
即ち、従来の振動機は、図7(B)に示す如く、下端に杭把持用チャックを備えた振動機を、上端のホルダー部を介して杭打機アームの先端にピン装着するものであり、振動機の杭打機アーム先端への取付けは、図7(A)に示す如く、一端にピンヘッドを、他端にボルト孔を備えた連結ピンと、スペーサーと、ボルト孔を備えた係止リングと、ボルトナットを用い、ホルダーの支持長孔とアーム先端の取付孔とを位置合せし、且つホルダーとアーム先端両側との間にはスペーサーを介在させた状態で有頭ピンを一方から貫通して、ピンの他端の突出部に係止リングを嵌め、係止リングのボルト孔とピンのボルト孔とに、ボルトを貫通してナットで止着し、図7(B)の如く、振動機を杭打機アームの先端にピン軸着している。
そして、図8(A)に示す如く、ホルダー部の軸受の軸孔は、縦方向の長径(標準:150mm)と、横方向の短径(標準:100mm)から成る縦長の楕円形とし、ピン径(標準:80mm)を軸孔の短径より小として、ピンは、軸孔に対して、上下に大寸(標準:70mm)の遊び間隔を、左右に小寸(標準:20mm)の遊び間隔を保っている。
また、両側のスペーサー内面と杭打機アーム先端の両側端面間にも、小寸(標準:15mm)の遊び間隔を保っている。
そして、該振動杭打機は、図8(B)に示す如く、稼動時に、杭打機の機械足場が傾斜地等で、機械本体及びアームが若干傾いた状態であっても、連結ピンが、縦方向楕円形の軸孔内での、ある程度の傾斜が可能であるため、及びアーム先端の幅と両側スペーサー間の遊び間隔内での、アーム先端の、ある程度の傾斜が可能であるため、杭を把持した振動機が垂直に垂下出来て、杭が垂直に打込めるように実施している。
実公昭63−28997号公報
従来例(図7、図8)の振動機は、杭打機アーム先端と、連結ピンと嵌合軸孔(縦方向楕円)との遊び間隔、及びスペーサーとアーム先端との左右の遊び間隔を備えているため、杭打機が若干傾斜状態でも、垂直に杭打ち出来る優れた作用を有するが、振動杭打機の振動機の取付機構部は、全て金属部材で構成されているため、振動杭打ち作業時には、振動機の振動がピンに伝わり、振動機のホルダー、ピン、杭打機の、各ピン取付部が、激しい振動衝突現象によって激しい音を発生する。
そして、杭打機の稼働中に、振動音が高くなると、オペレーターは付与振動が大きいと感じ、実際よりも大きな振動を付与していると錯覚して、振動力付与判断を誤ることとなり、オペレーターにとっては、適正振動の付与操作は、心労の伴う作業であった。
また、振動音が高くなれば、騒音が大きくなって、市街地での振動杭打ち施工は、騒音問題によって制約されることとなる。
本考案は、振動杭打機でありながら、振動に起因する音の発生を抑制し、オペレーターが、適正振動を、誤認、錯覚を生ずることなく付与出来、且つ、騒音問題も生ぜずに、市街地でも施工可能である、新規な振動杭打機を提供するものである。
本考案の振動杭打機は、例えば図1に示す如く、杭打機のアーム先端1に、ホルダー3の縦方向の支持長孔H3を介して、振動機2を連結ピン4で取付けた振動杭打機であって、取付機構部Jを構成する振動機2のホルダー3、ホルダー3をアーム先端1に吊下する連結ピン4、連結ピン4上に嵌合してホルダー3とアーム先端間に介在するスペーサー5、連結ピン4両端に固定する係止リング6、等の金属部材の、振動機2の振動作用及び傾動作用で、相互に衝突して騒音を発生する部位に、防音材R4,R40,R41,R5,R6を配置して、取付機構部Jでの振動機による騒音発生を抑制すると共に、アーム先端1に対する振動機2の相対傾動を可能としたものである。
この場合、防音材の配置は、相互衝突作用を弾性吸収して、金属相互の衝突音の発生を抑制すれば良く、衝突部材の衝突作用面に、軟質プラスチック等の、衝突音の発生伝播を抑制する材料片を被覆介在させることも可能であり、典型的には、天然ゴム又は合成ゴム材を介在配置する。
