JP3125043B2 - 分離可能な接合構造物及びその分離方法 - Google Patents

分離可能な接合構造物及びその分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属、半導体、
セラミックス、プラスチックス等の固体材料の接合の技
術分野と、その応用としての機械部品、電子部品の組み
立ての技術分野に属している。また、この発明は、接合
物の分離、組み立て品の分解に関連したものであること
から、接合・組み立てによって製造されている工業製品
の廃棄、リサイクル環境の技術分野にも属している。
【0002】
【従来の技術】従来の固体材料の接合は、接合しようと
する二つの部材を直接接合する場合には溶接やロウ付
け、はんだ付け等の液相接合ないしは、拡散接合や圧
接、超音波接合等の固相接合によって行われている。ま
た、二つの部材の間に中間材を設ける間接的な接合方法
としては、上記の直接接合を利用する方法の他、有機の
接着や無機接着剤による方法がある。
【0003】これらの接合方法による固体材料の接合構
造物は、いずれも分離を前提としていないため、接合部
での分離は非常に困難で、また、分離できたとしても他
の不都合を招く問題があった。例えば、はんだ付けで
は、接合部の分離のためには、はんだ等を溶かすのが一
般的であるが、接合部のはんだを完全には除去できない
という問題や、はんだが溶ける程の熱を加える必要があ
ることから熱に弱い電子部品等の分離には諸般の不利を
伴うなどの問題がある。接着剤を使う接合でも、有機の
接着剤では溶剤を使う必要があり、また、接着剤を完全
に除去するのは困難である。無機接着剤を使用する接合
法は、そもそもガラス質の中間層を形成する方法である
ため、接合部の中間層を破壊して分離するほか手段がな
く、ガラス質中間層の破壊のために大きな力を加える必
要がある。すなわち、従来の接合構造では、その分離の
ために熱や力などを加える必要があり、また、接合部で
完全に分離することは難しく、接合された材料や部品、
あるいはその接合の中間材を破壊する方法しか分離手段
がない。
【0004】現在、異なった材料を接合・複合化した材
料や、エレクトロニクスにおける実装基板などの多くの
部品を接合した製品の廃棄、リサイクルが、環境の視点
から課題になっている。接合された材料や部品を接合部
で分離することができれば、これらの材料や部品の再利
用も可能となり、また、廃棄、処理の負担も軽減される
はずであるが、従来の接合技術では前述のように接合部
で分離することができず、これらの問題に対応できてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、接
合部に接合中間材として、水素と反応すると膨張し粉体
化又は剥離を生じる材料を使うことにより、過度の熱や
力をかけることなく、接合部で分離させることが可能な
新しい接合構造を実現する点にある。これによって、従
来の接合構造では困難であった接合材料や部品の分離が
実現できる。この発明により、接合された材料や部品の
再利用の可能性が拡大し、これら複合材料や実装基板な
どの廃棄・処理の負担が軽減されることによって、工業
製品の廃棄、リサイクル環境技術の進展に大きく寄与す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の分離可能な接
合構造物は、接合しようとする部材と部材との間に、水
素との反応により膨張し粉体化又は剥離を生じる材料か
らなる中間材を配し、この中間材を介して部材同士を接
合してなることを特徴とする。ここに、水素との反応に
より膨張し粉体化又は剥離を生じる材料が、水素吸蔵合
金であること、中間材が薄板形状又は薄膜形状であるこ
と、接合しようとする部材が電子部品であり、接合がは
んだ付けであること及びはんだと中間材との間に、銅箔
を介在させてなることは、有利に適合する。また、この
発明の接合構造物の分離方法は、接合しようとする部材
と部材との間に、水素との反応により膨張し粉体化又は
剥離を生じる材料からなる中間材を配設し、この中間材
を介して部材同士を接合してなる接合構造物に、水素を
吸収させることを特徴とする。ここに、水素を吸収させ
るに先立ち、水素活性化処理を行うこと、及び複数の接
合部を有する接合構造物の各接合部に対し、水素活性化
処理を選択的に行うことは、有利に適合する。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の接合構造物は、水素と
の反応により膨張し粉体化又は剥離を生じる材料からな
る中間材を配し、この中間材を介して部材同士を接合し
てなることから、分離しようとするときには、水素環境
下に接合構造物を置くことによって容易に分離が達成さ
れ、熱や力を特に加える必要がなく、有機接着剤の場合
のように溶剤を使用する必要もない。しかも、はんだや
有機接着剤の場合のように接合界面に接合手段が残るこ
ともない。
【0008】この発明の、水素との反応により膨張し粉
体化又は剥離を生じる材料からなる中間材としては、具
体的には、水素吸蔵合金がある。この水素吸蔵合金は、
水素の貯蔵等の使途に開発が進められており、この発明
では、LaNi5 、LaNi4.5Al0.5、MNi5 (Mはミッシュメ
タル)、MNi4.5Al0.5、Mg2Ni 、TiCo0.5Fe0.5、 TiFe
1-xMnx (x=0.04〜0.1 )、ZrMn0.80.2 Niなどの
合金を用いることができる。中間材は、薄板形状又は薄
膜形状であることが、接合部領域の拡大を抑制しつつ所
定の接合強度を得るためには有利である。接合しようと
する部材と中間材との接合手段としては、接着、圧接、
はんだ付け、超音波接合、表面活性化による常温接合法
などが使用可能である。
【0009】かくして、この発明の接合構造物は、機械
構造物の用途に使用することができるのみならず、電子
部品の構造物としての用途に使用することができるのは
いうまでもない。電子部品の接合には、はんだ付けが多
く用いられており、この電子部品のはんだ付けの場合に
この発明を適用するに際しては、はんだと中間材との間
に、銅箔を介在させることは、中間材とぬれにくいはん
だを接合に利用する場合に有利である。
【0010】この発明の接合構造物を、接合部で分離す
るときには、当該接合部に水素を吸収される。すると、
接合部に配設された中間材は、水素により脆化し、膨張
し粉体化ないしは剥離を生じるから、容易に分離可能と
なる。特に水素吸蔵合金を中間材として適用した場合に
は、微粉化するから、水素吸蔵合金がこの接合部に残る
ことはほとんどなく、接合部から容易に除去可能であ
る。水素吸蔵合金は、大気中に含まれる程度の水素分圧
の場合には、水素と反応しない。よってこの発明の接合
構造物は、大気中での使用中に中間材が脆化するおそれ
はない。
【0011】水素吸蔵合金は、水素と効率よく反応させ
るには予め水素活性化処理を行う必要がある場合が多
い。この水素活性化処理には、圧力を加える、加熱をす
るなどの方法がある。例えばLaNi系水素吸蔵合金では室
温で数十atm の水素圧力を付与すること、MNi5 の場合
は約70℃に加熱することなどがある。かくして、このよ
うな現象を利用して、分離しようとする接合部のみを局
所的に加熱することにより、複数の接合部のうちの特定
の接合部のみを分離することが可能となる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)図1に、水素と反応すると膨張し粉体化な
いしは剥離を生じる材料からなる中間材1を、二つの部
材2及び3の間に介在させた接合構造物を示す。図1の
接合構造物では、中間材1と部材2,3との接合は接着
により行ってあり、図中に接着剤層4を示す。中間材1
には水素吸蔵合金(LaNi4.5Al0.5)を用い、接着には接
着剤(2-シアノアクリレート)を用いている。中間材1
のサイズは5mm×5mm×厚み1mm、、部材2,3はサイ
ズ5mm×5mm×10mmでAl製である。
【0013】かかる接合構造物を分離すべく、まず、水
素活性化を行った。中間材1に用いたLaNi4.5Al0.5の水
素活性化は、室温で数十atm の水素圧力下で達成され
る。そのため、10mlの高圧容器内に接合構造物を配置
し、真空ポンプで一旦容器内のガスを排気してから、水
素を導入する。この実施例では分離のために高圧容器内
で約30atm の高圧水素下に2時間放置した。処理後ポン
プで水素を排気し、1時間真空中で保持した後サンプル
を取り出した。なお、処理後に真空保持するのは、水素
吸蔵合金中に含まれる水素を放出させるためである。処
理後には、水素吸蔵合金は微粉化しサンプルは分離して
いることを確認した。
【0014】かくして、この実施例により以下のことが
明らかとなった。電子回路において、異方性導電樹脂な
ど有機接着剤を利用した接合部の分離が不良部品の交換
( リペア) の際の重要な課題である。この分離のために
は接着剤が完全に硬化する前に機械的に剥離させるか、
完全に硬化したあとでは、接合部が損傷することもやむ
を得ず機械的な剥離ないしは溶剤による分離しか分離の
方法がなかった。この発明では、接合部での分離が接着
剤に完全に硬化した後でも接合部を損なうことなく可能
である。
【0015】(実施例2)図2に、水素と反応すると膨
張し粉体化ないしは剥離を生じる材料からなる中間材1
を、二つの部材2,3の間に介在させた接合構造物を示
す。図2の接合構造物では、中間材1と部材2,3との
接合は常温接合により行ってある。中間材1にはサイズ
5mm×5mm×厚み1mmの水素吸蔵合金(LaNi4.5A
l0.5)、部材2と3にはサイズ5mm×5mm×10mmのAl製
のものを用いた。水素吸蔵合金(LaNi4.5Al0.5)1とAl
製部材2,3との接合を表面活性化による常温接合法に
より行った。この手法は、低温での接合のため反応相を
ほとんど作らず、組成変化が急峻な界面を得ることがで
きる。この急峻な界面は分離を行うとき接合界面での分
離に有効に作用する。表面活性化による常温接合はAr高
速電子線を加速電圧1.5 kV、15mAで7時間の照射を行
い、500 N で圧接したものである。
【0016】分離は、10mlの高圧容器内に接合構造物を
配置し、真空ポンプで一旦容器内のガスを排気し、水素
を導入して行った。この実施例では高圧容器内で約30at
m の高圧水素下に2時間放置した。処理後はポンプで水
素を排気し、1時間真空中で保持した後サンプルを取り
出した。水素吸蔵合金の微粉化による接合体の分離を確
認した。
【0017】かくして、この実施例により以下のことが
明らかとなった。部品の組み立てにおていこの接合構造
を採用することにより、分解が非常に容易に行える。す
わなち、従来の部品の接合においては、接合部での分離
は接合部の機械的な破壊によるしかなく、実質行われて
いなかった。この方法によって、接合部に外的な力を加
えることなく分離することが可能となった。同様な構造
が板状ないしは薄板の積層構造(クラッド材)の分離に
おいても可能である。従来は分離が容易でなかったた
め、廃棄処理やリサイクルの具体的な方法がなかった。
この発明の構造をクラッド材に採用することにより、使
用後これを容易に分離することができ、材料の再利用が
可能となる。
【0018】(実施例3)図3に、接合しようとする部
材が電子部品である場合の接合構造物の一例を示す。同
図の接合構造物は、有機材料基板5上に、水素と反応す
ると膨張し粉体化ないしは剥離を生じる材料からなる中
間材の被膜6を形成し、この中間材の被膜6の上に更に
銅箔7を形成した積層体と、リード8とを、はんだ9に
より接合した構造になる。中間材の材料としてはLaNi5
を用い、LaNi5 の粉体からフラッシュ蒸着法、すなわち
合金の粉体を真空中で高温に加熱したボートの上に落下
させ、瞬時に蒸着する方法により0.5 〜2 μm の厚さの
薄膜6を有機材料基板5の上に作成した。次にこの水素
吸蔵合金薄膜6上に、抵抗加熱法により約1μm の銅薄
膜7を形成した。この薄膜7と部品(リード)8とを、
はんだ( ファインクリーム) 9により接続した。はんだ
のリフローは窒素中で150 〜180 ℃で120 秒、220 ℃で
2秒間、温度上昇下降合わせて360 秒で行った。
【0019】分離は、LaNi5 の水素活性化が室温で数十
atm の水素圧力下で達成されるため、まず、10mlの高圧
容器を用意して真空ポンプで一旦容器内のガスを排気し
てから、水素を導入した。この実施例では高圧容器内で
約30atm の高圧水素下に5分放置して行ったところ剥離
を確認した。この剥離は、有機材料基板5と水素吸蔵合
金薄膜6との間、及び合金薄膜6と銅箔7との間で生じ
ていた。分離後ポンプで水素を排気し、1時間真空中で
保持した後、サンプルを取り出した。
【0020】この実施例により以下のことが明らかとな
った。従来のプリント配線板では実装部品の分離が困難
であるために部品の再利用が難しかったり、実装基板の
廃棄処理が困難であったところ、この実施例により、基
板上の部品が容易に基板から分離でき、部品の再利用
や、基板の廃棄処理が容易になる。更に、以下に述べる
実施例4〜6に示すように、水素と反応すると膨張し粉
体化ないしは剥離を生じる材料の、部品接合部における
介挿位置を選択することで、分離する部分を予め選択す
ることができる。
【0021】(実施例4)図4に、接合しようとする部
材が電子部品である場合の接合構造物の一例を示す。同
図の接合構造物は、プリント基板5上の部品接続パッド
10上に、水素と反応すると膨張し粉体化ないしは剥離を
生じる材料からなる中間材の被膜6を形成し、この中間
材の被膜6の上に更に銅箔7を形成した積層体と、リー
ド8とを、はんだ9により接合した構造になる。中間材
の材料としてはLaNi5 を用い、LaNi5 の粉体からフラッ
シュ蒸着法により0.5 〜2 μm の厚さの薄膜6を、プリ
ント配線板5の部品接続パッド10上に作成した。次にこ
の水素吸蔵合金薄膜6上に、抵抗加熱法により約1μm
の銅薄膜7を形成した。この薄膜7と部品(リード)8
とをはんだ9により接続した。はんだのリフローは実施
例3と同様である。
【0022】分離は、10mlの高圧容器を用意して真空ポ
ンプで一旦容器内のガスを排気し、水素を導入した。こ
の実施例では高圧容器内で約30atm の高圧水素下に5分
放置して行ったところ、剥離を確認した。分離後ポンプ
で水素を排気し、1 時間真空中で保持した後、サンプル
を取り出した。剥離はプリント基板5上の部品接続パッ
ド10と水素吸蔵合金薄膜6との間及び水素吸蔵合金薄膜
6と銅箔7との間で生じていた。
【0023】(実施例5)図5に、接合しようとする部
材が電子部品である場合の接合構造物の一例を示す。同
図の接合構造物は、電子部品の接合端子、すわなちリー
ド8の接合面上に水素と反応すると膨張し粉体化ないし
は剥離を生じる材料からなる中間材の被膜11を形成し、
更にこの中間材の被膜11の表面上に銅箔12を形成してお
き、これをプリント基板5上の部品接続パッド10上とは
んだ9により接合した構造になる。
【0024】中間材11の材料としてはLaNi5 を用い、こ
のLaNi5 の粉体からフラッシュ蒸着法により電子部品の
接合端子(リード)8上に0.5 〜2 μm の厚みの薄膜11
を作成した。次に抵抗加熱法により約1μm の銅薄膜12
を、この水素吸蔵合金薄膜11上に形成した。これらの薄
膜を形成した部品8をプリント配線板5の部品接合パッ
ド10上にはんだ8により接続した。リフローは実施例3
と同様である。分離は、高圧容器内で約30atm の高圧水
素下に5分放置して行い、剥離を確認した。剥離はリー
ド8と水素吸蔵合金薄膜11との間及び水素吸蔵合金薄膜
11と銅箔12との間で生じていた。
【0025】(実施例6)図6に、接合しようとする部
材が電子部品である場合の接合構造物の一例を示す。同
図の接合構造物は、プリント基板5上の部品接続パッド
10上に、水素と反応すると膨張し粉体化ないしは剥離を
生じる材料からなる中間材の被膜6を形成し、この中間
材の被膜6の上に更に銅箔7を形成した積層体と、電子
部品の接合端子、すわなちリード8の接合面上に水素と
反応すると膨張し粉体化ないしは剥離を生じる材料から
なる中間材の被膜11を形成し、更にこの中間材の被膜11
の表面上に銅箔を形成したものとを、はんだ9により接
合した構造になる。
【0026】中間材の材料としてはLaNi5 を用い、LaNi
5 の粉体からフラッシュ蒸着法により0.5 〜2 μm の厚
さの薄膜6を、プリント配線板5の部品接続パッド10上
に作成した。次にこの水素吸蔵合金薄膜6上に、抵抗加
熱法により約1μm の銅薄膜7を形成した。一方、中間
材11の材料としてはLaNi5 を用い、このLaNi5 の粉体か
らフラッシュ蒸着法により電子部品の接合端子(リー
ド)8上に0.5 〜2 μmの厚みの薄膜11を作成した。次
に抵抗加熱法により約1μm の銅薄膜12を、この水素吸
蔵合金薄膜11上に形成した。これらの薄膜を形成した部
品8をはんだ9によりプリント配線板5と接続した。な
お、はんだのリフローは実施例3と同様である。LaNiの
水素活性化は、室温で数十atm の水素圧力下で達成され
る。そこで、実施例では高圧容器内で約30atm の高圧水
素下に5分放置して分離を行い、図示したように剥離を
確認した。
【0027】(実施例7)図7を用いて、複数の電子部
品の接合物のうち、特定の接合部のみを分離する方法を
説明する。プリント基板5上に、図6に示した接合構造
物を複数個配置してある。なお、各接合構造物における
中間材としては、水素吸蔵合金のMNi5 (Mはミッシュ
メタル)を使用した。MNi5 は水素圧0atm でも約70℃
に加熱することにより水素活性化することができる。そ
こで、水素圧0atm の条件下でスポット光13により剥離
を希望する場所のみを局部的に加熱し、その後20atm の
水素圧下に2時間放置したところ、局部的分離を確認し
た。この実施例により、特定の部品のみを取り外すこと
が可能であることか明らかとなった。かくして、従来の
プリント配線板では困難であった基板上の部品が容易に
基板から分離でき、部品の再利用や、基板の廃棄処理が
容易に可能となる。これにより、廃棄コスト、リペアコ
ストの低減が期待できる。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、接合しようとする部
材と部材との間に、水素との反応により膨張し粉体化又
は剥離を生じる材料からなる中間材を配し、この中間材
を介して部材同士を接合してなることから、過度の熱や
力をかけることなく、接合部に水素を吸収させることだ
けで分離させることが可能である。これによって、従来
の接合構造では困難であった接合材料や部品の分離が実
現でき、さらに、接合された材料や部品の再利用の可能
性が拡大し、これら複合材料や実装基板などの廃棄・処
理の負担が軽減されることによって、工業製品の廃棄、
リサイクル環境技術の進展に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す説明図である。
【図2】この発明の他の実施例を示す説明図である。
【図3】この発明を電子部品に適用した実施例を示す説
明図である。
【図4】この発明を電子部品に適用した他の実施例を示
す説明図である。
【図5】この発明を電子部品に適用した他の実施例を示
す説明図である。
【図6】この発明を電子部品に適用した他の実施例を示
す説明図である。
【図7】複数の接合部を有する接合構造物のうち、特定
の接合部のみを分離する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 中間材 2 部材 3 部材 4 接着剤層 5 基板 6 中間材被膜 7 銅箔 8 リード 9 はんだ 10 部品接続パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−118981(JP,A) 特開 昭64−73298(JP,A) 特開 平1−309907(JP,A) 特開 昭63−115605(JP,A) 特開 平5−15903(JP,A) 特開 平8−255971(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/34 B23K 1/00 - 3/00 B23K 20/00 B23K 35/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合しようとする部材と部材との間に、
    水素との反応により膨張し粉体化又は剥離を生じる材料
    からなる中間材を配し、この中間材を介して部材同士を
    接合してなることを特徴とする分離可能な接合構造物。
  2. 【請求項2】 水素との反応により膨張し粉体化又は剥
    離を生じる材料が、水素吸蔵合金である請求項1記載の
    分離可能な接合構造物。
  3. 【請求項3】 中間材が薄板形状又は薄膜形状である請
    求項1記載の分離可能な接合構造物。
  4. 【請求項4】 接合しようとする部材が電子部品であ
    り、接合がはんだ付けである請求項1記載の分離可能な
    接合構造物。
  5. 【請求項5】 はんだと中間材との間に、銅箔を介在さ
    せてなる請求項4記載の分離可能な接合構造物。
  6. 【請求項6】 接合しようとする部材と部材との間に、
    水素との反応により膨張し粉体化又は剥離を生じる材料
    からなる中間材を配設し、この中間材を介して部材同士
    を接合してなる接合構造物に、水素を吸収させることを
    特徴とする接合構造物の分離方法。
  7. 【請求項7】 水素を吸収させるに先立ち、水素活性化
    処理を行う請求項6記載の分離方法。
  8. 【請求項8】 複数の接合部を有する接合構造物の接合
    部に対し、水素活性化処理を選択的に行う請求項7記載
    の分離方法。
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