JP3127893B2 - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法

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JP3127893B2
JP3127893B2 JP10192115A JP19211598A JP3127893B2 JP 3127893 B2 JP3127893 B2 JP 3127893B2 JP 10192115 A JP10192115 A JP 10192115A JP 19211598 A JP19211598 A JP 19211598A JP 3127893 B2 JP3127893 B2 JP 3127893B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置および半導体装置の製
造方法において、素子分離領域の形成法として主にLO
COS法が用いられる。しかしながら、LOCOS法で
はバーズビークによる寸法変換差が大きい。このため、
素子の微細化が困難であり、素子の高密度化の妨げとな
っている。そこで近年では、溝に素子分離用絶縁膜を埋
め込むトレンチ分離法の検討が進められている。この方
法によれば、素子間の最小分離幅を0.2μm以下にで
きるため、高密度LSIの製造が可能となる。
【0003】しかし、係るトレンチ分離法では、以下の
ような問題点が生じることが知られている。図3は、素
子分離にトレンチ分離を用いたNMOSトランジスタの
しきい値Vtとチャネル幅Wの関係を示した特性図であ
る。本図3において、チャネル幅Wが狭くなるにつれ
て、しきい値Vtが低下することが知れる。特に、チャ
ネル幅Wが、W<0.5μmで、この低下が顕著になる
ことが解る。従って、0.5μm以下のチャネル幅のト
ランジスタでは、トランジスタがオフしない、あるい
は、しきい値Vtのばらつきが大きくなる等の問題が生
じる。このため、この技術をデバイスへ応用することが
事実上できない。この現象は、一般に逆狭チャネル効果
と呼ばれ、トレンチ分離をデバイスに応用する上での大
きな障害となっている。
【0004】この現象の原因は、トレンチ分離上端部の
形状にあることが分かっている。以下、図4の模試図を
使ってこの内容を説明する。図4(a)は、ゲートポリ
サイド電極形成後のトレンチ分離の断面図であり、図中
点線部を拡大したものが図4(b)である。Si基板2
1上に形成された溝は、その側面および底面に形成され
た熱酸化膜27とCVD酸化膜31とによって埋設され
ており、その上にゲート酸化膜32、ゲートポリシリコ
ン33、タングステンシリサイド34からなるゲートポ
リサイド電極を有するMOSトランジスタが形成されて
いる。このゲート電極に電圧を印加すると、トレンチ分
離上端部の尖鋭部(図4(b)点線部)に電界が集中
し、実効的にトレンチ端部へ印加されるゲート電圧が見
掛け上高くなり、平坦部よりも早くチャネルが形成され
るようになる。すなわち、平坦部よりもしきい値Vtの
低いトランジスタが、トレンチ端部に形成されているこ
とになる。
【0005】このようなトランジスタにおいては、チャ
ネル幅Wが狭くなるにつれ、トレンチ端部のチャネル幅
が全体のチャネル幅に占める割合が大きくなり、最終的
にチャネル幅W<0.5μmではトレンチ端部のトラン
ジスタのみによってしきい値が決まるようになる。従っ
て、図3に示すようなしきい値Vtのチャネル幅Wへの
依存性が生じる。
【0006】上記課題は、既述のように、トレンチ上端
部の尖鋭部に電界が集中することに起因している。これ
を解決するために、以下の方法が提案されている。特開
昭63−2371号公報では、トレンチ上端部のシリコ
ン基板に曲率を持たせることによってこれを回避してい
る。以下、図5(a)〜(g)の工程断面図を参照し、
その構成と製造方法を説明する。
【0007】まず、Si基板21上にパッド酸化膜22
および窒化膜23を堆積し、フォトリソグラフィ技術、
およびエッチング技術によりこの積層構造をパターニン
グし、図5(a)に示す構造を得る。次に窒化膜23を
マスクにSi基板21をエッチングし、第1の溝24を
形成した後(図5(b))、1000℃ウェット雰囲気
中で熱酸化を施し、第1の溝24の側面および底面に熱
酸化膜30を形成する(図5(c))。この酸化により
トレンチ上端部は酸化され、曲率を持つようになる。次
に、酸化によって埋め切れなかった第1の溝24の一部
