JP3126119B2 - 磁気泳動型表示装置 - Google Patents
磁気泳動型表示装置Info
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- JP3126119B2 JP3126119B2 JP11023588A JP2358899A JP3126119B2 JP 3126119 B2 JP3126119 B2 JP 3126119B2 JP 11023588 A JP11023588 A JP 11023588A JP 2358899 A JP2358899 A JP 2358899A JP 3126119 B2 JP3126119 B2 JP 3126119B2
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Description
表示装置内に封入した磁性粒子を磁気泳動させ、何らか
の表示を行う磁気泳動型表示装置に関する。
報、特開昭52−30196号公報、実開昭55−25
934号公報に示す磁気泳動型表示装置が従来から知ら
れている。このような磁気泳動型表示装置では、表面パ
ネルシートおよび背面パネルシートの間の密封空間を多
数のセルに分割し、各セル内に磁性粒子および白色流体
を含む分散液体を封入してある。表面パネルシートの外
面に記録用磁気部材などを接触させて移動させることに
より、そのペンが移動した軌跡に対応するセル中に封入
してある分散液体中の磁性粒子が、ペンの磁界作用によ
り底部より表面パネルシート側に磁気泳動する。その結
果、透明な表面パネルシートの外面には、白色流体と磁
性粒子とのコントラストの差異により何らかの表示が行
われる。
面パネルシートの外面に良好な画像表示を得るために、
磁気泳動型表示装置内に封入する分散液体中の磁性粒子
の諸条件が記載されている。
ネルシートの外面に良好な画像表示、特に、セル毎の境
界部(バウンダリー部)での表示切れをなくし、表示画
像のコントラストおよび表示画像の解像性を向上させる
ためには、磁性粒子の諸条件を特定するのみでは足らな
いことが本発明者等により見出された。
れ、表示面に良好な画像表示、特に、セル毎の境界部
(バウンダリー部)での表示切れをなくし、表示画像の
コントラストおよび表示画像の解像性を向上させること
ができる磁気泳動型表示装置を提供することを目的とす
る。
を達成するために鋭意検討した結果、表面パネルシート
および背面パネルシートとの間の密封空間の厚み、磁性
粒子の諸条件、分散液体中における磁性粒子の含有割合
などを、総合的に所定の関係に維持させることにより初
めて、セル毎の境界部(バウンダリー部)での表示切れ
をなくし、表示画像のコントラストおよび表示画像の解
像性を向上させることができることを見出し、本発明を
完成させるに至った。
置は、透明な表面パネルシートと、前記表面パネルに対
して間に密封空間が形成されるように配置された背面パ
ネルシートと、前記表面パネルシートおよび背面パネル
シートの間に具備され、厚みが0.8〜1.5mmの前
記密封空間を多数のセルに仕切る仕切り部材と、前記仕
切り部材により仕切られた各セルの内部に封入される磁
性粒子を含有する分散液体とを有する磁気泳動型表示装
置であって、前記磁性粒子は、60〜90重量%の磁性
体と、10〜40重量%の合成樹脂および/または着色
剤とを含有し、磁性粒子の平均粒子サイズが、50〜2
00μmであり、しかも、磁性粒子に対する印加磁界が
200×79(A/m)の時の磁性粒子の磁化が8.0
×4π×10 −3 (m 3 /kg)以上であり、磁性粒子
に対する印加磁界が500×79(A/m)の時の磁性
粒子の磁化が20.0×4π×10 −3 (m 3 /kg)
以上であり、前記分散液体が、80〜90重量%の白色
流体と、10〜20重量%の磁性粒子とを含有し、前記
白色流体が、酸化チタン、および酸化珪素を少なくとも
含み、前記白色流体の全重量を100重量%とし、前記
