JP3127828U - 58面体ブリリアントカット宝石 - Google Patents

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Abstract

【課題】テーブルファセット面から見ることができる、特徴のあるモチーフを持った58面体ブリリアントカット宝石を提供する。
【解決手段】ガードルと、ガードル上部に設けられているとともに、その頂部に八辺形をしたテーブルファセットを持ったクラウンと、ガードル下部に設けられたパビリオンとを有し、前記パビリオンは、テーブルファセット中心に垂直に立てた中心軸の下端に下頂点を有し、その下頂点とガードルとの間の周囲に8個のパビリオンファセットと16個のロワーガードルファセットとを持つ58面体ブリリアントカット宝石において、8個のパビリオンファセットに、キュレットを起点とする所定のモチーフのカットを形成し、当該モチーフがテーブルファセット内に一括して見えるようにしたことを特徴とする58面体ブリリアントカット宝石。
【選択図】図3

Description

この考案はダイヤモンドあるいは人造石等からなる宝石のカット、特に58面体ブリリアントカット宝石で新規な反射光パターンを有するものに関するものである。
ダイヤモンドあるいは人造石等からなる宝石のカットとして一般に広く使われているものはラウンドブリリアントカットである。
このブリリアントカットは、図4ないし図6に示すように、ガードル101と、ガードル101上部に設けられているとともに、その頂部に八辺形をしたテーブルファセット103を持ったクラウン102と、ガードル101下部に設けられたパビリオン104とを有し、
前記パビリオン104は、テーブルファセット103中心に垂直に立てた中心軸の下端に下頂点を有し、その下頂点をなすキュレット105とガードル101との間の周囲に8個のパビリオンファセット106と16個のロワーガードルファセット107とを持っている。
他方クラウン102では、八辺形をしたテーブルファセット103から順次、スターファセット108、ベゼルファセット109、アッパーガードルファセット110の順でカットされ、アッパーガードルファセット110はガードル101に接している。
このようなブリリアントカットダイヤモンドにおける近年の傾向として、特定の角度のカットをダイヤモンドのパビリオン部分に施すことにより、テーブルファセット面からハートアンドアロー現象を起すようにしたものが特開2003−111606公報(特許文献1参照)や登録実用新案第3085266号公報(特許文献2参照)等において提案されている。
また、特開2005−95280公報(特許文献3参照)には、ハート形が正しく出ていることをダイヤモンド加工の対称性の良さの尺度とするため、パビリオンを下から見たときにロワーガードルファセットに少なくとも4個のハート状反射光パターンが現れるオーバルカットしたダイヤモンドが提案されている。
特開2003−111606公報 登録実用新案第3085266号公報 特開2005−95280公報
しかしながら、特定の角度のカットをダイヤモンドのパビリオン部分に施すことにより、テーブルファセット面からハートアンドアロー現象を起すようにした特許文献1および特許文献2のダイヤモンドにおいては、特定の角度のカットを非常に厳密に加工する必要があって、テーブルファセット面から所望のハートアンドアロー現象を生起させることが非常に難しい。
また、ハート形が正しく出ていることをダイヤモンド加工の対称性の良さの尺度とするため、パビリオンを下から見たときにロワーガードルファセットに少なくとも4個のハート状反射光パターンが現れるオーバルカットの特許文献3の提案においては、テーブルファセット面から所望のハート形を見えるようにしたものではなく、本願考案とは異なる構成および作用効果の考案である。
すなわち、この考案の目的とするところは、テーブルファセット面から見ることができる、特徴のあるモチーフを持ったブリリアントカットダイヤモンドを提供しようとするものである。より詳しくは、8個のパビリオンファセットに、キュレットを起点とする所定のモチーフのカットを形成することにより、テーブルファセット面から見ることができる、特徴のあるモチーフを持った58面体ブリリアントカット宝石を提供するものである。
したがってこの考案の58面体ブリリアントカット宝石は、ガードルと、ガードル上部に設けられているとともに、その頂部に八辺形をしたテーブルファセットを持ったクラウンと、ガードル下部に設けられたパビリオンとを有し、
前記パビリオンは、テーブルファセット中心に垂直に立てた中心軸の下端に下頂点を有し、その下頂点とガードルとの間の周囲に8個のパビリオンファセットと16個のロワーガードルファセットとを持つ58面体ブリリアントカット宝石において、
8個のパビリオンファセットに、キュレットを起点とする所定のモチーフのカットを形成し、当該モチーフがテーブルファセット内に一括して見えるようにしたことを特徴とするものである。
この考案の58面体ブリリアントカット宝石は、上記8個のパビリオンファセットに形成されたキュレットを起点とする所定のモチーフのカットが、隣接するパビリオンファセットに形成した部分モチーフのカットを合体させることにより、単一のモチーフのカットとなるよう構成したことをも特徴とするものである。
この考案の58面体ブリリアントカット宝石によれば、テーブルファセット面から見ることができる、特徴のあるモチーフを持った58面体ブリリアントカット宝石を提供することが可能となった。
以下、この考案の58面体ブリリアントカット宝石をその実施の形態を示す図面に基づいて詳しく説明をする。
図1はこの考案の1実施例による58面体ブリリアントカット宝石の正面図、図2はその平面図、図3はその底面図をそれぞれ示している。
これらの図で、58面体ブリリアントカット宝石11は円形のガードル12と、そのガードル12の上部にクラウン13と、ガードル13の下部にパビリオン14を持つ。クラウン13はその頂部に八辺形をしたテーブルファセット15を持っている。図2はクラウン13を上部から見た図、図3はパビリオン14を底部から見た図となっている。
パビリオン14はテーブルファセット15の中心に垂直に立てた中心軸20の下端に下頂点,すなわちキュレット16を持つ。パビリオン14は下頂点をなすキュレット16とガードル12との間が円錐形となっており、その外周に8個のパビリオンファセット17と16個のロワーガードルファセット18とを持つ。
パビリオンファセット17は、下頂点をなすキュレット16とガードル12の外面との間で四辺形をなしている。そして、各パビリオンファセット17は隣り合っているパビリオンファセット17との間に下頂点をなすキュレット16を一端とする辺19を共有している。
ロワーガードルファセット18は、パビリオン14をなす円錐形外周面上で、パビリオンファセット17とガードル13の外面との間に形成されている。
この考案ではクラウン13にあるクラウンメインファセット、スターファセット、アッパーガードルファセットなどクラウンファセットの形状はそれほど重要ではない。しかし、クラウン13はテーブルファセット15の他に、8個の四辺形をしたクラウンメインファセット22と、8個の三角形をしたスターファセット21と、16個のアッパーガードルファセット23とを持つことができる。
この考案においては、各パビリオンファセット17に、下頂点をなすキュレット16を起点とする所定のモチーフのカットを形成し、当該モチーフがテーブルファセット15内に一括して見えるようにしたことを特徴としている。
このように、所定のモチーフのカットがテーブルファセット15内に一括して見えるようにするには、当該モチーフの形成する範囲を、各パビリオンファセット17間に共有している、下頂点をなすキュレット16を一端とする辺19の他端を基準とし、ほぼ辺19の他端を限度としておくことが望ましい。
この実施例においては、上記モチーフとしてハート形モチーフ31が研磨(カット)あるいはレーザー彫刻等によって表わされている。特に、個々のパビリオンファセット17にはハート形モチーフ31の半片31−1,31−2がそれぞれ刻され、辺19を挟んで半片31−1,31−2が合体することにより、ハート形モチーフ31が形成されている。
この考案に係る58面体ブリリアントカット宝石は、ラウンドブリリアントカットダイヤモンドについて説明したが、各パビリオンファセット間に共有している、下頂点をなすキュレットを一端とする辺の他端を基準として所定のモチーフのカットを形成する本考案の趣旨を逸脱しない限り、ラウンドブリリアントカットダイヤモンドに限定されるものではない。
また、天然のダイヤモンドのみならず、キュービックジルコニアと称する人造ダイヤモンド等、あるいはそれ以外の人造宝石にも適用することができる。
この考案の1実施例によるブリリアントカットダイヤモンドの正面図である。 その平面図である。 その底面図である。 従来のブリリアントカットダイヤモンドの例を示す正面図である。 その平面図である。 その底面図である。
符号の説明
11 ブリリアントカットダイヤモンド
12 ガードル
13 クラウン
14 パビリオン
15 テーブルファセット
16 キュレット
17 パビリオンファセット
18 ロワーガードルファセット
19 辺
20 中心軸
21 スターファセット
22 クラウンメインファセット
23 アッパーガードルファセット
31 ハート形モチーフ
31−1,31−2 半片

Claims (2)

  1. ガードルと、ガードル上部に設けられているとともに、その頂部に八辺形をしたテーブルファセットを持ったクラウンと、ガードル下部に設けられたパビリオンとを有し、
    前記パビリオンは、テーブルファセット中心に垂直に立てた中心軸の下端に下頂点を有し、その下頂点とガードルとの間の周囲に8個のパビリオンファセットと16個のロワーガードルファセットとを持つ58面体ブリリアントカット宝石において、
    8個のパビリオンファセットに、キュレットを起点とする所定のモチーフのカットを形成し、当該モチーフがテーブルファセット内に一括して見えるようにしたことを特徴とする58面体ブリリアントカット宝石。
  2. 8個のパビリオンファセットに形成されたキュレットを起点とする所定のモチーフのカットが、隣接するパビリオンファセットに形成した部分モチーフのカットを合体させることにより、単一のモチーフのカットとなるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の58面体ブリリアントカット宝石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525923A (ja) * 2007-05-04 2010-07-29 ワールドワイド・ダイアモンド・トレードマークス・リミテッド ハートアンドアローパターンを有するハートシェープダイヤモンドカット
JP2010201043A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Rosy Blue:Kk ダイアモンド及びその模造宝石
JP2018158102A (ja) * 2017-03-21 2018-10-11 オメガ・エス アー 宝石及びその製造方法

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