JP3124075B2 - ダイバーシティ受信装置 - Google Patents

ダイバーシティ受信装置

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JP3124075B2 JP03255507A JP25550791A JP3124075B2 JP 3124075 B2 JP3124075 B2 JP 3124075B2 JP 03255507 A JP03255507 A JP 03255507A JP 25550791 A JP25550791 A JP 25550791A JP 3124075 B2 JP3124075 B2 JP 3124075B2
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正典 斉藤
徹 黒田
繁樹 森山
知弘 斉藤
宰 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FM多重信号用に好適
なダイバーシティ受信装置に関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、FM多重放送に
対応した選択性ダイバーシティ受信装置に関するもの
で、受信機の切り換え制御信号を中間周波数(以下、I
F)信号の振幅またはRF信号の振幅と、IF包絡線の
76kHz近傍もしくは19kHzの倍数の周波数の振
幅成分またはRF包絡線の76kHz近傍もしくは19
kHzの倍数の周波数の振幅成分とを使用してFM多重
信号に適合した切り替え制御を行うようにしたものであ
る。
【0003】
【従来の技術】従来、この種のダイバーシティ受信装置
はIF信号の振幅出力レベルの大きい方を選択し、最適
な受信状態の受信機を構成している。また、他の方式と
しては、IF信号の振幅出力レベルとIF信号の包絡線
の数kHz程度の振幅成分の2つの出力信号を用いて切
り換えるようにしていた。
【0004】ところで、FM多重放送における多重信号
は、FMコンポジット信号の53kHz〜100kHz
の周波数帯に多重されている。伝送路において、マルチ
パス妨害があった場合、FMステレオ信号の(L−R)
差信号(38kHzを中心とする23〜53kHz成
分)の高調波成分が多重信号に最も妨害を与え、受信し
たIF信号の包絡線の76kHzを中心とする周波数成
分の振幅出力レベルが大きい程、多重信号への妨害量が
大きいことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のダ
イバーシティ受信装置においては、IF信号の振幅出力
レベルの違いに基づいて切り替える方式、またはIF信
号の振幅出力レベルとIF信号の包絡線の数kHz程度
までの周波数成分の振幅出力レベルの2つの出力信号を
用いる方式であるので、FM多重放送およびFMステレ
オ放送の双方を満足するダイバーシティ受信方式ではな
かった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、FM多重放送およびFMステレオ放
送の双方に最適なダイバーシティ受信装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、請求項1では、1つのFM放送ないしFM
多重放送を受信するための複数のFM受信チャンネルを
備え、各チャンネルの中から最適な受信状態のチャンネ
ルを選択するダイバーシティ受信装置において、各FM
受信チャンネルは、受信されたFM信号を中間周波数
(IF)信号に変換する手段と、前記IF信号の振幅出
力レベルを検出してレベル信号を生成する手段と、前記
IF信号の包絡線検波をする手段と、前記包絡線検波信
号中から76kHz近傍の歪成分を検出する手段と、検
出された歪成分を前記IF信号のレベル信号から差し引
く手段とを具備するとともに、各FM受信チャンネルに
おける前記差し引く手段の出力信号を互いに比較してそ
の信号レベルの高いチャンネルのFM検波信号を検波出
力として選択する手段を具備することを特徴としてい
る。
【0008】また、請求項2では、1つのFM放送ない
しFM多重放送を受信するための複数のFM受信チャン
ネルを備え、各チャンネルの中から最適な受信状態のチ
ャンネルを選択するダイバーシティ受信装置において、
各FM受信チャンネルは、受信信号中から選択されたR
F信号の振幅出力レベルを検出してレベル信号を生成す
る手段と、前記RF信号の包絡線検波をする手段と、前
記包絡線検波信号中から76kHz近傍の歪成分を検出
する手段と、検出された歪成分を前記RF信号のレベル
信号から差し引く手段とを具備するとともに、各FM受
信チャンネルにおける前記差し引く手段の出力信号を互
いに比較してその信号レベルの高いチャンネルのFM検
波信号を検波出力として選択する手段を具備することを
特徴としている。
【0009】さらに、歪成分の検出は、76kHz近傍
のみならず、パイロット信号周波数19kHzの整数倍
である19kHz、38kHz、57kHz、95kH
z及び114kHzのいずれかであることを特徴とする
【0010】
【作用】図3は、例えばベースバンド信号として38k
Hzの信号があった場合のFM変調した後のスペクトラ
ムを示している。変調度によってスペクトラムの振幅は
変わるが、38kHz間隔にスペクトラムがある。76
kHz周辺に多重信号を乗せた場合、38kHz周辺の
信号によって生じる高調波による妨害が最も多重信号に
影響を与える。また、76kHz周辺の多重信号の歪も
問題となる。これらの妨害が最も生じやすい伝送路の伝
達関数の一例を図4に示す。
