JP3125002B2 - 電界放射型真空計 - Google Patents
電界放射型真空計Info
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- JP3125002B2 JP3125002B2 JP03172457A JP17245791A JP3125002B2 JP 3125002 B2 JP3125002 B2 JP 3125002B2 JP 03172457 A JP03172457 A JP 03172457A JP 17245791 A JP17245791 A JP 17245791A JP 3125002 B2 JP3125002 B2 JP 3125002B2
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Description
【0001】本発明は電界放射を利用した真空計に関
し、特に超高真空及び極高真空用の真空計に関する。
し、特に超高真空及び極高真空用の真空計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超高真空又は極高真空を使用する
機器の真空室の真空度を測定する方法としては、 1)全圧真空計として熱陰極電離真空計、放射線電離真
空計等が主として使用されている。
機器の真空室の真空度を測定する方法としては、 1)全圧真空計として熱陰極電離真空計、放射線電離真
空計等が主として使用されている。
【0003】2)分圧真空計として真空室内のガスの分
圧をそれぞれ測定する質量分析計を分圧真空計として使
用されている。
圧をそれぞれ測定する質量分析計を分圧真空計として使
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の熱陰極
電離真空計では、内部に加熱源があり、これに起因する
真空室壁面からのガス放出や分子の分解等が起こり、測
定値に影響を与えることがある。
電離真空計では、内部に加熱源があり、これに起因する
真空室壁面からのガス放出や分子の分解等が起こり、測
定値に影響を与えることがある。
【0005】更に、熱陰極電離真空計や放射線電離真空
計ではガスのイオン化に要する空間が必要であり、真空
計として小型化が困難である。
計ではガスのイオン化に要する空間が必要であり、真空
計として小型化が困難である。
【0006】又、分圧真空計としては質量分析計を使用
するので、装置が複雑で、かつ高価なものとなる。
するので、装置が複雑で、かつ高価なものとなる。
【0007】本発明は上述の問題を解決して、簡単で小
型化が可能で、極高真空にも使用出来る真空計を提供す
ることを課題とする。
型化が可能で、極高真空にも使用出来る真空計を提供す
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、超高真空又は極高真空用の真空計において、先端
曲率半径が1μm以下の針状陰極3と、この針状陰極3
に対向する陽極2と、前記針状陰極3及び陽極2に一定
電圧を印加する定電圧電源4と、前記針状陰極3から放
射される陰極電流を測定する電流計5を設けたものであ
る。
めに、超高真空又は極高真空用の真空計において、先端
曲率半径が1μm以下の針状陰極3と、この針状陰極3
に対向する陽極2と、前記針状陰極3及び陽極2に一定
電圧を印加する定電圧電源4と、前記針状陰極3から放
射される陰極電流を測定する電流計5を設けたものであ
る。
【0009】
【実施例】図1は本発明の真空計の計測システムの構成
図、図2は同じく電極配置図である。図1において、一
点鎖線は真空室1とこの真空室1に接続している電極チ
ャンバー1aで、2は陽極、3は針状陰極、4は定電圧
電源、5は電流計、6は微分回路、7は表示装置であ
る。
図、図2は同じく電極配置図である。図1において、一
点鎖線は真空室1とこの真空室1に接続している電極チ
ャンバー1aで、2は陽極、3は針状陰極、4は定電圧
電源、5は電流計、6は微分回路、7は表示装置であ
る。
【0010】図2は前記電極チャンバー1aを示したも
ので、三角フラスコ状のパイレックスガラス製の容器に
陽極2及び針状陰極3を設け、この三角フラスコを真空
度を測定すべき真空室1に接続してある。
ので、三角フラスコ状のパイレックスガラス製の容器に
陽極2及び針状陰極3を設け、この三角フラスコを真空
度を測定すべき真空室1に接続してある。
【0011】針状陰極3はレニウム、タングステン、モ
リブデン等の耐熱金属細線を電解研磨により先端の曲率
半径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好
ましくは0.1μm以下の針状に形成されている。この
曲率半径が大きくなると電力が大きくなり、又絶縁も悪
くなるので好ましくない。この針状陰極3をヘアピン状
に成形した加熱電極3aの先端部に点溶接して保持して
ある。
リブデン等の耐熱金属細線を電解研磨により先端の曲率
半径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好
ましくは0.1μm以下の針状に形成されている。この
曲率半径が大きくなると電力が大きくなり、又絶縁も悪
くなるので好ましくない。この針状陰極3をヘアピン状
に成形した加熱電極3aの先端部に点溶接して保持して
ある。
【0012】上述の加熱電極3aは針状陰極3を一旦加
熱することにより清浄化するもので、測定開始前に針状
陰極3を無吸着状態にするものである。
熱することにより清浄化するもので、測定開始前に針状
陰極3を無吸着状態にするものである。
【0013】陽極2は前記三角フラスコ状の底に当たる
部分に前記針状陰極3に対向して設けられており、蛍光
物質を薄く塗布した導電性透明物質で構成されている。
部分に前記針状陰極3に対向して設けられており、蛍光
物質を薄く塗布した導電性透明物質で構成されている。
【0014】なお、上述の電極チャンバー1a、針状陰
極3及び陽極2は一例であり、必ずしも上述の形状に限
定するものではない。
極3及び陽極2は一例であり、必ずしも上述の形状に限
定するものではない。
【0015】上記電極チャンバー1aの外部には定電圧
電源4が設けられており、+側は陽極2に接続され、−
側は電流計5を通して針状陰極3に接続され、針状陰極
3の先端付近の電界強度を107 V/m以上にして電子
放射を起こさせるものである。又、電流計5の電流検出
信号は微分回路6で微分した後、測定値を表示する表示
装置7に入力する。
電源4が設けられており、+側は陽極2に接続され、−
側は電流計5を通して針状陰極3に接続され、針状陰極
3の先端付近の電界強度を107 V/m以上にして電子
放射を起こさせるものである。又、電流計5の電流検出
信号は微分回路6で微分した後、測定値を表示する表示
装置7に入力する。
【0016】次に、本発明の真空計の動作原理を説明す
る。即ち、気相から表面に入射する分子数は圧力に比例
する。入射分子のうち一定割合が吸着し、表面状況が変
化する。この変化を利用して気相の圧力を測定するもの
である。
る。即ち、気相から表面に入射する分子数は圧力に比例
する。入射分子のうち一定割合が吸着し、表面状況が変
化する。この変化を利用して気相の圧力を測定するもの
である。
【0017】電界放射陰極からの放射電流は、陰極の仕
事関数と印加電界によって決まる。印加する電界が一定
であれば、吸着による仕事関数の変化は直ちに電流の変
化として検出出来る。
事関数と印加電界によって決まる。印加する電界が一定
であれば、吸着による仕事関数の変化は直ちに電流の変
化として検出出来る。
【0018】金属表面に基板原子と異なる原子又は分子
が吸着すると、表面の電子状態の変化に伴い仕事関数も
変化する。超高真空から極高真空領域での残留ガスは、
H2 、CO等極く限られた成分から成っていることが知
られている。これらの気体がタングステンやレニウム等
の表面に吸着した場合、仕事関数を単原子層においてH
2 では0.55eV、COでは0.8eV程度増加させ
る。
が吸着すると、表面の電子状態の変化に伴い仕事関数も
変化する。超高真空から極高真空領域での残留ガスは、
H2 、CO等極く限られた成分から成っていることが知
られている。これらの気体がタングステンやレニウム等
の表面に吸着した場合、仕事関数を単原子層においてH
2 では0.55eV、COでは0.8eV程度増加させ
る。
【0019】この結果、放射電流は一桁以上減少すると
見積もられる。吸着量が多くない範囲で吸着気体間の相
互作用を無視出来る場合、更に大きいダイポールモーメ
ントを持つと期待されから、吸着原子又は分子が覆う面
積からの放射電流は充分小さく無視出来るので、陰極か
らの放射電流は残りの清浄な陰極表面からの寄与でほと
んど決まる。
見積もられる。吸着量が多くない範囲で吸着気体間の相
互作用を無視出来る場合、更に大きいダイポールモーメ
ントを持つと期待されから、吸着原子又は分子が覆う面
積からの放射電流は充分小さく無視出来るので、陰極か
らの放射電流は残りの清浄な陰極表面からの寄与でほと
んど決まる。
【0020】従って、上述の放射電流の変化は気体が吸
着された陰極表面積の変化で決まり、表面積の変化は吸
着された原子又は分子数、即ち気圧によって決まる。
着された陰極表面積の変化で決まり、表面積の変化は吸
着された原子又は分子数、即ち気圧によって決まる。
【0021】上述のようにして放射電流が電流計5で測
定されると、この検出値により微分回路6は検出値を微
分し、表示装置7で表示するが、この場合、ある時間内
に針状陰極3の表面に吸着する原子数と気相の圧力の関
係を利用しているため、圧力計自身が積分性(吸着原子
あるいは分子数は時間と共に蓄積される)を以ており、
圧力の測定下限は利用出来る時間間隔によってのみ制限
されるので、極めて低く出来る。
定されると、この検出値により微分回路6は検出値を微
分し、表示装置7で表示するが、この場合、ある時間内
に針状陰極3の表面に吸着する原子数と気相の圧力の関
係を利用しているため、圧力計自身が積分性(吸着原子
あるいは分子数は時間と共に蓄積される)を以ており、
圧力の測定下限は利用出来る時間間隔によってのみ制限
されるので、極めて低く出来る。
【0022】
【発明の効果】上述のように、吸着現象の積分性によ
り、極めて高感度の検出が可能であり、超高真空、極高
真空の測定に充分使用が可能である。
り、極めて高感度の検出が可能であり、超高真空、極高
真空の測定に充分使用が可能である。
【0023】又、基板と吸着気体間の選択性により、特
定気体についてのみ感度を持たせることが可能である。
定気体についてのみ感度を持たせることが可能である。
【0024】真空室内部では針状陰極とこれに対向する
陽極のみであるので、形状を小型化する事が容易で、取
付けや取扱の自由度が大きい。
陽極のみであるので、形状を小型化する事が容易で、取
付けや取扱の自由度が大きい。
【0025】真空度測定中は発熱部がなく、熱源に起因
する真空室の器壁からのガス放出や分子の分解等の系へ
の影響が無い。
する真空室の器壁からのガス放出や分子の分解等の系へ
の影響が無い。
【図1】本発明の真空計の計測システムの構成図であ
る。
る。
【図2】本発明の真空計の電極配置図である。
1 真空室 1a 電極チャンバー 2 陽極 3 針状陰極 3a 加熱電極 4 定電圧電源 5 電流計 6 微分回路 7 表示装置
Claims (1)
- 【請求項1】 超高真空又は極高真空用の真空計におい
て、先端曲率半径が1μm以下の針状陰極と、この針状
陰極に対向する陽極と、前記針状陰極及び陽極に一定電
圧を印加する定電圧電源と、前記針状陰極から放射され
る陰極電流を測定する電流計を設けたことを特徴とする
電界放射型真空計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03172457A JP3125002B2 (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 電界放射型真空計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03172457A JP3125002B2 (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 電界放射型真空計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0521037A JPH0521037A (ja) | 1993-01-29 |
JP3125002B2 true JP3125002B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=15942349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03172457A Expired - Fee Related JP3125002B2 (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 電界放射型真空計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3125002B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2122099C (en) | 1993-04-28 | 1999-08-17 | Hitoshi Yoshino | Recording medium, ink-jet recording method using the same, and dispersion of alumina hydrate |
DE102005010716A1 (de) * | 2005-03-09 | 2006-09-14 | Inficon Gmbh | Kaltkathoden-Drucksensor |
CN110186613A (zh) * | 2019-06-04 | 2019-08-30 | 上海集迦电子科技有限公司 | 一种基于荧光法的热传导真空计 |
-
1991
- 1991-07-12 JP JP03172457A patent/JP3125002B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0521037A (ja) | 1993-01-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |