JP3129204U - ポンプの継手構造及びそれを備えるポンプ装置 - Google Patents

ポンプの継手構造及びそれを備えるポンプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 駆動側部と従動側部との連結及び切離しを繰り返し行っても、嵌合部分の磨耗等を低減して長寿命化を図ることができるポンプの継手構造を提供すること。
【解決手段】 回転駆動される駆動側部15と、従動側の従動側部16とを互いに着脱自在に連結するためのポンプの継手構造部14において、駆動側部15の本体部15aの端部から軸方向に延びる短筒状に形成され、その肉厚が増減することによって、内側に装着される従動側部16の端部を着脱自在に把持することができる第1拡縮部26と、第1拡縮部26と隣接して本体部15aの外周に設けられ、第1拡縮部26と連動して外周面が拡縮する第2拡縮部27と、第1拡縮部26の肉厚の増減及び第2拡縮部27の拡縮によって、それら両方のそれぞれの外周面に着脱自在に装着することができるスリーブ部25とを備える。
【選択図】 図2

Description

本考案は、例えば回転駆動される駆動側部と、従動側の従動側部とを互いに着脱自在に連結することができるポンプの継手構造、及びそれを備えるポンプ装置に関する。
従来のポンプ装置の一例を、図6を参照して説明する(例えば、特許文献1参照。)。このポンプ装置1は、同図に示すように、一軸偏心ねじポンプ2を備えており、この一軸偏心ねじポンプ2は、ロータ3とステータ4とを備えている。ロータ3は、雄ねじ形状であり、雌ねじ形状の内孔4aを有するステータ4に嵌挿されている。そして、このロータ3の一端は、オルダム型偏心継手5を介して従動側軸6と連結し、この従動側軸6は、軸封部7を介して回動自在にケーシング8に保持されている。また、従動側軸6の後端部は、カップリングスリーブ9及び2本のピン12、12を介して駆動側軸10と連結している。この駆動側軸10は、減速機付き電気モータ等の駆動部11によって回転駆動される。
この図6に示すポンプ装置1によれば、駆動部11が回転駆動すると、この駆動部11の回転が、駆動側軸10、従動側軸6、及び偏心継手5を介して一軸偏心ねじポンプ2のロータ3に伝達されて、このロータ3を回転させることができる。
特開2004−360469号公報
しかし、図6に示す従来のポンプ装置1では、分解洗浄したり組み立てるときに、例えば2本のピン12、12を、駆動側軸10、従動側軸6、及びカップリングスリーブ9に対して取り外したり嵌め込む必要がある。そして、駆動側軸10及び従動側軸6を、カップリングスリーブ9に対して取り外したり嵌め込む必要もある。そして、このような嵌合構造を採用すると、回転中の微小振動によってフレッティングコロージョンが生じ、分解や組立てがし難くなることがある。
また、このような分解及び組立て作業を或る一定以上繰り返して行うと、それぞれの嵌合部分が磨耗したり、変形することがあるし、場合によっては損傷することもある。
また、上記のような分解及び組立作業の手間を軽減し、その作業時間を短縮することも望まれている。
更に、図6に示す従来のポンプ装置1では、軸封部7が従動側軸6の外周面と密着して設けられているので、従動側軸6は、軸封部7が密着する部分、及びカップリングスリーブ9と嵌合する部分の合計の長さが必要であり、その結果、従動側軸6が比較的長くなっている。このことが、ポンプ装置1の短縮化を阻む要因となっている。
本考案は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、駆動側部と従動側部との嵌合部分が、回転中に微小振動することが無く、両者の連結及び切離しを繰り返し行っても、嵌合部分の磨耗等を低減して長寿命化を図ることができると共に、連結及び切離し作業の手間及びその作業時間を低減でき、更に従来よりもポンプ装置を短縮化することができるポンプの継手構造及びそれを備えるポンプ装置を提供することを目的としている。
請求項1の考案に係るポンプの継手構造は、回転駆動される駆動側部と、従動側の従動側部とを互いに着脱自在に連結するためのポンプの継手構造において、前記駆動側部の本体部の端部から軸方向に延びる短筒状に形成され、その肉厚が増減することによって、内側に装着される前記従動側部の端部を着脱自在に把持することができる第1拡縮部と、前記第1拡縮部と隣接して前記本体部の外周に設けられ、前記第1拡縮部と連動して外面が拡縮する第2拡縮部と、前記第1拡縮部の肉厚の増減及び前記第2拡縮部の拡縮によって、それら両方のそれぞれの外周面に着脱自在に装着することができるスリーブ部とを備えることを特徴とするものである。
請求項1の考案に係るポンプの継手構造によると、駆動側部と従動側部とを互いに連結するときは、第1拡縮部の肉厚を減少させると共に、第2拡縮部の外面を縮径させる。これによって、スリーブ部を第1及び第2拡縮部の外側に緩い状態で装着することができるし、従動側部の端部を第1拡縮部の内側に対して、緩い状態で装着することができる。次に、第1拡縮部の肉厚を増加させると共に、第2拡縮部の外面を拡径させる。これによって、駆動側部と従動側部とをスリーブ部を介して互いに強固に連結させることができる。よって、駆動側部の回転を従動側部に伝達させることができる。次に、駆動側部と従動側部とを互いに切り離すときは、第1拡縮部の肉厚を減少させると共に、第2拡縮部の外面を縮径させる。これによって、駆動側部と従動側部とを互いに緩い状態で切り離すことができ、スリーブ部を駆動側部及び従動側部から緩い状態で取り外すことができる。
請求項2の考案に係るポンプの継手構造は、請求項1の考案において、前記第1拡縮部の肉厚が減少するときは、その内面が拡径すると共にその外面が縮径し、前記肉厚が増加するときは、その内面が縮径すると共にその外面が拡径することを特徴とするものである。
請求項2の考案に係るポンプの継手構造によると、第1拡縮部の肉厚が減少するときは、その内面が拡径すると共にその外面が縮径するので、従動側部の端部を第1拡縮部の内側に緩い状態で装着したり切り離すことができるし、スリーブ部を第1拡縮部の外側に緩い状態で装着したり取り外すことができる。また、第1拡縮部の肉厚が増加するときは、その内面が縮径すると共にその外面が拡径するので、従動側部の端部が第1拡縮部を介してスリーブ部と強固に連結し、このとき、スリーブ部が第2拡縮部を介して駆動側部の本体部と強固に連結するので、従動側部と駆動側部とが互いに強固に連結する。
請求項3の考案に係るポンプの継手構造は、請求項1又は2の考案において、前記駆動側部及び前記従動側部に伴って回転される前記スリーブ部の外周面は、固定側部に取り付けられるシール部材の内周面と密着することを特徴とするものである。
請求項3の考案に係るポンプの継手構造によると、スリーブ部の外周面に、固定側部に取り付けられるシール部材が配置されているので、シール部材による密封部分と、スリーブ部による駆動側部及び従動側部の連結部分とを互いに重なり合わせることができる。これによって、駆動側部と従動側部との合計長さの短縮化を図ることができる。
請求項4の考案に係るポンプの継手構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の考案において、前記第1拡縮部及び第2拡縮部は、それぞれの内部に形成された略短円筒状の通路内に収容されている作動流体の圧力変化によって、前記第1拡縮部の肉厚が増減すると共に第2拡縮部が拡縮し、前記作動流体の圧力変化は、前記通路と連通する圧力室内のピストンの移動によって行われることを特徴とするものである。
請求項4の考案に係るポンプの継手構造によると、圧力室の容積を増加させる方向にピストンを移動させることによって、第1拡縮部の肉厚を減少させると共に、第2拡縮部の外面を縮径させることができる。そして、圧力室の容積を減少させる方向にピストンを移動させることによって、第1拡縮部の肉厚を増加させると共に、第2拡縮部の外面を拡径させることができる。このようにして、第1拡縮部の肉厚を増減し、及び第2拡縮部を拡縮させることによって、駆動側部と従動側部とをスリーブ部を介して互いに連結させることができる。そして、駆動側部と従動側部とを互いに切り離すことができるし、スリーブ部を駆動側部及び従動側部から取り外すことができる。
