JP3129610B2 - 潜水具の排気バルブ - Google Patents

潜水具の排気バルブ

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JP3129610B2
JP3129610B2 JP06240178A JP24017894A JP3129610B2 JP 3129610 B2 JP3129610 B2 JP 3129610B2 JP 06240178 A JP06240178 A JP 06240178A JP 24017894 A JP24017894 A JP 24017894A JP 3129610 B2 JP3129610 B2 JP 3129610B2
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徹夫 吉沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潜水具の排気バルブに
関する。
【0002】
【従来の技術】防水潜水服(ドライスーツ)、水中浮力
調整機能付救命胴衣等の潜水具にあっては、その内部に
エアタンクから供給される空気を滞留させるが、潜水具
内部の空気圧を潜水深さ等に合わせて調整する必要があ
る。潜水具内部の空気圧を調整するには、エアタンクか
らの空気の供給を調整する圧空の供給手段の他に、潜水
具内部に滞留した空気を排気する排気手段を要する。こ
の潜水具の排気手段としては、従来、図9に示すような
ドライスーツに装着される排気バルブ100がある。1
10はベース部であり、ドライスーツの生地112に設
けられた開口に固定可能に設けられ、ドライスーツの排
気口114を形成すると共に、排気口114の周縁に弁
座116が形成されている。118はカバー部であり、
ベース部110を覆ってベース部110に螺合すること
で着脱自在に設けられ、外界との通気が可能な通気口1
20を有する。122は自動弁体であり、その自動弁体
122とカバー部118との間に弾装されたオートスプ
リング124によって常時は前記弁座116に当接して
排気口114を閉塞し、潜水具内圧が外圧よりも上昇し
た際に排気口114を自動的に開放する。これにより、
ドライスーツ内の外界よりも圧力の高い空気を排出で
き、ドライスーツの内圧を自動的に調整できる。この自
動弁体122は、剛性のある材質で形成された弁ホルダ
ー部122aと、その弁ホルダー部122aの外周に周
縁部がリング状に露出するように装着されたリング弁1
22bとを有する。
【0003】126は手動弁体であり、自動弁体122
の弁ホルダー部122a中央に穿設された通気口128
を開閉するように、自動弁体122の内面に設けられた
弁座129に接離可能に設けられている。この手動弁体
126は、摺動軸部130の内端に固定されている。摺
動軸部130は、通気口128に放射線状に形成された
支持部を介して弁ホルダー122aと一体に形成された
軸受部122cの貫通孔に摺動自在に挿入されている。
また、摺動軸部130の外端には、カバー部118に穿
設された貫通部132から露出し、使用者が手指により
押圧可能な押ボタン部134が固定されている。押ボタ
ン部134と軸受部122cの間にはマニアルスプリン
グ136が弾装されており、常時は手動弁体126を、
通気口128を閉塞するように潜水具外方向へ付勢して
いる。そして、使用者がマニアルスプリング136の付
勢力に抗して押ボタン部134を押圧すれば、通気口1
28が開放されて、ドライスーツ内の外界よりも圧力の
高い空気を排出できる。なお、138は第1逆止弁であ
り、ドライスーツの内圧が外圧よりも高い場合にはドラ
イスーツ内から外界への空気の流れを許容し、ドライス
ーツの内圧が外圧よりも低い場合には、排気口114を
閉じて水がドライスーツ内に侵入することを阻止する。
また、140は第2逆止弁であり、第1逆止弁138と
同様にドライスーツからの排気を許容し、ドライスーツ
内に水が侵入することを阻止する。
【0004】この排気バルブ100によれば、自動弁体
122とオートスプリング124の付勢力の作用によっ
てドライスーツ内の空気圧(内圧)の方が外部の水圧
(外圧)よりも若干高いように、ドライスーツの内圧を
自動的に調整することができる。ドライスーツの内圧を
外圧よりも若干が高く維持することにより、ドライスー
ツへの水の進入を防止すると共に、外圧によるドライス
ーツへの締付を防止できる。また、水中を浮上する際に
ドライスーツ内の内圧が外圧よりも高くなり過ぎること
を防止して、ドライスーツ内空間の体積が拡大して浮力
が急激に増大することを防止できる。このようにして、
急浮上することによる潜水病の危険性を未然に防止でき
る。そして、手動弁体126を操作することで、ダイバ
ーの意思に合わせてドライスーツの内圧を調整でき、自
動弁体122の作用によっては対応できないような不測
の事態にも柔軟に対応できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の排気バルブ100では、手動弁体126を誤って操
作した場合、ドライスーツ内の内圧が外圧よりも小さい
場合には、ドライスーツ内への水の侵入を許してしまう
場合がある。これは、第1逆止弁138および第2逆止
弁140は、外圧が内圧より高まった際には排気口を閉
じるように作用するが、特に外圧と内圧との差圧が大き
い場合には、大きく変形して水の侵入を許してしまうこ
とがあるためである。また、手動弁体126が開放する
ように移動する方向と、外圧が押圧ボタン部134を手
動弁体126が開放するよう押圧する方向とが一致する
ため、外圧が内圧より高くなった際には手動弁体126
が開放され易くなる。このことは、外圧が内圧より高く
なった際には、排気バルブ100が閉じているべきであ
ることに反している。また、従来の排気バルブ100で
は、自動弁体122および手動弁体126とを要し、そ
の二つの弁体のそれぞれに対応して第1逆止弁138お
よび第2逆止弁140を設ける必要があり、構造が複雑
である。メンテナンスのための洗浄作業も煩雑になる。
【0006】そこで、本発明の目的は、潜水具内部に水
が侵入することを確実に防止できると共に、構造が簡単
で洗浄し易い潜水具の排気バルブを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明は、
潜水具に設けられた開口に固定可能に設けられ、該潜水
具の排気口を形成すると共に、該排気口の周縁に弁座が
形成されたベース部と、該ベース部を覆ってベース部に
着脱自在に設けられ、外界との通気が可能な通気口を有
するカバー部と、該カバー部との間に弾装されたオート
スプリングによって常時は前記弁座に当接して排気口を
閉塞し、潜水具内圧が外圧よりも上昇した際に排気口を
開放する弁体とを備える潜水具の排気バルブにおいて、
前記弁体の中央に貫通された貫通孔に水密状態で且つ摺
動自在に挿入された摺動軸部を有すると共に、該摺動軸
部の外端部に設けられ、前記カバー部に穿設された貫通
部から手指により押圧可能な押ボタン部を有し、潜水具
内方向へ押入可能に設けられた押圧軸と、前記弁体と前
記押ボタン部の間に弾装され、常時は前記押圧軸を潜水
具外方向へ付勢するマニアルスプリングと、前記ベース
部に、前記排気口内に位置して設けられた受部と、該受
部と前記押圧軸とに連繋して設けられ、押圧軸が潜水具
内方向へ押入されることにより、潜水具外方向へ移動さ
れ、前記弁体を排気口が開放する方向へ押動する押動体
とを具備する。
【0008】また、前記押動体が、前記受部に中途部が
支持され、一端側が前記押圧軸の先端側に連繋され、他
端側が前記弁体の裏面側に位置し、前記押圧軸が潜水具
内方向へ押入されることで梃子作用により前記弁体を前
記排気口を開放する方向へ移動させるレバー部材である
ことで、構造を簡単にでき、手動で確実に弁体を作動で
きる。
【0009】また、前記弁体が、剛性のある材質で形成
され、中央に前記貫通孔が形成された弁ホルダー部と、
弾性に富む材質で形成され、前記弁ホルダー部の外周に
周縁部がリング状に露出するように装着されたリング弁
とからなることで、水が潜水具内部に侵入することを確
実に防止することができる。
【0010】また、前記レバー部材は一端側で前記押圧
軸の先端側に軸着されていることで、レバー部材を、弁
体、押圧軸およびマニアルスプリングと一まとまりにす
ることができ、分解して洗浄する際に取扱い易い。
【0011】また、前記カバー部に、前記押圧軸に係脱
するロック部が設けられ、該ロック部が押圧軸に係合し
ない際には押圧軸が潜水具外方向へ移動することを許容
し、ロック部が押圧軸に係合した際には押圧軸が潜水具
外方向へ移動することを阻止することで、弁体が排気口
が開放する方向に移動することを規制することができ
る。
【0012】
【作用】本発明によれば、押ボタン部を手指で押圧する
と、押圧軸が潜水具内方向へ押入され、その押圧軸およ
び受部に連繋された押動体が、弁体を排気口が開放する
方向に押動する。例えば、梃子作用、カムの作用によっ
て押圧軸の押入動作を、押動体が弁体を押上げる動作に
変換することで、弁体を排気口が開放する方向に押動で
きる。また、従来の排気バルブと同様に、潜水具の内圧
が外圧よりも上昇した際には、オートスプリングの付勢
力に抗して弁体が排気口を開放する方向へ移動して、潜
水具の内圧を自動的に調整できる。従って、従来の自動
弁体の作用と手動弁体の作用とを一つの弁体で賄えるた
め、構成が簡単であり、容易に製造できると共に、洗浄
等のメンテナンスが容易にできる。また、一つの弁体で
自動弁体の作用と手動弁体の作用とを賄え、従来の排気
バルブのように手動弁体に対応させる逆止弁を設ける必
要がなく、構成を簡単にできるため、潜水具内に水が侵
入する可能性を低減できる。また、この排気バルブで
は、押ボタン部を誤って押圧した場合でも、潜水具の内
圧が外圧よりも小さい場合には、弁体に外圧が負荷され
るため、排気口が開放するように弁体を押し上げるため
には大きな力が必要であり、押圧軸は容易には押入でき
ない。外圧が潜水具の内圧より大きくなればなるほど、
弁体を手動で押圧することは難しくなる。従って、潜水
具内への水の侵入をより確実に防止することができる。
【0013】
【実施例】以下には本発明に係る好適な実施例について
図面を参照して詳述する。図1は本発明にかかる潜水具
の排気バルブの一実施例を示す断面図であり、排気バル
ブが閉じた状態を示す。10はベース部であり、潜水具
(ドライスーツ)の生地12に設けられた開口に固定可
能に設けられ、そのドライスーツの排気口16を形成す
ると共に、その排気口16の周縁には弁座18が形成さ
れている。本実施例では、ベース部10の装着用の雄ね
じ部が、生地12の内側に配されたバックキャップ20
の雌ねじ部に螺合し、生地12がベース部10とバック
キャップ20との間に挟み込まれることで、ベース部1
0が生地12の開口に固定される。また、ベース部10
およびバックキャップ20は、その生地に接する面に形
成された同心円状の突条部22によって、生地12に水
密状態に固定されている。
【0014】24はカバー部でありベース部10を覆っ
てベース部10に着脱自在に設けられている。このカバ
ー部24は、外界との通気が可能な通気口26を有し、
後述するクリック機構によって相対的に所定の角度間で
回動する上部カバー28と下部カバー30とから構成さ
れている。32は弁体であり、この弁体32の上面と、
カバー部24の上部内面との間に弾装されたオートスプ
リング34によって、常時は弁座18に当接して排気口
16を閉塞し、ドライスーツの内圧が外圧よりも上昇し
た際には、図2に示すようにオートスプリング34の付
勢力に抗してドライスーツ外方向(図面上では上方向)
に移動して排気口16を開放する。この弁体32は、剛
性のある材質で形成され、中央に貫通孔36が形成され
た弁ホルダー部38と、弾性に富む材質で形成され、弁
ホルダー部38の外周に周縁部がリング状に露出するよ
うに装着されたリング弁40とからなる。外圧が弁ホル
ダー部38に作用するため、全体が弾性材料によって形
成された弁体と異なり、外圧による変形を小さく抑える
ことができ、水のドライスーツ内部への侵入を防止する
ことができる。
【0015】42は押圧軸であり、弁体32の中央に貫
通された貫通孔36に 'O' −リング46を介して水密
状態で且つ摺動自在に挿入された摺動軸部48を有する
と共に、その摺動軸部48の外端部に設けられ、カバー
部24に穿設された貫通部50から露出して手指により
押圧可能な押ボタン部52を有し、ドライスーツ内方向
へ押入可能に設けられている。本実施例では、押ボタン
部52が摺動軸部48の外端に螺子止めされて固定され
ている。
【0016】54はマニアルスプリングであり、弁体3
2の上面と押ボタン部52の下面との間に弾装され、常
時は押圧軸42をドライスーツ外方向へ付勢する。な
お、56はワッシャであり、マニアルスプリング54の
付勢力が弁体32の上面に確実に作用するように配設さ
れている。また、本実施例では、このマニアルスプリン
グ54として、前記オートスプリング34よりも十倍以
上もバネ係数の大きいコイルスプリングを使用してい
る。
【0017】58は受部であり、ベース部10の排気口
16内に位置して設けられている。この受部58は上方
向に抜き出し可能に、排気口16に形成された段差部6
0に受けられて、排気口16内に着脱自在に装着されて
いる。この受部58は、本実施例では図7に示すよう
に、円形リングの外縁部58aと、その内部に排気口1
6を塞がないように十字状に設けらえた支持リブ58b
と、その中央部に支持リブ58bに支持されて形成さ
れ、矩形の貫通口62および突起部58cを形成する支
持枠部58dとからなる。また、ベース部10に設けら
れた突部10aに、外縁部58aに設けられた溝部58
eが嵌まって、ベース部10と受部58とは相対的に回
転しない。
【0018】また、64はレバー部材であり、受部58
と押圧軸42とに連繋して設けられ、押圧軸42がドラ
イスーツ内方向へ押入されることにより、ドライスーツ
外方向へ移動され、弁体32を排気口が開放する方向へ
押動する押動体として作用する。このレバー部材64
は、受部58に中途部64bが支持され、一端側64a
が押圧軸42の先端側に連繋され、他端側64cが弁体
32の裏面側に位置し、押圧軸42がドライスーツ内方
向へ押入されることで梃子作用により弁体32を排気口
16を開放する方向へ移動させる。
【0019】また、本実施例では、レバー部材64は一
端側64aで押圧軸42の先端部48aの力点軸68に
軸着されている。詳細には、二つのレバー部材64が、
先端部48aに設けられたスリット内に挿入された状態
で左右両方向にそれぞれの他端側64cが突出するよう
に、力点軸68に軸着されており、弁体32を梃子作用
によってバランスよく移動できる。また、このレバー部
材64は、押圧軸42が押入されない際には図1に示す
ように、貫通孔36に架け渡された状態に位置し、押圧
軸42が弁体32から抜け出ることを防止している。こ
れにより、レバー部材64、弁体32、押圧軸42およ
びマニアルスプリング54を一まとまりにすることがで
き、分解して洗浄する際に取扱い易くすることができ
る。なお、レバー部材64は、本実施例のように一端側
64aで押圧軸42の先端部48aに軸着されることに
限らず、梃子作用の支点となる受部58の突起部58d
に中途部64bで軸着されてもよいし、梃子作用の作用
点となる弁体32に他端側64cで軸着されていてもよ
い。このときに、弁体32、押圧軸42およびマニアル
スプリング54を一まとまりにするには、押圧軸42の
先端側に貫通孔36から抜け出ないようにフランジ部を
形成すればよい。また、レバー部材64は二つに限られ
ることはない。
【0020】なお、押動体としては、レバー部材64に
限らず、カムの作用を利用したものなど、押入方向の動
作を弁体32が弁座から浮き上がる方向へ作用する動作
に変換する変換機構として作用するものであればよい。
例えば、上面に複数の斜面凸部を有するリング状に形成
され、受部に受けられると共に、押圧軸を押入すると、
該押圧軸に外表面に形成されたガイド部に沿って、押圧
軸の軸心を中心に所定の範囲で回動する面カム下部と、
該面カム下部と弁体との間に配され、押圧軸の軸線方向
に上昇可能に設けられると共に、押圧軸の軸心を中心に
して回動すること規制された状態で該押圧軸に嵌合し、
下面に上記面カム下部の斜面凸部に対応して設けられた
突起部を有する面カム上部とを有する面カム機構を利用
できる。この面カム機構によれば、押圧軸が押入される
と、面カム下部が所定の角度回動し、面カム下部の斜面
凸部が面カム上部の突起部を上方へ押し退け、面カム上
部が上昇することで弁体を弁座から浮き上げることがで
きる。押圧軸への押入力を解除すれば、マニアルスプリ
ングによって押圧軸が上昇し、これに伴って面カム下部
が前記ガイド部に沿って反対方向に回動し、前記斜面凸
部上への前記突起部の乗り上げ状態が解除されて、弁体
は排気口を覆う状態に復帰できる。
【0021】70はインナーバルブであり、円形状の弁
部70aと、その中央部に一体に設けられて突起柱部7
0bとからなる。突起柱部70bにはくびれ部が設けら
れている。このインナーバルブ70が、ベース部10の
下端部に排気口を塞がないように放射線状に形成された
支持骨部72の中央の貫通孔に、突起柱部70bが挿入
され、くびれ部が係合することで固定されている。この
インナーバルブ70は、ドライスーツの内圧が外圧より
高くなった際には排気口16を開放し、ドライスーツの
内圧が外圧より低くなった際には、排気口16を閉塞す
るように作用し、水がドライスーツ内に侵入することを
防止する安全弁として作用する。インナーバルブ70の
洗浄は、ベース部10から受部58を外して行うことが
できる。
【0022】次に、ドライスーツの内圧が外圧よりも高
くなった際、弁体32が自動的に排気口16を開放する
方向へ移動することを阻止して、自動排気機能をロック
するロック機構について説明する。図1は自動排気機能
がロックされた状態を示しており、図2は自動調圧機能
のロックが解除された状態を示している。また、図4は
自動排気機能がロックされた状態のカバー部24を底側
から見た説明図であり、図5は自動排気機能のロックが
解除された状態のカバー部24を底側から見た説明図で
ある。
【0023】図1に示すようにカバー部24の上部カバ
ー28の貫通部50を形成する内周縁に下側に突起して
設けられたロック部74が、押圧軸42の押ボタン部5
2の側壁から外方へ突設された耳部76に係合してい
る。図4に示すように、ロック部74と耳部76は、そ
れぞれ二箇所ずつ形成されており、バランスよく押圧軸
42のドライスーツ外方向への移動を規制する。このよ
うにロック部74が押ボタン部52(押圧軸42)に係
合した際には押圧軸42がドライスーツ外方向へ移動す
ることを阻止されるため、弁体32は、オートスプリン
グ34とマニアルスプリング54の両者の付勢力で、ド
ライスーツ外方向へ移動することが規制される。すなわ
ち、自動排気機能の作動が規制される。そして、本実施
例のように、オートスプリング34よりもマニアルスプ
リング54のばね係数が非常に大きい場合には、実質的
に弁体32が排気口16を開放する方向へ自動的に移動
することが阻止され、上記ロック部74が耳部76に係
合する機構が自動排気機能の実質的なロック機構として
作用する。また、ロック部74が押ボタン部52の耳部
76に係合しない際、すなわち、ロック状態が解除され
た際には、図2に示すように、押圧軸42がドライスー
ツ外方向へ移動することを許容し、自動排気機能が作動
できる状態となる。
【0024】上記ロック機構の切換は、上部カバー28
と下部カバー30とを相対的に所定の区間で回動させる
クリック機構によってなされる。以下に図1、図4およ
び図5に基づいてクリック機構の一実施例について説明
する。78はローラであり、円柱ころ状に形成され、下
部カバー30に設けられた透孔80に挿入され、リング
状の板バネ82と、上部カバー28の下面との間に、回
動可能に保持され保持されれている。前記板バネ82
は、透孔80を形成する下部カバー30殻壁の下面に接
する状態に、上部カバー28から突設された四箇所の装
着部84に、ねじ86で上部カバー28側に装着されて
いる。前記装着部84は上部カバー28に形成された長
透孔88内に嵌めこまれており、その長透孔88の範囲
内で上部カバー28と下部カバー30が摺接状態で相対
的に移動することを許容する。ローラ78の直径は、透
孔80を形成する下部カバー30の殻壁の肉厚よりも若
干大きく設定されており、このローラ78に上部カバー
28の下面がころがり接触する。また、上部カバー28
の下面には一のローラ78に対応して二つの凹部90、
92が所定の角度間隔をおいて設けられている。
【0025】上記構成のクリック機構によれば、先ず図
4に示すように、押ボタン部52の耳部76に、上部カ
バー28のロック部74が係合した状態では、ローラ7
8が一方の凹部90に板バネ82の付勢力によって係止
している。そして、下部カバー30に対して上部カバー
28を図面上反時計方向へ回動すると、ローラ78が板
バネ82の付勢力に抗して一方の凹部90から脱離し、
さらに上部カバー28が回動されることで、図5に示す
ようにローラ78が他方の凹部92に係止し、ロック状
態が解除される。このようなクリック機構によって、自
動排気機能のロックおよびロック解除の状態の設定を確
実に行うことができる。なお、押圧軸42は、その先端
部48aが外形的に矩形状に形成され、ベース部10に
対して回動することを阻止された受部58に設けられた
矩形の貫通口62(図7参照)に嵌入されているため、
ベース部10およびそのベース部10に固定された下部
カバー30とは相対的に回動しない。
【0026】次に、カバー部24のベース部10への着
脱機構について図6〜図8について説明する。図6はス
トッパ機構が作動してカバー部24がベース部10に装
着された状態を説明する断面図、図7はベース部10の
詳細を説明する平面図、図8はストッパ機構による係合
が解除された状態を説明する断面図である。この着脱機
構はカメラ等に一般的に利用されているバヨネット方式
によっている。すなわち、図1に示すように、ベース部
10の外周縁に断続的に複数設けられた外周縁突起94
と、カバー部24の内周縁に断続的に複数設けられた内
周縁突起95とを、嵌合および回動操作をすることで係
合させ、図6に示すようにストッパ機構96によってベ
ース部10にカバー部24が容易には離脱しないように
装着される。
【0027】ストッパ機構96は、ベース部10とカバ
ー部24が相対的に回動することを阻止してベース部1
0からカバー部24が離脱することを阻止するよう、ベ
ース部10に設けられた凹部97と、カバー部24に凹
部97に係脱自在に設けられた爪部98とから構成され
る。爪部98は、下部カバー30に設けられた窓部31
内を上下動可能にガイドされており、その爪部98と下
部カバー30との間に弾装されたコイルスプリング99
の付勢力によって、常時は凹部97に係合するべく下方
に付勢されている。図8に示すように、コイルスプリン
グ99の付勢力に抗して爪部98を上方に移動すること
によって凹部97と爪部98との係合が解除される。本
実施例では、このストッパ機構96が二つ設けられてお
り、二つの爪部98を同時に操作しない限り、カバー部
24が離脱できないように設定されている。これによ
り、誤操作によってカバー部24を離脱してしまうこと
を防止して、その安全性を確保している。
【0028】次に上記実施例の使用状態について説明す
る。先ず、押ボタン部52を手指で押圧すると、押圧軸
42がドライスーツ内方向へ押入され、その押圧軸42
に一端側64aで軸着されたレバー部材64が、中途部
64bで受部58に受けられ、梃子の作用で他端側64
cが当接して弁体32を排気口16が開放する方向に押
動する。これにより、ドライスーツ内の空気を排出でき
る。なお、図3に示すように、レバー部材64の先端側
に設けられた斜面66によってレバー部材64の所定以
上の回動が阻止され、レバー部材64の回動範囲が規定
されている。また、従来の排気バルブと同様に、ドライ
スーツの内圧が外圧よりも上昇した際には、オートスプ
リング34の付勢力に抗して弁体32が排気口16を開
放する方向へ移動して、ドライスーツ内の空気を排出で
きる。従って、従来の排気バルブの自動弁体の作用と手
動弁体の作用とを、一つの弁体32で賄える。
【0029】また、この排気バルブでは、押ボタン部5
2を誤って押圧した場合でも、ドライスーツの内圧が外
圧よりも小さい場合には、弁体32に外圧が負荷される
ため、排気口16が開放するように弁体32を押し上げ
るためには大きな力が必要であり、押圧軸42は容易に
は押入できない。外圧がドライスーツの内圧より大きく
なればなるほど、弁体32を手動で押圧することは難し
くなる。従って、ドライスーツ内への水の侵入をより確
実に防止することができる。
【0030】以上、上記実施例では、本発明をドライス
ーツに適用した場合について説明してきたが、本発明を
水中浮力調整機能付救命胴衣等の他の潜水具に利用でき
ることは勿論のことである。以上、本発明の好適な実施
例について種々述べてきたが、本発明はこの実施例に限
定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内
でさらに多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、押ボタン部を手指で押
圧すると、押圧軸が潜水具内方向へ押入され、その押圧
軸および受部に連繋された押動体が、弁体を排気口が開
放する方向に押動でき、潜水具内の高圧空気を排気でき
る。また、従来の排気バルブと同様に、潜水具の内圧が
外圧よりも上昇した際には、オートスプリングの付勢力
に抗して弁体が排気口を開放する方向へ移動して、排気
バルブの内圧を自動的に調整できる。このように自動弁
体の作用と手動弁体の作用とを一つの弁体で賄えるた
め、構成が簡単であり、潜水具内に水が侵入する可能性
を低減できると共に、製造し易く、且つ洗浄等のメンテ
ナンスが容易にできるという有利な効果を奏する。ま
た、この排気バルブでは、押ボタン部を誤って押圧した
場合でも、潜水具の内圧が外圧よりも小さい場合には、
弁体に外圧が負荷されるため、排気口が開放するように
弁体を押し上げるためには大きな力が必要であり、押圧
軸は容易には押入できない。外圧が潜水具の内圧より大
きくなればなるほど、弁体を手動で押圧することは難し
くなる。従って、潜水具内への水の侵入をより確実に防
止することができるという有利な効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る潜水具の排気バルブの一実施例を
示す断面図。
【図2】図1の実施例の自動排気状態を示す断面図。
【図3】図1の実施例の手動排気状態を示す断面図。
【図4】図1の実施例の自動排気機能のロック状態を説
明する底面図。
【図5】自動調圧機能のロックが解除された状態を説明
する底面図。
【図6】図1の実施例のベース部とカバー部の装着状態
を示す断面図。
【図7】図1に実施例のベース部を示す平面図。
【図8】ベース部からカバー部を離脱する際のストッパ
機構を示す断面図。
【図9】従来技術を示す断面図。
【符号の説明】
10 ベース部 12 生地 16 排気口 18 弁座 24 カバー部 26 通気口 28 上部カバー 30 下部カバー 32 弁体 34 オートスプリング 36 貫通孔 38 弁ホルダー部 40 リング弁 42 押圧軸 48 摺動軸部 50 貫通部 52 押ボタン部 54 マニアルスプリング 58 受部 64 レバー部材 68 力点軸 70 インナーバルブ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜水具に設けられた開口に固定可能に設
    けられ、該潜水具の排気口を形成すると共に、該排気口
    の周縁に弁座が形成されたベース部と、該ベース部を覆
    ってベース部に着脱自在に設けられ、外界との通気が可
    能な通気口を有するカバー部と、該カバー部との間に弾
    装されたオートスプリングによって常時は前記弁座に当
    接して排気口を閉塞し、潜水具内圧が外圧よりも上昇し
    た際に排気口を開放する弁体とを備える潜水具の排気バ
    ルブにおいて、 前記弁体の中央に貫通された貫通孔に水密状態で且つ摺
    動自在に挿入された摺動軸部を有すると共に、該摺動軸
    部の外端部に設けられ、前記カバー部に穿設された貫通
    部から手指により押圧可能な押ボタン部を有し、潜水具
    内方向へ押入可能に設けられた押圧軸と、 前記弁体と前記押ボタン部の間に弾装され、常時は前記
    押圧軸を潜水具外方向へ付勢するマニアルスプリング
    と、 前記ベース部に、前記排気口内に位置して設けられた受
    部と、 該受部と前記押圧軸とに連繋して設けられ、押圧軸が潜
    水具内方向へ押入されることにより、潜水具外方向へ移
    動され、前記弁体を排気口が開放する方向へ押動する押
    動体とを具備することを特徴とする潜水具の排気バル
    ブ。
  2. 【請求項2】 前記押動体が、前記受部に中途部が支持
    され、一端側が前記押圧軸の先端側に連繋され、他端側
    が前記弁体の裏面側に位置し、前記押圧軸が潜水具内方
    向へ押入されることで梃子作用により前記弁体を前記排
    気口を開放する方向へ移動させるレバー部材であること
    を特徴とする請求項1記載の潜水具の排気バルブ。
  3. 【請求項3】 前記弁体が、剛性のある材質で形成さ
    れ、中央に前記貫通孔が形成された弁ホルダー部と、弾
    性に富む材質で形成され、前記弁ホルダー部の外周に周
    縁部がリング状に露出するように装着されたリング弁と
    からなることを特徴とする請求項1または2記載の潜水
    具の排気バルブ。
  4. 【請求項4】 前記レバー部材は一端側で前記押圧軸の
    先端側に軸着されていることを特徴とする請求項1、2
    または3記載の潜水具の排気バルブ。
  5. 【請求項5】 前記カバー部に、前記押圧軸に係脱する
    ロック部が設けられ、該ロック部が押圧軸に係合しない
    際には押圧軸が潜水具外方向へ移動することを許容し、
    ロック部が押圧軸に係合した際には押圧軸が潜水具外方
    向へ移動することを阻止することを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の潜水具の排気バルブ。
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