JP3132274B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JP3132274B2
JP3132274B2 JP05331812A JP33181293A JP3132274B2 JP 3132274 B2 JP3132274 B2 JP 3132274B2 JP 05331812 A JP05331812 A JP 05331812A JP 33181293 A JP33181293 A JP 33181293A JP 3132274 B2 JP3132274 B2 JP 3132274B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンの空燃比制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる三元触媒方式では、排気三成分
(CO,HC,NOx)の転化率をいずれも高めるた
め、触媒を通過する排気中の空燃比が、理論空燃比を中
心としたある狭い範囲内に収まるように空燃比のフィー
ドバック補正を行っている(株式会社 鉄道の日本社発
行の自動車工学・1991年6月号第45頁〜第48頁
参照)。
【0003】この場合のフィードバック補正は、比例分
と積分分とを空燃比フィードバック補正係数αの更新量
として空燃比をある幅で振らせるもので、排気空燃比が
たとえばリーン側からリッチ側に反転した直後は比例分
Rを差し引く(リッチ側からリーン側に反転した直後
は比例分PLを加算する)ことで反転したと逆の方向に
空燃比が応答よく戻るようにし、その後は空燃比が再び
反転するまで小さな値の積分分IRを差し引く(比例分
Lの後は積分分ILを加える)ことで制御を安定させる
のである。
【0004】ところで、上記の空燃比のフィードバック
の補正は、触媒が活性温度域にあることを前提とするも
のであるが、この場合(つまり触媒が活性温度域にある
場合)においても触媒の最適な転化率を得るための空燃
比は触媒温度により異なっている。
【0005】しかしながら、上記の装置では比例分
R、PLと積分分IR、ILとを、触媒の活性温度域にお
けるある想定した触媒温度に対してマッチングしている
ため、実際の触媒温度がこの想定温度からずれた場合に
は、触媒の転化率を最適にすることができない。
【0006】そこでこの発明は、触媒温度を検出し、触
媒温度が触媒の活性温度域において所定の想定温度から
低温側に外れたときは、制御平均空燃比をリッチ側にシ
フトさせることにより、触媒の転化率を向上させること
を目的とする。
【0007】第1の発明は、図20に示すように、触媒
の温度を検出する手段31と、前記触媒を流れる排気中
の酸素濃度を検出するセンサー32と、このセンサー検
出値に基づき、前記触媒を流れる排気の制御平均空燃比
と前記触媒の転化率を最適にするための空燃比とを所定
の想定温度Tsoで一致させる、基本比例分(たとえば
リッチ側への反転時はPR、リーン側への反転時はPL
を算出する手段35と、前記触媒温度の検出値が触媒の
活性温度域において前記想定温度Tsoから低温側に外
れたとき前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる
比例分補正量(たとえばPRに対してFPR、PLに対し
てFPL)を算出する手段36と、この比例分補正量F
PR、FPLで前記基本比例分PL、PRを補正して比例
分を算出する手段37と、この比例分を用いて空燃比フ
ィードバック補正量αを更新する手段38と、この空燃
比フィードバック補正量αで運転条件信号に応じた基本
噴射量Tpを補正して燃料噴射量を算出する手段39
と、この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射するインジェ
クター40とを設けた。
【0008】第2の発明は、図21に示すように、触媒
の温度を検出する手段31と、前記触媒を流れる排気中
の酸素濃度を検出するセンサー32と、このセンサー検
出値に基づき、前記触媒を流れる排気の制御平均空燃比
と前記触媒の転化率を最適にするための空燃比とを所定
の想定温度Tsoで一致させる、基本積分分(たとえば
リッチ側の継続時はIR、リーン側の継続時はIL)を算
出する手段34と、前記触媒温度の検出値が触媒の活性
温度域において前記想定温度Tsoから低温側に外れた
とき前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる積分
分補正量(たとえばIRに対してFIR、ILに対してF
IL)を算出する手段51と、この積分分補正量FI
L、FIRで前記基本積分分IL、IRを補正して積分分
を算出する手段52と、この積分分を用いて空燃比フィ
ードバック補正量αを更新する手段53と、この空燃比
フィードバック補正量αで運転条件信号に応じた基本噴
射量Tpを補正して燃料噴射量を算出する手段39と、
この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射するインジェクタ
ー40とを設けた。
【0009】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域におい
前記想定温度Tsoから低温側に外れるほど制御平均
空燃比のリッチ側へのシフト量が大きくなるように前記
補正量(第1の発明では比例分補正量、第2の発明では
積分分補正量)を前記触媒温度の検出値に応じて算出す
る。
【0010】第4の発明は、図22に示すように、触媒
の温度を検出する手段31と、前記触媒を流れる排気中
の酸素濃度を検出するセンサー32と、このセンサー検
出値に基づき、前記触媒を流れる排気の制御平均空燃比
と前記触媒の転化率を最適にするための空燃比とを所定
の想定温度Tsoで一致させる、基本比例分(たとえば
リッチ側への反転時はPR、リーン側への反転時はPL
を算出する手段61と、この基本比例分PR、PLを用い
て空燃比フィードバック補正量αを更新する手段63
と、この空燃比フィードバック補正量αで運転条件信号
に応じた基本噴射量Tpを補正して燃料噴射量を算出す
る手段39と、この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射す
るインジェクター40と、前記触媒温度の検出値が触媒
の活性温度域において前記想定温度Tsoから低温側に
外れたとき、前記基本比例分を用いての空燃比フィード
バック補正量αの更新を排気空燃比のリーン側からリッ
