JP3129903U - 自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具 - Google Patents

Abstract

【課題】自動車のドアに設置された保護用サイドモールディングの取り外し作業をしやすくする工具を提供する。
【解決手段】取り外し工具の軸部３１の先端に設けられたＳ字板３３の先端には、二つの三角形を対称に配置した形状の断面略Ｌ字状を呈するヘラ部が溶接され一体となっており、ヘラ部の先端に刃部３７、３８を有する。このような取り外し工具のＬ字型ヘラ部の左右のヘラの一方の刃部３７か３８を車体側面の保護用サイドモールディング２５の一端の角に挟入し、接触させながら押し込むと保護用サイドモールの塗膜部分に楽に切り込むことができる。また、挟入後はＳ字板３３とヘラ部のガイドスペース４０、４１のカーブを利用することにより保護用サイドモールディング２５に沿って切り進めやすく、容易に車体側面から浮きあがり、素早く取り外し作業をすることができる。
【選択図】図６

Description

本考案は、自動車の車体保護用サイドモールディングを取り外す際に使用される取り外し工具に関する

従来の技術においては、一般の自動車は駐車時や狭い道路での運転時、自身や他者により車体に傷をつけることがないよう、通常は出庫時に車体の両側面に軟質樹脂製のサイドモールディングを装着し、高度を付けることにより、車体表面に傷がつくのを防いだり、傷を減少させたりするための予防線とする。保護用サイドモールディングはまず車体表面を保護する機能をもち、また何よりも先に外部物体と接触する箇所であることから、脱落を防止するための粘着力を重要視しており、一般的には高強度の粘着剤で接着されている。そのため取り外す際には通常比較的鋭利な工具を用いて作業を行う。

図１、図２が示すように従来の技術においては保護用サイドモールディング、及び不特定の取り外し工具に関して、一般的にはＹ型皮スキのような工具を代用する。Ｙ型皮スキは握持部１０の先端に扁平状のヘラ１５、その先端に直刃部１６を有する形状のものであり、車体２０の保護用サイドモールディング２５の一端から車体２０との間に直刃１６を挟入し、保護用サイドモールディング２５に上方向の力をかけて取り外す。
しかしながら、従来の方法では保護用サイドモールディング２５の粘着力が極めて強いため、作業の際、Ｙ型皮スキにより保護用サイドモールディング２５を押し上げながら継続的に力をかけ続ける必要があり、作業時には手間がかかる上、力も必要とする。また、取り外し作業には時間がかかるだけでなく、Ｙ型皮スキの直刃部１６が車体２０に接触して表面に傷をつけやすいという問題点もある。
特開２００６−２９７４９３号公報

本考案は前述の事情に鑑みてなされたもので、車体を傷めず、素早く簡単に保護用サイドモールディングを取り外すことが可能な工具を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本考案の保護用サイドモールディング取り外し工具は握持部と軸部、及びヘラ部等から構成され、その軸部は先端にＳ字板を設けた棒状軸からなり、適当な長尺のＳ字板がヘラの内側に溶接され一体となった構造であり、該ヘラ部は先端に刃部を有する二つの三角形のヘラ板を対称に配置した形状で断面が略Ｌ字状を呈していることを特徴とする。
すなわち、本考案の自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具は、握持部、軸部、ヘラ部等からなる自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具において、握持部先端に軸部の棒状軸が設けられ、棒状軸部の両端にそれぞれ握持部とＳ字板を設けてなり、Ｓ字板の外端にヘラ部の内側中央部分が垂直になるよう溶接されて一体となった構造をなし、ヘラ部は断面が略Ｌ字状を呈し、先端へいくほどヘラ部は広くなり、ヘラ部の内側は横断面は逆三角形になるよう配置され、内側の逆三角形の面積が小さい側に軸部が溶接され一体構造をなすことを特徴とする。
また、上記の自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具において、軸部先端に設けられたＳ字板の形状は棒状、または板状をなし、幅の狭い側の端をヘラ部に溶接してなる一体構造であることを特徴とする。
さらに、上記の自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具において、軸部の先端に設けられたヘラ部は先広がりに配置され、先端には刃を有することを特徴とする。

