JP3129783B2 - 電力ケーブルの絶縁診断方法 - Google Patents
電力ケーブルの絶縁診断方法Info
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- JP3129783B2 JP3129783B2 JP03256943A JP25694391A JP3129783B2 JP 3129783 B2 JP3129783 B2 JP 3129783B2 JP 03256943 A JP03256943 A JP 03256943A JP 25694391 A JP25694391 A JP 25694391A JP 3129783 B2 JP3129783 B2 JP 3129783B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力ケーブルの絶縁診断
方法、特に直流漏れ電流、直流成分電流、低周波成分電
流、誘電正接、分解ガス成分比、アコースティックエミ
ッション等の測定値を有効に利用して、高い検出感度で
絶縁劣化を検出する、電力ケーブルの診断方法に関す
る。
方法、特に直流漏れ電流、直流成分電流、低周波成分電
流、誘電正接、分解ガス成分比、アコースティックエミ
ッション等の測定値を有効に利用して、高い検出感度で
絶縁劣化を検出する、電力ケーブルの診断方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブル線路の絶縁診断において、
部分放電パルスの高周波成分の測定のほかに、直流漏れ
電流、直流成分電流、低周波成分電流、誘電正接、分解
ガス成分比、あるいはアコースティックエミッション
(以下、直流漏れ電流等と言う)は絶縁診断の補助的情
報として利用される。部分放電パルスの測定は活線状態
でも行われるが、直流漏れ電流等の測定は、従来、一般
に線路停止時常温で、あるいは軽負荷で、行われてい
る。
部分放電パルスの高周波成分の測定のほかに、直流漏れ
電流、直流成分電流、低周波成分電流、誘電正接、分解
ガス成分比、あるいはアコースティックエミッション
(以下、直流漏れ電流等と言う)は絶縁診断の補助的情
報として利用される。部分放電パルスの測定は活線状態
でも行われるが、直流漏れ電流等の測定は、従来、一般
に線路停止時常温で、あるいは軽負荷で、行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、直流漏れ電流
等の測定は、ノイズの多い実線路では測定値の変動が比
較的大きく、高いS/N比を得ることができないため、
劣化の初期段階の軽微な変化は検出できず、絶縁劣化の
目安程度にしか利用されていなかった。
等の測定は、ノイズの多い実線路では測定値の変動が比
較的大きく、高いS/N比を得ることができないため、
劣化の初期段階の軽微な変化は検出できず、絶縁劣化の
目安程度にしか利用されていなかった。
【0004】また、部分放電パルスの測定も含めて、ケ
ーブルの温度についての考慮がなされていなかった。実
線路では時間、天候、季節は勿論、負荷の大小によりケ
ーブルの温度はかなり変化するから、温度によって部分
放電の頻度や大きさが変化するとすれば、ケーブルの温
度の差も測定値の変動を大きくする一因となっていたと
思われる。
ーブルの温度についての考慮がなされていなかった。実
線路では時間、天候、季節は勿論、負荷の大小によりケ
ーブルの温度はかなり変化するから、温度によって部分
放電の頻度や大きさが変化するとすれば、ケーブルの温
度の差も測定値の変動を大きくする一因となっていたと
思われる。
【0005】本発明の目的は、直流漏れ電流、直流成分
電流、低周波成分電流、誘電正接、分解ガス成分比、ア
コースティックエミッション等の測定のS/N比を高
め、これらの測定を積極的に利用して、初期の軽微な劣
化でも検出できる、電力ケーブル線路の絶縁診断方法を
実現することにある。
電流、低周波成分電流、誘電正接、分解ガス成分比、ア
コースティックエミッション等の測定のS/N比を高
め、これらの測定を積極的に利用して、初期の軽微な劣
化でも検出できる、電力ケーブル線路の絶縁診断方法を
実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、電力ケーブルの絶縁体を所定の温度以上
の温度に熱し、 前記電力ケーブルの絶縁体が前記熱せら
れた状態で、直流漏れ電流、直流成分電流、低周波成分
電流、分解ガス成分比、およびアコースティックエミッ
ションのうち少なくとも一つを測定し、 この測定値に基
づいて前記絶縁体の水トリーによる劣化を判断する電力
ケーブルの絶縁診断方法を提供するものである。
達成するため、電力ケーブルの絶縁体を所定の温度以上
の温度に熱し、 前記電力ケーブルの絶縁体が前記熱せら
れた状態で、直流漏れ電流、直流成分電流、低周波成分
電流、分解ガス成分比、およびアコースティックエミッ
ションのうち少なくとも一つを測定し、 この測定値に基
づいて前記絶縁体の水トリーによる劣化を判断する電力
ケーブルの絶縁診断方法を提供するものである。
【0007】また本発明は、上記の目的を達成するた
め、直流漏れ電流、直流成分電流、低周波成分電流、分
解ガス成分比、アコースティックエミッション、および
部分放電パルス信号のうち少なくとも一つを、電力ケー
ブルの絶縁体が所定の温度以上の第一の温度にあると
き、および前記絶縁体がそれより低い第二の温度にある
とき、それぞれ測定し、 前記第一の温度で測定された測
定値と、前記第二の温度で測定された測定値を比較し、
それらの差に基づいて前記絶縁体の水トリーによる劣化
を判断する電力ケーブルの絶縁診断方法を提供するもの
である。
め、直流漏れ電流、直流成分電流、低周波成分電流、分
解ガス成分比、アコースティックエミッション、および
部分放電パルス信号のうち少なくとも一つを、電力ケー
ブルの絶縁体が所定の温度以上の第一の温度にあると
き、および前記絶縁体がそれより低い第二の温度にある
とき、それぞれ測定し、 前記第一の温度で測定された測
定値と、前記第二の温度で測定された測定値を比較し、
それらの差に基づいて前記絶縁体の水トリーによる劣化
を判断する電力ケーブルの絶縁診断方法を提供するもの
である。
【0008】所定の温度とは、直流もれ電流等の上記各
特性の測定値が、常温での測定値より歴然と大きくなる
温度、例えば40℃を意味し、好ましくは50℃であ
る。
特性の測定値が、常温での測定値より歴然と大きくなる
温度、例えば40℃を意味し、好ましくは50℃であ
る。
【0009】第一の温度は、例えば夏季、日中、高負荷
送電時、あるいはそれらの条件が重なった状態での、ケ
ーブルの温度に相当する温度以上とするのが好ましい。
夏季の晴天の日中における高負荷送電時のケーブルの温
度は60℃を超えるので、60℃前後とすることが好ま
しい。第一の温度の状態は、例えば夏季、日中、高負荷
時、それらの重なった状態を利用することができる。も
ちろん、強制加熱によりケーブルを第一の温度にしても
よい。
送電時、あるいはそれらの条件が重なった状態での、ケ
ーブルの温度に相当する温度以上とするのが好ましい。
夏季の晴天の日中における高負荷送電時のケーブルの温
度は60℃を超えるので、60℃前後とすることが好ま
しい。第一の温度の状態は、例えば夏季、日中、高負荷
時、それらの重なった状態を利用することができる。も
ちろん、強制加熱によりケーブルを第一の温度にしても
よい。
【0010】第二の温度は常温、すなわち15℃ないし
25℃とするのが便利であるが、それより若干高い温度
あるいは低い温度でもよい。第二の温度の状態は、例え
ば深夜、未明、低負荷時、無負荷時、停電後の状態を利
用することができるが、もちろんケーブルを強制冷却し
てもよい。直流漏れ電流等の各特性について、ケーブル
温度に対する依存性を予め求めておくことが好ましい。
25℃とするのが便利であるが、それより若干高い温度
あるいは低い温度でもよい。第二の温度の状態は、例え
ば深夜、未明、低負荷時、無負荷時、停電後の状態を利
用することができるが、もちろんケーブルを強制冷却し
てもよい。直流漏れ電流等の各特性について、ケーブル
温度に対する依存性を予め求めておくことが好ましい。
【0011】異なる温度での測定値の差に基づいて絶縁
診断を行う場合、それぞれの温度での測定値の平均化を
行って、その差を求めることが好ましい。
診断を行う場合、それぞれの温度での測定値の平均化を
行って、その差を求めることが好ましい。
【0012】本発明は、直流漏れ電流、直流成分電流、
低周波成分電流、分解ガス成分比、アコースティックエ
ミッションの測定による絶縁診断に限らず、その他の測
定方法、例えば、部分放電パルスの高周波成分の測定等
を用いる場合にも適用できる。
低周波成分電流、分解ガス成分比、アコースティックエ
ミッションの測定による絶縁診断に限らず、その他の測
定方法、例えば、部分放電パルスの高周波成分の測定等
を用いる場合にも適用できる。
【0013】本発明では、絶縁物が所定の温度以上に熱
せられた状態で、直流漏れ電流、直流成分電流、低周波
成分電流、分解ガス成分比、アコースティックエミッシ
ョン等を測定することにより、大きな出力信号を得るこ
とができるから、ノイズの多い実験路でも高いS/N比
で測定ができ、初期劣化等の軽微な絶縁劣化を検出でき
る。
せられた状態で、直流漏れ電流、直流成分電流、低周波
成分電流、分解ガス成分比、アコースティックエミッシ
ョン等を測定することにより、大きな出力信号を得るこ
とができるから、ノイズの多い実験路でも高いS/N比
で測定ができ、初期劣化等の軽微な絶縁劣化を検出でき
る。
【0014】また本発明では、直流漏れ電流、直流成分
電流、低周波成分電流、分解ガス成分比、アコースティ
ックエミッション等を、比較的高い温度と比較的低い温
度で測定して比較し、その差に基づいて絶縁診断を行う
から、初期劣化等の軽微な絶縁劣化の場合の比較的高温
でのみ生ずる変化を、高いS/N比で検出することがで
きる。
電流、低周波成分電流、分解ガス成分比、アコースティ
ックエミッション等を、比較的高い温度と比較的低い温
度で測定して比較し、その差に基づいて絶縁診断を行う
から、初期劣化等の軽微な絶縁劣化の場合の比較的高温
でのみ生ずる変化を、高いS/N比で検出することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明のさらに具体的
な説明とする。 〔実施例1〕7年間使用された架橋ポリエチレン絶縁6
kV用電力ケーブル(導体の断面積100mm2 )につい
て、対地3.8kVの交流電圧を課電した実線路で、直
流成分電流を測定した。測定は、日本国内の8月の晴天
の日の午後2時、および翌日の午前4時に行った。ケー
ブル絶縁体の温度は、それぞれ70℃および40℃と推
定される。
な説明とする。 〔実施例1〕7年間使用された架橋ポリエチレン絶縁6
kV用電力ケーブル(導体の断面積100mm2 )につい
て、対地3.8kVの交流電圧を課電した実線路で、直
流成分電流を測定した。測定は、日本国内の8月の晴天
の日の午後2時、および翌日の午前4時に行った。ケー
ブル絶縁体の温度は、それぞれ70℃および40℃と推
定される。
【0016】日中測定した直流成分電流は30nA、翌
日未明に測定した直流成分電流は2nAであった。実線
路での直流成分電流の平均変動は約±2nAであるか
ら、日中測定した直流成分電流は充分有意のものであ
る。
日未明に測定した直流成分電流は2nAであった。実線
路での直流成分電流の平均変動は約±2nAであるか
ら、日中測定した直流成分電流は充分有意のものであ
る。
【0017】線路を停電させ、ケーブルを線路から撤去
し、長さ10mを供試ケーブルとして、温度15℃およ
び61℃の水中で、対地3.8kVの交流電圧を課電し
て、直流成分電流を測定した。直流成分電流は、温度1
5℃で10nA、温度61℃で540nAであった。水
中課電試験での直流成分電流の平均変動は約±15nA
であるから、温度61℃で測定した直流成分電流は充分
有意のものである。
し、長さ10mを供試ケーブルとして、温度15℃およ
び61℃の水中で、対地3.8kVの交流電圧を課電し
て、直流成分電流を測定した。直流成分電流は、温度1
5℃で10nA、温度61℃で540nAであった。水
中課電試験での直流成分電流の平均変動は約±15nA
であるから、温度61℃で測定した直流成分電流は充分
有意のものである。
【0018】
【0019】また、長さ10mの供試ケーブルに、温度
18℃および60℃の水中で、5kVの直流電圧を課電
して、直流漏れ電流を測定した。直流漏れ電流は、温度
18℃で0.1μA、温度60℃で130μAであった。
水中課電試験での直流漏れ電流の平均変動は約±0.3μ
Aであるから、温度60℃で測定した直流漏れ電流は充
分有意のものである。この結果、供試ケーブルは水中ト
リー劣化があると判断された。
18℃および60℃の水中で、5kVの直流電圧を課電
して、直流漏れ電流を測定した。直流漏れ電流は、温度
18℃で0.1μA、温度60℃で130μAであった。
水中課電試験での直流漏れ電流の平均変動は約±0.3μ
Aであるから、温度60℃で測定した直流漏れ電流は充
分有意のものである。この結果、供試ケーブルは水中ト
リー劣化があると判断された。
【0020】温度18℃および60℃での測定は順次行
ったが、供試ケーブルは長年月実線路で使用されたもの
であるから、測定の間に劣化の程度が変化したとは考え
られない。
ったが、供試ケーブルは長年月実線路で使用されたもの
であるから、測定の間に劣化の程度が変化したとは考え
られない。
【0021】さらに、長さ10mの供試ケーブルに、温
度16℃および59℃の水中で、対地3.8kVの交流
電圧を課電して、0.1Hz〜10Hzの範囲の低周波ノ
イズ性電流を測定した。測定結果を図1に示す。図1で
は、ノイズ性電流の代わりに検出インピーダンスに生じ
た電圧を示す。図1に示されるように、例えば1Hzで
のノイズ性低周波成分は、温度16℃で0.1V、温度5
9℃では1.2Vであった。
度16℃および59℃の水中で、対地3.8kVの交流
電圧を課電して、0.1Hz〜10Hzの範囲の低周波ノ
イズ性電流を測定した。測定結果を図1に示す。図1で
は、ノイズ性電流の代わりに検出インピーダンスに生じ
た電圧を示す。図1に示されるように、例えば1Hzで
のノイズ性低周波成分は、温度16℃で0.1V、温度5
9℃では1.2Vであった。
【0022】なお、直流成分電流、直流漏れ電流および
低周波ノイズ性電流の測定は、上記以外の種々の課電電
圧、課電周波数、温度で行うことができる。
低周波ノイズ性電流の測定は、上記以外の種々の課電電
圧、課電周波数、温度で行うことができる。
【0023】〔実施例2〕図2に示す回路構成により電
力ケーブルの絶縁診断を行った。すなわち、電力ケーブ
ル1の終端接続部1a付近の金属シース1bと大地の間
に接続された検出インピーダンス2に電位差測定器3を
接続した。電位差測定器3にはさらにメモリ4、演算装
置5およびオシロスコープ6が接続されている。なお電
力ケーブル1は絶縁接続部1c等を有している(遠隔の
接続部は図示を省略した)。
力ケーブルの絶縁診断を行った。すなわち、電力ケーブ
ル1の終端接続部1a付近の金属シース1bと大地の間
に接続された検出インピーダンス2に電位差測定器3を
接続した。電位差測定器3にはさらにメモリ4、演算装
置5およびオシロスコープ6が接続されている。なお電
力ケーブル1は絶縁接続部1c等を有している(遠隔の
接続部は図示を省略した)。
【0024】気温、太陽熱、高負荷によりケーブル温度
の高い夏季晴天の日の午後2時(以下、日中と言う)
と、ケーブル温度の低い翌日の午前2時(以下、深夜と
言う)にそれぞれ、測定器3で検出インピーダンス2両
端の電位差を測定し、演算装置5により、課電電圧の各
位相での出力電圧を20秒間1周期単位で平均化し、波
形をオシロスコープ6で観測した。
の高い夏季晴天の日の午後2時(以下、日中と言う)
と、ケーブル温度の低い翌日の午前2時(以下、深夜と
言う)にそれぞれ、測定器3で検出インピーダンス2両
端の電位差を測定し、演算装置5により、課電電圧の各
位相での出力電圧を20秒間1周期単位で平均化し、波
形をオシロスコープ6で観測した。
【0025】図3(A)に日中の、図3(B)に深夜
の、それぞれ各位相での平均化電圧の波形を示す。図3
(D)に課電電圧波形を示した。日中および深夜の平均
化電圧波形をメモリ4に記憶させ、その差を演算装置5
で演算し、波形をオシロスコープ6で観測した。日中と
深夜の平均化電圧の差の波形を図3(C)に示す。
の、それぞれ各位相での平均化電圧の波形を示す。図3
(D)に課電電圧波形を示した。日中および深夜の平均
化電圧波形をメモリ4に記憶させ、その差を演算装置5
で演算し、波形をオシロスコープ6で観測した。日中と
深夜の平均化電圧の差の波形を図3(C)に示す。
【0026】図3(A)および(B)に示した日中およ
び深夜の各位相での電圧波形は、平均化によりランダム
なノイズの影響がほとんど除かれている。それらの差を
示す図3(C)の電圧波形では、ノイズの影響がさらに
減少している。ケーブル1に初期劣化がある場合には、
高温時のみ部分放電が発生する(平成3年電気学会全国
大会講演論文集 12−69〜70頁、論文No,149
8参照)ので、ケーブル温度の高い日中と温度の低い深
夜の差を示す図3(C)の波形が大きくなり、これによ
ってケーブル1の初期劣化を高いS/N比で検出するこ
とができる。
び深夜の各位相での電圧波形は、平均化によりランダム
なノイズの影響がほとんど除かれている。それらの差を
示す図3(C)の電圧波形では、ノイズの影響がさらに
減少している。ケーブル1に初期劣化がある場合には、
高温時のみ部分放電が発生する(平成3年電気学会全国
大会講演論文集 12−69〜70頁、論文No,149
8参照)ので、ケーブル温度の高い日中と温度の低い深
夜の差を示す図3(C)の波形が大きくなり、これによ
ってケーブル1の初期劣化を高いS/N比で検出するこ
とができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、従来、変動幅が大きく
て、絶縁劣化の目安にしか利用されなかった直流漏れ電
流、直流成分電流、低周波成分電流、分解ガス成分比、
あるいはアコースティックエミッションの測定結果の、
S/N比を高めることができるため、電力ケーブル線路
の絶縁体の水トリーによる劣化をも高い精度で検出する
ことができる。
て、絶縁劣化の目安にしか利用されなかった直流漏れ電
流、直流成分電流、低周波成分電流、分解ガス成分比、
あるいはアコースティックエミッションの測定結果の、
S/N比を高めることができるため、電力ケーブル線路
の絶縁体の水トリーによる劣化をも高い精度で検出する
ことができる。
【0028】また、本発明では、直流漏れ電流、直流成
分電流、低周波成分電流、分解ガス成分比、アコーステ
ィックエミッション等の、比較的高い温度と比較的低い
温度での測定値の差を求めることにより、初期劣化等の
通常検出しにくい水トリーによる絶縁劣化を、高い検出
精度で検出することができる。
分電流、低周波成分電流、分解ガス成分比、アコーステ
ィックエミッション等の、比較的高い温度と比較的低い
温度での測定値の差を求めることにより、初期劣化等の
通常検出しにくい水トリーによる絶縁劣化を、高い検出
精度で検出することができる。
【図1】図1は、本発明による絶縁診断方法の一実施例
において、異なる温度で測定した低周波ノイズ性電流を
示すグラフである。
において、異なる温度で測定した低周波ノイズ性電流を
示すグラフである。
【図2】図2は、本発明による絶縁診断方法の他の実施
例において用いた回路構成をしめす説明図である。
例において用いた回路構成をしめす説明図である。
【図3】図3(A)〜(D)は、本発明による絶縁診断
方法の他の実施例において測定された信号電圧およびケ
ーブル課電電圧を示すグラフである。
方法の他の実施例において測定された信号電圧およびケ
ーブル課電電圧を示すグラフである。
1 電力ケーブル 1a 終端接続部 1b 金属シース 1c 絶縁接続部 2 検出インピーダンス 3 電位差測定器 4 メモリ 5 演算装置 6 オシロスコープ
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 桓 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社 パワーシステム研究所 内 (72)発明者 今井 友章 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社 パワーシステム研究所 内 (72)発明者 鈴木 弘 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社 パワーシステム研究所 内 (56)参考文献 特開 昭60−115846(JP,A) 実開 昭62−3081(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/12 G01R 31/02
Claims (6)
- 【請求項1】 電力ケーブルの絶縁体を所定の温度以上
の温度に熱し、 前記電力ケーブルの絶縁体が前記熱せられた状態で、直
流漏れ電流、直流成分電流、低周波成分電流、分解ガス
成分比、およびアコースティックエミッションのうち少
なくとも一つを測定し、 この測定値に基づいて前記絶縁体の水トリーによる劣化
を判断することを特徴とする、電力ケーブルの絶縁診断
方法。 - 【請求項2】 前記絶縁体が、気温、日照および前記ケ
ーブルの負荷電流の少なくとも一つにより熱せられる、
請求項1の電力ケーブルの絶縁診断方法。 - 【請求項3】 前記絶縁体が、前記ケーブルの強制加熱
により熱せられる、請求項1の電力ケーブルの絶縁診断
方法。 - 【請求項4】 直流漏れ電流、直流成分電流、低周波成
分電流、分解ガス成分比、アコースティックエミッショ
ン、および部分放電パルス信号のうち少なくとも一つ
を、電力ケーブルの絶縁体が所定の温度以上の第一の温
度にあるとき、および前記絶縁体がそれより低い第二の
温度にあるとき、それぞれ測定し、 前記第一の温度で測定された測定値と、前記第二の温度
で測定された測定値を比較し、 それらの差に基づいて前記絶縁体の水トリーによる劣化
を判断することを特徴とする、電力ケーブルの絶縁診断
方法。 - 【請求項5】 前記第一の温度での測定を日中または高
負荷時に行い、前記第二の温度での測定を深夜または低
負荷時に行う、請求項4の電力ケーブルの絶縁診断方
法。 - 【請求項6】 前記第一の温度が前記ケーブルの強制加
熱により与えられる、請求項4の電力ケーブルの絶縁診
断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03256943A JP3129783B2 (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 電力ケーブルの絶縁診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03256943A JP3129783B2 (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 電力ケーブルの絶縁診断方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0566240A JPH0566240A (ja) | 1993-03-19 |
JP3129783B2 true JP3129783B2 (ja) | 2001-01-31 |
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ID=17299515
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03256943A Expired - Fee Related JP3129783B2 (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 電力ケーブルの絶縁診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3129783B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101940855B1 (ko) * | 2016-06-07 | 2019-01-21 | 윤영한 | 육류의 신선도 상승과 쉬운 포장이 가능한 육류포장박스 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4802302B2 (ja) * | 2005-11-22 | 2011-10-26 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 | 電力ケーブルの水トリー劣化診断方法 |
JP7181038B2 (ja) * | 2018-09-28 | 2022-11-30 | 能美防災株式会社 | 防災システム |
CN118275837B (zh) * | 2024-05-31 | 2024-08-13 | 聊城市产品质量监督检验所 | 基于数据分析的电线电缆可靠性评价方法及系统 |
CN118518986A (zh) * | 2024-07-25 | 2024-08-20 | 国网山东省电力公司聊城供电公司 | 一种基于多维度劣化系数的10千伏交联聚乙烯电缆劣化程度评估方法、终端及存储介质 |
-
1991
- 1991-09-09 JP JP03256943A patent/JP3129783B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101940855B1 (ko) * | 2016-06-07 | 2019-01-21 | 윤영한 | 육류의 신선도 상승과 쉬운 포장이 가능한 육류포장박스 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0566240A (ja) | 1993-03-19 |
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