JP3143785B2 - ステアリングロック装置 - Google Patents

ステアリングロック装置

Info

Publication number
JP3143785B2
JP3143785B2 JP7747197A JP7747197A JP3143785B2 JP 3143785 B2 JP3143785 B2 JP 3143785B2 JP 7747197 A JP7747197 A JP 7747197A JP 7747197 A JP7747197 A JP 7747197A JP 3143785 B2 JP3143785 B2 JP 3143785B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
housing
lock
engagement
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7747197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10266660A (ja
Inventor
安則 長沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Lock Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Honda Lock Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP7747197A priority Critical patent/JP3143785B2/ja
Application filed by Honda Lock Manufacturing Co Ltd filed Critical Honda Lock Manufacturing Co Ltd
Priority to EP19980105480 priority patent/EP0867348B1/en
Priority to EP03025271A priority patent/EP1386799B1/en
Priority to US09/048,089 priority patent/US5974841A/en
Priority to DE1998632113 priority patent/DE69832113T2/de
Priority to DE1998624071 priority patent/DE69824071T2/de
Priority to EP03025270A priority patent/EP1386798B1/en
Priority to DE1998632114 priority patent/DE69832114T2/de
Publication of JPH10266660A publication Critical patent/JPH10266660A/ja
Priority to US09/432,396 priority patent/US6076382A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3143785B2 publication Critical patent/JP3143785B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lock And Its Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、差し込まれたキー
による回動操作を可能としてロータが固定のシリンダ体
に挿入され、ステアリング軸の係合凹部に係合可能なロ
ックピンを有するロック機構が前記ロックピンの前記係
合凹部への係合および係合解除を、前記ロータの回動に
応じて切換可能に構成されるステアリングロック装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるステアリングロック装置
は、たとえば実公昭63−15080号公報等により既
に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ものでは、ロータに連動して回動するカムに従動するス
ライダに、ロックピンが係合、連結されており、ロック
機構を構成する部品の点数が比較的多くなるだけでな
く、ロック機構の組付作業も煩雑となる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ロック機構をその部品点数を低減して構成可
能とするとともに組付作業も容易としたステアリングロ
ック装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、固定のハウジングに挿入、
固定されるシリンダ体と、差し込まれたキーによる回動
操作を可能として前記シリンダ体に挿入されるロータ
と、テアリング軸に設けられた係合凹部への係合を可
