JP3128561B2 - シールドトンネル覆工法 - Google Patents

シールドトンネル覆工法

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JP3128561B2
JP3128561B2 JP06097340A JP9734094A JP3128561B2 JP 3128561 B2 JP3128561 B2 JP 3128561B2 JP 06097340 A JP06097340 A JP 06097340A JP 9734094 A JP9734094 A JP 9734094A JP 3128561 B2 JP3128561 B2 JP 3128561B2
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稔 山本
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株式会社クボタ建設
大日本土木株式会社
稔 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールドのテール部内
で、4個以上のn個の実質的に弦長が等しい矩形セグメ
ント(以下「等大矩形セグメント」という。)、好まし
くは、さらに内面が平滑な等大矩形セグメントをトンネ
ル軸線に対して直交する面内で組み立ててセグメントリ
ングを形成するシールドトンネル覆工法に関するもので
ある。なおここでいう「矩形セグメント」とは、セグメ
ントの外周面を内周面側から眺めて平面上に投影した形
状が矩形のものを意味し、また、「実質的に弦長が等し
い矩形セグメント」とは、その端面にフランジを有する
か否かに係わらず、セグメントの外周面の両端縁間の弦
長が実質的に等しい矩形セグメントのことを意味する。
【0002】
【従来の技術】シールドのテール部でセグメントリング
を形成するとき、セグメントリングが安定で静定な構造
をもち、かつ、セグメントの、トンネル内での運搬やテ
ール部での組立が行いやすいこと等の条件を満足するこ
とが少なくとも必要であり、また、セグメントは、その
製造上及び組立作業上の点から互換性があることが望ま
しいため、その弦長を等しくすることが多い。
【0003】セグメントリングを安定で静定な構造にす
るには、一般に3ヒンジリング構造にすること、具体的
には、ミニシールド工法の覆工として知られている3個
の等大セグメントでセグメントリングを形成すればよ
い。しかし、3個の等大セグメントでセグメントリング
を形成する場合は、トンネル内径に対する各セグメント
の弦長が相対的に大きくなるため、トンネル内でのセグ
メントの運搬に工夫が必要であり、また、シールドのテ
ール部でセグメントリングを組み立てる際にも一般のシ
ールド工法のような工程をとることができず、特殊な手
法が必要となり、さらにこの組立に当たっては、スキン
プレートとの間のテールクリアランスを大きくとらなけ
ればならないこともあってトンネルの掘削断面が大きく
なるという問題点があった。
【0004】セグメントの、トンネル内での運搬やテー
ル部での組立を有利にするためには、1セグメントリン
グを構成するセグメントの数を増やして個々のセグメン
トの弦長をできるだけ短くすることが好ましく、従っ
て、4個以上のn個の等大セグメントでセグメントリン
グを形成すれば解決できる。しかし、4個以上のn個の
セグメントをヒンジ結合して作ったnヒンジリング構造
は不安定であって、一般にはトンネル覆工として使用で
きない。なお、ここでいうnヒンジリング構造とは、n
個のセグメントでセグメントリングを形成した場合の、
隣り合うセグメント同士がヒンジ結合をなし、すなわ
ち、端面同士が衝合する部分を中心軸としてこの周りに
回動できる構造を意味する。
【0005】また、セグメントの形状に関していえば、
セグメントの外周面を内周面側から眺めて平面上に投影
した形状が台形である台形セグメント、及び六角形であ
る六角形セグメントは、セグメントの端面が傾斜してい
るためトンネル軸線方向に差し込む組立法によってセグ
メントリングを形成することができる。この結果、テー