をCVD酸化膜31によって完全に埋設し(図5
(d))、アクティブ領域上に堆積された余剰なCVD
酸化膜231を異方性エッチングもしくは化学的機械的
研磨(CMP)によって除去し、図5(e)に示す構造
を得る。
【0008】その後、等方性エッチングによって窒化膜
23、パッド酸化膜22を除去する(図5(f))。最
後にSi基板21を酸化し(図示せず)、トランジスタ
のしきい値を調整するためのイオン注入を行った後、等
方性エッチングによってこれを除去し、ゲート酸化膜3
2、ゲートポリシリコン33、タングステンシリサイド
34を順次形成し、図5(g)に示す構造を得る。この
方法によれば、溝エッチング後の側面を高温で酸化する
ことによりトレンチ上端部の形状に曲率を持たせ、ゲー
ト電圧印加時の電界集中を防止し、ひいてはトランジス
タのしきい値の低下を抑えることができる。
【0009】また、同提案ではトレンチ上部に曲率を持
たせる方法として以下のような方法も挙げられている。
以下、図6(a)〜(h)の断面工程図を参照に係る方
法を説明する。
【0010】図6(a)は、Si基板21上にパッド酸
化膜22、窒化膜23を堆積し、フォトリソグラフィお
よびエッチング技術を用いて、この積層構造をパターニ
ングした後の状態を示す。次に、ウェットエッチング、
例えば混合比が、フッ酸:硝酸:氷酢酸=10:1:3
00の溶液を用いて、パッド酸化膜22およびSi基板
21をエッチングし、第1の溝24を形成する(図6
(b))。このエッチングにより、パッド酸化膜22が
後退すると共にSi基板21がなだらかにエッチングさ
れ、Si基板21の端部が曲率を持つようになる。その
後、窒化膜23をマスクに異方性エッチングによって第
2の溝29を形成し(図6(c))、熱酸化することに
より溝9の側面および底面に熱酸化膜27を形成し、図
6(d)に示す構造を得る。次いで、CVD酸化膜31
によって溝29を完全に埋設し(図6(e))、窒化膜
23上に堆積された余剰の熱酸化膜27を異方性エッチ
ングもしくはCMPによって除去し(図6(f))、さ
らに、窒化膜23およびパッド酸化膜22を等方性エッ
チングによって除去する(図6(g))。
【0011】最後に、熱酸化、しきい値調整イオン注
入、酸化膜ウェットエッチングを行い、ゲート電極を形
成することにより、図6(h)に示す構造を得る。この
方法によれば、ウェットエッチングと異方性エッチング
とを併用し、溝29に2段階の傾斜角(テーパ角)を設
けることにより、トレンチ上端部に曲率を持たせること
ができる。このため、チャネル幅の減少に伴うMOSト
ランジスタのしきい値の低下を抑制することができる。
【0012】また、2段階のテーパ角を有するトレンチ
分離の製造方法は、特開昭58−131747号公報の
「半導体装置の製造方法」により提案されている。以
下、図7(a)〜(i)を参照に、係る製造方法を説明
する。
【0013】まず、Si基板21上にパッド酸化膜22
および窒化膜23を堆積し、フォトリソグラフィ技術、
およびエッチング技術によりこの積層構造をパターニン
グし、図7(a)に示す構造を得る。次に窒化膜23を
マスクに露出したSi基板21をエッチングし、側面が
テーパを有する第1の溝24を形成する(図7
(b))。次に、CVD法によりウェハ全面に酸化膜を
堆積した後(図示せず)、窒化膜23が露出するまで異
方性エッチングする。このことによって、酸化膜サイド
ウォール35を、窒化膜23、パッド酸化膜22および
第1の溝24の側面に形成する(図7(c))。次い
で、窒化膜23および酸化膜サイドウォール35をマス
クに、異方性エッチングによって垂直な第2の溝29を
形成し(図7(d))、さらに等方性酸化膜エッチング
を行うことにより、酸化膜サイドウォール35を除去し
て、図7(e)に示す構造を得る。その後に、CVD法
により形成したCDV酸化膜31によってこの第2の溝
29を完全に埋設し(図7(f))、異方性エッチバッ
クもしくはCMPによる平坦化(図7(g))、等方性
エッチングによる窒化膜23、パッド酸化膜22の除去
(図7(h))、熱酸化、しきい値調整イオン注入、酸
化膜ウェットエッチング、ゲート電極の形成を経て、図
7(i)に示す構造を得る。
【0014】この方法によれば、テーパを有する第1の
溝24を形成した後、酸化膜サイドウォール35をエッ
チングマスクとして利用することにより、垂直な第2の
溝29を形成することが可能となり、これにより2段階
