JP3130308B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3130308B2
JP3130308B2 JP02208634A JP20863490A JP3130308B2 JP 3130308 B2 JP3130308 B2 JP 3130308B2 JP 02208634 A JP02208634 A JP 02208634A JP 20863490 A JP20863490 A JP 20863490A JP 3130308 B2 JP3130308 B2 JP 3130308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気共鳴イメージング装置の撮影・表示方法
に関し、特に高い診断性能を発揮する磁気共鳴イメージ
ング装置の撮影・表示方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の磁気共鳴イメージング装置における撮影及び断
層像の表示では、撮影やデータ処理等の動作速度が全体
的に低速であったため、時系列的な単発の撮影あるいは
動画的な撮影(シネ撮影)で用いられる連続的な撮影で
あっても、全画像データを取込んだ後に全画像をまとめ
てデータ処理し、表示装置に表示するように構成されて
いた。すなわち、データの処理を一括して行うバッチ処
理を実行するように構成されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の磁気共鳴イメージング装置では、シーケンスの
実行、すなわち被検体で選択されたスライス部位からの
磁気共鳴信号の取込みと、それらの検出データを像再構
成処理し、実際に断層像を表示するまでの時間とが、そ
れぞれ長くかかり、リアルタイムで被検体の観測を行う
ことができなかった。また、従来の装置でも、複数枚の
画像を連続的に取込むことは可能であったが、このよう
な撮影を行う場合には予め画像枚数を定めておく必要が
あった。従って、観測時間を予め決めておく必要があっ
たため、予想をつけることのできない観測を行うことは
できなかった。
更に、全画像データを取込み、その後まとめてデータ
処理を行う場合には、全データを保存できる記憶領域を
確保する必要があり、大規模なデータメモリを必要とす
る。しかし、従来の装置におけるデータメモリは十分に
大きなものではなかった。
本発明の目的は、被検体のリアルタイムな観測を可能
とし、更に画像化を指定する領域をリアルタイムで確認
し、正確な領域指定を可能する磁気共鳴イメージング装
置の撮影・表示方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る第1の磁気共鳴イメージング装置は、静
磁場中に置かれた被検体に磁気共鳴現象を生じさせるた
めの高周波磁界を印加する高周波磁界発生手段と、前記
被検体の撮影部位を選択し当該部位から磁気共鳴信号を
取出すための傾斜磁界を与える傾斜磁界発生手段と、前
記被検体の撮影部位から発生する磁気共鳴信号を受信す
る受信手段と、前記高周波磁界発生手段と前記傾斜磁界
発生手段を所定のシーケンスに基づき制御する制御手段
と、前記受信手段で得られた信号を取込み、像再構成処
理を行う信号処理手段と、前記信号処理手段で得られた
画像データによって断層像を表示する表示手段とを備
え、前記制御手段によって一連のシーケンスを実行し、
これにより前記受信手段で撮影データを取込み、前記信
号処理手段でデータに対して像再構成演算を施し、断層
像を得る磁気共鳴イメージング装置において、制御手段
は、断層像一画像分の像再構成演算の時間を、一連のシ
ーケンスの実行により断層像一画像分の撮影データを受
信手段で取り込む時間より短くし、一連のシーケンスを
自動的に連続して繰返し実行すると共に、同時に像再構
成の演算と表示手段による像表示を連続的に実行する。
本発明に係る第2の磁気共鳴イメージング装置は、第
1の磁気共鳴イメージング装置において、制御手段は、
断層像一画像分の像再構成演算と、画像表示とを含む時
間を、一連のシーケンスの実行により前記断層像一画像
分の撮影データを前記受信手段で取り込む時間より短く
した。
本発明に係る第3の磁気共鳴イメージング装置は、第
1の磁気共鳴イメージング装置において、制御手段は、
一連のシーケンスを複数回繰り返し実行し、nを整数と
すると、第n回目の画像表示は、第(n+2)回目のシ
ーケンスの実行開始と同時若しくは第(n+1)回目の
シーケンスの実行中に行う。
本発明に係る第4の磁気共鳴イメージング装置は、第
1の磁気共鳴イメージング装置において、表示装置の断
層像を表示するための画面の一部に、予め画像化領域を
指定するための画像を得てこれを表示させ、画像に画像
化領域を指定するための指定手段を配置し、当該指定手
段を操作して画像化領域を指定すると、画面に指定され
た画像化領域に対応する断層像が即座に表示される。
〔作用〕
本発明による第1〜第3の磁気共鳴イメージング装置
では、画像データ取込み、像再構成処理、画像表示の各
処理に関してパイプライン方式の処理を実行でき、これ
によりリアルタイムで被検体を観測することが可能であ
る。
本発明による第4の磁気共鳴イメージング装置では、
画像化領域を指定するための画像の画像化指定領域を指
定手段で操作すると、リアルタイムで、指定された画像
化領域に対応する断層像が表示される。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は磁気共鳴イメージング装置の概略的な基本構
成を示すブロック図である。1は円筒形の形状をした磁
石であり、その内部空間には均一の静磁場が生成され
る。被検体2は磁石1の内部の空間において軸方向に向
けてその中心位置に設置される。3は磁石1に対して同
軸になるようにように配設された傾斜磁場コイルであ
り、この傾斜磁場コイルは、X軸方向、Y軸方向、Z軸
方向についてのそれぞれ傾斜磁場コイルを有しており、
各傾斜磁場コイルによって発生される傾斜磁場の組み合
わせによって断層像を作成しようとする被検体2のスラ
イス部位が選択され、且つ所要の像情報を得ることがで
きる。更に、被検体2の周辺近傍には送信コイル4と受
信コイル5とが配設されており、6は被検体2の中に水
素原子核に対して核磁気共鳴現象を発生させるのに必要
とされる高周波磁界を発生させる送受信装置である。送
受信装置6で発生した高周波は送信コイル4を介して被
検体2に照射され、受信コイル5は、一定時間後に被検
体2の水素原子核が発生する核磁気共鳴信号を受信す
る。受信コイル5によって検出された磁気共鳴信号は、
前記の送受信装置6に入力され、ここで、可聴周波数に
変換される。7は傾斜磁場電源で、この傾斜磁場電源7
は前記X軸、Y軸、Z軸の各傾斜磁場コイルのそれぞれ
に対して所要の電流を供給する電源を備え、各傾斜磁場
コイルを駆動する。傾斜磁場電源7は制御機能を有する
計算機8によって制御され、前述の如く、傾斜磁場電源
7は、イメージングに必要な位置情報や流速情報を付加
するための傾斜磁場が予め設定された所要の条件を満足
するように、制御される。また計算機8は前記送受信装
置6の動作も制御し、高周波磁界発生のタイミング等を
制御する。一方、送受信装置6で可聴周波数に変換され
た検出信号は、A/D変換器9でディジタル信号に変換さ
れた後に、計算機8に入力される。計算機8は、前記の
制御機能と併せて信号処理機能と像再構成演算処理機能
を備えており、入力された信号に対して所要の演算処理
を施した後、表示データを作成し、これによって表示装
置10に断層像を表示する。
上記構成を有する磁気共鳴イメージング装置におい
て、断層像を得るための傾斜磁場コイル3や送信コイル
4、受信コイル5等の動作の制御は計算機8に設けられ
た図示しないパルスシーケンサに基づいて実行される
が、パルスシーケンサによって実行されるシーケンスの
一例を第2図に示す。第2図のシーケンスのチャートに
おいて、(A)は被検体2に照射される高周波パルス11
と被検体2においてそのエコーとして発生する磁気共鳴
信号12の時間的関係を示している。高周波パルス11は前
記送信コイル4から発射されるものであり、時間間隔TR
で周期的に発射される。この高周波パルス11の照射に対
して時間TEの経過後、磁気共鳴信号12が発生する。この
磁気共鳴信号12は受信コイル5によって検出される。
(B)はZ軸方向の傾斜磁場を示し、これによって被検
体2における断層像のスライス箇所が選択される。
(C)はY軸方向の位相エンコーディング用の傾斜磁場
であり、傾斜磁場のレベルは256ステップで順次変更さ
れる。(D)はX軸方向の読出し用の傾斜磁場である。
第2図に示されるシーケンスは既に知られるものであ
って、1枚のスライス面の断層像に関する検出信号を取
込むための制御シーケンスの実行時間tr(TR×n;nは繰
返し回数)は、本実施例では、撮影時間の高速化に伴い
1秒以下に設定されている。
第1図に示された磁気共鳴イメージング装置におい
て、第2図に示される制御シーケンスを実行することに
より、選択した断層像に関する画像信号を得ることがで
きる。得られた信号に対して2次元高速フーリエ変換
(2D−FFT)処理を実行することによって、第3図に示
される如き断層画像20が表示装置10に表示される。
本実施例による磁気共鳴イメージング装置では、ある
シーケンス(前記時間trで決まる、1枚の断層像を作成
するための信号を取込むことのできる制御の流れを1シ
ーケンスとする)の検出信号に対し2D−FFT処理の実施
を開始する時、同時に、自動的に次の断層像の画像デー
タを得るための検出信号を取込むためのシーケンスの実
行を開始する。それ以後、連続的に次々に画像信号を取
込み、2D−FFT処理を実行し、画像表示を行う、という
動作をパイプライン的に実行処理する。この動作状態を
図で表すと、第4図の如くなる。
第4図において、(A)はシーケンスの実行による撮
影データの取込みの状態を示し、N−1,N,N+1,N+2が
それぞれ各断層像についてのデータ取込み実行時であ
り、その実行に要する時間は前述の通りtrである。N等
の符号は、取込んだ画像データの一連の通し番号であ
る。第4図の(B)は2D−FFTによるデータ処理と画像
表示の実行時であり、それぞれ対応するデータの取込み
が終了した段階において、同期をとって実行される。
(B)において斜線部分はデータ処理が実行されていな
い時間帯である。従って、当該データ処理のための時間
はデータ取込みのための時間trよりも短い時間に設定さ
れている。パイプライン処理が実行できるためには、デ
ータ処理の時間は、データ取込みのシーケンス実行時間
trに等しいか又はそれよりも短くなければならない。第
4図(B)のデータ処理が終了すると、次の段階では、
表示装置10に、再構成された断層画像が順次に表示され
ることになる。以上の如くして、例えば、N番目の画像
の検出信号の取込みが終了すると、このデータは直ちに
データ処理が開始される。同時にN+1番目の画像の信
号の取込みが開始される。こうして、tr秒ごとに連続し
て画像が表示される。
第5図は他の処理の構成を示すものであり、この実施
