JP3124138B2 - 熱測定型バイオセンサ - Google Patents

熱測定型バイオセンサ

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JP3124138B2
JP3124138B2 JP04336130A JP33613092A JP3124138B2 JP 3124138 B2 JP3124138 B2 JP 3124138B2 JP 04336130 A JP04336130 A JP 04336130A JP 33613092 A JP33613092 A JP 33613092A JP 3124138 B2 JP3124138 B2 JP 3124138B2
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大輔 山崎
シーユッタサック マーナ
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Yokogawa Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療、食品、醸造、生
体、環境計測用の計測機器として利用されるバイオセン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的にバイオセンサの原理には、分光
法、電位または電流測定法、質量測定法、粘性およびイ
オン、ガス測定法など、多数の方法がある。これらの方
法は、決められた酵素−基質反応の種類によって、光、
電位、電流、重さ、粘度、イオン、ガスなどが変化しな
ければならず、これらの変化がなければ、測定はできな
かった。
【0003】これらの方法に対して、熱(温度)を測定
するバイオセンサは、一般に全ての酵素−基質に応用す
ることができる。つまり、全ての酵素−基質の分析が可
能であるという特徴を持っている。このことから、温度
を測定するバイオセンサは、酵素及び基質の種類を変え
ることで、医療、食品、生体等、多岐の分野に応用でき
る。
【0004】しかし、従来のバイオセンサでは、酵素及
び基質の種類の変更が面倒であるという問題点があっ
た。 また、周囲の温度変化により測定誤差が発生すると
いう問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を踏まえてなされたものであり、酵素固定化膜
をケースに固定化し、活性酵素固定化膜と失活酵素固定
化膜の温度変化に基づいて測定をすることによって、酵
素及び基質の種類変更が容易で、しかも周囲温度の影響
を受けにくい熱測定型バイオセンサを提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のとおりの構
成になった熱測定型バイオセンサである。 (1)検出物質と発熱または吸熱触媒反応をする酵素固
定化膜をケースに固定化し、このケースに水晶振動子を
収納し、前記検出物質と前記酵素固定化膜との反応に伴
う温度変化による前記水晶振動子の周波数変化を測定回
路で測定するようにしたことを特徴とする熱測定型バイ
オセンサ。 (2)検出物質と発熱または吸熱触媒反応をする活性酵
素固定化膜を第1のケースに固定化し、このケースに第
1の水晶振動子を収納し、検出物質と反応しない失活酵
素固定化膜を第2のケースに固定化し、このケースに第
2の水晶振動子を収納し、前記検出物質と前記活性酵素
固定化膜との反応に伴う温度変化による前記第1の水晶
振動子の周波数変化と、失活酵素固定化膜の温度変化に
よる前記第2の水晶振動子の周波数変化とを測定回路で
測定するようにしたことを特徴とする熱測定型バイオセ
ンサ。
【0007】
【0008】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1(イ)〜(ニ)は本発明に係わる熱測定型バイオセン
サの実施例を示す構成図である。図1において、本発明
の熱測定型バイオセンサは大別して、酵素固定化膜
(1),水晶振動子(2),発振回路と信号処理回路を
含む測定回路(3)の3つの部分で構成されている。
【0009】酵素固定化膜(1)は酵素−基質の反応場
としての役割をもち、その反応に伴う発熱により、周囲
の温度が変化する。この温度変化量は酵素の活性、酵素
および基質の量に依存するので、その定量分析に用いら
れる。
【0010】水晶振動子(2)は酵素反応に伴う温度変
化を測定する部分として働き、温度変化に伴う水晶振動
子(2)の発振周波数の変化分は、測定回路(3)によ
って測定し、表示される。なお、水晶振動子(2)は測
定回路(3)と接続される。
【0011】酵素の固定化は、包括法,共有結合法,架
橋法または吸着法で行うことができる。水晶振動子の表
面に直接固定化する場合は、表面の水酸基を利用して、
シランカップリング剤を介して行うとよい。
【0012】図1(イ)のものは、水晶振動子(2)の
電極上に直接に酵素固定化膜(1)を設けたものであ
る。(ロ)のものは、酵素固定化膜(1)を水晶振動子
(2)のケース(4)上に設けたものである。(ハ)の
ものは、2つの水晶振動子(2)を用い、一方の電極上
には活性酵素を固定化(1a)し、他方の電極上には失
活した酵素を固定化(1b)している。(ニ)のもの
は、(ハ)のものにおいて、それぞれ酵素固定化膜(1
a、1b)を水晶振動子(2)のケース(4)上に設け
たものである。
【0013】このような構成において、図1のいずれの
装置においても、その検出動作は、検出物質と酵素固定
化膜(1)との反応に伴う温度変化によって、水晶振動
子(2)の周波数変化を測定回路(3)で測定するもの
である。
【0014】ここで、酵素固定化膜(1)を直接水晶振
動子(2)の電極上に固定する図1(イ)のものは、高
感度のバイオセンサを構成することができる。また、酵
素固定化膜(1)を水晶振動子(2)のケース(4)上
に固定化する図1(ロ)のものは、酵素膜の交換が簡単
に行える。また、測定方法は、酵素固定化水晶振動子単
体だけ使用することも可能だが、図1(ハ),(ニ)に
示すように、もう一つの水晶振動子を用いるとさらに高
性能なバイオセンサになる。この場合、もう一つの水晶
振動子には失活した酵素を固定化しておく。失活酵素を
用いたため、この水晶振動子は酵素反応が起こらない。
したがって、これを用いて、周囲の温度変化を補正する
ことができる。水晶振動子に酵素固定化膜を固定化した
ときは重量変化により水晶振動子の周波数が変化する。
これは測定前の段階である。 実際の測定時には、酵素固
定化膜は検出物質に反応させるための触媒として作用す
るため、反応において検出物質の酵素固定化膜への結
合、付着等はない。従って、酵素固定化膜の重量変化は
ない。
【0015】次に、図2は本発明に係わる熱測定型バイ
オセンサの他の実施例を示す構成図である。この図2の
ものは、酵素固定化カラムの前後に水晶振動子を配置し
ている。酵素固定化カラムは酵素固定化ピースをカラム
内に充填し、反応場として用いている。この場合は、2
つの水晶振動子を酵素固定化カラムの出入口の近くに設
置する。酵素反応により、酵素固定化カラムの出口の温
度が上昇し、出口と入口の水晶振動子の発振周波数変化
を測定することにより、酵素反応の定量分析を測定する
ことができる。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。請
求項1の発明では、酵素固定化膜をケースに固定化し、
このケースに水晶振動子を収納しているため、ケースを
交換することにより酵素及び基質の種類を容易に交換で
きる。これによって、熱測定型バイオセンサを医療、食
品、生体等、多岐の分野にわたって容易に応用できる。
請求項2の発明では、請求項1の発明による効果に加え
て次の効果が得られる。 活性酵素固定化膜と失活酵素固
定化膜の温度変化に基づいて測定をしているため、周囲
の温度変化を考慮した測定ができる。これによって、周
囲の温度変化の影響を受けにくい熱測定型バイオセンサ
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる熱測定型バイオセンサの実施例
を示す構成図である。
【図2】本発明に係わる熱測定型バイオセンサの他の実
施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 酵素固定化膜1a 活性酵素固定化膜 1b 失活酵素固定化膜 2 水晶振動子 3 測定回路 4 ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーナ シーユッタサック タイ国 バンコク,ヂューシット10800, バンポー,プラチャーラージ1,43/11 (56)参考文献 特開 平2−149115(JP,A) 特開 平4−236336(JP,A) 特開 平2−62949(JP,A) 特開 平4−332857(JP,A) 特開 平1−156649(JP,A) 特開 昭61−212750(JP,A) 特開 昭62−235556(JP,A) 特開 昭63−247650(JP,A) 特開 昭63−186139(JP,A) 実開 昭62−62940(JP,U) 実開 昭62−49738(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/48 G01N 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出物質と発熱または吸熱触媒反応をす
    る酵素固定化膜をケースに固定化し、このケースに水晶
    振動子を収納し、前記検出物質と前記酵素固定化膜との
    反応に伴う温度変化による前記水晶振動子の周波数変化
    を測定回路で測定するようにしたことを特徴とする熱測
    定型バイオセンサ。
  2. 【請求項2】 検出物質と発熱または吸熱触媒反応をす
    る活性酵素固定化膜を第1のケースに固定化し、このケ
    ースに第1の水晶振動子を収納し、検出物質と反応しな
    い失活酵素固定化膜を第2のケースに固定化し、このケ
    ースに第2の水晶振動子を収納し、前記検出物質と前記
    活性酵素固定化膜との反応に伴う温度変化による前記第
    1の水晶振動子の周波数変化と、失活酵素固定化膜の温
    度変化による前記第2の水晶振動子の周波数変化とを測
    定回路で測定するようにしたことを特徴とする熱測定型
    バイオセンサ。
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