能として前記ハウジングに摺動自在に支承されるロック
ピンを有するとともに該ロックピンの前記係合凹部への
係合および係合解除を前記ロータの回動に応じて切換可
能に構成されるロック機構とを備えるステアリングロッ
ク装置において、前記係合凹部への係合状態を維持する
のに必要な強度を有する係合ピン部と、前記ロータに連
動して回動するカムに当接可能な当接面を内側面に有す
る貫通孔を備えるとともに前記カムに従動して作動する
カム従動部とが、継ぎ目なしに一体に連なってロックピ
ンが平板状にプレス成形されて成り、そのプレス成形に
より生じたばりを外周縁部に有したままのロックピンを
ハウジングで摺動可能に支持するために、そのハウジン
グの、前記係合ピン部を摺動自在に嵌合させる第1摺動
孔には、該係合ピン部のばりを配置させる逃げ部が形成
されることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、ロックピンが一
体に備えるカム従動部が、従来のスライダの機能を果す
ので、従来必要であったスライダを不要として部品点数
を低減することが可能となり、しかも部品点数が少なく
なる分だけロック機構の組付作業も容易となる。
【0007】また特に前記ロックピンが、平板状にプレ
ス成形されて成ることにより、切削加工によるものに比
べてロックピンを極めて容易に形成することができる。
しかも前記プレス成形により生じたばりを外周縁部に有
したままのロックピンをハウジングで摺動可能に支持す
るために、そのハウジングの、前記係合ピン部を摺動自
在に嵌合させる第1摺動孔には、該係合ピン部のばりを
配置させる逃げ部が形成されるので、前記ばりの除去作
業を行うことが避けられる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】図1ないし図10は本発明の一実施例を示
すものであり、図1はステアリングロック装置の縦断側
面図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の
3−3線断面図、図4は図2の4−4線拡大断面図、図
5は図2の5−5線拡大断面図、図6は応力および寸法
の関係を説明するための図3に対応した簡略図、図7は
ステアリング軸の軸線方向に沿う係合ピン部の寸法に応
じた応力比を示す図、図8はステアリング軸の軸線に直
角な平面内での係合ピン部の中心から嵌合孔の側面まで
の距離に応じたガイド突部の応力比を示す図、図9はス
テアリング軸の軸線に直角な平面内での係合ピン部の中
心から嵌合孔の側面までの距離をステアリングコラムパ
イプの直径に応じて定めた線図、図10は図3の10−
10線に沿う方向から見た図である。
【0010】先ず図1において、このステアリングロッ
ク装置は、ハウジング11と、該ハウジング11に挿
入、固定されるシリンダ体12と、差し込まれたキー1
3による回動操作を可能としてシリンダ体12に挿入さ
れるロータ14と、該ロータ14に相対回動不能に係合
されるとともにロータ14の後方側に同軸に配置されて
ハウジング11に回動自在に支承されるジョイント15
と、ステアリング軸17(図2および図3参照)の回動
を阻止するロック状態ならびにステアリング軸17の回
動を可能としたロック解除状態を前記ロータ14および
ジョイント15の回動に応じて切換可能なロック機構1
6とを備える。
【0011】図2および図3を併せて参照して、ステア
リング軸17は固定のステアリングコラムパイプ18で
同軸に囲繞されており、該ステアリングコラムパイプ1
8の外周に接触する横断面円弧状の取付け面19が、ハ
ウジング11と一体の取付け部11aに設けられる。ま
た取付け面19とは反対側でステアリングコラムパイプ
18の外周に接触する横断面円弧状の取付け面20を有
するコラムホルダ21が、一対のボルト22,22によ
り前記取付け部11aに締着される。すなわちハウジン
グ11は、ステアリングコラムパイプ18に取付けられ
る。
【0012】再び図1において、シリンダ体12は、ハ
ウジング11に設けられている収納孔23の前半部に挿
入されるものであり、このシリンダ体12の外周に装着
された弾発係合部材24が、収納孔23の内面に設けら
れる係合溝25に弾発係合することによりシリンダ体1
2の収納孔23内での軸方向移動が阻止される。
【0013】ロータ14は、前端を開放したキー孔26
を有して横断面円形の棒状に形成されており、回動自在
かつ軸線方向に沿う制限された範囲での移動を可能とし
て、シリンダ体12のシリンダ孔27に挿入される。し
かもシリンダ孔27の内面の周方向に間隔をあけた複数
箇所にはシリンダ孔27の軸線方向に沿って延びる溝2
8…が設けられており、それらの溝28…に係合する方
向に弾発付勢される複数のタンブラ29…がロータ14
に装着される。而して各タンブラ29…は、キー孔26
にキー13が挿入されていないときには溝28…に係合
してロータ14の回動を阻止するが、キー孔26へのキ