例では、第5図の(B)と(C)に示す如く、データ処
理と画像表示を分けて処理するように構成されている。
図中斜線部は処理を行っていない時間帯を示す。
上記の各実施例では、磁気共鳴イメージング装置によ
る撮影時間の高速化に伴って、像再構成処理や画像表示
処理の動作を高速化し、磁気共鳴イメージング装置にお
いてパイプライン方式のデータ処理を実現し、リアルタ
イムで断層像の表示を行えるようにした。
また本発明による磁気共鳴イメージング装置では、第
6図に示すように、断層像30の表示を行う本来の画面31
において、例えばその左下の一部に、画像化領域、すな
わち断層像30の位置を指定するための位置決め画像32
を、予め表示するように構成し、更に位置決め画像32に
位置を指定するためのライン又はカーソル33を表示する
ことも可能である。このライン又はカーソル33は、図示
しない入力操作器によってオペレータによって移動自在
である。かかる構成を有する磁気共鳴イメージング装置
によれば、オペレータが、位置決め画像32において、ラ
イン又はカーソル33を適宜に移動させると、その存在位
置が画像化領域ととして指定され、当該箇所の断層像が
画面31においてリアルタイムで表示されることになる。
〔発明の効果〕
以上の説明で明らかなように本発明によれば、磁気共
鳴イメージング装置において撮影の高速化を図り、撮影
と像再構成処理のパイプライン化を図ることによって、
観測対象の被検体の部位をリアルタイムで表示すること
ができ、また画像化領域の指定を、リアルタイムで直接
的に得られた画像で確認することができ、これによって
正確な領域の画像を得ることができ、磁気共鳴イメージ
ング装置による診断能力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は磁気共鳴イメージング装置の概略構成を示すブ
ロック図、第2図はパルスシーケンスの例を示すタイミ
ングチャート、第3図は断層像の例を示す図、第4図は
信号の取込みとデータ処理及び画像表示のパイプライン
処理を示すタイミングチャート、第5図は他の実施例の
第4図と同様な図、第6図は本来の断層像を表示する画
面の一部に画像化領域を指定するための画像を表示する
例を示した図である。 〔符号の説明〕 1……磁石 2……被検体 3……傾斜磁場コイル 4……送信コイル 5……受信コイル 6……送受信装置 7……傾斜磁場電源 8……計算機 10……表示装置 20,30……断層像 32……位置決め画像 33……ライン又はカーソル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場中に置かれた被検体に磁気共鳴現象
    を生じさせるための高周波磁界を印加する高周波磁界発
    生手段と、前記被検体の撮影部位を選択し当該部位から
    磁気共鳴信号を取出すための傾斜磁界を与える傾斜磁界
    発生手段と、前記被検体の撮影部位から発生する磁気共
    鳴信号を受信する受信手段と、前記高周波磁界発生手段
    と前記傾斜磁界発生手段を所定のシーケンスに基づき制
    御する制御手段と、前記受信手段で得られた信号を取込
    み、像再構成処理を行う信号処理手段と、前記信号処理
    手段で得られた画像データによって断層像を表示する表
    示手段とを備え、前記制御手段によって一連のシーケン
    スを実行し、これにより前記受信手段で撮影データを取
    込み、前記信号処理手段でデータに対して像再構成演算
    を施し、断層像を得る磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記制御手段は、前記断層像一画像分の像再構成演算の
    時間を、前記一連のシーケンスの実行により前記断層像
    一画像分の撮影データを前記受信手段で取り込む時間よ
    り短くし、前記一連のシーケンスを自動的に連続して繰
    返し実行すると共に、同時に前記像再構成の演算と前記
    表示手段による像表示を連続的に実行することを特徴と
    する磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置
    において、前記制御手段は、前記断層像一画像分の像再
    構成演算と、画像表示とを含む時間を、前記一連のシー
    ケンスの実行により前記断層像一画像分の撮影データを
    前記受信手段で取り込む時間より短くしたことを特徴と
    する磁気共鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置
    において、前記制御手段は、前記一連のシーケンスを複
    数回繰り返し実行し、nを整数とすると、第n回目の画
    像表示は、第(n+2)回目のシーケンスの実行開始と
    同時若しくは第(n+1)回目のシーケンスの実行中に
    行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置
    において、前記表示装置の断層像を表示するための画面
    の一部に、予め画像化領域を指定するための画像を得て
    これを表示させ、前記画像に前記画像化領域を指定する
    ための指定手段を配置し、当該指定手段を操作して画像
    化領域を指定すると、前記画面に指定された画像化領域
    に対応する断層像が即座に表示されることを特徴とする
    磁気共鳴イメージング装置。
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