ルクリアランスを小さくすることができ、また、セグメ
ントの端面が傾斜していることは、リングの曲げモーメ
ントを伝達するには有利であり、セグメントリングの構
造を安定化するという利点を有する反面、セグメントの
端面が傾斜していることによってやはり弦長が長くなる
ことや構造が複雑になることなどから、セグメントの製
造及び運搬上の便宜、組立性等を考慮すれば、矩形セグ
メントが有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、4個以上のn
個の等大矩形セグメントでセグメントリングを形成する
場合には、上述したセグメントの運搬及びトンネル掘削
断面の問題は解消されるものの、セグメントリングの構
造が不安定になる欠陥があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、1セグメントリ
ングを、4個以上のn個の等大矩形セグメントで形成す
ることによって、セグメントの運搬及び組立がスムーズ
に行うことができるようにするとともに、このセグメン
トリングにおける欠陥であった不安定な構造を、安定で
静定な3ヒンジリング構造にすることができるシールド
トンネル覆工法を得るにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のシールドトンネル覆工法は、シールドのテ
ール部内で、実質的に弦長が等しい4個以上のn個の矩
形セグメントをトンネル軸線に対して直交する面内で組
み立ててセグメントリングを形成するものであって、第
一及び第二の矩形セグメントを除く(n−2)個の残余
の矩形セグメントの向かい合う端部を接合具によって仮
接合して一体的なインバートセグメントユニットを仮形
成し、インバートセグメントユニットの一方の端面に対
応して第一矩形セグメントの端面を衝合させ、この第一
矩形セグメントをその端面の外端縁を中心軸線としてそ
の周りに回動させて残りの端面の外端縁をスキンプレー
ト内周面に近接させて仮止めし、次いで、インバートセ
グメントユニットの他方の端面に第二矩形セグメントの
端面を衝合させ、この第二矩形セグメントをその端面の
衝合部分を中心軸線としてその周りに回動させて残りの
端面の外端縁をスキンプレート内周面に近接させ、その
後、第一及び第二の矩形セグメントの前記残りの端面同
士が一致するように閉合することにより、インバートセ
グメントユニット、第一矩形セグメント、及び第二矩形
セグメントからなる、実質上の3ヒンジリング構造のセ
グメントリングを形成する。
【0009】3ヒンジリング構造を最も合理的に実現す
るには、1セグメントリングを4個の等大矩形セグメン
トで形成すること、すなわち、インバートセグメントユ
ニットを2個の矩形セグメントで形成することがより好
ましい。その際、それぞれの接合部で曲げモーメントを
伝達させる必要があり、セグメント厚さを小さくしてこ
れを効果的に達成するには接合部のセグメント厚さを大
きくすればよく、そのため、残余の矩形セグメントの向
かい合う端部にそれぞれフランジ部を設け、これらの端
部同士の仮接合を、フランジ部を外側から接合具で締め
つけることによって行うことが好ましい。さらに、仮形
成したインバートセグメントユニットを剛接合して一体
化するには、裏込め注入して地山が安定した後に前記仮
接合したインバートセグメントユニットの仮接合を解除
し、設計に基づいて配筋などした後、この仮接合してい
た部分が少なくとも埋没するまでコンクリートを打設す
ればよい。
【0010】
【作用】本発明によれば、第一及び第二の矩形セグメン
トを除く残余の矩形セグメントを接合具を用いて仮接合
してインバートセグメントユニットを仮形成することに
より、安定で静定な3ヒンジリング構造を得ることがで
きる。また、残余の矩形セグメントの向かい合う端部に
設けたフランジ部を、外側から接合具で締めつけること
によって仮接合することにより、一時的に一体化したイ
ンバートセグメントユニットが得られる。そして、フラ
ンジ部が埋没するまでコンクリートを打設することによ
って強固な構造になる。さらに、インバートセグメント
ユニットを2個の矩形セグメントで形成する場合は、仮
接合部分が一か所であるため、仮接合が容易であるし、
その後の強固な構造を形成するにも有利である。
【0011】インバートセグメントユニットを仮形成し
た後、裏込め注入して地山が安定した後に前記仮接合を
解除し、設計に基づいて配筋などした後、この仮接合し
ていた部分が埋没するまでコンクリートを打設すること
により、インバートセグメントユニットを剛接合で一体
化することができる。また、セグメントリングの内面
は、金物類が露出することなく平滑にできるため、二次
覆工の省略が可能となって、工期が短縮できるので経済
的である。
【0012】
【実施例】本発明にしたがうシールドトンネル覆工法の
具体的な実施例を図面を参照しながら説明する。図1
(a)は、シールド掘進機1のリングガーダー部2に位
置するシールドジャッキ3と、既に組み立てられ芋継ぎ
にした状態のセグメントリング4との間に、新たにセグ
メントを組み立てるためスペース5を設けた状態のテー
ル部6を示した図であり、図1(b)は、同図(a)に
示す既に組み立てられ芋継ぎにしたセグメントリング4
をトンネルの坑口から掘進方向8に見た図である。な
お、芋継ぎとは、セグメント端面同士の接合位置7a、
7bがセグメントリング4a,4b間で一致するように
セグメントリングを前記掘進方向8に沿って連結したと
きのことをいう。この他、セグメントリング4a,4b
間で前記接合位置7a、7bをずらした千鳥組みによっ
てセグメントリングを組み立てることもできる。
【0013】これらの図に示すセグメントリング4は、
4個の等大の矩形セグメント9a,9b,9c,9dで
構成され、すなわち、インバートセグメントユニット1
0を形成する図2(b)及び(c)に示す形状の二個の
矩形セグメント9b,9aと、その上側に位置する図2
(a)に示す形状の第一及び第二の矩形セグメント9
c,9dとによって構成されたものである。また、これ
らの矩形セグメント9a〜9dは、それらのトンネル軸
線に直交する両側面、すなわちリング継手面に、一方に
はほぞ11を、他方にはほぞ溝12をそれぞれ設けてあ
るが、これらのほぞ11及びほぞ溝12は、芋継ぎの場
合には、セグメントリング間の添接による剛性の向上を
ねらうものではなく、位置決めや防水のために使用する
ものであり、また、ほぞを設けなければ矩形セグメント
9a,9bは互換性を持たせることができるため必要に
応じて設けるかどうかを適宜選択する。なお、上側に位
置する二個の矩形セグメント9c,9dについては、ほ
ぞの有無に関わらず互換性があるのでどちらでもよい。
また、多少ともリング間をほぞによって添接効果をもた
せるようにする場合には千鳥組みにする。さらに、この
実施例では、これらの矩形セグメント9a,9b,9
c,9dに、裏込め注入するためのグラウトホール30
を設けた場合を示しているが、このグラウトホール30
は、リングを組み立てるときにも利用することができ
る。
【0014】インバートセグメントユニット10を形成
する二個の矩形セグメント9a,9bは、それらの一方
の端部にそれぞれセグメントの内面13側に突出するフ
ランジ部14a、14bを設けてあり、これらの端部同
士を、フランジ部14a、14bを外側から接合具15
を利用して締めつけて仮接合することにより、一体的に
結合された半円形アーチ形状のインバートセグメントユ
ニット10を仮形成する。また、1セグメントリングを
5個以上の矩形セグメントで構成する場合、すなわち、
インバートセグメントユニットを3個以上の矩形セグメ
ントで構成する場合には、構造が不安定になりやすいの
で、インバートセグメントユニット10を構成するセグ
メントのうち、インバートセグメントユニットの端面1
9a、19bをもたないセグメントには、図2(d)に
示すようにセグメントの両端部にフランジ部14c、1
4dを有するセグメント9eを用いることが望ましく、
さらに、これらのフランジ部14a〜14d間をそれぞ
れより強固に連結する場合には、フランジ部14a〜1
4dに複数個の貫通孔31を設け、これらの貫通孔31
を通じてボルト結合するのがよい。
【0015】接合具15は、この実施例では、構造と荷
重の関係から、前記仮接合部には正の曲げモーメントが
作用するだけなので、構造が簡単なしゃこ万力にした
が、上述したようにボルト継手等の他の接合具を用いて
もよく、また、前記仮接合部に取り付けるしゃこ万力
は、運搬軌道に連結できるようにしておけば、軌道のす
えつけに便利であるし、軌道としゃこ万力の撤去にも有
利である。なお、仮接合部で曲げモーメントを確実に伝
達して一体化するには、フランジ部のセグメント厚さ
を、他の部分よりも大きくすればよい。
【0016】次に、テール部でセグメントリングを形成
するための工程を、n=4(nは、1セグメントリング
を構成する矩形セグメントの数を意味する。)の場合に
ついて図3(a)〜(d)を参照しながら説明する。ま
ず、図3(a)に示すように、フランジ部付き矩形セグ
メント9bの両端側でかつシールドのスキンプレート1
6との間にくさび17a、17bを設け、これらのくさ
び17a、17bを調整することにより、前記矩形セグ
メント9bの接合端面18bをシールド軸線を含む鉛直
面内に保持し、かつ、セグメントリングになったときに
スキンプレート16の内周と同心になるように前記矩形
セグメント9bを配置する。なお、n=5の場合には、
両端にフランジ部14c、14dをもつセグメント9e
を用い、前記セグメント9eをこの外周線に対して直交
する平面で2等分割する仮想中央切断面が、シールドの
軸線を含む鉛直面と一致するようにセットする。
【0017】次いで、この矩形セグメント9bの接合端
面18bに対し、別のフランジ部付き矩形セグメント9
aの接合端面18aを対向させて配置し、その後、接合
具15を用いてフランジ部14a、14bをしゃこ万力
などで締めつけて仮接合し、インバートセグメントユニ
ット10を仮形成する(図3(b))。
【0018】そして、第一の矩形セグメント9cをエレ
クター(図示せず)に取り付け、このエレクターを駆動
させることによって、第一の矩形セグメント9cをイン
バートセグメントユニット10の一方の端面19a上に
載せ、この端面19aと衝合させた第一の矩形セグメン
ト9cの端面20aの外端縁24aを中心軸線としてそ
の周りに、残りの端面20bの外端縁24bがスキンプ
レート16の内周面に近づくまで、第一の矩形セグメン
ト9cを回動させる。そのとき、シールドジャッキのス
プレッダに取り付けた第一の補助ジャッキ23aの支持
アーム28b1 を、第一の矩形セグメント9cの内周面
を支持するように配置し、エレクターを第一の矩形セグ
メント9cから取り外した後、この補助ジャッキ23a
を作動させてこの矩形セグメント9cの内周面を徐々に
押し上げていき、スキンプレート16の内周面に近接し
た位置で前記作動を停止し、第一の矩形セグメント9c
は支持アーム28b1 とスキンプレート16の内周面に
支持された状態て仮止めされる(図3(c))。なお、
この第一の矩形セグメント9cが、前記外端縁24aを
中心軸線としてずれないで回動できるのは、この外端縁
24aとスキンプレート16との間にくさび17aを配
置したためである。
【0019】その後、図3(d)に示すように、インバ
ートセグメントユニット10の他方の端面19b上に第
二の矩形セグメント9dをエレクターを用いて載せ、エ
レクターを上述した第一の矩形セグメント9cの場合と
同様な駆動をさせることによって、第二の矩形セグメン
ト9dの残りの端面21bの外端縁がスキンプレート1
6の内周面に近づくまで、この矩形セグメント9dを回
動させ、そのとき、シールドジャッキのスプレッダに取
り付けた第二の補助ジャッキ23bの支持アーム28b
2 を、第二の矩形セグメント9dの内周面を支持するよ
うに配置し、この補助ジャッキ23bを作動させてこの
矩形セグメント9dの内周面を徐々に押し上げていき、
スキンプレート16の内周面に近接した位置で前記作動
を停止して、第二の矩形セグメント9dを支持アーム2
8b2 とスキンプレート16の内周面に支持された状態
て仮止めし、その後、第二の矩形セグメント9dの端面
21aをインバートセグメントユニット10の端面19
b上の正規の位置にエレクターで半径方向内側に移動さ
せ、エレクターを第二の矩形セグメント9dから取り外
す。
【0020】そして、第一及び第二の補助ジャッキ23
a、23bの支持アーム28b1 、28b2 を徐々に下
げていき、第一及び第二の矩形セグメント9c、9dの
残りの端面20b、21b同士を一致するように閉合
し、これにより、図1(b)に示すセグメントリングが
形成される。この実施例では、第二の矩形セグメント9
dを、インバートセグメントユニット10の他方の端面
19bと衝合した内端縁25を中心軸線として回動させ
たが、これは、許容されるテールクリアランスが小さい
場合の例であり、テールクリアランスが十分に大きいな
らば、前述した第一の矩形セグメント9cの場合と同様
に外端縁を中心に回動させてもよい。なお、第一及び第
二の補助ジャッキ23a、23bについては後述する。
【0021】さらに、上述の工程によってセグメントリ
ング4を形成した後は、裏込め注入して地山が安定した
後に、インバートセグメントユニット10の仮接合を解
除し、この仮接合部に配筋などを適宜施した後、少なく
とも接合部が埋没するまでコンクリートを打設すること
によって、剛接合され一体化したインバートセグメント
ユニットを形成する。図4(a)〜(c)にその一例を
示す。
【0022】まず、図4(a)に示すようなしゃこ万力
15による仮接合を、裏込め注入して地山が安定した後
に解除する。このとき、この仮接合部の曲げモーメント
の伝達をより確実にするため、図4(b)に示すよう
に、複数本の鉄筋26をフランジ部14a、14b間に
橋渡したが、これらの鉄筋26は設計条件に応じて設け
ればよい。その後に、図4(c)のように前記仮接合部
にコンクリート27を打設するが、このコンクリート2
7は、フランジ部14a、14bなど接合部が完全に埋
没する程度でよい。また、セグメントリング間の添接に
よって曲げモーメントを負担させるのに有利な構造にす
るため、連なったセグメントリングの接合部の位置関係
を、図5に示すように鉛直位置を挟んで一定角度だけ交
互にずらした千鳥組みで配置してもよい。しかし、この
場合は、フランジ部が完全に埋没するコンクリート量
が、図4(a)の場合に比べて若干多くなり、これは、
トンネル内のスペースの確保やコンクリートの材料費等
の点で好ましくないため、条件に応じて適宜選択するこ
とが必要である。
【0023】次に、第一及び第二の補助ジャッキについ
て、図6〜図9を参照しながら説明する。図6(a)
は、シールドジャッキ3と、このシールドジャッキ3に
取り付けた補助ジャッキ付きスプレッダ22をトンネル
の掘進位置から坑口の方向に見た図であり、図6(b)
は、同図(a)を真上から眺めた図である。なお、図6
(b)では、説明の便宜上、第一の補助ジャッキ23a
の支持アーム28b1 は、収納位置、すなわち鉛直位置
にあるためこの図では見えない位置にあり、また、第二
の補助ジャッキ23bの支持アーム28b2 は、セグメ
ントを支持する位置、すなわち水平位置にある状態で示
している。
【0024】スプレッダ22は4等分割された部材27
a、27b、27c、27dから構成されていて、第一
及び第二の補助ジャッキ23a、23bはスプレッダの
二個の部材27a、27bに取り付けられている。これ
らの補助ジャッキ23a又は23bは、L型アーム28
aと、支持アーム28b1又は28b2と、駆動部28c
とからなり、また、スプレッダ22にはくびれ部29が
設けられていて、このくびれ部29に対応して補助ジャ
ッキのL型アーム28aを配置し、支持アーム28b1
又は28b2は、L型アーム28aに回動可能に取り付
けられている(図7及び図8)。さらに、L型アーム2
8aは、駆動部28cによってシールドの半径方向内外
に移動することができ、これにより、支持アーム28b
1 又は28b2 が前記半径方向内外に移動できる(図
9)。なお、支持アーム28b1 又は28b2 の回動可
能な範囲は、図7に示すように、スプレッダの部材27
a又は27bのくびれ部29内に収納される鉛直位置か
ら矩形セグメントを押し上げるときの水平位置までであ
り、エレクターによって第一及び第二の矩形セグメント
