JP3125822B2 - 多板式熱交換器 - Google Patents

多板式熱交換器

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JP3125822B2 JP04239794A JP23979492A JP3125822B2 JP 3125822 B2 JP3125822 B2 JP 3125822B2 JP 04239794 A JP04239794 A JP 04239794A JP 23979492 A JP23979492 A JP 23979492A JP 3125822 B2 JP3125822 B2 JP 3125822B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の液体燃料を
冷媒サイクルの低圧側を流れる液相冷媒を利用して冷却
するようにした多板式熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に搭載される内燃機関の
液体燃料と車両用空気調和装置の冷凍サイクルの冷媒蒸
発器より流出した気相冷媒(過熱蒸気)とを熱交換させ
液体燃料を冷却するようにして、液体燃料の高温化に
よるベーパの発生を防止した二重管式フューエルクーラ
(以下従来の技術と呼ぶ)が知られている。
【0003】その従来の技術は、図6および図7に示し
たように、内部に気相冷媒が流入する冷媒通路101を
形成する内周側円筒管102と、この内周側円筒管10
2との間に液体燃料が流入する燃料通路103を形成す
る外周側円筒管104とを備えている。そして、従来の
技術は、液体燃料と気相冷媒との熱伝達率を向上させる
ために、冷媒通路101、燃料通路103内にそれぞれ
インナーフィン105、106を配していた。さらに、
従来の技術は、冷媒通路101内の気相冷媒が燃料通路
103側を流れるように冷媒通路101の軸心にセンタ
ーボルト107を設けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
においては、図6および図7に示したように、気相冷媒
により液体燃料を冷却しているため、気相冷媒と液体
料との温度差および熱伝達率が小さく、液体燃料の冷却
効率が悪いという課題があった。また、冷媒通路101
の断面積が大きいために、センターボルト107を設け
ているので、液体燃料と冷媒との熱交換に寄与しないデ
ッドスペースがあるため、二重管式フューエルクーラ1
00の体格が大型化してしまうという課題があった。
【0005】さらに、従来の技術を製作する際には、内
周側円筒管102の筒方向の両端部を拡管して外周側円
筒管104の内周面に当接するようにする拡管工程や、
この拡管工程によって内周側円筒管102の筒方向の両
端部に形成された拡管部108、109と外周側円筒管
104の内周面とをトーチろう付けするトーチろう付け
工程等が必要となるので、製作工数が多く高コストとな
るという課題があった。本発明は、冷媒による液体燃料
の冷却効率が良く、熱交換器の体格の小型化が図れ、製
作工数が少なく製作コストを低下させることが可能な多
板式熱交換器の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、平板状プレートの一端面側にカップ状の第1湾状プ
レートの開放部側を接合することで第1管路が形成さ
れ、前記平板状プレートの他端面側にカップ状の第2湾
状プレートの開放部側を接合することで第2管路が形成
され、前記第1管路内には、熱伝達率を向上させるイン
ナーフィンを有し、内部に液体燃料が流入する燃料冷却
通路が形成され、前記第2管路内には、前記第2湾状プ
レートより前記平板状プレートの他端面側に突出するリ
ブ部を有し、内部に液相冷媒が流入する冷媒蒸発通路が
形成された多板式熱交換器であって、 前記冷媒蒸発通路
は、前記燃料冷却通路より高さが低く、前記燃料冷却通
路内に流入する液体燃料は、前記燃料冷却通路内におい
て相変化せず、前記冷媒蒸発通路内に流入する液相冷媒
は、前記冷媒蒸発通路内において前記燃料冷却通路内の
液体燃料とを熱交換して気相冷媒に相変化することを特
