JP3127362B2 - ステアリングロック装置 - Google Patents

ステアリングロック装置

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JP3127362B2
JP3127362B2 JP7747297A JP7747297A JP3127362B2 JP 3127362 B2 JP3127362 B2 JP 3127362B2 JP 7747297 A JP7747297 A JP 7747297A JP 7747297 A JP7747297 A JP 7747297A JP 3127362 B2 JP3127362 B2 JP 3127362B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングコラ
ムパイプの嵌合孔に嵌合するガイド突部を有するハウジ
ングがステアリングコラムパイプに取付けられ、ステア
リング軸の係合凹部に係合可能として横断面正四角形状
に形成されるロックピンを有するロック機構が、ロック
ピンの係合凹部への係合および係合解除をロータの回動
に応じて切換可能に構成されるステアリングロック装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるステアリングロック装置
は、たとえば実公平3−27891号公報等により既に
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロック機構
のロックピンには、該ロックピンが係合凹部に係合して
いる状態でステアリング軸の回動トルクにより曲げ荷重
が作用するものである。そこで、上記従来のものでは、
ロックピンの横断面形状においてステアリング軸の軸線
方向に沿う第1辺の長さをH、第1辺に直交する第2辺
の長さをBとしたときに、{Z=(1/6)・H・
2 }として表わされるロックピンの断面係数Zを大き
くしてロックピンの曲げ強度を増大せしめるように、前
記長さBを比較的大きく設定しており、たとえば1≧B
/H≧0.5となるように長さB,Hが設定されてい
る。
【0004】ところが、ロックピンの曲げ強度を過大に
設定すると、ガイド突部と、該ガイド突部を嵌合せしめ
るべくステアリングコラムパイプに設けられた嵌合孔と
の接触部の強度が前記曲げ強度に比べて相対的に低くな
り、ロックピンの変形よりも前にガイド突部および嵌合
孔の嵌合接触部で変形が生じてしまうことになり、ロッ
ク機構の強度限界を改善するためには、ロックピンの曲
げ強度と、ガイド突部および嵌合孔の嵌合接触部の強度
とをバランスさせることが必要である。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ロックピンの曲げ強度と、ガイド突部および
嵌合孔の嵌合接触部の強度とをバランスさせて、ロック
機構の強度限界向上を可能としたステアリングロック装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、外側面に係合凹部が設けられるステアリ
ング軸と、該ステアリング軸の軸線方向に沿って前記係
合凹部に対応する位置に嵌合孔を有してステアリング軸
を囲繞するステアリングコラムパイプと、前記嵌合孔に
嵌合されるガイド突部を有してステアリングコラムパイ
プに取付けられるハウジングと、該ハウジングに挿入、
固定されるシリンダ体と、差し込まれたキーによる回動
操作を可能として前記シリンダ体に挿入されるロータ
と、前記ガイド突部の先端に開口してハウジングに設け
られる摺動孔に前記係合凹部への係合を可能として摺動
自在に嵌合されるロックピンを有するとともに該ロック
ピンの前記係合凹部への係合および係合解除を前記ロー
タの回動に応じて切換可能に構成されるロック機構とを
備え、前記ロックピンは、ステアリング軸の軸線方向に
沿う第1辺と、第1辺に直交する第2辺とから成る正四
角形状の横断面形状を有するように形成されるステアリ
ングロック装置において、ロックピンの第1辺の長さを
Hmm、ロックピンの第2辺の長さをBmm、ステアリ
ング軸の直径をDmmとしたときに、 H≧16 6≧B≧{13050/(D・H)}1/2 を満足する前記長さB,Hを有して、前記ロックピンが
プレス成形されることを特徴とする。
【0007】このような構成によれば、Hの増大に応じ
てガイド突部および嵌合孔の嵌合接触部の応力は減少す
るのであるが、H≧16を満足することにより、前記応
力をほぼ下限レベルに収束することが可能であり、6≧
Bを満足することにより、ロックピンのプレス成形を可
能とし、さらにB≧{13050/(D・H)}1/2
満足することにより、必要十分な曲げ強度をロックピン
に具備させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】図1ないし図9は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1はステアリングロック装置の縦断側面
図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3
−3線断面図、図4は図2の4−4線拡大断面図、図5
は応力および寸法の関係を説明するための図3に対応し
た簡略図、図6はステアリング軸の軸線方向に沿うロッ
クピンの寸法に応じた応力比を示す図、図7はステアリ
ング軸の軸線に直角な平面内でのロックピンの中心から
嵌合孔の側面までの距離に応じたガイド突部の応力比を
示す図、図8はステアリング軸の軸線に直角な平面内で
のロックピンの中心から嵌合孔の側面までの距離をステ
アリングコラムパイプの直径に応じて定めた線図、図9
は図3の9−9線に沿う方向から見た図である。
【0010】先ず図1において、このステアリングロッ
ク装置は、ハウジング11と、該ハウジング11に挿
入、固定されるシリンダ体12と、差し込まれたキー1
3による回動操作を可能としてシリンダ体12に挿入さ
れるロータ14と、該ロータ14に相対回動不能に係合
されるとともにロータ14の後方側に同軸に配置されて
ハウジング11に回動自在に支承されるジョイント15
と、ステアリング軸17(図2および図3参照)の回動
を阻止するロック状態ならびにステアリング軸17の回
動を可能としたロック解除状態を前記ロータ14および
ジョイント15の回動に応じて切換可能なロック機構1
6とを備える。
【0011】図2および図3を併せて参照して、ステア
リング軸17は固定のステアリングコラムパイプ18で
同軸に囲繞されており、該ステアリングコラムパイプ1
8の外周に接触する横断面円弧状の取付け面19が、ハ
ウジング11と一体の取付け部11aに設けられる。ま
た取付け面19とは反対側でステアリングコラムパイプ
18の外周に接触する横断面円弧状の取付け面20を有
するコラムホルダ21が、一対のボルト22,22によ
り前記取付け部11aに締着される。すなわちハウジン
グ11は、ステアリングコラムパイプ18に取付けられ
る。
【0012】再び図1において、シリンダ体12は、ハ
ウジング11に設けられている収納孔23の前半部に挿
入されるものであり、このシリンダ体12の外周に装着
された弾発係合部材24が、収納孔23の内面に設けら
れる係合溝25に弾発係合することによりシリンダ体1
2の収納孔23内での軸方向移動が阻止される。
【0013】ロータ14は、前端を開放したキー孔26
を有して横断面円形の棒状に形成されており、回動自在
かつ軸線方向に沿う制限された範囲での移動を可能とし
て、シリンダ体12のシリンダ孔27に挿入される。し
かもシリンダ孔27の内面の周方向に間隔をあけた複数
箇所にはシリンダ孔27の軸線方向に沿って延びる溝2
8…が設けられており、それらの溝28…に係合する方
向に弾発付勢される複数のタンブラ29…がロータ14
に装着される。而して各タンブラ29…は、キー孔26
にキー13が挿入されていないときには溝28…に係合
してロータ14の回動を阻止するが、キー孔26へのキ
ー13の挿入に応じて溝28…から離間してロータ14
の回動を許容する位置に摺動する。
【0014】ロータ14の前端部には、ロータ14への
キー13の差し込みならびに該ロータ14からのキー1
3の抜き出しに応じてロータ14の一直径線に沿う方向
に摺動することを可能としてキースライダ30が装着さ
れる。このキースライダ30の一端には、支軸31を介
してハウジング11に支承される作動レバー32の前端
が当接されており、該作動レバー32およびハウジング
11間には、作動レバー32の前端で前記キースライダ
30を押圧する方向のばね力を発揮するばね33が設け
られる。而してキー13がキー孔26から抜かれてロー
タ14がLOCK位置となったときに、キースライダ3
0は、その他端をロータ14の外側面から突出させる位
置まで押されており、キー孔26およびキースライダ3
0にキー13が差込まれたときには、図1で示すよう
に、作動レバー32から作用する弾発力に抗してキース
ライダ30の両端面をロータ14の外側面に面一に合わ
せる位置までキースライダ30が移動することになり、
この状態でロータ14が回動すると作動レバー32の一
端はロータ14の外側面に摺接することになる。また作
動レバー32の作動に伴って検出作動するキー検出スイ
ッチ35が、キー13のロータ14への差し込みを検出
すべくハウジング11に付設される。
【0015】ロータ14の後方側でハウジング11に
は、ジョイント15がその軸線方向に沿う移動を不能と
するとともに軸線まわりの回動を可能として支承されて
おり、該ジョイント15の前端部はロータ14の後端部
