JP3125883U - アフターパーツ、ターボタイマ及びターボコントローラ - Google Patents

アフターパーツ、ターボタイマ及びターボコントローラ Download PDF

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Abstract

【課題】設定項目の数値を変更する操作を容易にし、構造の簡易化を図る。
【解決手段】自動車の駆動制御部を予め記憶した設定値に基づいて制御する制御装置に接続され、前記駆動制御部に対する前記制御装置の設定値を設定項目毎に決定するための自動車のアフターパーツであって、互いに間隔を隔てて並設され、それぞれ前記設定項目を選択する一対の選択スイッチと、前記一対の選択スイッチ間に押し込み可能に且つ回転可能に設けられ、その回転量に応じて数値を増減させるドラム型のダイヤル31aと、前記各選択スイッチを選択的に作動するスイッチング部材と、前記ダイヤルの押し込みが感知されたとき、設定項目及び前記数値をそれぞれ前記制御装置の対応する設定項目及びその設定値として決定する確定スイッチと、少なくとも前記設定項目及び前記数値を表示させる表示部4とを備える。
【選択図】図2

Description

本考案は、自動車に取り付けられるアフターパーツ、ターボタイマ及びターボコントローラに関するものである。
一般に、自動車のアフターパーツとして、ターボチャージャを搭載した自動車に取り付けられるターボタイマやターボコントローラなどが知られている。
ターボタイマは、エンジン停止後の潤滑油の循環が止められた状態においてターボチャージャのタービンが慣性により高速回転し続けることによる焼付きを防止するため、イグニッションスイッチが切られた後も所定時間エンジンをアイドリング運転させることで、タービンへ潤滑油を供給させるための装置である。
また、ターボコントローラは、自動車の制御装置に記憶されており、ユーザが変更可能な各種設定項目の数値を変更するための装置であり、例えばエンジンへ供給する空気の量(過給圧)の数値を変更するために用いられている。
ところで、このようなターボタイマやターボコントローラなどのアフターパーツでは、エンジンのアイドリング時間を設定するための操作子や自動車の制御装置の各設定項目の数値を変えるための操作子が設けられている。このようなアフターパーツの操作子としては、従来、ボタンスイッチが広く採用されている(特許文献1)。
特開平7−279682号公報
しかしながら、従来のようなボタンスイッチでは、例えばエンジンのアイドリング時間を設定する際に、分設定用と秒設定用の2つのボタンスイッチをそれぞれ複数回押すことによって所定時間に設定するため、操作が煩雑で煩わしいという問題がある。
また、この種、アフターパーツには、ターボタイマとして、アイドリング時間をカウントダウンする機能の他、エンジン回転速度が所定範囲内であるか否かをランプ点灯によって運転者に報知する機能や空燃比(A/F)を表示する機能を備える等、様々な機能が求められているが、このような機能を前記したボタンスイッチで実現するには、アイドリング時間を設定する2つのボタンスイッチの他に、各モード(各設定項目)を切り替えるためのボタンスイッチも別に設ける必要があり、構造が複雑化してしまうという問題がある。
そこで、本考案は、設定項目の数値を変更する操作が容易になり且つ構造の簡易化が可能なアフターパーツを提供することを目的とする。
前記課題を解決する本考案は、エンジン制御系からエンジン制御系の設定項目と対応する設定値とを取得して設定項目毎に設定値を変更する自動車のアフターパーツであって、前記設定項目と前記設定値とを表示させるための表示部と、互いに近接させて配置され、前記エンジン制御系から取得した複数の設定項目から変更すべき設定項目を選択的に前記表示部に表示させるとともに、選択された設定項目の設定値を表示部に表示させる複数の選択スイッチと、前記複数の選択スイッチに臨ませて設けられ、複数の選択スイッチを選択的に作動するスイッチング部材と、前記複数の選択スイッチ間に押し込可能に配置され、回転により前記表示部に表示された設定値を増減する設定値変更ダイヤルと、前記ダイヤルの押し込みにより作動されたとき、前記表示部に表示されている設定項目及び設定値を、変更を完了した設定項目、変更を終了した設定値としてそれぞれ確定する確定スイッチと、を備えたものである。