のテーパ角を有するトレンチ分離が実現できる。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の半導体装置は、半導体基板上
に形成された2段階のテーパ角を有する溝と、この溝の
側面および底面に形成された熱酸化膜と、溝の上端部に
熱酸化することにより形成された熱酸化膜サイドウォー
ルと、溝を埋設したCVD酸化膜と、ゲート酸化膜と、
このゲート酸化膜と熱酸化膜サイドウォールおよびCV
D酸化膜の上を覆ったゲートポリシリコンとを有し、
の上端部の熱酸化膜サイドウォールに覆われている熱酸
化膜の膜厚が、熱酸化膜サイドウォールに覆われていな
い熱酸化膜の膜厚と略同一であることを特徴としてい
る。
【0016】また、溝を埋設するためのCVD酸化膜3
1として、スパッタエッチングと堆積を同時に行うよう
なバイアスECRCVDを用いた場合には、従来法によ
るトレンチ分離形成法だとトレンチ上端部に形成されて
いる酸化膜が薄いため、Si基板にダメージが入り易
く、接合リーク特性が悪化し易いという問題も抱えてい
る。
【0017】さらに、トレンチ上端部に曲率を持たせる
ために、トレンチ側面を1000℃以上の高温で酸化し
た場合には、ウェハの反りやスリップ転位が発生し、微
細パターンのリソグラフィや接合リーク特性に悪影響を
及ぼすことが指摘されている。
【0018】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたものであり、微細パターン化を可能とする半導
体装置および半導体装置の製造方法を提供することを目
的とする。
【0019】より詳細には、本発明は、トレンチ分離上
端部の埋設酸化膜のエッチングレートを低下させ、基板
角部が露出するのを防いだ上、トレンチのテーパ角を2
段にすることにより、逆狭チャネル効果のない半導体装
置および半導体装置の製造方法を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の半導体装置は、半導体基板上
に形成された2段階のテーパ角を有する溝と、この溝の
側面および底面に形成された熱酸化膜と、溝を埋設した
熱酸化膜サイドウォールおよびCVD酸化膜と、ゲート
酸化膜と、このゲート酸化膜と熱酸化膜サイドウォール
およびCVD酸化膜の上をさらに覆ったゲートポリシリ
コンとを有し、トレンチ上端部が熱酸化膜サイドウォー
ルによってゲートポリシリコンから保護された構成とさ
れたことを特徴としている。
【0021】また、上記の2段階のテーパ角を溝に形成
することにより溝の角部への電荷の集中を回避し、半導
体装置は、ゲートポリシリコンをタングステンシリサイ
ドによりさらに覆って構成され、半導体基板はシリコン
基板とするとよい。
【0022】請求項5に記載の発明の半導体装置の製造
方法は、半導体基板の表面を酸化することによってパッ
ド酸化膜(2)を形成する工程と、このパッド酸化膜上
に、埋設酸化膜の平坦化時にストッパとして機能する膜
を堆積する工程と、フォトリソグラフィおよびドライエ
ッチングにより加工し開口を設ける工程と、テーパを有
する第1の溝(トレンチ)(4)を形成する工程と、第
1の溝(4)の側面および底面に熱酸化によって熱酸化
膜(5)を形成する工程と、LPCVD法によりウェハ
全面にポリシリコン(6)を堆積させる工程と、このポ
リシリコンを熱酸化することにより熱酸化膜を形成する
工程と、この熱酸化膜(7)を異方性エッチングにより
エッチバックし半導体基板(1)およびストッパ層を露
出させ、熱酸化により形成された熱酸化膜サイドウォー
ル(8)をトレンチ上端部に形成する工程とを有する。
【0023】さらに、ストッパ層および熱酸化膜サイド
ウォール(8)をマスクに第2の溝(9)を垂直に形成
する工程と、この第2の溝(9)の側面および底面を熱
酸化し熱酸化膜(10)を形成する工程と、第1の溝お
よび第2の溝をCVD酸化膜(11)で埋設する工程
と、ストッパ層が露出するまでストッパ層上に堆積した
CVD酸化膜(11)を除去する工程と、熱酸化膜サイ
ドウォール(8)もわずかにエッチングされるウェット
エッチング等の等方性エッチングにより、ストッパ層
(3)およびパッド酸化膜(2)を除去する工程と、熱
酸化により形成した犠牲酸化膜スルーでしきい値調整用
のイオン注入を行う工程とを有する、ことを特徴とす
る。
【0024】さらに、上記の半導体装置の製造方法は、
イオン注入後にゲート酸化膜(12)、ゲートポリシリ