に相対回動不能に係合される。すなわちジョイント15
はロータ14とともに回動することになる。しかもジョ
イント15およびロータ14間にはばね36が設けられ
ており、該ばね36のばね力によりロータ14は前方側
に向けて付勢されている。
【0016】ハウジング11の後端にはイグニッション
スイッチ37が取付けられており、ジョイント15の後
端部が該イグニッションスイッチ37に連結される。
【0017】ロック機構16は、ステアリング軸17の
外周に設けられた係合凹部38に係合して該ステアリン
グ軸17の回動を阻止するロック状態と、係合凹部38
との係合を解除してステアリング軸17の回動を可能と
するロック解除状態とを切換可能なものであり、前記係
合凹部38との係合および係合解除を切換える方向への
摺動を可能としてハウジング11に支承されるロックピ
ン39と、該ロックピン39に係合、連結されてハウジ
ング11に摺動自在に支承されるスライダ40とを備え
る。
【0018】ハウジング11の取付け部11aには、ス
テアリング軸17の軸線方向に沿って前記係合凹部38
に対応した位置で取付け面19から突出するガイド突部
11bが一体に突設されており、該ガイド突部11b
は、ステアリングコラムパイプ18に設けられている嵌
合孔41に嵌合される。しかも該ガイド突部11bの先
端面は、ステアリングコラムパイプ18の内面に面一に
連なるように横断面円弧状に形成される。このガイド突
部11bは、ロック機構16がロック状態に在るときに
ステアリング軸17が過大な力で回されて不正に解錠さ
れることがないようにロック状態でのロックピン39の
曲げ強度を効果的に確保するためのものである。
【0019】ハウジング11には、ガイド突部11bの
先端に一端を開口させる第1摺動孔42と、第1摺動孔
42よりも拡大して第1摺動孔42の他端に連なる第2
摺動孔43とが、第1および第2摺動孔42,43間に
段部44を形成するようにして設けられており、第2摺
動孔43の他端を閉塞するようにしてハウジング11に
装着されたキャップ45とスライダ40との間に、ロッ
クピン39を係合凹部38に係合させる方向のばね力を
発揮するばね46が設けられる。
【0020】ロックピン39は、ステアリング軸17の
軸線に沿う第1辺と、第1辺に直交する第2辺とを有す
る正四角形の横断面形状を有するものであり、ステアリ
ング軸17の係合凹部38への係合を可能として第1摺
動孔42に摺動可能に嵌合される。またスライダ40
は、ロックピン39に係合、連結されて第2摺動孔43
に摺動可能に嵌合されるものであり、このスライダ40
には、ジョイント15を貫通せしめる貫通孔47が設け
られ、ジョイント15に設けられたカム48に当接可能
な当接面49が貫通孔47の内側面に形成される。
【0021】上記ロックピン39は、たとえばJIS
S45C等の機械構造用炭素鋼から成る素材のプレス成
形により平板状に形成されるものであり、該ロックピン
39のロックウェル硬さは、たとえばプレス成形処理後
に焼入処理を施すこと等により、たとえば40(HR
C)以上となるように設定される。一方、ハウジング1
1は、たとえば亜鉛合金ダイカストまたはマグネシウム
合金ダイカストから成るものであり、ステアリングコラ
ムパイプ18は、たとえば鉄製パイプから成るものであ
る。
【0022】このようなロック機構16では、ロータ1
4がLOCK位置以外の位置、すなわちACC位置、O
N位置およびSTART位置にあるときには、ロックピ
ン39を係合凹部38から離脱させてステアリング軸1
7の回動を許容する状態に在るのに対し、ロータ14が
LOCK位置に在るときには、ばね46のばね力でロッ
クピン39を係合凹部38に係合させるように移動せし
めるようにカム48が回動することになる。一方、ロー
タ14のキー孔26へのキー13の差し込みに応じたキ
ースライダ30の移動により、作動レバー32は、その
後端をロックピン39に近接させる方向に回動せしめら
れるのであるが、スライダ40の外側面には、ロータ1
4がLOCK位置以外の位置となるのに応じてロック機
構16がロック解除状態となったときに作動レバー32
の後端を係合せしめてロック機構16のロック解除状態
を保持するための規制凹部50が設けられる。すなわち
ロータ14がLOCK位置にあってもキー孔26からキ
ー13を抜き出すことにより、作動レバー32がその後
端を規制凹部50から離脱させる方向に回動しない限
り、ロック機構16がロック状態となることはない。
【0023】ところで、ロックピン39がプレス成形さ
れることにより、そのプレス成形完了後には、ロックピ
ン39の外周縁部にばり51が生じることは避けられな
い。しかるに、ばり51の除去作業を行なうことは作業
工数の増大につながるので避けることが望ましく、ばり