ここで、エンジン制御系とは、ECU等の電子制御装置、エンジンを停止するためのタイマを含むリレー回路、電子制御装置とリレーを組み合わせた制御装置、エンジンの過給圧を設定するためのアクチュエータ等のことをいう。
このような構成では、まず、スイッチング部材により選択スイッチを作動することで自動車の駆動制御部を制御するための制御装置の設定項目が選択され、次に、ダイヤルの押込によって設定項目が決定される。設定項目を選択した後、ダイヤルを回転させる。ダイヤルを回すと設定項目の数値が変化する。数値は、ダイヤルの回転方向によって増減する。ダイヤルで設定項目の数値を所定値に選択した状態で、再度、ダイヤルを押し込むと数値が設定値に該当する数値として決定される。
このように、本考案では、複数の選択スイッチおよび確定スイッチとからなるスイッチ系とスイッチング部材およびダイヤルからなる操作系が一箇所に集中しているので操作性が向上することになる。また、ダイヤルの回転操作は、従来のボタンスイッチの複数回の押し動作によって設定値を入力する場合と比べて極めて簡単であり、迅速に行えるため、例えば、ターボタイマのアイドリング時間の設定用のスイッチに適用した場合には、従来のように分設定用と秒設定用の2つのボタンスイッチを設けなくても、1つのダイヤルで分と秒をまとめて設定することが可能になる。このため、設定項目を切り替えるための選択スイッチが設けられていても数値設定用のスイッチとしては1つのダイヤルで済み、構造の簡易化が図られる。
また、設定項目、設定項目毎の数値は、確定スイッチによって確定するので、走行に伴う自動車の振動によって勝手に設定項目や数値が変更されてしまう虞もない。
この場合、前記スイッチング部材は、その中央部を中心に揺動自在に支持し、その揺動よって前記一対の選択スイッチを選択的に作動する構成とするのが好ましい。
また、この場合に、前記選択スイッチ及び確定スイッチがそれぞれ弾性部材の弾発力に抗してスイッチングされる接点部を有するプッシュスイッチで構成され、前記スイッチング部材がその揺動により各選択スイッチの可動接点を選択して押し込むように構成されており、前記ダイヤルの一端部が軸を介して揺動自在に支持されるとともに他端部が軸を介して確定スイッチの可動接点に押し込み可能に支持されており、さらに、前記ダイヤルの回転面が前記スイッチ部材に設けられた窓を通じてスイッチ部材の外面に露出している構成とするのが好ましい。
このような構成では、プッシュスイッチの弾性部材の弾発力に抗して確定スイッチと一対の選択スイッチとが個別に作動させることが可能となる。また、振動による誤動作も防止される。
また、設定値としてイグニッションスイッチを切った後、所定時間エンジンを作動させ続けるためのアイドリング時間を決定するターボタイマであってもよいし、前記ダイヤルで選択した過給圧の設定値を自動車の電子制御装置へ出力するターボコントローラであってもよい。
本考案によれば、回転式のダイヤルを数値選択用のスイッチとして適用するので、設定項目の数値を変更する動作を容易にすることができる。また、選択する数値の範囲が広い場合であっても1つのダイヤルのみで迅速に所望の数値を選択できるので、構造の簡易化を図ることができる。
以下、本考案の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態では、自動車に取り付けられるターボタイマをアフターパーツの一例として説明する。また、以下の説明においては、自動車に取り付けられた状態のターボタイマを運転者が見たときの方向(手前、奥、左右、上下)を基準にして説明することとする。
図1に示すように、ターボタイマ1は、ケース2、操作子3、表示部4および発光報知部5を備えて構成されており、主に、イグニッションスイッチ61(図5参照)を切った後のエンジンのアイドリング時間をカウントダウンするためのリレー回路のタイマを設定する機能を有している。また、このターボタイマ1は、タイマ機能の他に、エンジン回転速度が所定範囲内であるか否かをランプ点灯によって運転者に報知するRPM機能と、空燃比を表示するA/F表示機能と、自動車のバッテリの電圧を表示する電圧表示機能も有している。すなわち、このターボタイマ1は、タイマモード、RPMモード、A/F表示モード、電圧表示モードに適宜切り替えられて使用されるようになっている。
ケース2は、図2に示すように、主にケース2の手前側の面を形成する第1パネル21と、主にケース2の上面を形成する第2パネル22と、主にケース2の下面を構成する第3パネル23とを備えて構成されている。
第1パネル21は、ケース2の手前側の面を構成する手前壁21aと、ケース2の左側面を構成する左側壁21bとによってL字状に形成されている。また、この第1パネル21は、樹脂などの透明な部材で形成されており、その手前壁21aの所定部分(左端に対して所定距離離れた位置から右端までの部分)には、所定の文字や表示窓が形成されたシール部材21cが貼着されている。なお、このシール部材21cに形成される文字や表示窓は、単なる孔もしくは透明のフィルムで形成され、その他の部分は遮光性を有する部材で形成されている。
第2パネル22は、ケース2の略上半部を構成する部材であり、ケース2の上面を構成する上壁22aと、ケース2の奥側の面と右側の面の上半部を構成する略L字状の側壁22bとを有している。そして、この第2パネル22の上壁22aの適所には、後で詳述する操作子3の揺動パネル33を揺動自在に支持するピン部22cが形成されるとともに、略L字状の側壁22bの角部に、内方へ突出する断面視円弧状の湾曲部22dが形成されている。
第3パネル23は、前記した第2パネル22と上下対称構造となっており、第2パネル22の各部位に対応する下壁23a、側壁23b、ピン部23cおよび湾曲部23dを有している。
操作子3は、設定値変更ダイヤル31、エンコーダ32、揺動パネル33、左右一対の第1プッシュスイッチ34および第2プッシュスイッチ35を備えて構成されている。なお、揺動パネル33、第1プッシュスイッチ34、第2プッシュスイッチ35は、それぞれ、実用新案登録請求の範囲にいう「スイッチ部材」、「選択スイッチ」、「確定スイッチ」に該当する。第1プッシュスイッチ34および第2プッシュスイッチ35は、内部に配置されたスプリング、弾性体からなる弾性部材の弾発力によって可動接点を弾性支持し、弾性部材の弾発力に抗する可動接点の押し下げによる可動接点と固定接点との接触によりスイッチングされるように構成されている。
設定値変更ダイヤル31は、ドラム型(円柱状)に形成されるダイヤル(ホイールともいう)31aと、ダイヤル31aの両端の中心部からダイヤル31aの軸方向に沿って外側に突出する一対の回転軸部31b,31cを備えて構成されている。また、設定値変更ダイヤル31の右側に形成される回転軸部31cの先端には、後で詳述するエンコーダ32の可動子32aに対して相対回転不能に係合する略四角柱状の係合部31dが先細り形状に形成されている。そして、この設定値変更ダイヤル31は、その回転軸部31b,31cが横向きに配置されることで、この回転軸部31b,31cを中心にして上下に回転可能となっている。
エンコーダ32は、設定値変更ダイヤル31と一体に回転する可動子32aと、この可動子32aを回転自在に支持する軸受としての固定子32bとを備えて構成されており、可動子32aと一体に回転する設定値変更ダイヤル31の回転角、すなわち、回転量を検出して、検出値を図示しない主制御部に出力し、主制御部は、回転量に対応した数値の演算後、これを変更後の設定値として表示部4にデジタル表示させるようになっている。
すなわち、このエンコーダ32は、表示部4に表示されている設定項目の数値を選択できるように構成されている。ここで、可動子32aには、略矩形の取付穴32cが形成されており、この取付穴32cと設定値変更ダイヤル31の係合部31dの根元部分が合致することで、可動子32aと設定値変更ダイヤル31が一体に回転可能となるとともに、取付穴32cと係合部31dの先細りとなった先端部分との間に所定のクリアランスが形成されることで、設定値変更ダイヤル31が、その係合部31dの根元部分付近を中心にわずかに揺動可能となっている。
揺動パネル33は、平板状の部材であり、その中央部に設定値変更ダイヤル31の一部を外部に臨ませて露出させるための窓33aが形成されるとともに、その中央部の上下端にケース2内へ突出する一対の突起片33b(図3、図4参照)が形成されている。そして、これら一対の突起片33bには、第2パネル22のピン部22cと第3パネル23のピン部23cに回動自在に係合する係合孔33cがそれぞれ形成されている。
また、この揺動パネル33の裏面には、図3に示すように、左右一対の第1プッシュスイッチ34の可動接点に接触した状態で押し下げるための左右一対の押圧用突起33dが設けられるとともに、設定値変更ダイヤル31の左側の回転軸部31bを上下方向で挟み込んで支持する上下一対のダイヤル支持部33eが形成されている。
図2に示すように、第1プッシュスイッチ34は、設定項目(本実施形態では、バッテリ表示モード、タイマモード、RPMモード、A/F表示モードおよび電圧表示モードの計4項目)を選択するためのスイッチであり、前記した揺動パネル33の左右一対の押圧用突起33dに対応するように、それらの内側にそれぞれ配設されている。そして、各第1プッシュスイッチ34は、押圧用突起33dで押圧されたときに所定の信号を前記主制御部に出力するように構成されており、主制御部は、右側の第1プッシュスイッチ34を順次押していくと、バッテリ表示→A/F表示モード→RPMモード→タイマモード→電圧表示モード→A/F表示モード→・・・といった順序でロータリ式に設定項目を切り替え、また、左側の第1プッシュスイッチ34を順次押していくと、前記した順序とは逆の順序で設定項目が切り替えるように構成されている(図6参照)。
第2プッシュスイッチ35は、設定値変更ダイヤル31の左側の回転軸部31bと前後方向で係合するように配設されている。そして、この第2プッシュスイッチ35は、設定値変更ダイヤル31の回転操作により選択した設定項目の設定値(数値)を決定する通常押し信号(指令)や、表示部4に各設定項目の設定値(数値)を表示させる通常モードと各設定項目の数値を変更するための設定変更モードとを切り替えるための長押し信号を主制御部に出力するように構成されている。ここで、「通常押し信号」とは、第2プッシュスイッチ35を、通常の押し動作に要する時間(例えば、0.5〜1秒)だけ押圧することにより発せられる信号をいい、「長押し信号」とは、第2プッシュスイッチ35を、所定時間(通常の押し動作に要する時間よりも長い時間;例えば、3秒)以上押圧することにより発せられる信号をいい、主制御部は、この時間の長短により信号の長押し信号と通常押し信号とを区別する。
そして、前記したように操作子3が構成されることによって、設定値変更ダイヤル31を回転させて設定項目の数値を選択する際には、図4(a)に示すように、第1プッシュスイッチ34および第2プッシュスイッチ35は押圧されず、エンコーダ32で検出された回転角度のみが主制御部に出力される。また、例えば設定値変更ダイヤル31の回転操作によって選択した設定値(数値)を決定する際には、図4(b)に示すように、設定値変更ダイヤル31をケース2の奥側に押し込むことで、設定値変更ダイヤル31がエンコーダ32付近を中心に揺動して、その回転軸部31bによって第2プッシュスイッチ35の可動接点が押し込まれる。さらに、図4(c)および(d)に示すように、設定項目を選択する際には、揺動パネル33の右側部分または左側部分をケース2の奥側へ押し込むことで、左右一対の第1プッシュスイッチ34のいずれか一方が押圧される。
図2に示すように、表示部4は、前記した各設定項目から選択された設定項目とこの設定項目に対応する設定値(数値)を複数桁(図2では3桁)のデジタル数字で表示させる画面を有しており、この画面上には、主制御部からの信号に基づいて、各設定項目やそれらの数値が適宜表示されるようになっている。
ここで、主制御部は、公知のCPUやメモリ等を適宜備えて構成されており、プリント基板7上またはリレー部41(図5参照)内に適宜配設されている。そして、主制御部は、操作子3の第1プッシュスイッチ34,第2プッシュスイッチ35や、図5に示すイグニッションスイッチ61、パーキングブレーキ62、エンジンECU63、補機ECU64およびバッテリ(図示せず)の電圧を検出する電圧センサから信号が入力されるように、適宜配線されており、これら各信号に基づいて設定項目及びその数値の表示や、通常モードと設定変更モードとの切り替えを行うように構成されている。
また、主制御部は、前記した機能の他、イグニッションスイッチ61を切ったときに発せられるOFF信号と、設定項目の一つであるリレーのタイマの設定時間に基づいて、エンジンのアイドリング時間をカウントダウンするとともに、リレー部41に対してカウントダウンが終了した後にエンジンを停止させるための信号を出力する機能も有している。
さらに、主制御部は、後で詳述するように、表示部4の一部としての発光報知部5を制御する機能やスペーサ8内に設けられる発光ダイオードを制御する機能も有している。
なお、図5に示すリレー部41は、ターボタイマ1の構成部品として前記主制御部で適宜制御されることにより、イグニッションスイッチ61が切られてから所定のアイドリング時間が経過するまでの間、イグニッション回路を保持し、前記ダイヤルによって設定されたアイドリング時間を終了すると同時に前記イグニッション回路を切ってエンジンを停止させるものである。
図2に示すように、発光報知部5は、光を発する発光ダイオード51と、この発光ダイオード51の手前側と左右両側を覆う散光部材52とを備えて構成されている。ここで、散光部材52は、樹脂等によって所定の透過率・乱反射率で形成されるものであり、この散光部材52を通った光は、適度に分散されて、前記した第1パネル21の透明となった部分から外部に放出されるようになっている。また、発光ダイオード51は、主制御部によって適宜制御されるようになっており、本実施形態においては表示部4がエンジン回転速度や空燃比を表示している場合において、このエンジン回転速度または空燃比が所定範囲になったときに、主制御部からの指令によって発光するようになっている。
ここで、エンジン回転速度に基づいて発光させるのは、シフトの切替操作のタイミングを運転者に知らせることにあり、空燃比(A/F)に基づいて発光させるのは、燃料の消費量を運転者に知らせることにある。理論空燃比であれば最も経済的な運転をすることが可能になる。
また、本実施形態においては、エンジン回転速度が所定の第1閾値を超えたときに発光報知部5を点滅させることで、運転者にシフトチェンジの準備を促し、第1閾値よりも大きい第2閾値を超えたときに発光報知部5を点灯させることで、運転者にシフトチェンジのタイミングを知らせるようになっている。
なお、発光ダイオードとしては、赤、青、黄、白のいずれを採用してもよいし、発光色の異なる発光ダイオードを複数種類設けるようにしてもよい。また、複数種類の発光ダイオードを設けた場合は、例えば空燃比ごとに異なる色を設定することで、運転者が現状の走り方によってどの程度の燃料を消費しているか、どの程度、経済的な運転をしているかの程度を段階的に知ることができる。
なお、前記した操作子3、表示部4および発光報知部5は、これらを電気的に接続させるプリント基板7の右側部、中央部、左側部にそれぞれ固定されている。そして、このプリント基板7は、ケース2の高さ方向略中位に配設されており、その右側の適所には、設定値変更ダイヤル31の前後方向への揺動を許容するための逃げ孔7aが形成されている。また、このプリント基板7上における表示部4の左隣には、スペーサ8が設けられており、このスペーサ8によって、表示部4と第1パネル21との干渉が防止されている。なお、スペーサ8には、発光ダイオードを配設するための四つの孔8aが形成されており、各孔8aに配設される発光ダイオードの点灯、消灯が主制御部によって適宜制御されることで、第1パネル21に形成された文字が表示部4の表示(各設定項目)に対応して光るようになっている。この実施の形態では、4個の発光ダイオードにA/F表示、RPM表示、タイマ表示、バッテリ表示が割り当てられ、各モードのときに、対応する発光ダイオードが点灯するように回路構成されている。
次に、本実施形態に係るターボタイマ1の操作方法について説明する。
図5に示すパーキングブレーキ62がON状態(ブレーキをかけている状態)であるときにイグニッションスイッチ61を入れると、主制御部は、図6に示すような通常モード(アクティブモード)となる。そして、表示部4の画面上には、A/F表示、RPM表示、タイマ表示またはバッテリ表示のいずれかが表示される。
ここで、「A/F表示」とは、設定項目としてA/F表示モードが選択されている際に表示される空燃比である。なお、空燃比は、エンジンECU63から送られてくる所定の信号(例えば、吸気系に設けられたエアフローメータによる空気量又は排気ガスの酸素量を示す信号と、エンジンに燃料を供給する燃料供給装置の燃料供給量(エンジン負荷)に基づいて主制御部が算出している。
また、「RPM表示」とは、設定項目としてRPMモードを選択されている際に表示されるエンジン回転速度である。なお、エンジン回転速度は、例えば電圧センサで検出されるバッテリ電圧の値(ノイズ)に基づいて主制御部が算出するようにしてもよい。
「タイマ表示」モードとは、設定項目としてタイマモードが選択されている際に表示されるアイドリング時間である。なお、アイドリング時間は、運転者によって任意に設定されている。
また、「バッテリ表示」モードとは、設定項目として電圧表示モードが選択されている際に表示されるバッテリ電圧である。なお、バッテリ電圧は、例えば電圧センサで検出される検出値であり、この検出値は表示部4によってそのまま表示される。
このような通常モード時においては、図4(c),(d)に示すように、揺動パネル33の右側または左側を押すことによって、前記した各表示(各モード)が切り替えられる。そして、表示部4の画面にA/F表示、RPM表示またはタイマ表示が表示されている場合には、図4(b)に示すように、設定値変更ダイヤル31を長押しすると、図6に示すように、通常モードから設定変更モードへ移行する。以下に、A/F表示モード、RPM表示モード、タイマ表示モードにおいて、設定されている設定値(数値)を変更する操作についてモードごとに説明することとする。
なお、ターボタイマ1に限らず本発明に係るアフターパーツにおいては、電源接続後、LEDチェックモードでLEDの状態をチェックし、正常な場合にのみ、通常モードに遷移するように構成されている。
[A/F表示モード]
A/F表示がされている際に設定値変更ダイヤル31を通常押しすると(PUSH)、表示部4の画面上に、所定の設定変更用の表示(例えば、数値の点滅表示)がなされる。そして、この状態において、運転者が設定値変更ダイヤル31を回転操作すると、発光報知部5の発光タイミングの基準となる空燃比の数値が変更されていく。その後は、設定値変更ダイヤル31を長押しすることで(ENTER)、空燃比が決定されるとともに設定変更モードから通常モードへ移行する。
空燃比が設定されると、エンジンECUの空燃比の設定値が変更された設定値に書き換えられる。
[RPMモード]
RPM表示がされている際に設定値変更ダイヤル31を通常押しすると(PUSH)、表示部4の画面上に、シリンダ数の現在の設定値(例えば、イシニャルでは4)とエンジン回転速度の現在の設定値のどちらか一方が表示される。
この状態において、運転者が揺動パネル33(図4(c),(d)参照)を適宜揺動操作すると、シリンダ数またはエンジン回転速度の設定値が交互に表示される。そして、運転者がどちらか一方の設定値を選択した後、設定値変更ダイヤル31を回転操作することで、選択した設定値が適宜変更される。
具体的には、運転者が揺動パネル33を右に倒すと(RIGHT)、シリンダ数の設定値が選択され、その後運転者が設定値変更ダイヤル31を回転操作すると、シリンダ数の設定値が変更される。そして、シリンダ数の設定値を選択した後は、設定値変更ダイヤル31を長押しすることで(ENTER)、シリンダ数の設定値が決定されるとともに通常モードへ戻ることとなる。
また、運転者が揺動パネル33を右に倒して(RIGHT)、第1閾値設定を選択した際には、表示部4の画面上に、発光報知部5による点滅の開始タイミングをシフト毎に決めるためのエンジン回転速度、すなわち、シフト点灯エンジン回転速度の第1閾値の現在の数値が表示される。
そして、この状態において、運転者が設定値変更ダイヤル31を回転操作することで第1閾値が適宜変更され、この回転操作による第1閾値の選択後に、設定値変更ダイヤル31を通常押しすることによって(PUSH)、第1閾値が決定される。
また、設定値変更ダイヤル31を通常押し(PUSH)して第1閾値を決定すると、今度は、発光報知部5による点灯の開始タイミングを決めるためのエンジン回転速度の第2閾値の現在の数値が、表示部4の画面上に表示される。そして、この状態において、運転者が設定値変更ダイヤル31を回転操作することで第2閾値が適宜変更され、この回転操作による第2閾値の選択後に、設定値変更ダイヤル31を長押しすることによって(ENTER)、第2閾値が決定されるとともに通常モードへ戻ることとなる。
ここで、第1閾値により決定されるエンジンの回転速度は、セレクトするシフトギヤの経済的なエンジン回転速度に対応して決定され、第2閾値により決定されるエンジンの回転速度は、アクセル操作の関係でそれよりも所定回転数高い値に決定される。第1閾値と第2閾値との差は、経験上、最低500rpm程度とすると、個人差への対応が可能となる。
[タイマモード]
タイマ表示がされている際に設定値変更ダイヤル31を通常押しすると(PUSH)、表示部4の画面上に、アイドリング時間の設定方法として「オート設定」、「マニュアル設定」の2種類の設定方法のうちのどちらか一方が表示される。そして、この状態において、運転者が揺動パネル33を左に倒すと(LEFT)、オート設定が選択されて、オート設定における積算モードの切替が可能な状態となる。