9c、9dをインバートセグメントユニット10上で回
動させる場合に、じゃまにならないように支持アームを
前記鉛直位置に収納しておき、この回動動作終了後に、
支持アームを前記水平位置に配置して、前記セグメント
9c、9dの内周面を支持するようにしてある。図9
は、補助ジャッキの支持アームを水平位置に回動させて
セグメントを支持した状態を示している。
【0025】なお、上述したところは、本発明の実施例
を示したにすぎず、請求の範囲において、種々の変更を
加えることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、セグメントの運搬及び
組立がスムーズに行うことができ、かつ、トンネル掘削
断面を小さくでき、しかも、セグメントリングが安定で
静定な構造をとることができるとともに、セグメントリ
ングの内面を金物類が露出することなく平滑にできるた
め、二次覆工の省略が可能となって、工期を短縮するこ
とができるので経済的である。
【0027】また、残余の矩形セグメントの向かい合う
端部に設けたフランジ部を、外側から接合具で締めつけ
ることによって仮接合することにより、インバートセグ
メントユニットを一体化することができ、施工時から安
定で静定なセグメントリングを形成でき、さらに、フラ
ンジ部を設けることは、コンクリート打設後のインバー
トセグメントユニットがより確実に剛接合されるため有
利である。
【0028】そしてまた、n=4の場合には、インバー
トセグメントユニットを2個の矩形セグメントで形成す
ることにより、一か所の仮接合部分で曲げモーメントが
伝達できるようにすればよいため構造が単純化でき、作
業性の点でも有利である。
【0029】インバートセグメントユニットを仮形成し
た後に、裏込め注入して地山が安定した後に前記仮接合
を解除し、必要に応じて配筋などした後、この仮接合し
ていた部分が埋没するまでコンクリートを打設すること
により、インバートセグメントユニットは剛接合されて
一体化する。しかも、このコンクリートの打設は、仮接
合していた部分が埋没する程度でよいため、トンネル内
のスペースを確保することができ、また、セグメントリ
ングの内面は、第一及び第二の矩形セグメントの接合が
単にフランジ部をもたない端面同士の衝合によるもので
あるため、二次覆工なしに金物類が露出することなく平
滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、シールド掘進機のリングガーダー部
に位置するシールドジャッキと、既に組み立てられ芋継
ぎにした状態のn=4のセグメントリングとの間に、新
たにセグメントを組み立てるためスペースを設けた状態
のテール部を示した図であり、(b)は、セグメントリ
ングをトンネルの坑口から掘進方向に見た図である。
【図2】(a)〜(c)は、セグメントリングをn=4
の矩形セグメントで構成した場合について、(a)は、
第一及び第二の矩形セグメントを示した斜視図であり、
(b),(c)は、インバートセグメントユニットを形
成する矩形セグメントを示した斜視図であり、また、
(d)は、n=5の場合についてインバートセグメント
ユニットを形成する両フランジ部をもつ矩形セグメント
を示した斜視図である。
【図3】(a)〜(d)は、n=4の場合についてテー
ル部でセグメントリングを形成する際の一連の工程を説
明するための図である。
【図4】(a)〜(c)は、n=4の場合についてイン
バートセグメントユニットが剛接合され一体化されるま
でを説明するための図である。
【図5】n=4の場合についてインバートセグメントユ
ニットの仮接合部を、セグメントリング間で交互に千鳥
状に組んだときの図である。
【図6】(a)は、シールドジャッキと、このシールド
ジャッキに取り付けた補助ジャッキ付きスプレッダをト
ンネルの掘進位置から坑口の方向に見た図であり、
(b)は、同図(a)を真上から眺めた図である。
【図7】スプレッダのくぼみ部に補助ジャッキを取り付
け、その支持アームを水平位置に回動させた状態の図で
ある。
【図8】スプレッダと補助ジャッキとを分解した後の、
(a)は、くぼみ部をもつスプレッダの要部、(b)