また、防音材R4,R40,R41,R5,R6の配置は、衝突作用面に対し、図2の如く、部分配置でも、図6の如く、全面配置でも良い。
従って、本考案の振動杭打機は、出願人等が慣用している、従来の振動杭打機の、若干傾斜した状態でも杭が垂直に打込める利点を備え、且つ、振動機のホルダーからの振動衝撃作用を受ける取付機構部が、防音材によって衝撃音の発生を抑制、吸収することにより、振動杭打機が、振動騒音を抑制して稼動出来、振動音によるオペレーターの誤判断も抑制出来、市街地でも騒音問題を生じない、実用性の高い振動杭打機である。
また、本考案の振動杭打機にあっては、連結ピン4の、両側の当接域Le外周面f4、連結ピン4に嵌合したスペーサー5の、フランジ5Fの内外両側面f5,f5´とスリーブ5S外周面fs、及びスペーサースリーブ5Sが衝突する係止リング6の内側面f6に、防音ゴムR4,R40,R41,R5,R6を配置するのが好ましい。
この場合、連結ピン4への防音ゴムの配置は、典型的には、図3に示す如く、連結ピンの両側の当接域Leにあっては、外周に嵌入溝G4を配置してゴムリングを嵌合するが、図6の如く、全表面にゴム筒R40を被覆するか、テープ状ゴム板R41を埋設貼着しても良く、スペーサー5にあっては、スリーブ5S外周面fsの嵌入溝G5、及びフランジ5Fの内側面f5及び外側面f5´に配置した嵌入溝G5に、ゴムリングR5を嵌合貼着すれば良く、係止リング6の内側面f6にあっては、嵌入溝G6に、ゴムリングR6を嵌合貼着すれば良い。
従って、振動機2の、ホルダー3の支持長孔H3からの振動衝突作用を受けるスペーサー5のスリーブ5S外周面fsと、フランジ5F外側面f5´、スペーサースリーブ5Sからの振動衝突を受ける係止リング6の内側面f6、アーム先端外側面f1と振動衝突するスペーサーフランジ5Fの内側面f5、及びスペーサー5とアーム先端とに振動衝突する連結ピン4の外周当接域Le等、振動衝突音の発生部位は、防音ゴムR4,R5,R6によって騒音の発生及び伝播が抑制出来、振動機2からの、振動音の取付機構部Jへの伝播、共鳴が抑制出来るため、振動杭打機は、振動機2が発生する固有の振動騒音のみとなり、振動騒音が、従来の振動機(図7、図8)に対して50〜60%低減出来、画期的に低騒音となる。
また、本考案の振動杭打機にあっては、例えば図1に示す如く、両側のホルダー内側面f3とアーム先端外側面f1との間に、間隔Lsを確保し、スペーサー5の、連結ピン4上での、連結ピン軸方向摺動を許容して、振動機2とアーム先端1との相対傾動を可能とするのが好ましい。
この場合、間隔Lsは、図5(A)の如く、アーム先端1及び連結ピン4がホルダー3の長孔H3内で傾斜するための、スペーサーフランジ5Fの傾動を許容するためである。
そして、アーム先端1、即ち、杭打機本体に、傾斜角θが5°程度の傾斜稼動を許容すれば、杭打機の設置準備が簡単となり、稼動率が向上する。
そして、スペーサーフランジ5Fが、実施例の図2に示す、外径DFが170mm、厚さTFが20mmの場合にあっては、間隔Lsは、スペーサーフランジ厚TFの1.5〜2倍の寸法を確保すれば、アーム先端1の連結ピン4に沿った傾斜形態での垂直杭打ち作業が可能となり、出願人等が慣用している従来機(図7、図8)と同程度の稼動率を発揮するのに十分である。