コン(13)、タングステンシリサイド(14)を順次
堆積させる工程を有し、埋設酸化膜の平坦化時にストッ
パとして機能する膜を窒化膜(23)とし、CVD酸化
膜(11)の除去はCMPもしくはドライエッチングに
よるとよい。
【0025】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
よる半導体装置および半導体装置の製造方法の実施の形
態を詳細に説明する。図1および図2を参照すると本発
明の半導体装置および半導体装置の製造方法の実施形態
が示されている。
【0026】以下、本発明に係るトレンチ分離形成方法
の実施形態を図1(a)〜(k)の工程断面図に基づい
て説明する。
【0027】本実施形態では、半導体基板1としてシリ
コン基板1を用い、これに溝を形成し、CVD酸化膜に
より、これを埋設する構成とした。なお、本発明は、素
子間分離にトレンチ分離を用いる半導体装置ならば、い
かなる半導体装置であっても適用することができる。
【0028】まず、Si基板1上に第1の絶縁物層、好
ましくはパッド酸化膜2を形成する。パッド酸化膜2
は、この後の処理工程で生ずる応力の緩和を目的として
おり、5〜20nmの膜厚を有する。引き続いて、パッ
ド酸化膜2上に、第2の絶縁物層、好ましくは窒化膜3
を形成する。この窒化膜3は、埋設酸化膜平坦化時のス
トッパ層として機能し、膜厚はCMP等による平坦化の
際に、研磨あるいはエッチングが基板に到達しない範囲
で、できるだけ薄い方が良く、好ましくは100〜30
0nmの膜厚を有する。ここで、この窒化膜3上に、例
えば厚さ1μmのフォトレジストを塗布し(図示せ
ず)、フォトリソグラフィ技術によって素子分離パター
ンを形成し、これをマスクに、例えばCF4 ガスを用い
た異方性の反応性イオンエッチングによって窒化膜3、
パッド酸化膜2を順次エッチングして、シリコン基板1
を露出させる。これにより、種々の素子分離幅、アクテ
ィブ領域幅を有する所望の素子間分離パターンが形成さ
れる。素子分離幅、アクティブ領域幅は、素子の集積度
によって異なるが、0.1〜100μm程度である。次
に、このフォトレジストを剥離し、図1(a)に示す構
造を得る。
【0029】次に、窒化膜3をマスクに、例えばHBr
とO2 の混合ガスを用いてシリコン基板1を異方性エッ
チングし、テーパ角を有する第1の溝4を、例えば10
0nm形成する。さらに、この窒化膜3を耐酸化マスク
にシリコン基板1を、例えば900℃のドライ雰囲気中
で熱酸化し、この第1の溝4の側壁および底面に第3の
絶縁膜、好ましくは熱酸化膜5を形成する。この熱酸化
膜5は、この第1の溝4をエッチングした時のダメージ
を除去する層として機能し、この熱酸化膜5の膜厚は、
10〜50nmが適当である。なお、本実施形態では、
窒化膜3をマスクに第1の溝4のエッチングを行った
が、フォトレジストを剥離する前に溝4のエッチングを
行っても同様の効果が得られる(図1(b))。
【0030】次に、LPCVD法によりポリシリコン6
をウェハ全面に堆積させる。この時のポリシリコンの膜
厚は、デバイスにおける最小分離幅の1/4以下にする
ことが肝要であり、例えば10〜50nmが適当である
(図1(c))。
【0031】次に、熱酸化を施し、前工程において堆積
したポリシリコンを完全に酸化し、熱酸化膜7とする。
この際、ポリシリコンは酸素と反応することにより、2
倍の堆積に膨張するので、最小分離幅を有する溝がこの
熱酸化によって完全に埋設されてしまわないように、ポ
リシリコンの膜厚を選択する必要がある。従って、堆積
させるポリシリコンの膜厚は、前述したように最小分離
幅の1/4以下にしなければならない(図1(d))。
【0032】続いて、この熱酸化膜7を異方性エッチン
グによって、窒化膜3およびSi基板1が露出するまで
エッチングする。エッチングガスには、例えばCF4
2の混合ガスを用いる。これにより、窒化膜3、パッ
ド酸化膜2および第1の溝4の側面に、熱酸化膜により
構成された熱酸化膜サイドウォール8が形成される。こ
の熱酸化膜サイドウォール8を除去することなく、素子
分離形成終了まで残置せしめることが、本実施形態の特
徴であり、これによりトレンチ上端部の酸化膜の“えぐ
れ”すなわちディボットの生成を防止する。従って、ト
レンチ上端部の電界集中を防止し、逆狭チャネル効果を
抑制することが可能となる。この時、この熱酸化膜サイ
ドウォール8の開口径は、窒化膜3の開口径よりも0.