ー13の挿入に応じて溝28…から離間してロータ14
の回動を許容する位置に摺動する。
【0014】ロータ14の前端部には、ロータ14への
キー13の差し込みならびに該ロータ14からのキー1
3の抜き出しに応じてロータ14の一直径線に沿う方向
に摺動することを可能としてキースライダ30が装着さ
れる。このキースライダ30の一端には、支軸31を介
してハウジング11に支承される作動レバー32の前端
が当接されており、該作動レバー32およびハウジング
11間には、作動レバー32の前端で前記キースライダ
30を押圧する方向のばね力を発揮するばね33が設け
られる。而してキー13がキー孔26から抜かれてロー
タ14がLOCK位置となったときに、キースライダ3
0は、その他端をロータ14の外側面から突出させる位
置まで押されており、キー孔26およびキースライダ3
0にキー13が差込まれたときには、図1で示すよう
に、作動レバー32から作用する弾発力に抗してキース
ライダ30の両端面をロータ14の外側面に面一に合わ
せる位置までキースライダ30が移動することになり、
この状態でロータ14が回動すると作動レバー32の一
端はロータ14の外側面に摺接することになる。また作
動レバー32の作動に伴って検出作動するキー検出スイ
ッチ35が、キー13のロータ14への差し込みを検出
すべくハウジング11に付設される。
【0015】ロータ14の後方側でハウジング11に
は、ジョイント15がその軸線方向に沿う移動を不能と
するとともに軸線まわりの回動を可能として支承されて
おり、該ジョイント15の前端部はロータ14の後端部
に相対回動不能に係合される。すなわちジョイント15
はロータ14とともに回動することになる。しかもジョ
イント15およびロータ14間にはばね36が設けられ
ており、該ばね36のばね力によりロータ14は前方側
に向けて付勢されている。
【0016】ハウジング11の後端にはイグニッション
スイッチ37が取付けられており、ジョイント15の後
端部が該イグニッションスイッチ37に連結される。
【0017】ロック機構16は、ステアリング軸17の
外周に設けられた係合凹部38に係合して該ステアリン
グ軸17の回動を阻止するロック状態と、係合凹部38
との係合を解除してステアリング軸17の回動を可能と
するロック解除状態とを切換可能なものであり、前記係
合凹部38との係合および係合解除を切換える方向への
摺動を可能としてハウジング11に支承されるロックピ
ン39を備える。
【0018】ハウジング11の取付け部11aには、ス
テアリング軸17の軸線方向に沿って前記係合凹部38
に対応した位置で取付け面19から突出するガイド突部
11bが一体に突設されており、該ガイド突部11b
は、ステアリングコラムパイプ18に設けられている嵌
合孔41に嵌合される。しかも該ガイド突部11bの先
端面は、ステアリングコラムパイプ18の内面に面一に
連なるように横断面円弧状に形成される。このガイド突
部11bは、ロック機構16がロック状態に在るときに
ステアリング軸17が過大な力で回されて不正に解錠さ
れることがないようにロック状態でのロックピン39の
曲げ強度を効果的に確保するためのものである。
【0019】図4および図5をさらに併せて参照して、
ハウジング11には、ガイド突部11bの先端に一端を
開口させる第1摺動孔42と、第1摺動孔42よりも拡
大して第1摺動孔42の他端に連なる第2摺動孔43と
が、第1および第2摺動孔42,43間に段部44を形
成するようにして設けられており、第2摺動孔43の他
端を閉塞するようにしてハウジング11に装着されたキ
ャップ45とロックピン39との間に、ロックピン39
を係合凹部38に係合させる方向のばね力を発揮するば
ね46が設けられる。
【0020】ロックピン39は、ステアリング軸17の
係合凹部38への係合を可能として第1摺動孔42に摺
動可能に嵌合される係合ピン部39aと、第2摺動孔4
3に摺動可能に嵌合されるカム従動部39bとが、継ぎ
目なしに一体に連なって形成されるものであり、プレス
成形により平板状に成形される。
【0021】このロックピン39は、たとえばJIS
S45C等の機械構造用炭素鋼から成るものであり、該
ロックピン39のロックウェル硬さは、たとえばプレス
成形処理後に焼入処理を施すこと等により、たとえば4
0(HRC)以上となるように設定される。一方、ハウ
ジング11は、たとえば亜鉛合金ダイカストまたはマグ
ネシウム合金ダイカストから成るものであり、ステアリ
ングコラムパイプ18は、たとえば鉄製パイプから成る
ものである。
【0022】ロックピン39のカム従動部39bには、
ジョイント15を貫通せしめる貫通孔47が設けられて
おり、ジョイント15に設けられたカム48に当接可能
な当接面49が貫通孔47の内側面に形成される。
【0023】このようなロック機構16では、ロータ1
4がLOCK位置以外の位置、すなわちACC位置、O
N位置およびSTART位置にあるときには、ロックピ
ン39を係合凹部38から離脱させてステアリング軸1