チ側への反転時より所定時間遅らせることにより前記制
御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる手段64とを設
けた。
【0011】第5の発明は、第4の発明において、前記
触媒温度の検出値が触媒の活性温度域において前記想定
温度Tsoから低温側に外れるほど前記制御平均空燃比
のリッチ側へのシフト量が大きくなるように、前記所定
時間を前記触媒温度の検出値に応じて算出する。
【0012】第6の発明では、第1、第2,第4の発明
のいずれか一つにおいて、前記触媒温度検出手段31
は、図23に示すように、エンジンの運転条件信号(た
とえば回転数と負荷)を受けて前記触媒の平衡温度TC
Aを算出する手段71と、この平衡温度の一次遅れで変
化する値を前記触媒の温度として予測する手段72とか
らなる。第7の発明では、第1の発明において、前記比
例分補正量を算出する手段は、前記触媒温度の検出値が
前記想定温度から高温側に外れたときも制御平均空燃比
をリッチ側にシフトさせる比例分補正量を算出する。第
8の発明では、第2の発明において、前記積分分補正量
を算出する手段は、前記触媒温度の検出値が前記想定温
度から高温側に外れたときも制御平均空燃比をリッチ側
にシフトさせる積分分補正量を算出する。第9の発明で
は、第4の発明において、前記制御平均空燃比をリッチ
側にシフトさせる手段は、前記触媒温度の検出値が前記
想定温度から高温側に外れたときも前記基本比例分を用
いての空燃比フィードバック補正量αの更新を排気空燃
比のリーン側からリッチ側への反転時より所定時間遅ら
せることにより制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせ
る。第10の発明では、第1から第9までのいずれか一
つの発明において、前記触媒の暖機が完了したかどうか
を判定する手段を有し、この判定結果より触媒の暖機が
完了した後に、前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度
域において前記想定温度から低温側に外れたときの前記
制御平均空燃比のリッチ側へのシフトを行わせる。
【0013】
【作用】第1の発明で触媒温度の検出値が触媒の活性温
度域において所定の想定温度Tsoから低温側に外れた
とき制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる比例分補
正量が算出され、この比例分補正量で基本比例分PL
Rが補正されると、制御平均空燃比のリッチ側へのシ
フトで最適な転化率を得るための空燃比に近づくことか
ら、触媒温度が触媒の活性温度域において所定の想定温
度Tsoから低温側に外れたときでも、触媒の転化率が
向上する。
【0014】第2の発明で触媒温度の検出値が触媒の活
性温度域において想定温度Tsoから低温側に外れたと
き制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる積分分補正
量が算出され、この積分分補正量で基本積分分IL、IR
が補正されるときも、制御平均空燃比のリッチ側へのシ
フトで最適な転化率を得るための空燃比に近づくことか
ら、触媒温度が触媒の活性温度域において想定温度Ts
oから低温側に外れたときにおいても触媒の転化率が向
上する。
【0015】第3の発明で、触媒温度の検出値が触媒の
活性温度域において想定温度から低温側に外れるほど制
御平均空燃比のリッチ側へのシフト量が大きくなるよう
に比例分補正量や積分分補正量が触媒温度の検出値に応
じて算出されると、第1または第2の発明の作用に加え
て、触媒の活性温度域における想定温度より低温側のど
のような触媒温度でも比例分補正量や積分分補正量が過
不足なく与えられる。
【0016】第4の発明で、制御平均空燃比と触媒の転
化率を最適にするための空燃比とを所定の想定温度Ts
oで一致させる基本比例分を用いて空燃比フィードバッ
ク補正量αを更新する際に、触媒温度の検出値が触媒の
活性温度域において前記想定温度Tsoから低温側に外
れているときは排気空燃比のリーン側からリッチ側への
反転時より所定時間遅らせて更新することでも、制御平
均空燃比がリッチ側へシフトして最適な転化率を得るた
めの空燃比に近づく。
【0017】第5の発明で、触媒温度の検出値が触媒の
活性温度域において想定温度Tsoから低温側に外れる
ほど制御平均空燃比のリッチ側へのシフト量が大きくな
るように、前記所定時間が前記触媒温度の検出値に応じ
て算出されると、第4の発明の作用に加えて、触媒の活
性温度域における想定温度より低温側のどのような触媒
温度でも前記所定時間が過不足なく与えられる。
【0018】第6の発明で、エンジンの運転条件信号を
受けて触媒の平衡温度を算出し、この平衡温度の一次遅
れで変化する値を触媒温度として予測すると、第1、第
2,第4の発明のいずれか一つの作用に加えて、触媒温
度センサーが不要となり、コストが削減される。第7、
第8、第9の発明で、触媒温度の検出値が所定の想定温
度から高温側に外れたときも制御平均空燃比をリッチ側
にシフトさせるので、この場合にも触媒温度の検出値が
触媒の活性温度域において低温側に外れたときと同じに
制御平均空燃比が最適な転化率を得るための空燃比に近
づくことから触媒温度が所定の想定温度から高温側に外
れたときでも触媒の転化率が向上する。触媒の暖機途中
においても触媒温度の検出値が触媒の活性温度域におい
所定の想定温度から低温側に外れたときの制御平均空
燃比のリッチ側へのシフトを行わせるとすれば、空燃比
のフィードバック補正にかえって誤差が生じる可能性が
あるが、第10の発明で、触媒の暖機が完了した後にだ
け、触媒温度の検出値が触媒の活性温度域において所定
の想定温度から低温側に外れたときの制御平均空燃比の
リッチ側へのシフトを行わせると、こうした誤差が生じ
ることが避けられる。
【0019】
【実施例】図1において、エアクリーナーから吸入され
た空気は、一定の容積を有するコレクター部にいったん
蓄えられ、ここから分岐管をへて各気筒に流入する。各
気筒の吸気ポートにはインジェクター4が設けられ、こ
のインジェクター4からエンジン回転に同期して間欠的
に燃料が噴射される。この噴射燃料と空気とから形成さ
れる混合気は、燃焼室内でピストンにより圧縮され、点
火プラグから発する火花の助けをかりて燃焼する。
【0020】インジェクター4からの噴射時間が長くな
れば噴射量が多くなり、噴射時間が短くなれば噴射量が
少なくなる。混合気の濃さつまり空燃比は、一定量の吸
