JP3124979B2 - 変速機操作装置の位置検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、変速機操作装置の変速
用操作軸（セレクト用操作軸、又はシフト用操作軸）の
操作方向（軸線方向）のストローク位置を検出する位置
検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】変速機操作装置は、セレクト用操作軸及
びシフト用操作軸を備えており、これらの変速用操作軸
が所定のセレクト位置及びシフト位置にそれぞれ位置し
たことを検出するために、位置検出装置が設けられてい
る。

【０００３】従来、セレクト用操作軸の位置検出装置
は、該操作軸の端部外周に１個の永久磁石を一体的に固
着するとともに、該磁石が往復動する経路に対応して、
前記操作装置のハウジング側の位置スイッチセンサとし
て複数の磁電変換素子（ホール素子など）を配設する。
そして、前記各磁電変換素子にて前記磁石の位置を検出
することにより、前記セレクト用操作軸のストローク位
置を検出している。

【０００４】一方、従来のシフト用操作軸の位置検出装
置１０としては、図３及び図４に示すものが、既に本出
願人によって提案されている（特願平4-127945号、特開
平5-296318号、特許第3068326号）。同図は、前記位置
検出装置１０を備える変速機操作装置のシフト操作用の
アクチュエータ２が、全操作ストロークのほぼ中央位置
（ニュートラル位置）にあるときを示す。

【０００５】このシフト操作用アクチュエータ２には、
ハウジング３に中空のシフト変速用操作軸４が摺動自在
に配設されており、前記ハウジング３に結合した操作軸
駆動部５にて、流体、例えば圧縮空気を給排し、パワー
ピストンを介して、前記操作軸４が往動又は復動され
る。

【０００６】前記変速用操作軸４には、変速機をシフト
操作するための出力を取り出すストライカ６が一体的に
固着されており、該ストライカ６からの操作出力は変速
機レバー７に伝達され、図示しない変速機のシフト操作
ロッド８を操作する。

【０００７】前記変速機レバー７が収容される同じ前記
ハウジング３内に配設されている前記位置検出装置１０
は、検出レバー１１、位置伝達部１２、磁石部１３及び
位置スイッチセンサ１４とから構成される。

【０００８】すなわち、前記検出レバー１１の一端は、
前記ハウジング３側の一点に、抜け止めされた固定ピン
１５により摺動自在に固定され、その他端には、該レバ
ー１１の軸線に平行で互いに対向する平坦な係合面１６
ａ，１６ｂを有する凹部１７が形成され、該凹部１７
に、前記ストライカ６に突設された位置伝達部１２の一
端の係合部１２ａが摺接状態で係合するように配置され
ている。

【０００９】又、前記検出レバー１１には、図３及び図
４に示されるように、ボルト１３ａ及び永久磁石１３ｂ
からなる前記磁石部１３が、前記固定ピン１５の中心０
から適切な距離に、前記ボルト１３ａにより螺着、配設
されている。このボルト１３ａは例えばセラミックなど
の非磁性体からなるものであって、その頭部の上面側に
１個の永久磁石１３ｂが埋め込まれている。そして該磁
石１３ｂの上面が該ボルト１３ａの頭部の上面に露出さ
れている。

【００１０】前記位置スイッチセンサ１４は、前記ハウ
ジング３に取付けられており、前記検出レバー１１上の
前記磁石部１３の磁石１３ｂが、前記固定ピン１５の中
心０を中心として、往復動する円弧状の経路に対応し
て、該センサ１４内に３個の磁電変換素子１４ａが等間
隔を置いて一列に、配設されている。

【００１１】そして、前記検出レバー１１と前記位置伝
達部１２との係合作用点を適切な位置にすることによ
り、前記検出レバー１１の前記固定ピン１５の中心０
（固定中心）から前記磁石１３ｂまでの距離と、該固定
ピン１５の中心０から前記作用点までの距離との比を適
切な値にすれば、例えばシフト用操作軸４のストローク
が大きい場合でも該ストロークを縮小して、前記磁石１
３ｂの位置におけるストロークを、他のシフト用又はセ
レクト用操作軸のストロークと同一にすることができ
る。

【００１２】このようにして、前記磁石部１３の磁石１
３ｂが、前記位置スイッチセンサ１４の各磁電変換素子
１４ａに対応する位置にきたとき、該磁電変換素子１４
ａから所定の検出信号（例えばＯＮ信号）が図示しない
同軸ケーブルを介して図外のコントローラに出力され、
該コントローラは前記操作軸駆動部５への圧縮空気の給
排を制御して、前記変速用操作軸４を所定の位置まで正
確に駆動する。

【００１３】なお、前記位置スイッチセンサ１４内の３
個の磁電変換素子１４ａのうち中央に配設される前記素
子１４ａの位置が、通常、ニュートラル位置に設定され
ている。

【００１４】次に、前記変換機操作装置の位置検出装置
１０の動作について説明する。図外のチェンジレバーの
操作によりセレクト動作が完了し、次にシフト動作を開
始する場合には、図外のコントローラからの制御信号に
基づいてシフト操作用アクチュエータ２の操作軸駆動部
５への圧縮空気の給排が行なわれ、前記変速用操作軸４
が前記操作軸駆動部５により操作移動される。

【００１５】これに伴い、該操作軸４の前記ストライカ
６に突設された位置伝達部１２を介して、係合された前
記検出レバー１１の他端が移動し、該検出レバー１１上
の磁石１３ｂが前記位置スイッチセンサ１４の所定の該
電変換素子１４ａに対向する位置まで移動する。

【００１６】このとき、該磁電変換素子１４ａからシフ
ト位置検出信号（例えばＯＮ信号）が前記コントローラ
に出力され、これにより、シフト変速用操作軸４が所定
のシフト位置に操作されたことが検出、これにより図外
の前記コントローラの制御信号により、前記操作軸駆動
部５に供給されている圧縮空気を排気されて、シフト動
作が完了する。

【００１７】このように、前記位置検出装置１０によれ
ば、変速用操作軸４のストローク、すなわち前記シフト
操作軸４のストロークが車種によって変っても、前記検
出レバー１１と位置伝達部１２との作用点を適切な位置
にすることにより、該作用点で決まる一定比率で前記ス
トロークを、例えば、他のシフト用又は前記セレクト操
作軸のストローク（１３ｍｍ）と同一ストロークにでき
る。このため、変速機の種類にかかわらず、共通の前記
位置スイッチセンサ１４を採用することができる。

【００１８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来の変速機操作装置の位置検出装置にあって
は、その位置スイッチセンサ１４を、前記シフト操作軸
４用のものと操作軸に磁石部を固着したセレクト操作軸
用のものを共用にすると、各磁電変換素子１４ａの出力
に検出位置による相違やバラツキを生ずるという問題点
があった。

【００１９】このようなことは、図２に示すように、従
来の前記各磁電変換素子１４ａ，１４ａは配置されてい
るので、シフト操作用のものは、前記検出レバー１１の
固定中心から磁石１３ｂまでの距離を半径とする円弧状
経路を前記磁石１３ｂが往復動するが、セレクト操作用
のものは、磁石が直線経路上を往復動するためである。

【００２０】又、前記各磁電変換素子１４ａの出力の検
出位置による相違については、コントローラ内での対応
も可能であるが、その調整が面倒であるとともに、特に
シフト操作用のものはスイッチＯＮ−ＯＦＦ位置及びそ
の作動幅の調整が難しく、かつその出力が不安定である
という問題点もあった。

【００２１】本発明はかかる点に鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、前記シフト操作用とセ
レクト操作用の各位置スイッチセンサが共用できるとと
もに、安定して位置検出ができる変速機操作装置の位置
検出装置を提供することにある。

【００２２】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、シフト操作用アクチュエータのハウ
ジング側に検出レバーの一端を揺動自在に固定し、その
他端を、シフト用操作軸側に固設された位置伝達部に一
端に係合させるとともに、前記検出レバーに第１の磁石
を固着し、前記操作軸の往復動に伴い前記第１の磁石が
円弧上を往復動する経路に対応して、複数の磁電変換素
子を有する第１の位置スイッチセンサを前記ハウジング
側に配設したシフト操作用アクチュエータの位置検出装
置と、セレクト操作用アクチュエータのセレクト用操作
軸に第２の磁石を固着し、前記セレクト用操作軸の往復
動に伴い前記第２の磁石が直線上を往復動する経路に対
応して、複数の磁電変換素子を有する第２の位置スイッ
チセンサを前記セレクト操作用アクチュエータのハウジ
ング側に配設したセレクト操作用アクチュエータの位置
検出装置と有する変速機操作装置において、次のとおり
である。

【００２３】（１） 前記第１及び第２の位置スイッチ
センサのそれぞれ前記複数の磁電変換素子が、前記第１
の磁石の揺動半径の２倍以上の曲率半径を有する円弧上
に、円周方向にほぼ等間隔に配置されることを特徴とす
る。

【００２４】（２） 前記第１及び第２の位置スイッチ
センサに共通の位置スイッチセンサを用いることを特徴
とする。

【００２５】

【作 用】本発明は以上のように構成されているので、
位置スイッチセンサの各磁電変換素子を、従来のシフト
操作用とセレクト操作用のものの中間に位置させるよう
に配設するものである。

【００２６】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例
を例示的に詳しく説明する。

【００２７】図１は本発明の変速機操作装置の位置検出
装置の一実施例を示す位置スイッチセンサの３個の磁電
変換素子２０ａ，２０ｂ，２０ｃの配置図である。

【００２８】図において、２１に示す鎖線は、前記検出
レバー１１上に配設された磁石部１３の磁石１３ｂが、
前記シフト用操作軸４の往復動に伴って往復動する円弧
状経路である。

【００２９】この円弧状経路２１は、前記検出レバー１
１の固定ピン１５の中心０を中心として、該中心０から
前記磁石１３ｂまでの距離Ｒを半径とする円の円周上の
経路である。

【００３０】他方、２２に示す二点鎖線は、セレクト操
作軸の往復動に伴って、セレクト操作側の位置スイッチ
センサ用の磁石が往復動する直線状経路である。

【００３１】３個の前記磁電変換素子２０ａ，２０ｂ，
２０ｃの各位置が、シフト操作用の前記円弧状経路２１
とセレクト操作用の直線状経路２２とのほぼ中間で、か
つ図で左右が所定の等間隔になるように、曲率半径が２
Ｒ又は２Ｒ以上（本実施例では２Ｒの場合を示す）を有
する円の円周上、すなわち二点鎖線で示す円弧状経路２
３上に配置されている。

【００３２】同時に、前記磁電変換素子２０ａ，２０ｃ
と中央位置（ニュートラル位置）の磁電変換素子２０ｂ
とは、前記直線状経路２２に対し、図で上下方向に等距
離ｄになるように分散して配置されている。

【００３３】本実施例により、配置された磁電変換素子
２０ａ，２０ｂ，２０ｃは、曲率半径が２Ｒの円の円周
上にしたが、該磁電変換素子２０ａ，２０ｂ，２０ｃの
検出感度や作動幅に応じて、非直線配置、すなわち前記
曲率半径２Ｒより大きくし、又、若干小さくした曲率半
径を有する円の円周上に配置してもよい。

【００３４】なお、本発明の技術は前記実施例における
技術に限定されるものではなく、同様な機能を果す他の
態様の手段によってもよく、また本発明の技術は前記構
成の範囲内において種々の変更、付加が可能である。

【００３５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
変速機操作装置の位置検出装置によれば、前記位置スイ
ッチセンサの各磁電変換素子を、前記第１の磁石の揺動
半径の２倍以上の曲率半径を有する、直線に近付けた曲
率半径の大きい円弧上に、円周方向にほぼ等間隔に配置
するので、該位置スイッチセンサをシフト操作用とセレ
クト操作用に共用することができる。

【００３６】同時に、それぞれの位置検出点やその作動
幅の調整が容易になり、安定して位置検出することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の変速機操作装置の位置検出装置の一実
施例を示す位置スイッチセンサの各磁電変換素子の配置
図である。

【図２】従来のシフト及びセレクト操作用の位置スイッ
チセンサの各磁電変換素子の配置図である。

【図３】従来の変速機操作装置のシフト用操作軸側の構
成を示す一部断面図である。

【図４】図のIV−IV線による断面図である。

【符号の説明】

２ シフト操作用アクチュエータ ３ ハウジング ４ 変速用操作軸 ６ ストライカ １０ 位置検出装置 １１ 検出レバー １２ 位置伝達部 １３ 磁石部 １３ｂ 磁石 １４ 位置スイッチセンサ １４ａ，２０ａ，２０ｂ，２０ｃ 磁電変換素子 １５ 固定ピン ２１，２３ 円弧状経路 ２２ 直線状経路

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シフト操作用アクチュエータのハウジン
   グ側に検出レバーの一端を揺動自在に固定し、その他端
   を、シフト用操作軸側に固設された位置伝達部に一端に
   係合させるとともに、前記検出レバーに第１の磁石を固
   着し、前記操作軸の往復動に伴い前記第１の磁石が円弧
   上を往復動する経路に対応して、複数の磁電変換素子を
   有する第１の位置スイッチセンサを前記ハウジング側に
   配設したシフト操作用アクチュエータの位置検出装置
   と、セレクト操作用アクチュエータのセレクト用操作軸
   に第２の磁石を固着し、前記セレクト用操作軸の往復動
   に伴い前記第２の磁石が直線上を往復動する経路に対応
   して、複数の磁電変換素子を有する第２の位置スイッチ
   センサを前記セレクト操作用アクチュエータのハウジン
   グ側に配設したセレクト操作用アクチュエータの位置検
   出装置と有する変速機操作装置において、 前記第１及び第２の位置スイッチセンサのそれぞれ前記
   複数の磁電変換素子が、前記第１の磁石の揺動半径の２
   倍以上の曲率半径を有する円弧上に、円周方向にほぼ等
   間隔に配置されることを特徴とする変速機操作装置の位
   置検出装置。
2. 【請求項２】 前記第１及び第２の位置スイッチセンサ
   に共通の位置スイッチセンサを用いることを特徴とする
   請求項１の変換機操作装置の位置検出装置。