7の回動を許容する状態に在るのに対し、ロータ14が
LOCK位置に在るときには、ばね46のばね力でロッ
クピン39を係合凹部38に係合させるように移動せし
めるようにカム48が回動することになる。一方、ロー
タ14のキー孔26へのキー13の差し込みに応じたキ
ースライダ30の移動により、作動レバー32は、その
後端をロックピン39に近接させる方向に回動せしめら
れるのであるが、ロックピン39におけるカム従動部3
9bの外側面には、ロータ14がLOCK位置以外の位
置となるのに応じてロック機構16がロック解除状態と
なったときに作動レバー32の後端を係合せしめてロッ
ク機構16のロック解除状態を保持するための規制凹部
50が設けられる。すなわちロータ14がLOCK位置
にあってもキー孔26からキー13を抜き出すことによ
り、作動レバー32がその後端を規制凹部50から離脱
させる方向に回動しない限り、ロック機構16がロック
状態となることはない。
【0024】ところで、ロックピン39がプレス成形さ
れることにより、そのプレス成形完了後には、ロックピ
ン39の外周縁部および貫通孔47の周縁部にそれぞれ
ばり51,52が生じることが避けられない。しかる
に、それらのばり51,52の除去作業を行なうことは
作業工数の増大につながるので避けることが望ましく、
ばり51,52を有したままのロックピン39をハウジ
ング11で摺動可能に支持するために、ロックピン39
のプレス方向ならびにロックピン39の摺動支持構造
が、たとえば次のように設定される。
【0025】すなわちロックピン39は、その外周縁部
に生じるばり51と、貫通孔47の周縁部に生じるばり
52とが相互に反対方向に向くようにしてプレス成形さ
れる。一方、ロックピン39の係合ピン部39aを摺動
自在に嵌合させる第1摺動孔42は、係合ピン部39a
の断面形状に対応して略正四角形状の横断面形状を有す
るように形成されるものの、第1摺動孔42の4つの隅
角部には、外側方に膨らんだ略円形の横断面形状を有す
る逃げ部53,53…がそれぞれ形成される。これによ
り、ばり51を上記4つの逃げ部53,53…のうちの
2つに配置させるようにして第1摺動孔42で係合ピン
部39aを摺動自在に案内することができる。
【0026】またロックピン39のカム従動部39bを
摺動自在に嵌合させる第2摺動孔43の両側面は、カム
従動部39bの外側面に対向する第1側面43a…と、
第2側面43a…の内方側に配置される第2側面43b
…と、第1および第2側面43a…,43b…間に形成
される段部43c…とを有するように形成される。しか
もジョイント15の軸線方向に沿う第1側面43a…の
長さはカム従動部39bの厚さよりも大きく設定され、
ジョイント15の軸線方向に沿う第2側面43b…の長
さは、ばり52の想定突出量よりも大きく設定され、段
部43c…の内周縁は貫通孔47の外周縁よりも外方に
配置される。さらにばり51が生じている側の貫通孔4
7の周縁部でカム従動部39bの一面に接触する規制鍔
部54がジョイント15に一体に設けられ、ばり52が
生じている側のカム従動部39bの他面は、第2摺動孔
43の段部43c…でそれぞれ受けられる。これによ
り、ばり51,52のハウジング11との干渉を回避し
つつカム従動部39bを第2摺動孔43で摺動自在に案
内することが可能となる。
【0027】このようにロック機構16において、ロッ
クピン39が一体に備えるカム従動部39bが、従来の
ロック機構が備えていたスライダの機能を果すので、従
来必要であったスライダを不要として部品点数を低減す
ることが可能となり、しかも部品点数が少なくなる分だ
けロック機構16の組付作業も容易となる。それに加え
て、ロックピン39が、平板状にプレス成形されて成る
ものであることにより、切削加工によってロックピン3
9を成形するのに比べてロックピン39を極めて容易に
形成することが可能となる。
【0028】ロックピン39の係合ピン部39aは、係
合凹部38への係合状態でステアリング軸17から作用
する曲げ荷重に耐える曲げ強度を有することが必要であ
るが、係合ピン部39aの曲げ強度を過大に設定したと
きには、ハウジング11に設けられたガイド突部11b
と、該ガイド突部11bを嵌合せしめるべくステアリン
グコラムパイプ18に設けられた嵌合孔41との接触部
の強度が前記曲げ強度に比べて相対的に低くなり、係合
ピン部39aの変形よりも前にガイド突部11bおよび
嵌合孔41の嵌合接触部で変形が生じてしまうことにな
る。
【0029】そこで、前記係合ピン部39aの曲げ強度
と、ガイド突部11bおよび嵌合孔41の嵌合接触部の
強度とをバランスさせることで、ロック機構16の破壊
強度の向上を図ることが可能であり、そのような強度バ
ランスを図るために係合ピン部39aの断面寸法を設定
するための手法について次に説明する。
【0030】図6において、係合ピン部39aの横断面
形状でステアリング軸17の軸線方向に沿う第1辺の長