請求項5の考案に係るポンプの継手構造は、回転駆動される駆動側部と、従動側の従動側部とを互いに着脱自在に連結するためのポンプの継手構造において、前記駆動側部の本体部の端部から軸方向に延びる短筒状に形成され、その内面が拡縮することによって、内側に装着される前記従動側部の端部を着脱自在に把持することができ、外周部がトルク伝達部として形成されている第1拡縮部を備え、前記第1拡縮部は、その内部に形成された略短円筒状の通路内に収容されている作動流体の圧力変化によって拡縮し、前記作動流体の圧力変化は、前記通路と連通する圧力室内のピストンの移動によって行われることを特徴とするものである。
請求項5の考案に係るポンプの継手構造によると、駆動側部と従動側部とを互いに連結するときは、第1拡縮部の内面を拡径させる。これによって、従動側部の端部を第1拡縮部の内側に緩い状態で装着することができる。そして、第1拡縮部の内面を縮径させると、駆動側部と従動側部とを互いに強固に連結させることができる。よって、駆動側部の回転を、トルク伝達部を介して従動側部に伝達させることができる。次に、駆動側部と従動側部とを互いに切り離すときは、第1拡縮部の内面を拡径させる。これによって、駆動側部と従動側部とを互いに緩い状態で切り離すことができる。
請求項6の考案に係るポンプ装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載のポンプの継手構造と、このポンプの継手構造によって伝達される動力によって回転駆動される一軸偏心ねじポンプとを備え、前記一軸偏心ねじポンプは、前記従動側部と連結する雄ねじ型ロータと、この雄ねじ型ロータが嵌挿する雌ねじ型ステータとを有することを特徴とするものである。
請求項6の考案に係るポンプ装置によると、従動側部と駆動側部とを簡単で、しかも短時間で連結したり、切り離すことができるので、このポンプ装置を簡単で、しかも短時間で組み立てたり、分解することができる。
請求項1の考案に係るポンプの継手構造によると、短筒状の第1拡縮部の肉厚を増減させると共に、第2拡縮部の外面を拡縮させることによって、駆動側部と従動側部とを、スリーブを介して互いに緩い状態で着脱することができるし、スリーブ部を、駆動側部及び従動側部に対して緩い状態で着脱することができる構成である。従って、例えばポンプの分解洗浄及び組立てのために、駆動側部と従動側部との切離し及び連結を繰り返し行っても、嵌合部分の磨耗や変形等を低減できる。そして、駆動側部と従動側部との嵌合部分に回転方向の空隙がないので、フレッティングコロージョンが生じることがなく、よって、両者を容易に切離したり連結することができる。これによって、このポンプの継手構造の長寿命化を図ることができるし、両者の連結及び切離し作業の手間、並びにその作業時間を低減できる。
更に、例えばスリーブ部の外周面に、固定側部に取り付けられたシール部材の内周面を密着させるシール構造とすることによって、軸方向の長さの短縮化を図ることができ、軸振れを減少させることができる。また、回転されるスリーブ部の外周面は、固定して取り付けられているシール部材との接触によって磨耗するが、安価なスリーブ部を交換部品として使用すると共に、高価な駆動側部及び従動側部を耐久品として使用することによって、ランニングコストの低減を図ることができる。
請求項5の考案に係るポンプの継手構造によると、短筒状の第1拡縮部の内面を拡縮させることによって、駆動側部と従動側部とを互いに緩い状態で着脱することができる構成である。従って、駆動側部と従動側部との連結及び切離しを繰り返し行っても、嵌合部分の磨耗や変形等を低減できる。そして、駆動側部と従動側部との嵌合部分に回転方向の空隙がないので、フレッティングコロージョンが生じることがなく、よって、両者を容易に切離したり連結することができる。これによって、このポンプの継手構造の長寿命化を図ることができるし、両者の連結及び切離し作業の手間、並びにその作業時間を低減できる。