従って、連結ピン4上に、ピン軸方向に摺動可能に嵌合されたフランジ5は、内側面f5と外側面f5´とに防音材(ゴムR5)を備えて連結ピン4を左右摺動するため、フランジ5Fは、ホルダー内側面f3及びアーム先端外側面f1間での左右摺動により、本来の、振動機ホルダー3とアーム先端1との当接回避の機能を奏すると共に、連結ピン4のホルダー長孔H3内での、傾斜角θの傾動を可能とし、しかも、スペーサー5の、左右摺動に伴うフランジ5Fの、ホルダー3、及び/又は、アーム先端との当接時の必要摺動運動を奏するため、振動杭打機は、従来の振動杭打機同様の、傾斜状態での垂直杭打ち作用を達成し、且つ、振動騒音作用の抑制の下に稼動可能となる。
また、連結ピン4の外周面f4の防音ゴムR4、スペーサー5のフランジ5Fの内外側面f5,f5´の防音ゴムR5、及び係止リング6の内側面f6の防音ゴムR6は、それぞれ、嵌入溝G4,G5,G6に嵌入して取付面から3mm以内で突出形態で配置するのが好ましい。
この場合、スペーサースリーブ5S上の防音ゴムR5も、連結ピン外周面f4の防音ゴムR4同様に突出させるのが好ましい。
また、「3mm以内」の意味は、見掛け上、平坦と見える突出を含む3mmまでの意味であり、防音ゴム材表面が取付面から沈下した形態を排除する意味である。
尚、各防音ゴムR4,R5,R6は、防音作用面からは、取付機構部Jを構成する各金属製部材の表面から突出して、金属部材相互当接を阻止するのが好ましいが、防音ゴムの突出は、係止リング6の連結ピン4への嵌合作用等、各構成金属部材の嵌合作用を煩雑とする。
また、防音ゴムR4,R5,R6は、各金属部材に面一に埋設された形態、即ち、長期耐用によって、突出形態で嵌合していた防音ゴムが摩滅損傷して、見掛け上平坦となった形態でも、金属部材間の当接衝突面にゴム材が存在していれば、振動衝突音の発生、及び伝播抑制機能は、防音ゴム材が突出した状態と比較して、35〜25%減で得られること、及び、ゴム材R4,R5,R6は、取付金属面に嵌入している深さ(厚さ)が大な程、振動衝突音の発生、伝播の抑制に有効であることが稼動実験によって判明した。
従って、防音ゴムR4,R5,R6は、嵌入溝G4,G5,G6の深さを、取付金属部材の強度に支障の無い程度(標準:3〜6mm)に切込み、ゴム材の厚さ(標準:6〜9mm)を適正に選択すれば、防音ゴム材の突出寸法は、1mmでも十分であり、例え、耐用中に取付面と略平坦に摩滅変位しても、或いは当初から面一形態であっても、所期の防音機能は発揮出来、防音ゴムの無い従来の振動杭打機(図7、図8)より、格段に振動騒音が抑制出来る。
また、防音ゴムの、取付面からの突出形態を3mm以内に抑えれば、連結ピン4、スペーサー5、ホルダー3等の各金属製部材相互の、取付機構部Jの組立ては、騒音発生の一因となる嵌合部材相互の寸法ガタを最小限に抑制して、組立て作業が防音ゴム材の弾性特性によって容易に実施出来た。
しかも、防音ゴム材の嵌入溝への嵌合固定は、ゴム材の付設作業、及びゴム材取換え更新作業、が容易に実施出来る。
また、連結ピン4の、両側の防音材R4を備えた当接域Leに、両側のスペーサー5を摺動可能に緩嵌合し、スペーサーのスリーブ5S外側に、両端の係止リング6を連結ピン4に締着ボルト7で係止するのが好ましい。
スペーサー5の嵌合孔H5の内周面と、連結ピン4外周とは、振動杭打機の稼動時には、アーム先端1の押圧作用によって常時圧着状態となるが、スペーサー5が防音ゴムR4を外周に備えた連結ピンと緩嵌合であれば、アーム先端1と振動機ホルダー3との相対傾斜を許容するための、スペーサー5の必要な左右摺動が比較的スムーズに達成出来る。
そして、スペーサースリーブ5Sの端部の衝突作用を支承する係止リング6を連結ピン4の両端に固定し、係止リング6の、衝突作用支承内側面f6に防音ゴムR6を配置することにより、スペーサー5は、衝突音、振動騒音の発生、及び伝播、の抑制が、好適に実施出来る。
この場合、係止リング6の内側面f6の防音ゴムR6は、厚くして、衝撃吸収性を大とするのが好ましい。