ここで、「オート設定」とは、運転者が任意に設定する最小時間(MIN時間)に、走行距離やエンジン駆動時間などに基づいて主制御部が自動算出する積算時間を加えた数値を、アイドリング時間として設定する設定をいう。また、「積算モード」とは、主制御部が積算時間を自動算出するためのモードであり、「H(High)」、「S(Standard)」、「L(Low)」の3段階で構成され、モードが高くなるにつれて積算時間が長めに算出されるようになっている。
積算モードの切替が可能となった状態において、運転者が設定値変更ダイヤル31を回転操作すると積算モードが変更されていき、所定の積算モードを選択した後に設定値変更ダイヤル31を通常押しすることによって(PUSH)、積算モードが決定される。このように積算モードが決定された後は、表示部4の画面上にMIN時間の現在の数値が表示される。そして、この状態において、運転者が設定値変更ダイヤル31を回転操作することで、MIN時間が例えば0〜60秒の間で変更され、この回転操作によるMIN時間の選択後に、設定値変更ダイヤル31を長押しすることによって(ENTER)、MIN時間が決定されるとともに通常モードへ戻ることとなる。
また、オート設定またはマニュアル設定の選択が可能な状態において、運転者が揺動パネル33を右に倒すと(RIGHT)、マニュアル設定が選択されて、表示部4の画面上に、アイドリング時間の現在の数値が表示される。そして、この状態において、運転者が設定値変更ダイヤル31を回転操作することでアイドリング時間が例えば0秒から10分の間において10秒単位で変更され、この回転操作によるアイドリング時間の選択後に、設定値変更ダイヤル31を長押しすることによって(ENTER)、アイドリング時間が決定されるとともに通常モードへ戻ることとなる。
続いて、イグニッションスイッチ61を切った後のターボタイマ1の動作と、その操作方法について説明する。
図5に示すパーキングブレーキ62を上げて(ON状態として)イグニッションスイッチ61を切ると、主制御部は、図6に示す通常モードまたは設定変更モードから図7に示すカウントダウンモードに移行する。そして、表示部4の画面上にアイドリング時間が表示されるとともに、このアイドリング時間のカウントダウンが開始される。
カウントダウン中に、運転者が設定値変更ダイヤル31を下へ回すと(ROLL DOWN)、カウントダウン中のアイドリング時間が10秒単位で短縮され、上へ回すと(ROLL UP)、カウントダウン中のアイドリング時間が10秒単位で延長される。また、カウントダウン中に、運転者が揺動パネル33を左右いずれか一方に倒すと(LEFT,RIGHT)、主制御部がカウントダウンを強制終了させる。そして、このようにカウントダウンが強制終了された場合や、カウントダウンが正常に終了した場合には、主制御部が、ターボタイマ1の電源を切ってスリープモードに入る。なお、主制御部は、ターボタイマ1の電源を切る直前にエンジンを停止させる信号をリレー部41に出力するようになっており、これによりエンジンの駆動が停止される。また、スリープモードにおいて、主制御部は、イグニッションスイッチ61からのON信号を受け取ったか否かを判断しており、受け取ったと判断した場合にターボタイマ1の電源を入れて通常モード(アクティブモード)を表示するようになっている。
このように、アフターパーツによって設定項目毎に設定値が変更されると、エンジン制御系としてのエンジンエンジンECUや、過給圧を設定するためのアクチュエータの駆動回路、補機ECU等、エンジン制御系の対応する設定項目の設定値が変更される。
本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
回転式の設定値変更ダイヤル31を数値選択、すなわち、設定値変更用のスイッチとして適用するので、アイドリング時間などの数値を変更する動作を容易にすることができる。また、選択する数値の範囲が広い場合であっても1つの設定値変更ダイヤル31のみで迅速に所望の数値を選択できるので、構造の簡易化を図ることができるとともに、ボタンやレバーの操作の場合と比較して短時間に且つ簡単に設定することができる。
また、シーソー式の揺動パネル33を設定項目の切替用のスイッチとして適用するので、左右の第1プッシュスイッチ34が同時に押されることを防止できる。