請求項6の考案に係るポンプ装置によると、従動側部と駆動側部とを簡単で、しかも短時間で連結したり、切り離すことができるので、例えばこのポンプ装置の洗浄のための分解及び組立てを簡単で、しかも短時間で行うことができる。
以下、本発明に係るポンプの継手構造、及びそれを備えるポンプ装置の一実施形態であるポンプ装置を、図1〜図5を参照して説明する。この図1に示すポンプ装置13は、例えば分解洗浄や組立てを行うときに、ポンプの継手構造部(以下、単に「継手構造部」と言うこともある。)14に設けられている駆動側部15と、従動側部16とを簡単に切り離したり連結できるようにして、一軸偏心ねじポンプ2、オルダム型偏心継手5、及び継手構造部14等の分解洗浄や組立てを比較的短時間で容易に行えるようにしたものである。
一軸偏心ねじポンプ2は、図1に示すように、回転容積型ポンプであり、ロータ3とステータ4とを備えている。ロータ3は、雄ねじ形状であり、雌ねじ形状の内孔4aを有するステータ4に嵌挿されている。そして、このロータ3の一端は、オルダム型偏心継手5及び継手構造部14を介して駆動軸17と連結している。この駆動軸17は、減速機付き電気モータ等の駆動部18によって回転駆動される。
そして、偏心継手5、継手構造部14及び駆動軸17は、ケーシング19及びベース20内に収容されている。また、ステータ4の先端部には、ノズル21が取り付けられ、このノズル21にニードルノズル22がナット23で取り付けられている。なお、図1に示す24は、可撓性シールカバーである。この可撓性シールカバー24は、略短筒形に形成され、偏心継手5を包囲して密封するように取り付けられており、偏心継手5の摺動部分に粘性流体等の流体が接触しないようにするためのものである。
この図1に示すポンプ装置13によれば、駆動部18が回転駆動すると、この駆動部18の回転が、駆動軸17、継手構造部14及び偏心継手5を介して一軸偏心ねじポンプ2のロータ3に伝達されて、このロータ3を所定方向に回転させることができる。そして、ロータ3の回転によって、例えば液体等の流体を入口20aから流入させてニードルノズル22から吐出することができる。
この入口20aは、ベース20に設けられ、この入口20aには、供給管(図示せず)を介して流体供給装置(図示せず)が接続している。この流体供給装置は、例えばポンプ2がニードルノズル22から流体を吐出するとき、その吐出のタイミングと同期してその吐出された流体の量と同量の流体を入口20aに供給するように構成されている。
継手構造部14は、図1に示すように、駆動側部15と、従動側部16と、スリーブ部25とを備え、この駆動側部15と従動側部16とは、互いに着脱自在に連結することができるものである。駆動側部15は、駆動軸17に対して中心を一致させてボルトで締結されており、従動側部16は、偏心継手5の駆動側摺動部5aと一体に形成されている。
駆動側部15は、図2に示すように、本体部15a、第1拡縮部26、及び第2拡縮部27を備えている。本体部15aは、短円柱状に形成され、基端にフランジ部28が形成されている。
第1拡縮部26は、図2に示すように、本体部15aの先端部から軸方向に延びる短筒状に形成され、その肉厚が増減することによって、内側に装着される従動側部16の端部を着脱自在に把持することができるものである。
第2拡縮部27は、図2に示すように、第1拡縮部26と隣接し、本体部15aの先端側外周に設けられ、第1拡縮部26と外径が同一である。そして、この第1拡縮部26と連動して外周面が拡縮するものである。