白色流体中の酸化チタンの重量%をCとし、酸化珪素の
重量%をDとした場合に、重量比C/Dが、1≦C/D
≦2.5の関係にあり、且つ、3.0重量%≦C+D≦
6.0重量%であることを特徴とする。
は、特に限定されないが、略正六角筒形状のセルを多数
有するハニカム構造体が好ましい。または、分散液体を
封入することが可能なマイクロカプセルであっても良
い。
黒色用着色剤であることが好ましい。黒色用着色剤とし
ては、カーボンが好ましく用いられる。
表面パネルシートの外面に沿って移動可能な記録用磁気
部材をさらに有し、前記記録用磁気部材が、当該記録用
磁気部材を前記表面パネルシートの外面に接触させた状
態で、前記背面パネルシートの外面での実効磁束密度が
(100〜300)×100μTとなる程度の磁力を持
つことが好ましい。
形状は、特に限定されず、磁気ペン、あるいは磁気スタ
ンプなどのあらゆる形状を採用することができる。
は、前記背面パネルシートの外面に配置される消去用磁
気部材をさらに有し、前記消去用磁気部材が、当該消去
用磁気部材を前記背面パネルシートの外面に配置させた
状態で、前記表面パネルシートの外面での実効磁束密度
が(100〜300)×100μTとなる程度の磁力を
持つことが好ましい。
ートの外面に沿って移動自在に配置してあることが好ま
しい。
1.5mm、さらに好ましくは1.00〜1.40mm
である。この厚みが小さすぎると、セル内における磁性
粒子の色調を隠すための白色流体の白色度を調整するた
めに、白色流体中に白色微粒子を多く含有する必要がで
てくる。この結果、白色流体の粘度が高くなり、磁性粒
子の磁気泳動がスムーズに起こらなくなり、記録用磁気
部材や消去用磁気部材の磁束密度を高くする必要があ
る。また、表示装置の表示面に表示された表示物の解像
性についても劣ってしまう傾向にある。
ル内で磁性粒子を十分に表面パネルシート側に磁気泳動
させるためには、磁気泳動距離が長いことから、記録用
磁気部材や消去用磁気部材の磁束密度を高くする必要が
ある。また、記録用または消去用磁気部材に装着される
磁石もコスト的に高いものとなってしまう。また、表示
装置の表示面に表示された表示物の解像性についても劣
ってしまう傾向にある。
ができる記録用磁気部材において、当該記録用磁気部材
を前記表面パネルシートの外面に接触させた状態で、前
記背面パネルシートの外面での実効磁束密度が(100
〜300)×100μTとなる程度の磁力を持つことが
好ましい。また、本発明の磁気泳動型表示装置に用いる
ことができる消去用磁気部材において、当該消去用磁気
部材を前記背面パネルシートの外面に配置させた状態
で、前記表面パネルシートの外面での実効磁束密度が
(100〜300)×100μTとなる程度の磁力を持
つことが好ましい。
材の磁力が小さすぎると、セル内での磁気泳動作用が弱
いために、表示装置での表示/消去が困難になってしま
う傾向にある。また、これらの磁力が大きすぎると、磁
界が強すぎるため、本来磁気泳動させるべきではない磁
性粒子までも磁気泳動し、表示面での表示物の解像性を
劣化させてしまう。
液体中の磁性粒子は、60〜90重量%、さらに好まし
くは70〜85重量%の磁性体と、10〜40重量%、
さらに好ましくは15〜30重量%の合成樹脂および/
または着色剤とを含有する。このような磁性粒子を用い
ることで、セル毎の境界部における表示物の途切れが改
善され、表示品質が向上する。
サイズが、50〜200μm、さらに好ましくは75〜
150μmである。このような粒径の磁性粒子を用いる
ことで、表示装置の表示面での解像性が向上すると共
に、白色流体の汚染の原因がなくなり、表示品質が向上
する。
性粒子に対する印加磁界が200×79(A/m)の時
の磁性粒子の磁化が8.0×4π×10 −3 (m 3 /k
g)以上、さらに好ましくは10.0×4π×10 −3
(m 3 /kg)以上であり、磁性粒子に対する印加磁界
が500×79(A/m)の時の磁性粒子の磁化が2
