JP3126488B2 - 回路遮断器の電流検出装置 - Google Patents

回路遮断器の電流検出装置

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JP3126488B2
JP3126488B2 JP04144128A JP14412892A JP3126488B2 JP 3126488 B2 JP3126488 B2 JP 3126488B2 JP 04144128 A JP04144128 A JP 04144128A JP 14412892 A JP14412892 A JP 14412892A JP 3126488 B2 JP3126488 B2 JP 3126488B2
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孝信 田中
秀夫 久本
厚生 木村
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回路遮断器の電流検
出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来例(たとえば特開昭62-163238 号)
は、図6に示すように、バイメタル板100の反り側に
電磁石装置101を配置していた。また電磁石装置10
1はコイル102,ヨーク103,プランジャ104お
よび復帰ばね105により構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この回路遮断
器の電流検出装置は、電磁石装置101の構造が複雑で
あるとともに、バイメタル板100が板厚方向に長く、
しかも電磁石装置101がバイメタル板100の反り側
に配置されておりバイメタル板100の反りのためのス
ペースが必要であるため、バイメタル板100の板厚方
向の全体の寸法が大きくなる欠点があった。
【0004】また電磁石装置がバイメタル板に対して直
交する方向に作動するものがあったが、作動するための
スペースが必要であり、大型化した。したがって、この
発明の目的は、構成が簡単でしかも小型化を図ることが
できる回路遮断器の電流検出装置を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の回路遮断器の
電流検出装置は、加熱によって厚み方向に反るバイメタ
ル板と、このバイメタル板の前記反る側と反対側に位置
して前記バイメタル板の厚み方向に電流経路をもつ電路
部を有する電路導体と、前記バイメタル板の前記反る側
と反対側で前記電路導体の前記電路部の片側に配置され
て前記電路導体に流れる電流により発生する磁束を通す
固定磁性体と、前記電路導体を間にして前記固定磁性体
と反対側に配置され前記電路導体を流れる電流により発
生する磁束により前記固定磁性体に吸引されて前記バイ
メタル板の板面に平行に回動する可動磁性体と、この可
動磁性体を復帰付勢する復帰ばねと、前記電路導体を通
す切欠を有して前記可動磁性体を回動自在に支持しかつ
前記固定磁性体を固定するケースとを備え、前記可動磁
性体の回動中心部を前記固定磁性体に略密着したもので
ある。
【0006】請求項2の回路遮断器の電流検出装置は、
前記請求項1記載の前記可動磁性体の前記回動中心部を
前記固定磁性体に略密着することに代えて、前記可動磁
性体の前記回動中心部と前記固定磁性体との間に短い空
隙を設けたものである。
【0007】
【作用】請求項1の回路遮断器の電流検出装置によれ
ば、電路に過電流が流れたときはバイメタル板が加熱さ
れるのでバイメタル板が反るように動作する。電路に短
絡電流等の異常電流が流れたときは電路導体の回りに発
生する磁束が固定磁性体および可動磁性体に流れて可動
磁性体を固定磁性体に吸引するが、その吸引力が復帰ば
ねのばね力よりも大きくなったとき可動磁性体が回動す
る。
【0008】この場合、電路導体の回りに発生する磁束
に可動磁性体を吸引させる構成のため構造が簡単であ
る。また可動磁性体および固定磁性体をバイメタル板の
反る側と反対側に配置するとともに可動磁性体がバイメ
タル板の板面に平行に回動するため、バイメタル板の板