スリーブ部25は、図2に示すように、略短円筒形に形成され、第1拡縮部26の肉厚の増減及び第2拡縮部27の拡縮によって、それら両方のそれぞれの外周面に着脱自在に装着することができるものである。スリーブ部25は、第1及び第2拡縮部26、27に取り付けられた状態で、駆動側部15及び従動側部16に伴って回転する。そして、スリーブ部25の外周面は、環状シール部材29、29の内周面と密着しており、このシール部材29、29は、サポートハウジング30の内周面に装着されている。このサポートハウジング30は、ベース20の内面に固定して取り付けられている。
そして、図2に示す第1拡縮部26及び第2拡縮部27は、それぞれの内部に形成された略短円筒状の拡縮通路(図3(a)、(b)参照)31内に収容されている作動流体32の圧力変化によって、第1拡縮部26の肉厚が増減すると共に第2拡縮部27が拡縮するようになっている。そして、この作動流体32の圧力変化は、拡縮通路31と連通する圧力室33内のピストン34の移動によって行われる。この拡縮通路31は、連通孔35を介して圧力室33と連通している。
圧力室33は、図2に示すように、本体部15aに設けられているフランジ部28に形成されている。この圧力室33の内側には、ピストン34が装着されている。このピストン34は、一端部に雄ねじ部34aが形成され、この雄ねじ部34aが圧力室33の内周壁に形成されている雌ねじ部33aに螺合している。ピストン34の先端部には、Oリング等のシール部材36が装着されている。
よって、ピストン34を例えば六角レンチで所定方向又は逆方向に回転させることで、ピストン34を進退移動させることができ、これによって、圧力室33の作動流体32が収容されている容積を減少及び増加させることができる。その結果、拡縮通路31及び連通孔35内に収容されている作動流体(例えば液体や気体)32の圧力を上昇又は下降させることができ、第1拡縮部26の肉厚の増減、及び第2拡縮部27の拡縮を行わせることができる。なお、図2に示す37は、操作用孔である。この操作用孔37は、ピストン34を回動操作するための六角レンチを挿入するためのものである。
そして、拡縮通路31内の作動流体32の圧力が上昇すると、第1拡縮部26の肉厚が増加すると共に、第2拡縮部27の外周面が拡径する。第1拡縮部26の肉厚が増加すると、その内周面が縮径すると共にその外周面が拡径する。第1拡縮部26の肉厚が増加した状態では、その内径は、従動側部16の外径よりも小さくなることができ、第1拡縮部26の外径はスリーブ部25の内径よりも大きくなることができる。第2拡縮部27が拡径した状態では、その外径は、スリーブ部25の内径よりも大きくなることができる。
拡縮通路31内の作動流体32の圧力が下降すると、第1拡縮部26の肉厚が減少すると共に、第2拡縮部27の外周面が縮径する。第1拡縮部26の肉厚が減少すると、その内周面が拡径すると共にその外周面が縮径する。第1拡縮部26の肉厚が減少した状態では、その内径は、従動側部16の外径よりも大きくなることができ、その外径はスリーブ部25の内径よりも小さくなることができる。第2拡縮部27が縮径した状態では、その外径は、スリーブ部25の内径よりも小さくなることができる。
図2は、ピストン34を前進移動させた状態を示し、第1拡縮部26の肉厚が増加すると共に、第2拡縮部27の外周面が拡径している。この状態で、第1拡縮部26の内周面と従動側部16の外周面とが圧接して互いに結合すると共に、第1拡縮部26の外周面とスリーブ部25の内周面とが圧接して互いに結合し、更に、第2拡縮部27の外周面とスリーブ部25の内周面とが圧接して互いに結合している。これによって、駆動側部15と、従動側部16とが互いに強固に連結した状態となり、トルクを駆動側部15から従動側部16に伝達することができる。
図4は、ピストン34を後退移動させた状態を示し、第1拡縮部26の肉厚が減少すると共に、第2拡縮部27の外周面が縮径している。この状態で、第1拡縮部26の内周面と従動側部16の外周面とが緩く嵌合すると共に、第1拡縮部26の外周面とスリーブ部25の内周面とが緩く嵌合する状態となり、更に、第2拡縮部27の外周面とスリーブ部25の内周面とが緩く嵌合する状態となる。これによって、従動側部16を第1拡縮部26から簡単に引き抜いて、駆動側部15と、従動側部16とを互いに引き離すことができる。そして、図5は、図4に示す状態で、スリーブ部25を駆動側部15から引き抜いた状態を示す。このスリーブ部25も駆動側部15から簡単に引き抜くことができる。