以上のように本考案によれば、取り外し工具を車体の保護用サイドモールディングの一端の角に挟入させ、先端に刃部を有する断面略Ｌ字状のヘラ板の左右のうち一方を接触させながら押し込むことにより、車体の保護用サイドモールディングの塗膜部に楽に切り込むことができ、また、Ｓ字板とヘラ部のカーブが挟入後は保護用サイドモールディングをガイドするため、切り進めやすく、容易に車体から浮きあがり、素早く簡単に取り外し作業をすることができるという、優れた効果を提供できるものである。

上述の目的及び効果を達成するため、本考案が採用した技術的手段及びその構造について、以下に説明図及び実施例を用いてその特徴と効果を詳細に説明する。

図３が示すように本考案の保護用サイドモールディング取り外し工具２７は握持部３０と軸部３１、及びヘラ部３４等から構成され、その軸部３１は棒状軸３２を含み、棒状軸３２の一端には握持部３０が設けられ、握持部３０は取り外し工具２７のハンドル部分をなし、力の支点となる。該軸部３１のもう一端にはＳ字板３３が設けられ、該Ｓ字板の先端の細い側がヘラ部３４の中間の凹部に溶接され、一体構造を形成する。
該取り外し工具２７の軸部３１の一端のＳ字板３３において、一端は棒状軸３２の延長にあり、やや扁平状の平板であり、もう一端に行くにしたがい細くなる形状をなす。末端の細い部分がヘラ部３４の断面略Ｌ字状に加工を施した角の位置に溶接され一体構造を形成している。平板状のＳ字板３３はヘラ部３４の後端に設けられていることから、ヘラ部３４を利用し、保護用サイドモールディングの取り外し作業を行う際、Ｓ字板３３が力点となるため、すべての力がかかることになり、ヘラ部３４からの力量に耐えられるＳ字板３３の構造は、工具の変形防止の効果を有する。

図３、図５に示すように軸部３１の先端に設けられたヘラ部３４は二枚の三角形のヘラ板４２、４３を直角の向きで対称に配置し、二枚のヘラ板４２、４３は幅が広い部分のヘラ先３５，３６と、内側の幅の狭い部分を有し、二枚のヘラ板が形成する内縁空間の一端にＳ字板３３の先端を重え溶接し、一体構造をなす。
該ヘラ部３４の各ヘラ板４２（４３）の先端外縁３５（３６）部が広い側が配置され、ヘラ先３５（３６）には刃部３７（３８）を有し、ヘラ部３４により車体側面２６の保護用サイドモールディング２５を取り外す際、まずヘラ部３４の片側のヘラ板４２の先端３５の刃部３７を保護用サイドモールディング２５と車体側面２６が接着された隙間に当てがい、握持部３０を支点、軸部３１を力点としてヘラ部３４のヘラ板４２を車体側面２６と保護用サイドモールディング２５の接着面に向けて、ヘラ部３４のヘラ先３５の刃部３７を利用し、力を入れながら上下させて取り外し作業を行う。

