JP3130568U - Discharge tube - Google Patents
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Abstract
【課題】直流放電開始電圧の低下を生じることのない長寿命な放電管を実現することにある。
【解決手段】ケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材14,14で気密に封止することによって気密外囲器16を形成すると共に、上記蓋部材14,14の放電電極部18,18間に放電間隙22を形成し、また、気密外囲器16内に、放電ガスを封入すると共に、上記放電電極部18の表面に電子放出特性が良好な物質を含有した被膜30を形成して成る放電管において、ネオン、アルゴン、窒素の単体又は混合ガスと、水素とを混合させたガス中に、クリプトンを混合して上記放電ガスを構成すると共に、該放電ガス中のクリプトンの混合割合を2〜5体積%と成した。
【選択図】図1An object of the present invention is to realize a long-life discharge tube that does not cause a decrease in DC discharge start voltage.
An airtight envelope 16 is formed by hermetically sealing the opening portions at both ends of a case member 12 with a pair of lid members 14 and 14 that also serve as discharge electrodes. A discharge gap 22 is formed between the discharge electrode portions 18 and 18, and a discharge gas is sealed in the hermetic envelope 16, and a material having good electron emission characteristics is contained on the surface of the discharge electrode portion 18. In the discharge tube formed with the coating 30, the discharge gas is formed by mixing krypton in a gas in which neon, argon, nitrogen alone or a mixed gas and hydrogen are mixed, and in the discharge gas. The mixing ratio of krypton was 2 to 5% by volume.
[Selection] Figure 1
Description
この考案は放電管に係り、特に、サージ電圧を吸収するためのサージアブソーバ(サージ吸収素子)として、或いは、プロジェクターや自動車のメタルハライドランプ等の高圧放電ランプやガス調理器等の着火プラグに、点灯用又は着火用の定電圧を供給するためのスイッチングスパークギャップとして好適に使用できる放電管に関する。 This device relates to a discharge tube, in particular, as a surge absorber (surge absorption element) for absorbing a surge voltage, or as a spark plug for a high pressure discharge lamp such as a projector or a metal halide lamp of an automobile or a gas cooker. The present invention relates to a discharge tube that can be suitably used as a switching spark gap for supplying a constant voltage for use or ignition.
この種の放電管(サージ吸収素子)として、本出願人は、先に特開2004−362925号を提案した。サージ吸収素子としての放電管60は、図4に示すように、両端が開口した絶縁材よりなる円筒状のケース部材62の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材64,64で気密に封止することによって気密外囲器66を形成し、該気密外囲器66内に、所定の放電ガスを封入してなる。
As this type of discharge tube (surge absorbing element), the present applicant has previously proposed Japanese Patent Application Laid-Open No. 2004-362925. As shown in FIG. 4, a
上記蓋部材64は、気密外囲器66の中心に向けて大きく突き出た平面状の放電電極部68と、ケース部材62の端面に接する接合部70を備えており、両蓋部材64,64の放電電極部68,68間には、所定の放電間隙72が形成されている。
また、上記ケース部材62の内壁面74には、その両端が、放電電極を兼ねた上記蓋部材64,64と微小放電間隙76を隔てて対向配置された線状のトリガ放電膜78が複数形成されている。
The
Further, a plurality of linear
上記放電電極部68の表面には、放電開始電圧の安定に効果的なアルカリヨウ化物が含有された絶縁性の被膜80が形成されている。このアルカリヨウ化物としては、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)、ヨウ化ルビジウム(RbI)等のアルカリヨウ化物の単体又は混合物が該当する。
On the surface of the
上記構成を備えたサージ吸収素子としての放電管60に、放電電極を兼ねた上記蓋部材64,64を介してサージが印加されると、トリガ放電膜78の両端と蓋部材64,64間の微小放電間隙76に電界が集中し、これにより微小放電間隙76に電子が放出されてトリガ放電としての沿面コロナ放電が発生する。次いで、この沿面コロナ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電が放電電極部68,68間の放電間隙72へと転移し、主放電としてのアーク放電に移行してサージの吸収が行われるのである。
従来、上記放電ガスとして、ネオン、アルゴン、窒素の単体又は混合ガスに、放電遅れの防止に効果がある水素を混合させたものが良く使用されている。
しかしながら、ネオン、アルゴン、窒素の単体又は混合ガスに水素を混合して成る放電ガスを使用した上記放電管60をサージ吸収素子として用いる場合、放電管60にインパルス電流が繰り返し印加されると、直流放電開始電圧が徐々に低下して、遂には使用に適さなくなる事態を生じていた。
Conventionally, as the discharge gas, a mixture of neon, argon, nitrogen alone or a mixed gas with hydrogen that is effective in preventing discharge delay is often used.
However, when the
この考案は、従来の上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直流放電開始電圧の低下を生じることのない長寿命な放電管を実現することにある。 The present invention has been made in view of the above-described conventional problems, and an object thereof is to realize a long-life discharge tube that does not cause a decrease in DC discharge start voltage.
本考案者は、放電ガスの組成について種々検討を試みた結果、ネオン、アルゴン、窒素の単体又は混合ガスと、水素とを混合させたガス中に、クリプトンを所定割合で混合して放電ガスを構成した場合に、インパルス電流が繰り返し印加された際の直流放電開始電圧の低下を効果的に防止できることを見出し、本考案を完成するに至ったものである。
すなわち、本考案に係る放電管は、複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置し、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入すると共に、上記放電電極の表面に電子放出特性が良好な物質を含有した被膜を形成して成る放電管において、ネオン、アルゴン、窒素の単体又は混合ガスと、水素とを混合させたガス中に、クリプトンを混合して上記放電ガスを構成すると共に、該放電ガス中のクリプトンの混合割合を2〜5体積%と成したことを特徴とする。
上記水素の混合割合は2〜80体積%と成すのが好ましい。
As a result of various investigations on the composition of the discharge gas, the present inventor has mixed krypton at a predetermined ratio into a gas obtained by mixing neon, argon, nitrogen alone or a mixed gas with hydrogen and mixing the discharge gas. When configured, the present inventors have found that it is possible to effectively prevent a decrease in DC discharge starting voltage when an impulse current is repeatedly applied, and have completed the present invention.
That is, in the discharge tube according to the present invention, a plurality of discharge electrodes are arranged with a discharge gap therebetween, and this is enclosed in a hermetic envelope together with a discharge gas, and the surface of the discharge electrode has good electron emission characteristics. In a discharge tube formed by forming a film containing a substance, the discharge gas is constituted by mixing krypton in a gas obtained by mixing a simple substance or a mixed gas of neon, argon, nitrogen and hydrogen and hydrogen. The mixing ratio of krypton in the discharge gas is 2 to 5% by volume.
The mixing ratio of the hydrogen is preferably 2 to 80% by volume.
本考案に係る放電管にあっては、ネオン、アルゴン、窒素の単体又は混合ガスと、水素とを混合させたガス中に、クリプトンを混合して上記放電ガスを構成すると共に、該放電ガス中のクリプトンの混合割合を2〜5体積%と成したことにより、直流放電開始電圧の低下を生じることのない長寿命な放電管を実現することができる。 In the discharge tube according to the present invention, the discharge gas is constituted by mixing krypton in a gas obtained by mixing neon, argon, nitrogen alone or a mixed gas with hydrogen, and in the discharge gas. When the mixing ratio of krypton is 2 to 5% by volume, it is possible to realize a long-life discharge tube that does not cause a decrease in DC discharge starting voltage.