上記のように構成された図1に示すポンプ装置13を使用して、例えば流体をニードルノズル22から連続して吐出させるときは、駆動部18を駆動して駆動軸17を所定方向に回転させればよい。駆動軸17が所定方向に回転すると、その回転が継手構造部14、偏心継手5及びロータ3に伝達されて、ロータ3が所定方向に回転する。これによって、流体を入口20aから流入させてニードルノズル22から吐出することができる。
次に、図2〜図5を参照して、ポンプの継手構造部14の駆動側部15と従動側部16とを互いに連結する手順、及び駆動側部15と従動側部16とを互いに切り離す手順を説明する。ここで、駆動側部15と従動側部16とを互いに切り離す場合として、例えばロータ3、ステータ4、及び偏心継手5等を洗浄するときや、ポンプ2や偏心継手5等の部品を交換する場合である。
まず、図5に示すように分解されたポンプの継手構造部14の駆動側部15と従動側部16とを互いに連結する手順を説明する。今、作業者がピストン34を後退移動させる方向に回転させてあり、これによって、第1拡縮部26の肉厚が減少すると共に、第2拡縮部27の外周面が縮径している。この状態で、図4に示すように、スリーブ部25を第1及び第2拡縮部26、27の外側に装着すると共に、図2に示すように、従動側部16の端部を第1拡縮部26の内側に装着する。なお、図4に示すように、スリーブ部25を第1及び第2拡縮部26、27の外側に装着するときは、緩い状態で装着することができるし、図2に示すように、従動側部16の端部を第1拡縮部26の内側に装着するときも、緩い状態で装着することができる。
次に、図2及び図3に示すように、作業者がピストン34を前進移動させる方向に回転させる。これによって、第1拡縮部26の肉厚が増加すると共に、第2拡縮部27の外周面が拡径する。その結果、駆動側部15と従動側部16とをスリーブ部25を介して互いに強固に連結させることができる。この連結状態では、駆動側部15の回転を従動側部16に伝達させることができる。
次に、図2に示すように互いに連結する駆動側部15と従動側部16とを切り離すときは、作業者がピストン34を後退移動させる方向に回転させる。これによって、第1拡縮部26の肉厚が減少すると共に、第2拡縮部27の外周面が縮径する。この状態にすると、図4及び図5に示すようにして、駆動側部15と従動側部16とを互いに緩い状態で切り離すことができ、スリーブ部25を駆動側部15及び従動側部16から緩い状態で取り外すことができる。
このように、このポンプの継手構造部14によると、短筒状の第1拡縮部26の肉厚を増減させると共に、第2拡縮部27の外周面を拡縮させることによって、駆動側部15と従動側部16とを、スリーブ部25を介して互いに緩い状態で着脱することができるし、スリーブ部25を、駆動側部15及び従動側部16に対して緩い状態で着脱することができる。従って、駆動側部15と従動側部16との連結及び切離しを繰り返し行っても、嵌合部分の磨耗や変形等を低減できる。そして、スリーブ部25を介しての駆動側部15と従動側部16との嵌合部分に回転方向の空隙がないので、フレッティングコロージョンが生じることがなく、よって、両者を容易に切離したり連結することができる。これによって、このポンプの継手構造14の長寿命化を図ることができるし、両者の連結及び切離し作業の手間、並びにその作業時間を低減できる。
そして、図1に示すように、スリーブ部25の外周面は、ベース20側に固定して取り付けられているシール部材29、29の内周面と密着して配置される構成としたので、シール部材29、29による密封部分と、スリーブ部25による駆動側部15及び従動側部16の連結部分とを互いに重なり合わせることができる。これによって、駆動側部15と従動側部16との合計長さの短縮化を図ることができる。そして、これによって例えば駆動部18内に設けられている軸受(図示せず)からのオーバーハングを短くすることができ、軸振れの減少を図ることができる。
また、回転されるスリーブ部25の外周面は、固定して取り付けられているシール部材29、29との接触によって磨耗するが、安価なスリーブ部25を交換部品として使用すると共に、高価な駆動側部15及び従動側部16を耐久品として使用することによって、このポンプ装置13のランニングコストの低減を図ることができる。
更に、図1に示すように、ポンプの継手構造部14と、一軸偏心ねじポンプとを備えるポンプ装置13によると、従動側部16と駆動側部15とを簡単で、しかも短時間で連結したり、切り離すことができるので、このポンプ装置13を簡単で、しかも短時間で組み立てたり、分解することができる。よって、洗浄を簡単に行えるし、一軸偏心ねじポンプ及び偏心継手5等に含まれる部品の交換を簡単に行うこともできる。
ただし、上記図2に示す実施形態の継手構造部14は、スリーブ部25を備える構成としたが、このスリーブ部25を省略した構成としてもよい。
つまり、図2に示すスリーブ部25を、第1及び第2拡縮部26、27の外周面に対して一体に設けた構成とする。このように構成された第1拡縮部は、その内周面が拡縮することによって、内側に装着される従動側部16の端部を着脱自在に把持することができ、外周部(スリーブ部に相当する部分)がトルク伝達部として機能する。そして、第1拡縮部は、その内部に形成された拡縮通路31内に収容されている作動流体32の圧力変化によって、その内周面が拡縮する。そして、この作動流体32の圧力変化は、拡縮通路31及び連通孔35と連通する圧力室33内のピストン34の移動によって行われる。これ以外は、上記実施形態と同等であり、同等部分の説明を省略する。
このポンプの継手構造部によると、駆動側部と従動側部16とを互いに連結するときは、ピストン34を後退移動させる方向に回転させて、第1拡縮部の内周面を拡径させる。これによって、従動側部16の端部を第1拡縮部の内側に緩い状態で装着することができる。そして、ピストン34を前進移動させる方向に回転させて、第1拡縮部の内周面を縮径させる。これによって、駆動側部と従動側部16とを互いに強固に連結させることができる。よって、駆動側部の回転を、トルク伝達部を介して従動側部16に伝達させることができる。
次に、駆動側部と従動側部16とを互いに切り離すときは、ピストン34を後退移動させる方向に回転させて、第1拡縮部の内周面を拡径させる。これによって、駆動側部と従動側部16とを互いに緩い状態で切り離すことができる。
このように、このポンプの継手構造部によっても、短筒状の第1拡縮部の内周面を拡縮させることによって、駆動側部と従動側部16とを互いに緩い状態で着脱することができる。従って、駆動側部と従動側部16との連結及び切離しを繰り返し行っても、嵌合部分の磨耗や変形等を低減できる。そして、駆動側部と従動側部16との嵌合部分に回転方向の空隙がないので、フレッティングコロージョンが生じることがなく、よって、両者を容易に切離したり連結することができる。これによって、このポンプの継手構造の長寿命化を図ることができるし、両者の連結及び切離し作業の手間、並びにその作業時間を低減できる。
そして、上記実施形態では、ポンプの継手構造部14の従動側部16に対して、一軸偏心ねじポンプ2のロータ3を連結する構成としたが、従動側部16に対して、これ以外のポンプのロータを連結してもよい。
以上のように、本発明に係るポンプの継手構造及びそれを備えるポンプ装置は、駆動側部と従動側部との連結及び切離しを繰り返し行っても、嵌合部分の磨耗等を低減して長寿命化を図ることができると共に、連結及び切離し作業の手間、並びにその作業時間を低減でき、更に従来よりもポンプ装置を短縮化することができる優れた効果を有し、このようなポンプの継手構造及びそれを備えるポンプ装置に適用するのに適している。
この発明の一実施形態に係るポンプ装置を示す縦断面図である。 同実施形態に係るポンプ装置が備えるポンプの継手構造部を示す拡大縦断面図である。 同実施形態に係るポンプの継手構造部を示す断面図であり、(a)はA−A断面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。 同実施形態に係るポンプの継手構造部の従動側部を駆動側部から引き離した状態を示す拡大縦断面図である。 同実施形態に係るポンプの継手構造部の従動側部及びスリーブ部を駆動側部から引き離した状態を示す拡大縦断面図である。 従来のポンプ装置を示す部分縦断面図である。
符号の説明
2 一軸偏心ねじポンプ
3 ロータ
4 ステータ
4a 内孔
5 偏心継手
5a 駆動側摺動部
13 ポンプ装置
14 ポンプの継手構造部
15 駆動側部
15a 本体部
16 従動側部
17 駆動軸
18 駆動部
19 ケーシング
20 ベース
20a 入口
21 ノズル
22 ニードルノズル
23 ナット
24 可撓性シールカバー
25 スリーブ部
26 第1拡縮部
27 第2拡縮部
28 フランジ部
29 シール部材
30 サポートハウジング
31 拡縮通路
32 作動流体
33 圧力室
33a 雌ねじ部
34 ピストン
34a 雄ねじ部
35 連通孔
36 シール部材
37 操作用孔

Claims (6)

  1. 回転駆動される駆動側部と、従動側の従動側部とを互いに着脱自在に連結するためのポンプの継手構造において、
    前記駆動側部の本体部の端部から軸方向に延びる短筒状に形成され、その肉厚が増減することによって、内側に装着される前記従動側部の端部を着脱自在に把持することができる第1拡縮部と、前記第1拡縮部と隣接して前記本体部の外周に設けられ、前記第1拡縮部と連動して外面が拡縮する第2拡縮部と、前記第1拡縮部の肉厚の増減及び前記第2拡縮部の拡縮によって、それら両方のそれぞれの外周面に着脱自在に装着することができるスリーブ部とを備えることを特徴とするポンプの継手構造。
  2. 前記第1拡縮部の肉厚が増加するときは、その内面が縮径すると共にその外面が拡径し、前記肉厚が減少するときは、その内面が拡径すると共にその外面が縮径することを特徴とする請求項1記載のポンプの継手構造。
  3. 前記駆動側部及び前記従動側部に伴って回転される前記スリーブ部の外周面は、固定側部に取り付けられるシール部材の内周面と密着することを特徴とする請求項1又は2記載のポンプの継手構造。
  4. 前記第1拡縮部及び第2拡縮部は、それぞれの内部に形成された略短円筒状の通路内に収容されている作動流体の圧力変化によって、前記第1拡縮部の肉厚が増減すると共に第2拡縮部が拡縮し、前記作動流体の圧力変化は、前記通路と連通する圧力室内のピストンの移動によって行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポンプの継手構造。
  5. 回転駆動される駆動側部と、従動側の従動側部とを互いに着脱自在に連結するためのポンプの継手構造において、
    前記駆動側部の本体部の端部から軸方向に延びる短筒状に形成され、その内面が拡縮することによって、内側に装着される前記従動側部の端部を着脱自在に把持することができ、外周部がトルク伝達部として形成されている第1拡縮部を備え、前記第1拡縮部は、その内部に形成された略短円筒状の通路内に収容されている作動流体の圧力変化によって拡縮し、前記作動流体の圧力変化は、前記通路と連通する圧力室内のピストンの移動によって行われることを特徴とするポンプの継手構造。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のポンプの継手構造と、このポンプの継手構造によって伝達される動力によって回転駆動される一軸偏心ねじポンプとを備え、前記一軸偏心ねじポンプは、前記従動側部と連結する雄ねじ型ロータと、この雄ねじ型ロータが嵌挿する雌ねじ型ステータとを有することを特徴とするポンプ装置。
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