入空気に対する燃料噴射量が多くなればリッチ側にず
れ、燃料噴射量が少なくなればリーン側にずれる。した
がって、マイクロコンピューターからなるコントロール
ユニット21で吸入空気流量との比が一定となるように
燃料の基本噴射流量を決定してやれば運転条件が違って
も同じ空燃比が得られる。燃料の噴射がエンジンの1回
転について1回行われるときは、1回転で吸い込んだ空
気量に対して基本噴射パルス幅Tpをそのときの吸入空
気流量とエンジン回転数とから求めるのである。通常こ
のTpにより決定される空燃比(ベース空燃比といわれ
る)は理論空燃比付近になっている。
【0021】排気管5には燃焼室から排出されるCO,
HC,NOxといった三つの有害成分を処理する触媒
(三元触媒)6が設けられる。触媒6が有害三成分を同
時に効率よく処理できるのは、触媒6の活性温度域にお
いて排気空燃比が理論空燃比を中心とする狭い範囲(触
媒ウインドウ)にあるときだけである。この範囲に空燃
比を収めるため、コントロールユニット21では、触媒
6の上流に設けたO2センサー12の出力にもとづいて
インジェクター4からの燃料噴射量をフィードバック補
正する。
【0022】さて、触媒温度が高くなると、リーン域で
のNOxについての触媒の転化率が悪くなるため、H
C,COとNOxについての両者の転化率が最適にバラ
ンスするときの空燃比(つまり最適な転化率を得るため
の空燃比)は、図2に示したようにリッチ側にずれる。
一方、O2センサー出力もすべての排気温度に対して一
定でなく、触媒の活性温度域において排気温度が低くな
るとO2センサー出力がリーン側にシフトするため、こ
れに伴って図3のように制御平均空燃比が触媒の活性温
度域において排気温度が低くなるほどリーン側にずれ
る。
【0023】こうした両者の特性を重ねてみると、図4
に示したように、最適な転化率を得るための空燃比と制
御平均空燃比のあいだのずれは、触媒の活性温度域にお
いて触媒温度が低くなるほど大きくなり、この逆に触媒
温度が高くなってもずれが大きくなっている。なお、図
4において制御平均空燃比と最適な転化率を得るための
空燃比とがちょうど一致するときの温度Tsoが、従来
装置でいう比例分と積分分をマッチングしたときの想定
温度である。
【0024】したがって、実際の触媒温度が触媒の活性
温度域において想定温度Tsoと異なったときは、制御
平均空燃比が最適な転化率を得るための空燃比よりリー
ン側にずれるため、最適な転化率が得られない。
【0025】これに対処するため、コントロールユニッ
ト21では、触媒温度を検出し、この触媒温度の検出値
触媒の活性温度域において想定温度Tsoより外れた
ときは制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる。図4
において、実線で示した制御平均空燃比を矢印の向きに
シフトさせることによって、最適な転化率を得るための
空燃比(破線で示す)に近づけようというのである。
【0026】この制御に必要となるセンサーは、エアク
リーナーから吸入される空気流量に応じた出力をするエ
アフローメーター7、単位クランク角度ごとの信号とR
ef信号(クランク角度の基準位置信号のこと)とを出
力するクランク角度センサー10、その出力が排気中の
酸素濃度に反応し理論空燃比を境に値の急変する特性の
2センサー12などであり、これらの信号が、アイド
ルスイッチ9、水温センサー11、ノックセンサー1
3、車速センサー14からの信号とともにコントロール
ユニット21に入力されている。
【0027】図5はベースフローで、一定周期(たとえ
ば10ms)で実行する。
【0028】ステップ1でスタータースイッチ(図では
スターターSWで略記)からの信号がONからOFFに
切換わったかどうかをみて、切換われば始動時であると
判断し、ステップ2と3で始動からの経過時間を表すタ
イマー値TIMERに初期値の0を入れ、また始動時水
温TWINTから図6を内容とするテーブルを参照して
所定値T1を求める。
【0029】所定値T1は、触媒の暖機必要温度域(た
とえば触媒温度で100〜300℃)と暖機完了温度域
(触媒の活性温度域)の境界を定める値で、図6に示し
たように、始動時水温TWINTが高いほど所定値T1
の値を小さくしている。始動時水温が高いほど所定値T
1の値を小さくするのは、始動時水温が高ければ触媒の
暖機完了も早いはずであるからである。
【0030】ステップ4ではエンジン回転数NRPMと
基本噴射パルス幅(エンジン負荷相当量)Tpから図7
を内容とするマップを参照して、触媒の平衡温度TCA
を求める。
【0031】平衡温度TCAはエンジンの運転条件を定
常状態に保ったときの触媒温度であり、図7に示したよ
うに、基本噴射パルス幅Tpが大きくなるほどまた回転
数NRPMが高くなるほど高くなる値である。具体的な
値はエンジンの機種により異なることがあるので、マッ
チングにより定める。
【0032】ステップ5と6では次の条件 〈1〉タイマー値TIMER>所定値T1であること、 〈2〉冷却水温TW>所定値(一定値)TW1であるこ
と の両方を満たすかどうかみて、両方の条件を満たす場合
に、触媒の暖機が完了したと判断し、ステップ7に進ん
で、触媒温度の予測値TCを TC=TC×K1+TCA×(1−K1) …(1) ただし、K1;加重平均係数 の式で求める。今回算出した平衡温度TCAと変数TC
(右辺のTCで前回の触媒温度予測値を表す)との加重
平均値を新ためて変数TCに入れるわけである。加重平
均値(つまり平衡温度の一次遅れで変化する値)を触媒
温度であると予測しているのである。なお、触媒に温度
センサーを設けることで、触媒温度を求めることもでき
る。
【0033】上記の〈1〉と〈2〉の条件のいずれかで
も満たさないときは、ステップ9で変数TCに平衡温度
TCAをそのまま入れる。
【0034】また、触媒温度の予測値を算出するときは
ステップ8でフラグF2の値を“0”に、予測値を算出
しないときはステップ10でフラグF2の値を“1”に
セットする。このフラグF2は触媒の暖機を完了してい
るかどうかを知るためのフラグで、後述する図8のステ
ップ31と37で使用する。
【0035】ステップ11では図8のサブルーチンに進
んで、空燃比フィーバック補正係数αを更新し、この空
燃比フィードバック補正係数αを用い、ステップ12で
インジェクター4に与える燃料噴射パルス幅Tiを、 Ti=Tp×CO×α+Ts …(2) ただし、CO;1と各種補正係数との和 Ts;無効パルス幅 の式で計算し、計算した値をステップ13で出力レジス
ターに転送する。
【0036】(2)式はさまざまな運転条件での噴射パ
ルス幅を含ませた一般式であり、エンジンの暖機後に空
燃比フィードバック条件に入ったときは、 Ti=Tp×α+Ts …(3) の式となり、空燃比フィードバック補正係数αによって
基本噴射パルス幅Tpを補正するわけである。
【0037】なお、(2)式の基本噴射パルス幅Tpは Tp=(Qa/NRPM)×K …(4) ただし、Qa;エアフローメーター出力 K;ベース空燃比を定める定数 の式で与えられることはいうまでもない。
【0038】また、次回のステップ5での判定のため、
ステップ14でタイマー値TIMERを TIMER=TIMER+DT ただし、DT;図5の制御周期 …(5) の式でインクリメントする。
【0039】図8(図5のステップ11のサブルーチン
A)は空燃比フィードバック補正係数αを更新するため
の流れ図で、図5のベースフローとは独立に、Ref信
号に同期して実行する。Ref信号に同期させるのは、
燃料噴射がRef信号同期であり、系の乱れもRef信
号同期であるため、これに合わせたものである。
【0040】ステップ21では空燃比フィードバック条
件(図ではF/B条件で略記する)するかどうかみて、
フィードバック条件でなければ、ステップ22でαを1
00%に固定する。空燃比フィードバック停止条件は、
始動時、低水温時、アイドル時、O2センサーの異常
時、O2センサーのリッチとリーンの反転周期が所定値
以上になったときなどであり、これらの条件以外がフィ
ードバック条件である。
【0041】フィードバック条件のときは、ステップ2
3でO2センサー出力ORS1をAD変換(アナログデ
ジタル変換)して取り込む。
【0042】ステップ24,25,26,27,28,
29は排気空燃比がリッチ側からリーン側へあるいはそ
の逆へと反転したときか、継続して同じ側にいるときか
を判断する部分である。
【0043】ステップ24でセンサー出力ORS1とス
ライスレベルSLを比較し、ORS1<SLであれば排
気空燃比が理論空燃比よりリーン側にあると判断しステ
ップ25でフラグF1を“0”に、ORS1≧SLであ
るときはリッチ側にあると判断しステップ26でフラグ
F1を“1”にセットする。ステップ27ではフラグF
1の値が前回と今回で反転したかどうかみて、反転した
ときはステップ28に進んでフラグF1の値をみる。
【0044】F1=0であれば今回リーン側に反転した
と判断してステップ30に、またF1=1であるときは
今回リッチ側に反転したと判断してステップ36に進
む。
【0045】ステップ30ではエンジン回転数NRPM
と基本噴射パルス幅Tpからマップを参照して基本比例
分PLを求める。同様にしてステップ36でもマップを
参照して基本比例分PRを求める。
【0046】基本比例分PLとPRとは、想定温度TC0
で制御平均空燃比が最適な転化率を得るための空燃比と
一致するようにマッチングしたときの比例分のことであ
る。基本比例分PLとPRの値は基本的には同じでよく、
図9に示したように、運転領域をほぼ2つに分け、低中
負荷域域では3〜6%の値を、高負荷域になると1〜2
%の小さな値を入れている。これは、比例分をある程度
大きくすることで排気空燃比をある幅で振らしてやった
ほうが触媒の転化率が高まるのであるが、その一方で排
気空燃比の振れ幅を大きくすると、サージが発生しやす
くなる。そこで、使用頻度の高くない領域(つまり高負
荷域)ではサージが発生しないよう、使用頻度の高い低
中負荷域よりも比例分を小さくしているわけである。な
お、低中負荷域の一部にサージが敏感に感じられる領域
(サージ領域と呼ばれる)があり、この領域でもPL
Rの値を1〜2%の値としている。
【0047】ステップ31と32で次の条件の両方を満
たすかどうかをみる。 〈3〉F2=0であること。つまり触媒の暖機完了後で
ある。 〈4〉PL>PL1であること。所定値PL1はたとえば
2%で、PL>PL1を満たす領域とは、サージ領域を除
く低中負荷域のことである。低中負荷域では触媒温度が
大きく変化するので、運転条件によっては触媒温度が想
定温度Tsoから大きく外れるのである。
【0048】〈3〉と〈4〉の両方の条件を満たすと、
ステップ33で触媒温度の予測値TCから図10の実線
を内容とするテーブルを参照して比例分補正量FPLを
求め、この補正量FPLを用いてステップ34で空燃比
フィードバック補正係数αを、 α=α+(PL+FPL) …(6) の式で更新する。
【0049】同様にして、ステップ37,38でも次の
条件 〈5〉F2=0であること、 〈6〉PR>所定値(たとえば2%)PR1であること、 の両方を満たすかどうかをみて、両方の条件を満たすと
きはステップ39で触媒温度の予測値TCから図10の
破線を内容とするテーブルを参照して比例分補正量FP
Rを求め、この補正量FPRを用いてステップ40で空
燃比フィードバック補正係数αを、 α=α−(PR+FPR) …(7) の式で更新する。
【0050】2つの補正量FPLとFPRを図10の各
特性とするのは次の理由による。図4より、想定温度T
so以外の触媒温度でも制御平均空燃比が最適な転化率
を得るための空燃比と一致するようにするには、制御
平均空燃比をリッチ側にシフトさせ、かつそのリッチ
側へのシフト量を触媒温度が想定温度Tsoより低くな
るほど(想定温度Tsoより高くなるときも)大きくす
る必要がある。
【0051】ここで、よりPL+FPL>PR+FPR
(つまりFPL>FPR)の関係を満足させ、またよ
り想定温度Tsoより低温になるほど(想定温度Tso
より高温になるときも)ほどFPL−FPRの差を大き
くしなければならないので、結局2つの補正量FPLと
FPRの特性は図10のようになるのである。
【0052】なお、制御平均空燃比と最適な転化率を得
るための空燃比とが一致するときの温度(つまり想定温
度Tso)は、図4で示したように常に触媒温度域のの
中央位置にくるものでなく、モードの違い(たとえばア
メリカモードと欧州モードの違い)や触媒位置の相違な
どによって、図11や図12に示したように変わってく
る。さらにエンジンの種類によって排気温度が異なるた
め、エンジンの種類の相違による差もでてくる。したが
って、適用するモード、触媒の位置、エンジンの種類な
どを考慮して、補正量FPLとFPRの各特性を具体的
に定めなけばならない。
【0053】上記の〈3〉、〈4〉のいずれかの条件で
も満たさないとステップ35で空燃比フィードバック補
正係数αを、 α=α+PL …(8) の式で、また上記の〈5〉、〈6〉のいずれかの条件を
満たさないときはステップ41で空燃比フィードバック
補正係数αを、 α=α−PR …(9) の式で、従来と同じに更新する。
【0054】上記〈3〉、〈5〉の条件を満たさない場
合とは触媒の暖機途中のことである。触媒の暖機途中で
はO2センサーと触媒の温度差を予測することが困難で
あり、上記の補正量FPLとFPRを用いて比例分の補
正を行うとすればかえって誤差を生じる可能性があるた
め、比例分の補正は行わない。また、〈4〉、〈6〉の
条件を満たさない場合は高負荷域(低中負荷域のサージ
領域についても)である。高負荷域ではサージが発生し
ないように基本比例分の値をもともと小さくしているの
であるから、上記の補正量FPLとFPRを用いての補
正によって比例分を大きくしないようにするわけであ
る。
【0055】一方、ステップ27で反転しなかったとき
は、ステップ29でフラグF1の値をみてF1=0であ
れば続けてリーン側にあると判断してステップ42に進
み、空燃比フィードバック補正係数αを α=α+IL …(10) ただし、IL;基本積分分(一定値) の式で、またF1=1であるときは続けてリッチ側にあ
ると判断し、ステップ43でαを α=α−IR …(11) ただし、IR;基本積分分(一定値) の式で従来と同じに更新する。なお、基本積分分IL
Rの値も基本的には同じでよい。
【0056】ここで、この例の作用を説明する。この例
では触媒温度が触媒の活性温度域において想定温度Ts
oから外れたときは一方の比例分補正量FPLでこれに
対応する基本比例分PLが、また他方の比例分補正量F
PRでこれに基本比例分PRがそれぞれ補正され、この
補正された比例分PL+FPLとPR+FPRを更新量と
して空燃比フィードバック補正量αが更新されると、制
御平均空燃比がリッチ側にシフトして最適な転化率を得
るための空燃比に近づくことから、触媒温度が触媒の活
性温度域において想定温度Tsoから外れたときでも、
触媒の転化率が向上する。
【0057】また、触媒温度が触媒の活性温度域におい
想定温度Tsoから外れるほど制御平均空燃比のリッ
チ側へのシフト量が大きくなるように上記の比例分補正
量FPLとFPRを触媒温度に応じて算出しているの
で、触媒の活性温度域におけるどのような触媒温度でも
比例分補正量FPLとFPRを過不足なく与えることが
できる。
【0058】また、触媒温度はセンサーを設けて直接検
出するのでなく、エンジン回転数とエンジン負荷相当量
から触媒の平衡温度TCAを算出し、この平衡温度TC
Aの一次遅れで変化する値を触媒温度として予測してい
るので、触媒温度センサーが不要となり、コストを削減
することができる。
【0059】図13は第2実施例で、第1実施例の図8
に対応し、図5のステップ11で図13のサブルーチン
Bに飛ぶことになる。
【0060】この例は、触媒温度が触媒の活性温度域に
おいて想定温度Tsoから外れたときは一方の積分分補
正量FILでこれに対応する基本積分分ILを、また他
方の積分分補正量FIRでこれに対応する基本積分分I
Rを補正することで、制御平均空燃比を最適な転化率を
得るための空燃比に近づけるようにしたものである。
【0061】図13において、図8と同じステップには
同じ番号をつけており、ステップ51〜56が図8と異
なる点である。
【0062】ステップ51では上記の〈3〉の条件を満
たす場合にステップ52で触媒温度の予測値TCから図
14の実線を内容とするテーブルを参照して積分分補正
量FILを求め、ステップ53で空燃比フィードバック
補正係数αを α=α+(IL+FIL) …(12) の式で更新する。同様にして、ステップ54で上記の
〈5〉の条件を満たす場合にステップ55で図14の破
線を内容とするテーブルを参照して積分分補正量FIR
を求め、空燃比フィードバック補正係数αを α=α−(IR+FIR) …(13) の式で更新する。(12)と(13)式で積分分補正量
FILをこれに対応する基本積分分ILに加算し、積分
分補正量FIRをこれに対応する基本積分分IRに加算
することで積分分を補正しているわけである。
【0063】なお、基本積分分ILとIRは一定値である
ため、上記の〈4〉と〈6〉の条件は不要となってい
る。
【0064】この例では、IL=IRと図14の特性よ
り、IL+FIL>IR+FIRとなり、第1実施例と同
様に、制御平均空燃比がリッチ側にシフトして最適な転
化率を得るための空燃比に近づく。
【0065】また、制御平均空燃比のリッチ側へのシフ
ト量は2つの補正量の差FIL−FIRに応じて定ま
り、図4の空燃比差(制御平均空燃比と最適な転化率を
得るための空燃比との差)の特性に合わせ、補正量差F
IL−FIRを図14で示した特性としているので、
媒の活性温度域におけるどのような触媒温度でも積分分
補正量FILとFIRが過不足なく与えられる。
【0066】図15と図17は第3実施例で、図15は
第1実施例の図5に、図17は第1実施例の図8に対応
する。なお、この例においても、第1実施例と同じステ
ップには同じ番号をつけている。
【0067】この例では、触媒温度が触媒の活性温度域
において想定温度Tsoから外れたとき、リッチ側への
反転時に比例分PRを付加するのを遅らせることによっ
て制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせるものであ
る。
【0068】図15において、第1実施例と異なるの
は、ステップ61,62,63で、ステップ61では触
媒温度の予測値TCから図16を内容とするテーブルを
参照して遅延時間DLRを求める。
【0069】遅延時間DLRはリッチ側への反転時に比
例分PRを付加するのを遅らせる時間のことである。
【0070】図17(図15のステップ63のサブルー
チンC)において、従来と異なるのは、〈A〉リーン側
からリッチ側への反転時と〈B〉リッチ継続時である。
なお、DLR>0の場合を先に、続いてDLR=0の場
合を説明する。
【0071】(1)DLR>0のとき 〈A〉リーン側からリッチ側への反転時 ステップ27,28からステップ71に進む場合であ
る。遅延時間DLRをみるとDLR>0であるから、ス
テップ72に進んでタイマー値TIMER2に初期値の
0を入れ、ステップ73でフラグN1に“0”をセット
し、図17のルーチンを終了する。
【0072】ここで、フラグN1は比例分PRの付加判
定用のフラグで、N1=0であれば比例分PRを差し引