0.0×4π×10 −3 (m 3 /kg)以上、さらに好
ましくは22.0×4π×10 −3 (m 3 /kg)以上
である。磁性粒子は、前記記録用磁気部材または消去用
磁気部材が有する低磁界の作用において磁気泳動が行わ
れる磁化を持つ必要があり、上記範囲の磁化率を持つこ
とで、磁性粒子は磁気泳動が十分に行われ、表示装置の
表示面での表示および/または消去作用が向上する。
90重量%の白色流体と、10〜20重量%の磁性粒子
とを含有する。分散液体中における磁性粒子の含有割合
が低すぎると、磁性粒子の量が少ないために、表示装置
の表示面での表示物の解像性が劣ってしまう傾向にあ
る。例えば、線や文字の太さが細くなり、途切れる事も
生じる。また、磁性粒子の含有割合が高すぎると、表示
装置の表示面における表示物の濃度は高くすることはで
きるものの、白色流体を汚染しやすくなるため、消去時
のパネルの白色が弱くなる要因となり、コントラストの
低下の原因となる傾向にある。
100重量%とし、前記白色流体中の酸化チタンの重量
%をCとし、酸化珪素の重量%をDとした場合に、重量
比C/Dが、好ましくは1≦C/D≦2.5、さらに好
ましくは1.2≦C/D≦2.0の関係にあり、且つ、
好ましくは3.0重量%≦C+D≦6.0重量%、さら
に好ましくは3.5重量%≦C+D≦5.5重量%であ
る。
高くなり、磁性粒子の磁気泳動がスムーズに起こらなく
なり、記録用磁気部材や消去用磁気部材の磁束密度を上
げる必要がある。また、表示装置における表示面に表示
された表示物の解像性についても劣ってしまう傾向にあ
る。
た状態において、白色流体が短時間で分散媒(パラフィ
ンなど)層と酸化物(酸化チタン、酸化珪素など)層の
2層に分離してしまい、磁性粒子色を表示面に鮮明に表
示することができない傾向にある。例えば、記録用磁気
部材としての磁気スタンプなどを表示面に接触させて、
表示面に何らかの表示を行う場合には、酸化物から成る
白色粒子が磁性粒子と共に表示面方向に泳動してしま
い、磁性粒子の色を鮮明に表示面に再現することができ
ない。
ぎると、白色流体中の白色度が低く、表示面での白色が
劣るため、表示装置の表示面が汚れているように見える
傾向にある。また、上記のC+Dの含有割合が大きすぎ
ると、白色流体の粘度が高くなり、磁性粒子の磁気泳動
がスムーズに起こらなくなり、記録用磁気部材や消去用
磁気部材の磁束密度を上げる必要がある。また、表示面
に表示された表示物の解像性についても劣る傾向にあ
る。
は、特に限定されず、幼児用玩具、教材、習字板、各種
ゲーム用板、記録用掲示板、メモ板、黒板、ホワイトボ
ード、広告板、携帯用メモ帳などとして広く利用するこ
とができる。本発明に係る磁気泳動型表示装置の設置場
所も特に限定されず、工場、学校などの建物の内部に限
定されず、駅のプラットホーム、改札口、工事現場など
の屋外、あるいは水中などであっても良い。
形態に基づき説明する。図1は本発明の1実施形態に係
る磁気泳動型表示装置の断面図、図2は磁気泳動型表示
装置の単位セルに対応する要部拡大断面図、図3は仕切
り部材としてのハニカム構造体の斜視図、図4は本発明
の実施例における印加磁界と磁化との関係を示すグラ
フ、図5(A)〜(D)は本発明の実施例における評価
の基準を示す概略図である。
係る磁気泳動型表示装置2は、少なくとも磁気表示パネ
ル20と、記録用磁気部材としての記録用磁気ペン16
と、消去用磁気部材としての消去用磁気レバー18とを
有する。
4と背面パネルシート6とを有し、これらシート4およ
び6の外周は、相互に熱融着または接着してあり、それ
らのシート4および6の間に密封空間8を形成してあ
る。密閉空間8には、仕切り部材としてのハニカム構造
体10が配置してある。図3に示すように、ハニカム構
造体10は、略正六角筒形状のセル空間15を多数有
し、図1に示すように、シート4および6で囲まれた各
セル空間15の内部に、磁性粒子14を含む分散液体1