本考案の振動杭打機は、振動機2の取付機構部Jを構成する各金属部材の、振動機2の振動作用、及び傾動作用で、相互に衝突して騒音を発生する部位に、防音材R4,R5,R6を配置したため、杭打ち作業、及び振動機の振動作用によって、取付機構部Jで発生する発生騒音、及び音の共鳴伝播が抑制出来、振動機2は、支持長孔H3によって“ガタ”の存在する形態で取付けているため、杭打機本体、即ち、アーム先端が若干傾斜した状態でも、垂直杭打ち作業が、低振動、低騒音の下に実施出来る。
図1は、実施例で得られた振動杭打機の軸取付機構部Jの正面図である。
即ち、振動杭打機の軸取付機構部Jは、従来例(図7、図8)同様に、振動機2の、両側のホルダー3の支持長孔H3と、振動杭打機のアーム先端1の取付孔H1とを、スペーサー5を介在して連結ピン4で連結取付けて、アーム先端1の若干の傾斜状態での稼動を許容するものであり、連結ピン4は、従来の一端にヘッドを備え、他端に係止リングを係止するもの(図7)に替えて、両端を同一構造とし、両端に係止リング6を係止するタイプとし、両端の係止リング6の内側面f6に、防音材としてのゴムリングR6を嵌着する。
即ち、連結ピン4、スペーサー5及び係止リング6には、新規な防音機能を付与したものであり、図2は、本案の軸取付機構部の分解正面図であり、図3は、連結ピン4、スペーサー5及び係止リング6の、リング形態の防音ゴムR4,R5,R6を嵌合止着する嵌入溝G4,G5,G6の配置説明図であり、図4は、各部材への防音ゴム嵌合状態の斜視図である。
〔連結ピン4(図2、図3、図4)〕
金属製の連結ピン4は、外径d4が65.5mm、長さL4が570mmであり、図3に示す如く、長さ215mmの中央域Lc保って、両側の当接域Leには、それぞれ6本の幅6.5mm、深さ3mmの嵌入溝G4を配置し、端部の嵌入溝G4と次の嵌入溝G4との間にボルト孔hbを配置し、各嵌入溝G4には厚さ6mm、幅6mmのゴムリングを嵌合固定して、ゴムリングR4を表面より3mm突出させ、当接域Leでは、外径が、ゴムリングR4の3mm周面突出により、71.5mmとなったものである。
〔スペーサー5(図2、図3)〕
また、スペーサー5は、標準タイプでは、厚さTFが20mmで外径DFが170mmのフランジ5Fの外面から、突出長Lsが50mmで外径dsが90mmのスリーブ5Sを突出し、連結ピン4を挿入するための、径d5が80mmの嵌合孔H5を備え、図3、図4に示す如く、フランジ5Fの内側面f5及び外側面f5´に、広幅(標準:9.5mm)の嵌入溝G5を、スリーブ5Sの外周面fsには、細幅(標準:5mm)の嵌入溝G5を2本配置し、各嵌入溝G5には、図2に示す如く、ゴムリングR5を、共に、取付面f5,f5´、及びスリーブ外周面fsから3mm突出形態に嵌合固定し、スリーブ5Sの見掛け外周径は、ゴムリングR5の3mm突出で、96mm(標準)としたものである。
〔係止リング(図2、図3、図4)〕
係止リング6は、図1の如く、連結ピン4の両端に固定して、連結ピン4の取付機構部Jからの抜脱を阻止するものであり、孔径d6が71.5mmの、連結ピン4の当接域Leを挿入する嵌合孔H6を備え、且つ、締着ボルト挿入用孔hbを備え、内側面f6にはゴムリング嵌入溝G6を配置し、該ゴム嵌入溝G6には、厚さ10mmのリング形態の防音ゴムR6を、内側面f6から3mm突出形態で嵌合固着し、連結ピン4の外径71.5mmの端部を嵌合孔H6に密着嵌入固定し、且つ、連結ピン4上を左右摺動するスペーサースリーブ5Sの外端を、厚手(標準:13mm)の防音ゴムR6で弾性的に支承して振動伝達を吸収可能とするものである。
〔取付機構部Jの組立(図2)〕
図2に示す如く、振動機のホルダー3は、両側のホルダー側板30の、内側面f3間の間隔寸法L3が370mmであり、ホルダー3の突出した両側板30は、補強板31を層着して強化し、且つ、縦150mm、横100mmの楕円形の縦長孔形態の支持長孔H3を備えている。