さをH、前記横断面形状で第1辺と直交する第2辺の長
さすなわち係合ピン部39aの厚さをB、ステアリング
軸17の直径をD、ステアリング軸17のトルクをT、
第1摺動孔42の開口端から係合凹部38の端縁および
係合ピン部39aの接触点P1 までの長さをLL 、係合
ピン部39aの長手方向に沿う前記接触点P1 からステ
アリング軸17の中心までの長さをLS 、前記接触点P
1 での係合ピン部39aからステアリング軸17への荷
重反力をR1 と定めておく。
【0031】ここで、ハウジング11のガイド突部11
bと、ステアリングコラムパイプ18の嵌合孔41との
接触部の応力を、係合ピン部39aの前記長さHをパラ
メータとして有限要素法で算出したところ、図7で示す
ような結果を得ることができた。この図7で明らかなよ
うに、前記長さHの増大に応じて前記応力は減少するの
であるが、H=16mmで前記応力はほぼ下限レベルに
収束することになる。この結果、H≧16mmであれ
ば、前記ガイド突部11bおよび嵌合孔41の接触部の
応力をほぼ下限レベルに抑えることができ、H≧16m
mであることが必要である。
【0032】一方、係合ピン部39aに作用する曲げ応
力σは次の第(1) 式で表すことができる。
【0033】σ=M/Z……(1) ここで、Mは曲げモーメント、Zは係合ピン部39aの
断面係数であり、 M=R1 ・LL ……(2) Z=(H・B2 )/6……(3) である。一方、ステアリング軸17におけるトルクの釣
合いから、 T=LS ・R1 ……(4) であり、第(2),(4) 式から、 M=(LL /LS )・T……(5) である。そこで、第(3),(5) 式を第(1) 式に代入する
と、次の第(6) 式を得ることができる。
【0034】 σ=6・(LL /LS )・T/(H・B2 )……(6) ところで、ステアリング軸17の直径Dが29mmのと
き、B=5mm、H=18mmであれば、係合ピン部3
9aで必要十分な曲げ強度を得ることができることを、
本発明者が実験により確かめており、このときの任意の
負荷トルクに対する係合ピン部39aの曲げ応力σ
O は、 σO =6・(LLO/LSO)・T/(18・52 ) =(1/75)・(LLO/LSO)・T……(7) で表すことができる。
【0035】B,Hの任意の値は、σ≦σO を満足する
値であることが要求されるものであり、第(6),(7) 式か
ら、 6・(LL /LS )・T/(H・B2 )≦(1/75)
・(LLO/LSO)・T であり、すなわち H・B2 ≧450・(LL /LLO)・(LSO/LS )……(8) である。
【0036】ここで、LL を一定に定めておくと LL /LLO=1……(9) であり、LS はステアリング軸17の直径Dにほぼ比例
するものであるから、 LSO/LS =29/D……(10) とみなし、この第(10)式および上記第(9) 式を上記第
(8) 式に代入すると、 H・B2 ≧(450×29)/D……(11) であり、 B≧{13050/(D・H)}1/2 ……(12) である。
【0037】しかも係合ピン部39aを備えるロックピ
ン39は、プレス成形されるものであり、プレス成形に
よる量産可能な板厚の上限値は約6mmであるので、最
終的に前記長さBの範囲は、 6≧B≧{13050/(D・H)}1/2 ……(13) として設定することが必要である。
【0038】再び図6において、係合ピン部39aの係
合凹部38への係合状態でステアリング軸17のトルク
が係合ピン部39aに作用することに伴って、係合ピン
部39aからハウジング11のガイド突部11bには、
第1摺動孔42の開口端縁との接触位置P2 で曲げ荷重
2 が作用し、またステアリングコラムパイプ18の板
厚方向に沿う嵌合孔41およびガイド突部11bの接触
部からは反力R3 が作用することになり、便宜的に該接
触部の中心位置P3 での集中荷重を反力R3 とした場
合、ステアリング軸17の軸線に直角な平面内での両位
置P2 ,P3 のオフセット量αが大きくなると、前記ガ
イド突部11bには、局部的な剪断あるいは曲げが発生
し易くなり、強度的に不利である。また前記オフセット
量αが小さくなり過ぎると、ガイド突部11bの肉厚が
薄くなって強度的に不利である。そこで、前記オフセッ
ト量αをステアリングコラムパイプ18の直径DC に応
じて適正に定めることがガイド突部11bの強度保持上
必要であるが、その際、前記オフセット量の適正値をス
テアリングコラムパイプ18の直径DC に応じて自動的
に設定し得るようにすることが生産性の合理化に寄与す
るものであり、そのような目的のために前記オフセット
量αを設定する手法について次に説明する。
【0039】ガイド突部11bは、横断面円形であるス
テアリングコラムパイプ18に設けられた嵌合孔41に
嵌合するものであるので、前記オフセット量αは、ステ
アリング軸17の軸線に直交する平面内での係合ピン部
39aの中心からガイド突部11bの外面すなわち嵌合
孔41の内面までの距離bに応じて変化するものであ
り、この距離bをステアリングコラムパイプ18の直径
C に応じて適正に定めることで、前記オフセット量α
を適正値に定めることが可能である。
【0040】ここで、直径DC が32mm,36mm,
40mmである3本のステアリングコラムパイプ18を
準備し、3mm<B<10mmの条件下で、前記距離b
を変化させたときのガイド突部11bに作用する応力の
最大値を演算したところ、図8で示すような結果を得る
ことができた。この図8によれば、直径DC が32mm
であるときにはb=6mmで応力が最小となり、直径D
C が36mmであるときにはb=6.3mmで応力が最
小となり、また直径DC が40mmであるときにはb=
6.7mmで応力が最小となることがわかる。
【0041】このように直径DC が32mm,36m
m,40mmである3本のステアリングコラムパイプ1
8においてガイド突部11bの応力が最小となる距離b
を、ステアリングコラムパイプ18の直径DC を横軸、
距離bを縦軸とした座標上にプロットすると、図9で示
すようになり、各プロット点を結ぶ曲線は、 b=0.0031DC 2 −0.1375DC +7.2……(14) で表わされる二次曲線となる。すなわち、この二次曲線
上に在る距離bを選択するようにすれば、ガイド突部1
1bに作用する応力を最小とし、ガイド突部11bの強
度を適正に設定することができるのであるが、プラス側
およびマイナス側にそれぞれ0.5mmの余裕を持たせ
ることにする。そこで、上記第(14)式を、 f(DC )=0.0031DC 2 −0.1375DC +7.2……(15) と置き換え、 f(DC )−0.5≦b≦f(DC )+0.5……(16) を満足する範囲内に在るように距離bを設定するように
する。
【0042】すなわち、係合ピン部39aの曲げ強度
と、ガイド突部11bおよび嵌合孔41の嵌合接触部の
強度とをバランスさせるために、ステアリング軸17の
軸線方向に沿う係合ピン部39aの第1辺の長さH、な
らびにステアリング軸17の周方向に沿う係合ピン部3
9aの第2辺の長さBは、 H≧16mm 6≧B≧{13050/(D・H)}1/2 として設定されることになり、図10で示すように、係
合ピン部39aの断面形状はステアリング軸17の軸線
方向に沿って長い長方形状となるものであり、ステアリ
ング軸17の直径Dが29mmであったときに、たとえ
ばH=18mm、B=5mmであり、このような断面形
状を係合ピン部39aが有することにより、係合ピン部
39aの曲げ強度と、ガイド突部11bおよび嵌合孔4
1の嵌合接触部の強度とがバランスし、ロック機構16
の破壊強度の向上を図ることが可能となるものである。
それに対し、従来のものの係合ピン39′の断面形状
は、図11で示すように、ステアリング軸17の直径D
が29mmであったときに、たとえばH=10mm、B
=8mmであり、このような断面形状の係合ピン39′
を有するロック機構に対して、図10の断面形状を有す
る係合ピン部39aを備えるロック機構16は、50%
以上の強度増大を図ることができる。
【0043】また上記第(16)式に従って、ステアリング
軸17の軸線に直交する平面内での係合ピン部39aの
中心からガイド突部11bの外面すなわち嵌合孔41の
内面までの距離bを定めることにより、ガイド突部11
bに作用する応力を最小としてガイド突部11bの強度
を最大に設定し得る距離bを、ステアリングコラムパイ
プ18の直径DC に応じて一律とすることで、ステアリ
ングロック装置の仕様によらず、ステアリングコラムパ
イプ18における嵌合孔41の形状を一定にすることが
でき、生産性の合理化を図ることが可能となるのであ
る。この際、ガイド突部11bの断面形状は、図10で
示すように長円形状であることが望ましい。
【0044】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0045】たとえば、カム48がロータ14に設けら
れるステアリングロック装置に本発明を適用することも
可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、ロックピンが一体に備えるカム従動部に従来のスラ
イダの機能を果させるようにして、従来必要であったス
ライダを不要として部品点数を低減することができ、部
品点数が少なくなる分だけロック機構の組付作業も容易
となる。
【0047】またックピンが、平板状にプレス成形さ
れて成ることにより、切削加工によるものに比べてロッ
クピンを極めて容易に形成することができる。しかも前
記プレス成形により生じたばりを外周縁部に有したまま
のロックピンをハウジングで摺動可能に支持するため
に、そのハウジングの、前記係合ピン部を摺動自在に嵌
合させる第1摺動孔には、該係合ピン部のばりを配置さ
せる逃げ部が形成されるので、前記ばりの除去作業を行