2が封入してある。磁性粒子14を含む分散液体12が
封入された各セル空間15が、図2に示す単一の表示セ
ル30を構成する。
16の先端を、表面パネルシート4の表面である表示面
4a上に摺動させることで、磁気ペン16が移動した軌
跡に対応する表示セル30内の磁性粒子14に磁界が作
用し、磁性粒子14の磁気泳動がセル30の内部で生
じ、表示面4aに表示が行われる。表示面4aにおける
表示の消去については、磁気レバー18を磁気パネル2
0の底部で移動させ、磁気パネル20の表示面4a上の
表示を消去する。
保持してあり、磁気レバー18にも、永久磁石19が保
持してある。磁気ペン16は、磁気表示パネル20とは
連結しておらず、別部材として提供される。磁気レバー
18は、背面パネルシート6の外面に沿って移動自在
に、磁気表示パネル20に予め連結して配置される。磁
気レバー18の操作は、操作者の手により手動で行って
も良いが、モータアクチュエータなどの駆動装置を磁気
レバーに連結し、操作ボタンなどの操作により、自動的
に行うこともできる。
表示パネル20の外周および背面は、合成樹脂製ケーシ
ングなどで覆われ保護してあることが好ましい。磁気レ
バー18は、そのケーシングに対して移動自在に連結し
てあることが好ましい。そのケーシングには、開口部が
形成してあり、磁気表示パネル20の表示面4aが露出
するようになっている。
気ペン16の磁石17を表面パネルシート4の外面に接
触させた状態で、背面パネルシート6の外面での実効磁
束密度が(100〜300)×100μTとなる程度の
磁力を持つ。また、消去用磁気レバー18の磁石19
は、当該磁気レバー18の磁石19を背面パネルシート
6の外面に配置させた状態で、表面パネルシート4の外
面での実効磁束密度が(100〜300)×100μT
となる程度の磁力を持つ。
は消去用磁気レバー18の磁石19の磁力が小さすぎる
と、セル30内での磁気泳動作用が弱いために、表示面
4aでの表示/消去が困難になってしまう傾向にある。
また、これらの磁力が大きすぎると、磁界が強すぎるた
め、本来磁気泳動させるべきではない磁性粒子14まで
も磁気泳動し、表示面4aでの表示物の解像性を劣化さ
せてしまう。
限定されず、公知のものを用いればよい。たとえば、フ
ェライト粉(マグネトプランバイト型フェライト)や金
属粉(Nd,Sm,Co,Fe,Niなどの単独もしく
は合金)よりなる磁石、あるはこれらの材質にゴムや樹
脂を加えて成形した磁石より選択すればよい。
20では、表面パネルシート4は、透明シートで構成し
てあり、その外面が、パネル表示面4aとなる。表面パ
ネルシート4の材質は、透明であれば特に限定されない
が、好ましくは耐久性に優れた塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレンなどの
合成樹脂で構成される。表面パネルシート4の厚みは、
特に限定されないが、好ましくは0.10〜0.50m
m、さらに好ましくは0.15〜0.25mmである。
表面パネルシート4の厚みが小さすぎると、磁気ペン1
6の摩擦に対する耐久性が低下する傾向にあり、厚みが
大きすぎると、材料の無駄である。なお、表面パネルシ
ート4は、多層シートであっても良い。
る必要はなく、その材質は、特に限定されされないが、
たとえば塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエステル、ポリエチレンなどの合成樹脂で構成され
る。背面パネルシート6の厚みは、特に限定されない
が、好ましくは0.05〜0.30mm、さらに好まし
くは0.10〜0.20mmである。この背面パネルシ
ート6の厚みが小さすぎると、耐久性が低下する傾向に
あり、厚みが大きすぎると、材料の無駄である。この背
面パネルシート6も、多層シートで構成しても良い。
ば耐水性を持つ特殊紙、あるいはポリエステル、塩化ビ
ニル、アクリルなどの合成樹脂で構成してある。ハニカ
ム構造体10における各セル空間15の略正六角形状の
