JP3127350U - 湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トランスミッションケース内に収納される湿式クラッチパックの外面の引き摺りトルクを低減させること。
【解決手段】 エンジン側につながるフロントカバー500及び/又はギアボックス側に配置されるリアカバー300の表面に、径方向又は傾斜径方向にオイル案内溝310,510を設けることにより、クラッチパックとトランスミッションケースとの間の狭い流路において、遠心力によるオイルの排出が促進され、引き摺りトルクを低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 エンジン側につながるフロントカバー500及び/又はギアボックス側に配置されるリアカバー300の表面に、径方向又は傾斜径方向にオイル案内溝310,510を設けることにより、クラッチパックとトランスミッションケースとの間の狭い流路において、遠心力によるオイルの排出が促進され、引き摺りトルクを低減することができる。
【選択図】 図1
Description
本考案は、車両用自動変速機等に用いられる湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造に関する。
従来の湿式クラッチパックの一例として、特許文献1及び特許文献2の構成部品収納構造が適用された、湿式デュアルクラッチパックがある。
特開2004−53020号公報
特開2004−169917号公報
この湿式デュアルクラッチパック100’は、図4のように、段付きカップ形状のリアカバー300’の右端部で、フロントカバー500’の外周側がスナップリング800’を介してリアカバー300’に対して抜け止め固定されており、第1クラッチK1は径方向外側に、第2クラッチK2は径方向内側の内側ドラム701’の中に、それぞれ配置されている。
上記図4の場合のトルク伝達経路は、図5のようになる。
すなわち、K1トルク伝達は、図5(a)のように、K1トルク入力→フロントカバー500’→リアカバー300’→第1ハブ604’→K1トルク出力という経路になる。
K2トルク伝達は、図5(b)のように、K2トルク入力→フロントカバー500’→リアカバー300’→内側ドラム701’→第2ハブ704’→K2トルク出力という経路になる。
このようなトルク伝達経路であると、エンジン側からのトルク出力は常にリアカバー300’及びフロントカバー500’の嵌合部を経由する問題があるため、嵌合部の寿命向上という観点から、特許文献3の改良がなされた。
特願2006−125771
すなわち、K1トルク伝達は、図5(a)のように、K1トルク入力→フロントカバー500’→リアカバー300’→第1ハブ604’→K1トルク出力という経路になる。
K2トルク伝達は、図5(b)のように、K2トルク入力→フロントカバー500’→リアカバー300’→内側ドラム701’→第2ハブ704’→K2トルク出力という経路になる。
このようなトルク伝達経路であると、エンジン側からのトルク出力は常にリアカバー300’及びフロントカバー500’の嵌合部を経由する問題があるため、嵌合部の寿命向上という観点から、特許文献3の改良がなされた。
特許文献3の湿式デュアルクラッチパック100の構造は図6のようになる。
この構造では、フロントカバー500が径方向右端部においてほぼ90度折曲げられてギアボックス側へと延びるカップ形状をなし、リアカバー300及びフロントカバー500の嵌合部が、従来のエンジン側ではなく、ギアボックス側に変えられている。また、前記嵌合部にスナップリング800を介在させることで両者は抜け止めされている。
この構造では、フロントカバー500が径方向右端部においてほぼ90度折曲げられてギアボックス側へと延びるカップ形状をなし、リアカバー300及びフロントカバー500の嵌合部が、従来のエンジン側ではなく、ギアボックス側に変えられている。また、前記嵌合部にスナップリング800を介在させることで両者は抜け止めされている。
図6の構造においては、K1のトルク伝達は、図7(a)のように、K1トルク入力→フロントカバー500→第1ハブ604→K1トルク出力という経路になる。
K2のトルク伝達は、図7(b)のように、K2トルク入力→フロントカバー500→リアカバー300→内側ドラム701→第2ハブ704→K2トルク出力という経路になる。
従って、この構造であると、発進クラッチを兼ねる第1クラッチが発進時の大きなトルク、及び低速時のエンジン回転振動を伝達しなければならないという従来の問題が解決されることになる。
K2のトルク伝達は、図7(b)のように、K2トルク入力→フロントカバー500→リアカバー300→内側ドラム701→第2ハブ704→K2トルク出力という経路になる。
従って、この構造であると、発進クラッチを兼ねる第1クラッチが発進時の大きなトルク、及び低速時のエンジン回転振動を伝達しなければならないという従来の問題が解決されることになる。
本考案は、上記特許文献3の改良された湿式デュアルクラッチパック100の構造を元にして説明されるが、従来の構造においても、クラッチパック自体の外形はほぼ同じであるから、本考案との関係では、図4の構造と図6の構造の間に違いはなく、本考案は、いずれにも適用可能である。
湿式クラッチパックは、車両のトランスミッションケース内に収納されるが、トランスミッションケース内には、オイルが注入されているので、オイルの粘性により、引き摺りトルクが発生する。
湿式クラッチパック内での引き摺りトルクの低減については様々な改良がなされているが、引き摺りトルクは、クラッチパック内だけではなくクラッチパック外面でも生じ、貴重な駆動力を浪費するという問題があった。
本考案は、エンジン側につながるフロントカバーとギアボックス側に配置されるリアカバーとを有し、トランスミッションケース内に収納される湿式クラッチパックにおいて、
前記フロントカバー及び/又はリアカバー表面に、径方向又は傾斜径方向にオイル案内溝を設けたことを特徴とする湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造により、前記課題を解決した。
前記フロントカバー及び/又はリアカバー表面に、径方向又は傾斜径方向にオイル案内溝を設けたことを特徴とする湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造により、前記課題を解決した。
本考案によれば、湿式クラッチパックのフロントカバー及び/又はリアカバー表面に設けたオイル案内溝により、トランスミッションケースとの間の狭い流路において、遠心力によるオイルの排出が促進されることにより、引き摺りトルクを低減することができる。
以下、図1及至図3を参照して、本考案の実施形態を説明する。
図1は本考案を適用した湿式デュアルクラッチパックをトランスミッションケースに収納した状態における軸方向断面図、図2は、本考案の湿式クラッチパックの左側面図、図3は、本考案の湿式クラッチパックの右側面図である。
図1において、トランスミッションケースは、左側のトランスミッションケース本体20と右側のトランスミッションカバー50からなり、トランスミッションカバー50は、シール65を介在させて、スナップリング60で、抜け止めされてトランスミッションケース本体20に固定される。
図1は本考案を適用した湿式デュアルクラッチパックをトランスミッションケースに収納した状態における軸方向断面図、図2は、本考案の湿式クラッチパックの左側面図、図3は、本考案の湿式クラッチパックの右側面図である。
図1において、トランスミッションケースは、左側のトランスミッションケース本体20と右側のトランスミッションカバー50からなり、トランスミッションカバー50は、シール65を介在させて、スナップリング60で、抜け止めされてトランスミッションケース本体20に固定される。
リアカバー300の表面の、軸方向に最も膨らんでいる箇所(膨大部)である段部350(図6参照)の表面に、図2に示すように、放射状に、オイル案内溝310を設けた。この溝の本数及び間隔は特に限定されないが、本実施形態では、15°間隔に配置した5本の溝を、60°おきに3箇所、合計15本設けた。
同様に、フロントカバー500には、軸方向における膨大部550(図6参照)に、図3に示すように、軸芯から延ばした線に対して回転方向に30°ずらせて、オイル案内溝510を等間隔に20本設けた。請求項において、「傾斜径方向」というのは、このような意味である。
このオイル案内溝510は、回転方向Rに対して逆らう方向に傾けられていることにより、放射状に配置された溝よりも効率よくオイルを取込み、遠心力により、効率良くオイルを排出することができる。
なお、オイル案内溝510の数、間隔及び溝の傾きの角度等は、この具体例に限定されないのは、当然である。
このオイル案内溝510は、回転方向Rに対して逆らう方向に傾けられていることにより、放射状に配置された溝よりも効率よくオイルを取込み、遠心力により、効率良くオイルを排出することができる。
なお、オイル案内溝510の数、間隔及び溝の傾きの角度等は、この具体例に限定されないのは、当然である。
これらのオイル案内溝により、狭い間隔をおいて相対的に回転するトランスミッションケースとクラッチパックの間でオイルが流れやすくなり、その結果、引き摺りトルクを低減させることができる。
また、トランスミッションケースには何も加工する必要がないので、本考案を適用したクラッチパックを、従来のトランスミッションケースにそのまま搭載することが可能である。
なお、オイル案内溝を設ける箇所は、軸方向膨大部が存在しない場合は、表面全体であってもよい。
また、トランスミッションケースには何も加工する必要がないので、本考案を適用したクラッチパックを、従来のトランスミッションケースにそのまま搭載することが可能である。
なお、オイル案内溝を設ける箇所は、軸方向膨大部が存在しない場合は、表面全体であってもよい。
20:トランスミッションケース本体
50:トランスミッションケースカバー
300:リアカバー
500:フロントカバー
310:オイル案内溝
350:膨大部
510:オイル案内溝
550:膨大部
50:トランスミッションケースカバー
300:リアカバー
500:フロントカバー
310:オイル案内溝
350:膨大部
510:オイル案内溝
550:膨大部
Claims (2)
- エンジン側につながるフロントカバーとギアボックス側に配置されるリアカバーとを有し、トランスミッションケース内に収納される湿式クラッチパックにおいて、
前記フロントカバー及び/又はリアカバー表面に、径方向又は傾斜径方向にオイル案内溝を設けたことを特徴とする、
湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造。 - 前記オイル案内溝が前記フロントカバー及び/又はリアカバーの軸方向膨大部表面に形成されている、請求項1の湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造。
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---|---|---|---|
JP2006007551U JP3127350U (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | 湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006007551U JP3127350U (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | 湿式クラッチパックの引き摺りトルク低減構造 |
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