JP4069804B2 - 熱交換器および受液器一体型凝縮器 - Google Patents
熱交換器および受液器一体型凝縮器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーエアコン等の凝縮器・蒸発器その他の用途に用いられるマルチフロー型の熱交換器および受液器一体型凝縮器に関するものであり、特に内部流体が低循環流量時の各熱交換チューブにおける流体分布の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような熱交換器として、例えば、左右平行状に配置された1対の筒状中空ヘッダタンク間に、並列状に複数本の熱交換チューブの両端を連通接続し、一方のヘッダタンクの所定位置に内部流体入口部と、他方のヘッダタンクの所定位置に内部流体出口部とを設けた、いわゆるマルチフロータイプやパラレルフロータイプと称される熱交換器が知られている。図8は、従来のこのような熱交換器1の正面断面、および冷凍サイクルRの冷媒凝縮器として構成した模式図である。
【0003】
係る熱交換器1では、コンプレッサ2で圧縮された高温高圧冷媒が入口管11から第1ヘッダタンク21内に流入し、この第1ヘッダタンク21に連通した複数本の熱交換チューブ31からなるコア部1aのうち第1熱交換チューブ群31aに分流する。そして、熱交換チューブ31の長手方向と直行する水平方向から流入して熱交換チューブ31の外を流れる例えば外気等の外部流体と熱交換して冷却され凝縮しつつ右方へと流れ、第2ヘッダタンク22内に流出して合流する。
【0004】
尚、図8に示す熱交換器1はUターン構造となっているため、第2ヘッダタンク22は第1熱交換チューブ群31aの出口側ヘッダタンクであり且つ第2熱交換チューブ群32aの入口側ヘッダタンクとなる。よって、第2ヘッダタンク22内に流出・合流した冷媒は下方へと流れ、今度はコア部1aのうち第2熱交換チューブ群31bに分流し、上記と同様に再度外部流体との熱交換を行なって冷却され凝縮しつつ左方へと流れ、完全に液化されて第3ヘッダタンク23内に流出して合流し、出口管12から熱交換器1の外部へと流出する。
【0005】
尚、第1ヘッダタンク21と第3ヘッダタンク23とは、同一の管状中空部材をセパレータ41で区分け分離することで構成している。また、各熱交換チューブ31の上下面に配設されている放熱フィンは図示を省略した。
【0006】
熱交換器1から流出した凝縮冷媒は受液器3で気液分離されて液相冷媒が蓄えられると共に、受液器3から導出された液相冷媒は膨張弁4にて減圧膨張される。そして、その減圧膨張された冷媒は冷媒蒸発器5で蒸発・気化し、その気相冷媒はコンプレッサ2に吸入されて再度圧縮されることで冷凍サイクルRの循環が成されている。このような冷凍サイクルの熱交換器において、効率良く熱交換チューブへ冷媒を分流させる従来技術として、特許文献1に示される技術がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−74609号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に示したマルチフロータイプの凝縮器では、熱交換チューブ内の冷媒流路をより微細化し、チューブ内の流速を上げて冷媒側の熱伝達係数を向上させる方向にある。また、空気側の伝熱性能を向上させるためにフィン高さを低くする方向にある。その結果性能は向上するが、その背反として特に冷媒循環流量が小となる低負荷時においては各熱交換チューブ内を流れる冷媒流速が均一となりづらいという問題がある。
【0009】
図9の(a)は従来の熱交換器1の1パスの部分モデルを表す図であり、(b)(c)はその部分モデルでの温度分布測定結果を示す。この従来の熱交換器1の下側部分では、冷媒流速が遅く放熱性能に寄与しない部分が生じている。また、(b)と(c)とを見比べると、コンプレッサ回転数が高い場合(b)にはコア面の上下方向に温度分布は生じないが、コンプレッサ回転数が低い場合(c)には温度分布が生じて下側が低温となっていることが分かる。つまり、熱交換器下側では冷媒が流れづらいことからコア面での冷媒流れが不均一となり、温度差が大きくなっていることが分かる。
【0010】
