JP3126499U - 調理器具用取っ手 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で、製造しやすく、取っ手の方向調整が可能、さらには取っ手を360°回転可能でかつ所定の回転位置で係止可能であり、紛失しにくい調理器具用取っ手を提供する。
【解決手段】360°回転可能で、かつ、所定の回転位置で係止可能な鍋蓋用取っ手であって、取っ手台座1の下部には、中空部13が設けられているとともに当該中空部13の上に貫通孔15が設けられており、取っ手本体2の下端部21が、貫通孔15中に挿入されるとともに連結部材5でリテーナ4と接続されることにより、当該取っ手本体2の下端部21は貫通孔15の中で回転可能に保持され、貫通孔15の中には、少なくとも1つ以上のばね板3が設けられ、当該ばね板3は取っ手本体2の下端部21の側面に押し当てられている。
【選択図】図1

Description

本考案は、キッチンで使われる調理器具、特に調理器具の蓋に関する。
従来、キッチンで使われている調理器具(例えばフライパン、鍋、蓋、など)はほとんど調理器具本体と、調理器具本体に取付ける取っ手とからなる基本的な2つの部分を含んでおり、しかも一般的には取っ手が調理器具本体に締結されている。そして、このような調理器具では、その長さに起因する不便が色々と生じる場合があった。例えば、出荷する際の荷作りが困難となること、運輸や据置きの際、取っ手の方向が調整できなくてスペースが無駄になること等の不便が生じる場合があった。また、調理中、調理器具の蓋は高温になるため直接手で取れば火傷しやすい。さらに、調理器具の蓋を置くための専用ホルダーが必要となるため取り扱いが面倒であるとともに、調理器具の蓋が汚れやすい。このため、取っ手を取り外せるタイプの調理器具や取っ手を折り畳めるタイプの調理器具がたくさん出てきている。
例えば、下記の特許文献1には、取っ手を取り外せるタイプの容器が開示されている。その構造の特徴は下記の通りである。すなわち、取っ手の一端にジョイントがあり、そのジョイントは容器の表に固定されたスリーブの凹溝の大きさに適合する。そして、スリーブには中空の丸穴が設けられている。ジョイントは、スリーブの凹溝内に嵌め込まれ、ジョイントとスリーブとが固定的に接続されている。
また、下記の特許文献2には、取外し及び取付けタイプの携帯取っ手が開示されている。この携帯取っ手は、本体と、本体に設けられたスライドタイプのクランプと、本体に締結された回転可能なレバーとを含んでいる。そして、この携帯取っ手では、クランプにラックが設けられているとともに、レバーにそのラックと噛み合う歯車が設けられている。本体には、弾圧部材が設けられており、この弾圧部材は本体に収納されたレバー及びクランプに作用する。そして、クランプには係合溝が設けられるとともに、本体にはクランプが本体内にスライドして入り込んだ時にその係合溝と係合する係合部材が設けられている。
中国実用新案200420066461.0号公報 中国実用新案02227591.6号公報
上記特許文献1及び特許文献2に開示された取っ手では、取り外しが可能であることに起因して、ある程度収納と据置の問題を解決可能であるが、まだ次のような問題点がある。すなわち、調理器具を使わない時には調理器具本体から取っ手が取外されて、調理器具本体と取っ手とが別々に据置かれたり収納されたりすることになるため、長時間使わないと、取っ手をどこかに忘れたり、紛失する虞がある。さらに、上記特許文献1及び特許文献2に開示された構造では、取っ手の方向を回転調整することが出来ない。また、上記特許文献1に開示された取っ手の取付け及び取外しはジョイントとスリーブとによって行われるので、構造が簡単で加工は容易であるが、長期間使った後はジョイントが摩損しやすい。その結果、ジョイントをスリーブに嵌め込みにくくなるため使いにくくなる。また、上記特許文献2に開示された取っ手の取付け及び取外しはクランプによって行われるので、長持ちはするが、取っ手の内部構造が複雑となるため部品加工が難しい。もう1つ言うべきことは、先行技術では、調理器具の蓋に付ける取っ手に関するものは開示されていないので、上記した蓋使用時に生じる色々な不便が解決されていない。
本考案は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、構造が簡単で、製造しやすく、取っ手の方向調整が可能、さらには取っ手を360°回転可能でかつ所定の回転位置で係止可能であり、紛失しにくい調理器具用取っ手を提供することである。
上記目的を達成するために、本考案による調理器具用取っ手は、360°回転可能で、かつ、所定の回転位置で係止可能な調理器具用取っ手であって、調理器具本体に取付ける台座と、取っ手本体とを含み、前記台座の下部には、中空部が設けられているとともに当該中空部の上に貫通孔が設けられており、前記取っ手本体の下端部が、前記貫通孔中に挿入されるとともに連結部材でリテーナと接続されることにより、当該取っ手本体の下端部は前記貫通孔の中で回転可能に保持され、前記貫通孔の中には、少なくとも1つ以上のばね板が設けられ、当該ばね板は前記取っ手本体の下端部の側面に押し当てられている。
上記調理器具用取っ手において、前記ばね板は、前記貫通孔の中に2つ設けられているとともに、それらが対称的に配置され、前記2つのばね板の中央部は、それぞれ前記取っ手本体の下端部の両側面に押し当てられる円弧面状に形成され、前記2つのばね板の両端は、それぞれ前記貫通孔の隅に当接する円弧状の支え足となっていることが好ましい。このように構成すれば、調理器具用取っ手の構造を簡易かつ実用的なものとすることができる。また、ばね板による力受けがより均等となるとともに、調理器具用取っ手の作動がより安定し、かつ使用寿命が長くなる。
また、上記調理器具用取っ手において、前記取っ手本体の下端部の軸方向に垂直な断面が矩形状、例えば正方形或いは長方形に形成されていることが好ましい。この構造では、ばね板との係合により取っ手本体を90°毎に回転させて係止することができるので、とても使いやすく、調理器具用取っ手の構造を簡易かつ実用的なものとすることができる。
また、前記取っ手本体の下端部には段差部が設けられており、前記取っ手本体の下端部は前記台座の貫通孔に挿入されてその貫通孔中で位置決めされているので、取っ手本体の位置を固定するのに役立つ。
また、前記連結部材をボルト、ねじ又はリベットのいずれかであるようにすれば、簡易かつ実用的で、コストも低減することができる。
また、前記台座の下面に接続部が当該台座と一体に設けられているとともに、当該接続部には取付孔が設けられており、前記接続部は、前記取付孔に通したねじで前記調理器具本体に締結されているように構成すれば、台座を安定して固定するのに役立つ。
最後に、前記取っ手本体は丸みを帯びた略L字状に形成され、当該取っ手本体の前記台座と反対側の端部を前記調理器具本体の縁部に接近させることが可能に構成されているので、取っ手を利用して調理器具を卓上に容易に立てて置くことができ、より使いやすくなる。
現有技術と比べれば、本考案による効果は下記の通りである。本考案により、取っ手を調理器具本体に対して360°自由に回転させることができるとともに、所定の回転位置で安定に係止することができるので、取っ手付の調理器具の運輸、収納及び据置に関する問題を良好に解決できる。また、取っ手を調理器具や調理器具の蓋本体と別々に保管することがないので、取っ手を落としたり忘れたりすることが避けられる。本考案を調理器具の蓋に適用する場合には、調理中に取っ手を持って蓋を取れば手を火傷するほど熱くない。蓋を取った後、取っ手を回転させて蓋を適切な場所に立てて置けば蓋の汚れを減らすことができるとともに、蓋を置くための専用ホルダを用意する必要もない。また、ばね板と取っ手本体の下端部との係合によって、全体構造が簡易合理で、部品加工を容易なものとすることができるとともに、組み付けを素早く行うことができる。また、原価をかなり低減できるとともに、作動の安定性を確保することができる。
以下、添付図を参照して本考案の実施例について詳しく説明する。
図1は本考案の実施例に係る鍋蓋構造の断面図、図2は本考案の実施例による鍋蓋取っ手の局部構造の分解図である。図3は、図4に示す鍋蓋取っ手のA−A線に沿った断面図、図4は本考案の実施例による鍋蓋取っ手の上向き図である。
図1〜図3に示すように、本実施例に係る鍋蓋は360°回転可能で、かつ、所定の回転位置で係止可能な取っ手付の鍋蓋であって、鍋蓋本体6(調理器具本体)、鍋蓋本体6に接続する取っ手台座1(台座)、取っ手本体2、リテーナ4、ばね板3、連結部材5などの部品を含む。取っ手台座1の下部には、中空部13が開口されているとともに、中空部13の上に貫通孔15が設けられている。そして、中空部13と貫通孔15の断面は階段状となっている。また、取っ手台座1の下面の中空部13を挟んだ両側に接続部11(図4参照)がそれぞれ設けられている。この接続部11は、樹脂プレス工程によって取っ手台座1と一体に設けられている。そして、接続部11には取付孔12がいくつか開けられており、この取付孔12を通してねじ又はリベットで接続部11が鍋蓋本体6に対して締結されることにより、取っ手台座1が鍋蓋本体6に締結されている。
また、一つのリテーナ4が取っ手台座1の中空部13内にセットされている。このリテーナ4の中央にはセンター穴が設けられている。取っ手本体2は、丸みを帯びた略L字形に形成されており、握りやすくなっている。取っ手本体2の下端部21には段差部22が形成されているとともに、下端部21の下面の中央にはねじ穴が設けられている。そして、取っ手本体2の下端部21が取っ手台座1の貫通孔15に挿入されるとともに、その貫通孔15中で位置決めされている。そして、連結部材5としてのボルトがリテーナ4のセンター穴を通じて取っ手本体2の下端部21のねじ穴と螺合している。これにより、リテーナ4が取っ手本体2の下端部21と接続し、貫通孔15と中空部13の中で取っ手本体2の下端部21とリテーナ4とが一緒に回転するとともに、そこで保持されるようになっている。
取っ手台座1の貫通孔15中の両側には、ばね板3がそれぞれ設けられている。2つのばね板3はそれぞれ略C字形状に形成されており、取っ手本体2の下端部21の両側に対称的に配設されている。ばね板3の中央は円弧面32として形成されており、2つのばね板3の円弧面32が取っ手本体2の下端部21の両側面にそれぞれ押し当てられることにより取っ手本体2の下端部21が両側から押圧されている。ばね板3の両端はそれぞれ支え足31となっており、そのそれぞれが貫通孔15の隅に対して支えている。これにより、ばね板3が貫通孔15中に固定されると同時にばね板3が取っ手本体2と係合して動作するようになっている。また、リテーナ4による抜止め作用によって、取っ手本体2の下端部21は取っ手台座1の中空部13から外れないようになっている。
また、略L字形の取っ手本体2は、その取っ手台座1と反対側の端部が鍋蓋本体6の縁部に接近するように回動可能となっており、鍋蓋を卓上に立てて置く場合に便利である。また、取っ手本体2の下端部21の軸方向に垂直な断面を矩形状、例えば正方形或いは長方形に形成することにより、ばね板3の作用で取っ手本体2を90°毎に回転させて係止することができ、とても便利に使用することができる。
また、本実施例は鍋蓋に適用するものであるが、鍋本体などの他の取っ手付の調理器具にも適用することができる。本実施例による取っ手の使用時には、取っ手本体2の上端を持って操作し、360°全方位に回転させるか或いは90°回転する毎に容易に係止することができる。本実施例を鍋蓋に適用する場合には、取っ手本体2を側面位置に廻した時に鍋蓋を卓上に立てて置くことができる(図5〜図7参照)。
なお、上記実施例が取っ手回転機構の最善の実施例を公開することは、本考案の保護範囲を制限する意味ではなく、同じ或いは類似的な技術手法による置き替えによって取っ手の回転を実現する限り、本考案の保護範囲に含まれることは言うまでもない。
本考案の実施例に係る鍋蓋構造の断面図である。 本考案の実施例による鍋蓋取っ手の局部構造の分解図である。 図4に示す鍋蓋取っ手のA−A線に沿った断面図である。 本考案の実施例による鍋蓋取っ手の上向き図である。 本考案の実施例による鍋蓋の使用状態を示した第1の図である。 本考案の実施例による鍋蓋の使用状態を示した第2の図である。 本考案の実施例による鍋蓋の使用状態を示した第3の図である。
符号の説明
1 取っ手台座(台座)
2 取っ手本体
3 ばね板
4 リテーナ
5 連結部材
6 鍋蓋本体(調理器具本体)
11 接続部
13 中空部
15 貫通孔
21 下端部
22 段差部
31 支え足

Claims (7)

  1. 360°回転可能で、かつ、所定の回転位置で係止可能な調理器具用取っ手であって、
    調理器具本体に取付ける台座と、
    取っ手本体とを含み、
    前記台座の下部には、中空部が設けられているとともに当該中空部の上に貫通孔が設けられており、
    前記取っ手本体の下端部が、前記貫通孔中に挿入されるとともに連結部材でリテーナと接続されることにより、当該取っ手本体の下端部は前記貫通孔の中で回転可能に保持され、
    前記貫通孔の中には、少なくとも1つ以上のばね板が設けられ、当該ばね板は前記取っ手本体の下端部の側面に押し当てられている、調理器具用取っ手。
  2. 前記ばね板は、前記貫通孔の中に2つ設けられているとともに、それらが対称的に配置され、
    前記2つのばね板の中央部は、それぞれ前記取っ手本体の下端部の両側面に押し当てられる円弧面状に形成され、前記2つのばね板の両端は、それぞれ前記貫通孔の隅に当接する円弧状の支え足となっている、請求項1に記載の調理器具用取っ手。
  3. 前記取っ手本体の下端部の軸方向に垂直な断面が矩形状に形成されている、請求項1又は2に記載の調理器具用取っ手。
  4. 前記取っ手本体の下端部には段差部が設けられており、前記取っ手本体の下端部が前記台座の貫通孔に挿入されてその貫通孔中で位置決めされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の調理器具用取っ手。
  5. 前記連結部材は、ボルト、ねじ又はリベットのいずれかである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の調理器具用取っ手。
  6. 前記台座の下面に接続部が当該台座と一体に設けられているとともに、当該接続部には取付孔が設けられており、
    前記接続部は、前記取付孔に通したねじで前記調理器具本体に締結されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の調理器具用取っ手。
  7. 前記取っ手本体は丸みを帯びた略L字状に形成され、当該取っ手本体の前記台座と反対側の端部を前記調理器具本体の縁部に接近させることが可能に構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の調理器具用取っ手。
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