うことが避けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステアリングロック装置の縦断側面図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】図2の5−5線拡大断面図である。
【図6】応力および寸法の関係を説明するための図3に
対応した簡略図である。
【図7】ステアリング軸の軸線方向に沿う係合ピン部の
寸法に応じた応力比を示す図である。
【図8】ステアリング軸の軸線に直角な平面内での係合
ピン部の中心から嵌合孔の側面までの距離に応じたガイ
ド突部の応力比を示す図である。
【図9】ステアリング軸の軸線に直角な平面内での係合
ピン部の中心から嵌合孔の側面までの距離をステアリン
グコラムパイプの直径に応じて定めた線図である。
【図10】図3の10−10線に沿う方向から見た図で
ある。
【図11】従来技術の図10に対応した図である。
【符号の説明】
12・・・シリンダ体 13・・・キー 14・・・ロータ 16・・・ロック機構 17・・・ステアリング軸 38・・・係合凹部 39・・・ロックピン 39a・・・係合ピン部 39b・・・カム従動部 47・・・貫通孔 48・・・カム 49・・・当接面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 65/12 B60R 25/02 603 E05B 29/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定のハウジング(11)に挿入、固定
    されるシリンダ体(12)と、 差し込まれたキー(13)による回動操作を可能として
    前記シリンダ体(12)に挿入されるロータ(14)
    と、 テアリング軸(17)に設けられた係合凹部(38)
    への係合を可能として前記ハウジング(11)に摺動自
    在に支承されるロックピン(39)を有するとともに該
    ロックピン(39)の前記係合凹部(38)への係合お
    よび係合解除を前記ロータ(14)の回動に応じて切換
    可能に構成されるロック機構(16)とを備えるステア
    リングロック装置において、 前記係合凹部(38)への係合状態を維持するのに必要
    な強度を有する係合ピン部(39a)と、前記ロータ
    (14)に連動して回動するカム(48)に当接可能な
    当接面(49)を内側面に有する貫通孔(47)を備え
    るとともに前記カム(48)に従動して作動するカム従
    動部(39b)とが、継ぎ目なしに一体に連なってロッ
    クピン(39)が平板状にプレス成形されて成り、 そのプレス成形により生じたばり(51)を外周縁部に
    有したままのロックピン(39)をハウジング(11)
    で摺動可能に支持するために、そのハウジング(11)
    の、前記係合ピン部(39a)を摺動自在に嵌合させる
    第1摺動孔(42)には、該係合ピン部(39a)のば
    り(51)を配置させる逃げ部(53)が形成される
    とを特徴とする、ステアリングロック装置。
JP7747197A 1997-03-28 1997-03-28 ステアリングロック装置 Expired - Fee Related JP3143785B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7747197A JP3143785B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 ステアリングロック装置
EP03025271A EP1386799B1 (en) 1997-03-28 1998-03-26 Steering lock device
US09/048,089 US5974841A (en) 1997-03-28 1998-03-26 Steering lock device
DE1998632113 DE69832113T2 (de) 1997-03-28 1998-03-26 Verriegelungsvorrichtung für die Lenkung
EP19980105480 EP0867348B1 (en) 1997-03-28 1998-03-26 Steering lock device
DE1998624071 DE69824071T2 (de) 1997-03-28 1998-03-26 Lenksäulenverriegelung
EP03025270A EP1386798B1 (en) 1997-03-28 1998-03-26 Steering lock device
DE1998632114 DE69832114T2 (de) 1997-03-28 1998-03-26 Vorrichtung zur Verriegelung der Lenkung
US09/432,396 US6076382A (en) 1997-03-28 1999-11-02 Steering lock drive