なお、本考案は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、左右の第1プッシュスイッチに対応して設けるスイッチ部材を一体とした形態、すなわち揺動パネル33を採用したが、本考案はこれに限定されず、別体としてもよい。なお、この場合は、各スイッチ部材を前後に進退自在に構成すればよい。
前記実施形態では、アフターパーツとしてターボタイマ1を採用したが、本考案はこれに限定されず、例えば、少なくとも自動車のエンジン回転速度を表示する情報表示装置であってもよいし、ダイヤルで選択した過給圧の設定値を自動車の電子制御装置へ出力するターボコントローラであってもよい。
前記実施形態では、ダイヤルを設定値変更ダイヤル31とエンコーダ32で構成したが本発明はこれに限定されず、例えばエンコーダ32の代わりにポテンショメータやジャイロなどの回転角度センサを設けてもよい。
本考案の一実施形態に係るターボタイマを示す正面図である。 ターボタイマの構造を詳細に示す分解斜視図である。 揺動パネルの裏側の構造を示す拡大斜視図である。 操作子の作動状態を示す図であり、設定値変更ダイヤルの回転操作時の状態を示す側面図(a)と、設定値変更ダイヤルを押し込んだときの状態を示す側面図(b)と、揺動パネルの右側を押し込んだときの状態を示す側面図(c)と、揺動パネルの左側を押し込んだときの状態を示す側面図(d)である。 ターボタイマと自動車の各部品との配線を示す説明図である。 ターボタイマのアクティブモード時における操作方法を示す説明図である。 ターボタイマのカウントダウンモード時における操作方法を示す説明図である。
符号の説明
1 ターボタイマ
3 操作子
4 表示部
31a ダイヤル
31b 回転軸部
31c 回転軸部
32 エンコーダ
33 揺動パネル(スイッチ部材)
33a 窓
33d 押圧用突起(当接部)
34 第1プッシュスイッチ(選択スイッチ)
35 第2プッシュスイッチ(確定スイッチ)
61 イグニッションスイッチ

Claims (5)

  1. エンジン制御系からエンジン制御系の設定項目と対応する設定値とを取得して設定項目毎に設定値を変更する自動車のアフターパーツであって、
    前記設定項目と前記設定値とを表示させるための表示部と、
    互いに近接させて配置され、前記エンジン制御系から取得した複数の設定項目から変更すべき設定項目を選択的に前記表示部に表示させるとともに、選択された設定項目の設定値を前記表示部に表示させる複数の選択スイッチと、
    前記複数の選択スイッチに臨ませて設けられ、複数の選択スイッチを選択的に作動するスイッチング部材と、
    前記複数の選択スイッチ間に押し込可能に配置され、回転により前記表示部に表示された設定値を増減する設定値変更ダイヤルと、
    前記ダイヤルの押し込みにより作動されたとき、前記表示部に表示されている設定項目及び設定値を、変更を完了した設定項目、変更を終了した設定値としてそれぞれ確定する確定スイッチと、
    を備えたことを特徴とする自動車のアフターパーツ。
  2. 前記スイッチング部材がその中央部を中心に揺動自在に支持され、その揺動より前記一対の選択スイッチを選択的に作動する請求項2記載の自動車のアフターパーツ。
  3. 前記選択スイッチ及び確定スイッチがそれぞれ弾性部材の弾発力に抗してスイッチングされる接点部を有するプッシュスイッチで構成され、
    前記スイッチング部材がその揺動により各選択スイッチの可動接点を選択して押し込むように構成されており、
    前記ダイヤルの一端部が軸を介して揺動自在に支持されるとともに他端部が軸を介して確定スイッチの可動接点に押し込み可能に支持されており、
    さらに、前記ダイヤルの回転面が前記スイッチ部材に設けられた窓を通じてスイッチ部材の外面に露出している請求項1又は2記載の自動車のアフターパーツ。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の自動車のアフターパーツを用い、
    イグニッションスイッチを切った後、所定時間エンジンを作動させ続けるための設定値を決定するようにしたことを特徴とするターボタイマ。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の自動車のアフターパーツを用い、前記ダイヤルで自動車の電子制御装置へ出力する過給圧の設定値を決定するように構成したことを特徴とするターボコントローラ。
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