本考案に係る放電管10は、図1及び図2に示すように、両端が開口した絶縁材としてのセラミックよりなる円筒状のケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材14,14で気密に封止することによって気密外囲器16を形成してなる。
As shown in FIGS. 1 and 2, a
上記蓋部材14は、気密外囲器16の中心に向けて大きく突き出た平面状の放電電極部18と、ケース部材12の端面に接する接合部20を備えており、両蓋部材14,14の放電電極部18,18間には、所定の放電間隙22が形成されている。
放電電極部18と接合部20を備えた上記蓋部材14は、無酸素銅や、無酸素銅にジルコニウム(Zr)を含有させたジルコニウム銅で構成されている。尚、ケース部材12の端面と蓋部材14の接合部20とは、銀ろう等のシール材(図示せず)を介して気密封止されている。
The
The
また、上記ケース部材12の内壁面24には、その両端が、放電電極を兼ねた上記蓋部材14,14と微小放電間隙26を隔てて配置された線状のトリガ放電膜28が複数形成されている。図1及び図2においては、トリガ放電膜28を、ケース部材12の内壁面24の円周方向に、45度間隔で8本形成した場合が例示されている。
上記トリガ放電膜28は、カーボン系材料等の導電性材料で構成されている。このトリガ放電膜28は、例えば、カーボン系材料より成る芯材を擦り付けることにより形成することができる。
In addition, a plurality of linear
The
上記放電電極部18の表面には、電子放出特性が良好な物質を含有した被膜30が形成されている。
電子放出特性が良好な物質を含有した上記被膜30は、例えば、臭化セシウム(CsBr)が含有された被膜30で形成することができる。この被膜30は、臭化セシウムの粉末を、珪酸ナトリウム溶液と純水よりなるバインダーに添加したものを、放電電極部18表面に塗布することによって形成することができる。
この場合、臭化セシウムが0.01〜70重量%、バインダーが99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
また、バインダー中の珪酸ナトリウム溶液と純水との配合割合は、珪酸ナトリウム溶液が0.01〜70重量%、純水が99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
On the surface of the
The
In this case, cesium bromide is mixed at a blending ratio of 0.01 to 70% by weight and binder is 99.99 to 30% by weight.
The blending ratio of the sodium silicate solution and pure water in the binder is such that the sodium silicate solution is 0.01 to 70% by weight and the pure water is 99.99 to 30% by weight.
上記気密外囲器16内には、ネオン(Ne)とアルゴン(Ar)、窒素(N2)の単体又は混合ガスと、水素(H2)とを混合させたガス中に、クリプトン(Kr)を混合して構成した放電ガスが封入されており、該放電ガス中のクリプトンの混合割合は2〜5体積%と成されている。
また、放電ガス中の水素の混合割合は2〜80体積%と成されている。水素は放電遅れの防止に効果があるため混合されるものであるが、混合する水素の量が少なすぎる場合には、放電開始電圧の変動を招き、一方、混合する水素の量が多すぎる場合には、規定電圧より低い電圧で放電してしまう早期点弧を誘発することになるため、放電ガス中に混合する水素の混合割合は上記の通り、2〜80体積%と成すのが好ましい。
In the
The mixing ratio of hydrogen in the discharge gas is 2 to 80% by volume. Hydrogen is mixed because it has the effect of preventing discharge delay, but if the amount of hydrogen to be mixed is too small, the discharge start voltage fluctuates, while if the amount of hydrogen to be mixed is too large In this case, since early firing that causes discharge at a voltage lower than the specified voltage is induced, the mixing ratio of hydrogen mixed in the discharge gas is preferably 2 to 80% by volume as described above.
本考案の上記放電管10をサージ吸収素子として用いた場合にあっては、放電電極を兼ねた上記蓋部材14,14を介してサージが印加されると、トリガ放電膜28の両端と蓋部材14,14間の微小放電間隙26に電界が集中し、これにより微小放電間隙26に電子が放出されてトリガ放電としての沿面コロナ放電が発生する。次いで、この沿面コロナ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電が放電電極部18,18間の放電間隙22へと転移し、主放電としてのアーク放電に移行してサージの吸収が行われるのである。
In the case where the
而して、本考案の放電管10にあっては、上記の通り、ネオン(Ne)とアルゴン(Ar)、窒素(N2)の単体又は混合ガスと、水素(H2)とを混合させたガス中に、クリプトン(Kr)を混合して放電ガスを構成すると共に、該放電ガス中のクリプトンの混合割合を2〜5体積%と成したことにより、直流放電開始電圧の低下を生じることのない長寿命な放電管10を実現することができる。
クリプトンは分子量が大きく重いガスであるため、アルゴンや窒素のような軽いガスと異なり熱対流が生じにくいため、クリプトンを放電ガス中に混合することにより、放電電極部18、トリガ放電膜28及び被膜30の熱による消耗が抑制され、放電管10の長寿命化に寄与するものである。
Thus, in the
Since krypton is a heavy gas with a large molecular weight and unlike light gases such as argon and nitrogen, it is difficult for thermal convection to occur. Therefore, by mixing krypton into the discharge gas, the
以下において、本考案に係る放電管10と、比較例の放電管に関して行った実験結果を示す。
図3は、アルゴン65体積%、水素30体積%、クリプトン5体積%を混合して放電ガスを構成した本考案に係る放電管(A)10と、アルゴン50体積%と水素50体積%を混合して放電ガスを構成した比較例の放電管(B)に関して、10/1000μs−100Aのインパルス電流波形を60秒間隔で繰り返し印加した場合における放電回数と直流放電開始電圧との関係を示すグラフである。一般的に、放電管にかかるエネルギーは「電流値の2乗×時間」であるが、上記インパルス電流波形は、波尾長が1000μsと非常に長いので放電管にかかるエネルギーが非常に大きいものである。
本考案に係る放電管10及び比較例の放電管は、何れも直流放電開始電圧が900Vに設定されているものを使用した。
図3のグラフに示される通り、比較例の放電管(B)は、インパルス電流波形を50回印加した段階で直流放電開始電圧が650V程度にまで低下(変化率:約−28%)し、使用に適さなくなった。
これに対し、本考案の放電管10は、インパルス電流波形を50回印加した段階の直流放電開始電圧は855V程度を維持(変化率:約−5%)しており、長寿命な放電管が実現されている。
In the following, results of experiments conducted on the
FIG. 3 shows a discharge tube (A) 10 according to the present invention in which 65% by volume of argon, 30% by volume of hydrogen and 5% by volume of krypton are mixed to form a discharge gas, and 50% by volume of argon and 50% by volume of hydrogen are mixed. 6 is a graph showing the relationship between the number of discharges and the DC discharge start voltage when an impulse current waveform of 10/1000 μs-100 A is repeatedly applied at intervals of 60 seconds with respect to the discharge tube (B) of the comparative example that constitutes the discharge gas. is there. Generally, the energy applied to the discharge tube is “the square of the current value × time”, but the impulse current waveform has a very long wave tail length of 1000 μs, so the energy applied to the discharge tube is very large. .
As the
As shown in the graph of FIG. 3, in the discharge tube (B) of the comparative example, the DC discharge start voltage is reduced to about 650 V (change rate: about −28%) when the impulse current waveform is applied 50 times. No longer suitable for use.
In contrast, the
10 放電管
12 ケース部材
14 蓋部材
16 気密外囲器
18 放電電極部
22 放電間隙
26 微小放電間隙
28 トリガ放電膜
30 被膜
10 discharge tube
12 Case material
14 Lid member
16 Airtight envelope
18 Discharge electrode
22 Discharge gap
26 Micro discharge gap
28 Trigger discharge membrane
30 coating
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007000227U JP3130568U (en) | 2007-01-19 | 2007-01-19 | Discharge tube |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007000227U JP3130568U (en) | 2007-01-19 | 2007-01-19 | Discharge tube |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3130568U true JP3130568U (en) | 2007-03-29 |
Family
ID=43281421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007000227U Expired - Lifetime JP3130568U (en) | 2007-01-19 | 2007-01-19 | Discharge tube |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3130568U (en) |
-
2007
- 2007-01-19 JP JP2007000227U patent/JP3130568U/en not_active Expired - Lifetime
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