厚方向の寸法を著しく小さくでき小型化を図ることがで
き、しかも可動磁性体が直線動作するものと比較して垂
直・水平方向の耐振動性が向上する。さらに可動磁性体
の回動中心部が固定磁性体に略密着しており、固定磁性
体と可動磁性体とが1空隙となるため高感度になる。
【0009】請求項2の回路遮断器の電流検出装置によ
れば、前記請求項1記載の前記可動磁性体の前記回動中
心部を前記固定磁性体に略密着することに代えて、前記
可動磁性体の前記回動中心部と前記固定磁性体との間に
短い空隙を設けたため、請求項1の作用のほか、可動磁
性体のストロークを変えることなく前記空隙の大きさの
設定により感度調整が簡単になる。
【0010】
【実施例】この発明の第1の実施例を図1および図2に
より説明する。すなわち、この回路遮断器の電流検出装
置は、バイメタル板1と、電路導体2と、可動磁性体3
と、固定磁性体6と、復帰ばね15を有する。バイメタ
ル板1は、加熱によって厚み方向に反り動作するもので
ある。実施例では傍熱形であり、L字板形に折曲された
ヒータ板4の内側面の屈曲側にバイメタル板1の基端部
を溶接により固定し、ヒータ板4より延び出した先端部
にギャップ調整ねじ5を設けている。このバイメタル板
1はヒータ板4から離れる方向に反るようにヒータ板4
に取付けられている。そしてヒータ板4の両端部が電路
形成のための接続部19,20となり、接続部19,2
0間にヒータ板4に電流が流れると、ヒータ板4の発熱
によりバイメタル板1が加熱され、バイメタル板1が反
り動作するが、過電流のときのバイメタル板1の反り動
作を検出動作とする。
【0011】電路導体2は、バイメタル板1の厚み方向
反る側と反対側に位置してバイメタル板1の厚み方向
に電流経路をもつ電路部を有する。すなわち、実施例で
は端子9のヒータ板4への接続部を実施例とするもの
で、端子9とその接続部となる電路導体2とをバイメタ
ル板1に平行な板部13を介して略Z字形に折曲し、電
路導体2の先端折曲部18をヒータ板4の接続部19の
バイメタル板1と反対側の面に溶接により取付けてい
る。21は端子ねじ孔、24はばね受け突起(図2)で
ある。したがって、電路は端子9、板部13、電路導体
2、ヒータ板4の接続部19,20の経路で流れる。
【0012】固定磁性体6は、バイメタル板1の厚み方
向の反る側と反対側で電路導体2の電路部の片側に配置
されて電路導体2に流れる電流により発生する磁束を通
すものである。実施例では端子9の板部13とヒータ板
4との間の電路導体2の電路部の長さに相当するすき間
に遊挿される厚さを有する鉄製平板により形成され、電
路導体2に嵌合する凹部12を有し、また両側に固定用
の爪14を設けている。
【0013】可動磁性体3は、電路導体2を間にして固
定磁性体6と反対側に配置され電路導体2を流れる電流
により発生する磁束により固定磁性体6に吸引されてバ
イメタル板1の板面に平行に回動する。実施例では可動
磁性体3は固定磁性体6と同程度の厚さの鉄製平板に形
成されている。また可動磁性体3の固定磁性体6に対向
する縁部の中央位置に凹部10を形成し、凹部10にば
ね受け突起11を形成するとともに、その縁部の一端を
固定磁性体6に略密着する回動中心部33とし、回動中
心部33を中心とする曲率半径で前記縁部と反対側に円
弧状縁部34を形成している。
【0014】可動磁性体3および固定磁性体6は凹部1
0,12に電路導体2を介在した状態でこれらをケース
8に収納している。ケース8は端子9とヒータ板4との
間に挿入可能な大きさを有し、開口部22に電路導体2
を通す切欠部23を形成し、底部に可動磁性体3の回動
中心部33を中心とする円弧状縁部34の曲率半径とほ
ぼ同じ曲率半径の円弧状摺動面35を形成し、可動磁性
体3の回動時に円弧状縁部34が円弧状摺動面35を摺
動できるようにしている。さらにケース8の両側面の開
口部22の近傍に固定磁性体6の爪14を係止するため
の係止孔16を形成している。
【0015】復帰ばね15は、可動磁性体3を復帰付勢
するものである。実施例ではコイルばねを実施例とし、
両端を電路導体2と可動磁性体3のばね受け突起11,
24に係止している。この復帰ばね15は、電路導体2
に検出電流が流れたときに復帰ばね15に抗して可動磁
性体3を吸引できるばね力にばね力が設定される。組み
立ては、可動磁性体3をまずケース8内に挿入し、凹部
10内に復帰ばね15の一端を挿入するとともに、ケー
ス8の切欠部23を電路導体2に嵌合し、復帰ばね15
の他端を電路導体2のばね受け突起24に係止する。さ
らに電路導体2の上から固定磁性体6をケース8内に挿
入し、凹部12に電路導体2を嵌合するとともに、固定
磁性体6の爪14を係止孔16に係止し、これにより可
動磁性体3の回動中心部33が固定磁性体6に略密着す
る。この場合、可動磁性体3の固定磁性体6に対向する
縁部の回動端部33と反対側の動作端部36に薄板の検
出片7の屈曲下端部37を載せ、固定磁性体6の側面と
ケース8の内面との間を通って開口部22に延出し先端
の押圧部17を開口部22より突出している。
【0016】図2において、25は押圧部17の動作に
より押圧されるトリップリンクの押圧受け部である。こ
の実施例によれば、電路に過電流が流れたときはバイメ
タル板1が加熱されるのでバイメタル板1が反るように
動作する。電路に短絡電流等の異常電流が流れたときは
電路導体2の回りに発生する磁束が固定磁性体6および
可動磁性体3に流れて可動磁性体3を固定磁性体6に吸
引するが、その吸引力が復帰ばね15のばね力よりも大
きくなったとき可動磁性体3の回動中心部33を支点に
固定磁性体6に支持されて回動し、図2の実線から想像
線の状態に移動し、検出片7の押圧部17が押圧受け部
25を押動する。
【0017】この場合、電路導体2の回りに発生する磁
束に可動磁性体3を吸引させる構成のため構造が簡単で
ある。また可動磁性体3および固定磁性体6をバイメタ
ル板1の反る側と反対側に配置するとともに可動磁性体
3がバイメタル板1の板面に平行に回動するため、バイ
メタル板1の板厚方向の寸法を著しく小さくでき小型化
を図ることができ、しかも可動磁性体3が直線動作する
ものと比較して垂直・水平方向の耐振動性が向上する。
さらに可動磁性体3の回動中心部33が固定磁性体6に
略密着しており、固定磁性体6と可動磁性体3とが1空
隙となるため高感度になる。
【0018】また可動磁性体3の回動中心部33を中心
とする曲率半径の円弧状縁部34を形成し、ケース8に
同じ曲率半径の円弧状摺動面35を形成し、可動磁性体
3および固定磁性体6をケース8に収納することにより
回動中心部33が固定磁性体6に略密着し、可動磁性体
3が固定磁性体6の吸引力により回動できるので、回動
中心軸が不要になり、組み立て容易でしかも可動磁性体
3の回動運動が円滑にできる。
【0019】図3および図4は、この電流検出装置を漏
電検出部を有する3極の回路遮断器に適用したものであ
る。26は押圧受け部25を有する連動バーを兼ねたト
リップリンクであり、バイメタル板1の自由端よりも基
端側で軸27により軸支されており、押圧部17は突き
上げによって押圧受け部25を作動している。28はト
リップリンク26に設けたバイメタル押圧受け部であ
る。29はラッチリンク30のラッチ片であり、トリッ
プリンク26の回動に連動して動作する。31は漏電検
出用の零相変流器であり、電流検出装置のバイメタル板
1の反り側に配置されている。32は端子ねじ孔21に
ねじ込められる端子ねじ、50は零相変流器31を貫通
する電路の可撓電線である。漏電遮断器のその他の構成
は公知(たとえば特開昭62-163238 号)であるので詳細
を省略する。
【0020】この発明の第2の実施例を図5により説明
する。すなわち、この回路遮断器の電流検出装置は、第
1の実施例において、可動磁性体3の回動中心部33と
固定磁性体6との間に短い空隙37を形成したものであ
る。この短い空隙37はケース8の大きさ、固定磁性体
6の電路導体2に被せる凹部12の深さを小さくする等
により決まり、この空隙37の設定により復帰ばね15
とともに可動磁性体3を固定磁性体6に吸引動作させる
電路導体2の検出電流が変化し、検出感度を容易に調整
できることとなる。しかも、可動磁性体3のストローク
が変わらないので押圧受け部25に対する位置関係を変
える必要がない。
【0021】なお、前記第1の実施例はケース8に固定