徴とする。 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の
多板式熱交換器に加えて、前記冷媒蒸発通路内を冷媒が
流れる方向は、前記燃料冷却通路内を液体燃料が流れる
方向に対して逆方向であることを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、平板状プレー
トの一端面側にカップ状の第1湾状プレートの開放部側
を接合することで第1管路が形成され、平板状プレート
の他端面側にカップ状の第2湾状プレートの開放部側を
接合することで第2管路が形成され、第1管路内には、
液体燃料が流入する燃料冷却通路が形成され、第2管路
内には、液相冷媒が流入する冷媒蒸発通路が形成されて
いる。 そして、第1管路内に形成される燃料冷却通路内
液体燃料が流入し、第2管路内に形成される冷媒蒸発
通路内に液相冷媒が流入する。ここで、インナーフィン
を燃料冷却通路内に配して熱伝達率と伝熱面積を向上さ
せている。その上、気相冷媒よりも冷媒を液相より気相
に相変化している時の方が熱伝達率が高く且つ冷却能
力が高いので、インナーフィンと平板状プレートを介し
液体燃料と液相冷媒とが熱交換すると、液相より気相
に相変化する冷媒によって効率良く液体燃料を冷却す
る。一方、液体燃料と熱交換した液相冷媒は、液体燃料
の保有熱を奪うため蒸発気化して気相冷媒になる。この
ように、液相冷媒が蒸発気化する際には、液相冷媒の体
積が膨張するが、冷媒蒸発通路を形成する第2湾状プレ
ートに形成されたリブ部によって平板状プレートと第2
湾状プレートと耐圧強度が向上する。
【0008】また、平板状プレートの一端面側に第1湾
状プレートの開放部側が接合され、平板状プレートの他
端面側に第2湾状プレートの開放部側が接合されてい
る。このため、多板式熱交換器を製作する際に例えば一
体ろう付けを採用することも可能となるので、複雑な製
作工程を廃止することが可能となり、製作工数が減る。
そして、液体燃料と冷媒との熱交換に寄与しないデッド
スペースがなくなるため、多板式熱交換器の体格の小型
化が図れる。
【0009】
【実施例】つぎに、本発明の多板式熱交換器を図1ない
し図5に示す複数の実施例に基づいて説明する。 〔第1実施例〕図1は車両用空気調和装置の冷凍サイク
ル1の概略構成を示した図である。その冷凍サイクル1
は、冷媒圧縮機2、冷媒凝縮器3、レシーバ4、膨張弁
5、冷媒蒸発器6、多板式フューエルクーラ7およびこ
れらを順次環状に接続するための冷媒配管8よりなる。
【0010】冷媒圧縮機2は、吸入した冷媒を圧縮して
高温高圧の気相冷媒を吐出するものである。冷媒凝縮器
3は、冷媒圧縮機2より吐出された気相冷媒と室外空気
とを熱交換させて冷媒を凝縮液化するものである。レシ
ーバ4は、気相冷媒と液相冷媒とを分離して液相冷媒の
み膨張弁5へ供給するものである。膨張弁5は、レシー
バ4より供給された液相冷媒を断熱膨張して気液二相の
霧状冷媒にするものである。冷媒蒸発器6は、霧状冷媒
と室内空気とを熱交換させて冷媒を蒸発気化させるもの
である。
【0011】多板式フューエルクーラ7は、霧状冷媒と
燃料とを熱交換させてリターンガソリン(液体燃料:以
下ガソリンと略す)を冷却させるものである。冷媒配管
8は、冷媒蒸発器6に冷媒を供給する冷媒管路9と、こ
の冷媒管路9を迂回し多板式フューエルクーラ7に冷媒
を供給する冷媒管路10とを有している。なお、冷媒管
路9の冷媒蒸発器6の上流側には、冷媒管路9を開閉す
る電磁弁11が取り付けられている。また、冷媒管路1
0の多板式フューエルクーラ7の上流側には、冷媒管路
10を開閉する電磁弁12が取り付けられている。冷凍
サイクル1は、電磁弁11、12の開度を調整すること
によって冷媒蒸発器6へ流入する冷媒量と多板式フュー
エルクーラ7へ流入する冷媒量とを調整する。但し、こ
の実施例では、冷凍サイクル1の運転中、すなわち、冷
媒圧縮機2の運転中は電磁弁11が完全に閉弁しないよ
うに電磁弁11の開度調整が行われる。
【0012】以下に多板式フューエルクーラ7の構造を
詳細に説明する。ここで、図2は多板式フューエルクー
ラ7を示した図である。多板式フューエルクーラ7は、
平板状プレート13、第1湾状プレート14および第2
湾状プレート15等より構成されている。平板状プレー
ト13は、例えばアルミニウム合金等の金属製で、プレ
ス成形により長円形状の平板状に形成されている。この
平板状プレート13の上端面の外周縁端部16には、第
1湾状プレート14が接合されている。また、平板状プ
レート13の下端面の外周縁端部17には、第2湾状プ
レート15が接合されている。
【0013】第1湾状プレート14は、例えばアルミニ
ウム合金等の金属製で、プレス成形によりカップ状に形
成されており、長円形状の平板部18およびこの平板部
18の開放部側に鍔状部19が形成されている。その開
放部側の鍔状部19は、平板状プレート13の上端面の
外周縁端部16に当接するように形成されている。その
第1湾状プレート14の図示右側には、例えばアルミニ
ウム合金等の金属製のパイプ20の先端が差し込まれる
円孔21が形成されている。また、第1湾状プレート1
4の図示左側には、例えばアルミニウム合金等の金属製
のパイプ22の先端が差し込まれる円孔23が形成され
ている。
【0014】なお、パイプ20は、電子制御ガソリン噴
射装置(図示せず)のプレッシャーレギュレータ(図示
せず)より燃料配管(図示せず)を介して平板状プレー
ト13と第1湾状プレート14との間にガソリンを流入
させるものである。また、パイプ22は、平板状プレー
ト13と第1湾状プレート14との間より燃料タンク
(図示せず)へ燃料配管(図示せず)を介してガソリン
を流出させるものである。そして、平板状プレート13
と第1湾状プレート14との間には、ガソリンと冷媒と
の熱伝達率を向上させるための例えばアルミニウム合金
等の金属製のインナーフィン24が挟み込まれている。
【0015】図3は第2湾状プレート15を示した図で
ある。その第2湾状プレート15は、例えばアルミニウ
ム合金等の金属製で、プレス成形により第1湾状プレー
ト14より浅いカップ状に形成されており、長円形状の
平板部25およびこの平板部25より開放部側に鍔状部
26が形成されている。その開放部側の鍔状部26は、
平板状プレート13の下端面の外周縁端部17に当接す
るように形成されている。その第2湾状プレート15の
図示左側には、例えばアルミニウム合金等の金属製のジ
ョイントブロック27の先端が差し込まれる円孔28が
形成されている。そのジョイントブロック27には、電
磁弁12を介して膨張弁5に接続する冷媒管路10に連
結する例えばアルミニウム合金等の金属製のジョイント
29が取り付けられている。これらのジョイントブロッ
ク27内およびジョイント29内には、膨張弁5で断熱
膨張された気液二相の霧状冷媒を平板状プレート13と
第2湾状プレート15との間に流入させるための入口通
路30、31が形成されている。
【0016】また、第2湾状プレート15の図示右側に
は、例えばアルミニウム合金等の金属製のジョイントブ
ロック32の先端が差し込まれる円孔33が形成されて
いる。そのジョイントブロック32には、冷媒圧縮機2
の吸入側に接続する冷媒管路10に連結する例えばアル
ミニウム合金等の金属製のジョイント34が取り付けら
れている。これらのジョイントブロック32内およびジ
ョイント34内には、平板状プレート13と第2湾状プ
レート15との間より冷媒圧縮機2の吸入側へ冷媒を流
出させるための出口通路35、36が形成されている。
そして、第2湾状プレート15には、図3に示したよう
に、平板部25より平板状プレート13の下端面に当接
するように2つのリブ部37がプレス成形により形成さ
れている。2つのリブ部37は、平板部25の長手方向
に並列して形成され、直線形状よりも平板状プレート1
3の下端面へのろう付け面が多くなるように、各々の一
方の端部が内側に折り曲げられている。また、2つのリ
ブ部37は、図3に示したように、第2湾状プレート1
5の殆ど全面に設けられているので、圧力が均等に分散
することにより第2湾状プレート15に圧力強度を持た
せている。そして、2つのリブ部37は、平板状プレー
ト13と第2湾状プレート15との間を流れる冷媒の流
れを妨げないように形成されている。
【0017】なお、多板式フューエルクーラ7は、平板
状プレート13と第1湾状プレート14を接合すること
によって第1管路38が形成され、その第1管路38内
に燃料冷却通路39が形成される。この燃料冷却通路3
9内には、冷媒と熱交換することによって冷却されるガ
ソリンが流れる。また、多板式フューエルクーラ7は、
平板状プレート13と第2湾状プレート15を接合する
ことによって第2管路40が形成され、その第2管路4
0内に冷媒蒸発通路41が形成される。この冷媒蒸発通
路41は、燃料冷却通路39より高さが低く、内部に燃
料冷却通路39内を流れるガソリンと熱交換して蒸発気
化する冷媒が流れる。
【0018】つぎに、この多板式フューエルクーラ7の
組み付け方法を図2に基づいて簡単に説明する。まず、
第1湾状プレート14の2つの円孔21、23内にパイ
プ20、22の先端を差し込む。また、第2湾状プレー
ト15の円孔28内にジョイントブロック27の先端を
差し込み、円孔33内にジョイントブロック32の先端
を差し込む。そして、平板状プレート13の上端面の外
周縁端部16と第1湾状プレート14の開放側の鍔状部
19とが当接するように、平板状プレート13の上端面
に第1湾状プレート14の開放側を重ね合わせる。ま
た、平板状プレート13の下端面の外周縁端部17と第
2湾状プレート15の開放側の鍔状部26とが当接する
ように、平板状プレート13の下端面に第2湾状プレー
ト15の開放側を重ね合わせる。上述のように、組み付
けたジョイントブロック27、32にジョイント29、
34を接触させた組付品を、例えば炉中に入れて一体的
にろう付けすることによって各接触部分を接合すること
により多板式フューエルクーラ7を製作する。
【0019】以上によって、この多板式フューエルクー
ラ7を製作する際に一体ろう付けを採用することができ
るので、拡管工程やトーチろう付け工程等の複雑な製作
工程を廃止することができ、製作工数を減少でき、製作
コストの低減化を図ることができる。そして、従来の技
術のようにセンターボルト107を設ける必要はないの
で、ガソリンと冷媒との熱交換に寄与しないデッドスペ
ースがなくなるため、多板式フューエルクーラ7を小型
軽量化することができる。また、第2湾状プレート15
に形成された2つのリブ部37が線対称となるように形
成されているので、第2湾状プレート15を平板状プレ
ート13の下端面に左右逆にして組み付けても同じ形状
の多板式フューエルクーラ7を製作できる。
【0020】つぎに、この多板式フューエルクーラ7の
作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。冷媒
圧縮機2で圧縮された高温高圧の気相冷媒は、冷媒凝縮
器3内に流入して室外空気と熱交換して凝縮液化され高
温の液相冷媒になる。この高温の液相冷媒は、冷媒凝縮
器3を流出してレシーバ4内に流入する。レシーバ4内
に流入した冷媒は、気相冷媒と液相冷媒とに分離され、
液相冷媒のみ膨張弁5へ供給される。膨張弁5へ供給さ
れた液相冷媒は、膨張弁5を通過する際に断熱膨張され
て低温低圧で気液二相の霧状冷媒となる。この気液二相
の霧状冷媒は、電磁弁11が開弁し、電磁弁12が閉弁
している時には冷媒蒸発器6内に流入して室内空気と熱
交換して蒸発気化され気相冷媒となり、冷媒圧縮機2へ
吸入される。
【0021】また、電磁弁11、12が共に開弁した時
には、冷媒蒸発器6と多板式フューエルクーラ7とに気
液二相の霧状冷媒が流入する。冷媒蒸発器6内に流入し
た気液二相の霧状冷媒は上述のように、室内空気と熱交
換して蒸発気化され気相冷媒となり、冷媒圧縮機2へ吸
入される。一方、多板式フューエルクーラ7内に流入し
た気液二相の霧状冷媒は、入口通路31、30を通っ
て、平板状プレート13と第2湾状プレート15との間
に形成される冷媒蒸発通路41内に流入する。そして、
冷媒蒸発通路41内に流入した気液二相の霧状冷媒は、
燃料冷却通路39内のガソリンと熱交換して蒸発気化さ
れ気相冷媒となり、冷媒圧縮機2へ吸入される。
【0022】一方、プレッシャーレギュレータより流出
したガソリンは、パイプ20を通って、平板状プレート
13と第1湾状プレート14との間に形成される燃料冷
却通路39内に流入する。燃料冷却通路39内に流入し
たガソリンは、燃料冷却通路39内を通過する際に、平
板状プレート13とインナーフィン24とを介して冷媒
蒸発通路41内の冷媒と熱交換する。このとき、インナ
ーフィン24を燃料冷却通路39内に入れて熱伝達率と
伝熱面積を向上させ、冷媒蒸発通路41の高さを燃料冷
却通路39より低くして熱の接触抵抗を低下させること
によって熱抵抗をバランスさせているので、ガソリンが
効率良く冷却される。そして、冷却されたガソリンは、
パイプ22を通って多板式フューエルクーラ7より流出
して燃料タンク内に戻される。
【0023】以上のように、多板式フューエルクーラ7
は、平板状プレート13と第1湾状プレート14との間
に形成される燃料冷却通路39内に液体燃料であるガソ
リンが流入し、平板状プレート13と第2湾状プレート
15との間に形成される冷媒蒸発通路41内に気液二相
の霧状冷媒が流入する。ここで、気相冷媒よりも冷媒が
相変化(液→気体)している時の方が熱伝達率が遙かに
高く且つ冷却能力が高いので、冷媒とガソリンとの
交換性に優れ、冷媒によって効率良くガソリンを冷却す
ることができる。そして、燃料冷却通路39の高さより
冷媒蒸発通路41の高さを低くし、且つ第2湾状プレー
ト15の平板部25より平板状プレート13の下端面側
に突出する2つのリブ部37の存在によって冷媒蒸発
通路41の通路断面積を小さくしている。このため、冷
媒の蒸発気化が進行した場合でも、液相冷媒が平板状プ
レート13側を通過するようになるため、冷媒が蒸発気
化し、熱抵抗が上がることによるガソリンの冷却効率の
低下を抑えることができる。
【0024】そして、ガソリンと熱交換した霧状冷媒
は、ガソリンの保有熱を奪うため蒸発気化して気相冷
媒になる。このように、霧状冷媒が蒸発気化する際に
は、冷媒の体積が膨張するが、冷媒蒸発通路41を形成
する第2湾状プレート15の平板部25に形成された
つのリブ部37の存在によって平板状プレート13と第
2湾状プレート15と耐圧強度向上できるので、
板式フューエルクーラ7の耐久性、特に第2管路40の
耐久性を向上させることができる。また、多板式フュー
エルクーラ7は、燃料冷却通路39内をガソリンが流れ
る方向に対して、冷媒蒸発通路41内を冷媒が流れる方
向が逆方向(対流方向)になるため、ガソリンと冷媒と
が対流熱伝達となるので、冷媒とガソリンとの熱交換性
に優れ、液相より気相に相変化する冷媒によって効率良
くガソリンを冷却することができる。
【0025】〔第2実施例〕図4は多板式フューエルク
ーラを示した図である。多板式フューエルクーラ7が1
個のみではガソリンの冷却能力が不足する場合に、単純
に2個の多板式フューエルクーラ7を直列に連結しても
効果は少ない。このため、この実施例では、冷媒蒸発通
路41のみ並列接続する冷凍サイクル1を使用してい
る。
【0026】〔第3実施例〕図5は多板式フューエルク
ーラ7を示した図である。この実施例では、第2湾状プ
レート15の下端面にこの第2湾状プレート15より小
型の第3湾状プレート43をろう付けにより接合してい
る。第3湾状プレート43は、例えばアルミニウム合金
等の金属製で、プレス成形によりカップ状に形成されて
いる。その第3湾状プレート43の図示右側には、例え
ばアルミニウム合金等の金属製のパイプ44の先端が差
し込まれる円孔45が形成されている。また、第3湾状
プレート43の図示左側には、例えばアルミニウム合金
等の金属製のパイプ46の先端が差し込まれる円孔47
が形成されている。
【0027】そして、第2湾状プレート15と第3湾状
プレート43との間には、ガソリンと冷媒との熱伝達率
を向上させるための例えばアルミニウム合金等の金属製
のインナーフィン48を有する燃料冷却通路49が形成
されている。この実施例は、冷媒蒸発通路41側のポテ
ンシャルを100%使用するために、2つの燃料冷却通
路39、49を設けることによって熱抵抗をバランスさ
せ、多板式フューエルクーラ7として最大の熱交換効率
を得ることができる。
【0028】〔変形例〕本実施例では、多板式フューエ
ルクーラ7を室外空気に晒したが、多板式フューエルク
ーラ7の外周を断熱材で覆うことによって、冷却能力の
損失を防ぐようにしても良い。本実施例では、冷媒蒸発
通路41内に車両用空気調和装置の冷凍サイクル1を循
環する冷媒を流入させたが、冷媒蒸発通路41内に燃料
冷却専用の冷凍サイクル1を循環する冷媒を流入させて
も良い。本実施例では、多板式フューエルクーラ7の形
状に長円形状を採用したが、多板式熱交換器の形状に円
形状、楕円形状、環状、多角形状等を採用しても良い。
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、インナーフィ
ンを燃料冷却通路内に配して熱伝達率と伝熱面積を向上
させ、冷媒蒸発通路の高さを燃料冷却通路より低くして
熱の接触抵抗を低下させることによって熱抵抗をバラン
スさせている。その上、液相冷媒と液体燃料とを熱交換
させて燃料を冷却しているので、冷媒による液体燃料の
冷却効率を向上することができる。そして、液体燃料
冷媒との熱交換に寄与しないデッドスペースがなくなる
ため、多板式熱交換器を小型化できる。また、例えば一
体ろう付けにより多板式熱交換器を製作することができ
るので、製作工数を減少でき、製作コストを低下させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を組み込んだ車両用空気調
和装置の冷凍サイクルを示した構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の多板式フューエルクーラ
の概略構成を示した断面図である。
【図3】図2の第2湾状プレートを示した平面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例の多板式フューエルクーラ
の概略構成を示した断面図である。
【図5】本発明の第3実施例の多板式フューエルクーラ
の概略構成を示した断面図である。
【図6】従来の技術の概略構成を示した断面図である。
【図7】従来の技術の概略構成を示した断面図である。
【符号の説明】
1 車両用空気調和装置の冷凍サイクル 7 多板式フューエルクーラ(多板式熱交換器) 13 平板状プレート 14 第1湾状プレート 15 第2湾状プレート16 外周縁端部 17 外周縁端部 18 平板部 19 鍔状部 24 インナーフィン26 鍔状部 37 リブ部38 第1管路 39 燃料冷却通路40 第2管路 41 冷媒蒸発通路43 第3湾状プレート 49 燃料冷却通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28D 9/00 F28F 3/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板状プレートの一端面側にカップ状の
    1湾状プレートの開放部側を接合することで第1管路が
    形成され、 前記平板状プレートの他端面側にカップ状の第2湾状プ
    レートの開放部側を接合することで第2管路が形成さ
    れ、 前記第1管路内には、熱伝達率を向上させるインナーフ
    ィンを有し、内部に液体燃料が流入する燃料冷却通路が
    形成され、 前記第2管路内には、前記第2湾状プレートより前記平
    板状プレートの他端面側に突出するリブ部を有し、内部
    に液相冷媒が流入する冷媒蒸発通路が形成された多板式
    熱交換器であって、 前記冷媒蒸発通路は、前記燃料冷却通路より高さが低
    く、 前記燃料冷却通路内に流入する液体燃料は、前記燃料冷
    却通路内において相変化せず、 前記冷媒蒸発通路内に流入する液相冷媒は、前記冷媒蒸
    発通路内において前記燃料冷却通路内の液体燃料とを熱
    交換して気相冷媒に相変化する ことを特徴とする多板式
    熱交換器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の多板式熱交換器におい
    て、 前記冷媒蒸発通路内を冷媒が流れる方向は、前記燃料冷
    却通路内を液体燃料が流れる方向に対して逆方向である
    ことを特徴とする 多板式熱交換器。
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