くことを許可しないことを、N1=1であるときは比例
分PRを差し引くことを許可することを表す。つまり、
ステップ73でN1=0としたということは、空燃比フ
ィードバック補正係数αから比例分PRを差し引くこと
なく終了する(空燃比フィードバック補正係数αを前回
の値に保持したままとする)のである。
【0073】〈B〉リッチ継続時 ステップ27,29からステップ77に進む場合で、タ
イマー値TIMER2と遅延時間DLRとを比較して、
TIMER2<DLRであるあいだはステップ78でタ
イマー値TIMER2を TIMER2=TIMER2+DT2 …(14) ただし、DT2;図17の制御周期 の式でインクメントし、TIMER2≧DLRになると
ステップ79でフラグN1の値をみる。上記の〈A〉で
N1=0とされているので、ステップ80に進み、フラ
グN1に“1”をセットし、ステップ81で空燃比フィ
ードバック補正係数αから比例分PRを差し引くことに
よって空燃比フィードバック補正係数αを更新する。
【0074】図18の波形図で具体的にみてみると、上
記の〈A〉はたとえば時点t1(あるいはt3,t6)
といったタイミングである。このタイミングよりαから
比例分PRが差し引かれることなく一定値に保持され、
タイマー値TIMER2と時刻t1での遅延時間DLR
の値とが一致するタイミングまで待ってやっと比例分P
Rが差し引かれるわけである。
【0075】なお、図19に示したように、αから比例
分PRを差し引くことなく保持している途中(たとえば
時刻t11やt12のタイミング)でなんらかの理由に
より空燃比がリーン側に反転したとしても、即座に比例
分PLが加算されるのであり、不都合が生じることはな
い。
【0076】(2)DLR=0のとき この場合は、αの更新について従来と同じにならなけれ
ばならない。
【0077】〈A〉リーン側からリッチ側への反転時 ステップ27,28,71からステップ74に進んで、
タイマー値TIMER2に十分大きな値である所定値T
2(T2>DLR)を入れ、ステップ75でフラグN1
に“1”をセットした後、ステップ76で空燃比フィー
ドバック補正係数αから比例分PRを差し引く。
【0078】〈B〉リッチ継続時 ステップ27,29からステップ77,79,82と進
み、空燃比フィードバック補正係数αから積分分IR
差し引く。
【0079】DLR=0のときも図18の波形図でみて
みると、この場合の〈A〉は時刻t5のタイミングであ
り、αから即座に比例分PRが差し引かれている。
【0080】この例でも先の実施例と同様の作用効果が
生じる。
【0081】
【発明の効果】第1の発明は、触媒の温度を検出する手
段と、前記触媒を流れる排気中の酸素濃度を検出するセ
ンサーと、このセンサー検出値に基づき、前記触媒を流
れる排気の制御平均空燃比と前記触媒の転化率を最適に
するための空燃比とを所定の想定温度で一致させる、基
本比例分を算出する手段と、前記触媒温度の検出値が
媒の活性温度域において前記想定温度から低温側に外れ
たとき前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる比
例分補正量を算出する手段と、この比例分補正量で前記
基本比例分を補正して比例分を算出する手段と、この比
例分を用いて空燃比フィードバック補正量を更新する手
段と、この空燃比フィードバック補正量で運転条件信号
に応じた基本噴射量を補正して燃料噴射量を算出する手
段と、この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射するインジ
ェクターとを設けたので、制御平均空燃比のリッチ側へ
のシフトで最適な転化率を得るための空燃比に近づくこ
とから、触媒温度が触媒の活性温度域において所定の想
定温度から低温側に外れたときでも、触媒の転化率が向
上する。
【0082】第2の発明は、触媒の温度を検出する手段
と、前記触媒を流れる排気中の酸素濃度を検出するセン
サーと、このセンサー検出値に基づき、前記触媒を流れ
る排気の制御平均空燃比と前記触媒の転化率を最適にす
るための空燃比とを所定の想定温度で一致させる、基本
積分分を算出する手段と、前記触媒温度の検出値が触媒
の活性温度域において前記想定温度から低温側に外れた
とき前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる積分
分補正量を算出する手段と、この積分分補正量で前記基
本積分分を補正して積分分を算出する手段と、この積分
分を用いて空燃比フィードバック補正量を更新する手段
と、この空燃比フィードバック補正量で運転条件信号に
応じた基本噴射量を補正して燃料噴射量を算出する手段
と、この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射するインジェ
クターとを設けたので、制御平均空燃比のリッチ側への
シフトで最適な転化率を得るための空燃比に近づくこと
から、触媒の活性温度域において触媒温度が想定温度か
ら低温側に外れたときにおいても触媒の転化率が向上す
る。
【0083】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域におい
前記想定温度から低温側に外れるほど前記制御平均空
燃比のリッチ側へのシフト量が大きくなるように前記補
正量を前記触媒温度の検出値に応じて算出するので、第
1または第2の発明の効果に加えて、触媒の活性温度域
における想定温度より低温側のどのような触媒温度でも
比例分補正量や積分分補正量を過不足なく与えることが
できる。
【0084】第4の発明は、触媒の温度を検出する手段
と、前記触媒を流れる排気中の酸素濃度を検出するセン
サーと、このセンサー検出値に基づき、前記触媒を流れ
る排気の制御平均空燃比と前記触媒の転化率を最適にす
るための空燃比とを所定の想定温度で一致させる、基本
比例分を算出する手段と、この基本比例分を用いて空燃
比フィードバック補正量を更新する手段と、この空燃比
フィードバック補正量で運転条件信号に応じた基本噴射
量を補正して燃料噴射量を算出する手段と、この燃料噴
射量に基づいて燃料を噴射するインジェクターと、前記
触媒温度の検出値が触媒の活性温度域において前記想定
温度から低温側に外れたとき、前記基本比例分を用いて
の空燃比フィードバック補正量の更新を排気空燃比のリ
ーン側からリッチ側への反転時より所定時間遅らせるこ
とにより前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる
手段とを設けたので、制御平均空燃比がリッチ側へシフ
トして最適な転化率を得るための空燃比に近づく。
【0085】第5の発明は、第4の発明において、前記
触媒温度の検出値が触媒の活性温度域において前記想定
温度から低温側に外れるほど前記制御平均空燃比のリッ
チ側へのシフト量が大きくなるように、前記所定時間を
前記触媒温度の検出値に応じて算出するので、第4の発
明の効果に加えて、触媒の活性温度域における想定温度
より低温側のどのような触媒温度でも前記所定時間を過
不足なく与えることができる。
【0086】第6の発明では、第1、第2,第4の発明
のいずれか一つにおいて、前記触媒温度検出手段は、エ
ンジンの運転条件信号を受けて前記触媒の平衡温度を算
出する手段と、この平衡温度の一次遅れで変化する値を
前記触媒の温度として予測する手段とからなるので、第
1、第2,第4の発明のいずれか一つの効果に加えて、
触媒温度センサーが不要となり、コストを削減すること
ができる。第7の発明では、第1の発明において、前記
比例分補正量を算出する手段は、前記触媒温度の検出値
が前記想定温度から高温側に外れたときも制御平均空燃
比をリッチ側にシフトさせる比例分補正量を算出し、第
8の発明では、第2の発明において、前記積分分補正量
を算出する手段は、前記触媒温度の検出値が前記想定温
度から高温側に外れたときも制御平均空燃比をリッチ側
にシフトさせる積分分補正量を算出するし、第9の発明
では、第4の発明において、前記制御平均空燃比をリッ
チ側にシフトさせる手段は、前記触媒温度の検出値が前
記想定温度から高温側に外れたときも、前記基本比例分
を用いての空燃比フィードバック補正量の更新を前記排
気空燃比のリーン側からリッチ側への反転時より所定時
間遅らせることにより制御平均空燃比をリッチ側にシフ
トさせるので、これらいずれの場合にも触媒温度の検出
値が低温側に外れたときと同じに制御平均空燃比が最適
な転化率を得るための空燃比に近づくことから触媒温度
が所定の想定温度から高温側に外れたときでも触媒の転
化率が向上する。第10の発明では、第1から第9まで
のいずれか一つの発明において、前記触媒の暖機が完了
したかどうかを判定する手段を有し、この判定結果より
触媒の暖機が完了した後に、前記触媒温度の検出値が
媒の活性温度域において前記想定温度から低温側に外れ
たときの前記制御平均空燃比のリッチ側へのシフトを行
わせるので、触媒温度の検出値が触媒の活性温度域にお
いて所定の想定温度から低温側に外れたときの制御平均
空燃比のリッチ側へのシフトを行わせるとすれば空燃比
フィードバック補正に生じるであろう誤差を回避でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のシステム図である。
【図2】触媒温度に対する最適な転化率を得るための空
燃比の特性図である。
【図3】排気温度に対する制御平均空燃比の特性図であ
る。
【図4】最適な転化率を得るための空燃比と制御平均空
燃比とを重ねて示す特性図である。
【図5】第1実施例のベースフローを説明するための流
れ図である。
【図6】所定値T1のテーブル内容を示す特性図であ
る。
【図7】平衡温度TCAのマップ内容を示す特性図であ
る。
【図8】第1実施例の空燃比フィードバック補正係数α
の更新を説明するための流れ図である。
【図9】基本比例分PLとPRのマップ内容を示す特性図
である。
【図10】比例分補正量FPLとFPRのテーブル内容
を示す特性図である。
【図11】最適な転化率を得るための空燃比と制御平均
空燃比とを重ねて示す他の実施例の特性図である。
【図12】最適な転化率を得るための空燃比と制御平均
空燃比とを重ねて示す他の実施例の特性図である。
【図13】第2実施例の空燃比フィードバック補正係数
αの更新を説明するための流れ図である。
【図14】積分分補正量FILとFIRのテーブル内容
を示す特性図である。
【図15】第3実施例の空燃比フィードバック補正係数
αの更新を説明するための流れ図である。
【図16】遅延時間DLRのテーブル内容を示す特性図
である。
【図17】第3実施例の空燃比フィードバック補正係数
αの更新を説明するための流れ図である。
【図18】第3実施例の作用を説明するための波形図で
ある。
【図19】第3実施例の作用を説明するための波形図で
ある。
【図20】第1の発明のクレーム対応図である。
【図21】第2の発明のクレーム対応図である。
【図22】第4の発明のクレーム対応図である。
【図23】第6の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
3 吸気管 4 インジェクター(燃料供給装置) 6 触媒 7 エアフローメーター 10 クランク角度センサー 12 O2センサー(酸素濃度センサー) 21 コントロールユニット 31 触媒温度検出手段 32 酸素濃度センサー 33 反転・継続判定手段 34 基本積分分算出手段 35 基本比例分算出手段 36 比例分補正量算出手段 37 比例分算出手段 38 空燃比フィードバック補正量算出手段 39 燃料噴射量算出手段 40 燃料供給装置 51 積分分補正量算出手段 52 積分分算出手段 53 空燃比フィードバック補正量算出手段 61 リッチ側反転時基本比例分算出手段 62 リーン側反転時基本比例分算出手段 63 空燃比フィードバック補正量算出手段 71 平衡温度算出手段 72 触媒温度予測手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−74841(JP,A) 特開 平5−10178(JP,A) 特開 平5−99039(JP,A) 特開 平3−267541(JP,A) 特開 平3−134150(JP,A) 特開 昭63−38648(JP,A) 実開 昭62−145960(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/14 310 F02D 45/00 360

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の温度を検出する手段と、 前記触媒を流れる排気中の酸素濃度を検出するセンサー
    と、 このセンサー検出値に基づき、前記触媒を流れる排気の
    制御平均空燃比と前記触媒の転化率を最適にするための
    空燃比とを所定の想定温度で一致させる、基本比例分を
    算出する手段と、 前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域において前記