51を有したままのロックピン39をハウジング11で
摺動可能に支持するために、図4で示すように、第1摺
動孔42の4つの隅角部には、外側方に膨らんだ略円形
の横断面形状を有する逃げ部53,53…がそれぞれ形
成される。これにより、ばり51を上記4つの逃げ部5
3,53…のうちの2つに配置させるようにして第1摺
動孔42でロックピン39aを摺動自在に案内すること
ができる。
【0024】このようにロックピン39が平板状にプレ
ス成形されて成るものであることにより、切削加工によ
ってロックピン39を成形するのに比べてロックピン3
9を極めて容易に形成することが可能となる。
【0025】ロックピン39は、係合凹部38への係合
状態でステアリング軸17から作用する曲げ荷重に耐え
る曲げ強度を有することが必要であるが、ロックピン3
9の曲げ強度を過大に設定したときには、ハウジング1
1に設けられたガイド突部11bと、該ガイド突部11
bを嵌合せしめるべくステアリングコラムパイプ18に
設けられた嵌合孔41との接触部の強度が前記曲げ強度
に比べて相対的に低くなり、ロックピン39の変形より
も前にガイド突部11bおよび嵌合孔41の嵌合接触部
で変形が生じてしまうことになる。
【0026】そこで、前記ロックピン39の曲げ強度
と、ガイド突部11bおよび嵌合孔41の嵌合接触部の
強度とをバランスさせることで、ロック機構16の破壊
強度の向上を図ることが可能であり、そのような強度バ
ランスを図るためにロックピン39の断面寸法を設定す
るための手法について次に説明する。
【0027】図5において、ロックピン39の横断面形
状でステアリング軸17の軸線方向に沿う第1辺の長さ
をH、前記横断面形状において第1辺と直交する第2辺
の長さすなわちロックピン39の厚さをB、ステアリン
グ軸17の直径をD、ステアリング軸17のトルクを
T、第1摺動孔42の開口端から係合凹部38の端縁お
よびロックピン39の接触点P1 までの長さをLL 、ロ
ックピン39の長手方向に沿う前記接触点P1 からステ
アリング軸17の中心までの長さをLS 、前記接触点P
1 でのロックピン39からステアリング軸17への荷重
反力をR1 と定めておく。
【0028】ここで、ハウジング11のガイド突部11
bと、ステアリングコラムパイプ18の嵌合孔41との
接触部の応力を、ロックピン39の前記長さHをパラメ
ータとして有限要素法で算出したところ、図6で示すよ
うな結果を得ることができた。この図6で明らかなよう
に、前記長さHの増大に応じて前記応力は減少するので
あるが、H=16mmで前記応力はほぼ下限レベルに収
束することになる。この結果、H≧16mmであれば、
前記ガイド突部11bおよび嵌合孔41の接触部の応力
をほぼ下限レベルに抑えることができ、H≧16mmで
あることが必要である。
【0029】一方、ロックピン39に作用する曲げ応力
σは次の第(1) 式で表すことができる。
【0030】σ=M/Z……(1) ここで、Mは曲げモーメント、Zはロックピン39の断
面係数であり、 M=R1 ・LL ……(2) Z=(H・B2 )/6……(3) である。一方、ステアリング軸17におけるトルクの釣
合いから、 T=LS ・R1 ……(4) であり、第(2),(4) 式から、 M=(LL /LS )・T……(5) である。そこで、第(3),(5) 式を第(1) 式に代入する
と、次の第(6) 式を得ることができる。
【0031】 σ=6・(LL /LS )・T/(H・B2 )……(6) ところで、ステアリング軸17の直径Dが29mmのと
き、B=5mm、H=18mmであれば、ロックピン3
9で必要十分な曲げ強度を得ることができることを、本
発明者が実験により確かめており、このときの任意の負
荷トルクに対するロックピン39の曲げ応力σO は、 σO =6・(LLO/LSO)・T/(18・52 ) =(1/75)・(LLO/LSO)・T……(7) で表すことができる。
【0032】B,Hの任意の値は、σ≦σO を満足する
値であることが要求されるものであり、第(6),(7) 式か
ら、 6・(LL /LS )・T/(H・B2 )≦(1/75)
・(LLO/LSO)・T であり、すなわち H・B2 ≧450・(LL /LLO)・(LSO/LS )……(8) である。
【0033】ここで、LL を一定に定めておくと LL /LLO=1……(9) であり、LS はステアリング軸17の直径Dにほぼ比例
するものであるから、 LSO/LS =29/D……(10) とみなし、この第(10)式および上記第(9) 式を上記第
(8) 式に代入すると、 H・B2 ≧(450×29)/D……(11) であり、 B≧{13050/(D・H)}1/2 ……(12) である。
【0034】しかもロックピン39は、プレス成形され
るものであり、プレス成形による量産可能な板厚の上限
値は約6mmであるので、最終的に前記長さBの範囲
は、 6≧B≧{13050/(D・H)}1/2 ……(13) として設定することが必要である。
【0035】再び図5において、ロックピン39の係合
凹部38への係合状態でステアリング軸17のトルクが
ロックピン39に作用することに伴って、ロックピン3
9からハウジング11のガイド突部11bには、第1摺
動孔42の開口端縁との接触位置P2 で曲げ荷重R2
作用し、またステアリングコラムパイプ18の板厚方向
に沿う嵌合孔41およびガイド突部11bの接触部から
は反力R3 が作用することになり、便宜的に該接触部の
中心位置P3 での集中荷重を反力R3 とした場合、ステ
アリング軸17の軸線に直角な平面内での両位置P2
3 のオフセット量αが大きくなると、前記ガイド突部
11bには、局部的な剪断あるいは曲げが発生し易くな
り、強度的に不利である。また前記オフセット量αが小
さくなり過ぎると、ガイド突部11bの肉厚が薄くなっ
て強度的に不利である。そこで、前記オフセット量αを
ステアリングコラムパイプ18の直径DC に応じて適正
に定めることがガイド突部11bの強度保持上必要であ
るが、その際、前記オフセット量の適正値をステアリン
グコラムパイプ18の直径DC に応じて自動的に設定し
得るようにすることが生産性の合理化に寄与するもので
あり、そのような目的のために前記オフセット量αを設
定する手法について次に説明する。
【0036】ガイド突部11bは、横断面円形であるス
テアリングコラムパイプ18に設けられた嵌合孔41に
嵌合するものであるので、前記オフセット量αは、ステ
アリング軸17の軸線に直交する平面内でのロックピン
39の中心からガイド突部11bの外面すなわち嵌合孔
41の内面までの距離bに応じて変化するものであり、
この距離bをステアリングコラムパイプ18の直径DC
に応じて適正に定めることで、前記オフセット量αを適
正値に定めることが可能である。
【0037】ここで、直径DC が32mm,36mm,
40mmである3本のステアリングコラムパイプ18を
準備し、3mm<B<10mmの条件下で、前記距離b
を変化させたときのガイド突部11bに作用する応力の
最大値を演算したところ、図7で示すような結果を得る
ことができた。この図7によれば、直径DC が32mm
であるときにはb=6mmで応力が最小となり、直径D
C が36mmであるときにはb=6.3mmで応力が最
小となり、また直径DC が40mmであるときにはb=
6.7mmで応力が最小となることがわかる。
【0038】このように直径DC が32mm,36m
m,40mmである3本のステアリングコラムパイプ1
8においてガイド突部11bの応力が最小となる距離b
を、ステアリングコラムパイプ18の直径DC を横軸、
距離bを縦軸とした座標上にプロットすると、図8で示
すようになり、各プロット点を結ぶ曲線は、 b=0.0031DC 2 −0.1375DC +7.2……(14) で表わされる二次曲線となる。すなわち、この二次曲線
上に在る距離bを選択するようにすれば、ガイド突部1
1bに作用する応力を最小とし、ガイド突部11bの強
度を適正に設定することができるのであるが、プラス側
およびマイナス側にそれぞれ0.5mmの余裕を持たせ
ることにする。そこで、上記第(14)式を、 f(DC )=0.0031DC 2 −0.1375DC +7.2……(15) と置き換え、 f(DC )−0.5≦b≦f(DC )+0.5……(16) を満足する範囲内に在るように距離bを設定するように
する。
【0039】すなわち、ロックピン39の曲げ強度と、
ガイド突部11bおよび嵌合孔41の嵌合接触部の強度
とをバランスさせるために、ステアリング軸17の軸線
方向に沿うロックピン39の第1辺の長さH、ならびに
ステアリング軸17の周方向に沿うロックピン39の第
2辺の長さBは、 H≧16mm 6≧B≧{13050/(D・H)}1/2 として設定されることになる。したがって、図9で示す
ように、ロックピン39の断面形状はステアリング軸1
7の軸線方向に沿って長い長方形状となるものであり、
ステアリング軸17の直径Dが29mmであったとき
に、たとえばH=18mm、B=5mmであり、このよ
うな断面形状をロックピン39が有することにより、ロ
ックピン39の曲げ強度と、ガイド突部11bおよび嵌
合孔41の嵌合接触部の強度とがバランスし、ロック機
構16の破壊強度の向上を図ることが可能となるもので
ある。それに対し、従来のものの係合ピン39′の断面
形状は、図10で示すように、ステアリング軸17の直
径Dが29mmであったときに、たとえばH=10m
m、B=8mmであり、このような断面形状の係合ピン
39′を有するロック機構に対して、図9の断面形状を
有するロックピン39を備えるロック機構16は、50
%以上の強度増大を図ることができる。
【0040】また上記第(16)式に従って、ステアリング
軸17の軸線に直交する平面内でのロックピン39の中
心からガイド突部11bの外面すなわち嵌合孔41の内
面までの距離bを定めることにより、ガイド突部11b
に作用する応力を最小としてガイド突部11bの強度を
最大に設定し得る距離bを、ステアリングコラムパイプ
18の直径DC に応じて一律とすることで、ステアリン
グロック装置の仕様によらず、ステアリングコラムパイ
プ18における嵌合孔41の形状を一定にすることがで
き、生産性の合理化を図ることが可能となるのである。
この際、ガイド突部11bの断面形状は、図9で示すよ
うに長円形状であることが望ましい。
【0041】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0042】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0043】たとえば、上記実施例では、スライダ40
がロックピン39に係合、連結されていたが、スライダ
40およびロックピン39を継ぎ目なしに一体に成形す
ることも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ロックピ
ンのプレス成形を可能としてロックピンの形成を容易と
した上で、ロックピンの曲げ強度と、ガイド突部および
嵌合孔の嵌合接触部の強度とをバランスさせて、ロック
機構の強度限界を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステアリングロック装置の縦断側面図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】応力および寸法の関係を説明するための図3に
対応した簡略図である。
【図6】ステアリング軸の軸線方向に沿うロックピンの
寸法に応じた応力比を示す図である。
【図7】ステアリング軸の軸線に直角な平面内でのロッ
クピンの中心から嵌合孔の側面までの距離に応じたガイ
ド突部の応力比を示す図である。
【図8】ステアリング軸の軸線に直角な平面内でのロッ
クピンの中心から嵌合孔の側面までの距離をステアリン
グコラムパイプの直径に応じて定めた線図である。
【図9】図3の9−9線に沿う方向から見た図である。
【図10】従来技術の図9に対応した図である。
【符号の説明】
11・・・ハウジング 11b・・・ガイド突部 12・・・シリンダ体 13・・・キー 14・・・ロータ 16・・・ロック機構 17・・・ステアリング軸 18・・・ステアリングコラムパイプ 38・・・係合凹部 39・・・ロックピン 41・・・嵌合孔 42・・・摺動孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側面に係合凹部(38)が設けられる
    ステアリング軸(17)と、該ステアリング軸(17)
    の軸線方向に沿って前記係合凹部(38)に対応する位
    置に嵌合孔(41)を有してステアリング軸(17)を
    囲繞するステアリングコラムパイプ(18)と、前記嵌
    合孔(41)に嵌合されるガイド突部(11b)を有し
    てステアリングコラムパイプ(18)に取付けられるハ
    ウジング(11)と、該ハウジング(11)に挿入、固
    定されるシリンダ体(12)と、差し込まれたキー(1
    3)による回動操作を可能として前記シリンダ体(1
    2)に挿入されるロータ(14)と、前記ガイド突部
    (11b)の先端に開口してハウジング(11)に設け
    られる摺動孔(42)に前記係合凹部(38)への係合
    を可能として摺動自在に嵌合されるロックピン(39)
    を有するとともに該ロックピン(39)の前記係合凹部
    (38)への係合および係合解除を前記ロータ(14)
    の回動に応じて切換可能に構成されるロック機構(1
    6)とを備え、前記ロックピン(39)は、ステアリン
    グ軸(17)の軸線方向に沿う第1辺と、第1辺に直交
    する第2辺とから成る正四角形状の横断面形状を有する
    ように形成されるステアリングロック装置において、ロ
    ックピン(39)の第1辺の長さをHmm、ロックピン
    (39)の第2辺の長さをBmm、ステアリング軸(1
    7)の直径をDmmとしたときに、 H≧16 6≧B≧{13050/(D・H)}1/2 を満足する前記長さB,Hを有して、前記ロックピン
    (39)がプレス成形されることを特徴とするステアリ
    ングロック装置。
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