特に近年では、低負荷時でのコンプレッサ消費動力を低減させるため、負荷に応じて吐出量を可変させる可変容量タイプのコンプレッサが主流となっている。そのため、上記問題が発生する領域は拡大する方向となり、無視できない状況にある。具体的には、コンプレッサから流入する冷媒は過熱度を持つガス単体の冷媒であるが、コンプレッサ内部を潤滑させるための冷凍機油を含んでいる。そして比重の大きい冷凍機油はヘッダタンク内部で重力によって分離されるため、下側の熱交換チューブにはより濃い油濃度となった冷媒が集中することとなる。
【0011】
そのため、下側の熱交換チューブ内での流れ抵抗が増大し、冷媒が流れづらくなる。その結果、比較的上側の熱交換チューブは有効利用されるが、下側の熱交換チューブは有効利用されないこととなる。すなわち、特に低負荷時において、コア部の全体が有効に機能しなくなるという問題がある。尚、特許文献1に示される従来技術は、この熱交換チューブへ冷媒を均等に分流させることを狙ったものであるが、複数に分岐した分岐管を製作しなければならないうえ、その複数に分岐した分岐管をヘッダタンクに連通接続させなければならないことより、熱交換器を製造するのに工数が掛かってコストが高くなるという問題がある。
【0012】
本発明は、上記従来の問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、低負荷時においてもコア部の全体が有効に機能するうえ、生産性の良い熱交換器および受液器一体型凝縮器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、第1、第2ヘッダタンク(21、22)のいずれか一方、もしくは両方に、ヘッダタンク内空間を熱交換チューブ側空間(21a)と反熱交換チューブ側空間(21b)とに仕切る仕切り部材(51)と、その仕切り部材(51)に熱交換チューブ側空間(21a)と反熱交換チューブ側空間(21b)とを連通させる連通部(53)を複数設けたうえ、仕切り部材(51)の流れ抵抗の小さい上側に流通面積小の小連通部(53S)を配置し、流れ抵抗の大きい下側に流通面積大の大連通部(53L)を配置したことを特徴としている。
【0014】
これは、複数の熱交換チューブ(31)に対して冷媒を分配・集合する第1、第2ヘッダタンク(21、22)のいずれか一方、もしくは両方の内部において、流れ抵抗の小さい上側には流通面積小の小連通部(53S)を配置し、流れ抵抗の大きい下側には連通面積大の大連通部(53S)を配置するものである。このように、上下での流れ抵抗の違いに応じて相反する流通抵抗を付加することにより、特に冷媒循環流量が低くなる条件下であっても複数本の熱交換チューブ(31)内での内部流体流速分布を均一化させることができ、コア部(1a)全体が有効に機能して熱交換器(1)の性能を最大限に引き出すことができる。
【0015】
また、異なる大きさの連通孔(53)を複数設けた仕切り板(51)はプレス成型で容易に製造可能であるうえ、その仕切り板(51)をヘッダタンク内に組み入れるだけで後は従来と同様の一体ろう付けで製造できるため、生産性の良い熱交換器とすることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、第1、第2ヘッダタンク(21、22)のいずれか一方、もしくは両方に、ヘッダタンク内の上方部位で内部に突出する内部突出部(61a)を設けた熱交換器(1)と、内部流体は冷凍サイクル(R)を循環する冷媒であり、その冷媒を外部流体で冷却して凝縮させる熱交換器(1)と、その熱交換器(1)で凝縮した液相冷媒を蓄える受液器(6)とを一体とした受液器一体型凝縮器であり、内部突出部(61a)として、受液器(6)をヘッダタンクに保持するための保持部材(61)の一部を用いたことを特徴としている。
これは、ヘッダタンク内の流通抵抗を、ヘッダタンク内に突出させた内部突出部(61a)で可変するものであり、流れ抵抗の大きい下側には設けず、流れ抵抗の小さい上側に突出させて流通抵抗とするものである。
【0019】
このように上下での流れ抵抗の違いに応じて相反する流通抵抗を付加することにより、特に冷媒循環流量が低くなる条件下であっても複数本の熱交換チューブ(31)内での内部流体流速分布を均一化させることができ、コア部(1a)全体が有効に機能して熱交換器(1)の性能を最大限に引き出すことができる。また、尚、内部突出部(61a)は、ヘッダタンクを形成する板材のプレス形状で形成しても良いし、セパレータ(41)と同様に別部品の板材をヘッダタンク内に組み込む構造でも良く、いずれも従来と同様の工程で製造することができて生産性の良い熱交換器とすることができる。