横断面積は、特に限定されないが、好ましくは1.0〜
5.0mm2 、さらに好ましくは2.0〜3.0mm
2 である。この横断面積が小さい程、微細な表示が可
能になるが、あまりに小さいと、各セル30における磁
性粒子14のスムーズな磁気泳動が困難になる傾向にあ
り、大きすぎる場合には、微細な表示が困難になる傾向
にある。本実施形態において、このようなハニカム構造
体10を用いるのは、表示面4aにおける表示物の解像
度を高めることができる構造であり、且つ、強度的にも
優れていることからである。
切る隔壁の厚みは、特に限定されないが、好ましくは
0.01〜0.5mm、さらに好ましくは0.03〜
0.1mmである。この隔壁厚みは、表示面4aでの表
示物の途切れを無くす観点からは、薄いほど好ましい
が、あまりに薄いと強度が低下する傾向にある。
照)が、図2に示す密封空間8の厚みTに対応する。本
実施形態では、この厚みTは、0.8〜1.5mmであ
る。この厚みが小さすぎると、セル30内における磁性
粒子14の色調を隠すための白色流体の白色度を調整す
るために、白色流体中に白色微粒子を多く含有する必要
がでてくる。この結果、白色流体の粘度が高くなり、磁
性粒子14の磁気泳動がスムーズに起こらなくなり、磁
気ペン16や磁気レバー18における磁石17または1
9の磁束密度を高くする必要がある。また、表示装置の
表示面4aに表示された表示物の解像性についても劣っ
てしまう傾向にある。
セル30内で磁性粒子14を十分に表面パネルシート4
側または背面パネルシート6側に磁気泳動させるために
は、磁気泳動距離が長いことから、磁気ペン16や磁気
レバー18における磁石17または19の磁束密度を高
くする必要がある。また、これらの磁石17または19
もコスト的に高いものとなってしまう。また、表示装置
の表示面4aに表示された表示物の解像性についても劣
ってしまう傾向にある。
入してある分散液体12は、白色流体中に磁性粒子14
が分散してある液体である。白色流体は、白色顔料(染
料含む)と、分散媒とを少なくとも含んでいる。白色顔
料としては、特に限定されず、たとえば酸化チタン、ア
ルミナ、酸化亜鉛、シリカ(酸化珪素)、チタン酸バリ
ウム、ジルコン酸バリウムなどが例示されるが、本実施
形態では、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、シリカな
どが好ましく用いられる。また、分散媒としては、特に
限定されず、水、グリコール類などの極性分散媒や、有
機溶剤、油類などの非極性分散媒などが例示されるが、
本実施形態では、好ましくはパラフィン類(特にイソパ
ラフィン)が用いられる。
0重量%とし、前記白色流体中の酸化チタンの重量%を
Cとし、酸化珪素の重量%をDとした場合に、重量比C
/Dが、1≦C/D≦2.5の関係にあり、且つ、3.
0重量%≦C+D≦6.0重量%である。C/Dが小さ
すぎると、白色流体の粘度が高くなり、磁性粒子14の
磁気泳動がスムーズに起こらなくなり、磁気ペン16や
磁気レバー18に付属してある磁石17,19の磁束密
度を上げる必要がある。また、磁気表示パネル20の表
示面4aに表示された表示物の解像性についても劣って
しまう傾向にある。
0を放置した状態において、白色流体が短時間で分散媒
(パラフィンなど)層と酸化物(酸化チタン、酸化珪素
など)層の2層に分離してしまい、磁性粒子の色を表示
面4aに鮮明に表示することができない傾向にある。
90重量%の磁性体と、10〜40重量%の合成樹脂お
よび/または着色剤とを含有する。このような磁性粒子
を用いることで、表示面4aにおけるセル30毎の境界
部に表示の途切れが発生し難くなり、表示品質が向上す
る。
子14に対する印加磁界が200×79(A/m)の時
の磁性粒子14の磁化が8.0×4π×10 −3 (m 3
/kg)以上であり、磁性粒子に対する印加磁界が50
0×79(A/m)の時の磁性粒子14の磁化が20.
0×4π×10 −3 (m 3 /kg)以上となるような材
質から選択される。このような磁性体の材質としては、
特に限定されず、黒色マグネタイト、二酸化クロム、フ
ェライト(スピル型フェライト、マグネトプランバイト
型フェライト)などの酸化物磁性材料や、コバルト、
鉄、銅、ニッケル、またはこれらの合金などの金属磁性
材料などが例示されるが、好ましくは金属磁性材料であ
る。
または消去用磁気レバー18が有する低磁界の作用にお
いて磁気泳動が行われる程度の磁化を持つ必要があり、
上記範囲の磁化率を持つことで、磁性粒子14は磁気泳
動が十分に行われ、表示装置の表示面4aでの表示およ
び/または消去作用が向上する。
は、公知のものを用いればよく、例えば、スチレン系、
ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系などから選択
すればよい。また、着色剤としては、着色する色調に応
じた無機系あるいは有機系の公知の顔料を用いればよ
く、例えば、磁性粒子14を黒色とする場合には、カー
ボンブラックを用いる。
び/または着色剤は、磁性体粉を被覆する被覆層を構成
することが好ましい。磁性体粉末が被覆層で被覆されて
いない場合には、摩滅に対する抵抗力が低下し、表示面
の着色の原因となる傾向にある。また、磁性粒子14
は、分散液体12中において、ブロッキングしてはなら
ないので、合成樹脂および/または着色剤の種類は、分
散液体中で、軟化や膨潤などが生じないものが選択さ
れ、架橋剤(たとえばウレタン変性剤)などにより部分
的に架橋された合成樹脂を用いることもできる。
粒子サイズは、50〜200μmである。このような磁
性粒子14は、球形であっても、球形以外の異形であっ
ても良く、従来よりの一般的な製法によって得ることが
できる。例えば、先に示した合成樹脂および/または着
色剤と磁性体とから成る組成物を溶融混合した後、粉砕
し、風力分級して、50〜200μmの磁性粒子を得
る。あるいは、同様な組成物を溶剤中で混合し、これを
乾燥して、分級し、50〜200μmの磁性粒子を得
る。このような粒径の磁性粒子14を用いることで、磁
気表示パネル20の表示面4aでの解像性が向上すると
共に、白色流体の汚染の原因がなくなり、表示品質が向
上する。
分散液体12中には、80〜90重量%の白色流体と、
10〜20重量%の磁性粒子14とが含有してある。分
散液体中における磁性粒子14の含有割合が低すぎる
と、磁性粒子14の量が少ないために、表示装置の表示
面4aでの表示物の解像性が劣ってしまう傾向にある。
例えば、線や文字の太さが細くなり、途切れる事も生じ
る。また、磁性粒子14の含有割合が高すぎると、表示
装置の表示面4aにおける表示物の濃度は高くすること
はできるものの、白色流体を汚染しやすくなるため、消
去時の表示面4aでの白色が弱くなる要因となり、コン
トラストの低下の原因となる傾向にある。
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
数のセル30に分割するための仕切り部材としては、図
3に示すハニカム構造体に限定されず、マイクロカプセ
ルやその他の仕切り部材などを用いることができる。
ての記録用磁気部材は、磁気表示パネル20から完全に
分離することなく、紐などの手段で連結してあっても良
い。また、記録用磁気ペン16としての記録用磁気部材
は、手動で移動させることなく、XYプロッタなどで自
動的に移動させることも可能である。
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。なお、表中のwt%は、重量%を示す。
を、下記の表1に示す組成で、所定に定量した後、ホモ
シサイザー攪拌機により、4000rpmで5分間攪拌
を行い、白色流体1〜7を得た。