棒状軸３２は車体側面２６と保護用サイドモールディング２５の取り外し作業を行う際に、ヘラ部３４の片側のヘラ板４２により切り込み作業を進める。もう一方のヘラ板４３はヘラ板４２に対し９０度の角度をもって配置されることによりヘラ板４２の機能を強化し、ヘラ板４２が加圧時に変形するのを防ぐ。また、保護用サイドモールディング２５はある程度の長さを持つため、すでに切り外した保護用サイドモールディング２５を支持ガイドする面がなければ、ヘラ部３４は加圧作業時にゆがんだり、力がかけにくいといった状況が生じやすい。
ヘラ板４２と別側のヘラ板４３はそれぞれ９０度の角度に配置されており、ヘラ板４２のヘラ先３５の刃部３７により加圧し、保護用サイドモールディング２５の取り外し作業を行う際に、もう一方のヘラ板４３は随時ガイド面となり、すでに切り外した保護用サイドモールディング２５はヘラ板４３に沿って外向きにガイドすることができる。とりわけ保護用サイドモールディング２５がヘラ部３４とＳ字板３３の接合付近に位置する際には、ヘラ板４３が自然と一定の方向に導かれ、ヘラ部３４の加圧時に無駄な力をかける必要がなくなる。
ヘラ部３４の内縁先端と軸部３１のＳ字板３３の先端の溶接箇所は幅の狭い板状に加工されており、ヘラは先に向かうにつれ幅が広くなる形状をなす。特にヘラ部３４とＳ字板３３に接する付近においてＳ字板３３は湾曲しヘラ板の抗圧強度を増強させるだけでなく、さらにＳ字板３３とヘラ部３４の接合部分の両側面にガイドスペース４０、４１を形成し、保護用サイドモールディング２５は切り外された後に、もう一方のヘラ板に沿わせて切り進むと、Ｓ字板３３上の片側ガイドスペース４１に支持されるため、ヘラ部３４は車体側面２６の保護用サイドモールディング２５の取り外し作業を継続することができる。

車体側面２６に接着された保護用サイドモールディング２５はある程度の幅がある。一度で取り外すためには工具にも相当の幅が要求されるだけでなく、作業時の労力も大きく、手作業にはあまり適していない。このためヘラ部３４は９０度に配置された二枚のヘラ板４２、４３に最適な幅を持たせ、二枚のヘラ板４２、４３、及び刃部３７、３８をそれぞれ異なる方向から車体側面２６の保護用サイドモールディング２５の取り外し作業を行うことで、すばやく保護用サイドモールディング２５の取り外しができる。

本考案は上述の各実施例により発明品の特徴、及び構造について詳細に説明してあり、本考案には間違いなく明らかな改良点と独創性が認められる。

従来の取り外し工具の斜視図である。 従来の取り外し工具の使用時の状態を示す斜視図である。 本考案の取り外し工具の構造を示す斜視図である。 本考案の取り外し工具の先端部分の構造を示す斜視図である。 本考案の取り外し工具をサイドモールディングに挟入した際の状態を示す斜視図である。 本考案の取り外し工具をサイドモールディングとヘラの間のカーブを利用し切り進める状態を示す斜視図である。 本考案の取り外し工具でサイドモールディングの反対側の接着面に挟入した状態を示す奢侈図である。

符号の説明

１１ 保護用サイドモールディング
１２ 取り外し工具
１３ 車体
１０ 握持部
１５ てこの力点
１６ 接触面（直刃部）
１７ ハンマー方式（打撃方式）
２０ 車体側面
２５ 保護用サイドモールディング
２６ 車体側面
２７ 取り外し工具
３０ 握持部
３１ 軸部
３２ 棒状軸
３３ Ｓ字板
３４ ヘラ部
３５、３６ ヘラ先
３７、３８ 刃部
３９ Ｌ型角
４０、４１ ガイドスペース（凹型湾曲部）
４２、４３ ヘラ板

Claims (3)

1. 握持部、軸部、ヘラ部等からなる自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具において、握持部先端に軸部の棒状軸が設けられ、棒状軸部の両端にそれぞれ握持部とＳ字板を設けてなり、Ｓ字板の外端にヘラ部の内側中央部分が垂直になるよう溶接されて一体となった構造をなし、ヘラ部は断面が略Ｌ字状を呈し、先端へいくほどヘラ部は広くなり、ヘラ部の内側は横断面は逆三角形になるよう配置され、内側の逆三角形の面積が小さい側に軸部が溶接され一体構造をなすことを特徴とする自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具。
2. 上記の自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具において、軸部先端に設けられたＳ字板の形状は棒状、または板状をなし、幅の狭い側の端をヘラ部に溶接してなる一体構造であることを特徴とする請求項１に記載の自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具。
3. 上記の自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具において、軸部の先端に設けられたヘラ部は先広がりに配置され、先端には刃を有することを特徴とする請求項１に記載の自動車の保護用サイドモールディング取り外し工具。

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