は、補助ジャッキのL型アームと支持アームとを示した
図である。
【図9】補助ジャッキが、セグメントを押し上げた状態
を部分的に示した図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 リングガーダー部 3 シールドジャッキ 4 セグメントリング 5 スペース 6 テール部 7a,7b セグメント端面間の接合位置 8 トンネルの掘進方向 9a,9b,9c,9d,9e 矩形セグメント 10 インバートセグメントユニット 11 ほぞ 12 ほぞ溝 13 セグメントの内面 14a,14b,14c,14d フランジ部 15 接合具 16 スキンプレート 17a,17b,17c くさび 18a,18b 接合端面 19a,19b インバートセグメントユニットの端面 20a,20b 第一の矩形セグメントの端面 21a,21b 第二の矩形セグメントの端面 22 シールドジャッキのスプレッダ 23a,23b 補助ジャッキ 24a,24b 外端縁 25 内端縁 26 鉄筋 27a,27b,27c,27d スプレッダの部材 28a L型アーム 28b1,28b2 支持アーム 28c 駆動部 29 くびれ部 30 グラウトホール 31 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 昭46−29711(JP,Y1) 米国特許3373571(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/04 E21D 11/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドのテール部内で、実質的に弦長
    が等しい4個以上のn個の矩形セグメントをトンネル軸
    線に対して直交する面内で組み立ててセグメントリング
    を形成するシールドトンネル覆工法において、 第一及び第二の矩形セグメントを除く(n−2)個の残
    余の矩形セグメントの向かい合う端部を接合具によって
    仮接合して一体的なインバートセグメントユニットを仮
    形成し、 インバートセグメントユニットの一方の端面に対応して
    第一矩形セグメントの端面を衝合させ、この第一矩形セ
    グメントをその端面の外端縁を中心軸線としてその周り
    に回動させて残りの端面の外端縁をスキンプレート内周
    面に近接させて仮止めし、 次いで、インバートセグメントユニットの他方の端面に
    第二矩形セグメントの端面を衝合させ、この第二矩形セ
    グメントをその端面の衝合部分を中心軸線としてその周
    りに回動させて残りの端面の外端縁をスキンプレート内
    周面に近接させ、 その後、第一及び第二の矩形セグメントの前記残りの端
    面同士が一致するように閉合することにより、インバー
    トセグメントユニット、第一矩形セグメント、及び第二
    矩形セグメントからなる、実質上の3ヒンジリング構造
    のセグメントリングを形成することを特徴とするシール
    ドトンネル覆工法。
  2. 【請求項2】 残余の矩形セグメントの向かい合う端部
    にそれぞれフランジ部を設け、これらの端部の仮接合
    を、フランジ部を外側から接合具で締めつけることによ
    って行うようにした請求項1に記載したシールドトンネ
    ル覆工法。
  3. 【請求項3】 インバートセグメントユニットを2個の
    矩形セグメントで形成する構成にした請求項1又は2に
    記載したシールドトンネル覆工法。
  4. 【請求項4】 インバートセグメントユニットを仮形成
    した後に、裏込め注入して地山が安定した後に前記仮接
    合を解除し、この仮接合していた部分が少なくとも埋没
    するまでコンクリートを打設することにより、剛接合さ
    れて一体化したインバートセグメントユニットを形成し
    た請求項1、2、又は3に記載したシールドトンネル覆
    工法。
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