磁性体6および可動磁性体3が収納されることにより、
可動磁性体3の回動中心部33が固定磁性体6に略密着
するようにしたが、軸を設けて可動磁性体3を軸支して
もよいし、回動中心部33を固定磁性体6に回動自在に
連結してもよい。またバイメタル板1はヒータ板4を用
いた傍熱型であったが、バイメタル板1にも電流を通す
傍直熱型にしたり、ヒータ板4を導電板に代えてバイメ
タル板1のみに電流を通す直熱型にしてもよい。
【0022】
【発明の効果】請求項1の回路遮断器の電流検出装置に
よれば、電路導体の回りに発生する磁束に可動磁性体を
吸引させる構成のため構造が簡単である。また可動磁性
体および固定磁性体をバイメタル板の反る側と反対側に
配置するとともに可動磁性体がバイメタル板の板面に平
行に回動するため、バイメタル板の板厚方向の寸法を著
しく小さくでき小型化を図ることができ、しかも可動磁
性体が直線動作するものと比較して垂直・水平方向の耐
振動性が向上する。さらに可動磁性体の回動中心部が固
定磁性体に略密着しており、固定磁性体と可動磁性体と
が1空隙となるため高感度になるという効果がある。
【0023】請求項2の回路遮断器の電流検出装置によ
れば、前記請求項1記載の前記可動磁性体の前記回動中
心部を前記固定磁性体に略密着することに代えて、前記
可動磁性体の前記回動中心部と前記固定磁性体との間に
短い空隙を設けたため、請求項1の効果のほか、可動磁
性体のストロークを変えることなく前記空隙の大きさの
設定により感度調整が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の分解斜視図である。
【図2】その組み立て状態の断面図である。
【図3】回路遮断器の部分断面側面図である。
【図4】回路遮断器の部分切欠平面図である。
【図5】第2の実施例の断面図である。
【図6】従来例の斜視図である。
【符号の説明】
1 バイメタル板 2 電路導体 3 可動磁性体 6 固定磁性体 15 復帰ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−89575(JP,U) 特公 昭63−22007(JP,B1) 実公 昭37−15359(JP,Y1) 実公 昭41−20359(JP,Y1) 実公 昭47−42294(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 71/40 H01H 73/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱によって厚み方向に反るバイメタル
    板と、このバイメタル板の前記反る側と反対側に位置し
    て前記バイメタル板の厚み方向に電流経路をもつ電路部
    を有する電路導体と、前記バイメタル板の前記反る側と
    反対側で前記電路導体の前記電路部の片側に配置されて
    前記電路導体に流れる電流により発生する磁束を通す固
    定磁性体と、前記電路導体を間にして前記固定磁性体と
    反対側に配置され前記電路導体を流れる電流により発生
    する磁束により前記固定磁性体に吸引されて前記バイメ
    タル板の板面に平行に回動する可動磁性体と、この可動
    磁性体を復帰付勢する復帰ばねと、前記電路導体を通す
    切欠を有して前記可動磁性体を回動自在に支持しかつ前
    記固定磁性体を固定するケースとを備え、前記可動磁性
    体の回動中心部を前記固定磁性体に略密着した回路遮断
    器の電流検出装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の前記可動磁性体の前
    記回動中心部を前記固定磁性体に略密着することに代え
    て、前記可動磁性体の前記回動中心部と前記固定磁性体
    との間に短い空隙を設けた回路遮断器の電流検出装置。
JP04144128A 1992-06-04 1992-06-04 回路遮断器の電流検出装置 Expired - Lifetime JP3126488B2 (ja)

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