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7747197A JP3143785B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 ステアリングロック装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10266660A JPH10266660A (ja) 1998-10-06
JP3143785B2 true JP3143785B2 (ja) 2001-03-07

Family

ID=13634909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7747197A Expired - Fee Related JP3143785B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 ステアリングロック装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3143785B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7173060B2 (ja) 2020-01-17 2022-11-16 トヨタ自動車株式会社 車両用操縦装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016022840A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 株式会社東海理化電機製作所 ステアリングロック装置
CN113318896B (zh) * 2020-02-28 2024-02-13 厦门松霖科技股份有限公司 墙座装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7173060B2 (ja) 2020-01-17 2022-11-16 トヨタ自動車株式会社 車両用操縦装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10266660A (ja) 1998-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5974841A (en) Steering lock device
JP3423497B2 (ja) 携帯工具のビット装着装置
US5704234A (en) Cylinder lock incorporating a slam resistance pad
US4995249A (en) Door handle assembly with hollow knob and interchangeable lock core
WO2013054821A1 (ja) ステアリングコラムおよびその製造方法
US20080168814A1 (en) Cylinder Lock
JP3143785B2 (ja) ステアリングロック装置
JP2000192703A5 (ja)
US6554330B2 (en) Reinforcing structure of a latch of an auxiliary lock
EP1614837A2 (en) Cylinder lock
JP3127363B2 (ja) ステアリングロック装置
JPS6042055B2 (ja) 自動車用ステアリングロツク装置
JP3127362B2 (ja) ステアリングロック装置
CA1055988A (en) Pillar lock
EP0654572A1 (en) Cylinder lock
CA1156285A (en) Antitheft device for motor vehicles
JP3441033B2 (ja) ステアリングロック装置
CN110952842A (zh) 一种双重抗暴力拆锁结构
EP0636523A1 (en) Steering lock device
CN218826801U (zh) 一种用于开启工具锁的点火锁
CN213539994U (zh) 一种锁芯
JP3377383B2 (ja) ハンドル錠
JP4221233B2 (ja) ステアリングロック装置
JP4588504B2 (ja) シリンダー錠及びその超硬チップ装着方法
JPS6332030Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090105

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100105

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140105

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees