JP3131038U - 耐力面材 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを削減することにある。
【解決手段】 矩形をなす耐力面材1において、その耐力面材1の表面の少なくとも周辺部に、各々あらかじめ試験によって確認した、所定の基本壁倍率の一例としての壁倍率3倍を耐力面材1に持たせる基本固定位置3と、その所定の基本壁倍率よりも大きい増大壁倍率の例としての壁倍率4倍および5倍をそれぞれ耐力面材1に持たせる壁倍率増大固定位置4,5と、を表示してなる耐力面材である。
【選択図】図1

Description

この考案は、木造軸組用の耐力面材に関するものである。
従来の耐力面材としての構造用合板は、3尺×9尺で厚さ9mmの寸法のものを、建築基準法の施工例に従って木造軸組に釘打ち固定すると、壁倍率(建築基準法施工令第46条の基準による壁の強さ)が2.5倍となる。
また、任意の壁倍率を望む場合、従来は、例えば所定の筋交いを入れて壁倍率を3.5倍としたり、襷がけに入れて壁倍率を4.5倍としたりしている。
しかしながら、上記従来の方法で所望の壁倍率を得ようとすると、材料費と、施工の手間とが嵩むという問題があった。
この考案は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、この考案の耐力面材は、矩形をなす耐力面材において、前記耐力面材の表面の少なくとも周辺部に、各々あらかじめ試験によって確認した、所定の基本壁倍率を前記耐力面材に持たせる基本固定位置と、前記所定の基本壁倍率よりも大きい増大壁倍率を前記耐力面材に持たせる壁倍率増大固定位置と、を表示してなるものである。
かかるこの考案の耐力面材にあっては、長方形または正方形である矩形をなす耐力面材の表面(表側および裏側の表面のうち少なくとも一方)の少なくとも周辺部に表示された、当該耐力面材と同一仕様の耐力面材についてあらかじめ試験によって所定の基本壁倍率(例えば3.1倍)が得られることを確認した、その基本壁倍率を当該耐力面材に持たせる基本固定位置に、釘やビス等の所定の固定手段を施工して、当該耐力面材を木造軸組に固定すると、その基本壁倍率での耐力が得られる。また、長方形または正方形である矩形をなす耐力面材の表面(表側および裏側の表面のうち少なくとも一方)の少なくとも周辺部に表示された、当該耐力面材と同一仕様の耐力面材についてあらかじめ試験によって上記基本壁倍率より大きい増大壁倍率(例えば4.6倍または5.0倍)を当該耐力面材に持たせる壁倍率増大固定位置に、釘やビス等の所定の固定手段を施工して、当該耐力面材を木造軸組に固定すると、その増大壁倍率での耐力が得られる。
従って、この考案の耐力面材によれば、特に施工位置を計算等しなくても、表面に表示された固定位置に固定手段を施工するだけで、同一の耐力面材で複数種類の壁倍率の耐力が容易に得られるので、任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを大幅に削減することができる。
なお、この考案の耐力面材においては、前記基本固定位置と前記壁倍率増大固定位置とは、全て実質的に等ピッチであっても良いが、前記基本固定位置と前記壁倍率増大固定位置とは、前記耐力面材の互いに隣接する二辺(例えば長方形の耐力面材の長辺と短辺)のそれぞれの延在方向の中央部の調整部分を除きそれぞれ所定ピッチで設定され、前記調整部分は前記所定ピッチ以下の間隔とされていると好ましい。基本固定位置と壁倍率増大固定位置とをそれぞれ所定ピッチで設定することとすればそれらの設定が容易になり、しかも中央部の調整部分が所定ピッチ以下の間隔とされていれば、中央部分も所定ピッチである場合よりも壁倍率が低くなることはないので、中央部分も所定ピッチである場合よりもその調整部分の寸法を小さくした任意の寸法の耐力面材を、あらためて試験することなく提供することができる。
また、この考案の耐力面材においては、前記耐力面材は、構造用合板以外の面材でもよいが、構造用合板であると好ましい。構造用合板は耐力面材として最も一般的に普及しているからである。
さらに、この考案の耐力面材においては、前記基本固定位置と前記壁倍率増大固定位置とは、所定の仕様のビスを打つ位置であると好ましい。固定手段として所定の仕様のビスを用いることで、より安定した壁倍率を得ることができるからである。
そして、この考案の耐力面材においては、前記基本固定位置の前記基本壁倍率は、3倍以上(3倍を含む)であり、前記壁倍率増大固定位置の前記増大壁倍率は、4倍以上(4倍を含む)の少なくとも一種類であると好ましい。3倍、4倍および5倍の壁倍率は需要が多く、またこれらの壁倍率の耐力面材を組み合わせることで任意のより大きい壁倍率を容易に得ることができるからである。
以下、本考案の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1〜図5は、この考案の耐力面材の第1実施例〜第5実施例としての構造用合板をそれぞれ示す平面図、図6(a),(b)は、それらの実施例の構造用合板の固定用のビスを示す正面図および側面図、そして図7(a),(b),(c)は、それらの実施例の構造用合板の壁倍率の確認のための面内せん断試験用の木造軸組およびそこに固定した試験体を示す正面図、平面図および側面図であり、図中符号1はそれらの実施例の構造用合板、11および12は試験体を示す。なお、本願出願人はこれらの実施例の構造用合板を「ビスカベ」と呼んでいる。
図1に示す第1実施例の構造用合板1は、JAS普通合板構造用2級(CSP:カナダソフトプライウッド)の、3尺×9尺サイズ(910mm×2730mm×厚さ9mm)のものであり、この実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、外周縁からそれぞれ25mm内側に離間して外周縁の各辺と平行に延在する直線2aからなる枠2が例えば直接プリント(印刷)されて表示されるとともに、その枠2の内側に直線2aから突出するように、所定の基本壁倍率としての壁倍率3倍(より正確には3.1倍)を当該構造用合板1に持たせる基本固定位置としての壁倍率3倍固定位置を示す、二本の短線を整列させて示す目盛り3が、図1の右側および下側に示すように枠2の端から150mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り3が、長辺については140mmピッチ、短辺については130mmピッチとされている。
また、この第1実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の外側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の一つとしての壁倍率4倍(より正確には4.6倍)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の一つとしての壁倍率4倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り4が、図1の左側および上側に示すように枠2の端から100mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分一箇所だけは目盛り4が、長辺については80mmピッチ、短辺については60mmピッチとされている。
さらに、この第1実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の内側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の他の一つとしての壁倍率5倍(より正確には5.0倍を超える)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の他の一つとしての壁倍率5倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り5が、枠2の端から75mmピッチで、目盛り3と一致する箇所を除き、例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り5が、長辺については65mmピッチ、短辺については55mmピッチとされている。
さらに、この第1実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の、互いに対抗する二組の二辺のうち一組である図では上下端の短辺の幅方向中心点同士を結ぶ直線である、図示しない長手方向中心線上に位置するように、上記壁倍率3倍を当該構造用合板1に持たせる壁倍率3倍の固定位置と、上記壁倍率4倍および5倍を当該構造用合板1にそれぞれ持たせる壁倍率4倍および5倍の固定位置との両方を示す十字状の二本の短線で示す目印6が、枠2から300mmピッチで例えば直接プリントされて表示され、中央部の調整部分一箇所だけは目印6が、280mmピッチとされている。
かかる第1実施例の構造用合板1にあっては、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率3倍が得られ、またそれより大きい壁倍率が必要な場合は、全ての目盛り4の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率4倍が得られ、一方、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目盛り5の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率5倍が得られる。
従って、この第1実施例の構造用合板1によれば、特に施工位置を計算等しなくても、表面に表示された目盛り3,4,5が示す固定位置に所定のビスを施工するだけで、同一の構造用合板1で複数種類の壁倍率の耐力が容易に得られるので、任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを大幅に削減することができる。
図2に示す第2実施例の構造用合板1は、JAS普通合板構造用2級(CSP:カナダソフトプライウッド)の、3尺×6尺サイズ(910mm×1820mm×厚さ9mm)のものであり、この実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、外周縁からそれぞれ25mm内側に離間して外周縁の各辺と平行に延在する直線2aからなる枠2が例えば直接プリントされて表示されるとともに、その枠2の内側に直線2aから突出するように、所定の基本壁倍率としての壁倍率3倍(より正確には3.1倍)を当該構造用合板1に持たせる基本固定位置としての壁倍率3倍固定位置を示す、二本の短線を整列させて示す目盛り3が、図1の右側および下側に示すように枠2の端から150mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り3が、長辺については135mmピッチ、短辺については130mmピッチとされている。
また、この第2実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の外側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の一つとしての壁倍率4倍(より正確には4.6倍)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の一つとしての壁倍率4倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り4が、図1の左側および上側に示すように枠2の端から100mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分だけは目盛り4が、長辺については二箇所で85mmピッチ、短辺については一箇所で60mmピッチとされている。
さらに、この第2実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の内側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の他の一つとしての壁倍率5倍(より正確には5.0倍を超える)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の他の一つとしての壁倍率5倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り5が、枠2の端から75mmピッチで、目盛り3と一致する箇所を除き、例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り5が、長辺については60mmピッチ、短辺については55mmピッチとされている。
さらに、この第2実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の、互いに対抗する二組の二辺のうち一組である図では上下端の短辺の幅方向中心点同士を結ぶ直線である、図示しない長手方向中心線上に位置するように、上記壁倍率3倍を当該構造用合板1に持たせる壁倍率3倍の固定位置と、上記壁倍率4倍および5倍を当該構造用合板1にそれぞれ持たせる壁倍率4倍および5倍の固定位置との両方を示す十字状の二本の短線で示す目印6が、枠2から300mmピッチで例えば直接プリントされて表示され、中央部の調整部分二箇所だけは目印6が、285mmピッチとされている。
かかる第2実施例の構造用合板1にあっては、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率3倍が得られ、またそれより大きい壁倍率が必要な場合は、全ての目盛り4の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率4倍が得られ、一方、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目盛り5の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率5倍が得られる。
従って、この第2実施例の構造用合板1によっても、特に施工位置を計算等しなくても、表面に表示された目盛り3,4,5が示す固定位置に所定のビスを施工するだけで、同一の構造用合板1で複数種類の壁倍率の耐力が容易に得られるので、任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを大幅に削減することができる。
図3に示す第3実施例の構造用合板1は、JAS普通合板構造用2級(CSP:カナダソフトプライウッド)の、3尺×8尺サイズ(910mm×2440mm×厚さ9mm)のものであり、この実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、外周縁からそれぞれ25mm内側に離間して外周縁の各辺と平行に延在する直線2aからなる枠2が例えば直接プリントされて表示されるとともに、その枠2の内側に直線2aから突出するように、所定の基本壁倍率としての壁倍率3倍(より正確には3.1倍)を当該構造用合板1に持たせる基本固定位置としての壁倍率3倍固定位置を示す、二本の短線を整列させて示す目盛り3が、図1の右側および下側に示すように枠2の端から150mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り3が、長辺については145mmピッチ、短辺については130mmピッチとされている。
また、この第3実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の外側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の一つとしての壁倍率4倍(より正確には4.6倍)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の一つとしての壁倍率4倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り4が、図1の左側および上側に示すように枠2の端から100mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分だけは目盛り4が、長辺については二箇所で95mmピッチ、短辺については一箇所で60mmピッチとされている。
さらに、この第3実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の内側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の他の一つとしての壁倍率5倍(より正確には5.0倍を超える)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の他の一つとしての壁倍率5倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り5が、枠2の端から75mmピッチで、目盛り3と一致する箇所を除き、例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り5が、長辺については70mmピッチ、短辺については55mmピッチとされている。
さらに、この第3実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の、互いに対抗する二組の二辺のうち一組である図では上下端の短辺の幅方向中心点同士を結ぶ直線である、図示しない長手方向中心線上に位置するように、上記壁倍率3倍を当該構造用合板1に持たせる壁倍率3倍の固定位置と、上記壁倍率4倍および5倍を当該構造用合板1にそれぞれ持たせる壁倍率4倍および5倍の固定位置との両方を示す十字状の二本の短線で示す目印6が、枠2から300mmピッチで例えば直接プリントされて表示され、中央部の調整部分二箇所だけは目印6が、295mmピッチとされている。
かかる第3実施例の構造用合板1にあっては、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率3倍が得られ、またそれより大きい壁倍率が必要な場合は、全ての目盛り4の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率4倍が得られ、一方、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目盛り5の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率5倍が得られる。
従って、この第3実施例の構造用合板1によっても、特に施工位置を計算等しなくても、表面に表示された目盛り3,4,5が示す固定位置に所定のビスを施工するだけで、同一の構造用合板1で複数種類の壁倍率の耐力が容易に得られるので、任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを大幅に削減することができる。
図4に示す第4実施例の構造用合板1は、JAS普通合板構造用2級(CSP:カナダソフトプライウッド)の、3尺×10尺サイズ(910mm×3030mm×厚さ9mm)のものであり、この実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、外周縁からそれぞれ25mm内側に離間して外周縁の各辺と平行に延在する直線2aからなる枠2が例えば直接プリントされて表示されるとともに、その枠2の内側に直線2aから突出するように、所定の基本壁倍率としての壁倍率3倍(より正確には3.1倍)を当該構造用合板1に持たせる基本固定位置としての壁倍率3倍固定位置を示す、二本の短線を整列させて示す目盛り3が、図1の右側および下側に示すように枠2の端から150mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り3が、長辺については140mmピッチ、短辺については130mmピッチとされている。
また、この第4実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の外側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の一つとしての壁倍率4倍(より正確には4.6倍)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の一つとしての壁倍率4倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り4が、図1の左側および上側に示すように枠2の端から100mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分だけは目盛り4が、長辺については二箇所で90mmピッチ、短辺については一箇所で60mmピッチとされている。
さらに、この第4実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の内側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の他の一つとしての壁倍率5倍(より正確には5.0倍を超える)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の他の一つとしての壁倍率5倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り5が、枠2の端から75mmピッチで、目盛り3と一致する箇所を除き、例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り5が、長辺については65mmピッチ、短辺については55mmピッチとされている。
さらに、この第4実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の、互いに対抗する二組の二辺のうち一組である図では上下端の短辺の幅方向中心点同士を結ぶ直線である、図示しない長手方向中心線上に位置するように、上記壁倍率3倍を当該構造用合板1に持たせる壁倍率3倍の固定位置と、上記壁倍率4倍および5倍を当該構造用合板1にそれぞれ持たせる壁倍率4倍および5倍の固定位置との両方を示す十字状の二本の短線で示す目印6が、枠2から300mmピッチで例えば直接プリントされて表示され、中央部の調整部分二箇所だけは目印6が、290mmピッチとされている。
かかる第4実施例の構造用合板1にあっては、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率3倍が得られ、またそれより大きい壁倍率が必要な場合は、全ての目盛り4の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率4倍が得られ、一方、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目盛り5の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率5倍が得られる。
従って、この第4実施例の構造用合板1によっても、特に施工位置を計算等しなくても、表面に表示された目盛り3,4,5が示す固定位置に所定のビスを施工するだけで、同一の構造用合板1で複数種類の壁倍率の耐力が容易に得られるので、任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを大幅に削減することができる。
図5に示す第5実施例の構造用合板1は、JAS普通合板構造用2級(CSP:カナダソフトプライウッド)の、1m×3mサイズ(1000mm×3000mm×厚さ9mm)のものであり、この実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、外周縁からそれぞれ25mm内側に離間して外周縁の各辺と平行に延在する直線2aからなる枠2が例えば直接プリントされて表示されるとともに、その枠2の内側に直線2aから突出するように、所定の基本壁倍率としての壁倍率3倍(より正確には3.1倍)を当該構造用合板1に持たせる基本固定位置としての壁倍率3倍固定位置を示す、二本の短線を整列させて示す目盛り3が、図1の右側および下側に示すように枠2の端から150mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分だけは目盛り3が、長辺については二箇所で125mmピッチ、短辺については一箇所で50mmピッチとされている。
また、この第5実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の外側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の一つとしての壁倍率4倍(より正確には4.6倍)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の一つとしての壁倍率4倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り4が、図1の左側および上側に示すように枠2の端から100mmピッチで例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分二箇所だけは目盛り4が、長辺についても短辺についても75mmピッチとされている。
さらに、この第5実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の周辺部には、上記枠2の内側に直線2aから突出するように、上記基準壁倍率より大きい壁倍率の他の一つとしての壁倍率5倍(より正確には5.0倍を超える)を当該構造用合板1に持たせる、壁倍率増大固定位置の他の一つとしての壁倍率5倍の固定位置を示す、一本の短線で示す目盛り5が、枠2の端から75mmピッチで、目盛り3と一致する箇所を除き、例えば直接プリントされて表示されており、各直線2aの中央部の調整部分だけは目盛り5が、長辺については二箇所で50mmピッチ、短辺については一箇所で50mmピッチとされている。
さらに、この第5実施例の構造用合板1の表面(図示例では表側のみの面)の、互いに対抗する二組の二辺のうち一組である図では上下端の短辺の幅方向中心点同士を結ぶ直線である、図示しない長手方向中心線上に位置するように、上記壁倍率3倍を当該構造用合板1に持たせる壁倍率3倍の固定位置と、上記壁倍率4倍および5倍を当該構造用合板1にそれぞれ持たせる壁倍率4倍および5倍の固定位置との両方を示す十字状の二本の短線で示す目印6が、枠2から300mmピッチで例えば直接プリントされて表示され、中央部の調整部分二箇所だけは目印6が、275mmピッチとされている。
かかる第5実施例の構造用合板1にあっては、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率3倍が得られ、またそれより大きい壁倍率が必要な場合は、全ての目盛り4の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率4倍が得られ、一方、全ての目盛り3の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目盛り5の各々と枠線2との交点で示す固定位置と、全ての目印6の各々の十字状の二本の短線の交点で示す固定位置とに後述するビスを施工することで壁倍率5倍が得られる。
従って、この第5実施例の構造用合板1によっても、特に施工位置を計算等しなくても、表面に表示された目盛り3,4,5が示す固定位置に所定のビスを施工するだけで、同一の構造用合板1で複数種類の壁倍率の耐力が容易に得られるので、任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを大幅に削減することができる。
図6は、これら第1〜第5実施例の構造用合板1で上記壁倍率を得るために用いることが好ましい、所定の固定手段の一例としてのビスを例示しており、このビス7は、建築基準法施工令第47条に適合する金物として、通常の冷間圧造用炭素鋼(JIS−G3507−2相当)から形成されたもので、十字溝を持つ頭部7aと、その頭部7aに連なる軸部7bとを具えており、その軸部7bには、短時間でのねじ込みを可能にする粗いピッチの第1ねじ部7cと、このビス7の緩み防止を可能にする、第1ねじ部7cよりも細かいピッチの第2ねじ部7dと、それらのねじ部の谷径より若干太い繋ぎ部7eとを有している。なお、このビス7は、東日本パワーファスニング株式会社が品番JCW−41RFとして販売している。
上記第1〜第5実施例の構造用合板1の壁倍率を確認するために、本願出願人は、図7に示す、建築基準法施工令第41条に適合する面内せん断試験用の木造軸組10に、上記各実施例と同じ材質および板厚の正方形(1000mm×1000mm)の試験体11および長方形(1000mm×2000mm)の試験体12をそれぞれ二枚ずつ図示のように配置して上記ビス7で固定した。固定位置は上記第5実施例の構造用合板1の壁倍率3倍、4倍および5倍にそれぞれ対応したものであり、図7では壁倍率4倍の場合を示す。
この木造軸組10を、財団法人ベターリビング・筑波建築試験センターで、建築基準法施工令第46条第4項表一(ハ)の認定に係る、財団法人日本建築センターが制定した方法書に基づく評価方法によって面内せん断試験を行った結果、各々低減係数0.8を掛けた状態で、上記第5実施例の構造用合板1の壁倍率3倍(目盛り3)に対応した固定位置では3.1倍の壁倍率を有し、上記第5実施例の構造用合板1の壁倍率4倍(目盛り4)に対応した固定位置では4.6倍の壁倍率を有し、そして上記第5実施例の構造用合板1の壁倍率5倍(目盛り5)に対応した固定位置では5.8倍の壁倍率を有することが確認された(但し、「壁倍率」として承認を受け得る数値には5.0倍の上限がある)。
従って、上記各実施例の構造用合板1も、上記面内せん断試験の試験体11,12と同じ材質および板厚であって、試験体11,12と同様もしくはそれより固定位置のピッチが短いので、少なくとも上記面内せん断試験の試験体11,12と同じ壁倍率が得られるものと推定される。
以上、図示例に基づき説明したが、この考案は上述の例に限定されるものでなく、例えば耐力面材は、910mm×910mmあるいは1000mm×1000mmの正方形としても良く、あるいは上記各実施例の構造用合板から正方形に切り出しても良い。そして厚さも、9mmでなく9.5mmのものでも良い。また構造用合板の代りに、構造用合板以外の面材としても良い。さらに、固定手段は、強固に固定できるものであれば上記例のビス以外のものでも良い。
さらに、固定位置を表示するのは体力面材の両面でも良く、また固定位置の表示方法は、プリンタによる耐力面材表面へ直接プリント(印刷)する方法の他、ビニールシートや紙等にプリントしてそれを耐力面材の表面に貼り付ける方法でも良い。
かくしてこの考案の耐力面材によれば、特に施工位置を計算等しなくても、表面に表示された固定位置に固定手段を施工するだけで、同一の耐力面材で複数種類の壁倍率の耐力が容易に得られるので、任意の壁倍率の耐力を望む場合に、材料費と、施工の手間とを大幅に削減することができる。
この考案の耐力面材の第1実施例としての構造用合板を示す平面図である。 この考案の耐力面材の第2実施例としての構造用合板を示す平面図である。 この考案の耐力面材の第3実施例としての構造用合板を示す平面図である。 この考案の耐力面材の第4実施例としての構造用合板を示す平面図である。 この考案の耐力面材の第5実施例としての構造用合板を示す平面図である。 (a),(b),(c)は、上記各実施例の構造用合板の固定用のビスを示す正面図、側面図および寸法表である。 (a),(b),(c)は、上記各実施例の構造用合板の壁倍率の確認のための面内せん断試験用の木造軸組およびそこに固定した試験体を示す正面図、平面図および側面図である。
符号の説明
1 構造用合板
2 枠
2a 直線
3 目盛り(壁倍率3倍)
4 目盛り(壁倍率4倍)
5 目盛り(壁倍率5倍)
6 目印
7 ビス
10 木造軸組
11 試験体(正方形)
12 試験体(長方形)

Claims (5)

  1. 矩形をなす耐力面材において、
    前記耐力面材の表面の少なくとも周辺部に、各々あらかじめ試験によって確認した、所定の基本壁倍率を前記耐力面材に持たせる基本固定位置と、前記所定の基本壁倍率よりも大きい増大壁倍率を前記耐力面材に持たせる壁倍率増大固定位置と、を表示してなる、耐力面材。
  2. 前記基本固定位置と前記壁倍率増大固定位置とは、前記耐力面材の互いに隣接する二辺のそれぞれの延在方向の中央部の調整部分を除きそれぞれ所定ピッチで設定され、
    前記調整部分は前記所定ピッチ以下の間隔とされている、請求項1記載の耐力面材。
  3. 前記耐力面材は、構造用合板である、請求項1または2記載の耐力面材。
  4. 前記基本固定位置と前記壁倍率増大固定位置とは、所定の仕様のビスを打つ位置である、請求項1から3までの何れか記載の耐力面材。
  5. 前記基本固定位置の前記基本壁倍率は、3倍以上であり、
    前記壁倍率増大固定位置の前記増大壁倍率は、4倍以上の少なくとも一種類である、請求項4記載の耐力面材。
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