【0011】図4において、38kHz及び76kHz
間隔のスペクトラムの振幅が大きく変化するような伝達
関数の周波数成分は、主に19kHzの倍数である19
kHz,38kHz,57kHz,95kHz,114
kHzとなる。本来、FM信号の振幅は一定であるが、
伝送路で歪んだ場合には、その歪がそのまま振幅成分に
現われる。そのため、FM信号の振幅のリップル成分と
して主に上述のような周波数成分を検出し、この信号に
よって受信信号を切り替えることによって効果的なダイ
バーシティ受信が可能となる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明に係るダイバーシティ受信装
置の一実施例構成を示すブロック図である。なお同図に
は、チャンネルch1とチャンネルch2の2チャンネ
ルにてダイバーシティ受信をする構成が示されており、
各チャンネルch1とch2とは同一構成であるため、
チャンネルch1の構成および作用を中心に説明する。
【0013】同図に示すように、チャンネルch1は、
受信アンテナ100で受信したRF信号をIF信号に変
換するダウンコンバータ102と、ダウンコンバータ1
02から出力されるIF信号をそれぞれ入力するIFレ
ベル検出部104,IF包絡線検波部106およびFM
検波部108と、IF包絡線検波部106で検出された
検波信号を周波数f0 =76kHzの基準信号で帯域通
過させて歪成分を検出するバンドパスフィルタ(以下、
BPF)部110と、BPF部110の歪成分信号に一
定の重み付けをする重み付け部112と、IFレベル検
出部104の検出信号から重み付けされた歪成分信号を
差し引く減算部114とを備えている。
【0014】チャンネルch2も同様に、受信アンテナ
200と、ダウンコンバータ202と、IFレベル検出
部204と、IF包絡線検波部206と、FM検波部2
08と、BPF210と、重み付け部212と、減算部
214とを備えている。
【0015】また、本装置は、前記減算部114と減算
部214の各出力信号を比較信号a1 ,a2 として入力
しそのレベルを比較してレベルの高いチャンネルの検波
信号を選択するための切り替え信号を生成するレベル比
較部300と、このレベル比較部300からの切り替え
信号に応じてその接点を切り替える切り替え回路302
とを備えている。
【0016】次に本実施例の作用を説明する。
【0017】FM放送波がch1の受信アンテナ100
及びch2の受信アンテナ200でそれぞれ受信される
と、受信信号は各ダウンコンバータ102及び202に
よって中間周波数(IF)信号に変換される。
【0018】このIF信号は、IFレベル検出部104
及び204に出力されてその振幅レベルが検出される。
また、このIF信号は、IF包絡線検波部106及び2
06に出力されてその包絡線検波がされる。さらに、こ
のIF信号は、FM検波部108及び208に出力され
てFM検波され、FM検波信号c1 及びc2 を得る。
【0019】IF包絡線検波部106及び206の検波
出力信号は、中心周波数fo =76kHzのBPF部1
10及び210において76kHzを中心とするIF信
号の歪成分を検出する。この歪成分が大きい程、多重信
号への妨害量も多いことを意味するので、次に重み付け
部112及び212によりこの歪成分信号に一定の重み
付けをし前記IFレベル信号から差し引いて比較信号a
1 及びa2 を得る。これら比較信号a1 及びa2 は、レ
ベル比較部300においてそのレベルが比較される。比
較信号a1 及びa2 の内、大きい方が多重信号への妨害
量が少ないので、レベル比較部300から切り替え回路
302に切り替え信号bが出力される。これにより、F
M検波部108または208からのFM検波信号の内、
比較信号a1 またはa2 の信号レベルの高い方のFM検
波信号c1 またはc2 が選択されて検波出力304とし
て取り出される。
【0020】図2は、本発明に係るダイバーシティ受信
装置の他の実施例構成を示すブロック図である。なお、
図1に示した実施例と同一構成部分には同一符号を付し
てその説明は省略する。
【0021】図示の実施例では、各チャンネルch1,
ch2のそれぞれのRF信号のレベルに応じたダイバー
シティ受信をするものである。このため、受信アンテナ
100及び200で受信されたFM受信信号中から所望
のFM局の信号を選択するRF選択部401及び501
と、選択されたRF信号を入力してそのレベルを検出す
るRFレベル検出部402及び502と、同じくRF信
号を入力してその包絡線検波をするRF包絡線検波部4
04及び504とを備えている。
【0022】次に本実施例の作用を説明する。
【0023】まず、RF選択部401及び501では、
受信アンテナ100及び200で受信されたFM信号中
から所望のFM局のRF信号を選択する。
【0024】この選択されたRF信号は、RFレベル検
出部402及び502に出力されてその振幅レベルが検
出される。また、このRF信号は、RF包絡線検波部1
06及び206に出力されてその包絡線検波がされる。
一方このRF信号は、ダウンコンバータ102及び20
2によってIF信号に変換される。さらに、このIF信
号は、FM検波部108及び208に出力されてFM検
波され、FM検波信号c1 及びc2 となる。
【0025】RF包絡線検波部404及び504の検波
出力信号は、中心周波数fo =76kHzのBPF部1
10及び210に出力され、ここで76kHzを中心と
するRF信号の歪成分が検出される。この歪成分が大き
い程、多重信号への妨害量も多いことを意味するので、
次に重み付け部112及び212によりこの歪成分信号
に一定の重み付けをして前記RFレベル信号から差し引
いて比較信号a1 及びa2 を得る。これら比較信号a1
及びa2 は、レベル比較部300においてそのレベルが
比較される。比較信号a1 及びa2 の内、大きい方が多
重信号への妨害量が少ないので、レベル比較部300か
ら切り替え回路302に切り替え信号bが出力される。
これにより、FM検波部108または208からのFM
検波信号の内、比較信号a1 またはa2 の信号レベルの
高い方のFM検波信号c1 またはc2 が選択されて検波
出力304として取り出される。
【0026】なお、以上の各実施例では、IF信号また
はRF信号の歪成分を検出するBPF部110の中心周
波数を76kHzに設定したが、76kHzより多少ず
れていても良く、また、パイロット信号周波数19kH
zの倍数である19kHz,38kHz、57kHz、
95kHz及び114kHzを中心周波数として設定し
ても良い。
【0027】また、前記各実施例では、2チャンネルの
切り替えダイバーシティについて説明したが、本発明
は、3チャンネル以上のものにも適用できることは勿論
である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、F
M多重放送およびFMステレオ放送に最適なダイバーシ
ティ受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイバーシティ受信装置の一実施
例構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るダイバーシティ受信装置の他の実
施例構成を示すブロック図である。
【図3】FM信号のスペクトラムの一例を示す説明図で
ある。
【図4】伝送歪がある場合のFM信号スペクトラムと伝
達関数を示す説明図である。
【符号の説明】
100,200 受信アンテナ 102,202 ダウンコンバータ 104,204 IFレベル検出部 106,206 IF包絡線検波部 108,208 FM検波部 110,210 バンドパスフィルタ(BPF)部 112,212 重み付け部 300 レベル比較部 302 切り替え回路 401,501 RF選択部 402,502 RFレベル検出部 404,504 RF包絡線検波部
フロントページの続き (72)発明者 森山 繁樹 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 斉藤 知弘 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 山田 宰 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−242328(JP,A) 特開 昭58−79345(JP,A) 特開 平3−126326(JP,A) 特開 平2−159833(JP,A) 実開 平1−171139(JP,U) 実開 平1−91353(JP,U) 実開 昭64−5541(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/00 H04B 7/02 - 7/12 H04L 1/02 - 1/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つのFM放送ないしFM多重放送を受
    信するための複数のFM受信チャンネルを備え、各チャ
    ンネルの中から最適な受信状態のチャンネルを選択する
    ダイバーシティ受信装置において、 各FM受信チャンネルは、 受信されたFM信号を中間周波数(IF)信号に変換す
    る手段と、 前記IF信号の振幅出力レベルを検出してレベル信号を
    生成する手段と、 前記IF信号の包絡線検波をする手段と、 前記包絡線検波信号中から76kHz近傍の歪成分を検
    出する手段と、 検出された歪成分を前記IF信号のレベル信号から差し
    引く手段とを具備するとともに、 各FM受信チャンネルにおける前記差し引く手段の出力
    信号を互いに比較してその信号レベルの高いチャンネル
    のFM検波信号を検波出力として選択する手段を具備す
    ることを特徴とするダイバーシティ受信装置。
  2. 【請求項2】 1つのFM放送ないしFM多重放送を受
    信するための複数のFM受信チャンネルを備え、各チャ
    ンネルの中から最適な受信状態のチャンネルを選択する
    ダイバーシティ受信装置において、 各FM受信チャンネルは、 受信信号中から選択されたRF信号の振幅出力レベルを
    検出してレベル信号を生成する手段と、 前記RF信号の包絡線検波をする手段と、 前記包絡線検波信号中から76kHz近傍の歪成分を検
    出する手段と、 検出された歪成分を前記RF信号のレベル信号から差し
    引く手段とを具備するとともに、 各FM受信チャンネルにおける前記差し引く手段の出力
    信号を互いに比較してその信号レベルの高いチャンネル
    のFM検波信号を検波出力として選択する手段を具備す
    ることを特徴とするダイバーシティ受信装置。
  3. 【請求項3】 前記歪成分を検出する手段は、パイロッ
    ト信号周波数19kHzの整数倍である19kHz、3
    8kHz、57kHz、95kHz及び114kHzの
    いずれかの歪成分を検出することを特徴とする請求項1
    または2記載のダイバーシティ受信装置。
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