器に移して、下記の表2に示す組成および磁化特性の磁
性粉1〜6(図1および図2における磁性粒子14に対
応する)をそれぞれ加え、攪拌機を用い、300rpm
で1分間攪拌し、パネル内封入物としての分散液体を得
た。分散液体中の磁性粉の添加量は、下記の表3に示さ
れる。
化との関係を図4に示す。磁性粉1〜6の平均粒径は、
それぞれ100〜120μmであった。この平均粒径の
測定は、メッシュ番号#83〜#325の各篩に磁性粉
を載せて振動させ、各篩上に残った磁性粉量を求め、重
量割合から、平均粒子径を算出することにより行った。
mの透明な塩化ビニルシートを準備し、背面パネルシー
ト6として、厚み0.10mmの透明な塩化ビニルシー
トを準備し、図3に示すハニカム構造体10としては、
特殊紙製ハニカム構造体を準備した。ハニカム構造体1
0における各セル空間15の横断面積は、3.0mm
2 であり、各セル空間15を仕切る隔壁の厚みは、
0.05mmであった。ハニカム構造体10としては、
種々の高さH(図3参照)を持つものを準備した。この
高さHは、図2に示す密封空間8の厚みTに対応し、下
記の表3に示すように、種々の厚みのものを準備した。
す表面パネルシート4の内面に接着した後、各セル空間
15の内部に、パネル内封入物の作製工程で得られた各
封入物を攪拌しながら充填した。封入物の充填に際して
は、図1とは天地を逆にし、表面パネルシート4を下に
位置させる。その後、エポキシ系接着剤を塗った塩化ビ
ニールシートから成る背面パネルシート6を加圧しなが
ら表面パネルシート4の外周内面およびハニカム構造体
10の他端面に貼り合わせて内部を完全に密封し、表3
に示す磁気パネル1〜18(図1に示す磁気表示パネル
20に対応する。)を得た。
下の測定および評価を行った。結果を下記の表4に示
す。測定は、次のようにして行った。
英工業製の製品番号VSM−3型)を用いて、磁性粉試
料をホルダーにセットして、印加する磁界を変えて測定
を行った。
ンに用いる磁石の実効磁束密度の測定は、表3に示すよ
うに、所定の密封空間の厚みを持つ磁気表示パネル1〜
18を用い、パネルの表示面に、磁気ペンのペン先を当
て、磁気表示パネルの背面パネルシートの外面での磁束
密度を、ハンディタイプの磁力計((株)エーデーエス
社製の製品番号FS−5型)により求めた。同様に、消
去用磁気アームに用いる磁石の実効磁束密度の測定は、
表3に示すように、所定の密封空間の厚みを持つ磁気表
示パネル1〜18を用い、背面パネルシートの外面に、
消去用磁石を当て、磁気表示パネルの表面パネルシート
の外面での磁束密度を、ハンディタイプの磁力計
((株)エーデーエス社製の製品番号FS−5型)によ
り求めた。
率計(東京電色製の製品番号REFLECTMETER
/TC−6MC型)を用いて、磁気表示パネルの表示面
上の表示画像に直接反射率計を当てて測定した。磁気表
示パネルの表示面に、黒色を表示させた場合(図2に示
す磁性粒子14が表面パネルシート4の内面に近接して
いる状態)と、白色を表示させた場合(図2に示す磁性
粒子14が背面パネルシート6の内面に近接している状
態)との双方について、反射率を求めた。黒色表示の場
合には、反射率は小さいほど好ましく、たとえば20%
以下が好ましい。白色表示の場合には、反射率が高いほ
ど好ましく、たとえば55%以上が好ましい。表示面で
のコントラストを向上させるには、黒色表示での反射率
が20%以下で、且つ白色表示での反射率が55%以上
が好ましい。結果を下記の表4に示す。
た。図5(A)に示す線部での途切れや、同図(B)に
示す文字の散りについて観察した。下記の表4における
表示物の解像性の評価において、○は、10回の繰り返
し試験でも、線部での途切れや文字の散りなどが観察さ
れなかったことを示し、×は、10回の繰り返し試験に
おいて、5回以上、線部での途切れ、または文字の散り