【0023】
具体的には後述する図7に示すように、ブラケット(61)の支持部(61a)をヘッダタンク内に突出させることで内部突出部(61a)としている。これにより、保持部材(61)に二つの機能を兼ね合わせることで部品点数を削減することができ、性能を最大限に引き出すことができるうえ、生産性の良い受液器一体型凝縮器(10)とすることができる。尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態における熱交換器1の正面断面模式図である。本実施形態は、本発明に係る熱交換器1を車両用空調装置の冷凍サイクルにおける冷媒凝縮器に適用したものとして説明する。車両用空調装置の冷凍サイクルは、図示しない冷媒圧縮機、冷媒凝縮器(本熱交換器)1、図示しない受液器・膨張弁・冷媒蒸発器、及びこれらを順次接続する金属製パイプ、またはゴム製パイプよりなる冷媒配管等から構成されている。
【0025】
冷媒圧縮機(以下、コンプレッサ)は、車両のエンジンルーム内に設置され、走行用エンジン等の駆動源から電磁クラッチを介して駆動力を得るように連結されている。このコンプレッサは、エンジンから駆動力が伝達されると、冷媒蒸発器より内部に吸入した気相(ガス)冷媒を圧縮して、高温高圧の気相冷媒を冷媒凝縮器1へ吐出するものである。
【0026】
冷媒凝縮器1は、車両のエンジンルーム内の走行風を受け易い場所、通常はラジエータの前方側に位置するように設置されている。大別すると、熱交換を行なうコア部1aと、その水平方向の両端側に配されたヘッダタンク21・22から構成され、これらの構成部品は全てアルミニウムで形成され、炉中にて一体ろう付けして製造されている。
【0027】
コア部1aは、コンプレッサから吐出した気相冷媒と、図示しない送風機で供給される車室外空気とを熱交換して冷媒を冷却して凝縮させる冷媒凝縮手段として働く。冷媒流れの概要は、コンプレッサで圧縮された高温高圧冷媒が入口管11から第1ヘッダタンク21内に流入し、この第1ヘッダタンク21に連通した複数本の熱交換チューブ31からなるコア部1aのうち第1熱交換チューブ群31aに分流する。そして、熱交換チューブ31の長手方向と直行する水平方向から流入して熱交換チューブ31の外を流れる車室外空気と熱交換して冷却され凝縮しつつ右方へと流れ、第2ヘッダタンク22内に流出して合流する。
【0028】
尚、図1に示す冷媒凝縮器1はUターン構造となっているため、第2ヘッダタンク22は第1熱交換チューブ群31aの出口側ヘッダタンクであり且つ第2熱交換チューブ群32aの入口側ヘッダタンクとなる。よって、第2ヘッダタンク22内に流出・合流した冷媒は下方へと流れ、今度はコア部1aのうち第2熱交換チューブ群31bに分流し、上記と同様に再度車室外空気との熱交換を行なって冷却され凝縮しつつ左方へと流れ、完全に液化されて第3ヘッダタンク23内に流出して合流し、出口管12から冷媒凝縮器1の外部へと流出する。
【0029】
尚、第1ヘッダタンク21と第3ヘッダタンク23とは、同一の管状中空部材をセパレータ41で区分け分離することで構成している。また、各熱交換チューブ31の上下面に配設されている放熱フィンは図示を省略した。
【0030】
熱交換器1から流出した凝縮冷媒は受液器で気液分離されて液相冷媒が蓄えられると共に、受液器から導出された液相冷媒は膨張弁に流入する。膨張弁は、例えば絞り弁の弁体をスプリング等で押えてあって圧力で作動する機械式の膨張弁であり、冷媒凝縮器1より流入した高圧の液相冷媒を小さな絞り孔から噴射させることにより急激に膨張させ、低温低圧の気液二相の霧状冷媒にする減圧手段として働き、その低温低圧の気液二相冷媒を冷媒蒸発器に供給する。
【0031】
冷媒蒸発器は、エバポレータであって、コンプレッサの吸入口と膨張弁の冷媒出口との間に接続され、膨張弁の冷媒出口より内部に流入した気液二相状態の冷媒を送風機により吹き付けられる車室外空気または車室内空気と熱交換させて冷媒を蒸発気化させ、その蒸発潜熱により送風空気を冷却する冷媒蒸発手段、冷却手段として働く。そして、その蒸発気化した気相冷媒はコンプレッサに吸入されて再度圧縮されることで冷凍サイクルの循環が成されている。
【0032】
