JP3129882U - あんぽ柿のパッケージ - Google Patents

Abstract

【課題】水分を多く含むため軟らかく、ベタベタするあんぽ柿を見栄えよく包装するための立体包装用パッケージを提供する。
【解決手段】樹脂製の透明容器の内部にあんぽ柿を収納し、容器頭部を透明なキャップで密封して、容器内部のあんぽ柿が潰れることなく、入れたままの形状に保形されるようにし、かつ有色の表面状態を容器側面を通して外部のどの方向からも透視しうるように構成したものである。
【選択図】図２

Description

本考案は、水分含有量が多くやわらかくトロリとした「あんぽ柿」を見栄えよく包装するためのパッケージに関する。特に、例えば年末年始等のギフト用に好適に使用できるあんぽ柿用の立体包装用パッケージに関する。

「あんぽ柿」は干し柿の一種で、一般的には乾燥時間を短くして水分が多く含まれるように（水分含有量４０〜５０％前後）、柔らかな仕上げにしたものをいう。保存性は水分含有量の少ない他の干し柿に比べると劣るが、トロットした舌触りや鮮やかなオレンジ色をした点が好まれ、高級加工果物として広く販売されている。ちなみに水分含有量が２５％前後にして、白っぽい粉が吹いてくるようなものは「枯露（ころ）柿」と呼ばれている。

ところであんぽ柿は、水分が多いため腐敗やカビ発生が生じやすく、賞味期限は枯露柿よりも短い。そこで多くはフィルムで密封包装している。さらに必要に応じ脱酸素剤や乾燥剤等を共に収納して密封している。また、あんぽ柿は、一般的な干し柿よりも大きいので密封する柿の数は通常１個または数個である。そしてこれを市場に出荷するときは、流通時の水分の浸みだしも考慮して一般にはひとつのトレーの上に数個並べてフィルム包装し、フィルム包装したものをさらに段ボール箱に箱詰めして出荷されていた。しかし、出荷流通時には上記トレーや段ボール箱は数段に積み重ねることが多いので、下にくるあんぽ柿は、上段の荷重のため押され潰れて、ひらたくなりやすく、さらに水分のしみだしのため、品質低下となる。

さらに、あんぽ柿が扁平に潰れてしまうと見栄えがせず、美味そうには見えず高級加工果物として商品価値が損なわれ問題となっていた。従って、そのようなあんぽ柿は購買者の食指を誘わず、値段を安くせざるを得ない。木箱などに箱詰めにされるギフト用あんぽ柿にも上記と似たような商品の潰れの問題や、水分のしみだしの問題があり、購買者の食指を誘うように「あんぽ柿」を見栄えよく美味しそうに見えるパッケージの提案が待たれていた。

本考案の課題は、水分を多く含むため軟らかく、ベタベタするあんぽ柿を見栄えよく包装するための立体包装用パッケージを提案することである。

上記課題を解決するために、本考案は、樹脂製のカップ状または円筒状の透明容器の内部にあんぽ柿を収納し、容器頭部を透明なキャップで密封して、容器内部のあんぽ柿が潰れることなく入れたままの形状に保形されるようにし、かつ有色の表面状態を容器側面を通して外部のどの方向からも透視しうるように構成したものである。
請求項２の考案は、容器内のあんぽ柿は、フィルムで密封包装され、周囲を汚損しないようにしたあんぽ柿パッケージである。
請求項３の考案は、密封した包装内部に、脱酸素剤を封入して、あんぽ柿を外気により変質しがたくしたものである請求項1または２のパッケージである。
請求項４の考案は、容器底部に、少なくともあんぽ柿の固定兼緩衝用モールが設けられ、あんぽ柿の容器内のころがり移動を防止している請求項1〜３のパッケージである。

本考案によれば、枯露柿に比べおおきく、やわかいあんぽ柿が潰れることなく、容器に入れたときと同じ形状を保ち、きれいな外観を示す。そして、容器の中に入れたあんぽ柿は見栄えのよい状態で容器側面を通して３６０度どの方向からも見ることができるので商品陳列効果が高く、しかも、押しつぶれのない保存の良い状態で美味しそうに展示できる。
本考案によれば、水分を多量に含むため軟らかく、ベタベタする「あんぽ柿」を洋菓子感覚で見栄えよく包装することができる。また周囲を汚すことなく取り扱いも容易なものである。

次に本考案を図面により詳しく説明する。図１は、カップ状の透明容器の内部にフィルム包装した２個のあんぽ柿を、ヘタの部分を下にした状態で収納した状態を示す縦断面図である。図２は容器頭部を透明なキャップで密封した状態を示した斜視図である。なおフィルム包装をしない場合もある。

図３は、透明なフィルム包装品１０の平面図である。図は水分含有率４０〜５０％のあんぽ柿１１と脱酸素剤１２とを低酸素透過性のプラスチックフィルム製包装袋に収納し、熱シール部１３で密封した状態を示している。あんぽ柿は１個ずつ包装（個装）してもよいが、数個まとめて包装してもよい。

次に、このフィルム包装品１０を２個、あんぽ柿のヘタの部分を下にした状態で図１のように、カップ状の透明容器１４の内部に収納する。必要に応じ、容器底に乾燥剤を設けることがある。
透明容器１４の底とあんぽ柿との間には固定兼緩衝用モール１５などの、あんぽ柿の容器内でのころがり移動を防止する手段を設けるのがよい。また容器内のあんぽ柿が新鮮で、ふっくらと、つぶれることなく美味しく見えるように、造花その他のディスプレイ１６をフィルム包装品１０の隙間に配置してもよい。

符号１７は容器頭部にかぶせる透明キャップである。符号１８はキャップ固定するためのシールテープである。

本考案によれば、水分含有量の多い「あんぽ柿」独特のオレンジ色をしたふっくらした表面状態を容器側面を通して透視できるから、例えば干し柿離れした若い人や女性が洋菓子感覚で購買することが期待される。

図１は、カップ状の透明容器の内部に、フィルム包装した２個のあんぽ柿をそのヘタの部分を下にした状態で収納した状態を示す縦断面図である。 図２は容器頭部を透明なキャップで密封した状態を示した斜視図である。 図３は、フィルム包装品１０の平面図である。

符号の説明

１０ フィルム包装品
１１ あんぽ柿
１２ 脱酸素剤
１３ シール部
１４ 透明容器
１５ 固定兼緩衝モール
１６ 造花等のディスプレイ
１７ キャップ
１８ シールテープ

Claims (4)

1. 樹脂製のカップ状または円筒状の透明容器の内部にあんぽ柿が収納され、容器頭部を透明なキャップで密封され、容器内部のあんぽ柿が潰れることなく入れたままの形状に保形されるようにし、かつ有色の表面状態を容器側面を通して外部のどの方向からも透視しうるように構成したことを特徴とするあんぽ柿のパッケージ。
2. 容器内のあんぽ柿はフィルムで密封包装され、周囲を汚損しないようにした請求項１記載のあんぽ柿のパッケージ。
3. 密封した包装内部に、脱酸素剤を封入してあんぽ柿を外気により変質しがたくしたものである請求項1または２記載のあんぽ柿のパッケージ。
4. 容器底部に、少なくともあんぽ柿の固定兼緩衝用モールが設けられ、あんぽ柿の容器内の移動を防止している請求項1〜３のいずれか１項記載のあんぽ柿のパッケージ。

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