該ホルダー両側板30の内側面f3間に、幅L1が300mmのアーム先端を入れて、ホルダーの支持長孔H3と、アーム先端1の取付孔H1とを整合して、連結ピン4を、ピン4の両側の当接域Leにスペーサー5を嵌合した形態で挿入し、連結ピン4の両端に、係止リング6を密着嵌合し、係止リング6のボルト孔hb、及び連結ピン4のボルト孔hbを介して、慣用のボルトナット手段で、係止リング6を連結ピン4の両端に固定する。
〔取付機構部の作用(図5)〕
図5(A)は、本考案の振動杭打機の作用説明図であって、図5(B)は、図5(A)のB−B線断面図である。
即ち、前述の、実施例で製作組立てた取付機構部Jにあっては、連結ピン4、スペーサー5、ホルダー3の支持長孔H3の寸法関係は、図5(B)に示す如く、スペーサー5の外径90mmのスリーブ5Sが、外周面fsにゴムリングR5を標準3mm突出させて嵌合したために、スリーブ5Sの外径DSが標準96mmであり、スペーサースリーブ5Sが、ホルダー3の支持長孔H3の横径(短径)HD(標準:100mm)内に、小寸(標準:4mm)の隙間が存在する状態で挿入されている。
また、外径d4が65.5mmの連結ピン4は、両側の当接域Leでは、外周に嵌着したゴムリングR4が標準3mm突出して、見掛け外径が71.5mmとなっており、見掛け外径71.5mmの連結ピン4がスペーサー5の孔径d5が80mmの嵌合孔H5に、標準寸法にあっては、8.5mmの隙間S4を保って緩嵌合しており、スペーサー5は、連結ピン4上で左右摺動がスムーズとなっている。
また、連結ピン4の、見掛け外径71.5mmの当接域Leの両端には、孔径d6が71.5mmの嵌合孔H6を備えた係止リング6が密着嵌合してボルト7で固定されている。
従って、振動杭打機の稼動時は、振動機2の振動作用が、ホルダー両側板30→スペーサー5→連結ピン4→アーム先端、のルートで伝播されるが、これら金属製の各部材の、接触、衝突して振動音を発生、伝播する各部位、即ち、スペーサースリーブ5Sの外周面fs、連結ピン4の外周面f4、スペーサー5の、ホルダー側板30と衝突するフランジ5Fの外側面f5´、スペーサー5の、アーム先端と衝突する内側面f5等は、防音材としてのゴムリングが介在しているため、取付機構部Jの各金属部材相互の、振動音の発生、伝播、は抑制出来る。
そして、傾斜地等で、機械本体が若干(傾斜角θが5°前後)傾斜した状態で設置されていても、図5(A)に示す如く、機械本体のアーム先端1に嵌合した連結ピン4は、スペーサー5が、フランジ5Fの、外面の隙間S5及び内面の隙間S4を生ずる連結ピン4上での左右摺動を伴って、ホルダー3の支持長孔H3内で、傾斜角θの傾動が可能であり、アーム先端1が若干角度(θ)傾斜した状態でも、ホルダー3は、垂直状態で振動機2による垂直杭打ち作業を達成する。
〔その他〕
防音材R4,R5,R6として、実施例では、リング(環状)形態のゴム材を用いたが、例えば、連結ピン4の表面の当接域Leに付設する防音ゴムR4としては、図6(A)に示す如く、長尺ゴム筒R40を被覆貼着しても良く、図6(B)に示す如く、長尺ゴム板R41を長手方向の嵌入溝内に嵌入貼着しても良い。
本考案の取付機構部の正面図である。 本考案の取付機構部の分解図である。 本考案実施例の、防音ゴム付設用嵌入溝の配置説明図である。 本考案実施例の、防音ゴム付設状態の分解斜視図である。 本考案の、取付機構部の作用説明図であって、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 本考案の連結ピンの変形例図であって、(A)は長尺ゴム筒を適用する図、(B)は長尺ゴム板を適用する図である。 従来例図であって、(A)は分解図、(B)は組立て状態正面図である。 従来例の作用説明図であって、(A)は取付機構部の側面図、(B)は傾動状態正面図である。