02〜0.1μm程度縮小された大きさになる(図1
(e))。
【0033】次に、窒化膜3および熱酸化膜サイドウォ
ール8をマスクに、深さ、例えば200nmの第2の溝
9をエッチングする。この際、エッチングガスとしてH
rのみを用い、垂直な溝を形成しても、あるいはHB
r とO2 の混合ガスを用いて第2のテーパ角を有する溝
を形成しても良い(図1(f))。
【0034】次いで、900℃、ドライ雰囲気中で熱酸
化を施し、第2の溝の底面および側面に熱酸化膜10を
形成する。この熱酸化膜10は、第2の溝9をエッチン
グした際の、エッチングダメージを除去する層として機
能する。また、熱酸化膜10は、溝9がこの酸化によっ
て完全に埋設されたりしない、あるいは、絶縁物をこの
溝9に埋設する際に穴(ボイド)が生じない程度の厚さ
にするのが好ましく、5〜50nmが適当である(図1
(g))。
【0035】次に、素子間分離絶縁膜としてCVD酸化
膜11を、例えば600nmウェハ全面に堆積して第1
の溝4および第2の溝9を過不足なく埋設する。ここで
用いるCVD酸化膜は、例えばLPCVD法、SACV
D、あるいはAPCVD法によって形成したNSG、B
PSG、BSG、PSGであっても良いし、バイアスE
CRCVD法等によって形成されたプラズマ酸化膜でも
同様の効果が得られる(図1(h))。
【0036】その後、窒化膜3の上面が露出するまで酸
化膜のCMP、もしくはCF4 をエッチングガスとした
異方性エッチングによるエッチバックを行い、埋設酸化
膜の平坦化を行う(図1(i))。
【0037】次に、等方性エッチングを用い、窒化膜3
およびパッド酸化膜2を完全に除去し、図1(j)に示
す構造を得る。等方性エッチングには、例えばウェット
エッチングを用い、窒化膜の除去にはホットリン酸を、
パッド酸化膜の除去にはバッファードフッ酸を用いる。
この時点で、トレンチ上端部に図1(e)において形成
した熱酸化膜サイドウォール8が残っている。このた
め、パッド酸化膜ウェットエッチングにおいて、トレン
チ上端部の酸化膜があまり後退しない(図1(j))。
【0038】その後、Si基板を熱酸化することにより
犠牲酸化膜を形成し(図示せず)、MOSトランジスタ
のしきい値調整のための各種イオン注入を行った後、等
方性エッチング、例えばバッファードフッ酸を用いてこ
の熱酸化膜を除去し、トレンチ分離の形成を終える。こ
こでも、トレンチ上端部に熱酸化膜サイドウォール8が
残置しているため、ウェットエッチングによって酸化膜
が大きく後退せず、トレンチ上端部のSi基板が表面に
露出しない。続いて、850℃、ドライ雰囲気中でゲー
ト酸化を行い、ゲート酸化膜12を形成した後、LPC
VD法によりゲートポリシリコン13を、スパッタ法に
よりタングステンシリサイド14を順次堆積させ、図1
(k)に示した構造を得る。
【0039】図2に図1(k)の点線部を拡大したトレ
ンチ分離上端部断面図を示す。この方法によれば、熱酸
化膜サイドウォール8がトレンチ分離の形成が終了する
までトレンチ分離上端部に残置する結果、窒化膜3除去
後に入る酸化膜ウェットエッチングを経てもその後退量
が最小限に抑えられ、トレンチ上端部が露出することを
防止できる。このため、ゲート電極に電圧を印加した時
の電界集中を抑制することが可能となり、ひいてはMO
Sトランジスタの逆狭チャネル効果の抑制が実現でき
る。
【0040】また、この方法では、熱酸化膜サイドウォ
ール8を利用して溝のエッチングを2段階に行ってい
る。このため、トレンチ上端部にテーパ角をつけてトレ
ンチ上端部の形状に曲率を持たせることが可能となり、
さらなる電界集中の緩和を図ることができる。また、本
発明によれば、溝をCVD酸化膜11で完全に埋設する
際に、Si基板1が厚い熱酸化膜サイドウォール8によ
って保護されている。このため、埋設材にECRCVD
酸化膜を用いた場合に基板にダメージが入り難く、従っ
て、接合リークの劣化が防止できる。さらに、本実施形
態ではトレンチ上端部が熱酸化膜によって保護されてい
る上に、トレンチにテーパがついているため、高温酸化
を用いたトレンチ上端部の丸め処理が不要になる。従っ
て、ウェハの反りに起因したリソグラフィにおけるデフ
ォーカスや、目合わせ精度の劣化、スリップ転位の発生
に起因した接合リーク特性の劣化が防止できる。
【0041】上記の実施形態は、素子分離にトレンチ分
離を用いたトランジスタにおける逆狭チャネル効果を抑
制すべくなされたものである。この目的において、トレ
ンチ上端部の形状を改善するため、ポリシリコンの熱酸
化を利用して形成した熱酸化膜からなるサイドウォール
をトレンチ上端部に形成し、この熱酸化膜サイドウォー
ルを除去することなく、トレンチ分離形成終了まで残置
している。つまり、2段階のテーパ角を有するトレンチ
の上端部に、熱酸化によって形成した熱酸化膜をトレン
チ分離形成終了まで残置させている。
【0042】また、このトレンチ上端部の熱酸化膜を、
ポリシリコンサイドウォールの熱酸化によって形成して
いる。つまり、半導体基板上に2段階のテーパ角を有す
る溝が形成されており、その側面および底面には熱酸化
膜10が形成されている。溝は熱酸化膜サイドウォール
8およびCVD酸化膜11によって完全に埋設されてお
り、その上をゲート酸化膜12、ゲートポリシリコンが
覆っている構成となっている。ここで、トレンチ上端部
(図2の図中点線部)は熱酸化膜サイドウォール8によ
ってゲートポリシリコン13から保護されており、ゲー
ト電極からの電界が集中しないようにしている。
【0043】尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施
の一例である。但し、これに限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施
が可能である。
【0044】
【発明の効果】以上の説明より明かなように、本発明の
半導体装置および半導体装置の製造方法によれば、熱酸
化によって形成した熱酸化膜をトレンチ分離形成終了ま
で残置させる。故に、酸化膜ウェットエッチングによる
トレンチ上端部の酸化膜の後退量を最小限に抑えること
ができる。さらに、トレンチのテーパ角を2段階に設け
ることが可能になる。このため、トレンチ上端部に曲率
を持たせることができる。この結果、曲率を持ったトレ
ンチ上端部が露出することがない。従って、ゲート電極
に電圧を印加した時の電界集中を抑制することができ、
ひいてはMOSトランジスタの逆狭チャネル効果を抑制
することが可能となる。
【0045】また、本発明によれば、溝をCVD酸化膜
で完全に埋設する際に、Si基板が厚い熱酸化膜サイド
ウォールによって保護されている。このため、埋設材に
ECRCVD酸化膜を用いた場合に基板にダメージが入
り難く、従って、接合リークの劣化が防止できる。ま
た、本実施形態では、トレンチ上端部が熱酸化膜によっ
て保護されている上に、トレンチにテーパがついてい
る。このため、高温酸化を用いたトレンチ上端部の丸め
処理が不要になる。従って、ウェハの反りに起因したリ
ソグラフィにおけるデフォーカスや目合わせ精度の劣
化、スリップ転位の発生に起因した接合リーク特性の劣
化が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の実施形態を示
す工程図である。
【図2】本発明の半導体装置の実施形態を示す断面構成
図である。
【図3】従来の、素子分離にトレンチ分離を用いたNM
OSトランジスタのしきい値Vtとチャネル幅Wの関係
を示した特性図である。
【図4】従来の半導体装置を説明するための図であり、
(a)はゲートポリサイド電極形成後のトレンチ分離の
断面図であり、図中の点線部を拡大したものが(b)で
ある。
【図5】従来の半導体装置の製造方法1を示す工程図で
ある。
【図6】従来の半導体装置の製造方法2を示す工程図で
ある。
【図7】従来の半導体装置の製造方法3を示す工程図で
ある。
【図8】従来の半導体装置を示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 半導体基板(シリコン基板) 2 第1の絶縁物層(パッド酸化膜) 3 第2の絶縁物層(窒化膜) 4 第1の溝 5 第3の絶縁膜(熱酸化膜) 6 ポリシリコン 7 熱酸化膜 8 熱酸化膜サイドウォール 9 第2の溝 10 熱酸化膜 11 CVD酸化膜 12 ゲート酸化膜 13 ゲートポリシリコン 14 タングステンシリサイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/3205 H01L 21/76 L 21/76 21/88 B

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された2段階のテー
    パ角を有する溝(トレンチ)と、 該溝の側面および底面に形成された熱酸化膜と、前記溝の上端部に熱酸化することにより形成された熱酸
    化膜サイドウォールと、 前記溝を埋設したCVD酸化膜と、 ゲート酸化膜と、該ゲート酸化膜と前記熱酸化膜サイド
    ウォールおよびCVD酸化膜の上を覆ったゲートポリシ
    リコンとを有し、前記溝の上端部の前記熱酸化膜サイドウォールに覆われ
    ている前記熱酸化膜の膜厚が、前記熱酸化膜サイドウォ
    ールに覆われていない前記熱酸化膜の膜厚と略同一であ
    ることを 特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記2段階のテーパ角を前記溝に形成す
    ることにより、前記溝の角部への電荷の集中を回避した
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体装置は、前記ゲートポリシリ
    コンをシリサイドまたは金属により、さらに覆って構成
    されたことを特徴とする請求項1または2に記載の半導
    体装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板は、シリコン基板である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載
    の半導体装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板の表面を酸化することによっ
    てパッド酸化膜を形成する工程と、 該パッド酸化膜上に、埋設酸化膜の平坦化時にストッパ
    として機能する膜を堆積する工程と、 フォトリソグラフィおよびドライエッチングにより加工
    し開口を設ける工程と、 テーパを有する第1の溝(トレンチ)を形成する工程
    と、 前記第1の溝の側面および底面に熱酸化によって熱酸化
    膜を形成する工程と、 LPCVD法によりウェハ全面にポリシリコンを堆積さ
    せる工程と、 該ポリシリコンを熱酸化することにより熱酸化膜を形成
    する工程と、 該熱酸化膜を異方性エッチングによりエッチバックし前
    記半導体基板および前記ストッパ層を露出させ、前記熱
    酸化により形成された酸化膜サイドウォールを前記トレ
    ンチ上端部に形成する工程と、 前記ストッパ層および熱酸化膜サイドウォールをマスク
    に第2の溝を垂直に形成する工程と、 該第2の溝の側面および底面を熱酸化し熱酸化膜を形成
    する工程と、 前記第1の溝および第2の溝をCVD酸化膜で埋設する
    工程と、 前記ストッパ層が露出するまで前記ストッパ層上に堆積
    したCVD酸化膜を除去する工程と、 熱酸化膜サイドウォールもわずかにエッチングされるウ
    ェットエッチング等の等方性エッチングにより、前記ス
    トッパ層およびパッド酸化膜を除去する工程と、 前記熱酸化により形成した犠牲酸化膜スルーでしきい値
    調整用のイオン注入を行う工程とを有することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体装置の製造方法は、さらに、
    前記イオン注入後にゲート酸化膜、ゲートポリシリコ
    ン、シリサイドまたは金属を順次堆積させる工程を有す
    ることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記埋設酸化膜の平坦化時にストッパと
    して機能する膜は、窒化膜であることを特徴とする請求
    項5または6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記CVD酸化膜の除去は、CMPもし
    くはドライエッチングによることを特徴とする請求項5
    から7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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