    想定温度から低温側に外れたとき前記制御平均空燃比を
    リッチ側にシフトさせる比例分補正量を算出する手段
    と、 この比例分補正量で前記基本比例分を補正して比例分を
    算出する手段と、 この比例分を用いて空燃比フィードバック補正量を更新
    する手段と、 この空燃比フィードバック補正量で運転条件信号に応じ
    た基本噴射量を補正して燃料噴射量を算出する手段と、 この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射するインジェクタ
    ーとを設けたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装
    置。
  2. 【請求項2】触媒の温度を検出する手段と、 前記触媒を流れる排気中の酸素濃度を検出するセンサー
    と、 このセンサー検出値に基づき、前記触媒を流れる排気の
    制御平均空燃比と前記触媒の転化率を最適にするための
    空燃比とを所定の想定温度で一致させる、基本積分分を
    算出する手段と、 前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域において前記
    想定温度から低温側に外れたとき前記制御平均空燃比を
    リッチ側にシフトさせる積分分補正量を算出する手段
    と、 この積分分補正量で前記基本積分分を補正して積分分を
    算出する手段と、 この積分分を用いて空燃比フィードバック補正量を更新
    する手段と、 この空燃比フィードバック補正量で運転条件信号に応じ
    た基本噴射量を補正して燃料噴射量を算出する手段と、 この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射するインジェクタ
    ーとを設けたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域
    において前記想定温度から低温側に外れるほど制御平均
    空燃比のリッチ側へのシフト量が大きくなるように前記
    補正量を前記触媒温度の検出値に応じて算出することを
    特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの空燃比
    制御装置。
  4. 【請求項4】触媒の温度を検出する手段と、 前記触媒を流れる排気中の酸素濃度を検出するセンサー
    と、 このセンサー検出値に基づき、前記触媒を流れる排気の
    制御平均空燃比と前記触媒の転化率を最適にするための
    空燃比とを所定の想定温度で一致させる、基本比例分を
    算出する手段と、 この基本比例分を用いて空燃比フィードバック補正量を
    更新する手段と、 この空燃比フィードバック補正量で運転条件信号に応じ
    た基本噴射量を補正して燃料噴射量を算出する手段と、 この燃料噴射量に基づいて燃料を噴射するインジェクタ
    ーと、 前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域において前記
    想定温度から低温側に外れたとき、前記基本比例分を用
    いての空燃比フィードバック補正量の更新を排気空燃比
    のリーン側からリッチ側への反転時より所定時間遅らせ
    ることにより前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさ
    せる手段とを設けたことを特徴とするエンジンの空燃比
    制御装置。
  5. 【請求項5】前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域
    において前記想定温度から低温側に外れるほど前記制御
    平均空燃比のリッチ側へのシフト量が大きくなるよう
    に、前記所定時間を前記触媒温度の検出値に応じて算出
    することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの空燃
    比制御装置。
  6. 【請求項6】前記触媒温度検出手段は、エンジンの運転
    条件信号を受けて前記触媒の平衡温度を算出する手段
    と、この平衡温度の一次遅れで変化する値を前記触媒の
    温度として予測する手段とからなることを特徴とする請
    求項1、2,4のいずれか一つに記載のエンジンの空燃
    比制御装置。
  7. 【請求項7】前記比例分補正量を算出する手段は、前記
    触媒温度の検出値が前記想定温度から高温側に外れたと
    きも制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる比例分補
    正量を算出することを特徴とする請求項1に記載のエン
    ジンの空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】前記積分分補正量を算出する手段は、前記
    触媒温度の検出値が前記想定温度から高温側に外れたと
    きも制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせる積分分補
    正量を算出することを特徴とする請求項2に記載のエン
    ジンの空燃比制御装置。
  9. 【請求項9】前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさ
    せる手段は、前記触媒温度の検出値が前記想定温度から
    高温側に外れたときも前記基本比例分を用いての空燃比
    フィードバック補正量の更新を排気空燃比のリーン側か
    らリッチ側への反転時より所定時間遅らせることにより
    前記制御平均空燃比をリッチ側にシフトさせることを特
    徴とする請求項4に記載のエンジンの空燃比制御装置。
  10. 【請求項10】前記触媒の暖機が完了したかどうかを判
    定する手段を有し、この判定結果より触媒の暖機が完了
    した後に前記触媒温度の検出値が触媒の活性温度域にお
    いて前記想定温度から低温側に外れたときの前記制御平
    均空燃比のリッチ側へのシフトを行わせることを特徴と
    する請求項1から9までのいずれか一つに記載のエンジ
    ンの空燃比制御装置。
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