次に、本実施形態における発明の要部構造について説明する。本実施形態での特徴は、第1ヘッダタンク21内空間を熱交換チューブ側空間21aと反熱交換チューブ側空間21bとに仕切る仕切り板(仕切り部材)51を設けている。そして、その仕切り板51には、先の熱交換チューブ側空間21aと反熱交換チューブ側空間21bとを連通させる連通孔(連通部)53を複数設けると共に、仕切り板51の上側には流通面積小の小連通孔(小連通部)53Sを配置し、仕切り板51の下側には流通面積大の大連通孔(大連通部)53Lを配置している。
【0033】
図2は図1の第1ヘッダ21部分の構造を示す部分分解斜視図である。製造方法として、熱交換チューブ31と図示しない放熱フィンとを積層して挿入したチューブ側ヘッダタンク部材211に、仕切り板51を圧入する。そして、セパレータ41を孔部213に組付けた外側ヘッダタンク部材212を、先のチューブ側ヘッダタンク部材211に組み合わせる。そして、両ヘッダタンク部材211・212をかしめた後、これら全てを高温炉中で一体ろう付けしている。
【0034】
尚、図1に示す冷媒凝縮器1はUターン構造となっていて、第2熱交換チューブ群31b側も同様であり、第2ヘッダタンク22内空間を熱交換チューブ側空間22aと反熱交換チューブ側空間22bとに仕切る仕切り板52を設けている。そして、その仕切り板52には、先の熱交換チューブ側空間22aと反熱交換チューブ側空間22bとを連通させる連通孔53を複数設けると共に、仕切り板52の上側には流通面積小の小連通孔53Sを配置し、仕切り板52の下側には流通面積大の大連通孔53Lを配置している。尚、42は熱交換チューブ側空間22aを区分け分離するためのセパレータである。
【0035】
図3の(a)は本発明の熱交換器1の1パスの部分モデルを表す図であり、(b)(c)はその部分モデルでの温度分布測定結果を示す。その結果、コンプレッサ回転数が高い場合であっても(b)低い場合であっても(c)、コア部1aにおいて上下方向に大きな温度差を生じない。つまり、各熱交換チューブ31には均一に冷媒が流れていることが分かる。
【0036】
これは、複数の熱交換チューブ31に対して冷媒を分配する第1ヘッダタンク21の内部において、流れ抵抗の小さい上側には流通面積小の小連通部53Sを配置し、流れ抵抗の大きい下側には連通面積大の大連通部53Sを配置したものである。このように、上下での流れ抵抗の違いに応じて相反する流通抵抗を付加することにより、特に冷媒循環流量が低くなる条件下であっても複数本の熱交換チューブ31内での内部流体流速分布を均一化させることができ、コア部1a全体が有効に機能して熱交換器1の性能を最大限に引き出すことができる。
【0037】
また、異なる大きさの連通孔53を複数設けた仕切り板51は、プレス成型で容易に製造可能であるうえ、その仕切り板51をヘッダタンク内に組み入れるだけで後は従来と同様の一体ろう付けで製造できるため、生産性の良い熱交換器とすることができる。尚、上記の実施例では仕切り板51・52をそれぞれの熱交換チューブ群の上流側ヘッダタンクに設けたが、本発明はこれに限るものではなく、下流側のヘッダタンクに設けても良いし、両側のヘッダタンクに設けても良い。例えば、図1の仕切り板52を第1ヘッダタンク21側に設けて仕切り板51と一体としたうえ、セパレータ42を不要としても良い。
【0038】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態における熱交換器1の正面断面模式図である。本実施形態での特徴は、第1・第2ヘッダタンク21・22の水平方向断面において、上側を断面積小(21d・22d部分)、下側を断面積大としている。これは、ヘッダタンク21・22内の流通抵抗を、水平方向の断面積で可変するものであり、流れ抵抗の小さい上側は断面積小とし、流れ抵抗の大きい下側は断面積大とするものである。
【0039】
このように上下での流れ抵抗の違いに応じて相反する流通抵抗を形成することにより、特に冷媒循環流量が低くなる条件下であっても複数本の熱交換チューブ31内での内部流体流速分布を均一化させることができ、コア部1a全体が有効に機能して熱交換器1の性能を最大限に引き出すことができる。また、ヘッダタンク21・22の断面積は、ヘッダタンク21・22を形成する板材のプレス形状だけで容易に可変可能であるため、従来と同じ工程で製造することができて生産性の良い熱交換器とすることができる。
【0040】
尚、上記の実施例では断面積小部分21d・22dをヘッダタンク21・22のそれぞれに設けたが、本発明はこれに限るものではなく、下流側のヘッダタンクもしくは上流側のヘッダタンクのいずれかであっても良い。
【0041】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態における受液器一体型凝縮器10の正面断面模式図であり、第2実施形態の熱交換器1を受液器一体型凝縮器10に適用したものである。受液器一体型凝縮器10とは、第2ヘッダタンク22の側方に受液器6を一体にして設け、第2熱交換チューブ群31bに冷媒を分配するヘッダタンク22eには受液器6で気液分離した液冷媒のみを導入させることで、第2熱交換チューブ群31bを過冷却部として構成したものであり、凝縮器部31aと受液器6と過冷却器部31bを一体化したものとなる。尚、43はヘッダタンク22と22eとを区分け分離するためのセパレータである。
【0042】
そして受液器6は、凝縮器部31aの冷媒出口部に接続されており、凝縮器部31aで凝縮した液相冷媒を蓄える働きをする。また、過冷却器部31bは、凝縮器部31aの下方に隣接して設けられ、受液器6より内部に流入した液相冷媒を図示しない送風機で供給される車室外空気とを熱交換して冷媒を過冷却させる冷媒過冷却手段として働く。
【0043】
本冷凍サイクルでの概略作動は、コンプレッサが起動すると、圧縮された気相冷媒が受液器一体型凝縮器10に吐出される。そして、凝縮器部31aにて冷却されて凝縮した液相冷媒は、受液器6に蓄えられると共に、過冷却器部31bに流入して更に過冷却されて膨張弁に供給される。そして、膨張弁にて減圧膨張して気液二相となった冷媒が蒸発器に供給されて、蒸発器で車室内に吹き出す空気から吸熱し蒸発して気相冷媒となり、コンプレッサに吸入される。
【0044】
本実施形態での特徴は、第2実施形態の熱交換器1と、その熱交換器1で凝縮した液相冷媒を蓄える受液器6とを一体とした受液器一体型凝縮器10であり、ヘッダタンク22上側の断面積小とした部分22dを用いて受液器6との間に隙間部Sを設けている。この隙間部Sを設けたことにより、ヘッダタンク22から受液器6への熱移動が少なく抑えられ、安定した気液分離性を得ることができる。
【0045】
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態における受液器一体型凝縮器10の正面断面模式図である。本実施形態は、上述の第3実施形態と同じく受液器6を持ち、第2熱交換チューブ群31bを過冷却器部として利用した場合の実施例である。まず、本実施形態における熱交換器1での特徴は、第2ヘッダタンク22内の上方部位に、内部へ突出する内部突出部61aを設けている。これは、ヘッダタンク内の流通抵抗を、ヘッダタンク内に突出させた内部突出部61aで可変するものであり、流れ抵抗の大きい下側には設けず、流れ抵抗の小さい上側に突出させて流通抵抗とするものである。
【0046】
このように上下での流れ抵抗の違いに応じて相反する流通抵抗を付加することにより、特に冷媒循環流量が低くなる条件下であっても複数本の熱交換チューブ31内での内部流体流速分布を均一化させることができ、コア部1a全体が有効に機能して熱交換器1の性能を最大限に引き出すことができる。尚、内部突出部61aは、ヘッダタンク22を形成する板材のプレス形状で形成しても良いし、セパレータ43と同様に別部品の板材をヘッダタンク22内に組み込む構造でも良く、いずれも従来と同様の工程で製造することができて生産性の良い熱交換器とすることができる。
【0047】
尚、上記の実施例では内部突出部61aをヘッダタンク22側に設けたが、本発明はこれに限るものではなく、上流側のヘッダタンク21もしくは両側のヘッダタンク21・22に設けても良い。
【0048】
また、図7は図6中のA−A断面図である。本実施形態では、内部突出部61aとして、受液器6をヘッダタンク22に保持するためのブラケット(保持部材)61の一部を用いている。具体的には図7に示すように、ブラケット61の支持部61aをヘッダタンク22内に突出させることで内部突出部61aとしており、所定量Bだけ内部に突出させることで上記の効果を発揮させることが可能となっている。これにより、ブラケット61に二つの機能を兼ね合わせることで部品点数を削減することができ、性能を最大限に引き出すことができるうえ、生産性の良い受液器一体型凝縮器10とすることができる。
【0049】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、Uターン構造の熱交換器1となっているが、本発明はこれに限るものではなく、1パス・Sパス・Wパスもしくはそれ以上のものであっても良い。また、第1実施形態の仕切り板51・52、第2実施形態の断面積小部分21d・22d、第4実施形態の内部突出部61aを組み合わせて用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における熱交換器1の正面断面模式図である。
【図2】図1の第1ヘッダ21部分の構造を示す部分分解斜視図である。
【図3】(a)は本発明の熱交換器1の1パスの部分モデルを表す図であり、(b)(c)はその部分モデルでの温度分布測定結果を示す。
【図4】本発明の第2実施形態における熱交換器1の正面断面模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態における受液器一体型凝縮器10の正面断面模式図である。
【図6】本発明の第4実施形態における受液器一体型凝縮器10の正面断面模式図である。
【図7】図6中のA−A断面図である。
【図8】従来の熱交換器1の正面断面、および冷凍サイクルRの凝縮器として構成した模式図である。
【図9】(a)は従来の熱交換器1の1パスの部分モデルを表す図であり、(b)(c)はその部分モデルでの温度分布測定結果を示す。
【符号の説明】
1a コア部
6 受液器
21 第1ヘッダタンク
21a 熱交換チューブ側空間
21b 反熱交換チューブ側空間
22 第2ヘッダタンク
31 熱交換チューブ
51 仕切り板(仕切り部材)
53 連通孔(連通部)
53L 連通孔(大連通部)
53S 連通孔(小連通部)
61 ブラケット(保持部材)
61a 内部突出部
R 冷凍サイクル
S 隙間部
Claims (2)
- 水平方向に長手の複数本の熱交換チューブ(31)を垂直方向に積層し、前記長手方向と直行する水平方向から流入して前記熱交換チューブ(31)の外を流れる外部流体と前記熱交換チューブ(31)の中を流れる内部流体との間で熱交換を行なうコア部(1a)と、
垂直方向に長手で前記複数本の熱交換チューブ(31)の前記長手方向両端に接続されると共に前記複数本の熱交換チューブ(31)内と連通し、前記複数本の熱交換チューブ(31)に前記内部流体を分配供給する第1ヘッダタンク(21)と、前記複数本の扁平チューブ(31)から流出する前記内部流体を集合回収する第2ヘッダタンク(22)とを備えた熱交換器において、
前記第1、第2ヘッダタンク(21、22)のいずれか一方、もしくは両方に、前記ヘッダタンク内空間を熱交換チューブ側空間(21a)と反熱交換チューブ側空間(21b)とに仕切る仕切り部材(51)と、その仕切り部材(51)に前記熱交換チューブ側空間(21a)と前記反熱交換チューブ側空間(21b)とを連通させる連通部(53)を複数設けたうえ、前記仕切り部材(51)の流れ抵抗の小さい上側に流通面積小の小連通部(53S)を配置し、流れ抵抗の大きい下側に流通面積大の大連通部(53L)を配置したことを特徴とする熱交換器。 - 水平方向に長手の複数本の熱交換チューブ(31)を垂直方向に積層し、前記長手方向と直行する水平方向から流入して前記熱交換チューブ(31)の外を流れる外部流体と前記熱交換チューブ(31)の中を流れる内部流体との間で熱交換を行なうコア部(1a)と、
前記垂直方向に長手で前記複数本の熱交換チューブ(31)の前記長手方向両端に接続されると共に前記複数本の熱交換チューブ(31)内と連通し、前記複数本の熱交換チューブ(31)に前記内部流体を分配供給する第1ヘッダタンク(21)と、前記複数本の扁平チューブ(31)から流出する前記内部流体を集合回収する第2ヘッダタンク(22)とを備え、
前記第1、第2ヘッダタンク(21、22)のいずれか一方、もしくは両方に、前記ヘッダタンク内の上方部位で内部に突出する内部突出部(61a)を設けた熱交換器(1)と、
前記内部流体は冷凍サイクル(R)を循環する冷媒であり、その冷媒を前記外部流体で冷却して凝縮させる前記熱交換器(1)と、その熱交換器(1)で凝縮した液相冷媒を蓄える受液器(6)とを一体とした受液器一体型凝縮器であり、
前記内部突出部(61a)として、前記受液器(6)を前記ヘッダタンクに保持するための保持部材(61)の一部を用いたことを特徴とする受液器一体型凝縮器。
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