が観察されたことを示す。
の表示物の途切れ 磁気表示パネルでのセル毎のバウンダリー部(境界部)
での表示物の途切れは、目視により確認した。下記の表
4におけるセル毎の境界部での途切れの評価において、
○は、10回の繰り返し試験でも、図5(D)に示すよ
うに、セル毎の境界部での途切れが観察されなかったこ
とを示し、×は、10回の繰り返し試験において、5回
以上、図5(C)に示すセル毎の境界部での途切れが観
察されたことを示す。
発明の好ましい数値範囲から外れた磁性粒子、白色流
体、磁気表示パネル、記録用磁気部材または消去用磁気
部材を用いた磁気泳動型表示装置に比較し、本発明の好
ましい数値範囲内の磁性粒子、白色流体、磁気表示パネ
ル、記録用磁気部材および消去用磁気部材を用いた磁気
泳動型表示装置は、セル毎の境界部(バウンダリー部)
での表示切れをなくし、表示画像のコントラストおよび
表示画像の解像性を向上させることができる。
ば、セル毎の境界部(バウンダリー部)での表示切れを
なくし、表示画像のコントラストおよび表示画像の解像
性を向上させることができる磁気泳動型表示装置を提供
することができる。
表示装置の断面図である。
する要部拡大断面図である。
斜視図である。
化との関係を示すグラフである。
る評価の基準を示す概略図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 透明な表面パネルシートと、 前記表面パネルに対して間に密封空間が形成されるよう
に配置された背面パネルシートと、 前記表面パネルシートおよび背面パネルシートの間に具
備され、厚みが0.8〜1.5mmの前記密封空間を多
数のセルに仕切る仕切り部材と、 前記仕切り部材により仕切られた各セルの内部に封入さ
れる磁性粒子を含有する分散液体とを有する磁気泳動型
表示装置であって、 前記磁性粒子は、60〜90重量%の磁性体と、10〜
40重量%の合成樹脂および/または着色剤とを含有
し、磁性粒子の平均粒子サイズが、50〜200μmで
あり、しかも、磁性粒子に対する印加磁界が200×7
9(A/m)の時の磁性粒子の磁化が8.0×4π×1
0 −3 (m 3 /kg)以上であり、磁性粒子に対する印
加磁界が500×79(A/m)の時の磁性粒子の磁化
が20.0×4π×10 −3 (m 3 /kg)以上であ
り、 前記分散液体が、80〜90重量%の白色流体と、10
〜20重量%の磁性粒子とを含有し、 前記白色流体が、酸化チタン、および酸化珪素を少なく
とも含み、 前記白色流体の全重量を100重量%とし、前記白色流
体中の酸化チタンの重量%をCとし、酸化珪素の重量%
をDとした場合に、重量比C/Dが、1≦C/D≦2.
5の関係にあり、且つ、3.0重量%≦C+D≦6.0
重量%である磁気泳動型表示装置。 - 【請求項2】 前記表面パネルシートの外面に沿って移
動可能な記録用磁気部材をさらに有し、 前記記録用磁気部材が、当該記録用磁気部材を前記表面
パネルシートの外面に接触させた状態で、前記背面パネ
ルシートの外面での実効磁束密度が(100〜300)
×100μTとなる程度の磁力を持つことを特徴とする
請求項1に記載の磁気泳動型表示装置。 - 【請求項3】 前記背面パネルシートの外面に配置さ
れる消去用磁気部材をさらに有し、 前記消去用磁気部材が、当該消去用磁気部材を前記背面
パネルシートの外面に配置させた状態で、前記表面パネ
ルシートの外面での実効磁束密度が(100〜300)
×100μTとなる程度の磁力を持つことを特徴とする
請求項1または2に記載の磁気泳動型表示装置。 - 【請求項4】 前記消去用磁気部材が、前記背面パネル
シートの外面に沿って移動自在に配置してある請求項3
に記載の磁気泳動型表示装置。
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