符号の説明
1 アーム先端(アーム)
2 振動機
3 ホルダー
4 連結ピン
5 スペーサー(防音スペーサー)
5F スペーサーフランジ(フランジ)
5S スペーサースリーブ(スリーブ)
6 係止リング
7 締着ボルト(ボルト)
30 ホルダー側板
31 補強板
f1 アーム先端外側面
f3 ホルダー内側面
f4 連結ピン外周面
f5 フランジ内側面
f5´ フランジ外側面
f6 係止リング内側面
fs スリーブ外周面
G4,G5,G6 嵌入溝
H1 取付孔
H3 支持長孔(長孔)
H5,H6 嵌合孔
hb ボルト孔(ボルト挿入用孔)
J 取付機構部
Le 当接域
Ls 間隔
R4,R5,R6 防音材(防音ゴム、ゴムリング、ゴム材)
R40 長尺ゴム筒(防音材、ゴム筒、防音ゴム)
R41 長尺ゴム板(防音材、ゴム板、防音ゴム)
S1,S4,S5 隙間

Claims (5)

  1. 杭打機のアーム先端(1)に、ホルダー(3)の縦方向の支持長孔(H3)を介して、振動機(2)を連結ピン(4)で取付けた振動杭打機であって、取付機構部(J)を構成する振動機(2)のホルダー(3)、ホルダー(3)をアーム先端(1)に吊下する連結ピン(4)、連結ピン(4)上に嵌合してホルダー(3)とアーム先端間に介在するスペーサー(5)、連結ピン(4)両端に固定する係止リング(6)、等の金属部材の、振動機(2)の振動作用及び傾動作用で、相互に衝突して騒音を発生する部位に、防音材(R4,R40,R41,R5,R6)を配置して、取付機構部(J)での振動機による騒音発生を抑制すると共に、アーム先端(1)に対する振動機(2)の相対傾動を可能とした、振動杭打機。
  2. 連結ピン(4)の、両側の当接域(Le)外周面(f4)、連結ピン(4)に嵌合したスペーサー(5)の、フランジ(5F)の内外両側面(f5,f5´)とスリーブ(5S)外周面(fs)、及びスペーサースリーブ(5S)が衝突する係止リング(6)の内側面(f6)に、防音ゴム(R4,R40,R41,R5,R6)を配置した、請求項1の振動杭打機。
  3. 両側のホルダー内側面(f3)とアーム先端外側面(f1)との間に、間隔(Ls)を確保し、スペーサー(5)の、連結ピン(4)上での、連結ピン軸方向摺動を許容して、振動機(2)とアーム先端(1)との相対傾動を可能とした、請求項1又は2の振動杭打機。
  4. 連結ピン(4)の外周面の防音ゴム(R4)、スペーサー(5)のフランジ(5F)の内外側面の防音ゴム(R5)、及び係止リング(6)の内側面(f6)の防音ゴム(R6)は、それぞれ、嵌入溝(G4,G5,G6)内に嵌入して取付面から3mm以内で突出形態で配置した、請求項2、又は3の振動杭打機。
  5. 連結ピン(4)の、両側の防音材(R4)を備えた当接域(Le)に、両側のスペーサー(5)を摺動可能に緩嵌合し、スペーサーのスリーブ(5S)外側に、両端の係止リング(6)を連結ピン(4)に締着ボルト(7)で係止した、請求項1乃至4のいずれか1項の振動杭打機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017123894A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社サムソン 撹拌釜
JP7473425B2 (ja) 2020-09-01 2024-04-23 鹿島建設株式会社 打設機

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